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  • 特許-飲料用青汁粉末 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】飲料用青汁粉末
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20231207BHJP
【FI】
A23L33/105
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017178330
(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公開番号】P2019041746
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-30
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】599003970
【氏名又は名称】櫻井 光一
(73)【特許権者】
【識別番号】500010222
【氏名又は名称】櫻井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 光一
【合議体】
【審判長】加藤 友也
【審判官】中村 和正
【審判官】磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-93410(JP,A)
【文献】特開2017-12122(JP,A)
【文献】特表2007-518419(JP,A)
【文献】特開平10-310531(JP,A)
【文献】特開2000-290191(JP,A)
【文献】特開2014-233277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
青汁粉末に朝鮮人参粉末とシルクパウダーを添加する飲料用青汁粉末であって、前記飲料用青汁粉末は青汁粉末70%、朝鮮人参粉末15%、シルクパウダー15%の配合比率であることを特徴とする飲料用青汁粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康飲料である青汁粉末に、朝鮮人参粉末とシルクパウダーとを添加した飲料用青汁粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、青汁と呼ばれる緑葉野菜の搾り汁は、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類を多く含み、健康食品として注目を浴びている。
【0003】
上記の青汁に関連する先行技術として、栄養価が高いケール青汁を元にして青臭さや飲み難さを改善するために、ケール青汁に豆乳を加えたケール食品がある(例えば特許文献1参照)。
上掲特許文献1には、ケール青汁の栄養素を生かし、該ケール青汁特有の青臭さを改善させるために適宜混合比率で大豆加工品を添加することで、青臭さを出す成分が大豆に含まれるカルシウムの働きで青臭さを軽減し、食感を改善し、大豆加工品の栄養価がケール青汁の栄養価に相乗効果をもたらし、更に凝固剤を添加することで青汁にとろみを加えてなるケール青汁の大豆加工品添加食品の製造方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-215607号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上掲特許文献1のケール青汁の大豆加工品添加食品の製造方法は、大豆加工品を添加することで、青臭さを出す成分が大豆に含まれるカルシウムの働きで青臭さを軽減し、食感を改善し、大豆加工品の栄養価がケール青汁の栄養価に相乗効果をもたらすということが開示されているが、抗酸化機能や保湿機能を高め、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制するまでには至らなかった。
【0006】
そこで本発明は上記の点に鑑み、健康飲料である青汁粉末にさまざまな粉末体を添加することにより、風味を高め、抗酸化機能や保湿機能を向上させるとともに、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができる飲料用青汁粉末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の飲料用青汁粉末は、青汁粉末に朝鮮人参粉末とシルクパウダーを添加する飲料用青汁粉末であって、前記飲料用青汁粉末は青汁粉末70%、朝鮮人参粉末15%、シルクパウダー15%の配合比率である。
【発明の効果】
【0011】
青汁粉末に朝鮮人参粉末及びシルクパウダーを添加したことにより、青汁特有の抗高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止等の効果を発揮するとともに、朝鮮人参の含有成分であるサポニンにより動脈硬化、滋養強壮、骨粗しょう症、生活習慣病の予防効果も付与できる。さらに、シルクパウダーの活性酸素の作用を抑える抗酸化機能、紫外線から皮膚を守る皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、また胃腸障害などを抑制する特性を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の飲料用青汁粉末である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の飲料用青汁粉末は、健康飲料である青汁粉末に、朝鮮人参粉末とシルクパウダーを添加したことを特徴とする。
