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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】圧電発音部品
(51)【国際特許分類】
   G10K 9/122 20060101AFI20231207BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G10K9/122 120
H04R17/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021575601
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 JP2020035548
(87)【国際公開番号】W WO2021157119
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】P 2020016235
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】キッタヤワニチ サッハブーン
(72)【発明者】
【氏名】ズリントン ポンサコーン
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-040138(JP,A)
【文献】特開平07-114383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 9/122
G10K 9/18
H04R 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧が印加されることによって振動する振動板と、
開口を有するケース本体と、前記ケース本体の開口を閉じるように設けられた蓋とを有し、前記ケース本体及び前記蓋によって構成される内部空間に、前記振動板を収容するケースと、
前記振動板と当接するように、前記蓋に設けられた2つのピン端子と、
を備え、
少なくとも1つの前記ピン端子は、前記内部空間から外部に引き出される引出部と、前記内部空間において前記蓋の主面に沿って延在する延在部と、前記延在部から立ち上がる立上部と、前記立上部の先端に設けられた前記振動板と当接する当接部と、を有し、
前記蓋における前記内部空間の側には、前記引出部と前記延在部の間の第1屈曲部の位置を固定する固定部と、前記延在部と前記立上部との間の第2屈曲部又は前記第2屈曲部の近傍に当接して前記ピン端子の姿勢をガイドするガイド部と、を有
前記第2屈曲部は、前記ガイド部における互いに向かい合う2つの壁部によってかしめられている、
圧電発音部品。
【請求項2】
前記固定部は、少なくとも、前記ピン端子の前記当接部における前記蓋の主面の平面視の向きを方向付ける、請求項1に記載の圧電発音部品。
【請求項3】
前記ガイド部は、少なくとも、前記ピン端子の前記当接部における前記蓋の主面と交差する方向の向きを方向付ける、請求項1又は2に記載の圧電発音部品。
【請求項4】
前記蓋の主面の平面視において、前記固定部と前記ガイド部とは互いに異なる位置に設けられた、請求項1乃至3の何れか一項に記載の圧電発音部品。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記固定部よりも前記蓋の主面の周縁に近い側に設けられた、請求項1乃至4の何れか一項に記載の圧電発音部品。
【請求項6】
前記蓋は、前記ピン端子が挿入される貫通孔を有し、
前記固定部は、前記蓋における前記貫通孔の開口の周囲に設けられた、請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧電発音部品。
【請求項7】
前記固定部は、前記ピン端子を挿し込むための固定部間隙を有し、
前記蓋の主面の平面視において、前記ガイド部は、前記固定部間隙が延在する線上とは異なる位置に設けられた、請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧電発音部品。
【請求項8】
前記ガイド部は、前記ピン端子を挿し込むためのガイド部間隙を有し、
前記蓋の主面の平面視において、前記ガイド部間隙が延在する線と、前記固定部間隙が延在する線とは、交差している、請求項7に記載の圧電発音部品。
【請求項9】
前記第2屈曲部又は前記第2屈曲部の近傍は、前記ガイド部によってかしめられる又は支持されるように設けられている、請求項1乃至8の何れか一項に記載の圧電発音部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電発音部品に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電発音部品は、例えば、家庭用電化製品や火災報知設備等の民生用及び業務用電子機器や自動車等において、警報音や動作音を発する電気音響変換器として用いられている。圧電発音部品のうち、いわゆるピンタイプと呼ばれる針状の実装端子を備えた圧電発音部品は、例えば、圧電振動板と、ベースと、ベースの外側に嵌合されてベースと共に圧電振動板を格納するケースとを備えている。このとき、圧電振動板は、ベースとケースとによって外周部が挟持されることで、ベースの底壁部とケースの天壁部との間に形成された内部空間に保持されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、圧電振動板と、開口を有するケース本体及びケース本体の開口を閉成するようにケース本体に固定された裏蓋を有し、かつ内部に圧電振動板が収納されているケースと、裏蓋に固定されており、圧電振動板に電気的に接続されており、かつケース外に引き出されている一対の金属端子とを備え、各金属端子が、裏蓋を貫通してケース外に延ばされた端子引出し部と、端子引出し部の裏蓋内面側の端部において端子引出し部に対して折り曲げられており、かつ裏蓋内面に沿うように配置された端子固定部と、端子固定部の内側端から、曲げられた部分が上方から見て略U字状になるように曲げられており、かつ先端側が裏蓋内面から離れており、さらに圧電振動板に当接されている接続部とを有する、圧電発音部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-114383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるようなピンタイプの圧電発音部品では、ピン状の金属端子の先端が適正な圧力の作用によって電極と当接し、両者の電気的接続を実現している。一方、このような構成を実装基板に挿入されるとき、金属端子のケースの外部に位置する部分がカットされること等によって、金属端子の、カット等の処理がされた箇所に応力が加えられる。その応力の影響で、金属端子が回転(位置ズレ)し、金属端子のケースの内部に位置する部分の位置がズレてしまうことがある。よって、金属端子の先端と圧電振動板との接触状態が変化することがある。その結果、圧電発音部品の発音特性が変動し、ピン状の金属端子と圧電振動板との接触不良による発音障害が発生する可能性がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みて発明されたものであり、本発明の目的は、良好な信頼性を得ることができる圧電発音部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る圧電発音部品は、電圧が印加されることによって振動する振動板と、開口を有するケース本体と、ケース本体の開口を閉じるように設けられた蓋とを有し、ケース本体及び蓋によって構成される内部空間に、振動板を収容するケースと、振動板と当接するように、蓋に設けられた2つのピン端子と、を備え、少なくとも1つのピン端子は、内部空間から外部に引き出される引出部と、内部空間において蓋の主面に沿って延在する延在部と、延在部から立ち上がる立上部と、立上部の先端に設けられた振動板と当接する当接部と、を有し、蓋における内部空間の側には、引出部と延在部の間の第1屈曲部の位置を固定する固定部と、前記延在部と立上部との間の第2屈曲部又は前記第2屈曲部の近傍に当接して前記ピン端子の姿勢をガイドするガイド部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、良好な信頼性を得ることができる圧電発音部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る圧電発音部品の構成を説明するための分解斜視図である。
