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特許7398169保険営業管理システム,保険営業管理方法,プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】保険営業管理システム,保険営業管理方法,プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20231207BHJP
【FI】
G06Q40/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023119517
(22)【出願日】2023-07-22
【審査請求日】2023-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523226804
【氏名又は名称】株式会社札幌メンテナンス
(74)【代理人】
【識別番号】100168088
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 悠
(72)【発明者】
【氏名】武田 智靖
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-072974(JP,A)
【文献】特開2022-179463(JP,A)
【文献】特開2012-058904(JP,A)
【文献】特開2004-220454(JP,A)
【文献】特開2021-185526(JP,A)
【文献】特開2022-070045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険代理店が管理する保険管理サーバと、前記保険管理サーバと通信可能な代理店端末を備え、
前記保険管理サーバは、前記代理店端末から作成された顧客カードに基づき、
前記保険代理店の顧客の顧客名と管理IDを関連付けて記憶する顧客管理テーブルと、前記管理IDと前記顧客の顧客情報を関連付けて記憶する顧客情報テーブルと、前記管理IDと前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する顧客重要情報を関連付けて記憶する顧客重要情報テーブルを記憶し、
前記保険管理サーバは、前記代理店端末から検索された顧客を前記顧客情報テーブルに基づき特定し、前記顧客重要情報テーブルを参照して、前記代理店端末に当該顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する一覧を表示する
ことを特徴とする保険営業管理システム。
【請求項2】
前記契約動機の一覧である契約動機一覧シートには、契約動機についての顧客とのやりとりに関する応対日と応対内容が、時系列で記載されることを特徴とする請求項1に記載の保険営業管理システム。
【請求項3】
前記事故記録の一覧である事故記録一覧シートには、事故記録についての事故関係者とのやりとりに関する応対日と応対内容が、時系列で記載されることを特徴とする請求項1に記載の保険営業管理システム。
【請求項4】
前記契約動機の一覧である契約動機一覧シートおよび前記事故記録の一覧である事故記録一覧シートには、必要書類を前記保険営業管理システムにアップロードし、前記代理店端末にダウンロードすることが可能なボタンを備えることを特徴とする請求項1に記載の保険営業管理システム。
【請求項5】
前記契約動機一覧シートには、保険契約に必要な書類を前記保険営業管理システムに記録したか否かをチェックする保険契約書類チェックボックスを備えることを特徴とする請求項2に記載の保険営業管理システム。
【請求項6】
前記事故記録一覧シートには、保険請求に必要な書類を前記保険営業管理システムに記録したか否かをチェックする保険請求書類チェックボックスを備えることを特徴とする請求項3に記載の保険営業管理システム。
【請求項7】
前記契約動機一覧シートには、前記顧客カードの重要事項を前記保険営業管理システムに記録したか否かと、当該契約動機一覧シートをシステムに記録したか否かをチェックするシステム入力チェックボックスを備えることを特徴とする請求項2に記載の保険営業管理システム。
【請求項8】
前記事故記録一覧シートの前記保険請求書類チェックボックスは、保険請求に必要な書類の取付け日および送付日を前記保険営業管理システムに記録する欄を備えることを特徴とする請求項6に記載の保険営業管理システム。
【請求項9】
代理店端末から作成された顧客カードに基づき、保険代理店の顧客の顧客名と管理IDを関連付けて記憶する顧客管理テーブルと、前記管理IDと前記顧客の顧客情報を関連付けて記憶する顧客情報テーブルと、前記管理IDと前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する顧客重要情報を関連付けて記憶する顧客重要情報テーブルを記憶する保険管理サーバと情報通信を行って、
前記代理店端末から検索された顧客を前記顧客情報テーブルに基づき特定するステップと、
前記顧客の顧客重要情報テーブルを参照して、前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する一覧を、前記代理店端末に表示するステップと、
を有することを特徴とする保険営業管理方法。
【請求項10】
代理店端末から作成された顧客カードに基づき、保険代理店の顧客の顧客名と管理IDを関連付けて記憶する顧客管理テーブルと、前記管理IDと前記顧客の顧客情報を関連付けて記憶する顧客情報テーブルと、前記管理IDと前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する顧客重要情報を関連付けて記憶する顧客重要情報テーブルを記憶する保険管理サーバが実行するプログラムであって、
前記代理店端末から検索された顧客を前記顧客情報テーブルに基づき特定するステップと、
前記顧客の顧客重要情報テーブルを参照して、前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する一覧を、前記代理店端末に表示するステップと、
