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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】積載位置指示装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20231207BHJP
   G01G 19/12 20060101ALI20231207BHJP
   G01G 19/03 20060101ALI20231207BHJP
   G06Q 10/083 20230101ALI20231207BHJP
【FI】
B65G61/00 546
B65G61/00 544
G01G19/12 A
G01G19/03
G06Q10/083
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019124606
(22)【出願日】2019-07-03
(65)【公開番号】P2021011328
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛士
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼森 徹示
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-043736(JP,A)
【文献】特開2018-162162(JP,A)
【文献】特開平06-323894(JP,A)
【文献】特開平03-162320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G01G 19/00-19/64
G06Q 10/083
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が配送すべき第一荷物及び第二荷物を含む複数の荷物の各配送先及び配送順を示す配送情報、前記各配送先における前記車両からの荷卸し方向を示す荷卸し情報、及び前記複数の荷物の各重量を示す荷物情報に基づいて、前記車両の荷台における前記複数の荷物の各積載位置を指示する積載指示情報を算出する算出部と、
算出された前記積載指示情報に基づいて、前記第一荷物の積載位置を指示する指示部と、
前記車両に加わる荷重を測定し、前記荷重が加わった位置を検出する荷重計測部と、
前記荷重計測部の計測結果に基づいて、前記第一荷物が、指示された前記積載位置に積載されたか否かを判断する判断部と、を備え、
前記指示部は、前記第一荷物が、指示された前記積載位置に積載されたと判断された場合、前記積載指示情報に基づいて、前記第二荷物の積載位置を指示し、
前記積載指示情報は、前記配送情報に含まれる前記複数の荷物の配送順、並びに、前記荷物情報に含まれる前記複数の荷物の各重量及び各種類に基づいて、前記複数の荷物を前記荷台に積載する順序を、さらに指示するものであって、前記第二荷物の積載位置を前記第一荷物の積載位置と同じ位置とすることで前記第二荷物を前記第一荷物の上に積載させる場合を含
前記指示部は、
前記車両の床に埋め込まれた複数の発光部のうち、前記積載位置を示す発光部の発光により前記積載位置を指示し、その後、
前記第一荷物が前記積載位置に積載されたと判断された場合には、前記発光部を消灯し、
前記第一荷物が前記積載位置に積載されていないと判断された場合には、前記第一荷物が前記積載位置に積載されたと判断されるまで前記発光部を点滅させる
ことを特徴とする積載位置指示装置。
【請求項2】
再配送の発生又は配送すべき荷物の追加により、前記配送情報、前記荷卸し情報、及び前記荷物情報が変更された場合、
前記算出部は、変更された前記配送情報に基づいて新たな配送ルートを検索し、変更された前記配送情報、前記荷卸し情報、及び前記荷物情報に基づいて、少なくとも変更に係る荷物の積載位置を指示する前記積載指示情報を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の積載位置指示装置。
【請求項3】
前記荷重計測部は、前記車両の走行中に前記車両に加わる荷重を測定し、
前記判断部は、前記荷重計測部の測定結果に基づいて、前記車両の重心位置を算出し、前記重心位置が規定範囲内でなければ、警告信号を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の積載位置指示装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記警告信号が生成された場合、前記車両の走行中の前記重心位置が前記規定範囲内となるよう、前記積載指示情報を算出し直す
ことを特徴とする請求項に記載の積載位置指示装置。
【請求項5】
前記車両に設けられた荷重センサを備え、
前記荷重計測部は、前記荷重センサの出力に基づいて、前記車両に加わる荷重を測定し、前記荷重が加わった位置を検出する