以下、本発明における飲料用青汁粉末の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1に示す飲料用青汁粉末1は、緑葉野菜2を粉末化した青汁粉末に、朝鮮人参4を粉末化した朝鮮人参粉末と、繭3を粉末化したシルクパウダーとを添加したことを特徴とするものである。
【0015】
緑葉野菜2は、ケール、大麦若葉、明日葉、キャベツ、ほうれん草、アスパラガス、ニガウリ、シソ、春菊、ハコベ、ヨモギのいずれか1種または2種以上からなり、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などを多く含み、健康飲料として注目を浴びている。前記緑葉野菜2の葉及び茎を、粉砕機でパウダー状に粉砕して青汁粉末を形成する。
【0016】
ケールには食物繊維やビタミンCが多く含まれており、胃炎や胃潰瘍の予防、肝機能や便秘に有効であることが知られている。またケールの種類としては、キッチンケール、ツリーケール、ブッシュケール、マローケール、コラードおよび緑葉カンラン等が用いられる。それらのケールの葉、及び茎は、粉砕機でパウダー状に粉砕して使用される。
【0017】
大麦若葉は、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維に富み、抗高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドディスムターゼの活性化などの効果を有している。
【0018】
また前記ケールや大麦若葉の他、明日葉、キャベツ、ほうれん草、アスパラガス、ニガウリ、シソ、春菊、ハコベ、ヨモギ等の素材も好適に使用される。
【0019】
朝鮮人参粉末は朝鮮人参4を粉砕機でパウダー状に粉砕して形成される。朝鮮人参4は高麗人参とも呼ばれ、含有成分はサポニン配糖体の一種であるジンセノイドである。また朝鮮人参4は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ペプチドグルカン等も含有している。
【0020】
そのため前記朝鮮人参4は、糖尿病、動脈硬化、生活習慣病、骨粗しょう症等の改善効果を発揮する。また血行促進、滋養強壮、疲労回復効果もあり、美容や健康促進効果にも優れる。
【0021】
シルクパウダーの素材である繭3は、家蚕や野蚕等からなる繭が使用される。特に野蚕としてはクリキュラ繭、ヨナクニサン繭、タサールサン繭、エリサン繭、ムガサン繭等が好適に使用される。
【0022】
前記繭3はアルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチンの18種類の蛋白質アミノ酸で構成されている。
【0023】
前記蛋白成分アミノ酸18種類は、過ギ酸参加処理後、塩酸加水分解し測定した結果、アルギニン(598mg/100g)、リジン(368mg/100g)、ヒスチジン(160mg/100g)、フェニルアラニン(588mg/100g)、チロシン(1430mg/100g)、ロイシン(675mg/100g)、イソロイシン(607mg/100g)、メチオニン(110mg/100g)、バリン(2470mg/100g)、アラニン(26800mg/100g)、グリシン(34500mg/100g)、プロリン(450mg/100g)、グルタミン酸(1920mg/100g)、セリン(13200mg/100g)、スレオニン(1220mg/100g)、アスパラギン酸(2530mg/100g)、トリプトファン(検出せず)、シスチン(94mg/100g)であった。
株式会社日本食品機能分析研究所:アミノ酸自動分析法
【0024】
前記繭3は、活性酸素の作用を抑える抗酸化機能、紫外線から皮膚を守る皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、また胃腸障害などを抑制することが公知とされている。そのため化粧品をはじめ、和紙、インテリア、高級繊維、日常品等に幅広く使用されている。
【0025】
前記繭3から糸を引き出し、その糸を粉砕機等を用いてミクロン単位の径の粉状に粉砕することにより、シルクパウダーが形成される。前記シルクパウダーを青汁粉末に添加することにより、前述の効果を発揮するとともに、飲んだ際の喉越しが良くなり風味がまろやかになる。
【0026】
また、本発明の飲料用青汁粉末における青汁粉末、朝鮮人参粉末、シルクパウダーの配合比率は特に限定されるものではないが、青汁粉末70~90%、朝鮮人参粉末5~30%、シルクパウダー5~30%の配合比率であることが好ましい。
【0027】
青汁粉末に朝鮮人参粉末及びシルクパウダーを添加したことにより、青汁特有の抗高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止等の効果を発揮するとともに、朝鮮人参の含有成分であるサポニンにより動脈硬化、滋養強壮、骨粗しょう症、生活習慣病の予防効果も付与できる。さらに、シルクパウダーの活性酸素の作用を抑える抗酸化機能、紫外線から皮膚を守る皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、また胃腸障害などを抑制する特性を付与できる。
【符号の説明】
【0028】
1 飲料用青汁粉末
2 緑葉野菜
3 繭
4 朝鮮人参
図1