を実行させることを特徴とする保険営業管理プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の保険営業管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険代理店が用いるのに好適な保険営業管理システム,保険営業管理方法,そのプログラムと記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、保険商品の種類は多種多様にあるため、保険契約者は、保険の加入を検討する際、保険代理店にアドバイスをもらって、自分の生活・事業に合った保険を検討することが多い。保険代理店は、その時その顧客にとって最善と考える保険商品を提案し、保険契約後も、必要な保険に適切に加入できているかどうかを、定期的に検討・提案することを心掛けている。
【0003】
例えば、特許文献1では、契約終期や継続更改に関する注意喚起、中間配当金や満期返戻金の払い戻しの到来時期の通知、被保険者のライフイベントのタイミングで通知を行う保険情報管理装置を提案しており、顧客の利便性を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-185526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の通り、保険代理店は、その時その顧客にとって最善と考える保険商品を提案し、顧客も内容を理解して保険に加入するが、時間が経過するにつれて、顧客はその時自分がどう考えてその保険を選んだのか、契約動機を忘れることが少なからずある。顧客の以前の契約動機は、その後、顧客の保険を見直すときにも、顧客が別の保険を検討することになったときにも、保険商品を選ぶ際の参考となり、保険代理店としては適切に管理すべき事項であると考える。また、契約動機だけでなく、保険代理店が顧客に応対したなかで重要な内容は、適切に管理することが顧客の利便性を高めると考える。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、保険代理店が用いるのに好適な保険営業管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の保険営業管理システムは、保険代理店が管理する保険管理サーバと、前記保険管理サーバと通信可能な代理店端末を備え、前記保険管理サーバは、前記代理店端末から作成された顧客カードに基づき、前記保険代理店の顧客の顧客名と管理IDを関連付けて記憶する顧客管理テーブルと、前記管理IDと前記顧客の顧客情報を関連付けて記憶する顧客情報テーブルと、前記管理IDと前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する顧客重要情報を関連付けて記憶する顧客重要情報テーブルを記憶し、前記保険管理サーバは、前記代理店端末から検索された顧客を前記顧客情報テーブルに基づき特定し、前記顧客重要情報テーブルを参照して、前記代理店端末に当該顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する一覧を表示することを特徴とする。
【0008】
第2の態様の保険営業管理システムでは、第1の態様において、前記契約動機の一覧である契約動機一覧シートには、契約動機についての顧客とのやりとりに関する応対日と応対内容が、時系列で記載されるのも好ましい。
【0009】
第3の態様の保険営業管理システムでは、第1の態様において、前記事故記録の一覧である事故記録一覧シートには、事故記録についての事故関係者とのやりとりに関する応対日と応対内容が、時系列で記載されるのも好ましい。
【0010】
第4の態様の保険営業管理システムでは、第1~3のいずれかの態様において、前記契約動機の一覧である契約動機一覧シートおよび前記事故記録の一覧である事故記録一覧シートには、必要書類を前記保険営業管理システムにアップロードし、前記代理店用端末にダウンロードすることが可能なボタンを備えるのも好ましい。
【0011】
第5の態様の保険営業管理システムでは、第2の態様において、前記契約動機一覧シートには、保険契約に必要な書類を前記保険営業管理システムに記録したか否かをチェックする保険契約書類チェックボックスを備えるのも好ましい。
【0012】
第6の態様の保険営業管理システムでは、第3の態様において、前記事故記録一覧シートには、保険請求に必要な書類を前記保険営業管理システムに記録したか否かをチェックする保険請求書類チェックボックスを備えるのも好ましい。
【0013】
第7の態様の保険営業管理システムでは、第2または第5の態様において、前記契約動機一覧シートには、前記顧客カードの重要事項を前記保険営業管理システムに記録したか否かと、当該契約動機一覧シートをシステムに記録したか否かをチェックするシステム入力チェックボックスを備えるのも好ましい。
【0014】
第8の態様の保険営業管理システムでは、第6の態様において、前記事故記録一覧シートの前記保険請求書類チェックボックスは、保険請求に必要な書類の取付け日および送付日を前記保険営業管理システムに記録する欄を備えるのも好ましい。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第9の態様に係る保険営業管理方法は、代理店端末から作成された顧客カードに基づき、前記保険代理店の顧客の顧客名と管理IDを関連付けて記憶する顧客管理テーブルと、前記管理IDと前記顧客の顧客情報を関連付けて記憶する顧客情報テーブルと、前記管理IDと前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する顧客重要情報を関連付けて記憶する顧客重要情報テーブルを記憶する保険管理サーバと情報通信を行って、前記代理店端末から検索された顧客を前記顧客情報テーブルに基づき特定するステップと、前記顧客の顧客重要情報テーブルを参照して、前記顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する一覧を、前記代理店端末に表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の第10の態様に係る保険営業管理プログラムは、第9の態様に係る保険営業管理方法をコンピュータプログラムで記載し、実行可能にする。
【0017】
本発明の第11の態様に係る記録媒体は、第10の態様に係るコンピュータプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、契約動機など、保険代理店が顧客に応対した内容を管理することのできる保険営業管理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る保険営業管理システム1の構成ブロック図である。
図2】保険管理サーバ11の構成ブロック図である。
