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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】取付座、電池および電気設備
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/591 20210101AFI20231206BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20231206BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231206BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20231206BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20231206BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20231206BHJP
【FI】
H01M50/591
H01M50/588
H01M50/204 201
H01M50/262 S
H01M50/296
H01M50/50 101
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022551021
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2021126827
(87)【国際公開番号】W WO2022111199
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】202011367674.7
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】闕 孝敬
(72)【発明者】
【氏名】劉 存瑞
(72)【発明者】
【氏名】王 天生
(72)【発明者】
【氏名】何 子杰
(72)【発明者】
【氏名】張 君華
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064733(JP,A)
【文献】国際公開第2013/179796(WO,A1)
【文献】特開平07-232565(JP,A)
【文献】中国実用新案第206742340(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/591
H01M 50/204
H01M 50/296
H01M 50/588
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドカバーおよび出力電極と接続され、前記エンドカバーの一側に、前記エンドカバーと電池セルとを絶縁隔離する絶縁部材が設置される取付座であって、
前記絶縁部材に面する側にガイド溝が設けられる本体を備え、
前記ガイド溝は、前記出力電極と前記エンドカバーとが、前記本体と前記絶縁部材との間の液体を介して電気的に接続されることを防止するためのものであり、
前記本体は、前記エンドカバーの高さ方向である第1方向において、対向する第1端および第2端を備え、前記第1端は、前記エンドカバーと接続されるものであり、前記第2端は、前記出力電極を取り付けるものであり、
前記ガイド溝は、前記エンドカバーの長さ方向である第2方向の両側を貫通する、
取付座。
【請求項2】
前記本体は、
第1側面を備えるベース部と、
前記第1側面に凸設され、前記絶縁部材と当接する第1当接部と、
前記第1側面に凸設され、前記第1方向において前記第1当接部と対向して設置され、前記絶縁部材と当接する第2当接部と、
を備え、
前記ガイド溝は、前記第1当接部、前記第1側面および前記第2当接部より形成される、
請求項1に記載の取付座。
【請求項3】
前記第1当接部の前記第1側面から突出する高さと前記第2当接部の前記第1側面から突出する高さが同じである、
請求項2に記載の取付座。
【請求項4】
前記ベース部には、前記エンドカバーの挿着溝に挿着され、前記本体が前記第1方向において前記エンドカバーから脱離することを制限するための挿着部が設けられる、
請求項2または3に記載の取付座。
【請求項5】
前記挿着部は、前記エンドカバーの厚さ方向である第3方向に延在し、その一端が、前記第1側面から延出して前記絶縁部材と当接する、
求項4に記載の取付座。
【請求項6】
前記第1当接部は、前記絶縁部材と当接する第1当接面を備え、
前記挿着部は、前記絶縁部材と当接する第2当接面を備え、
前記第2当接面が前記第1当接面と面一である、
請求項4または5に記載の取付座。
【請求項7】
前記ガイド溝の深さが2mm以上である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の取付座。
【請求項8】
前記本体には、前記ガイド溝と連通する排出孔が設けられる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の取付座。
【請求項9】
エンドカバーと、
電池セルと、
前記電池セルの電極端子と接続され、前記電池セルの電気エネルギーを出力する出力電極と、
前記電池セルと前記エンドカバーとの間に設置され、前記エンドカバーと前記電池セルとを絶縁隔離する絶縁部材と、
請求項1~8のいずれか1項に記載の取付座と、を備え、
前記取付座が前記エンドカバーに取り付けられ、前記出力電極が前記取付座に取り付けられ、前記ガイド溝が前記本体の前記絶縁部材に面する側に設けられる、電池。
