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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】情報取得装置及び情報取得方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/18 20220101AFI20231207BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231207BHJP
【FI】
G06V40/18
G06T7/00 510D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022529206
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 JP2020021881
(87)【国際公開番号】W WO2021245823
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】大網 亮磨
【審査官】小太刀 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-030564(JP,A)
【文献】特開2000-132681(JP,A)
【文献】国際公開第2018/052003(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/018422(WO,A1)
【文献】中島重義, 外5名,“装着加速度計によるDCTを用いた人間の歩行の数値的診断”,映像情報メディア学会技術報告,日本,(社)映像情報メディア学会,2008年02月08日,第32巻, 第7号,p.33-36
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/18
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の瞼の開き度合いを検出する瞼検出手段と、
前記瞼検出手段によって検出された瞼の開き度合いが所定値よりも小さい場合、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように前記対象者を誘導するための誘導情報を出力する出力手段と、
前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得する画像取得手段と、
を備え
前記画像取得手段は、前記瞼の開き度合いが所定値よりも小さい場合、前記誘導情報が出力された後に前記画像を取得し、前記瞼の開き度合いが所定値以上の場合、前記誘導情報が出力されていない状態で前記画像を取得する情報取得装置。
【請求項2】
前記誘導情報は、前記対象者が頭を上に動かすように誘導するための情報を含む、
請求項1に記載の情報取得装置。
【請求項3】
前記画像取得手段は、前記対象者の頭の角度が互いに異なる複数の前記画像を取得する、
請求項1又は2に記載の情報取得装置。
【請求項4】
前記複数の画像の各々から特徴量を抽出することにより、虹彩照合用の複数の特徴量を生成する特徴量生成手段を更に備える、
請求項3に記載の情報取得装置。
【請求項5】
前記複数の画像の各々から抽出された特徴量を合成することにより、虹彩照合用の特徴量を生成する特徴量生成手段を更に備える、
請求項3に記載の情報取得装置。
【請求項6】
前記対象者の頭の角度を検出する角度検出手段を更に備え、
前記誘導情報は、前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正であるか否かを示す情報を含む、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項7】
前記誘導情報は、前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正である場合に、頭を静止させるように前記対象者を誘導する情報と、頭を静止させた状態で視線を動かすように前記対象者を誘導するための情報と、を含む、
請求項に記載の情報取得装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正である場合に、表示装置の表示を変化させる、
請求項又はに記載の情報取得装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記対象者が注視すべき場所を示す情報を表示装置に表示させる、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項10】
前記誘導情報は、前記対象者の虹彩のうちの撮像がなされた領域を示す情報を含む、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項11】
対象者の瞼の開き度合いを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された瞼の開き度合いが所定値よりも小さい場合、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように前記対象者を誘導するための誘導情報を出力する出力ステップと、
前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得する取得ステップと、
を備え、
前記取得ステップでは、前記瞼の開き度合いが所定値よりも小さい場合、前記誘導情報が出力された後に前記画像を取得し、前記瞼の開き度合いが所定値以上の場合、前記誘導情報が出力されていない状態で前記画像を取得する情報取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報取得装置、情報取得方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、認証の対象者の虹彩画像を撮像し、虹彩認証を行う虹彩認証装置が開示されている。虹彩認証装置は、虹彩画像を撮像する撮像部の上方側に注意喚起表示を行う表示部を備えている。これにより、対象者の目を見開かせることができるため、睫毛又は上瞼により虹彩が覆われることによる誤認証の可能性を低減できる旨が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/052003号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような虹彩認証装置において、瞼等により虹彩が覆われることによる影響の低減が十分でない場合があった。
【0005】
本開示は、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる影響をより低減させることができる情報取得装置、情報取得方法及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一観点によれば、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように対象者を誘導するための誘導情報を出力する出力手段と、前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得する画像取得手段と、を備える情報取得装置が提供される。
【0007】
本開示の他の一観点によれば、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように対象者を誘導するための誘導情報を出力するステップと、前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得するステップと、を備える情報取得方法が提供される。
【0008】
本開示の他の一観点によれば、コンピュータに、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように対象者を誘導するための誘導情報を出力するステップと、前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得するステップと、を備える情報取得方法を実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る虹彩照合システムの全体構成を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る虹彩画像取得装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る照合サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る虹彩照合システムの機能ブロック図である。
図5】第1実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される誘導指示の例である。
図7A】対象者が正面を向いている場合の撮像例を示す模式図である。
図7B】対象者が正面を向いている場合の撮像例における目の拡大図である。
図8A】対象者が正面を注視しつつ頭を上に動かした場合の撮像例を示す模式図である。
図8B】対象者が正面を注視しつつ頭を上に動かした場合の撮像例における目の拡大図である。
図9】第2実施形態に係る虹彩照合システムの機能ブロック図である。
図10】第2実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図11】第3実施形態に係る虹彩照合システムの機能ブロック図である。
図12】第3実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図13】第4実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図14】第4実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される静止指示の例である。
図15】第5実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される静止指示の例である。
図16】第6実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図17】第6実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される誘導指示の例である。