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の積載位置指示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載位置指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック等の車両による荷物の配送を行う宅配業者や運送業者等において、配送効率を向上することが望まれており、関連する技術が提案されている(例えば、特許文献1~3参照。)。特許文献1は、荷物の大きさ又は輸送温度を含む荷物情報を記憶した商品タグを荷物に取り付けておき、CPUが、商品タグから読み取った荷物情報に基づいて、荷台に搭載する位置を判断し指示する積荷積載位置管理方法を開示する。特許文献2は、車両の運行経路や、荷物の種類、重量等の車両の運行管理情報に基づいて作成された運行計画に従って、車両が運行しているかを、車両に搭載された車載装置との通信により管理する運行管理システムを開示する。特許文献3は、複数の部品メーカから各部品を一度に積載して完成品メーカに搬送するトラックの搬送ルートを算出する物流システムを開示する。また、トラック等の車両に積載した荷物の重量を計測することが行われている(例えば、特許文献4~6参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-265062号公報
【文献】特開2002-56488号公報
【文献】特開2004-59294号公報
【文献】特開2008-15991号公報
【文献】特開2006-318468号公報
【文献】特開2004-175556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、荷物の配送先によっては、指定された荷卸し場所において、車両の後方からしか荷卸しができない等、荷卸し方向が制限される場合がある。上記特許文献1においては車両が配送先に到着するとCPUが降ろす荷物を指示するが、仮に、指示された荷物が車両の前方に積載されていた場合に、到着した箇所の荷卸し方向が車両の後方からに制限されていると、その荷物の取り出しが困難になる場合がある。尚、特許文献2~6においても荷卸し方向は考慮されていない。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、配送先での荷卸し方向に応じて適切な位置に荷物を積載して、荷卸し作業の効率化を可能とする積載位置指示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る積載位置指示装置は、下記(1)~()を特徴としている。
(1) 車両が配送すべき第一荷物及び第二荷物を含む複数の荷物の各配送先及び配送順を示す配送情報、前記各配送先における前記車両からの荷卸し方向を示す荷卸し情報、及び前記複数の荷物の各重量を示す荷物情報に基づいて、前記車両の荷台における前記複数の荷物の各積載位置を指示する積載指示情報を算出する算出部と、
算出された前記積載指示情報に基づいて、前記第一荷物の積載位置を指示する指示部と、
前記車両に加わる荷重を測定し、前記荷重が加わった位置を検出する荷重計測部と、
前記荷重計測部の計測結果に基づいて、前記第一荷物が、指示された前記積載位置に積載されたか否かを判断する判断部と、を備え、
前記指示部は、前記第一荷物が、指示された前記積載位置に積載されたと判断された場合、前記積載指示情報に基づいて、前記第二荷物の積載位置を指示し、
前記積載指示情報は、前記配送情報に含まれる前記複数の荷物の配送順、並びに、前記荷物情報に含まれる前記複数の荷物の各重量及び各種類に基づいて、前記複数の荷物を前記荷台に積載する順序を、さらに指示するものであって、前記第二荷物の積載位置を前記第一荷物の積載位置と同じ位置とすることで前記第二荷物を前記第一荷物の上に積載させる場合を含
前記指示部は、
前記車両の床に埋め込まれた複数の発光部のうち、前記積載位置を示す発光部の発光により前記積載位置を指示し、その後、
前記第一荷物が前記積載位置に積載されたと判断された場合には、前記発光部を消灯し、
前記第一荷物が前記積載位置に積載されていないと判断された場合には、前記第一荷物が前記積載位置に積載されたと判断されるまで前記発光部を点滅させる
ことを特徴とする積載位置指示装置。
) 再配送の発生又は配送すべき荷物の追加により、前記配送情報、前記荷卸し情報、及び前記荷物情報が変更された場合、
前記算出部は、変更された前記配送情報に基づいて新たな配送ルートを検索し、変更された前記配送情報、前記荷卸し情報、及び前記荷物情報に基づいて、少なくとも変更に係る荷物の積載位置を指示する前記積載指示情報を算出する
ことを特徴とする上記(1)記載の積載位置指示装置。
) 前記荷重計測部は、前記車両の走行中に前記車両に加わる荷重を測定し、
前記判断部は、前記荷重計測部の測定結果に基づいて、前記車両の重心位置を算出し、前記重心位置が規定範囲内でなければ、警告信号を生成する
ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の積載位置指示装置。
) 前記算出部は、前記警告信号が生成された場合、前記車両の走行中の前記重心位置が前記規定範囲内となるよう、前記積載指示情報を算出し直す
ことを特徴とする上記()に記載の積載位置指示装置。
) 前記車両に設けられた荷重センサを備え、
前記荷重計測部は、前記荷重センサの出力に基づいて、前記車両に加わる荷重を測定し、前記荷重が加わった位置を検出する
ことを特徴とする上記(1)~()のいずれか一に記載の積載位置指示装置。
【0007】
