(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231207BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20231207BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2023150921
(22)【出願日】2023-09-19
(62)【分割の表示】P 2023024751の分割
【原出願日】2023-02-20
【審査請求日】2023-10-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 道隆
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-188585(JP,A)
【文献】特開2022-121298(JP,A)
【文献】特開2008-108204(JP,A)
【文献】特開2012-226588(JP,A)
【文献】特開2009-181214(JP,A)
【文献】特開2021-152760(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0055596(US,A1)
【文献】Tomoko Ota,“SaaS型脱炭素化プラットフォーム「zeroboard(ゼロボード)」を徹底解剖!”, [online],Wantedly,Wantedly, inc.,2021年03月05日,[2021年06月28日検索], インターネット<URL: https://www.wantedly.com/companies/ali/post_articles/312876>
【文献】山下毅,“サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定”,紙パ技協誌,第69巻, 第4号,紙パルプ技術協会,2015年04月01日,pp.20~25
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガスを排出する
排出主体から前記温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得する排出量情報取得部と、
前記排出量情報を、前記温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供する排出量情報提供部と、
前記プロバイダから前記削減手段に関する
、前記削減手段のコストを決定するためのコスト情報及び前記削減手段を採用した場合に期待される前記温室効果ガスの削減量を決定するための削減情報が含まれるソリューション情報を取得するソリューション情報取得部と、
前記削減情報に基づいて決定される前記削減量及び前記コスト情報により決定される前記コストに基づいて決定される単位削減量あたりの単位コストを計算する計算部と、
前記単位コストの順に前記ソリューション情報を前記
排出主体に提供するソリューション情報提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
温室効果ガスを排出する排出主体から前記温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得するステップと、
前記排出量情報を、前記温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供するステップと、
前記プロバイダから前記削減手段に関する、前記削減手段のコストを決定するためのコスト情報及び前記削減手段を採用した場合に期待される前記温室効果ガスの削減量を決定するための削減情報が含まれるソリューション情報を取得するステップと、
前記削減情報に基づいて決定される前記削減量及び前記コスト情報により決定される前記コストに基づいて決定される単位削減量あたりの単位コストを計算するステップと、
前記単位コストの順に前記ソリューション情報を前記排出主体に提供するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
温室効果ガスを排出する排出主体から前記温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得するステップと、
前記排出量情報を、前記温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供するステップと、
前記プロバイダから前記削減手段に関する、前記削減手段のコストを決定するためのコスト情報及び前記削減手段を採用した場合に期待される前記温室効果ガスの削減量を決定するための削減情報が含まれるソリューション情報を取得するステップと、
前記削減情報に基づいて決定される前記削減量及び前記コスト情報により決定される前記コストに基づいて決定される単位削減量あたりの単位コストを計算するステップと、