【請求項10】
請求項9に記載の電池を含む、電気設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の技術分野に属し、具体的に、取付座、電池および電気設備に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本出願は、2020年11月27日に提出された、名称が「取付座、電池および電気設備」であり、出願番号が202011367674.7である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
電池は、通常、エンドカバー、取付座、出力電極、絶縁部材および電池セルを備える。電池セルの電極端子が出力電極と電気的に接続され、取付座がエンドカバーに取り付けられ、出力電極が取付座に取り付けられる。取付座は、出力電極を絶縁保護し、出力電極とエンドカバーとを絶縁隔離するためのものである。絶縁部材は、電池セルとエンドカバーとの間に設置され、電池セルとエンドカバーとを絶縁隔離するためのものである。
【0004】
しかしながら、ある状態では、電池が短絡を発生する場合があるので、安全性をさらに高める必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、電池の安全性を高める取付座、電池および電気設備を提供する。
【0006】
第1局面では、本出願の実施例が取付座を提供する。取付座は、エンドカバーおよび出力電極と接続され、前記エンドカバーの一側に、前記エンドカバーと電池セルとを絶縁隔離する絶縁部材が設置され、前記絶縁部材に面する側にガイド溝が設けられる本体を備え、前記ガイド溝は、前記出力電極と前記エンドカバーとが、前記本体と前記絶縁部材との間の液体を介して電気的に接続されることを防止するためのものである。
【0007】
上記技術案において、取付座の本体の、絶縁部材に面する側にガイド溝を設けることにより、ガイド溝の設置箇所での本体と絶縁部材との距離を増加させることができ、この箇所で本体と絶縁部材との間に連続的な液膜が形成されにくいので、出力電極とエンドカバーとが、本体と絶縁部材との間の液体を介して電気的に接続され、取付座の出力電極に対する絶縁保護作用が失われるリスクを効果的に低減することができる。これによって、電池では短絡が発生しにくくなり、電池の安全性を向上することができる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記本体は、第1方向において、対向する第1端および第2端を備え、前記第1端は、前記エンドカバーと接続されるものであり、前記第2端は、出力電極を取り付けるものであり、前記ガイド溝は、前記本体の前記第1方向に垂直の第2方向の両側を貫通するものである。
【0009】
上記技術案において、ガイド溝が本体の第2方向の両側を貫通し、ガイド溝により、第1方向において、本体と絶縁部材との間の液膜を、ガイド溝の両側に位置する2つの部分に分割することができるので、第1方向において本体と絶縁部材との間に連続的な液膜を形成する可能性をさらに低減することができる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記本体は、第1側面を備えるベース部と、前記第1側面に凸設され、前記絶縁部材と当接する第1当接部と、前記第1側面に凸設され、前記第1方向において前記第1当接部と対向して設置され、前記絶縁部材と当接する第2当接部とを、備え、前記ガイド溝は、前記第1当接部、前記第1側面および前記第2当接部により形成される。
【0011】
上記技術案において、ガイド溝は第1当接部、第1側面および第2当接部により形成されるものであるので、第1方向において対向して設置される第1当接部および第2当接部がいずれも絶縁部材と当接できるので、本体がエンドカバーに取付けられたあとの安定性を高めることができる。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1当接部の前記第1側面から突出する高さと前記第2当接部の前記第1側面から突出する高さは同じである。
【0013】
上記技術案において、第1当接部の第1側面から突出する高さと第2当接部の第1側面から突出する高さが同じであるので、本体がエンドカバーに取付けられたあと、第1当接部および第2当接部が同時に絶縁部材と当接することを容易に確保することができる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記ベース部には、前記エンドカバーの挿着溝に挿着され、前記本体が前記第1方向において前記エンドカバーから脱離することを制限するための挿着部が設けられる。
【0015】
上記技術案において、ベース部の挿着部とエンドカバーの挿着溝との挿着により、本体に対する位置を制限することで、本体が第1方向においてエンドカバーから脱離することを制限でき、取付座とエンドカバーとの脱着を速やかに行うことができる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記挿着部は、第3方向に延在し、その一端は、前記第1側面から延出して前記絶縁部材と当接し、前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向は互いに垂直である。
【0017】
上記技術案において、ベース部の挿着部とエンドカバーの挿着溝との挿着により、本体に対する位置を制限し、さらに、挿着部が絶縁部材と当接するので、本体と絶縁部材との接触面積が大きくなり、本体がエンドカバーに取付けられたあとの安定性をさらに向上させることができる。