上記(1)の構成の積載位置指示装置によれば、配送情報に荷卸し情報を加味して各荷物の積載位置が算出され、作業者に指示されることにより、配送先での荷卸し方向に応じて適切な位置に各荷物を積載することができる。また、正しい積載位置に一つ目の荷物(第一荷物)が積載された場合に次の荷物(第二荷物)の積載位置が指示されるため、荷物を適切な積載位置に確実に積載できる。よって、荷卸し作業の効率化が可能となる。このため、荷卸し作業の時間が短縮され、作業者(運転者)の負担を軽減できる。さらに、各荷物の積載位置が荷物情報を考慮して決定されるため、荷物の重さに偏りがないよう積載バランスを最適化でき、車両の安定した走行(安全運転)が可能となる。
【0008】
更に、上記()の構成の積載位置指示装置によれば、荷物Bが荷物Aよりも先に配送される場合には荷物Aの上に荷物Bを置くというように、鉛直方向における積載位置も指示することができるため、荷卸し作業の効率及び積載バランスを一層向上できる。
【0009】
更に、上記()の構成の積載位置指示装置によれば、通信端末もしくは表示部での表示、発光部の発光、照明部の照明、音声出力の少なくともいずれか一により、積載位置を指示できる。
【0010】
上記()の構成の積載位置指示装置によれば、再配送の発生又は荷物の追加の指示があった場合、新たな配送ルート及び積載指示情報を算出することにより、当初の運送予定が変更された場合であっても、配送先での荷卸し方向に応じて適切な位置に、再配送すべき又は追加された荷物を積載することができる。よって、荷卸し作業の効率化が可能となる。
【0011】
上記()の構成の積載位置指示装置によれば、走行中に積載バランスを算出し、規定範囲外の場合に警告信号を生成することにより、走行中の荷崩れ/荷ずれ発生の可能性を作業者等に把握させることができる。
【0012】
上記()の構成の積載位置指示装置によれば、走行中に積載バランスを検知することで、車の傾きによる荷崩れを防止して、安全運転が可能となる。
【0013】
上記()の構成の積載位置指示装置によれば、車両に設けられた荷重センサによって、車両に加わる荷重を直接測定できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配送先での荷卸し方向に応じて適切な位置に荷物を積載して、荷卸し作業の効率化を可能とする。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態の積載位置指示装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、荷重センサの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、積載位置指示装置を搭載した車両の構成例を表す図であり、図3(a)、図3(b)、及び図3(c)は、それぞれ正面図、右側面図、及び底面図である。
図4図4は、積載位置指示装置における、積載指示情報の算出動作例を表すフローチャートである。
図5図5は、配送先の荷卸し情報の一例を示す図である。
図6図6は、積載位置指示方法の一例を示す図であり、図6(a)は床LEDによる指示例、図6(b)はスポットライトによる指示例、図6(c)携帯通信端末の表示部による指示例、図6(d)は表示部による指示例を示す。
図7図7は、積載位置指示装置における荷積み動作例を表すフローチャートである。
図8図8は、積載位置指示装置における再配送動作例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態の積載位置指示装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示す積載位置指示装置1は、トラック車両(以下「車両」と称する。)41(図3参照)に搭載され、電子制御装置10を備えている。また、この電子制御装置10に積載指示制御装置19、記録カード21、警報出力部22、車両電源23、無線通信部24、4つの荷重センサ25A~25D、3つの傾斜センサ26A~26C、および設定用パソコン27が接続されている。また、積載指示制御装置19に床LED・スポットライト20(図6(a),図6(b)参照)が接続されている。
【0019】
また、電子制御装置10は、旋回加速度検出部11、本体メモリ12、外部出力I/F
(インタフェース)13、警報出力部14、表示部15、制御部16、電源部17、および入出力I/F18を備えている。
【0020】
記録カード21は、電子制御装置10に対して着脱自在な不揮発性のメモリカードであり、運転者毎に個別に用意される。この記録カード21は、荷物(積載物)を輸送する車両41の運行記録情報を記録するために利用できる。運行記録情報は、車両41の現在位置、時刻、車速、旋回加速度、各車輪位置の荷重、各軸の傾斜角度などの情報を含む。また、この記録カード21は、後述する、配送情報(配送先情報、配送ルート情報)、荷卸し情報(図5参照)、車両41の車種情報、車両41が輸送する荷物(積載物)に関する荷物情報(積載物情報)、および積載位置指示方法情報を記録することができる。
【0021】
警報出力部22は、荷物の異常に関連する警報を、表示、警報音、文字情報などの形態で自車両の運転手や管理者などに報知するために利用される。
車両電源23は、車両に搭載されているバッテリーなどの電源であり、電子制御装置10等の車載器に対して所定の直流電力を供給することができる。
【0022】
無線通信部24は、無線基地局を介して、インターネット等の通信ネットワークに接続した携帯通信端末28や図示しない事務所PCと無線通信を行う。事務所PCは、車両41の運行を管理する企業等の事務所内に設置され、車両41の運行管理や各運転手の労務管理、安全管理などの用途で使用される。
【0023】