前記単位コストの順に前記ソリューション情報を前記排出主体に提供するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素を削減するソリューションを導入することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
どのようなソリューションがあるのかを把握することが難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、温室効果ガスの削減を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、温室効果ガスを排出する排出主体のユーザから前記排出主体による前記温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得する排出量情報取得部と、前記排出量情報を、前記温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供する排出量情報提供部と、前記プロバイダから前記削減手段に関するソリューション情報を取得するソリューション情報取得部と、前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するソリューション情報提供部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、温室効果ガスの削減を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】ソリューション情報の提供処理を説明する図である。
【
図5】削減手段の実行状態の管理する処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
温室効果ガスを排出する排出主体のユーザから前記排出主体による前記温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得する排出量情報取得部と、
前記排出量情報を、前記温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供する排出量情報提供部と、
前記プロバイダから前記削減手段に関するソリューション情報を取得するソリューション情報取得部と、
前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するソリューション情報提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出主体に対応付けて、前記排出量情報を提供する前記プロバイダを特定する情報を管理する提供先記憶部を備え、
前記排出量情報提供部は、前記提供先記憶部を参照して、前記排出量情報の提供元である前記排出主体に対応する前記プロバイダを取得し、取得した前記プロバイダに対して前記排出量情報を提供すること、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量情報には、前記排出量に関する活動に関係する付加情報が含まれること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目3に記載の情報処理システムであって、
前記排出主体に対応付けて、前記排出量情報を提供する前記プロバイダを特定する情報を管理する提供先記憶部を備え、
前記排出量情報提供部は、前記提供先記憶部を参照して特定される前記プロバイダに対して前記排出量を提供すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出主体による前記削減手段の実行状況を示す実行情報を取得する実行情報取得部と、
前記実行情報を前記削減手段の前記プロバイダに提供する実行情報提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目6]
項目5に記載の情報処理システムであって、
前記実行情報に対するアドバイス情報を前記プロバイダから受信するアドバイス取得部と、
前記アドバイス情報を前記排出主体の前記ユーザに送信するアドバイス提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目7]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量を記憶する実績情報記憶部を備え、
前記排出量情報取得部は、前記削減手段の実施前の第1の前記排出量を前記排出量記憶部に登録し、
前記排出量情報取得部は、前記削減手段の実行後の第2の前記排出量に関する前記排出量情報を取得し、
前記第1及び第2の排出量に基づいて前記温室効果ガスの削減量を計算する削減量計算部と、
前記削減量に応じて前記プロバイダに課金する課金処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目8]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記ソリューション情報には、前記削減手段のコストを決定するためのコスト情報と、前記削減手段を採用した場合に期待される前記温室効果ガスの削減量を決定するための削減情報とが含まれ、