図18】第7実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図19】第7実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される誘導指示の例である。
図20】第8実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図21】第8実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される誘導指示の例である。
図22】第9実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
図23】第9実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる特徴量合成処理の概略を示す模式図である。
図24】第10実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図25】第13実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図26】第14実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図27】第15実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図28】第17実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図29】第27実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図30】第28実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図31】第29実施形態に係る情報取得装置の機能ブロック図である。
図32】変形実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される誘導指示の例である。
図33】変形実施形態に係る照合処理の際に表示装置に表示される誘導指示の例である。
図34】変形実施形態に係る虹彩画像取得装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本開示の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る虹彩照合システムの全体構成を示す概略図である。虹彩照合システムは、虹彩画像取得装置1と、照合サーバ2とを有する。虹彩画像取得装置1と照合サーバ2とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0012】
虹彩照合システムは、対象者の虹彩画像を撮影し、撮影された虹彩画像の特徴量と、あらかじめ登録されている登録者の虹彩画像の特徴量とを照合することにより、対象者と登録者とが同一の人物であるか否かを判定する生体認証システムである。
【0013】
虹彩画像取得装置1は、対象者の虹彩画像を撮影して特徴量を抽出する情報取得装置である。虹彩画像取得装置1は、例えば、入国審査場、行政機関、施設の入場ゲート等で用いられる本人確認用端末であってもよい。この場合、虹彩画像取得装置1は、対象者が入国、行政機関の利用、施設への入場等の権限を有する人物であるか否かの判定に用いられる。また、虹彩画像取得装置1は、例えば、スマートフォン、PC(Personal Computer)等の情報処理装置であってもよい。この場合、虹彩画像取得装置1は、虹彩認証によりログイン時、アプリケーションソフトウェアの利用時、電子決済時等における本人確認を行うことができる。このように、虹彩画像取得装置1のユーザは、対象者自身であってもよく、対象者の本人確認を行う本人確認者であってもよい。
【0014】
照合サーバ2は、虹彩画像取得装置1から対象者の特徴量を取得し、対象者の特徴量と登録者の特徴量とを照合する照合装置である。
【0015】
ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の種々のネットワークであり得る。ネットワークNWは、例えば、インターネットであってもよく、虹彩照合の結果を利用する機関の閉域ネットワークであってもよい。
【0016】
図1においては、虹彩照合システムは、虹彩画像取得装置1と、照合サーバ2とにより構成されているが、虹彩照合システムの構成はこれに限定されるものではない。例えば、虹彩照合システムは、虹彩画像取得装置1の機能と照合サーバ2の機能とが一体となった1つの装置であってもよく、3つ以上の装置を含むシステムであってもよい。
【0017】
図2は、虹彩画像取得装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。虹彩画像取得装置1は、プロセッサ101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103及びHDD(Hard Disk Drive)104を備える。また、虹彩画像取得装置1は、通信I/F(Interface)105、操作装置106、撮像装置107及び表示装置108を備える。なお、虹彩画像取得装置1の各部は、不図示のバス、配線、駆動装置等を介して相互に接続される。
【0018】
図2では、虹彩画像取得装置1を構成する各部が一体の装置として図示されているが、これらの機能の一部は外付け装置により提供されるものであってもよい。例えば、操作装置106、撮像装置107及び表示装置108は、プロセッサ101等を含むコンピュータの機能を構成する部分とは別の外付け装置であってもよい。
【0019】
プロセッサ101は、ROM103、HDD104等に記憶されたプログラムに従って所定の演算を行うとともに、虹彩画像取得装置1の各部を制御する機能をも有する。また、プロセッサ101として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。RAM102は、揮発性記憶媒体から構成され、プロセッサ101の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する。ROM103は、不揮発性記憶媒体から構成され、虹彩画像取得装置1の動作に用いられるプログラム等の必要な情報を記憶する。HDD104は、不揮発性記憶媒体から構成され、データベースの記憶、虹彩画像取得装置1の動作用プログラムの記憶等を行う記憶装置である。
【0020】
通信I/F105は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の規格に基づく通信インターフェースである。通信I/F105は、照合サーバ2等の他の装置との通信を行うためのモジュールである。
【0021】
操作装置106は、対象者、管理者等が虹彩画像取得装置1を操作するためのボタン、タッチパネル等のユーザインターフェース用の装置である。
【0022】
撮像装置107は、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を受光素子として有するデジタルカメラである。撮像装置107は、対象者の虹彩を含む画像を撮像してデジタル画像データを取得する。なお、撮像装置107は、可視光による光学像を撮像する可視光カメラであってもよく、赤外光による光学像を撮像する赤外光カメラであってもよい。
【0023】
表示装置108は、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等であって、情報の表示、操作入力用のGUI(Graphical User Interface)等の表示に用いられる。操作装置106及び表示装置108は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0024】
なお、虹彩画像取得装置1は、可視光又は赤外光での撮像に適した波長の光を対象者の虹彩に照射する光源装置を更に備えていてもよい。この光源装置は、撮像装置107による撮影と同期して対象者に光を照射する。
【0025】
図3は、照合サーバ2のハードウェア構成例を示すブロック図である。照合サーバ2は、プロセッサ201、RAM202、ROM203、HDD204、通信I/F205、入力装置206及び出力装置207を備える。なお、照合サーバ2の各部は、不図示のバス、配線、駆動装置等を介して相互に接続される。プロセッサ201、RAM202、ROM203、HDD204、通信I/F205は、プロセッサ101、RAM102、ROM103、HDD104、通信I/F105と同様のものであるため説明を省略する。
【0026】
入力装置206は、キーボード、ポインティングデバイス等であって、照合サーバ2の管理者が照合サーバ2を操作するために用いられる。ポインティングデバイスの例としては、マウス、トラックボール、タッチパネル、ペンタブレット等が挙げられる。出力装置207は、例えば表示装置108と同様の構成を有する表示装置である。入力装置206及び出力装置207は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0027】
なお、虹彩画像取得装置1及び照合サーバ2のハードウェア構成は例示であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。更に、本実施形態の一部の機能がネットワークを介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されるものであってもよい。例えば、HDD104、204は、半導体メモリを用いたSSD(Solid State Drive)に置換されていてもよい。また、HDD104、204は、クラウドストレージに置換されていてもよい。このように虹彩画像取得装置1及び照合サーバ2のハードウェア構成は適宜変更可能である。
【0028】
図4は、本実施形態に係る虹彩照合システムの機能ブロック図である。虹彩画像取得装置1は、出力部111、表示制御部112、画像取得部113、特徴量生成部114及びI/F部115を備える。照合サーバ2は、I/F部211、照合部212及び特徴量記憶部213を備える。
【0029】
プロセッサ101は、ROM103、HDD104等に記憶されたプログラムをRAM102にロードして実行することで、所定の演算処理を行う。また、プロセッサ101は、当該プログラムに基づいて、通信I/F105、操作装置106、撮像装置107、表示装置108等の虹彩画像取得装置1の各部を制御する。これらにより、プロセッサ101は、出力部111、表示制御部112、画像取得部113、特徴量生成部114及びI/F部115の機能を実現する。出力部111、表示制御部112、画像取得部113及び特徴量生成部114は、それぞれ、より一般的に出力手段、表示制御手段、画像取得手段及び特徴量生成手段と呼ばれることもある。