図2】第1実施形態に係る圧電発音部品の構成を説明するための断面図である。
図3】第1実施形態に係る1つのピン端子の構成を説明するための図である。
図4】第1実施形態に係る他の1つのピン端子の構成を説明するための図である。
図5】第1実施形態に係る蓋の固定ガイド構成を説明するための図である。
図6】第1実施形態に係るピン端子と蓋との組立状態を説明するための図である。
図7】第2実施形態に係る蓋の固定ガイド構成を説明するための図である。
図8】第2実施形態に係るピン端子と蓋との組立状態を説明するための図である。
図9】第3実施形態に係る蓋の固定ガイド構成を説明するための図である。
図10】第3実施形態に係るピン端子と蓋との組立状態を説明するための図である。
図11】比較例に係る蓋の固定部の構成を説明するための図である。
図12】比較例に係るピン端子と蓋との組立状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の構成要素は同一又は類似の符号で表している。図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
【0011】
[第1実施形態]
<圧電発音部品1>
まず、図1及び図2を参照しつつ、第1実施形態に係る圧電発音部品1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る圧電発音部品1の構成を説明するための分解斜視図である。図2は、第1実施形態に係る圧電発音部品1の構成を説明するための断面図である。なお、図1及び図2においては、圧電発音部品1の構造における特徴の少なくとも一部を説明するのに必要な構成を抽出して記載しているが、圧電発音部品1が図示していない構成を備えることを妨げるものではない。
【0012】
圧電発音部品1は、ピンタイプの発音部品の一例であり、振動板2と、振動板2を収容するケース6と、振動板2と当接することで振動板2に電圧を印加する2つのピン端子5とを備える。
【0013】
ケース6は、ケース本体3と、蓋4とを有する。蓋4は、ケース本体3の開口を閉じるように、このケース本体3に取り付けられることでケース6を構成する。また、ケース6は、内部空間30を有する。内部空間30は、ケース本体3及び蓋4のそれぞれが互いにケース6の内部側に向かう面によって構成されている。
【0014】
なお、以下では、説明の便宜のために、振動板2、ケース本体3、蓋4及び2つのピン端子5が組み立てられることで圧電発音部品1を構成した状態を「組立状態」と呼ぶ。組立状態において、圧電発音部品1の各構成の面方向を「XY面」と呼び、各構成の面方向と垂直する方向、すなわちXY面と垂直方向を「Z方向」と呼ぶことがある。また、圧電発音部品1又は振動板2等の厚み方向に沿って、それらの構成を平面視する場合に係る振動板2等の平面視形状を「平面視形状」と呼ぶ。また、図2に示すように、組立状態において、Z方向にて、ケース本体3から蓋4側に向かう方向を「第1方向」と呼び、蓋4から後述するケース本体3の天壁部31側に向かう方向を「第2方向」と呼ぶことがある。
【0015】
第1実施形態では、振動板2、ケース本体3及び蓋4の平面視形状はいずれも、円状である。組立状態において、振動板2、ケース本体3及び蓋4は、それぞれの平面視形状の円心が約一直線状に位置するように、配置されている。
【0016】
また、第1実施形態では、振動板2がケース本体3の内部に設置(収容)された後に、蓋4がケース本体3の開口(後述する開口部33)を閉じて、ケース本体3(後述する支持面353)とともに振動板2を挟むように固定する。こうして、振動板2が、ケース6の内部空間30に収容される。また、組立状態において、2つのピン端子5は、蓋4に設けられており、内部空間30に位置する先端が振動板2と当接する。
【0017】
(振動板2)
振動板2は、基板10と、振動素子20とを有する。振動素子20は、導電性接着剤によって、基板10の第1方向に向かう主面(後述する第1基板主面11)の中央に貼りつけられる。基板10及び振動素子20はいずれも、円板状部材である。基板10の直径は、振動素子20の直径よりも大きい。
【0018】
基板10は、良導電性とバネ弾性(例えば、弾性率が1GPa以上)を有する金属材質によって構成され、具体的には、基板10は、42アロイ、SUS(ステンレス鋼)、黄銅、リン青銅等によって構成されることが好ましい。なお、基板10の材料は、金属以外のもの、例えば弾性率が1GPa以上であればガラスエポキシ基板等の樹脂系材料であってもよく、複数の材料が積層された多層構造であってもよい。
【0019】
また、基板10は、厚み方向の両側にある、第1基板主面11と、第2基板主面12とを有する。組立状態において、第1基板主面11が第1方向を向いており、第2基板主面12が第2方向を向いている。
【0020】
振動素子20は、圧電板23と、圧電板23を挟むように圧電板23の両主面に設けられている一対の電極24とを有する。
【0021】
圧電板23は、PZT等の圧電セラミックスによって構成されている。この圧電板23は、円板状部材であり、厚み方向の両側にある、第1主面231と、第2主面232とを有する。組立状態において、第1主面231が第1方向を向いており、第2主面232が第2方向を向いている。
【0022】
一対の電極24は、電圧を圧電板23に印加することで振動板2を振動させるためのものである。また、一対の電極24は、第1電極21と、第2電極22とを含む。第1電極21及び第2電極22はいずれも、円状の薄膜である。組立状態において、第1電極21は、圧電板23の第1主面231に設けられており、第2電極22は、圧電板23の第2主面232に設けられている。
【0023】
言い換えれば、第1電極21は、蓋4の側を向いており、第2電極は、基板10の側を向いている。また、第1電極21は、2つのピン端子5のいずれか1つのピン端子5を当接している。
【0024】
(ケース本体3)
ケース本体3は、セラミックや樹脂等の絶縁性材料によって構成されている。また、ケース本体3は、箱状をなしている。このケース本体3は、天壁部31と、天壁部31の周縁から突起している周壁部32と、周壁部32の突起する方向の先端側に開口する開口部33とを有する。
【0025】
天壁部31は、円板状をなしている。この天壁部31は、厚み方向の両側にある、第1天壁主面311と、第2天壁主面312とを有する。組立状態において、第1天壁主面311が第1方向を向いており、第2天壁主面312が第2方向を向いている。
【0026】
また、天壁部31の中央に、放音孔313が設けられている。この放音孔313は、厚み方向にて天壁部31を貫通し、ケース本体3の内部と外部とを連通する。こうして、組立状態において、放音孔313は、振動板2が振動するときに生じる音をケース6の外部に放出する。
【0027】
周壁部32は、円筒状をなしている。また、周壁部32は、内周面35と、外周面36とを有する。以下では、説明の便宜のために、周壁部32が天壁部31から突起する方向を「突起方向」と呼び、突起方向の天壁部31側を「根元側」と呼び、突起方向の開口部33側を「先端側」と呼ぶ。また、周壁部32における根元側の部分を「根元部」と呼び、周壁部32における先端側の部分を「先端部」と呼ぶ。
【0028】
内周面35は、周壁部32の突起方向の根元側から先端側に向かって順に配置された、第2内周面352と、第1内周面351とを有する。また、内周面35は、第2内周面352及び第1内周面351を連結し、天壁部31と平行するように位置する支持面353を有する。言い換えれば、支持面353は、第2内周面352と第1内周面351との間の段差面である。
【0029】
