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特許7398005シーリング部材を含むエアロゾル生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】シーリング部材を含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231206BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20231206BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022551046
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2022001743
(87)【国際公開番号】W WO2022177208
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022596
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン チョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ソン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-513362(JP,A)
【文献】特開2008-024882(JP,A)
【文献】特表2020-521437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0345066(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0178847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
バッテリと、
エアロゾル生成物質を霧化してエアロゾルを生成するように構成された霧化器と、
前記霧化器の一端部上に配置されて熱可塑性弾性体(TPE: thermoplastic elastomer)を含むシーリング部材と、を含み、
前記熱可塑性弾性体は、12.5~66.0g/10minの溶融フロー指数を有し、20~85 shore Aの硬度を有し、0.2~1.1kg/mm2の引張強度を有する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記熱可塑性弾性体は、熱可塑性スチレン系共重合体(TPS)、熱可塑性加硫ゴム(TPV)、熱可塑性ポリエステル(TPEE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び熱可塑性ポリオレフィン(TPO)のうち、少なくとも1つである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記霧化器は、第1加熱要素及びシガレットを含み、
前記第1加熱要素は、細長形であり、
前記エアロゾル生成装置は、前記第1加熱要素を支持する支持部を含み、
前記シーリング部材は、前記第1加熱要素及び前記支持部にいずれも接する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記シーリング部材は、中心に中空が形成されたOリング状を有し、
前記シーリング部材は、前記第1加熱要素を覆い包む、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記霧化器は、カートリッジを含み、
前記カートリッジは、液状組成物を含む液状保存部、第2加熱要素、及び液体伝達手段を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記シーリング部材は、前記シーリング部材が前記液体伝達手段を加圧するように前記液体伝達手段の上部に配列される、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記シーリング部材は、生成されたエアロゾルの既設定の方向の流れを妨害する、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記エアロゾル生成装置は、
生成されたエアロゾルが前記エアロゾル生成装置の外部に向かって移動する移動通路を含み、
前記カートリッジは、前記移動通路側にエアロゾルを排出する出口を含み、
前記シーリング部材は、前記移動通路及び前記出口の間に配置される、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記エアロゾル生成装置は、
生成されたエアロゾルが前記エアロゾル生成装置の外部に向かって移動する移動通路を含み、
前記移動通路の内壁に形成された少なくとも1つの孔が存在し、
前記シーリング部材は、前記少なくとも1つの孔を覆い包むように配列される、請求項
に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記エアロゾル生成装置は、
生成されたエアロゾルが前記エアロゾル生成装置の外部に向かって移動する移動通路を含み、
前記シーリング部材は、中心に中空が形成され、前記移動通路の内壁と隣接する、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記霧化器は、液状組成物を含む液状保存部、振動子、振動受容部、及び液体伝達手段を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記シーリング部材は、前記液体伝達手段の一端部上に配置される、請求項11に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記シーリング部材は、円盤状であり、前記液体伝達手段及び前記振動子の少なくとも一部を覆い包む、請求項11に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
エアロゾル生成装置に使用されるシーリング部材であって、
前記シーリング部材は、12.5~66.0g/10minの溶融フロー指数を有し、20~85 shore Aの硬度を有し、0.2~1.1kg/mm2の引張強度を有する熱可塑性弾性体を含む、エアロゾル生成装置用シーリング部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング部材を含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないエアロゾル生成物質を加熱させてエアロゾルを生成させる方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置には、液体状態のエアロゾル生成物質、気体状態のエアロゾル、副産物などが存在しうる。このような液体または気体状態の物質が回路基板など装置内部に流入される場合、装置の故障や誤作動が誘発されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、シーリング部材を含むエアロゾル生成装置を提供することである。