【0030】
プロセッサ201は、ROM203、HDD204等に記憶されたプログラムをRAM202にロードして実行することで、所定の演算処理を行う。また、プロセッサ201は、当該プログラムに基づいて、通信I/F205、入力装置206、出力装置207等の照合サーバ2の各部を制御する。これらにより、プロセッサ201は、I/F部211、照合部212及び特徴量記憶部213の機能を実現する。照合部212及び特徴量記憶部213は、それぞれ、より一般的に照合手段及び特徴量記憶手段と呼ばれることもある。各機能ブロックにより行われる具体的な処理の内容については後述する。
【0031】
なお、図4において虹彩画像取得装置1及び照合サーバ2内に記載されている機能ブロックの各機能の一部又は全部は、虹彩画像取得装置1及び照合サーバ2の外部の装置に設けられていてもよい。すなわち、上述の各機能は、虹彩画像取得装置1及び照合サーバ2とこれら以外の装置との協働により実現されてもよい。また、虹彩画像取得装置1及び照合サーバ2が一体の装置であってもよく、虹彩画像取得装置1及び照合サーバ2の一方に記載されている機能ブロックの各機能の一部が、他方の装置により実現されてもよい。すなわち、図4における各機能ブロックが設けられる装置は、図4に示したものに限定されるものではない。
【0032】
図5は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。本実施形態の処理は、対象者の虹彩認証を行うための操作をユーザが虹彩画像取得装置1に対して行った際に開始される。この場合、対象者は虹彩画像取得装置1の撮像装置107に顔を向けており、撮像装置107の撮像範囲内に対象者の虹彩が含まれているものとする。
【0033】
ステップS101において、出力部111は、対象者が所定の位置を注視しつつ頭を動かすように誘導するための誘導情報を出力する。この誘導情報は、例えば、動作を促すメッセージ、画像等の誘導指示を表示装置108に表示させるための表示情報であり得る。
【0034】
ステップS102において、表示制御部112は、誘導情報に基づいて表示装置108を制御する。これにより、表示装置108は、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように誘導するための誘導指示を表示する。
【0035】
図6は、本実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される誘導指示の例である。虹彩画像取得装置1の前面には、撮像装置107と表示装置108が配されている。撮像装置107と表示装置108は、対象者が虹彩画像取得装置1に顔を向けた場合に撮像装置107の撮影範囲内に対象者の虹彩が含まれるとともに、表示装置108を対象者が視認できるように、近接して配置されている。これにより、対象者が表示装置108を見ている場合には、対象者の目線は、概ね撮像装置107の方向を向いているものとする。
【0036】
表示装置108は、表示制御部112の制御に応じて、「まっすぐ前を見たまま、ゆっくり上に頭を動かしてください。」というメッセージを表示している。対象者は、このメッセージを読んで正面(撮像装置107の方向)を注視しつつ、頭を上に動かす。
【0037】
ステップS103において、画像取得部113は、ステップS102における誘導に同期して撮像装置107を制御する。これにより、撮像装置107は、誘導に同期したタイミングで対象者の虹彩を含む画像を撮像する。このようにして、画像取得部113は、対象者の虹彩画像を取得する。なお、ステップS103における誘導に同期したタイミングとは、例えば、対象者が誘導に応じて頭を十分に上に動かした時点であり得る。また、対象者が誘導に応じて頭を十分に上に動かしたのち、頭を静止した時点でもよい。さらに、これらの時点から所定時間前後した時点でもよい。
【0038】
ステップS104において、特徴量生成部114は、取得された虹彩画像から特徴量を抽出する処理を行うことにより、対象者の虹彩の特徴量を生成する。この特徴量抽出の処理には、例えば、ドーグマン(Daugman)のアルゴリズムと呼ばれているものが採用可能であるが、これに限定されるものではなく他のアルゴリズムが用いられてもよい。生成された特徴量は、I/F部115によって、虹彩画像取得装置1から照合サーバ2に送信される。
【0039】
ステップS105において、照合部212は、I/F部211を介して虹彩画像取得装置1から取得された対象者の特徴量と、あらかじめ特徴量記憶部213に記憶されている登録者の特徴量とを照合し、対象者と登録者が同一人物であるか否かを判定する。ここでの照合処理は、例えば、2つの特徴量の一致度に基づく照合スコアを算出して、照合スコアが閾値以上である場合に対象者と登録者が同一人物であると判定するというものであり得る。なお、照合部212により行われる照合処理は、対象者の特徴量と、一人の登録者の特徴量とを照合する1対1照合であってもよく、対象者の特徴量と、複数の登録者の特徴量とを照合する1対N照合であってもよい。1対N照合においては、複数の登録者の中の誰と対象者が同一人物であるか、あるいは登録者の中に対象者は含まれていないかが判定される。
【0040】
ステップS106において、照合部212は、I/F部211を介して虹彩画像取得装置1に照合結果を出力する。虹彩画像取得装置1はユーザに照合結果を通知する。照合結果の通知は、例えば、表示制御部112が表示装置108を制御して照合結果を示すメッセージ等を表示するというものであり得る。また、照合結果は、照合結果に応じて通行ゲートを開閉する等の機器の制御に用いられてもよい。以上の処理により、本実施形態の虹彩照合システムは、対象者の虹彩照合を行い、その結果を通知することができる。
【0041】
上述のステップS101において、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように誘導する処理を行うことによる効果について、図7A図7B図8A及び図8Bを参照して説明する。
【0042】
図7Aは、対象者が正面を向いている場合の撮像例を示す模式図である。図7Bは、対象者が正面を向いている場合の撮像例における目EYの拡大図である。図7Bには、対象者の目EYに含まれる、虹彩IRS、瞳孔PPL、上瞼UELD、上睫毛UELS等が示されている。図7Bに示されているように、虹彩IRSの上側の広範囲が上瞼UELD又は上睫毛UELSによって覆われていて模様が判別できず、虹彩照合に利用できない状態となっている。そのため、上瞼UELD又は上睫毛UELSによって覆われている領域が広いと虹彩照合の精度が十分に得られない場合がある。
【0043】
図8Aは、対象者が正面を注視しつつ頭を上に動かした場合の撮像例を示す模式図である。図8Bは、対象者が正面を注視しつつ頭を上に動かした場合の撮像例における目EYの拡大図である。正面を注視しつつ頭を上に動かすと、上瞼UELDの位置はあまり変化せずに瞳孔PPLが下方に動く。そのため、図8Bに示されているように、上瞼UELD又は上睫毛UELSによって虹彩IRSが覆われている範囲が減少する。ここで、「頭を上に動かす」とは、図8Bに図示されているように、顔が上を向くように頭を動かすことを指すが、この動作は「首を上に動かす」、「頭を上に傾ける」、「顔を上方に向ける」、「頭を上に振る」、「頭を後屈する」、「顎を上げる」等とも表現できる。以下では、図8Bのような動作は「頭を上に動かす」と表現する。
【0044】
したがって、本実施形態によれば、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる影響をより低減させることができる情報取得装置が提供される。また、本実施形態によれば、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる照合精度の劣化が低減された虹彩照合システムが提供される。本実施形態の虹彩照合システムは、例えば、目が細い人物、あるいは眼瞼下垂により上瞼の位置が低くなっている人物のように、虹彩の一部が瞼、睫毛等に覆い隠されやすい対象者の虹彩照合の精度向上により有効である。
【0045】
なお、ステップS101の処理において、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように誘導する手法に代えて、頭を動かさずに注視する位置を動かすように誘導する手法も適用され得るが、本実施形態の頭を動かす手法の方がより効果的である。注視する位置を動かす手法において図8A及び図8Bと同様に虹彩の上側を撮像するためには、瞳孔PPLを下方に動かすように誘導する必要がある。この場合、眼球が下方に回転する動きに連動して上瞼も一緒に下方に動くため、上瞼と虹彩の位置関係の変化は少ない。そのため、上瞼UELD又は上睫毛UELSによって虹彩IRSが覆われている範囲を減少させる効果があまり得られない。したがって、本実施形態の所定の位置を注視しつつ頭を動かすように誘導する手法を採用することが望ましい。
【0046】
ステップS103における誘導と撮像とを同期させる手法の具体例としては、以下のものが挙げられる。まず、撮像装置107又は他のカメラにより対象者の動画、連続画像等を逐次取得しておき、画像解析、動画解析等により対象者が頭を上に動かしたことが確認された時点で撮像装置107により虹彩照合用の画像を撮像するというものが挙げられる。
【0047】
別の例としては、表示装置108にメッセージが表示されたあと所定時間が経過した後に撮像装置107が撮像を行うというものが挙げられる。この所定時間は、対象者がメッセージを読む時間と頭を動かす時間を考慮して設定される。
【0048】
更に別の例としては、対象者が頭を十分に上に動かした場合に、対象者又は対象者とは別のユーザが虹彩画像取得装置1の操作装置106を操作することで、手動による撮像の指示を行うというものが挙げられる。この例においては、表示装置108に「頭を上に動かしたらボタンを押してください」というような撮像操作を促すメッセージが更に追加されて表示されてもよい。
【0049】
更に別の例としては、撮像装置107が対象者の動画、連続画像等を逐次取得しておき、画像解析により対象者が十分に頭を上に動かしたことが確認された時点の画像を動画、連続画像等から抜き出して虹彩照合用の画像を取得するというものが挙げられる。
【0050】