支持面353は、振動板2を収容するときに、振動板2の基板10における第2基板主面12と接触する面である。具体的には、支持面353は、後述する蓋4の上面423とともに振動板2をその厚み方向の両側から挟むように支持する。また、支持面353の平面視形状は、リング状をなしており、外周縁の直径が基板10の直径よりも大きく形成され、内周縁の直径が基板10の直径よりも小さく形成されている。
【0030】
第2内周面352は、根元部が天壁部31と接続しており、先端部が支持面353の内周と接続している。この第2内周面352は、第1天壁主面311とともに、内部空間30の第2方向側に位置する音響空間302を構成する。
【0031】
第1内周面351は、根元部が支持面353の外周縁と接続しており、先端部が周壁部32の上面37と接続している。この第1内周面351は、組立状態、すなわち蓋4がケース本体3に取り付けられた状態において、蓋4を収容する空間を構成する。また、第1内周面351の先端側に、後述する蓋4の爪部44と係合するための溝部354が設けられている。
【0032】
(蓋4)
蓋4は、例えば、ケース本体3と同様の材料、すなわちセラミックや樹脂等の絶縁性材料によって構成されている。また、蓋4は、箱状をなしている。この蓋4は、天壁部41と、天壁部41の周縁から突起している周壁部42と、周壁部42の突起する方向の先端側に開口する開口部43とを有する。
【0033】
以下では、説明の便宜のために、周壁部42が天壁部41から突起する方向を「突起方向」と呼び、突起方向の天壁部41側を「根元側」と呼び、突起方向の開口部43側を「先端側」と呼ぶ。また、周壁部42における根元側の部分を「根元部」と呼び、周壁部42における先端側の部分を「先端部」と呼ぶ。なお、図2に示すように、組立状態において、蓋4に係る「根元側(根元部)」及び「先端側(先端部)」は、上述したケース本体3に係る「根元側(根元部)」及び「先端側(先端部)」と逆である。
【0034】
天壁部41は、円板状をなしている。この天壁部41は、厚み方向の両側にある、第1天壁主面411と、第2天壁主面412とを有する。組立状態において、第1天壁主面411が第1方向を向いており、第2天壁主面412が第2方向を向いている。
【0035】
また、天壁部41に、2つのピン端子5を固定するための2つの貫通孔413が設けられている。これらの貫通孔413は、厚み方向において天壁部41を貫通し、蓋4の内部と外部とを連通する。
【0036】
また、天壁部41の第2天壁主面412に、2つのピン端子5のそれぞれの位置固定及び姿勢ガイドを施す固定ガイド構成100(図5参照)が設けられている。なお、この固定ガイド構成100の詳細について後述する。
【0037】
周壁部42は、円筒状をなしている。また、周壁部42は、内周面45と、外周面46とを有する。組立状態において、周壁部42の内周面45は、第2天壁主面412とともに、内部空間30の第2方向側に位置する音響空間301を構成する。
【0038】
また、内周面45は、周壁部42の上面423側に、内周面45が2つのピン端子5の設置や、この2つのピン端子5の組立状態における動きを干渉しないための、ニゲ451が設けられている。
【0039】
外周面46の根元側に、爪部44が設けられている。この爪部44は、組み立てるときに、ケース本体3の溝部354に押し入れることで、ケース本体3の溝部354と係合する。このように、爪部44と溝部354との係合によって、蓋4がケース本体3に取り付けられ、ケース本体3の開口部33を閉じることで、ケース6を構成する。
【0040】
(ピン端子5)
2つのピン端子5は、第1ピン端子51と、第2ピン端子52とを含む。第1ピン端子51及び第2ピン端子52のそれぞれは、横断面形状がほぼ円形をなしているリード線が折り曲げられることによって構成される。このような折り曲げられた形状によって、第1ピン端子51及び第2ピン端子52は、バネ性を得られている。
【0041】
組立状態において、第1ピン端子51及び第2ピン端子52のそれぞれは、蓋4の天壁部41に設けられた2つの貫通孔413及び固定ガイド構成100を介して、蓋4に取り付けられている。
【0042】
また、組立状態において、第1ピン端子51及び第2ピン端子52のそれぞれは、振動板2と当接して、その振動板2と電気的に接続される。具体的には、図2に示すように、第1ピン端子51は、振動板2の第1電極21と当接する端子であり、第2ピン端子52は、振動板2の基板10と当接する端子である。第1実施形態では、第1ピン端子51と、第2ピン端子52との形状は、異なる。なお、第1ピン端子51及び第2ピン端子52のそれぞれの詳細について後述する。
【0043】
このように、第1実施形態に係る圧電発音部品1では、第1ピン端子51及び第2ピン端子52を介して、振動板2の第1電極21及び第2電極22に交流電圧が印加されると、振動板2が、音響空間301及び音響空間302において、第1方向及び第2方向にて往復するように振動して発音(鳴動)する。また、発せられる音が主に放音孔313を介してケース6の外側へ放出する。
【0044】
<第1ピン端子51及び第2ピン端子52の詳細>
次に、図3及び図4を参照しつつ、第1ピン端子51及び第2ピン端子52の詳細について説明する。図3は、第1実施形態に係る第1ピン端子51の構成を説明するための図である。図4は、第1実施形態に係る第2ピン端子52の構成を説明するための図である。
【0045】
以下では、説明の便宜のために、2つのピン端子5の、開口部43側に位置する端部を「先端」と呼び、ケース6の外部に位置する端部を「後端」と呼ぶことがある。また、2つのピン端子5のそれぞれを構成するリード線の線方向を「リード線の延在方向」と呼び、2つのピン端子5の各部分に係る、リード線の延在方向の後端側から先端側に向かう方向を「延伸方向」と呼ぶことがある。
【0046】
(第1ピン端子51の構成)
第1ピン端子51は、図3に示すように、第1ピン端子51のリード線の延在方向に沿って捉えると、端子本体部511と、取付部513と、引出部512とを有する。また、取付部513及び引出部512の延伸方向は同じである。一方、端子本体部511の延伸方向は、取付部513及び引出部512の延伸方向と異なる。
【0047】
組立状態において、端子本体部511は、内部空間30の音響空間301に位置し、先端が振動板2の第1電極21と当接する部分である。取付部513は、蓋4の貫通孔413に挿し込まれる部分である。引出部512は、内部空間30から外部に引き出され、外部基板(図示せず)に実装される部分である。
【0048】
端子本体部511は、図3に示すように、略U字状をなしている。具体的には、端子本体部511は、リード線の延在方向にて、第1屈曲部5111、直線状をなしている延在部5114、第2屈曲部5112、直線状をなしている立上部5116、及び当接部5113を有する。
【0049】
第1屈曲部5111は、取付部513に接続されている。また、第1屈曲部5111は、取付部513及び引出部512と、延在部5114とを連結する。この第1屈曲部5111によって、延在部5114の延伸方向は、取付部513及び引出部512の延伸方向と交差するようになっている。第1実施形態では、延在部5114の延伸方向と、取付部513及び引出部512の延伸方向とは、ほぼ垂直である。
【0050】
第2屈曲部5112は、屈曲率が第1屈曲部5111よりも小さい。また、第2屈曲部5112は、延在部5114と、立上部5116とを連結する。この第2屈曲部5112によって、立上部5116の延伸方向は、延在部5114の延伸方向とほぼ反対方向になっている。それとともに、第2屈曲部5112によって、立上部5116は、延在部5114から立ち上がるようになっている。
【0051】
また、端子本体部511の組立状態において、延在部5114は、第1屈曲部5111によって、ほぼ蓋4の第2天壁主面412に沿うように延在している。第2屈曲部5112は、後端側の一部が、第2天壁主面412と接触しており、先端側の他の一部が、第2天壁主面412から立ち上がっている。言い換えれば、端子本体部511は、第2屈曲部5112から、第2天壁主面412に対してZ軸の第方向に向かって傾斜し始めている。立上部5116は、第2屈曲部5112によって、蓋4の第2天壁主面412から立ち上がっている。こうして、延在部5114、第2屈曲部5112及び立上部5116は、第1ピン端子51のバネ構成を形成している。また、当接部5113は、第1ピン端子51のバネ構成によって、振動板2の第1電極21と当接している。