荷重センサ25A、25B、25C、および25Dは、それぞれ、前方左側(FL)、
前方右側(FR)、後方左側(RL)、および後方右側(RR)の各位置の車輪を支持するサスペンションに加わる荷重の大きさを計測できるように設置されている。
【0024】
傾斜センサ26Aは、前方左側の車輪回転軸と、前方右側の車輪回転軸との間を結ぶ軸(前輪側車軸)の水平方向に対する傾斜角度の大きさを検出できる位置に設置されている。また、傾斜センサ26Bは、後方左側の車輪回転軸と、後方右側の車輪回転軸との間を結ぶ軸(後輪側車軸)の水平方向に対する傾斜角度の大きさを検出できる位置に設置されている。また、傾斜センサ26Cは、前輪側車軸と後輪側車軸とを結ぶ軸(前後方向車軸)の水平方向に対する傾斜角度の大きさを検出できる位置に設置されている。
【0025】
設定用パソコン27は、電子制御装置10に対して接続可能な汎用コンピュータであり、電子制御装置10に対して、後述する、配送情報(配送先情報、配送ルート情報)、荷卸し情報、車両41の車種情報、車両41が輸送する荷物(積載物)に関する荷物情報(積載物情報)、および積載位置指示方法情報を設定するためのものである。
【0026】
旋回加速度検出部11は、自車両の旋回時に荷物等に加わる水平面内の加速度の方向および大きさを表す電気信号を出力できる。
本体メモリ12は、事前に定めた各種定数データや電子制御装置10の動作に必要なプログラムが書き込まれた不揮発性メモリ(EEPROMなど)と、一時データを保持するためのメモリ(RAM)とを備えている。
【0027】
外部出力I/F13は、制御部16が記録カード21のデータにアクセスするための信号処理と、積載指示制御装置19および警報出力部22への信号出力のための制御を実施する。
警報出力部14は、電子制御装置10に内蔵された警報ランプやブザーなどを用いて異常の発生を運転手に報知するために利用される。
【0028】
表示部15は、自車両の運転手の位置から視認が容易な状態で配置された平面ディスプレイを備えている。この平面ディスプレイの二次元画面に、カラー画像や文字情報などを必要に応じて表示できる。本実施形態では、本体メモリ12に記録された配送ルートを、地図データ上に重ねた経路表示画像を二次元画面に表示できる。また、表示部15は、荷物の積載位置を表示(座標表示)できる。
【0029】
制御部16は、マイクロコンピュータを主体とする電子回路により構成され、事前に用意されたプログラムを実行することにより、電子制御装置10に必要とされる各種の制御機能を実現する。
【0030】
電源部17は、車両電源23から供給される電力に基づいて、安定した直流電力を生成し、この直流電力を電子制御装置10内部の各回路と、荷重センサ25A~25Dおよび傾斜センサ26A~26Cへ電源として供給する。
入出力I/F18は、無線通信部24、荷重センサ25A~25D、傾斜センサ26A~26C等の各信号を制御部16に入力するための信号処理を実施する。
【0031】
図2は、荷重センサ25の構成例を示すブロック図である。図1中に示した荷重センサ25A~25Dのそれぞれが図2の荷重センサ25に相当する。
【0032】
図2に示すように、この荷重センサ25は歪み検出素子31、専用IC(ASIC)32、V/F変換回路33、MCU(マイクロコントローラ)34、入出力I/F35、および電源回路36を内蔵している。
【0033】
歪み検出素子31は、これが設置されている箇所に加わる荷重により生じる歪み量を検出する。専用IC32は、歪み検出素子31が検出した歪み量、すなわち荷重に相当する電圧(V)の電気信号を生成する。V/F変換回路33は、専用IC32が出力する信号の電圧変化を周波数(F)の変化に変換する。具体的には、V/F変換回路33が出力するパルス信号の周波数が、歪み検出素子31に加わった荷重に相当する。
【0034】
MCU34は、V/F変換回路33が出力するパルス信号の周波数に基づいて、検出された荷重の大きさを表すデータを生成する。MCU34が生成した荷重の検出データは、
入出力I/F35を経由して電子制御装置10に入力される。
【0035】
図3は、積載位置指示装置を搭載した車両の構成例を表す図であり、図3(a)、図3(b)、及び図3(c)は、それぞれ正面図、右側面図、及び底面図である。
【0036】
図3(a)に示した例では、車両41の運転席の近傍に電子制御装置10および無線通信部24が設置されている。電子制御装置10に接続された4つの荷重センサ25A、25B、25C、および25Dは、それぞれ、左前方の車輪44A、右前方の車輪44B、左後方の車輪44C、および右後方の車輪44Dの近傍に設置されている。また、電子制御装置10に接続された積載指示制御装置19は、荷台42の上部に設置されている。
【0037】
また、傾斜センサ26Aは前方側の車軸43A近傍に設置され、傾斜センサ26Bは後方側の車軸43B近傍に設置されている。傾斜センサ26Cは、車軸43A、43Bの中間位置に設置されている。つまり、傾斜センサ26Aは横方向の前方車軸43Aの傾斜角度を検出し、傾斜センサ26Bは横方向の後方車軸43Bの傾斜角度を検出し、傾斜センサ26Cは前後方向の車軸の傾斜角度を検出する。
【0038】