本実施形態では主として頭を上に動かすように誘導する例を説明したが、これ以外の方向への誘導を行ってもよい。誘導方向は、例えば、斜め上、横、斜め下、下等であってもよい。特に、下側に誘導する場合は、上に動かす時とは逆に、虹彩の下側が露出しやすくなり、この部分の虹彩情報をより確実に取得できるようになる。
【0051】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例であるため、第1実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0052】
図9は、本実施形態に係る虹彩照合システムの機能ブロック図である。本実施形態の虹彩画像取得装置1は、第1実施形態の構成に加えて瞼検出部116を更に備える。プロセッサ101は、ROM103、HDD104等に記憶されたプログラムをRAM102にロードして実行することで、瞼検出部116として機能する。瞼検出部116は、より一般的に瞼検出手段と呼ばれることもある。
【0053】
図10は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。ステップS107において、画像取得部113は、撮像装置107を制御して対象者の目を含む画像を撮像する。このようにして、画像取得部113は、対象者の目を含む画像を取得する。この目を含む画像は、第1実施形態のステップS103の説明で述べた虹彩画像と同様のものであってもよく、上述の虹彩画像よりも低解像度のものであってもよい。
【0054】
ステップS108において、瞼検出部116は、ステップS107において取得された対象者の目を含む画像に基づいて、対象者の瞼の開き度合いを検出し、瞼の開き度合いが所定値以上であるか否かを判定する。瞼の開き度合いが所定値以上である場合(ステップS108におけるYES)、処理はステップS109に移行する。瞼の開き度合いが所定値よりも小さい場合(ステップS108におけるNO)、処理はステップS101に移行する。
【0055】
なお、瞼の開き度合いの検出手法の具体例としては、以下のものが挙げられる。まず、画像から対象者の目の場所を画像検出し、目の縦方向の長さ、目の縦横比、目の面積等のパラメータを瞼の開き度合いとするというものが挙げられる。別の例としては、目の中の虹彩を画像検出し、虹彩の形状、面積等のパラメータを瞼の開き度合いとするというものが挙げられる。更に別の例としては、目の中の瞳孔と上瞼を画像検出し、瞳孔と上瞼との距離等のパラメータを瞼の開き度合いとするというものが挙げられる。なお、上述の長さ、面積、距離等は、ピクセル数を基準単位とするものであり得る。あるいは、上述の長さ、面積、距離等は、虹彩の直径(横方向の幅)や目尻と目頭の間の長さによって正規化した値であってもよい。また、1枚の画像だけでなく、時系列に撮影した複数枚の画像を用いて判定してもよい。これにより、瞬きによって目が一時的に閉じた場合と、もともと目が細い場合とを区別して判定できるようになる。
【0056】
ステップS109において、画像取得部113は、撮像装置107を制御して対象者の虹彩を含む画像を撮像する。このようにして、画像取得部113は、対象者の虹彩画像を取得する。虹彩画像の取得後、処理はステップS104に移行する。ステップS101からステップS106の処理は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0057】
以上のように、本実施形態においては、瞼の開き度合いが十分でない場合にはステップS101、S102の誘導指示を行い、瞼の開き度合いが十分である場合にはステップS101、S102の誘導指示を省略して虹彩画像の撮像を行う。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、誘導指示が不要な場合にこれを省略して照合処理を高速化することができる。また、誘導指示が不要な場合には、対象者に誘導指示を行う必要がないため、虹彩画像取得装置1の利便性が向上する。
【0058】
なお、ステップS107において、虹彩照合に十分な解像度の虹彩画像が取得可能であり、かつステップS108において瞼の開き度合いが所定値以上であった場合には、ステップS109の処理を省略してもよい。この場合、ステップS104では、ステップS107において取得された虹彩画像が用いられる。
【0059】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例であるため、第1実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0060】
図11は、本実施形態に係る虹彩照合システムの機能ブロック図である。本実施形態の虹彩画像取得装置1は、第1実施形態の構成に加えて角度検出部117を更に備える。プロセッサ101は、ROM103、HDD104等に記憶されたプログラムをRAM102にロードして実行することで、角度検出部117として機能する。角度検出部117は、より一般的に角度検出手段と呼ばれることもある。
【0061】
図12は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。ステップS110において、画像取得部113は、撮像装置107を制御して対象者の顔を含む画像を撮像する。このようにして、画像取得部113は、対象者の顔を含む画像を取得する。この顔を含む画像の解像度は、第1実施形態のステップS103の説明で述べた虹彩画像と同程度のものであってもよく、上述の虹彩画像よりも低解像度のものであってもよい。
【0062】
ステップS111において、角度検出部117は、ステップS110において取得された対象者の顔を含む画像に基づいて、対象者の頭の角度を検出し、頭の角度が所定範囲内であるか否かを判定する。頭の角度が所定範囲内である場合(ステップS111におけるYES)、処理はステップS109に移行する。頭の角度が所定範囲外である場合(ステップS111におけるNO)、処理はステップS101に移行する。ここで、「頭の角度」とは、例えば対象者の顔の向いている方向の仰角を指すが、「顔向きの角度」、「水平方向に対する頭向きの角度」、「首の角度」等とも表現できる。以下では、「頭の角度」と記載する。
【0063】
なお、頭の角度の検出手法の具体例としては、対象者の顔を含む画像から顔向きを推定し、顔向きに所定値の加減算等の処理を行うことで頭の角度を検出するというものが挙げられる。また、顔の輪郭の形状、特徴点の座標等から顔向きの推定を経由せずに頭の角度を直接検出してもよい。また、顔の角度ではなく、顔向きを用いてもよい。この場合、角度同様、顔の向く方向が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0064】
また、上述の所定範囲内とは、正面よりも上方向であって、虹彩の上側の部分の撮像に適した角度の範囲内であり得る。また、上述の所定範囲内とは、これとは逆に、正面よりも下方向であって、虹彩の下側の部分の撮像に適した角度の範囲内でもあり得る。
【0065】
ステップS101、S102の処理は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。ステップS102の後、処理はステップS110に移行し、再び頭の角度の推定が行われる。
【0066】
ステップS109において、画像取得部113は、撮像装置107を制御して対象者の虹彩を含む画像を撮像する。このようにして、画像取得部113は、対象者の虹彩画像を取得する。虹彩画像の取得後、処理はステップS104に移行する。以後のステップS104からステップS106の処理は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0067】
以上のように、本実施形態においては、頭の角度が所定範囲内であることを検出してから虹彩画像の撮像を行う。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、より確実に虹彩照合に適した虹彩画像を取得することができる。
【0068】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態について説明する。本実施形態は第3実施形態の変形例であるため、第3実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0069】
図13は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。ステップS110、S111において、第3実施形態と同様に頭の角度の検出処理が行われる。頭の角度が所定範囲内である場合(ステップS111におけるYES)、処理はステップS112に移行する。頭の角度が所定範囲外である場合(ステップS111におけるNO)、処理はステップS101に移行する。頭の角度が所定範囲外である場合の処理は第3実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0070】
ステップS112において、出力部111は、対象者が頭を静止させるように指示するための静止指示情報を出力する。この静止指示情報は、例えば、頭の静止を促すメッセージ、画像等を表示装置108に表示させるための表示情報であり得る。
【0071】
ステップS113において、表示制御部112は、静止指示情報に基づいて表示装置108を制御する。これにより、表示装置108は、対象者が頭を静止させるような指示を表示する。
【0072】
図14は、本実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される静止指示の例である。表示装置108は、表示制御部112の制御に応じて、「その位置でしばらく頭を静止させてください。」というメッセージを表示している。対象者は、このメッセージを読んで頭を静止させる。ステップS113の後、処理はステップS109に移行する。
【0073】
ステップS109において、画像取得部113は、撮像装置107を制御して対象者の虹彩を含む画像を撮像する。このようにして、画像取得部113は、対象者の虹彩画像を取得する。虹彩画像の取得後、処理はステップS104に移行する。以後のステップS104からステップS106の処理は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0074】
以上のように、本実施形態においては、頭の角度が所定範囲内であることを検出すると、対象者に頭を静止させるように指示してから虹彩画像の撮像を行う。これにより、第3実施形態と同様の効果が得られることに加え、頭が静止した状態で虹彩の撮像が行われるため、画像の被写体振れが低減された高画質な虹彩画像が取得できる。
【0075】
[第5実施形態]