【0052】
(第2ピン端子52の構成)
第2ピン端子52は、図4に示すように、第2ピン端子52のリード線の延在方向に沿って捉えると、端子本体部521と、取付部523と、引出部522とを有する。また、取付部523及び引出部522の延伸方向は同じである。一方、端子本体部521の延伸方向は、取付部523及び引出部522の延伸方向と異なる。
【0053】
組立状態において、端子本体部521は、内部空間30の音響空間301に位置し、先端が振動板2の基板10と当接する部分である。取付部523は、蓋4の貫通孔413に挿し込まれる部分である。引出部522は、内部空間30から外部に引き出され、外部基板(図示せず)に実装される部分である。
【0054】
端子本体部521は、図4に示すように、略L字状をなしている。具体的には、端子本体部521は、リード線の延在方向にて、第1屈曲部5211、直線状をなしている延在部5214、第3屈曲部5215、直線状をなしている立上部5216、第2屈曲部5212、直線状をなしている立上部5218、及び当接部5213を有する。
【0055】
第1屈曲部5211は、取付部523に接続されている。また、第1屈曲部5211は、取付部523及び引出部522と、延在部5214とを連結する。この第1屈曲部5211によって、延在部5214の延伸方向は、取付部523及び引出部522の延伸方向と交差するようになっている。第1実施形態では、延在部5214の延伸方向と、取付部523及び引出部522の延伸方向とは、ほぼ垂直である。
【0056】
第3屈曲部5215は、延在部5214と、立上部5216とを連結する。この第3屈曲部5215によって、立上部5216の延伸方向は、延在部5214の延伸方向と交差するようになっている。それとともに、第3屈曲部5215によって、立上部5216は、延在部5214から立ち上がるようになっている。
【0057】
第2屈曲部5212は、立上部5216と、立上部5218とを連結する。この第2屈曲部5212によって、立上部5218の延伸方向は、立上部5216の延伸方向と交差するようになっている。それとともに、第2屈曲部5212によって、立上部5218は、立上部5216から立ち上がるようになっている。
【0058】
また、端子本体部521の組立状態において、延在部5214は、第1屈曲部5211によって、ほぼ蓋4の第2天壁主面412に沿うように延在している。第3屈曲部5215は、後端側の一部が、第2天壁主面412と接触しており、先端側の他の一部が、第2天壁主面412から立ち上がっている。言い換えれば、端子本体部521は、第3屈曲部5215から、第2天壁主面412に対してZ軸の第方向に向かって傾斜し始めている。また、第3屈曲部5215は、蓋4の内周面45の凹部と当接している。立上部5216及び立上部5218は、第2屈曲部5212によって、蓋4の内周面45に沿うように形成されているとともに、第3屈曲部5215及び第2屈曲部5212によって、蓋4の第2天壁主面412から立ち上がっている。こうして、延在部5214、第3屈曲部515、立上部5216、第2屈曲部5212、及び立上部5218は、第2ピン端子52のバネ構成を形成している。また、当接部5213は、第2ピン端子52のバネ構成によって、振動板2の基板10と当接している。よって、第2ピン端子52の当接部5213は、基板10を介して、振動板2の第2電極22に接続されている。
【0059】
<蓋4の固定ガイド構成100の詳細>
次に、図5図6図11及び図12を参照しつつ、第1実施形態に係る蓋の固定ガイド構成100の詳細について説明する。図5は、第1実施形態に係る蓋4の固定ガイド構成100を説明するための図である。図6は、第1実施形態に係る2つのピン端子5と蓋4との組立状態を説明するための図である。図11は、比較例に係る蓋4の第1固定部21及び第2固定部22の構成を説明するための断面図である。図12は、比較例に係る2つのピン端子5と蓋4との組立状態を説明するための図である。
【0060】
(固定ガイド構成100の構成)
まず、図5を参照しつつ、固定ガイド構成100の構成について説明する。
固定ガイド構成100は、図5に示すように、蓋4の第2天壁主面412から突起するように設けられている。第1実施形態では、固定ガイド構成100は、第1ピン端子51の位置固定及び姿勢ガイドを施す第1固定ガイド構成110と、第2ピン端子52の位置固定及び姿勢ガイドを施す第2固定ガイド構成120と、を有する。
【0061】
第1固定ガイド構成110は、第1ピン端子51の第1屈曲部5111の位置を固定する第1固定部111と、第1ピン端子51の第2屈曲部5112に当接して、第1ピン端子51の姿勢をガイドする第1ガイド部112とを有する。
【0062】
また、第1ピン端子51の当接部5113の向きを維持する観点から捉えると、第1固定ガイド構成110は、当接部5113における蓋4の第2天壁主面412の平面視の向きを方向付ける第1固定部111と、当接部5113における蓋4の第2天壁主面412と交差する方向の向きを方向付ける第1ガイド部112とを有する。
【0063】
また、平面視するとき、蓋4において、第1固定部111と第1ガイド部112とは、互いに異なる位置に設けられている。第1ガイド部112は、第1固定部111よりも蓋4の第2天壁主面412の周縁に近い側に設けられている。
【0064】
第1固定部111は、蓋4の貫通孔413の開口の周囲に設けられている。この第1固定部111は、平面視形状がU字状である。このU字状の開口は、第1ガイド部112の近傍にある第2天壁主面412の周縁に向かうように形成されている。また、第1固定部111は、2つの壁部115と、2つの壁部115の間に設けられた間隙113とを有する。間隙113は、固定部間隙の一例である。平面視するとき、この間隙113の中心線L13は、貫通孔413を通過している。
【0065】
第1ガイド部112は、蓋4の第2天壁主面412の周縁側、かつ間隙113の延在する線上と異なる位置に設けられている。言い換えれば、第1ガイド部112は、蓋4の内周面45の近傍に形成されている。この第1ガイド部112は、平面視形状がブロック状である。また、第1ガイド部112は、2つの壁部116と、2つの壁部116の間に設けられた間隙114とを有する。間隙114は、ガイド部間隙の一例である。平面視するとき、この間隙114の中心線L14は、屈曲している。また、間隙114の中心線L14は、間隙113の中心線L13と交差するように形成されている。
【0066】
第2固定ガイド構成120は、第2ピン端子52の第屈曲部5211の位置を固定する第2固定部121と、第2ピン端子52の第2屈曲部5212の近傍にある立上部5216に当接して、第2ピン端子52の姿勢をガイドする第2ガイド部122とを有する。
【0067】
また、第2ピン端子52の当接部5213の向きを維持する観点から捉えると、第2固定ガイド構成120は、当接部5213における蓋4の第2天壁主面412の平面視の向きを方向付ける第2固定部121と、当接部5213における蓋4の第2天壁主面412と交差する方向の向きを方向付ける第2ガイド部122とを有する。
【0068】
また、平面視するとき、蓋4において、第2固定部121と第2ガイド部122とは、互いに異なる位置に設けられている。第2ガイド部122は、第2固定部121よりも蓋4の第2天壁主面412の周縁に近い側に設けられている。
【0069】
第2固定部121は、蓋4の貫通孔413の開口の周囲に設けられている。この第2固定部121は、平面視形状がU字状である。このU字状の開口は、第2ガイド部122の近傍にある第2天壁主面412の周縁に向かうように形成されている。また、第2固定部121は、2つの壁部125と、2つの壁部125の間に設けられた間隙123とを有する。間隙123は、固定部間隙の一例である。平面視するとき、この間隙123の中心線L23は、貫通孔413を通過している。