図3】(A)はログイン後のトップページ121の表示例、(B)は第1の実施形態に係る顧客カード122の例である。
図4】(A)は顧客管理テーブル31の一例、(B)は顧客情報テーブル32の一例である。
図5】(A)は家族情報テーブル33の一例、(B)は口座情報テーブル34の一例、(C)は送付先情報テーブル35の一例、(D)は契約情報テーブル37の一例である。
図6】契約動機一覧シート127の表示例である。
図7】契約動機テーブル51の一例である。
図8】保険契約書類自動表示テーブル52の一例である。
図9】検索ページ124の表示例である。
図10】(A)は保険営業管理システム1を利用するための準備フローチャート、(B)は保険営業管理システム1を利用するフローチャートである。
図11】本発明の第2の実施形態に係る保険営業管理システム10の構成ブロック図である。
図12】第2の実施形態に係る顧客カード122の例である。
図13】事故記録一覧シート130の表示例である。
図14】事故記録テーブル61の一例である。
図15】(A)は保険営業管理システム10を利用するための準備フローチャート、(B)は保険営業管理システム10を利用するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書では、「企業」「法人」「会社」の用語を使用するが、いずれも商慣習に合わせた表現で記載するものとし、全て同義として扱う。例えば「会社」の表現が会社法に基づいて設立された法人に限定されるものではなく、「企業」の表現が営利を目的とする組織、団体に限定されないものとする。また、大学、病院、自治体、組合など、「企業」「法人」「会社」の表現で表されない組織、団体であっても、その組織の構造に置き換えて、本発明は適用可能なものとする。
【0021】
(第一の実施形態)
(保険営業管理システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る保険営業管理システム1の構成ブロック図である。保険営業管理システム1は、保険代理店Aが所有・管理する保険管理サーバ11と代理店端末12(複数可)とが通信ネットワーク3を介して接続されており、互いにデータの送受信を行うことが可能である。保険代理店Aの代理店端末12は、汎用パーソナルコンピュータ(PC),スマートフォン,またはタブレットなどであり、少なくとも演算部、記憶部、通信部、操作部(図示略)と表示部13を備え、プリンタ(図示略)への出力が可能なデバイスである。各代理店端末12には、後述する専用のWebアプリケーションがインストールされている。
【0022】
図2は、保険管理サーバ11の構成ブロック図である。保険管理サーバ11は、少なくとも、サーバ通信部111と、サーバ制御部112と、サーバ記憶部113を有する。サーバ通信部111は、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェースカード、LANカード等の通信制御装置であり、インターネット,携帯電話通信網等の通信ネットワーク3と有線または無線で接続する。サーバ制御部112は、1または複数のCPU(Central・Processing・Unit)、マルチコアCPUまたはGPU(Graphics・Processing・Unit)等のプロセッサ、およびRAM,ROM等のメモリにより構成される制御演算ユニットであり、サーバ通信部111の通信制御、サーバ記憶部113への情報の記憶、およびサーバ記憶部113からの情報の読み出し、およびWebアプリケーションを制御する。これらの制御の詳細は後述する。サーバ記憶部113は、メモリカード、HDD(Hard・Disk・Drive)等のコンピュータ読取可能な記憶媒体で構成され、顧客カードデータベース30と、顧客カードデータベース30と紐づく契約動機データベース50を備えている(以下、それぞれ、「顧客カードDB30」、「契約動機DB50」と称する)。これらDB30,50のデータは、Webアプリケーションを介して入力された情報に基づき、サーバ制御部112によって更新される。
【0023】
顧客カードDB30は、顧客管理テーブル31、顧客情報テーブル32、家族情報テーブル33、口座情報テーブル34、送付先情報テーブル35、契約情報テーブル37を備えている。契約動機DB50は、契約動機テーブル51、任意で保険契約書類自動表示テーブル52を備えている。顧客の契約動機に関する情報は、保険代理店が適切に管理すべき顧客重要情報の一つであり、契約動機テーブル51が、請求項に言う顧客重要情報テーブルの一つである。これらのテーブルの詳細は後述する。
【0024】
(顧客カードの作成)
代理店端末12において、作業員がWebアプリケーションを起動すると、保険管理サーバ11と通信が開始され、代理店端末12の表示部13には専用のWebページが表示される。図3(A)は、ログイン後のWebページ(トップページ121)の表示例である。トップページ121は、少なくとも、新規お客様登録ボタン121Aと、お客様検索ボタン121Bを備えている。
【0025】
新規お客様登録ボタン121Aを押すと、新規の顧客カード122が表示され、顧客カード122に顧客情報を入力できる。図3(B)は、顧客カード122の例である。顧客カード122では、区分ボックス122Aで個人/法人の入力フォームが選択できる。個人フォームが選択された場合は、個人情報入力ボックス122Bと勤務先情報入力ボックス122Cが表示され、法人が選択された場合は、代表者情報入力ボックスと法人情報入力ボックス(図示略)が表示される。個人情報入力ボックスと代表者情報入力ボックスには、氏名、フリガナ、性別、年齢、生年月日、役職、自宅電話番号、携帯番号、メールアドレスの入力ボックスがある。勤務先情報入力ボックスと法人情報入力ボックスには、会社名、フリガナ、支店、所属部署、法人代表者、代表電話番号、直通電話番号、担当者の入力ボックスがある。その他、顧客カード122は、事業内容入力ボックス、主取引先入力ボックス、決算情報入力ボックス、紹介者入力ボックス122I、特記事項入力ボックス、作成日入力ボックス、最終更新者入力ボックスを備えており、作業員はこれらのボックスにテキスト入力が可能である。
【0026】
