(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置
(51)【国際特許分類】
B05B 17/06 20060101AFI20231206BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20231206BHJP
F24F 6/12 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B05B17/06
F24F6/00 D
F24F6/00 B
F24F6/12 101Z
(21)【出願番号】P 2022516715
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(86)【国際出願番号】 KR2019017937
(87)【国際公開番号】W WO2021054539
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114437
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522100545
【氏名又は名称】リ,ソン ホ
(73)【特許権者】
【識別番号】522102099
【氏名又は名称】リ,ヨン ホ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ヨン ホ
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-517382(JP,A)
【文献】特開2018-028398(JP,A)
【文献】特開2011-247521(JP,A)
【文献】登録実用新案第3009505(JP,U)
【文献】特開平10-246474(JP,A)
【文献】登録実用新案第3148436(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0041075(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1728010(KR,B1)
【文献】アルカリイオン水(電解水素水)ってどんなもの?,株式会社フジ医療器,2019年04月14日,p.1-8,https://web.archive.org/web/20190414021854/https://www.fujiiiryoki.co.jp/product/water/ion.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 17/00-17/08
F24F 6/00-6/18
A61L 9/00-9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン水を利用して噴霧作用する超音波噴霧装置であって、
内部にはイオン水を収容する収容空間(110)、前記収容空間(110)の下部や側部に構成した装着空間(120)、および、前記装着空間(120)で超音波加振で発生した気泡を収容空間(110)の中に排出する排出管(130)を含む本体(100)、および、
前記装着空間(120)に設置され、超音波発生器(210)を備えて前記収容空間(110)から装着空間(120)に流動したイオン水を超音波で加振して霧化した後、本体(100)の外に噴霧させる噴霧モジュール(200)、を含み、
前記排出管(130)は、
一方がイオン水に浸り他の一方がイオン水の外に突出して装着空間(120)の中で前記超音波発生器(210)の加振で発生した気泡を収容空間(110)のイオン水の上側に排出するように設置され
、
前記排出管(130)は、
前記収容空間(110)に満たしたイオン水の上に突出した終端が少なくとも2個に分岐するように形成されたことを特徴とする、
気泡の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置。
【請求項2】
前記装着空間(120)は上部が上に膨らんだ形態で製作され、
前記排出管(130)はイオン水に浸る一方が前記装着空間(120)の膨らんだ部分から気泡を排出できるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の
気泡の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置。
【請求項3】
前記収容空間(110)に満たして使うイオン水は、
水素水、酸性水、アルカリ水、または、殺菌水であることを特徴とする、請求項1
または2に記載の