前記ソリューション情報提供部は、前記削減情報に基づいて決定される前記削減量と前記コスト情報により決定される前記コストとに基づいて決定される単位削減量あたりの単位コストを計算し、前記単位コストの順に前記ソリューション情報を提案すること、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目9]
温室効果ガスを排出する排出主体のユーザから前記排出主体による前記温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得するステップと、
前記排出量情報を、前記温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供するステップと、
前記プロバイダから前記削減手段に関するソリューション情報を取得するステップと、
前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目10]
温室効果ガスを排出する排出主体のユーザから前記排出主体による前記温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得するステップと、
前記排出量情報を、前記温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供するステップと、
前記プロバイダから前記削減手段に関するソリューション情報を取得するステップと、
前記ソリューション情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなど)を排出する排出主体のユーザに対して、排出量の削減手段(ソリューションとも呼ばれる。)に関する情報(以下、ソリューション情報という。)を提供する。ユーザは排出主体の排出量に関する情報を登録しておき、ソリューションの提供者(プロバイダ)から、排出主体に見合うソリューション情報の提案を受けてユーザに提供する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末1は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0014】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、排出量情報記憶部231と、提供先記憶部232と、実績情報記憶部233と、排出量情報取得部211と、排出量情報提供部212と、ソリューション情報取得部213と、ソリューション情報提供部214と、実行情報取得部215と、実行情報提供部216と、アドバイス取得部217と、アドバイス提供部218と、削減量計算部219と、課金処理部220と、を備える。
【0017】
<記憶部>
排出量情報記憶部231は、排出主体による温室効果ガスの排出量に関する情報(以下、排出量情報という。)を記憶する。排出量情報には、排出主体による排出量の集計値を含めることができる。排出量情報には、排出主体の属性を含めることができる。排出主体の属性には、排出主体の事業、従業員数、地域などを含めることができる。また、排出主体の属性には、売上高や仕入高、人件費などの会計情報を含めることもできる。排出量情報には、排出量に係る活動に関係する付加情報を含めることができる。付加情報には、例えば、活動量(実績値、実績値の集計値、予測値など)を含めることができる。また、付加情報には、活動量を推定するための情報を含めることができる。活動量を推定するための情報は、例えば、床面積、屋根面積、生産可能な製品の個数などを含めることができる。本実施形態では、排出量情報には、排出主体を特定する情報(例えば、企業ID)、活動量、付加情報、排出量を含めるものとする。排出量及び活動量は、所定の集計期間(例えば年月)と、GHGプロトコルに係るスコープ及びカテゴリごとの排出量及び活動量の集計値とすることができる。付加情報は、排出主体によって設定項目が異なっていてもよい。
【0018】
提供先記憶部232は、排出主体ごとに、排出量情報を提供可能なプロバイダを特定する情報を含む情報(以下、提供先情報という。)を記憶する。提供先情報には、排出主体を特定する情報(例えば、企業ID)、プロバイダを特定する情報(例えば、プロバイダID)を含めることができる。また、提供先情報、提供先ごとに異なる開示範囲を指定することもできる。例えば、提供先情報に、提供先のプロバイダを特定するプロバイダIDと、当該プロバイダIDに対する排出量情報の開示範囲とを対応付けて含めることができる。
【0019】
実績情報記憶部233は、排出主体ごとに、温室効果ガスの排出量を含む情報(以下、実績情報という。)を記憶する。実績情報には、排出主体を特定する情報(例えば、企業IDという。)と、温室効果ガスの排出量の実績値とを含めることができる。実績値は、所定の集計期間(例えば年月)及びGHGプロトコルに係るスコープ(スコープ3については、スコープ及びカテゴリ)ごとの排出量の集計値とすることができる。
【0020】
<機能部>