【0018】
いくつかの実施例において、前記第1当接部は、前記絶縁部材と当接する第1当接面を備え、前記挿着部は、前記絶縁部材と当接する第2当接面を備え、前記第2当接面は前記第1当接面と面一である。
【0019】
上記技術案において、第1当接部の絶縁部材と当接する第1当接面は挿着部の絶縁部材と当接する第2当接面と面一であるので、本体をエンドカバーに取り付けたあと、第1当接面および第2当接面が同時に絶縁部材と当接することを容易に保証することができる。
【0020】
いくつかの実施例において、前記ガイド溝の深さは2mm以上である。
【0021】
上記技術案において、ガイド溝の深さが2mm以上であるので、ガイド溝の底壁と絶縁部材との間の距離が大きくなり、本体のガイド溝の設置箇所において、絶縁部材およびガイド溝の底壁に付着する液膜が形成されず、本体と絶縁部材との間に連続的な液膜が形成されにくくなる。
【0022】
いくつかの実施例において、前記本体には、前記ガイド溝と連通する排出孔が設けられる。
【0023】
上記技術案において、本体にはガイド溝と連通する排出孔が設けられ、排出孔がガイド溝内の液体を排出するように構成されるものであるため、ガイド溝内に液体が集まらず、ガイド溝の設置箇所での本体と絶縁部材との間に液膜が形成される可能性をさらに低減できる。
【0024】
第2局面では、本出願の実施例が電池を提供する。電池は、エンドカバーと、電池セルと、前記電池セルの電極端子と接続され、前記電池セルの電気エネルギーを出力する出力電極と、前記電池セルと前記エンドカバーとの間に設置され、前記エンドカバーと前記電池セルとを絶縁隔離する絶縁部材と、第1局面または第1局面の任意の実施例による取付座と、を備え、前記取付座が前記エンドカバーに取り付けられ、前記出力電極が前記取付座に取り付けられ、前記ガイド溝が前記本体の前記絶縁部材に面する側に設けられる。
【0025】
上記技術案において、電池の取付座の本体の、絶縁部材に面する側にガイド溝を設けることにより、ガイド溝の設置箇所での本体と絶縁部材との距離を増加させることができ、この箇所で本体と絶縁部材との間に連続的な液膜が形成されにくいので、出力電極とエンドカバーとが、本体と絶縁部材との間の液体を介して電気的に接続され、取付座の出力電極に対する絶縁保護が失われるリスクを効果的に低減することができる。これによって、電池の短絡が発生しにくくなり、電池の安全性を向上することができる。
【0026】
第3局面では、本出願の実施例が第2局面による電池を含む電気設備を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願における実施例の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本出願の一部の実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることが可能である。
【0028】
図1図1は本出願のいくつかの実施例による車両の構成を示す模式図である。
図2図2は本出願のいくつかの実施例による電池の構成を示す模式図である。
図3図3図2に示す電池の部分分解図である。
図4図4図3に示す取付座の構成を示す模式図である。
図5図5図2に示す電池の取付座とエンドカバーとの組立模式図である。
図6図6図2に示す電池の取付座および出力電極の分解図である。
図7図7図2に示す電池の取付座、出力電極、エンドカバーおよび絶縁部材の位置関係図である。
図8図8は本出願のいくつかの実施例による取付座の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするため、以下、本出願の実施例の図面を参照しながら、本出願の実施例の技術案を明瞭に説明する。説明する実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、当然のことながら全ての実施例ではない。本出願の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得た全ての他の実施例も、本出願の保護範囲に属する。
【0030】
特に断りがない限り、本出願で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、本出願が属する分野の一般技術者の通常の理解と同様の意味を有する。本出願において、本願明細書に使用される用語は、実施例を具体的に説明するためのものにすぎず、本出願を限定するものではない。また、本出願の明細書、特許請求の範囲および図面の説明に記載の用語「含む」、「有する」及びその類義語は、非排他的な包含をカバーすることが意図される。本出願の明細書、特許請求の範囲及び図面に記載の「第1」、「第2」などの用語は、類似の対象を区別するためのものすぎず、特定の順序又は順位を限定するものではない。
【0031】
本出願で言及する「実施例」は、実施例に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が本出願の少なくとも一実施例に含まれ得ることを意味するものである。明細書における様々な部分でのこの用語の出現は、全てが同じ実施例を参照しているわけではないし、他の実施例を互いに除いた別個のまたは代替的な実施例でもない。本明細書に記載された実施例は、他の実施例と組み合わせてもよいことが、当業者によって明示的または暗示的に理解される。
【0032】