作業員が追加ボタン122Z(図3(B)参照)を押して顧客カード122を作成すると、サーバ制御部112は、顧客管理テーブル31に新規の情報を記憶する。図4(A)は、顧客管理テーブル31の一例である。顧客管理テーブル31には、管理ID、顧客名、参照IDが、関連付けて記憶されている。サーバ制御部112は、顧客カード122で個人情報入力ボックス122Bに入力された個人氏名(顧客名)または代表者情報入力ボックスに入力された法人代表者氏名(顧客名)に対して、新規の管理IDを割り付け、顧客管理テーブル31に記憶する。参照IDは、例えば子会社と親会社など、別の顧客カード122と紐づけたい場合に使用される。続いて、サーバ制御部112は、顧客情報テーブル32に、新規の顧客情報を記憶する。図4(B)は、顧客情報テーブル32の一例である。顧客情報テーブル32には、顧客管理テーブル31で付された1つの管理IDに対して、顧客カード122(図3(B)参照)に入力された顧客情報が関連づけて記憶される。
【0027】
また、顧客カード122は、図3(B)に示すように、家族情報ボタン122M、口座情報ボタン122N、送付先情報ボタン122O、契約情報ボタン122P、そして、契約動機記録ボタン122Qを備えてる。作業員が家族情報ボタン122M、口座情報ボタン122N、送付先情報ボタン122O、契約情報ボタン122Pを押した場合は、それぞれに対応して、顧客カード122に紐づく家族情報入力フォーム、口座情報入力フォーム、送付先情報入力フォーム、契約情報入力フォームが表示部13に表示され、各フォームへの入力が可能となる。作業員が追加ボタン122Zを押すと、入力情報が顧客カード122に紐づけて記録される。図5(A)は家族情報テーブル33、図5(B)は口座情報テーブル34、図5(C)は送付先情報テーブル35、図5(D)は契約情報テーブル37の一例である。サーバ制御部112は、家族情報テーブル33には、顧客カード122の管理ID、家族カテゴリ(配偶者,子,親族等)、氏名を関連付けて記憶し、口座情報テーブル34には、管理IDと口座情報を関連付けて記憶し、送付先情報テーブル35には、管理IDと送付先情報を関連付けて記憶し、契約情報テーブル37には、管理IDと顧客の保険契約情報を関連付けて、保険契約ごとに記憶する。契約情報テーブル37にあるように、車両情報は契約情報入力フォーム(図示略)から情報入力され、車名,登録番号,および等級が登録される。
【0028】
(契約動機記録の作成)
続いて、作業員は、顧客の保険加入に携わったときは、システム1に契約動機についての情報を入力する。顧客カード122の契約動機記録ボタン122Q(図3(B)参照)を押すと、顧客カード122の契約動機一覧シート127が表示される。図6は、契約動機一覧シート127の表示例である。契約動機一覧シート127は、入力、閲覧、印刷が可能である。契約動機一覧シート127には、契約者入力ボックス127A、区分ボックス127B、保険種類入力ボックス127C、契約動機入力ボックス127D、ファイル選択ボタン127E、アップロードボタン127F、ダウンロードボタン127G、保険契約書類チェックボックス127H、システム入力チェックボックス127I、承認欄127J、および契約日入力ボックス127Kを備えている。
【0029】
契約者入力ボックス127Aには、顧客カード122の顧客に関連する契約者名をテキスト入力可能である。区分ボックス127Bでは、生命保険/損害保険が選択できる。保険種類入力ボックス127Cでは、区分ボックス127Bで生命保険が選択された場合は、終身保険,定期保険,がん保険,養老保険,就労不能保険,家族収入保険,企業向け団体保険,学資保険…などがセレクトボックスから選択可能である。損害保険が選択された場合は、火災保険,企業用火災保険,個人賠償責任保険,自動車保険,生産物賠償責任保険(PL保険),施設賠償保険,店舗賠償保険,店舗休業保険,所得保証保険,労働災害保険,ゴルファー保険,医師賠償保険,運送保険…などがセレクトボックスから選択可能である。区分ボックス127Bに対応して保険種類入力ボックス127Cに現れる保険種類は、予め保険営業管理システム1のサーバ記憶部113に登録されており、例えばトップページ121に設けられた設定ボタン(図示略)などから、登録の更新が可能である。
【0030】
契約動機入力ボックス127Dでは、時系列で、契約経緯と顧客の意向に関するコメントを入力可能である。契約動機入力ボックス127Dは、応対日付欄126Aと応対内容欄126Bを備えている。応対日付欄126Aは、ボックス内にカレンダー入力ボタンを備えており、ポップアップされたカレンダーから日付を選択、またはテキスト入力によって、応対日が入力可能である。応対内容欄126Bでは、応対日に対応して、応対内容をテキスト入力可能である。契約動機入力ボックス127Dでは、時系列に、応対日と応答内容を行で記載していき、プラスボタンで行の追加ができる。作業員は、顧客の保険契約に関して、顧客から問い合わせがあった時や、資料を顧客に送付・提案した時などに、契約動機入力ボックス127Dに応対内容を記録する。入力例を示す。
【0031】
(入力例1:総合収入保障保険の契約動機記録)
2023年7月1日:生命保険の手続きに伺った際、大型機器現金購入のため積み立て保険を解約したいと相談があった。あわせて、介護(就労不能)保険の加入相談を受けた。
2023年7月2日:メールで再度問い合わせがあった。保険会社A社のB型C歳満了とD型E歳満了を設計、提案。死亡保障を付保するか、メールで質問中。
2023年7月10日:介護保険の詳細について電話問い合わせがあった。付保の種類は沢山あることを説明したところ、子供の年齢を考慮して、今回は就労不能時にF歳まで補償する掛け捨てで法人契約とすることとなった。設計書を後日送付。
2023年7月12日:設計書送付
【0032】
(入力例2:自動車保険の契約動機記録)
2023年8月1日:メールで、奥様の自動車保険加入の相談があった。至急加入したいとのこと。車検証を依頼した。
2023年8月2日:車検証の写真が届く。セカンドカー割引を提案、快諾。引き落とし先を確認中。
2023年8月5日:口座振替用紙と設計書を送付。
【0033】
続いて、ファイル選択ボタン127Eは、当該保険契約に必要な書類のファイルを参照可能である。ファイル選択ボタン127Eの選択に応じて、代理店端末12の演算部は、パスの指定やドラッグアンドドロップにより端末12から保険営業管理システム1にアップロードするファイルを参照する。アップロードボタン127Fは、ファイル選択ボタン127Eにより参照された書類データを保険営業管理システム1にアップロードするためのボタンである。アップロードボタン127Fの選択を受け付けると、サーバ制御部112は、ファイルを保険営業管理システム1の契約動機DB50に送信する。上記の入力例1であれば、作業員は、顧客から受け取ったクレジットカード支払申込書または口座振替依頼書のデータを選択し、アップロードする。作業員は、その他の書類、例えば上記の入力例1で健康診断書やゴールド免許による割引がある場合は、これらの書類データもアップロードする。ファイル選択ボタン127Eとその対になるアップロードボタン127Fは、プラスボタンで個数の追加もできる。一方、ダウンロードボタン127Gでは、当該シート127から保険営業管理システム1にアップロードした保険契約書類データのファイル名が表示されており、ボタンを押すことで各書類を端末12にダウンロードすることができる。