【0005】
具体的に、本発明が解決しようとする課題は、高温の環境でも使用可能な耐熱性及び/または持続的に加えられる外部の力にも耐えられる耐久性を有するエアロゾル生成装置用シーリング部材を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例から他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バッテリ、制御部、及び霧化器を含み、前記霧化器の一端部上に配置され、熱可塑性弾性体(TPE: thermoplastic elastomer)を含むシーリング部材を含み、前記熱可塑性弾性体は、1.8~80.0g/10minの溶融フロー指数を有するエアロゾル生成装置を提供する。
【0008】
また、本開示は、エアロゾル生成装置に使用されるシーリング部材であって、前記シーリング部材は、1.8~80.0g/10minの溶融フロー指数を有する熱可塑性弾性体を含むエアロゾル生成装置用シーリング部材を提供する。
【0009】
課題の解決手段は、上述したところに制限されず、本明細書全体で通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるエアロゾル生成装置は、シーリング部材によって耐熱性及び/または耐久性が向上しうる。
【0011】
また、本開示によるエアロゾル生成装置用シーリング部材は、熱可塑性弾性体を含むことで、耐熱性及び/または耐久性が向上し、またシーリング部材が射出成形方式によってさらに精密に作製されうる。
【0012】
本発明の効果は、上述したところに限定されず、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
図2】シーリング部材を含むエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図3A】シーリング部材を含むカートリッジの正面を示す図面である。
図3B】シーリング部材を含むカートリッジの側面を示す図面である。
図4】シーリング部材を含むエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図5】シーリング部材を含むエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図6A】エアロゾル生成装置用シーリング部材の例示を示す図面である。
図6B】エアロゾル生成装置用シーリング部材の例示を示す図面である。
図6C】エアロゾル生成装置用シーリング部材の例示を示す図面である。
図6D】エアロゾル生成装置用シーリング部材の例示を示す図面である。
図6E】エアロゾル生成装置用シーリング部材の例示を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、バッテリ、及びエアロゾル生成物質を霧化してエアロゾルを生成するように構成された霧化器を含み、前記霧化器の一端部上に配置され、熱可塑性弾性体(TPE: thermoplastic elastomer)を含むシーリング部材を含み、前記熱可塑性弾性体は、1.8~80.0g/10minの溶融フロー指数を有する、エアロゾル生成装置を提供する。
【0015】
実施例において、前記熱可塑性弾性体は、熱可塑性スチレン系共重合体(TPS)、熱可塑性加硫ゴム(TPV)、熱可塑性ポリエステル(TPEE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び熱可塑性ポリオレフィン(TPO)のうち、少なくとも1つでもある。
【0016】
実施例において、前記熱可塑性弾性体は、20~85 shore Aの硬度を有する。
【0017】
実施例において、前記霧化器は、第1加熱要素及びシガレットを含み、前記第1加熱要素は、前記シガレットに挿入される細長形であり、前記エアロゾル生成装置は、前記第1加熱要素を支持する支持部を含み、前記シーリング部材は、前記第1加熱要素及び前記支持部にいずれも接することができる。
【0018】
実施例において、前記シーリング部材は、中心に中空が形成されたOリング状を有し、前記シーリング部材は、前記第1加熱要素を覆い包む。
【0019】
実施例において、前記霧化器は、カートリッジを含み、前記カートリッジは、液状組成物を含む液状保存部、第2加熱要素、及び液体伝達手段を含んでもよい。
【0020】
実施例において、前記シーリング部材は、前記シーリング部材が前記液体伝達手段を加圧するように前記液体伝達手段の上部に配置されうる。実施例において、前記シーリング部材は、生成されたエアロゾルの既設定の方向の流れを妨害する。
【0021】
実施例において、前記エアロゾル生成装置は、生成されたエアロゾルが前記エアロゾル生成装置の外部に向かって移動する移動通路を含み、前記カートリッジは、前記移動通路側にエアロゾルを排出する出口を含み、前記シーリング部材は、前記移動通路と前記出口との間に配置されうる。実施例において、前記エアロゾル生成装置は、生成されたエアロゾルが前記エアロゾル生成装置の外部に向かって移動する移動通路を含み、前記移動通路の内壁に形成された少なくとも1つの孔が存在し、前記シーリング部材は、前記少なくとも1つの孔を覆い包むように配列されうる。実施例において、前記エアロゾル生成装置は、生成されたエアロゾルが前記エアロゾル生成装置の外部に向かって移動する移動通路を含み、前記シーリング部材は、中心に中空が形成され、前記移動通路の内壁と隣接する。
【0022】
実施例において、前記霧化器は、液状組成物を含む液状保存部、振動子、振動受容部、及び液体伝達手段を含んでもよい。
【0023】
実施例において、前記シーリング部材は、前記液体伝達手段の一端部上に配置されうる。
【0024】
実施例において、前記シーリング部材は、円盤状であり、前記液体伝達手段及び前記振動子の少なくとも一部を覆い包む。
【0025】
また、本開示は、エアロゾル生成装置に使用されるシーリング部材であって、前記シーリング部材は、熱可塑性弾性体を含み、前記熱可塑性弾性体は、1.8~80.0g/10minの溶融フロー指数を有する、エアロゾル生成装置用シーリング部材を提供することができる。
【0026】
実施例で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、そ れはハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0028】