排出量情報取得部211は、排出量情報を取得する。排出量情報取得部211は、ユーザ端末1から排出量情報を受信することができる。排出量情報取得部211は、他のシステムにアクセスして排出量情報を取得するようにしてもよい。また、管理サーバ2は、例えば、排出主体に係る活動量と排出係数とを取得し、取得した活動量と排出係数とを乗じて排出量を計算する排出量算出部を備えることができ、排出量算出部が計算した排出量及び活動量など排出量の算出に用いた各種の情報を排出量情報として取得することもできる。
【0021】
排出量情報取得部211は、温室効果ガスの削減手段の実施前の排出量に係る排出量情報(以下、実施前排出量という。)を排出量記憶部231に登録し、削減手段の実行後の排出量に関する排出量情報(以下、実施後排出量という。)を取得して、取得した排出量を含む実績情報を実績情報記憶部233に登録することができる。
【0022】
排出量情報提供部212は、排出量情報をプロバイダに提供する。排出量情報提供部212は、全てのプロバイダに対して排出量情報を提供するようにしてもよいし、リクエストを送信したプロバイダに応じて排出量情報を提供するようにしてもよい。
【0023】
また、排出主体側で排出量情報の提供先をコントロール可能とすることもできる。排出量情報提供部212は、提供先記憶部232に、排出量情報に含まれる企業IDに対応する提供先情報が登録されている場合には、当該提供先情報に指定されているプロバイダに対してのみ当該排出量を提供するようにすることができる。
【0024】
また、排出量情報提供部212は、排出量情報に開示範囲が指定されている場合には、排出量情報のうち開示範囲のみを提供するようにすることができる。
【0025】
ソリューション情報取得部213は、プロバイダから削減手段に関する情報(以下、ソリューション情報という。)を取得する。ソリューション情報には、削減手段のコストを決定するためのコスト情報と、削減手段を採用した場合に期待される温室効果ガスの削減量を決定するための削減情報とが含まれうる。ソリューション情報にはまた、例えば、削減手段の名称、説明、導入方法、削減可能な温室効果ガスの種類を特定する情報などを含めることができる。
【0026】
ソリューション情報提供部214は、ソリューション情報をユーザに提供する(ユーザ端末1に送信する)ことができる。ソリューション情報提供部214は、ソリューション情報提供部213がソリューション情報を取得する度に、取得したソリューション情報をユーザ端末1に送信するようにしてもよいし、所定期間の間に取得したソリューション情報を排出主体(例えば企業ID)ごとに記憶するソリューション情報記憶部を管理サーバ2に設けるようにし、ソリューション情報記憶部に記憶されている1又は複数のソリューション情報を提供するようにしてもよい。
【0027】
また、ソリューション情報提供部214は、1社の排出主体について複数のソリューション情報を提供する場合には、ソリューション情報に含まれる削減情報に応じた優先度でソリューション情報を提供することができる。例えば、ソリューション情報提供部214は、削減情報に基づいて決定される削減量の順(例えば多い順)にソリューション情報をソートしたリストを提供することができる。また、ソリューション情報提供部214は、決定される削減量の順に所定数のソリューション情報のみを提供するようにしてもよい。また、ソリューション情報提供部214は、例えば、コスト情報により決定されるコストの順(例えば安い順)にソリューション情報をソートしたリストを提供することができる。また、ソリューション情報提供部214は、削減情報に基づく削減量と、コスト情報に基づくコストとから、単位削減量あたりの単位コストを計算することができ、この単位コストを付帯させてソリューション情報を提供し、単位コストの順(例えば安い順)にソートしたソリューション情報を提供し、又は、単位コストの順に所定数のソリューション情報のみを提供することができる。
【0028】
実行情報取得部215は、排出主体による削減手段の実行状況を示す実行情報を取得する。実行情報には、排出主体を特定するための情報(例えば企業ID)と、削減量(実績値及び/又は予測値)を特定するための情報とを含めることができる。本実施形態では、実行情報は実績情報であるものとし、複数時点での実績情報に基づいて削減量を計算するものとする。
【0029】
実行情報提供部216は、実行情報を削減手段のプロバイダに提供することができる。実行情報提供部216は、例えば、実行情報を、プロバイダのユーザ端末1に送信することができる。本実施形態では、実行情報として、削減手段の実行前及び実行後の実績情報を提供するものとする。実行情報提供部216は、提供先記憶部232に提供先情報が登録されている場合には、提供先情報に規定されているプロバイダにのみ実行情報(実績情報)を送信するようにすることができる。
【0030】
アドバイス取得部217は、実行情報に応じたアドバイをプロバイダから取得することができる。アドバイス取得部217は、例えば、実行情報に対するアドバイス情報をプロバイダのユーザ端末1から受信することができる。アドバイス情報は、例えば、テキストデータや画像データなどを含むことができる。