以下、第5実施形態について説明する。本実施形態は第4実施形態の変形例であるため、第4実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0076】
図15は、本実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される静止指示の例である。ステップS112に至る前において、表示装置108は星印のオブジェクトOB1を表示している。この時点で、星印のオブジェクトOB1の色は赤色である。対象者は、このメッセージを読んでオブジェクトOB1を見ながら頭を動かす。ステップS112において静止指示情報が出力されると、ステップS113において、表示装置108に表示されているオブジェクトOB1の色が赤色から緑色に変化する。対象者は、この色の変化を見て頭を静止させる。
【0077】
本実施形態においては、第4実施形態と同様の効果が得られることに加え、頭の角度が適正であるか否かをより直感的でわかりやすい表示により利用者に伝えることができるユーザインターフェースが実現される。なお、OB1の形状、表示状態の変化態様等は図15に示すものに限定されない。例えば、丸印、X印、チェックマーク等の記号の形状および/または色等を変化させるものであってもよい。表示装置108のスクリーン全体、スクリーンの外枠等の色を変化させるものであってもよい。メッセージの文字の色を変化させるものであってもよい。また、ステップS102において、表示装置108は、表示制御部112の制御に応じて、「星印を見ながら頭を上下に動かしてください。星印が赤色から緑色に変化したらその位置でしばらく頭を静止させてください。」というメッセージを表示してもよい。これにより、利用者はオブジェクトOB1の意味を理解しやすくなる。
【0078】
なお、第4実施形態及び第5実施形態に示されているような頭の角度が適正であるか否かを検出して、これを示す情報を出力するユーザインターフェースは、必ずしもステップS101、S102の処理と組み合わせて用いられるものに限定されない。例えば、頭を動かすように対象者を誘導する処理を省略してもよい。また、表示される情報には、所定の角度まであとどの程度傾ければよいかといった、傾ける程度を示す情報も含めてもよい。例えばある時点の頭の角度が所定の角度より少しだけ下側である場合には、「もう少しだけ頭を上に傾けてください」のように、傾ける程度を示す文章を誘導のメッセージに含めてもよい。あるいは、言語的に程度を表すのではなく、他の手段を使って程度を示すようにしてもよい。例えば、メッセージを点滅させるようにして、所定の角度から大きくずれているときは早く点滅させ、そのずれが小さくなるとゆっくり点滅するようにして、その程度を示すようにしてもよい。あるいは、メッセージの色を変えて、その程度を示してもよい。あるいは、メッセージを表示する明るさをその程度に応じて変えてもよい。なお、点滅又は色の変更を行うオブジェクトは、メッセージそのものではなく、メッセージの背景であってもよく、メッセージを囲う枠であってもよい。
【0079】
[第6実施形態]
以下、第6実施形態について説明する。本実施形態は第4実施形態の変形例であるため、第1実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0080】
図16は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。
【0081】
ステップS114において、出力部111は、対象者が注視する位置を変化させるように誘導するための誘導情報を出力する。この誘導情報は、例えば、視線を動かすことを促すメッセージ、画像等を表示装置108に表示させるための表示情報であり得る。
【0082】
ステップS115において、表示制御部112は、誘導情報に基づいて表示装置108を制御する。これにより、表示装置108は、対象者が注視する位置を変化させるように誘導する指示を表示する。
【0083】
図17は、本実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される静止指示の例である。表示装置108は、表示制御部112の制御に応じて、「頭の位置を変えずに視線を下げてください。」というメッセージを表示している。対象者は、このメッセージを読んで頭の位置はそのままにして視線を下げる。ステップS113の後、処理はステップS109に移行する。
【0084】
ステップS109において、画像取得部113は、撮像装置107を制御して対象者の虹彩を含む画像を撮像する。このようにして、画像取得部113は、対象者の虹彩画像を取得する。虹彩画像の取得後、処理はステップS104に移行する。以後のステップS104からステップS106の処理は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0085】
以上のように、本実施形態においては、頭の角度が所定範囲内であることを検出すると、対象者に頭の位置を変えずに注視する位置を変化させるように指示してから虹彩画像の撮像を行う。これにより、第4実施形態と同様の効果が得られることに加え、視線を動かした状態で虹彩の撮像が行われる。これにより、瞼等に覆われていない虹彩の領域を更に変化させた状態の虹彩画像が取得できる。例えば、図17のように視線を下げる指示を行うと、眼球が下方に回転して虹彩の上部が更に瞼等に覆われにくくなるため、虹彩の上部の撮像により有効である。
【0086】
[第7実施形態]
以下、第7実施形態について説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例であるため、第1実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0087】
図18は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。本実施形態では、ステップS101からステップS103までの処理が複数回行われるループ処理になっている。本ループ処理においては、ステップS103において虹彩画像を撮影する際に頭の角度が処理回ごとに異なるようにステップS101、S102の誘導が行われる。これにより、頭の角度が異なる複数の虹彩画像を取得することができる。複数の虹彩画像の具体例としては、頭を上げた場合の虹彩画像と頭を下げた場合の虹彩画像の少なくとも2つを取得するというものが挙げられる。あらかじめ規定されている種類又は個数の虹彩画像の取得が完了すると、このループ処理は終了し、ステップS104に移行する。以後のステップS104からステップS106の処理は第1実施形態と概ね同様であるため説明を省略する。
【0088】
図19は、本実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される誘導表示の例である。表示装置108は、表示制御部112の制御に応じて、「ゆっくり上に頭を動かしてください」という旨のメッセージを表示している。このメッセージは、ステップS101からステップS103のループの処理回ごとに変化してもよい。例えば、初回の虹彩画像の撮像時には、「ゆっくり上に頭を動かしてください」と表示し、2回目の虹彩画像の撮像時には、「ゆっくり下に頭を動かしてください」と表示することにより、対象者が頭を上下に動かすような誘導が実現される。
【0089】
頭の角度が異なる複数の虹彩画像を取得することの効果について説明する。図8Bに示されているように、対象者が頭を上げた状態で虹彩画像を撮像すると、虹彩の上側は上瞼又は上睫毛により覆われにくくなるが、その代わりに虹彩の下側が下瞼又は下睫毛により覆われやすくなる場合がある。これに対し図7Bに示されているように、対象者が頭をまっすぐにしている状態あるいは下げている状態では、虹彩の上側は上瞼又は上睫毛により覆われやすいものの、虹彩の下側については下瞼又は下睫毛により覆われにくい。したがって、頭の角度に応じて、虹彩が瞼等に覆われる範囲が変動することがある。そこで、本実施形態では、頭の角度が異なる複数の虹彩画像を取得する。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、瞼等に覆われている範囲が異なった複数の虹彩画像を取得することができる。この複数の虹彩画像を用いて虹彩照合を行うことにより、虹彩照合の精度が向上する。
【0090】
なお、「ゆっくり上に頭を動かしてください」という旨のメッセージに加え、「まっすぐ前を見たまま、画面の誘導に合わせてゆっくり頭を上下させてください。」という旨のメッセージを表示してもよい。これにより、対象者は誘導指示の意味をより理解しやすくなる。
【0091】
複数の虹彩画像を用いた照合方法の例としては、複数の虹彩画像から生成された複数の特徴量の各々に対して照合を行うというものが挙げられる。これにより得られた照合結果を統合して対象者と登録者が同一人物であるか否かを判定することができる。照合結果の統合方法は、例えば、各照合結果の論理和又は論理積を最終の判定結果とするものであってもよく、各照合で得られたスコアの合計を用いて最終の判定結果を決定するものであってもよい。
【0092】
[第8実施形態]
以下、第8実施形態について説明する。本実施形態は第7実施形態の変形例であるため、第7実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0093】
図20は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。本実施形態では、ステップS101からステップS103までのループ処理内にステップS116が追加されている。本実施形態では、誘導情報に、対象者の虹彩画像が取得できた領域を示す情報が含まれている。ステップS116において、表示制御部112は、誘導情報に基づいて表示装置108を制御する。これにより、表示装置108は、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように誘導するための誘導指示に加えて、虹彩画像が撮像できた領域を示す情報を表示する。
【0094】
図21は、本実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される誘導表示の例である。表示装置108は、表示制御部112の制御に応じて、虹彩画像が取得できた領域を示す模式図を表示している。この模式図は虹彩を模した円環状の領域を含むオブジェクトOB2を含んでおり、オブジェクトOB2は着色領域R1と非着色領域R2とを含んでいる。着色領域R1は瞼等に覆われていない虹彩画像が既に取得できている領域を示しており、非着色領域R2は瞼等に覆われていない虹彩画像が取得できていない領域を示している。