車両41の荷台42の内部空間には、様々な荷物が積載される。荷物の積載状況に応じて、各車輪44C、44D等の位置における荷重が変動する。制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力に基づいて、車両41に加わる荷重を測定し、荷重が加わった位置を検出する。すなわち、制御部16は、荷台42に積載された荷物の重量および荷台42のいずれの箇所に荷物が積載されたかを検出できる。また、各位置の荷重のバランスに応じて、車軸43Aの傾斜角度、車軸43Bの傾斜角度、および前後方向の車軸の傾斜角度が変動する。したがって、荷重センサ25A~25Dの出力及び傾斜センサ26A~26Cの出力に基づいて、荷台42に積載された荷物の重心位置(荷台42の積載バランス)を算出できる。
【0039】
図4は、積載位置指示装置1における、積載指示情報の算出動作例を表すフローチャートである。電子制御装置10に対して、(1)設定用パソコン27を接続、(2)記録カード21によるローディング、又は、(3)携帯通信端末28、事務所PC等との無線通信部24を介した通信、のいずれかを実施することにより、積載指示情報の算出に必要な各種情報が制御部16に読み込まれる。そして、各種情報が本体メモリ12に記憶され、図4の処理が実行される。
【0040】
制御部16は、本体メモリ12から、複数の荷物の配送先、配送順、および配送ルートを示す配送情報を読み込んで設定する(S1)。制御部16は、配送先の荷卸し情報を本体メモリ12から読み込んで設定する(S2)。図5は、配送先の荷卸し情報の一例を示す図である。図5に示すように、荷卸し情報は、車両41の前方方向に対して、荷台42の後側(車両41の後方側)、左側、または右側のいずれの方向からの荷卸しが可能かを示すものであり、配送先ごとに荷卸し情報が定められている。
【0041】
制御部16は、車両41の車種情報を本体メモリ12から読み込んで設定する(S3)。車種情報は、車両41の車両情報(車種、荷台の大きさ)に加え、車両41の運転者を特定する情報(運転者ID)を含む。
制御部16は、車両41が配送する各荷物(積載物)に関する荷物情報(積載物情報)を本体メモリ12から読み込んで設定する(S4)。積載物情報は、各荷物の重量、サイズ、種類を含む。
【0042】
制御部16は、積載位置を指示する方法を指定する積載位置指示方法情報を本体メモリ12から読み込んで設定する(S5)。積載位置指示方法情報は、荷物の積載位置を、床LEDの発光、スポットライトによる照明、携帯通信端末28の表示部における表示、または表示部15における表示のいずれによるものかを示すものである。
【0043】
図6は、積載位置指示方法の一例を示す図であり、図6(a)は床LEDによる指示例、図6(b)はスポットライトによる指示例、図6(c)は携帯通信端末の表示部による指示例、図6(d)は表示部による指示例を示す。図6に示す例では、荷台42を図6(d)に示すように四つの領域に分割し、いずれの領域に荷物を積載するかを指示している。図6(a)の例では、荷台42の床の各領域内(例えば四隅のそれぞれ)に、LED(発光部、床LED・スポットライト20)が埋め込まれており、LEDL1(床LED・スポットライト20)を発光させることにより、LEDL1が埋め込まれた箇所の近傍(領域)が、荷物の積載位置として指示されている。
【0044】
図6(b)の例では、荷台42の天井又は壁に、荷台42の床の各領域を照明するスポットライト(照明部、床LED・スポットライト20)が設けられており、ライトL2が照射されている箇所(領域)が、荷物の積載位置として指示されている。図6(c)の例では、積載位置指示装置1と無線通信可能な携帯通信端末28(スマートフォン、タブレット等)の表示部の画面D1に、車両41(荷台42)のイメージが表示されており、強調表示P1された領域が、荷物の積載位置として指示されている。図6(d)の例では、表示部15の画面D2に、車両41(荷台42)のイメージと各領域の座標が表示されており、吹出表示P2により座標「B・2」で示される領域が、荷物の積載位置として指示されている。尚、図6(c)および図6(d)は表示による指示の一例であり、例えば、荷物を特定する情報とその荷物の積載位置を指示する情報とを同一画面に表示する、等、他の表示による指示をしてもよい。また、図6(a)~(d)に示した指示方法に代えて、又はこれらとともに、音声出力によって積載位置を指示してもよい。
【0045】
図4に戻り、制御部16は、S1~S4で設定した情報に基づき、各荷物(各積載物)の積載位置および積載順(積載指示情報)を計算し、本体メモリ12に記憶させる(S6)。制御部16は、S1~S4で設定した情報に基づき、各荷物を荷台42のどの位置に置けば、荷卸し作業を効率化できるか、また、荷物の重さに偏りがないか、を総合的に計算する。
【0046】
制御部16は、配送情報に荷卸し情報を加味して各荷物の積載位置を算出するため、配送先毎に指定された荷卸し方向に応じて適切な位置を各荷物の積載位置とすることができる。また、制御部16は、各荷物の配送順や荷物情報(重量、サイズ、種類等)に基づいて、積載順の指示を含めた積載指示情報を算出するため、荷台42の鉛直方向における積載位置も指示に含めることができる。例えば、荷物Aを先に積載した後に荷物Bを同じ位置に積載するよう指示することで、荷物Aよりも先に配送される荷物Bを荷物Aの上に積載させることができる。また、特に慎重に扱うべき荷物の上には他の荷物を積載しない、あるいは、重い荷物の上にその荷物よりも軽い荷物を積載させることができる。このように、荷台42の鉛直方向における積載位置を指示することができる。このため、荷卸し作業の効率及び積載バランスを一層向上できる。
【0047】