【0070】
第2ガイド部122は、蓋4の第2天壁主面412の周縁、かつ間隙123の延在する線上と異なる位置に設けられている。言い換えれば、第2ガイド部122は、蓋4の内周面45と接触するように形成されている。この第2ガイド部122は、平面視形状がブロック状である。また、第2ガイド部122は、間隙構成を有していない。
【0071】
(2つのピン端子5と蓋4との組立)
次に、図6を参照しつつ、2つのピン端子5と蓋4との組立について説明する。
第1ピン端子51及び第2ピン端子52は、図6に示すように、2つの貫通孔413及び固定ガイド構成100によって、蓋4に取り付けられている。
【0072】
第1ピン端子51が蓋4に設置されるとき、第1ピン端子51の取付部513は、貫通孔413に挿し込まれる。また、第1ピン端子51の端子本体部511は、第1固定部111及び第1ガイド部112に設置される。具体的には、図6に示すように、端子本体部511の第1屈曲部5111と、延在部5114の一部とは、第1固定部111の間隙113に押し込まれる。第2屈曲部5112は、第1ガイド部112の間隙114に押し込まれる。
【0073】
また、第1ピン端子51が蓋4に設置された後に、第1屈曲部5111及び延在部5114の一部を挟むように、第1固定部111の2つの壁部115が互い向かってかしめられる。第2屈曲部5112を挟むように、第1ガイド部112の2つの壁部116が互い向かってかしめられる。
【0074】
また、かしめられた後に、2つの壁部115は、端部が繋がるようになっており、2つの壁部116は、端部も繋がるようになっている。すなわち、第1固定部111及び第1ガイド部112のそれぞれは、トンネル状(図示せず)になっている。よって、第1屈曲部5111と、延在部5114の一部とは、第1固定部111の内部に埋め込まれるように形成されている。第2屈曲部の一部は、第1ガイド部112によって囲まれるように形成されている。
【0075】
第2ピン端子52が蓋4に設置されるとき、第2ピン端子52の取付部523は、貫通孔413に挿し込まれる。また、第2ピン端子52の端子本体部521は、第2固定部121及び第2ガイド部122に設置される。具体的には、図6に示すように、端子本体部521の第1屈曲部5211と、延在部5214の一部とは、第2固定部121の間隙123に押し込まれる。第2屈曲部5212の近傍の一部、すなわち立上部5216は、第2ガイド部122の端部と当接するように設けられている。なお、このとき、第3屈曲部5215は、蓋4の内周面45の凹部と当接している。
【0076】
また、第2ピン端子52が蓋4に設置された後に、第1屈曲部5211及び延在部5214の一部を挟むように、第2固定部121の2つの壁部125が互い向かってかしめられる。かしめられた後に、2つの壁部125は、端部が繋がるようになっている。すなわち、第2固定部121は、トンネル状になっている。よって、第1屈曲部5211と、延在部5214の一部とは、第2固定部121の内部に埋め込まれるように形成されている。それとともに、第2屈曲部は、第2ガイド部122によって支持されている。
【0077】
(固定ガイド構成100の効果)
続いて、図2図5図6図11及び図12を参照しつつ、比較例に係る固定構成200と比較しながら、第1実施形態に係る固定ガイド構成100の効果について説明する。ここで、比較例に係る固定構成200と、第1実施形態に係る固定ガイド構成100との相違は、比較例に係る固定構成200は、第1実施形態に係る固定ガイド構成100の第1ガイド部112及び第2ガイド部122を有していないことである。
【0078】
なお、以下では、説明の便宜のために、圧電発音部品1を実装基板に挿入されるとき、2つピン端子5のケース6の外部に位置する引出部512及び引出部522がカットされること等によって、2つピン端子5の、カット等の処理がされた箇所に応力が加えられる場合を「応力が生じるとき」と呼ぶことがある。
【0079】
(第1固定部111及び第1ガイド部112の効果)
第1ピン端子51では、端子本体部511は、第1固定部111及び第1ガイド部112によって、蓋4に対する位置が固定されているとともに、第1ガイド部112によって、蓋4に対する姿勢がガイドされている。
【0080】
具体的には、端子本体部511の第1屈曲部5111と延在部5114の一部とが第1固定部111の2つ壁部115によってかしめられている。このため、応力が生じるとき、XY面にて、端子本体部511の、第1固定部111の中心線L13と垂直する方向の移動(ズレ)が制限される。また、端子本体部511の第2屈曲部5112の一部が第1ガイド部112の2つ壁部116によってかしめられている。このため、応力が生じるとき、XY面にて、端子本体部511の、第1ガイド部11の中心線L14と垂直する方向の移動(ズレ)が制限される。
【0081】
また、上述したように、中心線L13と中心線L14とは、交差している。このため、応力が生じるとき、第1固定部111及び第1ガイド部112によって、端子本体部511の蓋4に対するXY軸方向の移動(ズレ)が制限される。その結果、平面視するとき、端子本体部511が蓋4に対する位置が固定され、当接部5113の蓋4に対する向きが所定方向に維持される。言い換えれば、第1固定部111及び第1ガイド部112によって、当接部5113における蓋4の第2天壁主面412の平面視の向きが方向付けられている。そして、組立状態において、応力が生じても、第1固定部111及び第1ガイド部112によって、XY軸方向にて、当接部5113と第1電極21との接触位置が維持されることができる。
【0082】
また、かしめられた後に、第1固定部111及び第1ガイド部112は、トンネル状になっている。言い換えれば、第1固定部111及び第1ガイド部112のそれぞれに、天井部が形成されている。よって、応力が生じるとき、第1固定部111の天井部及び蓋4の第2天壁主面412によって、端子本体部511の、第1屈曲部5111と取付部523との接続する部分を回転中心とする、Z軸の第1方向及び第2方向に向かう回転が抑制される。言い換えれば、応力が生じても、第1固定部111によって、第1屈曲部5111及び第2天壁主面412に延在している延在部5114のZ軸方向に移動(ズレ)が制限されることができる。
【0083】
また、応力が生じるとき、第2天壁主面412に対して傾斜している第2屈曲部5112は、第1ガイド部112の天井部によって、端子本体部511の、第2屈曲部5112と蓋4の第2天壁主面412との接触部分を回転中心とする、Z軸の第1方向に向かう回転が抑制される。それとともに、第2屈曲部5112は、かしめられた壁部115の第2屈曲部5112よりもZ軸の第2方向にある部分によって、傾斜する姿勢、すなわち蓋4の第2天壁主面412から立ち上がる姿勢が支持されている。よって、応力が生じるとき、端子本体部511の、第2屈曲部5112と蓋4の第2天壁主面412との接触部分を回転中心とする、Z軸の第2方向に向かう回転が抑制される。こうして、組立状態において、応力が生じるとき、第1ガイド部112によって、第2屈曲部5112のZ軸方向の移動(ズレ)が制限される。よって、第2屈曲部5112と接続している、立上部5116及び当接部5113のZ軸方向の移動(ズレ)も制限される。言い換えれば、第1ガイド部112によって、当接部5113における蓋4の第2天壁主面412と交差する方向の向きが方向付けられている。
【0084】
その結果、組立状態になる前、かつ第1ピン端子51が蓋4に取り付けられたとき、当接部5113の姿勢は、Z軸方向にて当接部5113から蓋4の第2天壁主面412までの距離が所定値に維持されるように、第1ガイド部112によってガイドされる。そして、組立状態において、応力が生じても、第1ガイド部112によって、Z軸方向にて、当接部5113と第1電極21との接触位置が維持されることができる。
【0085】