【0095】
対象者は、このオブジェクトOB2を見ながら、オブジェクトOB2の着色されている範囲が広がることを確認しつつ頭を上下に動かす。対象者は、虹彩画像が取得できている範囲を知ることができ、撮像が進捗していることを確認しつつ頭を動かすことができる。これにより、第7実施形態と同様の効果が得られることに加え、よりスムーズに複数の虹彩画像を撮像することができる。
【0096】
なお、例えば「虹彩が全部着色されるまで頭を上下に動かしてください。」という旨の誘導メッセージをオブジェクトOB2と共に表示してもよい。これにより、対象者はオブジェクトOB2が何を意味しているか理解しやすくなる。
【0097】
なお、表示装置108は、図21に示しているオブジェクトOB2に代えて、頭を動かす方向を示すメッセージ、オブジェクト等を更に表示してもよい。あるいは、表示装置108は、図21に示しているオブジェクトOB2と、頭を動かす方向を示すメッセージ、オブジェクト等の両方を表示してもよい。これらにより、対象者は、どちらの方向に頭を動かせばよいかをより明確に把握することができる。
【0098】
[第9実施形態]
以下、第9実施形態について説明する。本実施形態は第7実施形態の変形例であるため、第7実施形態と同様の要素については説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0099】
図22は、本実施形態に係る虹彩照合システムにおいて行われる照合処理の概略を示すフローチャートである。本実施形態では、ステップS104において、撮像された複数の虹彩画像の各々に対して特徴量が生成された後にステップS117が追加されている。
【0100】
ステップS117において、特徴量生成部114は、ステップS104において複数の虹彩画像の各々から抽出された特徴量を合成して虹彩照合用の特徴量を生成する処理を行う。
【0101】
図23を参照してステップS117の処理の一例を説明する。図23は、本実施形態の虹彩照合システムにおいて行われる特徴量合成処理の概略を示す模式図である。まず、対象者が正面を向いている場合の虹彩画像P1の虹彩領域R3と、対象者が正面を注視しつつ頭を上に動かした場合の虹彩画像P2の虹彩領域R4から特徴量を抽出する。虹彩領域R3と虹彩領域R4は、瞼等により覆われている範囲の違いにより異なる領域となっている。しかしながら、虹彩領域R3と虹彩領域R4は、共通領域R5を有している。虹彩画像P1と虹彩画像P2は同一人物から取得されたものであるため、共通領域R5から抽出される特徴量は、虹彩画像P1と虹彩画像P2との間で、ノイズ等による差を除くと概ね同一である。
【0102】
そこで、共通領域R5から抽出される特徴量の一部又は全部を用いて、虹彩領域R3と虹彩領域R4を位置合わせして重ね合わせる。なお、この位置合わせは、平行移動、拡大、縮小、回転等の処理を含み得る。重ね合わせにより得られる領域が図23の合成領域R6である。虹彩領域R3の特徴量と虹彩領域R4の特徴量を組み合わせることにより、合成領域R6の特徴量を生成することができる。なお、虹彩領域R3の特徴量と虹彩領域R4の特徴量の一方のみが抽出可能な領域(すなわち、共通領域R5の外側の領域)については、その一方の特徴量がそのまま合成領域R6の特徴量として採用される。共通領域R5の特徴量については、虹彩領域R3の特徴量と虹彩領域R4の特徴量のいずれか一方を合成領域R6の特徴量として採用してもよく、両者を組み合わせて合成領域R6の特徴量として採用してもよい。また、別の例としては、共通領域R5の特徴量は、虹彩領域R3の特徴量と虹彩領域R4の特徴量の平均であってもよい。また、更に別の例としては、特徴量を抽出してから合成するのではなく、画像を合成してから特徴量を抽出するようにしてもよい。すなわち、虹彩領域R3と虹彩領域R4の一方にのみ画素値がある場合には、その画素値をそのまま用い、合成領域R6では、虹彩領域R3と虹彩領域R4のいずれか一方の画素値を用いるか、両者を組み合わせて画素値を算出するようにしてもよい。そして、得られた合成画像から虹彩の特徴量を抽出するようにしてもよい。
【0103】
本実施形態によれば、第7実施形態と同様の効果が得られることに加え、2つの虹彩画像を用いることにより、虹彩の広い範囲から特徴量を生成することができる。これにより、より高精度な虹彩照合が実現される。
【0104】
なお、第9実施形態に示されているような特徴量の合成処理は、必ずしもステップS101、S102の処理と組み合わせて用いられるものに限定されない。例えば、頭を動かすように対象者を誘導する処理を省略してもよい。
【0105】
上述の実施形態において説明した装置又はシステムは以下の第10実施形態から第29実施形態のようにも構成することができる。
【0106】
[第10実施形態]
図24は、第10実施形態に係る情報取得装置3の機能ブロック図である。情報取得装置3は、出力手段301及び画像取得手段302を備える。出力手段301は、所定の位置を注視しつつ頭を動かすように対象者を誘導するための誘導情報を出力する。画像取得手段302は、誘導情報の出力後に、対象者の虹彩を含む画像を取得する。
【0107】
本実施形態によれば、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる影響をより低減させることができる情報取得装置3が提供される。
【0108】
[第11実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第10実施形態の構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の誘導情報は、対象者が頭を上に動かすように誘導するための情報を含む。
【0109】
本実施形態によれば、第10実施形態の効果が得られることに加えて、瞼等によって虹彩の上側が覆い隠されることによる影響をより低減させることができる情報取得装置3が提供される。
【0110】
[第12実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第10実施形態又は第11実施形態の構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の画像取得手段302は、対象者の頭の角度が互いに異なる複数の画像を取得する。
【0111】
本実施形態によれば、第10実施形態又は第11実施形態の効果が得られることに加えて、瞼等によって瞼等に覆われている範囲が異なった複数の虹彩画像を取得することができる情報取得装置3が提供される。
【0112】
[第13実施形態]
図25は、第13実施形態に係る情報取得装置3の機能ブロック図である。情報取得装置3は、第12実施形態の情報取得装置3に加えて、特徴量生成手段303を更に備える。特徴量生成手段303は、複数の画像の各々から特徴量を抽出することにより、虹彩照合用の複数の特徴量を生成する。
【0113】
本実施形態によれば、第12実施形態の効果が得られることに加えて、瞼等によって瞼等に覆われている範囲が異なった複数の虹彩画像に基づく複数の特徴量を取得することができる情報取得装置3が提供される。
【0114】
[第14実施形態]
図26は、第14実施形態に係る情報取得装置3の機能ブロック図である。情報取得装置3は、第12実施形態の情報取得装置3に加えて、特徴量生成手段303を更に備える。特徴量生成手段303は、複数の画像の各々から抽出された特徴量を合成することにより、虹彩照合用の特徴量を生成する。
【0115】
本実施形態によれば、第12実施形態の効果が得られることに加えて、虹彩の広い範囲から特徴量を生成することができる情報取得装置3が提供される。
【0116】
[第15実施形態]
図27は、第15実施形態に係る情報取得装置3の機能ブロック図である。情報取得装置3は、第10実施形態から第14実施形態のいずれかの情報取得装置3に加えて、瞼検出手段304を更に備える。瞼検出手段304は、対象者の瞼の開き度合いを検出する。
【0117】
本実施形態によれば、第10実施形態から第14実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、瞼の開き度合いの情報を取得することができる情報取得装置3が提供される。
【0118】
[第16実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第15実施形態の構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の出力手段301は、瞼検出手段304によって検出された瞼の開き度合いが所定値よりも小さい場合に、誘導情報を出力する。
【0119】
本実施形態によれば、第15実施形態の効果が得られることに加えて、誘導指示が不要な場合にこれを省略して照合処理を高速化することができる情報取得装置3が提供される。
【0120】
[第17実施形態]
図28は、第17実施形態に係る情報取得装置3の機能ブロック図である。情報取得装置3は、第10実施形態から第16実施形態のいずれかの情報取得装置3に加えて、角度検出手段305を更に備える。角度検出手段305は、対象者の頭の角度を検出する。
【0121】
本実施形態によれば、第10実施形態から第16実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、頭の角度の情報を取得することができる情報取得装置3が提供される。
【0122】
[第18実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第17実施形態の構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の誘導情報は、対象者の頭の角度が画像の取得に対して適正であるか否かを示す情報を含む。
【0123】
本実施形態によれば、第17実施形態の効果が得られることに加えて、頭の角度が適正であるかを示す情報を取得することができる情報取得装置3が提供される。
【0124】
[第19実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第17実施形態又は第18実施形態の構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の誘導情報は、対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正である場合に、頭を静止させるように前記対象者を誘導する情報を含む。
【0125】
本実施形態によれば、第17実施形態又は第18実施形態の効果が得られることに加えて、画像の被写体振れが低減された高画質な虹彩画像を取得できる情報取得装置3が提供される。
