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特許7397999ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド
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  • 特許-ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド 図1
  • 特許-ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド 図2
  • 特許-ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/70 20060101AFI20231206BHJP
   B23Q 1/52 20060101ALI20231206BHJP
   B23B 19/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B23Q1/70
B23Q1/52
B23B19/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022539209
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2020132120
(87)【国際公開番号】W WO2021135759
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】201911419347.9
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517012970
【氏名又は名称】科徳数控股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】KEDE NUMERICAL CONTROL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.8 Huanghai Street, Economic and Technological Development Zone, Dalian, Liaoning 116600 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 虎
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】杜 長林
(72)【発明者】
【氏名】郭 翠娟
(72)【発明者】
【氏名】李 亜鵬
(72)【発明者】
【氏名】張 海波
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ 志鴻
(72)【発明者】
【氏名】孫 宏▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】張 国▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】宋 明山
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207189865(CN,U)
【文献】特開平01-240202(JP,A)
【文献】特開2009-090439(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102019636(CN,A)
【文献】中国実用新案第208246273(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102005006221(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/70
B23Q 1/52
B23B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)と、動力機構と、伝動機構と、主軸(30)と、を含み、前記動力機構及び伝動機構は前記ハウジング(1)に内設されるベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドであって、
前記動力機構はサーボモータ(20)と、減速機(21)と、を含み、前記サーボモータ(20)は前記減速機(21)に接続され、前記減速機(21)の入力軸は出力軸に垂直に設けられ、
前記伝動機構は駆動輪(22)と、伝動ベルト(23)と、従動輪(24)と、を含み、前記減速機(21)の出力軸に前記駆動輪(22)が取り付けられ、
前記主軸(30)の片側は回転軸(31)を介して前記ハウジング(1)に取り付けられ、前記回転軸(31)の主軸から遠い一端に前記従動輪(24)が取り付けられ、前記駆動輪(22)と前記従動輪(24)は前記伝動ベルト(23)を介して接続され、前記主軸(30)と前記動力機構は前記伝動機構の同じ側に位置し、
前記ハウジング(1)の一端は主軸取付端(13)であり、前記主軸取付端(13)に主軸取付部(11)が設けられ、前記主軸(30)は回転軸(31)を介して前記主軸取付部(11)に取り付けられ、前記主軸(30)と前記従動輪(24)は前記主軸取付部(11)の両側にそれぞれ配置され、
前記主軸取付部(11)の従動輪(24)が設けられた側に、前記主軸をクランプするためのクランプ装置がさらに取り付けられ、前記クランプ装置は前記主軸取付部(11)と従動輪(24)との間に配置されることを特徴とする、ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド。
【請求項2】
前記クランプ装置は空気圧軸クランプ装置であることを特徴とする、請求項に記載のベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド。
【請求項3】