本明細書で使用されたように、「少なくとも1つの」のような表現が配列された構成要素の前に位置するとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0029】
構成要素または層が他の構成要素または層の「上に」、「上部に」、「連結された」または「結合された」と言及されるとき、他の構成要素または層のすぐ上に、直接連結された、または直接結合されたと解釈されるか、他の中間構成要素または中間層が存在すると解釈されなければならない。逆に、構成要素が他の構成要素または層の「直上に」、「直接連結された」または「直接結合された」と言及されるとき、中間構成要素または中間層は存在しない。同じ数字は、全体にわたって同じ構成要素を示す。
【0030】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1は、一実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、霧化器130、センサ140、ユーザインターフェース150、メモリ160、及び制御部120を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造は、図1に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置10の設計によって、図1に図示された構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0034】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置10の動作に用いられる電力を供給することができる。すなわち、バッテリ110は、霧化器130がエネルギーを生成するように電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置10内に備えられた他の構成、すなわち、センサ140、ユーザインターフェース150、メモリ160、及び制御部120の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ110は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリである。例えば、バッテリ110は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0035】
霧化器130は、バッテリ110から電力を供給されてシガレットまたはエアロゾル生成物質に熱エネルギーまたは振動エネルギーなどのエネルギーを供給することができる。霧化器130は、熱エネルギーを供給するヒータを含み、ヒータは、任意の適した電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、霧化器130は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0036】
一方、霧化器130は、誘導加熱式ヒータを含んでもよい。霧化器130は、エアロゾル生成物質を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含んでもよい。
【0037】
また、霧化器130は、振動エネルギーを供給する振動子を含み、超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させうる。超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾルを発生させる方式を意味することができる。
【0038】
エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ140を含む。少なくとも1つのセンサ140でセンシングされた結果は、制御部120に伝達され、センシング結果によって制御部120は、霧化器130の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル生成物品(または、カートリッジ)の挿入有/無判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置10を制御することができる。
【0039】
例えば、少なくとも1つのセンサ140は、パフセンサを含んでもよい。パフセンサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化、圧力変化及び音の検出のうち、少なくとも1つに基づいてユーザのパフを感知する。パフセンサがシガレットを通過するように吸入される空気の圧力の変化を感知する圧力感知センサの場合、圧力感知センサは、ユーザのパフによって生成された空気の圧力である吸入圧力を感知してユーザのパフを感知することができる。
【0040】
また、少なくとも1つのセンサ140は、温度センサを含む。温度センサは、霧化器130(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル生成装置10は、霧化器130の温度を感知する別途の温度センサを含むか、別途の温度センサを含む代わりに、霧化器130自体が温度センサの役割を遂行することができる。または、霧化器130が温度センサの役割を遂行すると共に、エアロゾル生成装置10に別途の温度センサがさらに含まれる。
【0041】
ユーザインターフェース150は、ユーザにエアロゾル生成装置10の状態に係わる情報を提供する。ユーザインターフェース150は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0042】
但し、エアロゾル生成装置10には、前記例示された多様なユーザインターフェース150の例示のうち、一部のみが取捨選択されて具現されうる。
【0043】
メモリ160は、エアロゾル生成装置10内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、制御部120で処理されたデータ及び処理されるデータを保存する。メモリ160は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0044】
メモリ160には、エアロゾル生成装置10の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0045】
制御部120は、エアロゾル生成装置10の全般的な動作を制御する。制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0046】
制御部120は、少なくとも1つのセンサ140によってセンシングされた結果を分析し、後続して遂行される処理を制御する。