【0034】
保険契約書類チェックボックス127Hは、保険営業管理システム1に、当該保険契約に必要な書類の記録が済んだか否かをチェックする欄である。保険契約書類チェックボックス127Hでは、クレジットカード支払申込書または口座振替依頼書の払込手段チェック欄128Aと、設計書チェック欄128Bは、デフォルトで用意されている。その他のチェック欄128C、128D…は、作業員が書類名をテキスト入力して作成する。チェック欄は、プラスボタンを押すことで個数の追加もできる。上記の入力例1であれば、作業員は、クレジットカード支払申込書か口座振替依頼書のどちらかをアップロードしたら、払込手段チェック欄128Aにチェックを入れ、設計書をアップロードしたら、設計書チェック欄128Bにチェックを入れる。上記の入力例2の自動車保険であれば、さらに車検証のチェック欄128Cを作成し、車検証をアップロードしたらチェック欄128Cにチェックを入れる。健康診断書やゴールド免許が必要な場合は、これらのチェック欄128D、128E…を作成し、アップロードしたらチェックを入れる。
【0035】
システム入力チェックボックス127Iは、顧客カード122(図3(B)参照)の顧客情報のなかでも重要事項がシステム1に記録されたか否かをチェックする欄である。顧客カード122の重要事項は、次のチェック欄にある事項であり、勤務先チェック欄129A、緊急連絡先チェック欄129B、家族情報チェック欄129C、車両情報チェック欄129D、送付先チェック欄129E、紹介者チェック欄129F、生年月日チェック欄129Gである。システム入力チェックボックス127Iはさらに、当該契約動機一覧シート127へ記入されたか否かをチェックする記録チェック欄129Hも備えている。作業員は、顧客カード122をチェックし、記入が済んでいたらチェック欄129A~129Gにチェックを入れ、契約動機一覧シート127の入力が済んでいたらチェック欄129Hにチェックを入れる。作業員は、顧客の同意と保険会社A内の承認者の承認を得て、保険契約が完了すると、契約日入力ボックス127Kに日付を入力する。作業員が追加ボタン127Zを押すと、サーバ制御部112は、顧客カード122に紐づけて、契約動機DB50の契約動機テーブル51に新規の契約動機情報を記憶する。作業員が印刷ボタン127Pを押すと、サーバ制御部112は、代理店端末12に接続されたプリンタに、A4サイズ縦向きの印刷レイアウトで、表示されている契約動機一覧シート127を出力する。印刷物には、ヘッダーには契約動機一覧シート127の初回作成日と最終更新日、フッターにはページ番号が付される。
【0036】
図7は契約動機DB50の契約動機テーブル51の一例である。契約動機テーブル51には、顧客カード122の顧客の管理IDに対して、入力ボックス127A~127F、127H~127Kに入力された契約動機情報、すなわち、契約者名、保険種類、契約動機情報、ファイル情報、保険契約書類チェック情報、システム入力チェック情報、担当者、承認者、契約日、が関連づけて記憶される。うち、契約動機情報、ファイル情報、保険契約書類チェック情報、システム入力チェック情報は下位テーブル511~514を備えており、テーブル51には参照する下位テーブル名が格納されている。
【0037】
下位テーブル511は、契約動機入力ボックス127Dに入力された内容を格納する契約動機時系列テーブル511であり、契約動機に関する応対日と応対内容が対応付けて記憶され、時系列に並べられる。下位テーブル512は、ファイル選択ボタン127Eでアップロードされたファイルを管理するファイル情報テーブル512であり、ファイル名と、ファイルパスと、リンクが対応付けて記憶される。ファイルパスは、サーバ記憶部113でのファイルの保存場所を示し、例えばフォルダやディレクトリを示す。
【0038】
下位テーブル513は、保険契約書類チェックボックス127Hのチェック欄128A~に対するチェックの有無が記録される保険契約書類チェックテーブル513であり、チェックがあれば「有」、なければ「無」が記録される。下位テーブル514は、システム入力チェックボックス127Iのチェック欄129A~129Hに対するチェックの有無が記録されるシステム入力チェックテーブル514であり、チェックがあれば「有」、なければ「無」が記録される。
【0039】
ここで、保険契約書類チェックボックス127Hで、払込手段チェック欄128Aと設計書チェック欄128B以外のチェック欄128C~は、作業員が作成してもよいが、保険営業管理システム1によって自動作成される変形があっても好ましい。サーバ制御部112は、契約動機記録ボタン122Qによって契約動機一覧シート127が開かれ、保険種類入力ボックス127Cで保険種類の選択があると、選択された保険種類に応じて、保険契約書類チェックボックス127Hを自動作成する。図8は契約動機DB50の保険契約書類自動表示テーブル52の一例である。保険契約書類自動表示テーブル52には、保険種類入力ボックス127Cの保険種類に応じて、必要な保険契約書類が関連付けて記憶されている。サーバ制御部112は、保険種類入力ボックス127Cで保険種類が選択されると、保険契約書類自動表示テーブル52を参照し、例えば、チェック欄128Cに、自動車保険であれば車検証のチェック欄を自動作成し、火災保険であれば建物の登記簿謄本等のチェック欄を自動作成し、傷害保険であれば、決算書等のチェック欄を自動作成する。保険契約書類自動表示テーブル52は、例えばトップページ121に設けられた設定ボタン(図示略)などから、登録の更新が可能である。
【0040】
同様に、システム入力チェックボックス127Iも、作業員が入力チェックをしてもよいが、保険営業管理システム1によって自動でチェックされる変形があっても好ましい。サーバ制御部112は、契約動機一覧シート127が開かれると、顧客情報テーブル32、家族情報テーブル33、送付先情報テーブル35、契約情報テーブル37を参照して、既にデータ入力があれば、チェック欄129A~129Gに自動でチェックを入れる。
【0041】