気泡の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置に関し、さらに詳細には、収容空間に満たしたイオン水を超音波加振して霧化することによって装着空間で発生した気泡を収容空間に排出する時、この気泡がイオン水との接触を最小化できるように構成するため、イオン水の物性の変化がなされないようにして噴霧効果と殺菌・保湿效果を高めることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に超音波噴霧装置は水のような液体を霧化して噴霧する装置であり、化粧品で使うミスト、噴霧器、加湿器などの多様な形態で製作して使う。下記の(特許文献1)~(特許文献3)には、このような多様な種類の超音波噴霧装置に関する技術が開示されている。
【0003】
(特許文献1)韓国登録実用新案第20-0451159号公報
容器に入れられた溶液を噴射する噴霧器に関し、指で引く圧力によって溶液が噴射され、噴射される溶液が金属体の振動部を通過しながら微細な微粒子に霧化されるようにして溶液を噴霧し、噴出する溶液に加えられる圧力が均一になるように圧力を緩衝する圧力緩衝部が備えられた超音波噴霧器に関する。このような構成による圧力緩衝部が備えられた超音波噴霧器は、手動で折々の状況を見ながら指で引く力の調節で感覚的に噴霧量を調節できるため便利であり、指で引く力の不均衡による圧力の強度を緩衝できるため溶液が均一に噴霧されるようにする便利さがあり、送風ファンで空気を吸入して送出するため噴霧効果を最大化できる便利さがある。
【0004】
(特許文献2)韓国公開特許第10-2015-0056893号公報
超音波噴霧装置に関し、内部に中空部が備えられるハウジングと;前記ハウジングを一端を貫通する流入口と、前記流入口に連結され前記ハウジング内部の中空部に位置するノズルボディと、前記ノズルボディから延び前記ハウジングを他端を貫通するノズルチップを含み、前記流入口と連結され前記ノズルボディと前記ノズルチップを貫通する流路が形成される噴霧ノズルと;前記中空部内部に位置し、前記ノズルボディの外周に配置され電圧の印加により振動する圧電素子と;前記ノズルチップの外周に配置されて前記ノズルチップを加熱する加熱部と;前記流路に挿入され液体を供給する供給チューブを含む超音波噴霧装置が提供される。
【0005】
(特許文献3)韓国公開特許第10-2016-0121711号公報
超音波芳香剤噴霧システムに関し、超音波芳香剤噴霧システムは、噴霧溝を有する超音波振動子を含む噴霧部、前記噴霧部に接触して配置された液体部、前記噴霧部の上端に配置された噴霧溝開閉部、前記超音波振動子と電気的に連結された駆動回路部および前記駆動回路部と電気的に連結された外部電源部で構成され得る。これにより、製造費用を節減させることができ、爆発の危険がなく、体積の最小化と無騒音動作が可能である。また、噴霧液を充填することができ、噴霧部と液体部の取り換えが容易であるため長期間の間持続的に使うことができる。
【0006】
しかし、このような既存の超音波を利用した噴霧装置は次のような問題がある。
【0007】
(1)一般的に水道水のような流体を利用して噴霧する時には構わずに使うことができるが、酸化水や還元水のようなイオン水を利用して超音波噴霧する時にはイオン水の機能を喪失させる。
【0008】
(2)すなわち、既存の超音波噴霧装置は噴霧に使う水がタンクなどから抜け出ると、水が抜け出た分だけ外部空気や超音波加振で発生した気泡がタンク中を満たす。この時、タンクの外部からタンクに入る外気や超音波加振で発生した気泡は超音波噴霧に使う超音波発生器の影響を受けて、
図1のように、加振作用を受けて渦流現象に類似する現象を起こす。
【0009】
(3)
図1で、透明に見える透明窓の中で旋風のように吹き荒れている部分がタンクに満たされる気泡の流れを示している。このように、タンクの中に入る外部空気はタンクに残っている水と接触することになるが、この時、イオン水を噴霧に使うことになると、イオン水の物性の変化によりイオン水の機能を喪失することになる。
【0010】
(4)これをもう少し詳細に説明すると、霧化作用でタンクから水が抜けていくにつれて、それだけ外気が超音波の加振現象によって気泡の形態でイオン水の下から上へ浮上することになる。この時、この気泡が超音波を受けて加振されると。旋風の形態で回りながらタンク内部を幅広く掻き回しながらイオン水と幅広く接触することになる。したがって、気泡と接触したイオン水の量が多くなるだけでなく、このように気泡と接触したイオン水は物性の変化が起きてイオン水としての機能を喪失する。
【0011】
(5)例えば、酸化還元電位を-650mVで充填した水素水溶液を従来の超音波噴霧装置の水タンクに満たして10~20秒の間超音波振動を加えながら噴霧作用した後、この水タンクに残っている酸化還元力を測定した結果、次のような物性の変化が現れる。10秒間噴霧作用後の水素水の酸化還元電位は+230mVであったし、20秒間噴霧作用後の水素水の酸化還元電位は+580mVと測定された。このような結果を見ると、水タンク内に満たしたイオン水の物性が変化を起こして酸化したことが分かる。