【0047】
制御部120は、少なくとも1つのセンサ140によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器130の動作が開始または終了するように霧化器130に供給される電力を制御する。また、制御部120は、少なくとも1つのセンサ140によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器130が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように霧化器130に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0048】
制御部120は、少なくとも1つのセンサ140によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース150を制御する。例えば、パフセンサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、制御部120は、ランプ、モータ、及びスピーカのうち、少なくとも1つを用いて、ユーザにエアロゾル生成装置10がすぐ終了されるということを予告する。
【0049】
図1には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共にエアロゾル生成システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ110を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置10は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置10のバッテリ110を充電することができる。
【0050】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0051】
一方、シーリング部材は、装置内部の回路基板などを液体状態のエアロゾル生成物質または気体状態のエアロゾル及び副産物から保護するために、それらの液漏れを防止するか、エアロゾルなどが特定方向に流れを妨害することができる。シーリング部材は、熱可塑性弾性体(TPE: thermoplastic elastomer)を含み、熱可塑性弾性体は、1.8~80.0g/10minの溶融フロー指数を有し、5~95 shore Aの硬度を有し、0.1~1.1kg/mmの引張強度を有し、95~840%の破断伸び率を有することができる。
【0052】
熱可塑性弾性体は、ゴムの性質と熱可塑性プラスチックの性質を同時に有する高分子である。熱可塑性弾性体は、熱可塑性プラスチックと同じ方法によって成形し、ゴムのような弾性と柔軟性を有する。また、成形後にも、物性の損失なしに再び成形されるので、既存のゴムと異なってリサイクル可能であるという長所がある。
【0053】
一部実施例によれば、熱可塑性弾性体は、熱可塑性スチレン系共重合体(TPS)、熱可塑性加硫ゴム(TPV)、熱可塑性ポリエステル(TPEE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び熱可塑性ポリオレフィン(TPO)のうち、少なくとも1つである。
【0054】
望ましくは、熱可塑性弾性体は、熱可塑性スチレン系共重合体(TPS)である。熱可塑性スチレン系共重合体(TPS)は、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン系共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン系共重合体(SIS)、スチレン-イソブチレン-スチレン系共重合体(SIBS)、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン系共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン系共重合体(SEPS)、またはスチレン-ブタジエンゴム(SBR)でもある。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。
【0055】
熱可塑性スチレン共重合体は、流動性及び加工性にすぐれ、特に射出成形に好適である。また、熱可塑性スチレン共重合体の硬度は、広い範囲で調節され、熱可塑性スチレン共重合体は、優れた耐熱性と耐候性とを有するので、シガレットまたはエアロゾル生成物質が加熱されるエアロゾル生成装置への使用に好適である。但し、シーリング部材の加工が容易になり、シーリング部材の液漏れ防止などの効果を向上させるために、シーリング部材に含まれる熱可塑性弾性体は、一定範囲の溶融フロー指数、硬度、引張強度及び破断伸び率を有さねばならない。
【0056】
溶融フロー指数は、一定の荷重及び温度で10分間毛細管を流れる物質の重さを示し、物質の分子量と分子量分布に最大の影響を受ける。溶融フロー指数の高い物質は、物質の流動性が大きいので、射出成形に適合し、溶融フロー指数の低い物質は、押出成形に好適である。溶融フロー指数が一定レベル以上である場合、押出物の溶融強度が低く、押出物が形態を保持し難い。したがって、シーリング部材の加工方法によって、シーリング部材を構成する物質は、適切なレベルの溶融フロー指数を有さねばならない。熱可塑性弾性体の溶融フロー指数は、JIS K 7210によって、190℃の温度及び2.16kgの荷重で測定される。
【0057】
一部実施例によれば、熱可塑性弾性体は、1.8~80.0g/10minの溶融フロー指数を有し、望ましくは、12.5~66.0g/10minの溶融フロー指数を有することができる。
【0058】
硬度は、物質の硬さまたは柔らかさの程度を示す。一般的な硬度を測定する方法には、ヴィッカース(Vickers)硬度測定方法、ブリネル(Brinell)硬度測定方法、ロックウェル(Rockwell)硬度測定方法、ショア(Shore)硬度測定方法などがあり、ショア硬度測定方法は、簡単な装備で迅速に硬度を測定可能なので、広く使用される。物質の硬度が低いほど、物質は柔らかく、物質の硬度が高いほど、物質は、硬い。硬度が低い物質を用いてシーリング部材を作製する場合、圧力が加えられることにより、シーリング部材と隣接した部品とのパッキングがよくなされうるが、シーリング部材の加工が困難なので、シーリング部材を構成する物質は、適切なレベルの硬度を有さねばならない。硬度は、産業標準JIS K 6301によって測定される。
【0059】
一部実施例によれば、熱可塑性弾性体は、5~95 shore Aの硬度を有し、望ましくは、20~85 shore Aの硬度を有する。
【0060】