これに対して、図11及び図12に示すように、比較例の固定構成200は、第1実施形態に係る第1ガイド部112を有していない。すなわち、比較例に係る第2屈曲部5112の姿勢は、支持されていない状態である。このため、応力が生じるとき、比較例に係る第2屈曲部5112の立ち上がっている部分は、第2屈曲部5112と蓋4の第2天壁主面412との接触部分を回転中心とする、Z軸の第2方向に向かって回転する可能性がある。よって、比較例に係る第2屈曲部5112と接続している、比較例に係る立上部5116及び当接部5113のZ軸方向の移動(ズレ)が生じてしまう。その結果、比較例では、組立状態になる前、かつ第1ピン端子51が蓋4に取り付けられたとき、Z軸方向にて、当接部5113から蓋4の第2天壁主面412までの距離が小さくなる。そして、組立状態において、比較例に係る当接部5113が第1電極21に与える圧力が足りなくなり、当接部5113と第1電極21との接触不良が生じる可能性がある。
【0086】
このように、第1実施形態に係る第1固定部111及び第1ガイド部112によって、第1ピン端子51が蓋4に対して一定の姿勢で固定されている。また、組立状態になる前、かつ第1ピン端子51が蓋4に取り付けられたとき、第1ピン端子51の当接部5113における蓋4の第2天壁主面412の平面視の向きと、当接部5113における蓋4の第2天壁主面412と交差する方向の向きとが方向付けられている。言い換えれば、この場合、XY軸方向にて、第1ピン端子51の当接部5113の向きは所定方向に維持されるとともに、Z軸方向にて、当接部5113から蓋4の第2天壁主面412の距離は所定値に維持される。よって、第1ピン端子51に所定のバネ力を保つことができる。そして、組立状態において、応力が生じても、第1ピン端子51の当接部5113と振動板2の第1電極21との接触位置と、当接部5113が第1電極21に与える圧力とは、所定位置及び所定大きさに維持されることができる。
【0087】
(第2固定部121及び第2ガイド部122の効果)
第2ピン端子52では、端子本体部521は、第2固定部121及び第2ガイド部122によって、蓋4に対する位置が固定されているとともに、第2ガイド部122によって、蓋4に対する姿勢がガイドされている。
【0088】
具体的には、端子本体部521の第1屈曲部5211と延在部5214の一部とが第2固定部121の2つ壁部125によってかしめられている。このため、応力が生じるとき、端子本体部51のXY面にて第2固定部121の中心線L23と垂直する方向の移動(ズレ)が制限される。また、端子本体部521の第3屈曲部515は、周壁部42の内周面45の凹部によって支持されている。このため、応力が生じるとき、端子本体部521のXY面にて中心線L23に沿う方向の移動(ズレ)が制限される。よって、応力が生じるとき、端子本体部521の蓋4に対するXY軸方向の移動(ズレ)が制限される。その結果、平面視するとき、端子本体部521が蓋4に対する位置が固定され、当接部5213の蓋4に対する向きが所定方向に維持される。言い換えれば、第2固定部121によって、当接部5213における蓋4の第2天壁主面412の平面視の向きが方向付けられている。そして、組立状態において、応力が生じても、第2固定部121によって、XY軸方向にて、当接部5213と基板10との接触位置が維持されることができる。
【0089】
また、かしめられた後に、第2固定部121は、トンネル状になっている。言い換えれば、第2固定部121に、天井部が形成されている。こうして、応力が生じるとき、第2固定部121及び蓋4の第2天壁主面412によって、端子本体部521の、第1屈曲部5211及び第2天壁主面412に延在している延在部5214のZ軸方向に移動(ズレ)が制限されることができる。
【0090】
また、第2天壁主面412に対して傾斜している第3屈曲部5215、立上部5216、及び第2屈曲部5212では、第2屈曲部5212の近傍にある立上部5216が、第2屈曲部5212よりもZ軸の第2方向に位置する第2ガイド部122によって支持されている。よって、第3屈曲部5215、立上部5216、及び第2屈曲部5212の傾斜する姿勢、すなわち蓋4の第2天壁主面412から立ち上がる姿勢は、支持されている。こうして、応力が生じるとき、第2ガイド部122の支持によって、端子本体部521の、第3屈曲部5215と蓋4の第2天壁主面412との接触部分を回転中心とする、Z軸の第2方向に向かう回転が抑制される。
【0091】
また、この場合、第2固定部121の壁部125の長手方向の寸法は、第1固定部111の壁部115の長手方向の寸法よりも長い。このため、第2固定部121の壁部125が端子本体部521のZ軸方向の第1方向への移動(ズレ)の拘束力は、第1固定部111よりも大きい。よって、第2ガイド部122は、天井部を有しなくても、第2固定部121の天井部によって、端子本体部521の、第3屈曲部5215と蓋4の第2天壁主面412との接触部分を回転中心とする、Z軸の第1方向に向かう回転を抑制することができる。こうして、応力が生じるとき、第2ガイド部122によって、第3屈曲部5215、立上部5216、及び第2屈曲部5212のZ軸方向の移動(ズレ)が制限される。よって、第2屈曲部5212と接続している、立上部5218及び当接部5213のZ軸方向の移動(ズレ)も制限される。言い換えれば、第2ガイド部122によって、当接部5113における蓋4の第2天壁主面412と交差する方向の向きが方向付けられている。
【0092】
その結果、当接部5213の姿勢は、Z軸方向にて当接部から蓋4の第2天壁主面412までの距離が所定値に維持されるように、第2ガイド部122によってガイドされる。そして、組立状態において、応力が生じても、第2ガイド部122によって、Z軸方向にて、当接部5213と基板10との接触位置が維持されることができる。
【0093】
これに対して、図11及び図12に示すように、比較例の固定構成200は、第1実施形態に係る第2ガイド部122を有していない。すなわち、比較例に係る第3屈曲部5215、立上部5216、及び第2屈曲部5212の姿勢は、支持されていない状態である。このため、応力が生じるとき、比較例に係る第3屈曲部5215、立上部5216、及び第2屈曲部5212の立ち上がっている部分は、第3屈曲部5215と蓋4の第2天壁主面412との接触部分を回転中心とする、Z軸の第2方向に向かって回転する可能性がある。よって、比較例に係る第2屈曲部5112と接続している、立上部5216及び当接部5213のZ軸方向の移動(ズレ)が生じてしまう。その結果、比較例では、組立状態になる前、かつ第1ピン端子51が蓋4に取り付けられたとき、Z軸方向にて、当接部か5213から蓋4の第2天壁主面412までの距離が小さくなる。そして、組立状態において、比較例に係る当接部5213が第1電極21に与える圧力が足りなくなり、当接部5213と第1電極21との接触不良が生じる可能性がある。
【0094】
このように、第1実施形態に係る第2固定部121及び第2ガイド部122によって、第2ピン端子52が蓋4に対して一定の姿勢で固定されている。また、組立状態になる前、かつ第2ピン端子52が蓋4に取り付けられたとき、第2ピン端子52の当接部5213における蓋4の第2天壁主面412の平面視の向きと、当接部5213における蓋4の第2天壁主面412と交差する方向の向きとが方向付けられている。言い換えれば、この場合、XY軸方向にて、第2ピン端子52の当接部5213の向きは所定方向に維持されるとともに、Z軸方向にて、当接部5213から蓋4の第2天壁主面412の距離は所定値に維持される。言い換えれば、第2ピン端子52に所定のバネ力を保つことができる。よって、組立状態において、応力が生じても、第2ピン端子52の当接部5213と振動板2の基板10との接触位置と、当接部5213が基板10に与える圧力とは、所定位置及び所定大きさに維持される。
【0095】
従って、第1実施形態では、第1固定部111及び第2固定部121とともに、第1ガイド部112及び第2ガイド部122を採用することで、応力が生じるとき、2つのピン端子5のXYZ軸方向における移動(ズレ)を抑制することができる。よって、応力が生じるとしても、2つのピン端子5の先端部と振動板2との接触状態が、応力が生じていないときのままに維持されることができる。第1ガイド部112及び第2ガイド部122を採用しない場合に比べて、2つのピン端子5の先端部と振動板2との接触信頼性を向上することが可能となる。その結果、2つのピン端子5の先端部と振動板2との接触状態の変換による、圧電発音部品1の発音特性の変動や、2つのピン端子5と振動板2の接触不良による発音障害の発生を軽減することを実現できる。