本出願の説明において、明確な定義や限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部が連通し又は2つの要素が相互に作用してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0033】
本出願の実施例において、同様の符号は、同様の部品を示し、簡単に説明するため、異なる実施例どうしの間で、同一部品に対する詳細の説明を省略する。また、図面に示す本出願の実施例の各部品の厚さ、長さ、幅などの寸法、および集積装置の全体の厚さ、長さ、幅など寸法は、例示的なものにすぎず、本出願を限定するものではないと理解される。
【0034】
本出願において「複数」は、2つ以上(2つを含む)のことを意味する。
【0035】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池の電池セル、リチウムイオン一次電池の電池セル、リチウム・硫黄電池の電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池の電池セル、ナトリウムイオン電池の電池セルまたはマグネシウムイオン電池などを含み得るが、これらに限定されない。電池セルは、円柱状、偏平体状、長方体状またはその他の形状などを呈するが、これらに限定されない。電池セルは、パッケージング方式により、一般的に、柱状電池セル、角型電池セル、パウチ電池セルの3種類に分けられるが、これらに限定されない。
【0036】
本出願の実施形態に記載の電池は、より高い電圧および容量を提供するために1つまたは複数の電池セルを含む単一の物理モジュールである。例えば、本出願で言及される電池は、電池モジュールまたは電池バックなどを含み得る。電池は、通常、1つまたは複数の電池セルを封入するための筐体を備える。筐体は、液体や他の異物による電池セルの充放電への影響を防止することができる。
【0037】
電池セルは、電極ユニットと電解液を含み、電極ユニットは、正極板、負極板、セパレータからなる。電池セルは、主に、正極板と負極板の間の金属イオンの移動によって動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含む。正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布される。正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗布された正極集電体から突出して、正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料はアルミニウムであり、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、3元リチウムまたはマンガン酸リチウムなどであり得る。負極板は、負極集電体と負極活物質層を含む。負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布される。負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗布された負極集電体から突出して、負極タブとして使用される。負極集電体の材質は、銅であり、負極活物質は、カーボンやシリコン等であり得る。大電流が通過しても溶断しないことを確保するために、複数の正極タブを設けてそれらを積み重ね、複数の負極タブを設けてそれらを積み重ねるようにする。セパレータの材料は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)またはPE(polyethyleneポリエチレン)等で有り得る。さらに、電極ユニットは、コイル状構造または積層構造からなるものでもよいが、これらに限定されない。電池の技術の発展に伴い、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電効率などの性能パラメータなどの、多くの設計要素を考慮する必要がある。さらに、電池の安全性も考慮しなければならない。
【0038】
電池は、通常、取付座がエンドカバーに取り付けられ、出力電極が取付座に取り付けられ、取付座が出力電極とエンドカバーとの間に位置し、絶縁部材と当接するように構成される。また、取付座は、出力電極を絶縁保護し、出力電極とエンドカバーとを絶縁隔離するためのものであり、絶縁部材は、電池セルとエンドカバーとの間に設置され、電池セルとエンドカバーとを絶縁隔離するためのものである。
【0039】
発明者らは、電池の短絡が容易に発生するリスクがあることを見出した。研究により、発明者らは、ある状態では(例えば凝集)、液体が取付座と絶縁部材との間に入り、取付座と絶縁部材との間で比較的薄い液膜が形成され、出力電極とエンドカバーとが、取付座と絶縁部材との間の液体を介して電気的に接続されることにより、取付座の出力電極に対する絶縁保護作用が失われ、出力電極とエンドカバーとの間の絶縁性に影響を与え、短絡してしまうことを見出した。
【0040】
本出願の実施例は、上記事情を鑑みてなされたものであり、取付座の本体の、絶縁部材に面する側にガイド溝が設けられる技術を提供する。ガイド溝を設けることにより、ガイド溝の設置箇所での本体と絶縁部材との距離を増加させることができ、この箇所で絶縁部材との間に液膜が形成されにくくなるので、出力電極とエンドカバーとが、本体と絶縁部材との間の液体を介して電気的接続され、取付座の出力電極に対する絶縁保護作用が失われるリスクを効果的に低減することができる。
【0041】
本出願の実施例に記載の液膜は、本体と絶縁部材との間に存在する比較的薄い液体である。