【0031】
アドバイス提供部218は、アドバイス情報を排出主体のユーザに送信することができる。
【0032】
削減量計算部219は、実績情報記憶部233に記憶されている実施前排出量と実施後排出量とに基づいて、ソリューションの採用による温室効果ガスの削減量を推定する。削減量計算部219は、実施後排出量から実施前排出量を引いて削減量の推定値を算出することができる。削減量計算部219は、削減量の推定値をプロバイダ及び/又はユーザに提供することもできる。アドバイス取得部217は、この削減量についてのアドバイス情報をプロバイダのユーザ端末1から所得して、排出主体のユーザのユーザ端末1に送信することができる。
【0033】
課金処理部220は、システムの利用料金をプロバイダに課す処理(課金)を行うことができる。課金処理部220は、削減量に応じてプロバイダに課金することができる。課金処理部220は、例えば、排出量情報を受信可能なプロバイダに対して定期的に登録料を課金するようにしてもよい。
【0034】
<動作>
図4は、ソリューション情報の提供処理を説明する図である。
【0035】
管理サーバ2は、提供先情報をユーザ端末1から受信して、提供先記憶部232に登録する(S301)。管理サーバ2は、排出量情報をユーザ端末1から受信する(S302)。管理サーバ2は、排出量情報を所定期間、メモリ202又は記憶装置203に記憶することができる。
【0036】
管理サーバ2は、ユーザの排出主体を示す企業IDに対応する提供先情報が提供先記憶部232に登録されている場合(S303:YES)、提供先情報に指定されているプロバイダのみに対して、排出量情報を送信する(S304)。なお、提供先情報に開示範囲が設定されている場合には、管理サーバ2は、排出量の中の開示範囲に含まれるもののみを提供することができる。
【0037】
管理サーバ2は、排出量情報を提供したプロバイダからソリューション情報の入力を受け付け(S306)、受け付けた取ソリューション情報をユーザ端末1に送信する(S307)。
【0038】
以上のようにして、排出主体による温室効果ガスの排出状態をプロバイダに提供して、これに対する削減手段に関するソリューション情報をプロバイダから排出主体のユーザに提供することができる。
【0039】
図5は、削減手段の実行状態の管理する処理を説明する図である。
【0040】
管理サーバ2は、ユーザ端末1から、削減手段の実行前と実行後の実績情報を取得して実績情報記憶部233に登録する(S321)。なお、削減手段の実行時についてもユーザ端末1から取得することができる。
【0041】
管理サーバ2は、実行前及び実行後の実績情報を、提供先情報に指定されたプロバイダに提供する(S322)。管理サーバ2は、実行情報を提供したプロバイダのユーザ端末1からアドバイス情報を受信し(S323)、受信したアドバイス情報を、排出主体のユーザのユーザ端末1に送信する(S324)。
【0042】
管理サーバ2はまた、削減手段の実行前後の実績情報に基づいて、例えば、実行前の排出量から実行後の排出量を減じることにより、ソリューションによる削減先を裾区することができる(S325)。管理サーバ2は、推定した削減量を、ユーザ及び又は提供先情報に指定されたプロバイダに送信することができる(S326)。
【0043】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、排出主体の排出量に関する排出量情報をプロバイダに提供するとともに、プロバイダからその排出量を削減する削減方法(ソリューション)に関する情報を取得して、ユーザ端末1に送信することが出きる。
【0044】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0045】
例えば、上記実施形態では、提供先記憶部231は、排出量情報を提供可能なプロバイダを管理するものとしたが、排出量の提供を禁止するプロバイダを管理するようにしてもよい。この場合、排出量情報提供部212及び実行情報提供部216は、排出量情報及び実績情報を、提供先情報により特定されるプロバイダには提供しないようにすることができる。
【0046】
<ユーザーの可視化データ表示方法>
また、管理サーバ2は、新規のソリューション情報を優先的にユーザ端末1に表示させるようにすることができる。また、管理サーバ2は、更新されたソリューション情報を優先的に表示させるようにしてもよい。
【0047】
また、管理サーバ2は、排出主体及び/又はプロバイダの業種、所在地、資本構成、上場区分などに応じて、排出量情報及び/又はソリューション情報の優先度を変更することができる。
【0048】
また、管理サーバ2は、排出主体と資本関係のあるプロバイダのソリューション情報を優先的に表示させるようにすることもできる。
【0049】
また、管理サーバ2は、プロバイダからソリューション情報を登録させ、ソリューション情報と排出量情報とをマッチングさせて、ソリューションにマッチする度合の大きい排出量情報を優先的にプロバイダに提供するようにすることができる。