図7は、積載位置指示装置1における荷積み動作例を表すフローチャートである。図7に示す処理は、電子制御装置10の制御部16および積載指示制御装置19が協同して実行する。作業者(運転者)が車両41への荷積み作業を開始する際、制御部16は、例えば電子制御装置10の荷積みボタンが押下されたことを検知して、荷積み作業の開始を認識する(S11)。制御部16は、設定された積載位置指示方法が携帯通信端末28での表示、表示部15での表示、または床LED・スポットライト20の点灯のいずれによるものであるかを判断する(S12)。
【0048】
積載指示制御装置19は、積載指示方法が携帯通信端末28での表示によるものである場合、荷積みする荷物(積載物)を示す情報を、例えば「荷物A」のように、無線通信部24を介して携帯通信端末28の表示部に表示させるよう指示する(S13)。次に積載指示制御装置19は、荷物(指示物)の積載位置(指定位置)を、図6(c)に示すように画面D1に表示させて指示する(S14)。制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力に基づいて、作業者によって荷物(指示物)が荷台42に積載されたことを検知する(S15)。制御部16は、荷重センサ25A~25Dから、確定した荷重データを電子制御装置10へ送信させる(S16)。
【0049】
制御部16は、受信した荷重データに基づいて、荷物が指定位置に積載されたか否かを判断し(S17)、YESであれば携帯通信端末28の表示部に「OK」と表示させる(S18)。制御部16は、積載すべき次の荷物(積載物)がないか判断し(S19)、NOの場合、S13の処理に戻って、次の荷物について積載指示を行い、YESの場合、本処理を終了する。
【0050】
一方、S17でNOの場合、すなわち、荷物が指定位置に積載されていない場合、制御部16は、携帯通信端末28の表示部に、指定位置が正しくない旨を示す警告を表示させる(S20)。そして、作業者によって荷物の積載位置(荷積み位置)が調整されると、制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力に基づいて、荷積み位置が変更されたことを検知し(S21)、S16の処理に戻る。
【0051】
S12に戻り、積載指示方法が積載位置指示装置1の表示部15での表示によるものである場合、積載指示制御装置19は、荷積みする荷物(積載物)を示す情報を、例えば「荷物A」のように、表示部15に表示させて指示する(S31)。次に積載指示制御装置19は、荷物(指示物)の積載位置(指定位置)を、図6(d)に示すように表示部15の画面D2に表示させて指示する(S32)。制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力に基づいて、作業者によって荷物(指示物)が荷台42に積載されたことを検知する(S33)。制御部16は、荷重センサ25A~25Dから、確定した荷重データを電子制御装置10へ送信させる(S34)。
【0052】
制御部16は、受信した荷重データに基づいて、荷物が指定位置に積載されたか否かを判断し(S35)、YESであれば表示部15に「OK」と表示させる(S36)。制御部16は、積載すべき次の荷物(積載物)がないか判断し(S37)、NOの場合、S31の処理に戻って、次の荷物について積載指示を行い、YESの場合、本処理を終了する。
【0053】
一方、S35でNOの場合、すなわち、荷物が指定位置に積載されていない場合、制御部16は、表示部15に、指定位置が正しくない旨を示す警告を表示させる(S38)。そして、作業者によって荷物の積載位置(荷積み位置)が調整されると、制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力に基づいて、荷積み位置が変更されたことを検知し(S39)、S34の処理に戻る。
【0054】
再度S12に戻り、積載指示方法が床LED・スポットライト20の点灯によるものである場合、積載指示制御装置19は、荷積みする荷物(積載物)の順番を示す指示書を、電子制御装置10に接続された、図示しない印字器に印字させる(S51)。次に積載指示制御装置19は、荷物(指示物)の積載位置(指定位置)を、図6(a)、図6(b)に示すように、床LEDを発光させるかスポットライトを点灯させて指示する(S52)。制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力に基づいて、作業者によって荷物(指示物)が荷台42に積載されたことを検知する(S53)。制御部16は、荷重センサ25A~25Dから、確定した荷重データを電子制御装置10へ送信させる(S54)。
【0055】
制御部16は、受信した荷重データに基づいて、荷物が指定位置に積載されたか否かを判断し(S55)、YESであれば床LED・スポットライト20を消灯させる(S56)。制御部16は、積載すべき次の荷物(積載物)がないか判断し(S57)、NOの場合、S51の処理に戻って、次の荷物について積載指示を行い、YESの場合、本処理を終了する。
【0056】
一方、S55でNOの場合、すなわち、荷物が指定位置に積載されていない場合、制御部16は、床LED・スポットライト20を点滅させて、指定位置が正しくない旨を示す警告を行う(S58)。そして、作業者によって荷物の積載位置(荷積み位置)が調整されると、制御部16は、荷重センサ25A~25Dの出力に基づいて、荷積み位置が変更されたことを検知し(S59)、S54の処理に戻る。