【0042】
本出願の実施例に記載の技術案は、電池および電池を使用する電気設備に適する。
【0043】
電気設備とは、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、船、航空機、電動玩具および電動工具などが挙げられる。車両には、ガソリン自動車、天然ガス自動車または新エネルギー自動車が含まれ、新エネルギー自動車には、電気自動車、ハイブリッド車またはレンジエクステンダー式電気自動車などが含まれる。航空機には、飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などが含まれる。電動玩具には、固定式または移動式のものが含まれ、例えば、ゲーム機、電動車玩具、電動船玩具および電動飛行機玩具などが挙げられる。電動工具には、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立用電動工具および鉄道用電動工具が含まれ、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマー、インパクト電動ドリル、コンクリートバイブレーターおよび電動カンナなどが挙げられる。本出願の実施形態は、上記の電気設備に対して特に限定するものではない。
【0044】
以下の実施形態では、説明の便宜のために、電気設備が車両である場合を説明する。
【0045】
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の構成模式図である。図1に示すように、車両1000の内部には、電池100が配置されている。電池100は、車両1000の底部、前部または後部に設置することが可能である。電池100は、車両1000に給電するためのものであり、例えば、車両1000の動作電源とすることができる。
【0046】
車両1000は、制御器200およびモータ300をさらに含む。制御器200は、モータ300に給電するように電池100を制御するためのものであり、例えば、車両1000の始動、ナビゲートおよび走行時に必要な電力を供給するように、電池100を制御する。
【0047】
本出願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の動作電源として使用可能であるだけではなく、ガソリンや天然ガスの代わりに車両1000に駆動電力を提供するための車両1000の駆動電源としても使用することができる。
【0048】
図2は、本出願のいくつかの実施例による電池100の構成を示す模式図である。図2に示すように、電池100は、エンドカバー10、電池セル20、出力電極30、絶縁部材40および取付座50を含む。
【0049】
出力電極30は、電池セル20の電極端子(図2に図示せず)と接続され、電池セル20の電気エネルギーを出力するためのものである。絶縁部材40は、電池セル20とエンドカバー10との間に設置され、エンドカバー10と電池セル20とを絶縁隔離するためのものである。取付座50が、エンドカバー10に取り付けられ、出力電極30が、取付座50に取り付けられる。
【0050】
電池100は、1つまたは複数の電池セル20を含み得る。複数の電池セル20を含む場合、複数の電池セル20が直列、並列または直並列に接続されてもよい。直並列とは、複数の電池セル20を直列接続し且つ並列接続することを指す。複数の電池セル20を、直接に、直列、並列または直並列することができ、複数の電池セル20を先に直列、並列または直並列して電池モジュールを形成し、さらに、複数の電池モジュールを直列、並列または直並列して一体のものとすることもできる。
【0051】
例示的に、図2に示すように、複数の電池セル20を含む場合、それらの直列、並列または直並列の接続を実現するために、集電部材60を介して複数の電池セル20を電気的に接続してもよい。
【0052】
いくつかの実施例においては、図2に示すように、2つのエンドカバー10を有する。複数の電池セル20が2つのエンドカバー10の間に位置し、2つのエンドカバー10が、電池セル20を制限するものである。
【0053】
出力電極30は、例えば、金属導電片のような金属導体である。出力電極30は、2つあってもよく、1つの出力電極30が電池セル20の正極端子と電気的に接続するものであり、もう一つの出力電極30が電池セル20の負極端子と電気的に接続するものである。2つの出力電極30は、それぞれ同一の電池セル20の正極端子と負極端子に接続され得る。例えば、複数の電池セル20を並列接続する場合、2つの出力電極30が、1つの電池セル20の正極端子と負極端子にそれぞれ電気的に接続されてもよいし、1つの出力電極30が1つの電池セル20の正極端子と電気的に接続され、別の出力電極30が別の電池セル20の負極端子と電気的に接続されてもよい。また、例えば、複数の電池セル20が直列される場合、1つの出力電極30が、直列接続する電池セル20の最初のものの正極端子と電気的接続され、もう一つの出力電極30が、直列接続される電池セル20の最後のものの負極端子と電気的に接続されることも可能である。
【0054】
取付座50は、2つあってもよく、出力電極30と一対一に設置されることが可能である。2つの取付座50は、それぞれ2つのエンドカバー10に取り付けられてもよい。つまり、エンドカバー10ごとに1つの取付座50を取り付けることが可能である。また、図2に示すように、2つの取付座50が1つのエンドカバー10に取り付けられてもよい。
【0055】