【0012】
(6)また、酸化還元電位を+1020mVで充填した水酸化イオン溶液を従来の超音波噴霧装置の水タンクに満たして10~20秒間超音波振動を加えながら噴霧作用した後、この水タンクに残っている酸化還元力を測定した結果、次のような物性の変化が現れる。10秒間噴霧作用後の水酸化イオンの酸化還元電位は+850mVであったし、20秒間噴霧作用後の水酸化イオンの酸化還元電位は+450mVと測定された。このような結果を見ると、水タンク内に満たしたイオン水の物性が変化を起こして酸化したことが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国登録実用新案第20-0451159号公報
【文献】韓国公開特許第10-2015-0056893号公報
【文献】韓国公開特許第10-2016-0121711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明はこのような点を考慮したものであり、噴霧するためにイオン水を超音波加振することによって装着空間で発生した気泡を収容空間に排出する時に気泡が収容空間に満たしたイオン水に接触することを最小化できるように構成するため、超音波加振された気泡がイオン水と接触しながらイオン水の物性の変化を起こすことを防止してイオン水の効果が落ちることを防止できるようにした、空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置を提供することにその目的がある。
【0015】
特に、本発明はイオン水を貯蔵する収容空間の底や側面から始まって収容空間に満たしたイオン水の上に突出するように排出管を設置し、この排出管を通じて超音波加振で発生した気泡を収容空間の中に排出できるように構成するため、この気泡がイオン水に接触することによって発生し得るイオン水の物性の変化を防止することによって、イオン水の物性をそのまま活用できるようにした、空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置を提供することに他の目的がある。
【0016】
また、本発明はイオン水の上に突出した排出管の終端を少なくとも二つに分岐して構成するため、いずれか一つが詰まっても気泡の排出が可能であるだけでなく、収容空間内に発生した水滴やミストがいずれか一つを塞いでも気泡の流れを邪魔することをあらかじめ防止できるようにした、空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置を提供することにさらに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するための本発明に係る空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置は、イオン水を利用して噴霧作用する超音波噴霧装置において、内部にはイオン水を収容する収容空間110、前記収容空間110の下部や側部に構成した装着空間120、前記装着空間120で超音波加振で発生した気泡を収容空間110の中に排出する排出管130を含む本体100;および前記装着空間120に設置するものの、超音波発生器210を具備して前記収容空間110から装着空間120に流動したイオン水を超音波で加振して霧化した後、本体100の外に噴霧させる噴霧モジュール200;を含むものの;、前記排出管130は、一方がイオン水に浸り他の一方がイオン水の外に突出して装着空間120の中で前記超音波発生器210の加振で発生した気泡を収容空間110のイオン水の上側に排出するように設置したことを特徴とする。
【0018】
特に、前記装着空間120は上部が上に膨らんだ形態で製作し、前記排出管130はイオン水に浸る一方が前記装着空間120の膨らんだ部分から気泡を排出できるように構成したことを特徴とする。
【0019】
また、前記排出管130は、前記収容空間110に満たしたイオン水の上に突出した終端が少なくとも2個に分岐するように形成したことを特徴とする。
【0020】
最後に、前記収容空間110に満たして使うイオン水は、水素水、酸性水、アルカリ水、または殺菌水であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置は次のような効果がある。
【0022】
(1)イオン水を霧化して噴霧することによって装着空間で超音波加振で発生した気泡が収容空間にあるイオン水と接触することを最小化し、イオン水の物性変化防止効果を高めることができる。
【0023】