【0057】
S19およびS37において、次の荷物がない場合、すなわち、すべての荷物の積載が終了した場合、制御部16は、携帯通信端末28の表示部または表示部15に、荷積み終了を示す表示をさせてもよい。また、制御部16は、積載位置指示装置1の荷積み終了ボタンが押下された場合に荷積み終了を認識してもよいし、車両41が走行を開始したことを検知して荷積み終了を認識してもよい。
【0058】
図7に示したように、積載指示制御装置19が、積載指示情報に示される順番にしたがって、各荷物の積載位置を指示し、一つ目の荷物が正しい積載位置に積載されなかった場合には警告が出され、正しい積載位置に積載された場合に次の荷物の積載位置が指示される。このため、各荷物を適切な積載位置に確実に積載できる。
【0059】
尚、S17、S35、およびS55において、制御部16は、荷物が指定位置に積載したか否かを判断するのに加え、登録されている荷物情報(重量)に基づいて、荷物がS13で指示された荷物であるか否かをさらに判断することにより、より確実に、荷物を正しい位置に積載できる。
【0060】
図8は、積載位置指示装置1における再配送動作例を表すフローチャートである。車両41が配送先に到着したものの不在のため荷物を引き渡せない等、再配送が発生する場合がある。この場合には、積載位置指示装置1が配送ルートを再検索し、再配送の対象となる荷物について、積載位置を再計算する。図8の処理は、電子制御装置10の制御部16および積載指示制御装置19が協同して実行する。
【0061】
制御部16は、例えば作業者によるボタン操作や事務所からの指示を受信することにより、再配送の発生を検知すると(S61)、荷物の配送ルートを再検索する(S62)。また、制御部16は、再配送の対象となる荷物について、荷卸し情報、配送順、荷物情報、および現在の荷台42の状況(荷台42に積載された荷物の重心位置)に基づいて、積載位置を計算する。その後、この積載位置が積載指示制御装置19によって指示される。図8のS63~S72の各処理は、図7のS12~S21の各処理と同様である。図8のS81~S89の各処理は、図7のS31~S39の各処理と同様である。図8のS91~S98の各処理は、図7のS52~S59の各処理と同様である。
【0062】
図8は、再配送が発生した場合の動作例を示すが、例えば、事務所より荷物の追加の指示があった場合にも、同様に、追加された荷物について、適切な積載位置が算出、指示される。このように、再配送の発生又は荷物の追加の指示があった場合、積載位置指示装置1が新たな配送ルート及び積載指示情報を算出する。このため、当初の運送予定が変更された場合であっても、配送先での荷卸し方向に応じて適切な位置に、再配送すべき又は追加された荷物を積載することができるので、荷卸し作業の効率化が可能となる。尚、電子制御装置10は、電子制御装置10に設定用パソコン27を接続することで事務所からの指示(再配送、荷物の追加)を取得しもよいし、広域通信により携帯通信端末28に送信された指示を、無線通信部24を介して取得してもよい。
【0063】
また、制御部16は、車両41の走行中に荷台42の積載バランスを検知することで、車両41の傾きによる荷崩れを防止できる。すなわち、制御部16は、車両41の走行中に、荷重センサ25A~25Dの出力及び傾斜センサ26A~26Cの出力に基づいて、荷台42に積載された荷物の重心位置を算出する。そして算出した重心位置が、予め定めた規定範囲内でない場合、制御部16は警告信号を生成し、警報出力部14,22から警報を出力して、運転者(作業者)に荷崩れ/荷ずれ発生の可能性を把握させることができる。例えば、荷台42の積載物が明らかにバランスを失い、積載位置を変更しないと危険な場合には警報が出され、作業者は即座に危険性を把握できる。
【0064】
警告信号が生成された場合、制御部16は、走行中の重心位置が規定範囲内となるよう、積載指示情報を算出し直す。例えば、制御部16は、荷物情報、配送順、重心位置等の情報に基づいて、荷台42に積載されている荷物のうち、動かしやすい荷物の位置を変更して、重心位置が荷台42の内部空間において、車幅方向における中央かつ下方に近づくように、積載指示情報を算出する。積載指示装置1は、図8のS63~S89の処理と同様にして、携帯通信端末28の表示部又は表示部15に対して、位置変更対象の荷物および新たな積載位置を指示し、当該荷物を積載させる。尚、荷物にICタグを取り付けておくことにより、位置変更対象の荷物を特定し、床LED/スポットライト20によってその荷物の新たな積載位置を指示することができる。
【0065】
このように、積載バランスを検知し、荷崩れの可能性がある場合には、荷物の積載位置を変更することで、車両41が傾いても安全運転を継続できる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の積載位置指示装置1によれば、配送情報に荷卸し情報を加味して各荷物の積載位置が算出され、作業者に指示されることにより、配送先での荷卸し方向に応じて適切な位置に各荷物を積載することができる。また、正しい積載位置に一つ目の荷物(第一荷物)が積載された場合に次の荷物(第二荷物)の積載位置が指示されるため、荷物を適切な積載位置に確実に積載できる。よって、荷卸し作業の効率化が可能となる。このため、荷卸し作業の時間が短縮され、作業者(運転者)の負担を軽減できる。さらに、各荷物の積載位置が荷物情報を考慮して決定されるため、荷物の重さに偏りがないよう積載バランスを最適化でき、車両の安定した走行(安全運転)が可能となる。