絶縁部材40は、2つあってもよく、取付座50ごとに1つの絶縁部材40を設置することが可能である。絶縁部材40は、エンドカバー10と電池セル20との間に位置し、電池セル20とエンドカバー10とを絶縁隔離するためのものである。
【0056】
図3は、図2に示す電池100の部分分解図である。図3に示すように、絶縁部材40は、エンドカバー10の厚さ方向の一側に設置され、取付座50は、絶縁部材40に当接するようにエンドカバー10に取り付けられる。
【0057】
絶縁部材40は、ゴム、プラスチックなどの絶縁材料からなり、そのプラスチックは、PBT(Polybutylene terephthalate、ポリブチレンテレフタレート)、PET(Polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PA(Polyamide、ポリアミド)などであり得る。
【0058】
例示的に、絶縁部材40は、板状のものである。
【0059】
いくつかの実施例において、図2に示すように、電池100は、さらに底板70および2つの側板80を含む。底板70、2つの側板80および2つのエンドカバー10により、頂部に開口を有する電池セル20を収容する筐体90が形成される。電池100は、さらにカバー体(図2に図示せず)を含んでも良い。カバー体は、筐体90の頂部をカバーして密封するように筐体90と接続される。カバー体と筐体90により、電池セル20を収容する密封空間が形成される。
【0060】
図4は、図3に示す取付座50の構成模式図である。図4に示すように、本出願の実施例において、取付座50は、本体51を備え、本体51の絶縁部材40(図3に図示せず)に面する側に、ガイド溝511が設けられる。ガイド溝511を設けることにより、出力電極30とエンドカバー10とが本体51と絶縁部材40との間の液体を介して電気的接続されることを防止することが可能である。
【0061】
本体51の絶縁部材40に面する側にガイド溝511を設けることによって、ガイド溝511の設置箇所での本体51と絶縁部材40との距離を増加させることができ、この箇所で本体51と絶縁部材40との間に連続的な液膜が形成されにくくなるので、出力電極30とエンドカバー10とが、本体51と絶縁部材40との間の液体を介して電気的に接続され、取付座50の出力電極30に対する絶縁保護作用が失われるリスクを効果的に低減することができる。これによって、電池100では短絡が発生しにくく、電池100の安全性を向上することができる。
【0062】
本体51は、出力電極30を絶縁保護するための絶縁材料からなる。本体51の材料は、プラスチック、ゴムなどであってもよい。プラスチックは、PBT(Polybutylene terephthalate、ポリブチレンテレフタレート)、PET(Polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PA(Polyamide、ポリアミド)などであり得る。例示的に、本体51は、熱可塑性成形により形成されるものである。
【0063】
本出願の実施例において、ガイド溝511を設けることにより、ガイド溝511の設置箇所での本体51と絶縁部材40との距離を増加させることができるので、この箇所で絶縁部材40との間に液膜が形成されにくくなる。つまり、ガイド溝511の底壁から絶縁部材40までの距離が、本体51の絶縁部材40に面する側の、ガイド溝511が設けれていない部分から絶縁部材40までの距離よりも大きくなるので、液体がガイド溝511の底壁と絶縁部材40との間に留まらず、ガイド溝511の底壁と絶縁部材40との間に液膜が形成されにくくなる。ガイド溝511の深さが深いほど、ガイド溝511の底壁と絶縁部材40の間の距離が大きくなり、ガイド溝511の底壁と絶縁部材40との間に液膜がより形成されにくくなる。
【0064】
いくつかの実施例において、ガイド溝511の深さは2mm以上である。これによって、ガイド溝511の底壁と絶縁部材40との間の距離が大きくなり、本体51のガイド溝511の設置箇所において、絶縁部材40およびガイド溝511の底壁に付着する液膜が形成されず、本体51と絶縁部材40との間に連続的な液膜が形成されにくくなる。
【0065】
いくつかの実施例において、ガイド溝511の深さは2.5mm以上である。これによって、ガイド溝511の底壁と絶縁部材40との間の距離がさらに増加され、本体51と絶縁部材40との間に連続的な液膜が形成されにくくなる。
【0066】
いくつかの実施例において、図4に示すように、本体51は、第1方向Zにおいて対向する第1端512および第2端513を備える。第1端512は、エンドカバー10(図3に示す)と接続するものであり、第2端513は、出力電極30(図3に示す)を取り付けるものである。ガイド溝511は、本体51の第1方向Zと垂直な第2方向Xの両側を貫通するように構成される。
【0067】
ガイド溝511が本体51の第2方向Xの両側を貫通し、ガイド溝511により、第1方向Zにおいて、本体51と絶縁部材40(図3で示す)との間の液膜を、ガイド溝511の両側に位置する2つの部分に分割することができるので、第1方向Zにおいて本体51と絶縁部材40との間に連続的な液膜を形成する可能性をさらに低減することができる。
【0068】
なお、ガイド溝511の設置方向は、第2方向Xと同じであってもよく、第2方向Xと夾角をなす方向であってもよい。図4において、ガイド溝511の設置方向が第2方向Xと同一である。
【0069】