また、保険営業管理システム1は、これら保険契約書類チェックボックス127H、システム入力チェックボックス127Iにチェックが入っていない場合は、アラートを出す変形があるのも好ましい。サーバ制御部112は、作業員が入力を終えたと思い追加ボタン122Zを押した際に、保険契約書類チェックテーブル513とシステム入力チェックテーブル514を参照して、チェックが「無」であれば、端末12の表示部13に「書類が足りていません」「入力が足りていません」などのアラートを出してからページを終了させるのも好ましい。
【0042】
(顧客カードの検索)
顧客カード122を作成すると、カード作成済の顧客について、システム1から検索・呼び出しが可能となる。作業員は、顧客の保険加入契約に携わり、応対記録を残したい場合は、トップページ121(図3(A)参照)からお客様検索ボタン121Bを押し、検索ページ124から顧客カード122を検索する。図9は、検索ページ124の表示例である。検索ページ124は、表示下のエリアに検索条件エリア124Bを備え、表示上のエリアに結果表示エリア124Aを備える。検索条件エリア124Bは、カナ検索欄、顧客名検索欄、郵便番号検索欄、住所検索欄、紹介者検索欄、電話番号検索欄、FAX番号検索欄と、検索ボタン124Zを備える。検索ボタン124Zを押す前、結果表示エリア124Aには何も表示されていない。作業員が、検索欄に条件入力して、検索ボタン124Zを押すと、サーバ制御部112は、顧客情報テーブル32を参照し、結果表示エリア124Aに、検索された条件を持つ顧客について、顧客名(個人名/法人代表者名)、電話(個人電話番号)、携帯(携帯番号)、法人名/勤務先(会社名)、電話(代)(代表電話番号)、電話(直)(直通電話番号)を、顧客候補リスト124Xとして一行表示する。作業員が、顧客候補リスト124Xから参照したい顧客を選ぶ(クリック)すると、サーバ制御部112は、顧客情報テーブル32からその顧客を特定し、その顧客カード122をポップアップ表示する。ここから、契約動機記録ボタン122Qを押すと、顧客カード122に紐づけされた契約動機一覧シート127が表示される(図6参照)。
【0043】
(保険営業管理システムの利用)
以上の構成からなる保険営業管理システム1を利用した、保険営業管理方法を説明する。図10は、保険営業管理のワークフローを示すものであり、図10(A)は保険営業管理システム1を利用するための準備フローチャート、図10(B)は保険営業管理システム1を利用するフローチャートである。準備フローチャート(図10(A))では、代理店端末12から保険営業管理システム1が起動され、トップページ121から新規お客様登録ボタン121Aが押されると、システムはステップS1に移行して、代理店端末12に顧客カード122が表示され、顧客カード122の作成が許容される。作業員が入力を終えて追加ボタン122Zを押すと、システムはステップS2に移行して、顧客管理テーブル31、顧客情報テーブル32、家族情報テーブル33、口座情報テーブル34、送付先情報テーブル35に、顧客情報が記憶される。次に、システムはステップS3に移行して、契約動機一覧シート127の入力を許容する。作業員が入力を終えて追加ボタン127Zを押すと、システムはステップS4に移行して、契約動機テーブル51に契約動機情報を記憶して、システムを終了する。システム利用のフローチャート(図10の(B))では、代理店端末12から保険営業管理システム1が起動され、トップページ121からお客様検索ボタン121Bが押されると、システムはステップS11に移行して、代理店端末12に顧客カードの検索ページ124が表示される。作業員が条件入力して検索ボタン124Zを押すと、システムはステップS12に移行して、結果表示エリア124Aに顧客候補リスト124Xを表示する。作業員が参照したい顧客を選び、その顧客カード122の契約動機記録ボタン122Qを押すと、システムはステップS13に移行して、顧客の契約動機一覧シート127を端末12に表示する。作業員は、ここから契約動機の応対記録を確認したり、印刷したり、保険契約書類を確認(ダウンロード)したり、追記作業を行うことができる。
【0044】
(作用効果)
以上、本実施の形態の保険営業管理システム1によれば、顧客が保険に加入するまでの契約動機(契約経緯および意向把握)が、時系列で記録され、管理される。このため、その顧客が別の保険を検討することになったとき、担当者は契約動機一覧シート127を見返せば、その時顧客がどう考え、どのようなアドバイスを受けてその保険を選んだのか知ることができるので、次の保険商品を設計する際の参考資料として活用することができる。また、保険契約後や保険更新のタイミングで、顧客からクレームがあった場合にも、契約動機一覧シート127を見返して説明することにより誤解が解け、トラブル防止に繋げることができる。
【0045】
また、本実施の形態の保険営業管理システム1によれば、契約動機一覧シート127に、係る保険契約に関係する書類を全て紐づけて管理することができる。すなわち、契約動機の時系列が確認できるだけでなく、払込手段や必要書類(免許証、健康診断書など)などの保険契約書類がシステム1で一元管理され、チェックリスト(保険契約書類チェックボックス127H)も用意されているので、保険契約書類がどこまで揃っているかの進捗について、保険契約に携わった担当者だけでなく、保険代理店Aの全職員で共有することができる。
【0046】
(第二の実施形態)
(保険営業管理システムの構成)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る保険営業管理システム10の構成ブロック図である。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。本形態に係る保険営業管理システム10では、保険管理サーバ11、代理店端末12(複数可)、通信ネットワーク3を備え、保険管理サーバ11のサーバ記憶部113は、顧客カードDB30に加えて、事故記録データベース60(以下「事故記録DB60」と称する)を備えている。事故記録DB60は、事故記録テーブル61(後述する)を備えている。顧客が事故にあった際の事故経過(事故記録)に関する情報は、保険代理店が適切に管理すべき顧客重要情報の一つであり、事故記録テーブル61が、請求項に言う顧客重要情報テーブルの一つである。本形態に係る顧客カード122は、事故記録ボタン122Rを備えてる(図12参照)。なお、本形態においては、契約動機DB50は任意の構成であるため、図11では契約動機DB50を、図12では契約動機記録ボタン122Qを破線で示す。