【0126】
[第20実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第19実施形態の構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の誘導情報は、頭を静止させた状態で視線を動かすように対象者を誘導するための情報を含む。
【0127】
本実施形態によれば、第19実施形態の効果が得られることに加えて、瞼等に覆われていない虹彩の領域を更に変化させた状態の虹彩画像が取得できる情報取得装置3が提供される。
【0128】
[第21実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第17実施形態から第20実施形態のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の出力手段301は、対象者の頭の角度が画像の取得に対して適正である場合に、表示装置の表示を変化させる。
【0129】
本実施形態によれば、第17実施形態から第20実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、頭の角度が適正であるか否かをより直感的でわかりやすい表示により利用者に伝えることができるユーザインターフェースが実現される情報取得装置3が提供される。
【0130】
[第22実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第10実施形態から第21実施形態のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の誘導情報は、対象者の虹彩のうちの撮像がなされた領域を示す情報を含む。
【0131】
本実施形態によれば、第10実施形態から第21実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、撮像が進捗していることを確認しつつ頭を動かすことができ、よりスムーズに虹彩画像を撮像することができる情報取得装置3が提供される。
【0132】
[第23実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第10実施形態から第22実施形態のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の出力手段301は、対象者に対して頭を動かすように促すメッセージ又は画像を表示装置に表示させる。
【0133】
本実施形態によれば、第10実施形態から第22実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、視覚的にわかりやすく誘導情報を伝えることができる情報取得装置3が提供される。
【0134】
[第24実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第10実施形態から第23実施形態のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の出力手段301は、対象者に対して頭を動かすように促す音声を音響装置から発出させる。
【0135】
本実施形態によれば、第10実施形態から第23実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、音声により誘導情報を伝えることにより視線の動きが低減され、より好適な虹彩画像が得られる場合がある情報取得装置3が提供される。
【0136】
[第25実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第10実施形態から第24実施形態のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の出力手段301は、前記対象者に対して頭を動かすことを促すように誘導部材を動作させる。
【0137】
本実施形態によれば、第10実施形態から第24実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、よりわかりやすく指示を伝えることができる情報取得装置3が提供される。
【0138】
[第26実施形態]
本実施形態に係る情報取得装置3は、第10実施形態から第25実施形態のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有する。本実施形態の出力手段301は、対象者が注視すべき場所を示す情報を表示装置に表示させる。
【0139】
本実施形態によれば、第10実施形態から第25実施形態のいずれかの効果が得られることに加えて、視線の動きが低減され、より好適な虹彩画像が得られる場合がある情報取得装置3が提供される。
【0140】
[第27実施形態]
図29は、第27実施形態に係る虹彩照合システム10の機能ブロック図である。虹彩照合システム10は、第10実施形態から第26実施形態のいずれかの情報取得装置3と、情報取得装置3で取得された画像に基づいて照合を行う照合装置11とを備える。
【0141】
本実施形態によれば、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる影響がより低減された虹彩照合を実現できる虹彩照合システム10が提供される。
【0142】
[第28実施形態]
図30は、第28実施形態に係る情報取得装置4の機能ブロック図である。情報取得装置4は、画像取得手段401及び出力手段402を備える。画像取得手段401は、対象者の虹彩を含む画像を取得する。出力手段402は、対象者の頭の角度が画像の取得に対して適正であるか否かを示す情報を出力する。
【0143】
本実施形態によれば、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる影響をより低減させることができる情報取得装置4が提供される。
【0144】
[第29実施形態]
図31は、第29実施形態に係る情報取得装置5の機能ブロック図である。情報取得装置5は、画像取得手段501及び特徴量生成手段502を備える。画像取得手段501は、対象者の虹彩を各々が含む複数の画像を取得する。特徴量生成手段502は、複数の画像の各々から抽出された特徴量を合成することにより、虹彩照合用の特徴量を生成する。
【0145】
本実施形態によれば、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる影響をより低減させることができる情報取得装置5が提供される。
【0146】
[変形実施形態]
本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本開示の実施形態である。また、本開示では、照合の際の虹彩情報の取得について述べたが、登録用の虹彩情報の取得において、本開示の誘導を用いてもよい。
【0147】
上述の各実施形態における誘導指示、静止指示等の表示例はあくまでも一例であり、例示したものに限定されるものではない。また、誘導指示、静止指示等の提示方法は、表示装置108への表示に限定されるものではない。
【0148】
例えば、図6において、メッセージを表示装置108に表示する例が示されているが、メッセージの音声をスピーカ等の音響装置から発することで誘導指示、静止指示等を行ってもよい。この手法では、対象者がメッセージを読む必要がないため、メッセージを読むこと等により生じ得る視線の動きが低減され、より好適な虹彩画像が得られる場合がある。
【0149】
また、メッセージの音声を発出する音響装置と、表示装置108による表示とを組み合わせても良い。図32は、変形実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される誘導指示の例である。図32に示されている虹彩画像取得装置1は、音を発する音響装置109を更に備えている。また、表示装置108には、対象者の視線を固定するためのオブジェクトOB3が表示されている。この状態で、音響装置109から、「画面の星印を見たまま、ゆっくり頭を上に動かしてください。」等のメッセージを発することにより、対象者の視線をオブジェクトOB3に固定させつつ、頭を動かす指示を対象者に伝えることができる。この手法では、より好適な虹彩画像が得られる場合がある。
【0150】
また、誘導指示、静止指示等を表示装置108に提示する場合において、この指示は文字ではなく、図形、記号、イラスト等により提示されてもよい。図33は、変形実施形態に係る照合処理の際に表示装置108に表示される誘導指示の例である。表示装置108には、対象者を模したオブジェクトOB4と、虹彩画像取得装置1を模したオブジェクトOB5がイラストにより示されている。オブジェクトOB4は、対象者が虹彩画像取得装置1を注視しつつ頭を動かす動作を行う様子を示している。この表示は静止画であってもよく、動画であってもよい。本手法では、対象者への指示を視覚的によりわかりやすく伝えることができる。また、図形、記号、イラスト等は、メッセージとは異なり、言語に依存しない利点がある。そのため、様々な言語の話者が利用する可能性がある入国審査等の場面での虹彩照合においてより有効である。
【0151】
図33の例では、対象者を模したオブジェクトOB4は表示装置108に表示される画像であるが、オブジェクトOB4は画像ではなく物理的な誘導部材であってもよい。オブジェクトOB4と同様に対象者を模した人形等の誘導部材を撮像装置107の近くに配置しておき、オブジェクトOB4の場合と同様に誘導部材に頭を動かす動作を行わせることにより、対象者に指示を伝えてもよい。本手法では、対象者への指示を画像よりも更にわかりやすく伝えることができる。
【0152】
上述の実施形態では、頭を動かすことで瞼、睫毛等により虹彩が覆い隠されることの影響を低減しているが、これ以外の要素が虹彩を覆い隠すことによる影響が低減される場合もある。例えば、眼鏡のフレームによって、虹彩が覆い隠される場合、眼鏡のレンズでの反射像によって虹彩が覆い隠される場合がある。このような場合にも、頭を動かして角度を変えることで、虹彩が覆い隠される影響が低減される場合もある。第3実施形態の角度検出に代えて、対象者が眼鏡をかけているか否かを検出する処理を行い、眼鏡をかけている場合に頭を動かす誘導指示を行ってもよい。
【0153】
上述の実施形態においては、対象者に首を動かすように指示する例を説明しているが、これに代えて虹彩画像取得装置1側を動かすように実施形態を変形してもよい。図34は、変形実施形態に係る虹彩画像取得装置1の構成を示す模式図である。虹彩画像取得装置1は、可動部材9により支持されている。可動部材9は、虹彩画像取得装置1からの制御に応じて伸縮することにより、虹彩画像取得装置1の高さを変化させる。これにより、虹彩画像取得装置1は上下方向に移動可能である。