引張強度は、試験片の破断されずに耐える最大引張荷重を、試験片の断面積で除算した値を意味し、破断伸び率は、試験片が破断時まで延びる比率を意味する。引張強度及び破断伸び率が高い物質を用いて、シーリング部材を作製する場合、圧力が加えられることにより、シーリング部材と隣接した部品とのパッキングがよくなされうるが、耐久性が低下しうる。これと関連して、シーリング部材を構成する物質は、適切なレベルの引張強度及び破断伸び率を有さねばならない。引張強度及び破断伸び率は、産業標準JIS K 6310によって測定される。
【0061】
一部実施例によれば、熱可塑性弾性体は、0.1~1.1kg/mmの引張強度を有し、望ましくは、0.2~1.1kg/mmの引張強度を有する。
【0062】
一部実施例によれば、熱可塑性弾性体は、95~840%の破断伸び率を有し、望ましくは、355~840%の破断伸び率を有する。
【0063】
このようにシーリング部材に含まれる熱可塑性弾性体は、シーリング部材がエアロゾル生成物質などの液漏れを防止するか、エアロゾルなどが特定方向に流れることを妨害するために、一定範囲の溶融フロー指数、硬度、引張強度及び破断伸び率が要求される。シーリング部材は、霧化器130の一端部上に配置され、以下図2ないし図6を参照して、シーリング部材の例示的な位置及び例示的な形状をさらに詳細に説明する。
【0064】
図2は、シーリング部材を含むエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。エアロゾル生成装置は、図1のエアロゾル生成装置10に対応するので、重複説明は省略する。
【0065】
図2を参照すれば、霧化器130は、第1加熱要素230及びシガレット210を含む。第1加熱要素230は、シガレット210に容易に挿入されるように、細長形のヒータでもある。図2には、細長形のヒータがシガレット210の内部に挿入されるように配置されていると図示されているが、それに限定されない。例えば、ヒータは、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によって、シガレット210の内部または外部を加熱することができる。
【0066】
また、エアロゾル生成装置20には、ヒータが複数個配置されうる。この際、複数個のヒータは、シガレット210の内部に挿入されるようにも配置され、シガレット210の外部に配置されうる。また、複数個のヒータのうち、一部は、シガレット210の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット210の外部に配置されうる。また、ヒータの形状は、図2に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0067】
シガレット210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それに限定されない。また、シガレット210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、シガレット210には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、シガレット210に噴射されることで添加することができる。
【0068】
シガレット210は、多様にも作製されうる。例えば、シガレット210は、シート(sheet)状にも作製され、ストランド(strand)状にも作製される。また、シガレット210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、シガレット210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミ箔のような金属箔でもあるが、それに限定されない。一例として、シガレット210を取り囲む熱伝導物質は、シガレット210に伝達される熱を均一に分散させてシガレット210に加えられる熱伝導率を向上させ、それにより、タバコ味を向上させうる。また、シガレット210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が可能である。この際、図示されていないが、シガレット210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0069】
シガレット210は、少なくとも一部がシガレット挿入通路220に挿入され、シガレット挿入通路220と分離可能に結合されうる。第1加熱要素230は、シガレット挿入通路220によって取り囲まれ、第1加熱要素230の一端部がシガレット挿入通路220の内部に位置することができる。
【0070】
エアロゾル生成装置は、第1加熱要素230を支持する支持部240を含み、第1加熱要素230がエアロゾル発生装置(すなわち、タバコ挿入流路220)との位置を保持させる。シーリング部材250は、第1加熱要素230と支持部240との間に位置しうる。
【0071】
一実施例において、シーリング部材250は、中心に中空が形成されたOリング状を有し、第1加熱要素230を取り囲みうるが、必ずしもそれに制限されるものではない。
【0072】
熱可塑性弾性体は、耐熱性に優れるので、第1加熱要素230に隣接して位置することで、長期間高温に露出されても、一定性能を保持することができる。このような点からして、熱可塑性弾性体は、シーリング部材の素材として好適である。
【0073】
図3Aは、シーリング部材を含むカートリッジの正面を示す図面であり、図3Bは、シーリング部材を含むカートリッジの側面を示す図面である。エアロゾル生成装置は、図1のエアロゾル生成装置10に対応するので、重複説明は省略する。
【0074】
図3A及び図3Bを参照すれば、霧化器130は、カートリッジ310を含む。カートリッジ310は、液状組成物を含む液体保存部320、第2加熱要素330、及び液体伝達手段340を含む。カートリッジ310は、例えば、液状や、固状や、気状や、ゲル(gel)状などのいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保持する。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含む。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0075】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分、またはそれら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0076】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含む。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0077】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置10の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸、または、前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それに限定されない。