つまり、第1実施形態に係る固定ガイド構成100によれば、良好な信頼性を得ることができる圧電発音部品を提供することが可能となる。
【0096】
[固定ガイド構成100の他の実施形態]
続いて、図7乃至10を参照しつつ、第1実施形態に係る固定ガイド構成100の他の実施形態の構成について説明する。図7は、第2実施形態に係る蓋4の固定ガイド構成100を説明するための図である。図8は、第2実施形態に係る2つのピン端子5と蓋4との組立状態の一例を説明するための図である。図9は、第3実施形態に係る蓋4の固定ガイド構成100を説明するための図である。図10は、第3実施形態に係る2つのピン端子5と蓋4との組立状態を説明するための図である。
【0097】
なお、以下の説明では、第2実施形態及び第3実施形態の第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点について説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については言及しない。
【0098】
[第2実施形態]
まず、図7及び図8を参照しつつ、第2実施形態に係る蓋4の固定ガイド構成100の構成について説明する。図7及び図8に示すように、第2実施形態に係る固定ガイド構成100及び第2ピン端子52の構成は、第1実施形態に係る固定ガイド構成100及び第2ピン端子52の構成と異なる。
【0099】
具体的には、第2実施形態に係る固定ガイド構成100では、第1固定ガイド構成110は、第1実施形態に係る第1固定ガイド構成110の第1ガイド部112を有していない。第2実施形態に係る第2固定ガイド構成120は、第1実施形態に係る第2固定ガイド構成120との構成と異なる。
【0100】
また、第2実施形態に係る第2固定ガイド構成120では、第2固定部121の2つの壁部125の長手方向の寸法は、第1実施形態に係る第2固定部121の2つの壁部125の長手方向の寸法よりも短い。第2実施形態に係る第2ガイド部122は、2つの壁部126と、2つの壁部126の間に設けられた間隙124とを有する。平面視するとき、この間隙124の中心線L24は、第2実施形態に係る第2固定部121は間隙123の中心線L23と交差するように形成されている。
【0101】
また、第2実施形態に係る第2ピン端子52の端子本体部521は、図8に示すように、リード線の延在方向にて、第1屈曲部5211、直線状をなしている延在部5214、第3屈曲部515、直線状をなしている延在部5219、第2屈曲部5212、直線状をなしている立上部5218、及び当接部5213を有する。言い換えれば、第1実施形態に係る端子本体部521と異なり、第2実施形態に係る端子本体部521は、第2屈曲部5212から、第2天壁主面412に対してZ軸の第方向に向かって傾斜し始めている。
【0102】
このように、第2実施形態では、第2ピン端子52側にだけ第2ガイド部122を採用することで、固定ガイド構成100の構成を簡易化することができる。また、第2実施形態に係る第2ガイド部122は、第1実施形態に係る第1ガイド部112と類似する構成を有する。このため、かしめられた第2ガイド部122の天井部、及びかしめられた第2ガイド部122の2つの壁部126によって、応力が生じるとき、端子本体部521の、第2屈曲部5212と第2天壁主面412との接触する部分を回転中心とする、Z軸の第1方向及び第2方向に向かう回転が抑制される。よって、第2実施形態に係る第2固定部121の2つの壁部125の長手方向の寸法を短くしても、第2ガイド部122によって、応力が生じるとき、第1屈曲部5111及び第2天壁主面412に延在している延在部5114のZ軸方向に移動(ズレ)が制限されることができる。
【0103】
さらに、第2実施形態に係る第2ピン端子52の延在部5214及び延在部5219は、第1実施形態に係る第2ピン端子52の延在部5214及び延在部5219よりも短い。また、第2実施形態に係る第2ガイド部122は、第1実施形態に係る第2ガイド部122よりも第2天壁主面412の周縁側の内側に設けられている。これらのことから、第2実施形態では、組立状態において、第2ピン端子52と蓋4の内周面45との接触を回避することができる。よって、第2ピン端子52と基板10との接触信頼性を向上することができる。
【0104】
[第3実施形態]
続いて、図9及び図10を参照しつつ、第3実施形態に係る蓋4の固定ガイド構成100の構成について説明する。図9及び図10に示すように、第3実施形態に係る第2固定ガイド構成120及び第2ピン端子52の構成は、第2実施形態に係る第2固定ガイド構成120及び第2ピン端子52の構成と同じである。このため、第3実施形態に係る第2固定ガイド構成120及び第2ピン端子52の構成に係る説明を省略する。
【0105】
一方、第3実施形態に係る第1固定ガイド構成110及び第1ピン端子51の構成は、第1実施形態及び第2実施形態に係る、第1固定ガイド構成110及び第1ピン端子51の構成と異なる。
【0106】
具体的には、第3実施形態に係る第1固定ガイド構成110は、第1固定部111と、第1ガイド部112とを有する。また、第3実施形態に係る第1固定部111は、第2実施形態に係る第2固定部121と同様の形状を有し、第1ガイド部112は、第2実施形態に係る第2ガイド部122と同様の形状を有する。
【0107】
また、第3実施形態に係る第1ピン端子51の端子本体部511は、図10に示すように、リード線の延在方向にて、第1屈曲部5111、直線状をなしている延在部5114、第3屈曲部5115、直線状をなしている延在部5117、第2屈曲部5112、直線状をなしている立上部5118、及び当接部5113を有する。また、第実施形態に係る端子本体部521は、第2屈曲部5212から、第2天壁主面412に対して第方向に向かって傾斜し始めている。
【0108】
また、組立状態において、第3実施形態に係る第1ガイド部112は、第1実施形態に係る第1ガイド部112と異なり、第2天壁主面412に延在している、直線状をなしている延在部5117をかしめている。
【0109】
このように、第3実施形態では、第1ピン端子51及び第2ピン端子52のそれぞれの側に第1ガイド部112及び第2ガイド部122を採用することで、応力が生じるとき、確実に、端子本体部511の、第2屈曲部5112と第2天壁主面412との接触する部分を回転中心とする、Z軸の第1方向及び第2方向に向かう回転が抑制されるとともに、端子本体部521の、第2屈曲部5212と第2天壁主面412との接触する部分を回転中心とする、Z軸の第1方向及び第2方向に向かう回転が抑制されることができる。よって、第2ピン端子52と基板10との接触信頼性を向上することができる。
【0110】
また、第3実施形態では、第1ガイド部112は、第2天壁主面412に延在している、直線状をなしている延在部5117をかしめるため、確実に延在部5117の姿勢を支持することができる。よって、延在部5117と接続している第2屈曲部5112、直線状をなしている立上部5118、及び当接部5113の姿勢も、確実に第2天壁主面412から立ち上がるようにガイドされることができる。
【0111】
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。