【0047】
(事故記録の作成)
作業員は、顧客に事故があったときは、システム10に事故についての情報を入力する。顧客カード122の事故記録ボタン122Rを押すと、顧客カード122の事故記録一覧シート130が表示される。図13は、事故記録一覧シート130の表示例である。事故記録一覧シート130は、入力、閲覧、印刷が可能である。事故記録一覧シート130には、タイトル入力ボックス130A、保険請求書類チェックボックス130B、ファイル選択ボタン130C、アップロードボタン130D、ダウンロードボタン130E、および事故記録入力ボックス130Fを備えている。
【0048】
タイトル入力ボックス130Aには、日付などで事故の識別名称をテキスト入力可能である。保険請求書類チェックボックス130Bは、保険請求に必要な書類、(i)写真、(ii)見積り、(iii)免許証、(iv)示談書、(v)請求書の、記録・取り付け・送付をチェックする欄であり、記録チェック欄131A、取付日欄131B、送付日欄131Cを備える。記録チェック欄131Aでは、後述するアップロードボタン130Dでシステム10へ書類データの記録が済んだ場合、チェックを入れる。取付日欄131Bと送付日欄131Cは、ボックス内にカレンダー入力ボタンを備えており、ポップアップされたカレンダーから日付を選択、またはテキスト入力によって、書類の取付日/送付日が入力可能である。
【0049】
続いて、ファイル選択ボタン130Cでは、上記(i)~(v)の書類ファイルを参照可能である。ファイル選択ボタン130Cの選択に応じて、代理店端末12の演算部は端末12からアップロードするファイルを参照し、アップロードボタン130Dによってシステム10にアップロードする。アップロードボタン130Dの選択を受け付けると、サーバ制御部112は、アップロードするファイルを事故記録DB60に送信する。ファイル選択ボタン130Cとその対になるアップロードボタン130Dは、プラスボタンで個数の追加もできる。ダウンロードボタン130Eでは、当該シート130からシステム10にアップロードした保険契約書類データのファイル名が表示されており、ボタンを押すことで各書類を端末12にダウンロードすることができる。
【0050】
事故記録入力ボックス130Fでは、時系列で、事故経過に関するコメントを入力可能である。事故記録入力ボックス130Fは、応対日付欄132A、応対時間欄132B、交渉・連絡先欄132C、応対内容欄132D、および応対者欄132Eを備える。事故記録入力ボックス130Fでは、時系列に、応対日、時間、交渉・連絡先、応答内容、応対者を行で記載していき、プラスボタンで行の追加ができる。応対日付欄132Aは、ボックス内にカレンダー入力ボタンを備えており、ポップアップされたカレンダーから日付を選択、またはテキスト入力によって、応対日が入力可能である。応対時間欄132Bは、作業員は必要に応じて使用し、テキスト入力が可能である。交渉・連絡先欄132Cには、交渉先等の会社名・担当者名等をテキスト入力が可能である。応対内容欄132Dでは、応対日に対応して、応対内容をテキスト入力可能である。応対者欄132Eでは、保険会社Aの職員名がセレクトボックスで表示される。入力例を示す。
【0051】
(入力例3:あああ太郎様 漏水による火災保険請求の事故記録)
応対日:2023年9月1日
時間:-
交渉・連絡先:不動産管理会社A社
応対内容:あああ太郎様より、101号室のユーティリティ洗濯機排水溝より汚水が逆流したと連絡が入る。

応対日:2023年9月1日
時間:10時
交渉・連絡先:あああ太郎様
応対内容:あああ太郎様より、賃貸マンションBの漏水の件でA社から電話が入る旨通知された。
応対者:□□

応対日:2023年9月24日
時間:14時
交渉・連絡先:A社、担当C氏
応対内容:事故の概要について連絡があった。写真と見積りを依頼した。
応対者:●●

応対日:2023年9月25日
時間:
交渉・連絡先:あああ太郎様
応対内容:保険金請求書を取り付けた。
【0052】
(入力例4:あああ太郎様 接触事故による自動車保険請求の事故記録)
応対日:2023年10月1日
時間:22:00
交渉・連絡先:あああ太郎様
応対内容:事故発生

応対日:2023年10月2日
時間:10:00
交渉・連絡先:あああ太郎様
応対内容:相手車両との接触事故があった旨の報告。住所XX区XXで右折車と接触、走行不能に。相手の保険会社D社。相手の電話番号XXX-XXXX-XXXX
応対者:▲▲

応対日:2023年10月3日
時間:
交渉・連絡先:D社、担当E氏
応対内容:事故の話をする。警察より、事故現場の外壁に傷ありとのこと。相手と揉めると感じるので、弁護士特約を提案。説明ののち、了承。
応対者:▲▲

応対日:2023年10月10日
時間:
交渉・連絡先:D社、担当E氏
応対内容:事故証明取り付け。
応対者:●●

応対日:2023年10月20日
時間:
交渉・連絡先:弁護士F氏
応対内容:リサーチ会社を入れるか問い合わせが入った。
応対者:▲▲
・・・・・・・
【0053】
作業員が追加ボタン130Zを押すと、サーバ制御部112は、顧客カード22に紐づけて、事故記録DB60の事故記録テーブル61に新規の契約動機情報を記憶する。作業員が印刷ボタン130Pを押すと、サーバ制御部112は、代理店端末12に接続されたプリンタに、A4サイズ縦向きの印刷レイアウトで、表示されている事故記録一覧シート130を出力する。印刷物には、ヘッダーには事故記録一覧シート130の初回作成日と最終更新日、フッターにはページ番号が付される。
【0054】
図14は事故記録DB60の事故記録テーブル61の一例である。事故記録テーブル61には、顧客カード122の顧客の管理IDに対して、入力ボックス130A~130D、130Fに入力された事故情報、すなわち、タイトル、保険請求書類チェック情報、ファイル情報、事故記録情報が関連づけて記憶される。うち、保険請求書類チェック情報、ファイル情報、事故記録情報は、下位テーブル611~613を備えており、テーブル61には参照する下位テーブル名が格納されている。
【0055】