(2)これは、超音波加振で発生した気泡と接触したイオン水の酸化還元力の変化のような物性の変化を防止して本来イオン水が有する物性を十分に活用できるようにする。
【0024】
(3)特に、イオン水を貯蔵した収容空間の下部から上部に排出管を貫通するように構成するため、イオン水で噴霧しない時は外気や気泡が収容空間の中に浸透することを遮断しながらも、イオン水で噴霧するときはそれだけ超音波加振で発生した気泡を排出管を通じて収容空間の中に排出できるようにして噴霧効果を高めることができる。
【0025】
(4)このとき、前記排出管は収容空間の底すなわち、収容空間と装着空間を区分する上部の板部分が上に膨らむように構成した部分から始まるように構成するため、超音波加振で発生した気泡が装着空間に長く停滞せずに膨らんだ部分に集まるようにしてすぐに排出管を通じて収容空間の中に排出できるようにして、発生した気泡が本体内のイオン水との接触を円滑に遮断することができる。
【0026】
(5)さらに、前記排出管はイオン水の上に突出した他の一方の端を少なくとも二つに分岐して構成するため、いずれか一つが詰まっても他の一つを通じて常に超音波加振で発生した気泡の排出がなされるようにする。それだけでなく、収容空間の中で結露した水滴などが排出管を通じて中に流入しても他の部分を通じて気泡の排出ができるようにして安全に使用できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来の超音波噴霧装置にイオン水を入れて噴霧作用する過程で、超音波加振で発生した気泡がイオン水に接触する状態を示す写真である。
【
図2】本発明に係る超音波噴霧装置の全体構成を示す断面図である。
【
図3】本発明に係る超音波噴霧装置で噴霧する過程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例をさらに詳細に説明することにする。これに先立ち、本明細書および特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者はそれ自身の発明を最高の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則り、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は本発明の最も好ましい一実施例に過ぎないものであり本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点でこれらを代替できる多様な均等物と変形例が存在し得ることが理解されるべきである。
【0030】
(構成)
本発明に係る空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置は、
図2および
図3のように、本体100、噴霧モジュール200、そして超音波発生器210を含む。
【0031】
特に、前記本体100には超音波加振で発生した気泡を収容空間110に排出する排出管130を含むものの、前記排出管130を通じて排出するこの気泡がイオン水との空気の接触を最小化できるように構成するため、イオン水の物性変化の防止を通じてイオン水が有する物性効果をそのまま活用できるようにしたものである。
【0032】
この時、前記排出管130はイオン水を貯蔵する収容空間110と噴霧モジュール200等を装着する装着空間120を区画する部分を通じて、超音波発振で発生した気泡を収容空間110の中に排出できるように装着空間120を構成するものの、この装着空間120の上部が上に膨らむように形成し、膨らんだ上部で排出管130が始まるように設置するため、この気泡が膨らんだ部分に集まって排出管130を通じて収容空間110に排出することになって装着空間120の内部に停滞したり溜まっておらずにすぐに収容空間110の中に排出できるようにしたものである。
【0033】
また、前記排出管130は収容空間110の中からイオン水の外に突出した一方の端を少なくとも二つに分岐するように構成するため、いずれか一方が詰まっても超音波加振で発生した気泡が装着空間120から収容空間110の中に円滑に排出できるようにし、そして噴霧過程で発生した水滴などがこの排出管130の端部を塞いでも他方を通じて気泡の排出作用が円滑になされ得るようにしたものである。
【0034】
以下、このような構成について添付図面を参照してさらに詳細に説明すると次の通りである。以下、「気泡」は後述する超音波発生器を加振してイオン水を霧化して噴霧することによって発生する気泡であり、本発明に係る装置の外部から中に流入する空気であってもよく、イオン水に含有した気泡であるか、またはこのような外部空気とイオン水の気泡の両方であってもよい。
【0035】
イ.本体
本体100は、
図2および