【0154】
本変形実施形態では、ステップS101、S102の所定の位置を注視しつつ頭を動かすように誘導する指示に代えて、虹彩画像取得装置1の動きに追従して対象者に視線を動かすように指示するとともに、可動部材9を伸縮させる。より具体的には、対象者に虹彩画像取得装置1の撮像装置107を注視させた状態で、虹彩画像取得装置1を下方に移動させる。対象者が撮像装置107の移動を目で追うことにより、図34の視線L1が視線L2に移動する。その後、撮像装置107は、下方から虹彩画像を撮像する。この際、移動によって撮像装置107が撮影可能な範囲から虹彩領域がはみ出してしまう場合には、虹彩領域の方向を向くように撮像装置107の向きを調節するようにしてもよい。
【0155】
本変形実施形態においては、撮像装置107の移動に伴って視線を下方に移動させることにより、対象者の眼球が下方に回転する。この場合、虹彩が下方に移動し、虹彩の上側の上瞼等により覆われている領域が減少することがある。そのため、本変形実施形態においても、瞼等によって虹彩が覆い隠されることによる影響を低減させることができる情報取得装置が提供され得る。
【0156】
なお、可動部材9により虹彩画像取得装置1を移動させる構成を虹彩画像撮像用の撮像装置107の位置を変化させる構成に置き換えてもよい。この変形例においては、縦方向に並ぶ複数の撮像装置107が配された虹彩画像取得装置1が用いられ得る。虹彩画像取得装置1を下方に移動させることに代えて、撮像を行う撮像装置107を上方にある撮像装置107から下方にある撮像装置107に切り替えることで、同様の処理が実現可能である。この構成では、可動部材9が不要になるため、装置機構が単純化される利点がある。
【0157】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1又は2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路であってもよい。
【0158】
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0159】
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
【0160】
なお、上述の実施形態は、いずれも本開示を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0161】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0162】
(付記1)
所定の位置を注視しつつ頭を動かすように対象者を誘導するための誘導情報を出力する出力手段と、
前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得する画像取得手段と、
を備える情報取得装置。
【0163】
(付記2)
前記誘導情報は、前記対象者が頭を上に動かすように誘導するための情報を含む、
付記1に記載の情報取得装置。
【0164】
(付記3)
前記画像取得手段は、前記対象者の頭の角度が互いに異なる複数の前記画像を取得する、
付記1又は2に記載の情報取得装置。
【0165】
(付記4)
前記複数の画像の各々から特徴量を抽出することにより、虹彩照合用の複数の特徴量を生成する特徴量生成手段を更に備える、
付記3に記載の情報取得装置。
【0166】
(付記5)
前記複数の画像の各々から抽出された特徴量を合成することにより、虹彩照合用の特徴量を生成する特徴量生成手段を更に備える、
付記3に記載の情報取得装置。
【0167】
(付記6)
前記対象者の瞼の開き度合いを検出する瞼検出手段を更に備える、
付記1乃至5のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0168】
(付記7)
前記出力手段は、前記瞼検出手段によって検出された瞼の開き度合いが所定値よりも小さい場合に、前記誘導情報を出力する、
付記6に記載の情報取得装置。
【0169】
(付記8)
前記対象者の頭の角度を検出する角度検出手段を更に備える、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0170】
(付記9)
前記誘導情報は、前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正であるか否かを示す情報を含む、
付記8に記載の情報取得装置。
【0171】
(付記10)
前記誘導情報は、前記対象者の首の角度が前記画像の取得に対して適正である場合に、頭を静止させるように前記対象者を誘導する情報を含む、
付記8又は9に記載の情報取得装置。
【0172】
(付記11)
前記誘導情報は、頭を静止させた状態で視線を動かすように前記対象者を誘導するための情報を含む、
付記10に記載の情報取得装置。
【0173】
(付記12)
前記出力手段は、前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正である場合に、表示装置の表示を変化させる、
付記8乃至11のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0174】
(付記13)
前記誘導情報は、前記対象者の虹彩のうちの撮像がなされた領域を示す情報を含む、
付記1乃至12のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0175】
(付記14)
前記出力手段は、前記対象者に対して頭を動かすように促すメッセージ又は画像を表示装置に表示させる、
付記1乃至13のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0176】
(付記15)
前記出力手段は、前記対象者に対して頭を動かすように促す音声を音響装置から発出させる、
付記1乃至14のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0177】
(付記16)
前記出力手段は、前記対象者に対して頭を動かすことを促すように誘導部材を動作させる、
付記1乃至15のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0178】
(付記17)
前記出力手段は、前記対象者が注視すべき場所を示す情報を表示装置に表示させる、
付記1乃至16のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【0179】
(付記18)
対象者の虹彩を含む画像を取得する画像取得手段と、
前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正であるか否かを示す情報を出力する出力手段と、
を備える情報取得装置。
【0180】
(付記19)
対象者の虹彩を各々が含む複数の画像を取得する画像取得手段と、
前記複数の画像の各々から抽出された特徴量を合成することにより、虹彩照合用の特徴量を生成する特徴量生成手段と、
を備える情報取得装置。
【0181】
(付記20)
付記1乃至19のいずれか1項に記載の情報取得装置と、
前記画像に基づいて照合を行う照合装置と、
を備える虹彩照合システム。
【0182】
(付記21)
所定の位置を注視しつつ頭を動かすように対象者を誘導するための誘導情報を出力するステップと、
前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得するステップと、
を備える情報取得方法。
【0183】
(付記22)
対象者の虹彩を含む画像を取得するステップと、
前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正であるか否かを示す情報を出力するステップと、
を備える情報取得方法。
【0184】
(付記23)
対象者の虹彩を各々が含む複数の画像を取得するステップと、
前記複数の画像の各々から抽出された特徴量を合成することにより、虹彩照合用の特徴量を生成するステップと、
を備える情報取得方法。
【0185】
(付記24)
コンピュータに、
所定の位置を注視しつつ頭を動かすように対象者を誘導するための誘導情報を出力するステップと、
前記誘導情報の出力後に、前記対象者の虹彩を含む画像を取得するステップと、
を備える情報取得方法を実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【0186】
(付記25)
コンピュータに、
対象者の虹彩を含む画像を取得するステップと、
前記対象者の頭の角度が前記画像の取得に対して適正であるか否かを示す情報を出力するステップと、
を備える情報取得方法を実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【0187】
(付記26)
コンピュータに、
対象者の虹彩を各々が含む複数の画像を取得するステップと、
前記複数の画像の各々から抽出された特徴量を合成することにより、虹彩照合用の特徴量を生成するステップと、
を備える情報取得方法を実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【符号の説明】
【0188】
1 虹彩画像取得装置
2 照合サーバ
3、4、5 情報取得装置
9 可動部材
10 虹彩照合システム
11 照合装置
101、201 プロセッサ
102、202 RAM
103、203 ROM
104、204 HDD
105、205 通信I/F
106 操作装置
107 撮像装置
108 表示装置
109 音響装置
111 出力部
112 表示制御部
113 画像取得部
114 特徴量生成部
115、211 I/F部
116 瞼検出部
117 角度検出部
206 入力装置
207 出力装置
212 照合部
213 特徴量記憶部
301、402 出力手段
302、401、501 画像取得手段
303、502 特徴量生成手段
304 瞼検出手段
305 角度検出手段
EY 目
IRS 虹彩
L1、L2 視線
NW ネットワーク
OB1、OB2、OB3、OB4、OB5 オブジェクト
PPL 瞳孔
P1、P2 虹彩画像
R1 着色領域
R2 非着色領域
R3、R4 虹彩領域
R5 共通領域
R6 合成領域
UELD 上瞼
UELS 上睫毛
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34