前記回転軸(31)の前記主軸(30)に接続された一端に固定盤(310)が設けられ、前記回転軸(31)は前記固定盤(310)を介して前記主軸(30)に固定接続され、前記固定盤(310)の従動輪(24)に向かう側に、前記主軸の揺動角度を測定するための角度測定システム(5)が取り付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド。
【請求項4】
前記角度測定システム(5)は円形格子(50)と、読取ヘッド(51)と、を含み、前記円形格子(50)は前記固定盤(310)に取り付けられ、前記読取ヘッド(51)は前記主軸取付部(11)に取り付けられることを特徴とする、請求項に記載のベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド。
【請求項5】
前記主軸取付部(11)の前記主軸(30)に向かう側にさらに角度測定システム収容キャビティ(14)が設けられ、前記読取ヘッド(51)は前記角度測定システム収容キャビティ(14)の内壁に取り付けられ、前記円形格子は前記固定盤(310)に取り付けられ、且つ回転軸の軸線方向において、前記円形格子の一部は前記角度測定システム収容キャビティ(14)内に配置されることを特徴とする、請求項に記載のベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工作機械の主軸技術分野に関し、具体的には、ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
航空、国防等の分野ではしばしば深穴加工を行う必要があるが、従来の工作機械の主軸は一般的に一定の角度で工作機械に取り付けられ、又は手動で角度を調整する必要があり、体積が大きくなるため、空間が狭い深穴構造の加工に適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の工作機械のアタッチメントヘッドは、体積が大きくなり、構造が複雑であり、深穴の加工に適していないという課題を解決するベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が提供する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0005】
ハウジングと、動力機構と、伝動機構と、主軸と、を含み、前記動力機構及び伝動機構は前記ハウジングに内設されるベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドであって、
前記動力機構はサーボモータと、減速機と、を含み、前記サーボモータは前記減速機に接続され、前記減速機の入力軸は出力軸に垂直に設けられ、
前記伝動機構は駆動輪と、伝動ベルトと、従動輪と、を含み、前記減速機の出力軸に前記駆動輪が取り付けられ、
前記主軸の片側は回転軸を介して前記ハウジングに取り付けられ、前記回転軸の主軸から遠い一端に前記従動輪が取り付けられ、前記駆動輪と前記従動輪は前記伝動ベルトを介して接続され、前記主軸と前記動力機構は前記伝動機構の同じ側に位置する、ベルト伝動式アングルアタッチメントヘッド。
【0006】
さらに、前記ハウジングの一端は主軸取付端であり、前記主軸取付端に主軸取付部が設けられ、前記主軸は回転軸を介して前記主軸取付部に取り付けられ、前記主軸と前記従動輪は前記主軸取付部の両側に配置される。
【0007】
さらに、前記主軸取付部の従動輪が設けられた側に、前記主軸をクランプするためのクランプ装置がさらに取り付けられ、前記クランプ装置は前記主軸取付部と従動輪との間に配置される。
【0008】
さらに、前記クランプ装置は空気圧軸クランプ装置である。
【0009】
さらに、前記回転軸の前記主軸に接続された一端に固定盤が設けられ、前記回転軸は前記固定盤を介して前記主軸に固定接続され、前記固定盤の従動輪に向かう側に、前記主軸の揺動角度を測定するための角度測定システムが取り付けられる。
【0010】
さらに、前記角度測定システムは円形格子と、読取ヘッドと、を含み、前記円形格子は前記固定盤に取り付けられ、前記読取ヘッドは前記主軸取付部に取り付けられる。
【0011】
さらに、前記主軸取付部の前記主軸に向かう側にさらに角度測定システム収容キャビティが設けられ、前記読取ヘッドは前記角度測定システム収容キャビティの内壁に取り付けられ、前記円形格子は前記固定盤に取り付けられ、且つ回転軸の軸線方向において、前記円形格子の一部は前記角度測定システム収容キャビティ内に配置される。
【発明の効果】
【0012】
従来技術と比較して、本発明に記載のベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドは以下の利点を有し、サーボモータが縦方向に設置され(縦形の状態にある)、且つ減速機及びベルト伝動構造を介して主軸を駆動することで、主軸がサーボモータの出力軸の延長線の空間内に位置し、サーボモータ及び主軸が占有する空間を減少させ、アングルアタッチメントヘッドの体積を縮小して、主軸を狭い空間内に進入させることができ、同時にベルト伝動構造が主軸を駆動して揺動させることができるため、深穴を容易に加工することができ、同時に、構造がシンプルで、組み立て及びメンテナンスが容易であり、製造コストが低い等の利点である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明が提供するベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドの構造図である。
図2図2は本発明が提供するベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドの正面図である。
図3図3は本発明が提供するベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドが実現できる揺動角度範囲の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2は本発明が開示するベルト伝動式アングルアタッチメントヘッドを示し、ハウジング1、動力機構、伝動機構及び主軸30を含み、前記動力機構及び伝動機構は前記ハウジング1に内設される。図に示すように、本実施例において、ハウジング1は細長いキャビティ構造であり、ハウジング1の一端(図における下端)に主軸取付部11が設けられ、主軸取付部11はハウジングの中心位置からずれており(すなわち主軸取付部はハウジング下端の側部に設けられる)、ハウジング下部と主軸取付部との間に主軸を設置できる主軸収容空間12が形成される。