【0078】
カートリッジ310は、制御部120から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ310の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾルを発生させる機能を遂行する。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気が混合された状態の気体を意味する。
【0079】
例えば、カートリッジ310は、制御部120から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換する。他の例として、カートリッジ310が自体の電力源を含む場合には、制御部120からカートリッジ310に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ310が作動することで、エアロゾルを発生させうる。
【0080】
カートリッジ310は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部320と、液体保存部320のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を遂行する第2加熱要素330を含む。
【0081】
「液体保存部320が内部にエアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部320が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を遂行することを意味する。そのために、例えば、液体保存部320の内部にスポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する液体要素を含みうる。
【0082】
第2加熱要素330は、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含む。第2加熱要素330は、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントによって具現される。第2加熱要素330は、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0083】
カートリッジ310は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(例えば、ウィック)340をさらに含んでもよい。
【0084】
液体伝達手段340は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0085】
例えば、エアロゾル生成装置の本体は、カートリッジ310を交替可能に支持するカートリッジ装着部を含み、カートリッジ310は、本体に分離可能に結合することができる。カートリッジ310は、内部にエアロゾル生成物質を保持し、第2加熱要素330は、電気抵抗式コイルによって具現され、芯(すなわち、液体伝達手段340)を取り囲むか、芯に隣接するコイル形状にも作製される。
【0086】
一部実施例によれば、シーリング部材350は、液体伝達手段340の上部に配置され、液体伝達手段340を加圧するものでもある。シーリング部材350が液体伝達手段340を加圧することで、液体伝達手段340の位置が保持されうる。また、液体伝達手段340の下部には、カートリッジに固定された射出物(図示せず)が位置することができる。その場合、射出物(図示せず)とシーリング部材350のうち、いずれか1つは、突出部を含み、他の1つは、突出部と結合する溝を含んでもよい。このような方式で、液体伝達手段340の位置が堅固に保持されうる。熱可塑性弾性体は、耐熱性に優れるので、第2加熱要素330に隣接して位置することで、長期間高温に露出されても、一定性能を保持することができる。このような点で、熱可塑性弾性体は、シーリング部材の素材として好適である。
【0087】
図4は、シーリング部材を含むエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。エアロゾル生成装置は、図1図3A及び図3Bのエアロゾル生成装置10に対応するので、重複説明は省略する。
【0088】
一部実施例によれば、シーリング部材480、490は、カートリッジ310で生成されたエアロゾルの特定方向の流れを妨害するものでもある。エアロゾル生成装置は、カートリッジ310で生成されたエアロゾルが特定方向(すなわち、エアロゾル生成装置の外部に向かう方向)に移動させるための移動通路460を含み、カートリッジ310は、シガレット420側にエアロゾルを排出する出口450を含む。シーリング部材480が移動通路460及び出口450の間に配置されるので、カートリッジで生成されたエアロゾルの特定方向以外の方向への移動が妨害されうる。
【0089】
例えば、エアロゾル生成装置の本体410は、シガレット支持部430及びカートリッジ装着部440を含む。シガレット支持部430は、シガレット420の少なくとも一部が挿入されるシガレット挿入通路431を含む。シガレット支持部430は、シガレット420がシガレット挿入通路431に挿入される間に、シガレット420を支持し、熱を伝達することができる。カートリッジ装着部440は、シガレット支持部430の側面に形成されてカートリッジ310を交換可能に支持する。カートリッジ310は、シガレットに向かってエアロゾルを排出するための出口450を含み、シガレット支持部430は、出口450を通じて伝達されたエアロゾルをシガレット挿入通路431に伝達するための移動通路460を含む。弾性を有するシーリング部材480がシガレット側にエアロゾルを排出する出口450と、シガレット挿入通路431に伝達するための移動通路460の間に位置することで、シーリング部材480が出口450と移動通路460との間の空間(すなわち、シガレット支持部430とカートリッジ310との間の空間)を密封することができる。したがって、エアロゾルが移動通路460に向かう方向以外の方向に移動されることが妨害されうる。
【0090】