図3のように、イオン水の供給を受けて貯蔵し、貯蔵したイオン水を供給して超音波噴霧がなされるようにする。
【0036】
このような本体100は、
図2および
図3のように、収容空間110、装着空間120、そして排出管130を含む。
【0037】
1.収容空間
収容空間110は、
図2および
図3のように、イオン水を貯蔵するための空間である。この時、前記収容空間110は外部からイオン水の注入ができるように栓を備え、この栓を開閉できるように構成する。また、前記栓には収容空間110を密閉できるように構成することが好ましい。
【0038】
ここで、イオン水は負電荷や正電荷を含有した水であり、水を電気分解した水素水、酸性水、アルカリ水、または次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウムを含んだ殺菌水を利用することができる。この時、イオン水は外部で水を分解する電解槽等を通じて電気分解したものを収容空間110に供給を受けて使ってもよく、本体100に電気分解できる電解槽などを装着してこの電解槽で電気分解したイオン水を収容空間110に貯蔵してから使用できるように構成してもよい。
【0039】
また、前記収容空間110には、
図2および
図3のように、後述する噴霧モジュール200にイオン水を供給できるように供給管111を構成する。この時、供給管111にはチェックバルブのように、一方(ここでは、後述する噴霧モジュール200側)にのみイオン水を供給できるようにバルブ112を備え、前記バルブ112は閉鎖した状態でいて後述する噴霧モジュール200で噴霧に必要な空気圧力などが加えられた時にのみ開放して噴霧に必要なイオン水を収容空間110から噴霧モジュール200に供給するように構成することが好ましい。
【0040】
2.装着空間
装着空間120は、
図2および
図3のように、前述した収容空間110の下部や側部に位置するように構成する。この時、前記装着空間120は後述する噴霧モジュール200を装着することができ、前記収容空間110からイオン水を容易に供給を受けて超音波加振を通じて霧化して噴霧できる位置であればいずれに構成してもよい。
【0041】
本発明の好ましい実施例において、前記装着空間120は、
図2および
図3のように、収容空間110の下部に構成することによって、前記収容空間110に貯蔵したイオン水が重力などを利用して容易に装着空間120の中に設置した噴霧モジュール200に自然に供給できるように構成することが好ましい。
【0042】
また、本発明の好ましい実施例において、前記装着空間120は、
図2および
図3のように、上部面が上に膨らむように構成することが好ましい。これは、装着空間120には後述する排出管130を通じて装着空間120の中で超音波加振で気泡が発生することになるが、この気泡が装着空間120の膨らんだ部分に集まるようにするためである。このように集まった気泡は、この膨らんだ部分から始まる後述する排出管130を通じて装着空間120の中で長く停滞したり留まらないようにしてすぐに収容空間110の中に排出できるように構成する。
【0043】
3.排出管
排出管130は、
図2および
図3のように、前述した装着空間120に設置する噴霧モジュール200の超音波発生器210の超音波加振で発生した気泡を前述した収容空間110の中に排出するものの、イオン水との接触を最小化しながらイオン水の上に集まるようにする。
【0044】
このために、前記排出管130は、
図2および
図3のように、一方が装着空間120に連結して装着空間120で発生した気泡を排出できるようにし、他の一方を収容空間110の中に延長して気泡を収容空間110の中に排出できるように構成する。この時、収容空間110の中に差し込まれた排出管130は、この収容空間110に満たすイオン水の最大高さより上に突出するように構成することによって、装着空間120で発生した気泡を排出管130を通じて収容空間110の中に排出する時にイオン水との空気の接触を最小化できるように構成する。
【0045】
これをより詳細に説明すると、本発明の排出管130がないと、装着空間120から気泡がすぐに収容空間110の中に入ることになって、後述する超音波発生器210の超音波加振のためこの気泡が渦流のように動きながらイオン水と接触して物性を変わるようにし、特に気泡が広い領域に亘ってまるで旋風のように動きながら広い領域に亘ってイオン水と接触してイオン水の物性を変わるようにする。しかし、前記排出管130はこのような気泡があらかじめ定められた経路を通じて移動し、特にイオン水との接触がなされないように構成することによって、このようなイオン水と気泡(空気)の接触で発生し得るイオン水の物性の変化をあらかじめ防止できるようにする。
【0046】
この時、前記排出管130は、