【0050】
また、管理サーバ2は、排出主体の削減目標及びその実績を対応表示させることができる。
【0051】
また、管理サーバ2は、排出量情報のうち排出主体が削減を希望するスコープ及び/又はカテゴリの指定を受け付けて、プロバイダに対して、排出主体の希望するスコープ及び/又はカテゴリに関連する項目を強調表示するようにすることができる。
【0052】
また、管理サーバ2は、ユーザが削減を希望するカテゴリをプロバイダのユーザ端末1において強調表示させるようにすることができる。
【0053】
また、管理サーバ2は、排出量情報の提供履歴を記憶する提供履歴記憶部を備えるようにし、ユーザが提供履歴を閲覧できるようにすることができる。
【0054】
また、管理サーバ2は、プロバイダが排出主体に対していいねを付けたことを管理するようにし、いいねを付けたプロバイダに対してのみ排出量情報を提供するようにしてもよい。
【0055】
また、管理サーバ2は、提供先情報に、ユーザが希望するプロバイダの業種やソリューションのタイプなどの指定を含めるようにし、希望にマッチするプロバイダやソリューションに関するソリューション情報のみをユーザに提供するようにすることができる。
【0056】
<プロバイダによる可視化データのスクリーニング>
また、管理サーバ2は、プロバイダからの指定に応じて、排出主体の業種、所在地、資本構成、上場区分、財務情報等の条件に合致する排出量情報に絞り込むようにすることができる。
【0057】
また、管理サーバ2は、排出量情報にタイプを含めるようにし、プロバイダからタイプの指定を受け付けて、受け付けたタイプに対応する排出量情報を提供するようにすることができる。
【0058】
また、管理サーバ2は、プロバイダからの指定に応じて、ユーザの登録日や排出量情報の登録又は更新日に応じた排出量情報の絞込を行うようにしてもよい。
【0059】
また、管理サーバ2は、プロバイダからキーワードの指定を受け付けて、受け付けたキーワードにマッチする排出量情報を検索するようにしてもよい。
【0060】
<プロバイダによるソリューション提案>
また、管理サーバ2は、ユーザ端末1からソリューションの提案を望む旨のリクエストを受け付けた場合に、排出量情報にソリューションの提案を望む旨を示すタグを設定することができる。管理サーバ2は、プロバイダに対して、タグに応じた排出量情報の表示を行うことができる。
【0061】
また、管理サーバ2は、ユーザ間でのメッセージの送受信を行う機能を備えるようにし、プロバイダとユーザとの間で、ダイレクトメッセージの送受信を行うようにしてもよい。この場合に、管理サーバ2は、ダイレクトメッセージの送信回数に上限を設定することができ、課金した場合に上限の設置を上げるようにしてもよい。
【0062】
また、管理サーバ2は、プロバイダから排出量情報の全てを閲覧できないようにし、管理サーバ2のオペレータがプロバイダ及び/又はユーザとのコミュニケーションを仲介するようにしてもよい。
【0063】
また、管理サーバ2は、ソリューション情報に、割引やサービスの追加などの提案を上乗せしてユーザ端末1に送信する機能を備えることができる。この場合、上記の提案は、プロバイダのユーザ端末1から指定を受け付けることができる。
【0064】
また、管理サーバ2は、ユーザからソリューション及び/又はプロバイダの評価値の入力を受け付けて、ソリューション及び/又はプロバイダごとに評価値を記憶する評価値記憶部を備えることができる。管理サーバ2は、評価値を集計し、ソリューション情報に、評価値の集計値を付帯させるようにしてもよい。
【0065】
また、管理サーバ2は、プロバイダからユーザの評価値の入力を受け付け、ユーザごとに評価値を記憶する評価値記憶部を備えることができる。管理サーバ2は、ソリューション及び/又はプロバイダの評価値を集計し、ソリューション情報に、評価値の集計値を付帯させるようにしてもよい。
【0066】
<ユーザーに可視化データの閲覧者数を表示する。>
また、管理サーバ2は、プロバイダに提供した排出量情報の数を、例えば、「プロバイダ○社が貴社のデータを閲覧しました。」というような、閲覧状況の情報をユーザに提供することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
【要約】 (修正有)
【課題】温室効果ガスの削減を支援することができるようにする情報処理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】管理サーバが、ユーザ端末と通信ネットワークを介して通信可能に接続される情報処理システムにおいて、管理サーバ2は、温室効果ガスを排出する排出主体のユーザから排出主体による温室効果ガスの排出量に関する排出量情報を取得する排出量情報取得部211と、排出量情報を、温室効果ガスの削減手段を提供するプロバイダに提供する排出量情報提供部212と、プロバイダから削減手段に関するソリューション情報を取得するソリューション情報取得部213と、ソリューション情報をユーザに提供するソリューション情報提供部214と、を備える。
【選択図】
図3