下位テーブル611は、保険請求書類チェックボックス130Bのチェック欄131A~131Cに対するチェックの有無および取付日、送付日が記録される保険請求書類チェックテーブル611であり、チェックがあれば「有」、なければ「無」が記録され、各書類の取付日、送付日が対応付けて記録される。下位テーブル612は、ファイル選択ボタン130Cでアップロードされたファイルを管理するファイル情報テーブル612であり、ファイル名と、ファイルパスと、リンクが対応付けて記憶される。ファイルパスは、サーバ記憶部113でのファイルの保存場所を示し、例えばフォルダやディレクトリを示す。下位テーブル613は、事故記録入力ボックス130Fに入力された内容を格納する事故記録時系列テーブル613であり、132A~132Eの各情報が対応付けて記憶され、時系列に並べられる。作業員は、顧客に事故があったとき、および事故の解決に進展があった時などは、検索ページ124(図9参照)から顧客カード122を検索する。ここから、事故記録ボタン122Rを押すと、事故記録一覧シート130が表示される。
【0056】
ここで、保険営業管理システム10は、保険請求書類チェックボックス130Bにチェックが入っていない場合は、アラートを出す変形があるのも好ましい。サーバ制御部112は、作業員が入力を終えたと思い追加ボタン130Zを押した際に、保険請求書類チェックテーブル611を参照して、チェックが「無」であれば、端末12の表示部13に「書類が足りていません」などのアラートを出してからページを終了させるのも好ましい。
【0057】
(保険営業管理システムの利用)
次に、以上の構成からなる保険営業管理システム10を利用した、保険営業管理方法を説明する。図15は、保険営業管理のワークフローを示すものであり、図15(A)は保険営業管理システム10を利用するための準備フローチャート、図15(B)は保険営業管理システム10を利用するフローチャートである。準備フローチャート(図15(A))では、代理店端末12から保険営業管理システム10が起動され、トップページ121から新規お客様登録ボタン121Aが押されると、システムはステップS21に移行して、代理店端末12に顧客カード122が表示され、顧客カード122の作成が許容される。作業員が入力を終えて追加ボタン122Zを押すと、システムはステップS22に移行して、顧客管理テーブル31、顧客情報テーブル32、家族情報テーブル33、口座情報テーブル34、送付先情報テーブル35に、顧客情報が記憶される。次に、システムはステップS23に移行して、事故記録一覧シート130の入力を許容する。作業員が入力を終えて追加ボタン130Zを押すと、システムはステップS24に移行して、事故記録テーブル61に事故記録情報を記憶して、システムを終了する。システム利用のフローチャート(図15(B))では、代理店端末12から保険営業管理システム10が起動され、トップページ121からお客様検索ボタン121Bが押されると、システムはステップS31に移行して、代理店端末12に顧客カードの検索ページ124が表示される。作業員が条件入力して検索ボタン124Zを押すと、システムはステップS32に移行して、結果表示エリア124Aに顧客候補リスト124Xを表示する。作業員が参照したい顧客を選び、その顧客カード122の事故記録ボタン122Rを押すと、システムはステップS33に移行して、顧客の事故記録一覧シート130を端末12に表示する。作業員は、ここから事故経過を確認したり、印刷したり、保険請求書類を確認(ダウンロード)したり、追記作業を行うことができる。
【0058】
(作用効果)
以上、本実施の形態の保険営業管理システム10によれば、保険代理店が顧客に応対したなかで重要な内容、特に、顧客が事故にあったときの応対記録が、時系列で記憶され、管理される。このため、事故関係者から保険代理店Aに問い合わせがあったとき、応対者は事故記録一覧シート130を見ていけば、事故の概要から事件の経過、進捗状況を知ることができるので、保険代理店Aの全職員で、事件解決まで迅速かつ効率的に応対することができる。また、緊急を要する事故関係者からの問い合わせにはデリケートな応対が求められるため、事故記録一覧シート130を見て応対することにより、トラブル防止に繋げることができる。
【0059】
また、本実施の形態の保険営業管理システム10によれば、事故記録一覧シート130に、係る事故に関係する書類を全て紐づけて管理することができる。すなわち、事故経過の時系列が確認できるだけでなく、建物修理や自動車修理のための見積書や鑑定書、現場写真や現物写真、診療報酬明細書、示談書などの保険請求書類がシステム10で一元管理され、チェックリスト(保険請求書類チェックボックス130B)も用意されているので、保険請求書類がどこまで揃っているかの進捗について、応対に携わった担当者だけでなく、保険代理店Aの全職員で共有することができる。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施の形態および変形例を述べたが、これらを当業者の知識に基づいて改変および組み合わせることは可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。また、本発明は、契約動機情報および事故記録情報を、担当した保険営業員だけでなく保険代理店全体で扱えるように構築されているため、保険代理店の事業承継においても効果を発揮し、事業の引継ぎが容易に可能となる。
【符号の説明】
【0061】
1,10…保険営業管理システム, 11…保険管理サーバ, 12…代理店端末, 31…顧客管理テーブル, 32…顧客情報テーブル, 51…契約動機テーブル(顧客重要情報テーブル), 61…事故記録テーブル(顧客重要情報テーブル), 122…顧客カード, 127…契約動機一覧シート, 130…事故記録一覧シート 127F,130D…アップロードボタン 127G,130E…ダウンロードボタン 127H…保険契約書類チェックボックス 127I…システム入力チェックボックス, 130B…保険請求書類チェックボックス



【要約】      (修正有)
【課題】契約動機など、顧客に応対した内容を管理でき、保険代理店が用いるのに好適な保険営業管理システム、保険営業管理方法、保険営業管理プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】保険管理サーバと、複数の代理店端末とがネットワークを介した接続されている保険営業管理システムにおいて、保険管理サーバ11は、代理店端末が作成した顧客カードに基づき、顧客管理テーブル31と、顧客情報テーブル32と、顧客重要情報テーブル(契約動機テーブル51)を記憶し、代理店端末が検索した顧客を、顧客情報テーブル32に基づき特定し、顧客重要情報テーブルを参照して、当該顧客の保険契約に係る契約動機または事故記録に関する一覧を、代理店端末に表示させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15