また、移動通路460の内壁(すなわち、移動通路460を定義する壁)には、少なくとも1つの孔461が存在し、シーリング部材490が少なくとも1つの孔461を取り囲んで配列されることで、特定方向以外の他の方向へのエアロゾルの移動が妨害されうる。例えば、エアロゾル生成装置は、圧力感知センサ470を含み、移動通路460には、圧力感知センサ470がシガレット420を通じて吸入された空気の圧力を測定するための孔461が存在しうる。その場合、弾性を有するシーリング部材490が孔461と圧力感知センサ470との間に位置することで、孔461と圧力感知センサ470との間の空間が密封されうる。したがって、圧力センサ470に向かう方向と異なる方向へのエアロゾルの移動が防止されうる。
【0091】
シーリング部材480、490は、中心に中空が形成され、移動通路460の内壁と接する。エアロゾルは、シーリング部材480、490の中心に形成された中空を通じて移動する。シーリング部材480、490及び移動通路460(または孔461)のうち、いずれか1つは、突出部を含み、他の1つは、前記突出部と結合する溝を含むことで、シーリング部材480、490と、移動通路460(または孔461)との結合がさらに堅固になる。したがって、外部の圧力や環境変化によっても、シーリング部材480、490と、移動通路460または孔461との間に空間が形成されず、エアロゾルの特定方向以外の方向への移動を妨害する効果が増大しうる。
【0092】
熱可塑性弾性体は、加工性に優れるので、所望のサイズと形状のシーリング部材をさらに精密に作製することができる。また、熱可塑性弾性体は、適切な弾性を有するので、熱可塑性弾性体によって作製されたシーリング部材は、隣接した部品と密着され、液体または気体状態の物質が移動通路460外への漏れを妨害する。したがって、熱可塑性弾性体は、シーリング部材の素材として好適である。
【0093】
図5は、シーリング部材を含むエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。エアロゾル生成装置は、図1のエアロゾル生成装置10に対応するので、重複説明は、省略する。
【0094】
図5を参照すれば、霧化器130は、液状組成物を含む液体保存部510、振動子520、振動受容部530、及び液体伝達手段540を含む。
【0095】
霧化器130は、例えば、液状や、固状や、気状や、ゲル(gel)状などのいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保持する。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0096】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分、またはこれら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0097】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含む。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0098】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置10の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸、または前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それに限定されない。
【0099】
霧化器130は、制御部120から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、霧化器130内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を遂行する。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0100】
例えば、霧化器130は、制御部120から電気信号を供給されて超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換する。他の例として、霧化器130が自体の電力源を含む場合には、制御部120から霧化器130に伝達される電気的な制御信号や無線信号によって霧化器130が作動することで、エアロゾルを発生させうる。
【0101】
霧化器130は、超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させる超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換する。霧化器130は、例えば、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部510と、液体保存部510のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を遂行する振動子520を含む。
【0102】
「液体保存部510が内部にエアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部510が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を遂行することを意味する。このために、液体保存部510の内部にスポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する液体要素を含んでもよい。
【0103】
振動子520は、短周期の振動を発生させうる。振動子520から生成された振動は、超音波振動でもあり、超音波振動の周波数は、例えば、100kHz~3.5MHzでもある。振動子520から生成された短周期の振動によってエアロゾル生成物質は、気化及び/または粒子化されてエアロゾルに霧化されうる。
【0104】
振動子520は、例えば、圧電セラミックを含み、圧電セラミックは、物理的な力(すなわち、圧力)によって電気(すなわち、電圧)を発生させ、逆に電気が印加されるとき、振動(すなわち、機械的な力)を発生させることで、電気と機械的な力を相互変換することができる機能性材料である。したがって振動子520に印加された電気によって振動(すなわち、物理的な力)が発生し、このような物理的な小さな振動がエアロゾル生成物質を小粒子化してエアロゾルに霧化させうる。
【0105】
振動子520は、ポゴピン(Pogo Pin)またはCクリップによって回路と電気的に接続されうる。したがって、振動子520は、ポゴピン(Pogo Pin)またはCクリップから電流または電圧を供給されて振動を発生させる。但し、振動子520に電流または電圧を供給するために連結される素子の種類は、前述したところによって制限されない。
【0106】