いくつかの実施例において、図4に示すように、本体51は、ベース部514、第1当接部515および第2当接部516を含む。ベース部514は、第1側面5141を備える。第1当接部515は、絶縁部材40と当接するように、第1側面5141に突出して設置される。第2当接部516は、絶縁部材40と当接するように、第1方向Zにおいて第1当接部515と対向して、第1側面5141に突出して設定される。第1当接部515、第1側面5141および第2当接部516によりガイド溝511が形成される。
【0070】
本体51の第1方向Zにおいて対向するように設置される第1当接部515および第2当接部516は、いずれも絶縁部材40と当接可能であるので、本体51がエンドカバー10に取付けられたあとの安定性を向上させることができる。
【0071】
そのうち、第1当接部515は、第2当接部516よりも第1端512に近接するように構成される。
【0072】
なお、第1側面5141の一部は、ガイド溝511の底壁を構成する。
【0073】
例示的に、第1当接部515の第1側面5141から突出する高さは、第2当接部516の第2側面から突出する高さと同じである。このようにして、本体51がエンドカバー10に取付けられたあと、第1当接部515および第2当接部516が同時に絶縁部材40と当接することを容易に確保できる。
【0074】
本実施例において、ガイド溝511は、第1当接部515、第1側面5141および第2当接部516により形成されるので、ガイド溝511の第1方向Zの両側に位置する本体51の部分(第1当接部515および第2当接部516)は、いずれも絶縁部材40との当接に用いることが可能になる。他の実施例において、ガイド溝511は本体51の第1端512を貫通するように構成され、この場合、ガイド溝511が第2端513に近接する側の本体51の部分は、絶縁部材40との当接に用いることが可能である。ガイド溝511は、本体51の第2端513を貫通するように構成されてもよく、この場合、ガイド溝511が第1端512に近接する側の本体51の部分は、絶縁部材40との当接に用いることが可能である。
【0075】
いくつかの実施例において、図4に示すように、本体51には、ガイド溝511と連通する排出孔517が設けられる。排出孔517はガイド溝511内の液体を排出するように構成されるので、ガイド溝511内に液体が集まらず、ガイド溝511の設置箇所での本体51と絶縁部材40との間に液膜が形成される可能性をさらに低減できる。
【0076】
例示的に、排出孔517は第1当接部515に設けられ、第1当接部515は排出孔517により第2方向Xで間隔をあける2つの当接部分5151に分割される。このようにして、ガイド溝511内の液体の排出に寄与できる。
【0077】
本出願の実施例において、本体51は、例えば接着で、エンドカバー10と固定接続されてもよいし、例えば、挿着や、ボルトで脱着可能にエンドカバー10と接続されてもよい。
【0078】
図5は、図2に示す電池100の取付座50とエンドカバー10の組立模式図である。いくつかの実施例において、図4および図5に示すように、取付座50の本体51がエンドカバー10に挿着される。本体51のベース部514に挿着部518が設けられ、エンドカバー10に挿着溝11が設けられ、挿着部518を挿着溝11の内側に挿入して取付けることより、本体51が第1方向Zでエンドカバー10から脱離することを制限する。このようにして、取付座50とエンドカバー10との脱着を速やかに実施することができる。
【0079】
なお、ベース部514には、1つまたは複数の挿着部518を設けることができる。例えば、図4および図5では、ベース部514に2つの挿着部518を設ける例を示しており、その2つの挿着部518は、それぞれベース部514の第2方向Xの両側に設けられる。
【0080】
図5で例示するように、エンドカバー10の挿着溝11は、挿着部518と一対一に設けられる。エンドカバー10の高さ方向の頂部に、凹んだ凹溝12が設けられ、凹溝12がエンドカバー10の厚さ方向の両端を貫通するように構成され、凹溝12の対向する2つの側壁にはいずれも挿着溝11が設けられる。そのうち、エンドカバー10の高さ方向は第1方向Zと一致する。
【0081】
本体51の装着は、本体51のベース部514をエンドカバー10の厚さ方向に沿って凹溝12内に移動させ、ベース部514の第2方向Xの2つの挿着部518をそれぞれ2つの挿着溝11内に挿入して、本体51をエンドカバー10に装着するように行われる。
【0082】
いくつかの実施例において、図4に示すように、挿着部518は第3方向Yに延在し、挿着部518の一端は、第1側面5141から延出し、絶縁部材40と当接する。第1方向Z、第2方向Xおよび第3方向Yは、互いに垂直である。
【0083】
一方、挿着部518は、エンドカバー10の挿着溝11との挿着により、本体51に対する位置を制限し、さらに、絶縁部材40と当接するので、本体51と絶縁部材40との接触面積が大きくなり、本体51がエンドカバー10に取付けられたあとの安定性をさらに向上させることができる。
【0084】
なお、挿着部518を挿着溝11に挿着し、即ち、本体51をエンドカバー10に取り付けた場合、第1方向Zがエンドカバー10の高さ方向であり、第2方向Xがエンドカバー10の長さ方向であり、第3方向Yがエンドカバー10の厚さ方向であるようになる。
【0085】
いくつかの実施例において、図4に示すように、第1当接部515は絶縁部材40と当接する第1当接面5152を備え、挿着部518は絶縁部材40と当接する第2当接面5181を備え、第2当接面5181は第1当接面5152と面一である。
【0086】
第1当接部515の絶縁部材40と当接する第1当接面5152が挿着部518の絶縁部材40と当接する第2当接面5181と面一である。そのため本体51をエンドカバー10に取り付けたあと、第1当接面5152および第2当接面5181が同時に絶縁部材40と当接することを容易に保証することができる。