図2および
図3のように、装着空間120側に装着した方は前述した通り、装着空間120で膨らんだ部分に装着することが好ましい。また、この装着空間120に設置した排出管130にはチェックバルブのようなバルブを装着し、前述したバルブ112が開放されてイオン水が抜け出るにつれて収容空間110内部の圧力が低くなると、開放されながら超音波加振で発生した気泡が装着空間120から排出管130を通じて収容空間110の中に流入できるように構成することが好ましい。
【0047】
また、前記排出管130は、
図2および
図3のように、収容空間110の中に挿入した他の一方がこの収容空間110に満たすイオン水に浸らない程度の高さで形成することが好ましい。これは、排出管130を通じて収容空間110の中に入ってくる気泡がイオン水の中でイオン水と接触することを最小化することによって、後述する超音波発生器210を通じて加振されて装着空間120から収容空間110に排出する気泡によってイオン水の酸化還元力のような物性が変わらないようにするためである。
【0048】
そして前記排出管130は、
図2および
図3のように、前述した収容空間110の中に差し込まれてイオン水の上に突出するように設置した一方が少なくとも二つに分岐するように構成して、少なくとも二つの排出口133で構成することが好ましい。これは、使用中にいずれか一つの排出口133が詰まったり噴霧過程で水滴などが排出口133を塞いでも残りの詰まっていない排出口133を通じて円滑に超音波加振で発生した気泡の排出がなされ得るようにするためである。また、このような排出口133は二つに分岐する時、「U」字状または「Y」字状などの多様な形態で製作してもよい。
【0049】
ロ.噴霧モジュール
噴霧モジュール200は、
図2および
図3のように、外部から空気の供給を受けて一定の方向に排出しながら、前述した供給管111を通じてイオン水の供給を受けて超音波加振して霧化する通常の技術で製作したモジュールを使う。
【0050】
この時、前記噴霧モジュール200は、図面で図示してはいないが、送風機のように空気を所定の圧力で圧送したり圧縮空気の供給を受けたり発生させる構成、前記収容空間110でイオン水の供給を受けて空気の流れを利用して霧化したり霧化が容易になされるようにする構成、イオン水が容易に霧化できるように予熱するヒーターのような加熱手段などの噴霧に必要な通常の技術で製作したものを使うことができる。
【0051】
本発明の好ましい実施例において、前記噴霧モジュール200は、
図2および
図3のように、超音波発生器210を通じてイオン水を霧化する。
【0052】
超音波発生器
超音波発生器210は、
図2および
図3のように、前述した装着空間120に設置して超音波を加振してイオン水に伝達して霧化させる通常の技術で製作したものを使う。
【0053】
このような超音波発生器210は、
図2および
図3で、前述した噴霧モジュール200とは別途に構成したものとして説明しているが、この噴霧モジュール200内にともに構成して使うことが好ましい。
【0054】
前述したようになされた本発明に係る空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置で、イオン水(還元性水素水)に対して酸化還元力を測定した結果、次のように収容空間内のイオン水には物性の変化がないことが確認された。
【0055】
[酸化還元力の測定]
まず、前記収容空間に酸化還元電位が-650mVである還元性水素水を50mlだけ充填した。そして、この還元性水素水を本発明に係る超音波噴霧装置で10~20秒間噴霧するようにした後、酸化還元電位を測定した。その結果、10秒間稼動した後の還元性水素水の酸化還元電位は-650mVであったし、20秒間稼動した後の還元性水素水の酸化還元電位は-648mVであり、ほとんど物性の変化がないことを確認した。
【0056】
また、前記収容空間に酸化還元電位が+1,020mVである水酸化イオン水を100mlだけ充填した。そして、この水酸化イオン水を本発明に係る超音波噴霧装置で10~20分間噴霧するようにした後、酸化還元電位を測定した。その結果、10分間稼動した後の水酸化イオン水の酸化還元電位は+1,020mVであったし、20分間稼動した後の水酸化イオン水の酸化還元電位は+1,018mVであり、ほとんど物性の変化がないことを確認した。
【0057】
以上の通り、本発明は空気の接触を遮断してイオン水の物性の変化を防止する超音波噴霧装置において、イオン水を霧化することによって超音波振動で排出する微細な気泡がイオン水に接触することを最小化することによって、加振された気泡がイオン水に幅広く接触することによって発生するイオン水の物性の変化を防止して、イオン水の物性が変わらない状態で霧化作用がなされ得るようにする。