本発明の一実施形態に係る圧電発音部品1は、電圧が印加されることによって振動する振動板2と、開口部33を有するケース本体3と、ケース本体3の開口部33を閉じるように設けられた蓋4とを有し、ケース本体3及び蓋4によって構成される内部空間30に、振動板2を収容するケース6と、振動板2と当接するように、蓋に設けられた2つのピン端子5と、を備え、少なくとも1つのピン端子5は、内部空間から外部に引き出される引出部512(又は引出部522)と、内部空間30において蓋4の第2天壁主面412に沿って延在する延在部5114(又は延在部5214)と、延在部5114(又は延在部5214)から立ち上がる立上部5116(又は立上部5216)と、立上部5116(又は立上部5216)の先端に設けられた振動板2と当接する当接部5113(又は当接部5213)と、を有し、蓋4における内部空間30の側には、引出部512(又は引出部522)と延在部5114(又は延在部5214)の間の第1屈曲部5111(又は第1屈曲部5211)の位置を固定する第1固定部111(又は第2固定部121)と、延在部5114(又は延在部5214)と立上部5116(又は立上部5216)との間の第2屈曲部5112(又は第2屈曲部5212)又は第2屈曲部5112(又は第2屈曲部5212)の近傍に当接してピン端子5の姿勢をガイドする第1ガイド部112(又は第2ガイド部122)と、を有する。
上記構成によれば、良好な信頼性を得ることができる。
【0112】
また、上記構成において、第1固定部111(又は第2固定部121)は、少なくとも、ピン端子5の当接部5113(又は当接部5213)における蓋4の第2天壁主面412の平面視の向きを方向付けてもよい。
上記構成によれば、ピン端子の当接部における蓋の主面の平面視の向きのズレを抑制すること可能となり、当接部に係る接続信頼性を向上することができる。
【0113】
また、上記構成において、第1ガイド部112(又は第2ガイド部122)は、少なくとも、ピン端子5の5113(又は当接部5213)における蓋4の第2天壁主面412と交差する方向の向きを方向付けてもよい。
上記構成によれば、ピン端子の当接部における蓋の主面と交差する方向の向きのズレを抑制すること可能となり、当接部に係る接続信頼性を向上することができる。
【0114】
また、上記構成において、蓋4の第2天壁主面412の平面視において、第1固定部111(又は第2固定部121)と第1ガイド部112(又は第2ガイド部122)とは互いに異なる位置に設けてもよい。
上記構成によれば、異なる位置の固定及び支持によって、ピン端子のズレを抑制することができる。
【0115】
また、上記構成において、第1ガイド部112(又は第2ガイド部122)は、第1固定部111(又は第2固定部121)よりも蓋4の第2天壁主面412の周縁に近い側に設けられてもよい。
上記構成によれば、ピン端子の当接部における蓋の主面と交差する方向の向きのズレが生じやすい位置における支持によって、当接部に係る接続信頼性を向上することができる。
【0116】
また、上記構成において、蓋4は、ピン端子5が挿入される貫通孔413を有し第1固定部111(又は第2固定部121)は、蓋4における貫通孔413の開口の周囲に設けられてもよい。
上記構成によれば、確実にピン端子の当接部における蓋の主面の平面視の向きのズレを抑制することができる。
【0117】
また、上記構成において、第1固定部111(又は第2固定部121)は、ピン端子5を挿し込むための固定部間隙の一例である間隙113(又は間隙123)を有し、蓋4の第2天壁主面412の平面視において、第1ガイド部112(又は第2ガイド部122)は、間隙113(又は間隙123)が延在する線上とは異なる位置に設けられてもよい。
上記構成によれば、異なる位置の固定及び支持によって、接触信頼性を向上することができる。
【0118】
また、上記構成において、第1ガイド部112(又は第2ガイド部122)は、ピン端子5を挿し込むためのガイド部間隙一例である間隙114(又は間隙124)を有し、蓋4の第2天壁主面412の平面視において、間隙114(又は間隙124)が延在する線と、間隙113(又は間隙123)が延在する線とは、交差してもよい。
上記構成によれば、確実にピン端子のズレを抑制することができ、良好な信頼性を得ることができる。
【0119】
また、上記構成において、第2屈曲部5112(又は第2屈曲部5212)又は第2屈曲部5112(又は第2屈曲部5212)の近傍は、第1ガイド部112(又は第2ガイド部122)によってかしめられる又は支持されるように設けられてもよい。
上記構成によれば、ピン端子の当接部における蓋の主面と交差する方向の向きのズレを抑制することで、当接部に係る接続信頼性を向上することができる。
【0120】
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。以下では、本発明に係る変形例について説明する。
【0121】
上記実施形態では、固定ガイド構成100は蓋4の第2天壁主面412側から突起している構成として説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、固定ガイド構成100は、蓋4の第1天壁主面411側から突起している構成であってもよい。
【0122】
上記実施形態では、第1固定部111及び第2固定部121のそれぞれの数は1つとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、第1固定部111及び第2固定部121のそれぞれの数は、2以上であってもよい。同様に、上記実施形態では、第1ガイド部112及び第2ガイド部122のそれぞれの数は0又は1つとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、第1ガイド部112及び第2ガイド部122のそれぞれの数、2以上であってもよい。また、例えば、第1固定部111、第2固定部121、第1ガイド部112、及び第2ガイド部122のぞれぞれは、ピン端子5の形状に合わせて、異なる数を有してもよい。
【0123】
上記実施形態では、第1固定部111及び第1ガイド部112は、互いに分離している構成として説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、第1固定部111及び第1ガイド部112は一体型の構成であってもよい。同様に、上記実施形態では、第2固定部121及び第2ガイド部122は、互いに分離している構成として説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、第2固定部121及び第2ガイド部122は一体型の構成であってもよい。
【0124】
上記実施形態では、ピン端子5は2つを有することとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、2つ以外の数を有してもよい。また、上記実施形態では、第1ピン端子51及び第2ピン端子52は、異なる構成を有するものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、第1ピン端子51及び第2ピン端子52は、同じ構成を有してもよい。また、例えば、第1ピン端子51及び第2ピン端子52は、上述した構成と異なる構成を有してもよい。
【0125】
上記実施形態では、振動板2は、第2電極22を有するものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、第2電極22の替わりに、基板10を第2電極22の機能を有するものとして利用してもよい。
【0126】
上記実施形態では、圧電発音部品1の各構成の平面視形状が円状をなしているものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、例えば、矩形状や正方形状等の任意の形状を採用してもよい。
【0127】
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0128】
1…圧電発音部品、2…振動板、3…ケース本体、4…蓋、5…ピン端子、6…ケース、10…基板、20…振動素子、21…第1電極、22…第2電極、23…圧電板、51…第1ピン端子、52…第2ピン端子、100…固定ガイド構成、110…第1固定ガイド構成、111…第1固定部、112…第1ガイド部、構成、120…第2固定ガイド構成、121…第2固定部、122…第2ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図12