【0087】
例示的に、1つの挿着部518は、1つの当接部分5151に対応して接続され、L字状の構造を形成するので、第1当接部515および2つの挿着部518によりU字状の構造を形成することができ、ガイド溝511内の液体の排出孔517からの排出がより容易になる。
【0088】
いくつかの実施例において、図4に示すように、取付座50は、出力電極30と接続するためのナット53を備え、ナット53の一端は本体51内に入る。
【0089】
ナット53は、いろいろな方式で本体51と接続することが可能である。例えば、本体51にねじ孔が形成され、ナット53がねじ孔と螺合するように構成されてもよい。このようにして、ナット53が脱着可能になり、ナット53の交換に便利である。また、例えばナット53を本体51内に埋め込み、つまり、本体51の成形過程において、ナット53を本体51内に埋め込み、本体51が硬化して成形され、ナット53を本体51に固定するように構成されてもよい。
【0090】
例示的に、ナット53は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金およびステンレス鋼などの金属材料からなる。
【0091】
図6は、図2に示す電池100の取付座50および出力電極30の分解図である。図6に示すように、ナット53がねじ32と螺合し、これによって、出力電極30を本体51の第2端513に取り付ける。
【0092】
出力電極30の装着は、ねじ32を出力電極30の取付孔31に挿通して、ナット53と螺合させ、出力電極30を本体51の第2端513に装着することで行われる。
【0093】
いくつかの実施例において、図4に示すように、本体51の第2端513に、その周縁に沿う包囲体520が設けられ、包囲体520の内部が、出力電極30の一部を収容する収容空間521として形成される。
【0094】
例示的に、包囲体520は、矩形を呈し、第1凸部5201と第2凸部5202とを含み、第1凸部5201と第2凸部5202とが接続されて無端状に構成される。第1凸部5201の第2端513から突出する高さは、第2凸部5202の第2端513から突出する高さよりも大きい。第1凸部5201は矩形の3つの縁部に位置し、第2凸部5202は矩形の2つの縁部に位置し、また、第1凸部5201の一部と第2凸部5202の一部はともに矩形の1つの縁部に位置する。第2当接部516は、第1凸部5201の一部として構成される。
【0095】
図7は、図2に示す電池100の取付座50、出力電極30、エンドカバー10および絶縁部材40の位置関係図である。図7に示すように、出力電極30が本体51に装着され、出力電極30の一部が包囲体520の収容空間521内に位置し、包囲体520の第1凸部5201の一部により、出力電極30と絶縁部材40とが隔離される。包囲体520の第1凸部5201を第2凸部5202(図4に示す)よりも高くするので、収容空間521内の液体が第1凸部5201から溢れ、本体51と絶縁部材40との間に進入し液膜を形成することが容易ではないので、出力電極30とエンドカバー10との間の沿面距離を増加することができる。
【0096】
なお、本出願の実施例において、ガイド溝511の設置は、上記の各実施例に限定されず、他の形式で設置されてもよい。図8は、本出願のいくつかの実施例による取付座50の構成を示す模式図である。いくつかの実施例において、図8に示すように、ガイド溝511は、本体51の絶縁部材40(図7示出)に面する側の周囲部に形成され、本体51の絶縁部材40に面する側に絶縁部材40と接触する突出部522が形成される。このように構成されたガイド溝511によって、出力電極30とエンドカバー10とが、本体51と絶縁部材40との間の液体を介して電気的に接続されることを効果的に抑えることができ、取付座50の出力電極30に対する絶縁保護作用が失われるリスクを効果的に低減することができる。
【0097】
また、突出部522は、円形、楕円形、矩形などを呈し、本出願の実施例の形状に限定されない。例示的に、図8に示すように、突出部522は円形を呈する。
【0098】
なお、矛盾がない限り、本出願の実施例および実施例における特徴を相互結合させることができる。
【0099】
上記の実施例が、本出願の技術案を説明するためのものにすぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願に各種の変更や変化を有してもよい。本出願の精神及び原理から逸脱しない限り、行った如何なる変更、均等置換、改良等も、本出願の保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0100】
10…エンドカバー
11…挿着溝
12…凹溝
20…電池セル
30…出力電極
31…取付孔
32…ねじ
40…絶縁部材
50…取付座
51…本体
511…ガイド溝
512…第1端
513…第2端
514…ベース部
5141…第1側面
515…第1当接部
5151…当接部分
5152…第1当接面
516…第2当接部
517…排出孔
518…挿着部
5181…第2当接面
520…包囲体
5201…第1凸部
5202…第2凸部
521…収容空間
522…突出部
53…ナット
60…集電部材
70…底板
80…側板
90…筐体
100…電池
200…制御器
300…モータ
1000…車両
Z…第1方向
X…第2方向
Y…第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8