霧化器130は、例えば、振動子520から発生した振動を伝達されて液体保存部510から伝達されたエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換させる振動受容部530を含んでもよい。
【0107】
また、霧化器130は、液体保存部510の液状組成物を振動受容部530に伝達する液体伝達手段540をさらに含んでもよい。例えば、液体伝達手段540は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含む芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0108】
また、霧化器130は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能と、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能をいずれも遂行するメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0109】
一部実施例によれば、シーリング部材550は、液体伝達手段の一端部上に配置されるものでもある。また、シーリング部材550は、円盤状であり、液体伝達手段540及び振動子520の少なくとも一部を取り囲む。
【0110】
例えば、シーリング部材550は、円盤状であり、シーリング部材550の内部には、液体伝達手段540(すなわち、芯)及び振動子を収容する空間が存在しうる。シーリング部材550の内部に存在する収容空間は、芯540及び振動子520の外周面を覆い包むように接することができる。したがって、芯540及び振動子520は、外部から加えられる力や、振動子520によって発生する振動による芯540及び振動子520の移動が妨害されうる。また、シーリング部材550が芯540の外周面に密着されている場合、芯540のみにエアロゾル生成物質が伝達され、振動子520には、直接伝達されないので、振動子520の化学的腐食を阻害しうる。
【0111】
したがって、加工性に優れ、耐久性にすぐれた熱可塑性弾性体は、シーリング部材の好適な素材でもある。図6Aないし図6Eは、エアロゾル生成装置用シーリング部材の例示を示す図面である。
【0112】
図6Aのシーリング部材600は、図2のエアロゾル生成装置に含まれるシーリング部材250である。
【0113】
図6Aを参照すれば、シーリング部材600は、中空620を含むリング状の構造物610を含む。リング状の構造物610は、例えば、Oリング状でもあるが、必ずしもそれに制限されるものではなく、多角形または部分的に流線形でもある。
【0114】
図6Bのシーリング部材700は、図3A及び図3Bのカートリッジに含まれるシーリング部材350でもある。
【0115】
図6Bを参照すれば、シーリング部材700は、半円状の平面710及び段差720、721を含む。段差720、721は、液体伝達手段(図示せず)の一部と接して半円状の平面710の一面に形成されうる。段差720、721の形状は、液体伝達手段の接触面の形状と同様である。シーリング部材700の半円状の平面710には、液体または気体が移動するための孔711、712、713が形成されうる。孔711、712、713の形状は、半円状の平面710の形状と類似しているが、必ずしもそれに制限されるものではない。例えば、孔711、712、713は、円形、多角形または部分的に流線形でもある。
【0116】
図6Cのシーリング部材800は、図4のエアロゾル生成装置に含まれるシーリング部材480でもある。図6Cを参照すれば、シーリング部材800は、互いに異なる断面積の4個の層820、830、840、850及び中空810を含む。第1層820の一面の形状は、移動通路(図示せず)の内壁の形状と同一であり、第4層850の一面の形状は、エアロゾルを排出する出口(図示せず)の外周面の形状と同様である。第2層830と第3層840は、両層の断面積が異なっており、段差を形成することができる。4層の層820、830、840、850の内部には、4層の層820、830、840、850を貫いて、液体または気体が移動する中空810が形成されうる。中空810の形状は、例えば、円形、多角形または部分的に流線形でもある。但し、本開示が必ずしもそれに制限されるものではない。
【0117】
図6Dのシーリング部材900は、図4のエアロゾル生成装置に含まれるシーリング部材490でもある。図6Dを参照すれば、シーリング部材900は、方形の平面910及び中空920を含む。中空920の形状は、圧力感知センサ(図示せず)の外周面の形状と同一であり、例えば、中空920は、角丸四角形でもあるが、本開示が必ずしもそれに制限されるものではない。四角形の平面910の一面には、中空920の周りを取り囲む段差930が形成されうる。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。
【0118】
図6Eのシーリング部材は、図5のエアロゾル生成装置に含まれるシーリング部材550でもある。図6Eを参照すれば、シーリング部材1000は、円筒状の構造物1010及び中空1020を含む。中空1020の形状は、振動子(図示せず)、振動受容部(図示せず)、及び液体伝達手段(図示せず)の外周面の形状と一致する。円筒状の構造物1010は、振動子、振動受容部、及び液体伝達手段のうち、少なくとも1つを取り囲む1層以上の層で構成されうる。例えば、円筒状の構造物1010は、振動子、振動受容部、及び液体伝達手段をいずれも取り囲む1層の層でもあるが、必ずしもそれに制限されるものではない。円筒状の構造物1010は、振動子に電力を伝達することができる電気的連結のための部品を内部に収容し、そのために円筒状の構造物1010の内部に電気的連結のための部品を収容する空間がさらに形成されうる。
【0119】
熱可塑性弾性体は、従来の電子タバコ分野では、シーリング部材または他の要素の素材としても使用されていない。しかし、従来に使用された素材とは異なって、本開示による熱可塑性弾性体を含むシーリング部材は、小さい誤差を有し、計画された数値と一致するように、正確かつ精密に製造され、優れた弾性力を有していた。したがって、シーリング部材と接する要素、例えば、移動通路460または出口450とシーリング部材との摩擦力が向上した。その結果、移動通路460とシーリング部材との結合力、及び出口450とシーリング部材との結合力が向上し、さらに、移動通路460を含むシガレット支持部430と出口450とを含むカートリッジ310の結合力が向上したことを確認した。
【0120】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれると解釈されねばならない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E