【0067】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。例えば、前述した実施形態では、積載位置指示装置1が傾斜センサ26A~26Cを含むが、傾斜センサ26A~26Cは必須の構成ではなく、荷重センサ25A~25Dのみから積載バランスを検知してもよい。
【0068】
また、前述した実施形態では、積載位置指示装置1(電子制御装置10)が車両41に搭載される例を示したが、少なくとも、積載指示情報の算出、積載位置の指示、および積載位置が正しいかの判断に関わる構成は、事務所PCや他の通信端末に設けられてもよい。また、再配送等の場合における配送ルートの再検索は、電子制御装置10ではなく事務所PCや携帯通信端末28等で行い、再検索された配送ルートの情報を積載位置指示装置1(電子制御装置10)に送るようにしてもよい。
【0069】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る積載位置指示装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両(41)が配送すべき第一荷物及び第二荷物を含む複数の荷物の各配送先及び配送順を示す配送情報、前記各配送先における前記車両からの荷卸し方向を示す荷卸し情報、及び前記複数の荷物の各重量を示す荷物情報に基づいて、前記車両の荷台における前記複数の荷物の各積載位置を指示する積載指示情報を算出する算出部(制御部16、S6)と、
算出された前記積載指示情報に基づいて、前記第一荷物の積載位置を指示する指示部(積載指示制御装置19、S13、S31、S52)と、
前記車両に加わる荷重を測定し、前記荷重が加わった位置を検出する荷重計測部(制御部16、S16、S34、S54)と、
前記荷重計測部の計測結果に基づいて、前記第一荷物が、指示された前記積載位置に積載されたか否かを判断する判断部(制御部16、S17,S35、S55)と、を備え、
前記指示部は、前記第一荷物が、指示された前記積載位置に積載されたと判断された場合、前記積載指示情報に基づいて、前記第二荷物の積載位置を指示する
ことを特徴とする積載位置指示装置(1)。
[2] 前記積載指示情報は、前記複数の荷物を前記荷台に積載する順序を、さらに指示するものである
ことを特徴とする上記[1]に記載の積載位置指示装置。
[3] 前記指示部は、
当該積載位置指示装置と通信可能な通信端末(携帯通信端末28)の表示部もしくは前記車両に搭載された表示部(15)における表示、
前記車両の床に埋め込まれた複数の発光部(床LED・スポットライト20)のうち、前記積載位置を示す発光部の発光、
前記車両内に設けられた照明部(床LED・スポットライト20)を点灯させることによる前記積載位置の照明、および、
音声出力部からの音声出力、
の少なくともいずれか一により前記積載位置を指示する
ことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の積載位置指示装置。
[4] 再配送の発生又は配送すべき荷物の追加により、前記配送情報、前記荷卸し情報、及び前記荷物情報が変更された場合、
前記算出部は、変更された前記配送情報に基づいて新たな配送ルートを検索し、変更された前記配送情報、前記荷卸し情報、及び前記荷物情報に基づいて、少なくとも変更に係る荷物の積載位置を指示する前記積載指示情報を算出する
ことを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか一に記載の積載位置指示装置。
[5] 前記荷重計測部は、前記車両の走行中に前記車両に加わる荷重を測定し、
前記判断部は、前記荷重計測部の測定結果に基づいて、前記車両の重心位置を算出し、前記重心位置が規定範囲内でなければ、警告信号を生成する
ことを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか一に記載の積載位置指示装置。
[6] 前記算出部は、前記警告信号が生成された場合、前記車両の走行中の前記重心位置が前記規定範囲内となるよう、前記積載指示情報を算出し直す
ことを特徴とする上記[5]に記載の積載位置指示装置。
[7] 前記車両に設けられた荷重センサ(25)を備え、
前記荷重計測部は、前記荷重センサの出力に基づいて、前記車両に加わる荷重を測定し、前記荷重が加わった位置を検出する
ことを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか一に記載の積載位置指示装置。
【符号の説明】
【0070】
10 電子制御装置
11 旋回加速度検出部
12 本体メモリ
13 外部出力I/F
14 警報出力部
15 表示部
16 制御部
17 電源部
18 入出力I/F
19 積載指示制御装置
20 床LED・スポットライト
21 記録カード
22 警報出力部
23 車両電源
24 無線通信部
25,25A~25D 荷重センサ
26A~26C 傾斜センサ
27 設定用パソコン
28 携帯通信端末
31 歪み検出素子
32 AISC(専用IC)
33 V/F変換回路
34 MCU
36 電源回路
41 車両
42 荷台
43A 前方車軸
43B 後方車軸
44A~44D 車輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8