【0015】
前記動力機構及び伝動機構は前記ハウジング1内に取り付けられ、具体的には、前記動力機構はサーボモータ20及び減速機21を含み、サーボモータ20はハウジング1内に縦方向に設置され(すなわちサーボモータの出力軸はハウジングの長手方向と一致する)、前記サーボモータ20の出力軸は前記減速機21の入力軸に接続され、前記減速機21の入力軸は出力軸に垂直に設けられる。前記伝動機構は駆動輪22、伝動ベルト23及び従動輪23を含み、前記減速機21の出力軸に前記駆動輪22が取り付けられる。主軸30は主軸収容空間12に内設され、前記主軸30の側壁に回転軸31の一端が固定され、本実施例において、回転軸31の一端に固定盤310(フランジ構造)が設けられ、主軸30はボルトを介して固定盤310に固定接続され、主軸取付部11に軸受取付孔が設けられ、回転軸31に軸受32が取り付けられ、軸受32は軸受取付孔内に取り付けられ、回転軸31の他端に従動輪24が取り付けられ、駆動輪22と従動輪24との間は伝動ベルト23を介して接続される。主軸は回転軸を介してハウジングに取り付けられ、それによりサーボモータと主軸は伝動機構の同じ側に位置する(すなわち主軸はサーボモータの出力軸の延長方向に位置する)。本発明はサーボモータを縦方向に設置し、且つ入力軸と出力軸が垂直である減速機及びベルト伝動機構を介して主軸を駆動することにより、サーボモータ、減速機及び主軸をほぼ同一の直線上に配置し、アングルアタッチメントヘッドの幅を縮小して、主軸を細長い構造に配置することができ、深穴への挿入が容易であり、同時に、サーボモータは減速機及びベルト伝動構造を介して主軸を駆動して回転軸の中心軸線を中心として揺動させることができ、図3に示すように、主軸取り付け部の長さが十分に長い場合でも、揺動中の主軸はハウジングと干渉せずに、主軸は大角度で揺動でき、図に示すようにアタッチメントヘッドが双方向に揺動できる角度aは90度から120度に達し、すなわち主軸の揺動角度は180度から240度に達し、主軸が水平線を越えて上向きに揺動できる揺動角度bは30度に達し、深穴を容易に加工することができる。伝動機構は摩擦ベルト伝動(平ベルト、Vベルト等の構造)を用いてもよく、本実施例において、伝動構造は噛み合いベルト伝動(タイミングベルト構造伝動)を用い、タイミングベルト構造を用いて伝動することで伝動の精度を保証することができる。
【0016】
さらに、前記主軸取付部11の従動輪24が設けられた側に、前記主軸をクランプするためのクランプ装置4がさらに取り付けられ、前記クランプ装置4は前記主軸取付部11と従動輪24との間に配置される。好ましくは、前記クランプ装置4は空気圧軸クランプ装置であり、空気圧軸クランプ装置は主軸取付部に取り付けられ且つ回転軸に嵌着され、クランプ装置4を設置することにより回転軸に対するクランプ及びアンクランプを実現し、さらに主軸に対するクランプ及びアンクランプを実現することができ、それにより主軸が回転する時、クランプ装置は回転軸をアンクランプし、伝動軸を介して主軸の揺動を制御し、主軸が一定の角度まで揺動した後、クランプ装置がクランプして回転する時、主軸の加工が容易であり、本実施例において、空気圧軸クランプ装置を採用することによりアタッチメントヘッドの清潔さを保証することができ、作動油で汚れることがない。
【0017】
さらに、前記回転軸31の前記主軸30に接続された一端に固定盤310が設けられ、前記回転軸31は前記固定盤310を介して前記主軸30に固定接続され、前記固定盤310の従動輪24に向かう側に前記主軸の揺動角度を測定するための角度測定システム5が取り付けられ、角度測定システム5はラウンドインダクトシン(round-inductosyn)を用い、本実施例において、前記角度測定システム5は円形格子50及び読取ヘッド51を含み、前記円形格子50は前記固定盤310に取り付けられ、前記読取ヘッド51は前記主軸取付部11に取り付けられる。角度測定システムを設置することにより、主軸の揺動角度に対する検出を実現することができ、主軸に対する閉ループ制御を実現し、主軸の揺動精度を向上させる。同時に、円形格子が固定盤に取り付けられるため(軸受アタッチメントに近い)、回転精度が高く、主軸の切削抵抗及び入力端における伝動ベルトのテンションの影響を受けず、主軸の揺動角度を直接測定して、位置決め精度を向上させる。
【0018】
さらに、前記主軸取付部11の前記主軸30に向かう側にさらに角度測定システム収容キャビティ14が設けられ、前記読取ヘッド51は前記角度測定システム収容キャビティ14の内壁に取り付けられ、前記円形格子50は前記固定盤310に取り付けられ、且つ回転軸の軸線方向において、前記円形格子50の一部は前記角度測定システム収容キャビティ14内に配置される。角度測定システムの収容キャビティを設けることにより、角度測定システムをその中に配置することができ、アタッチメントヘッドの幅をさらに減少させ、深穴構造の加工を容易にする。
【0019】
上述したものは、本発明の好ましい具体的な実施形態に過ぎない。本発明の保護範囲はここに限定されず、当業者が本発明の技術的解決手段及びその主旨に基づいて変更又は置換したものは、本発明に開示の技術的範囲を逸脱しない限り、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0020】
1 ハウジング
11 主軸取付部
12 主軸収容空間
13 主軸取付端
14 角度測定システムの収容キャビティ
20 サーボモータ
21 減速機
22 駆動輪
23 伝動ベルト
24 従動輪
30 主軸
31 回転軸
310 固定盤
32 軸受
4 クランプ装置
5 角度測定システム
50 円形格子
51 読取ヘッド
図1
図2
図3