(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ブラケット
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20231207BHJP
E03D 9/08 20060101ALI20231207BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H05K5/02 E
E03D9/08 A
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2019198630
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大岩 幹生
(72)【発明者】
【氏名】井戸田 育哉
(72)【発明者】
【氏名】辻 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】山下 智弘
(72)【発明者】
【氏名】広田 義人
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-083086(JP,A)
【文献】特開2001-327427(JP,A)
【文献】実開平06-067576(JP,U)
【文献】特開2005-244078(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000025(US,A1)
【文献】特開2019-082010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
E03D 9/08
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトイレ用リモコン装置の相対的な位置を変更して、前記複数のトイレ用リモコン装置を壁面に固定可能であ
り、
前記複数のトイレ用リモコン装置と係合する中継ホルダと、前記中継ホルダを直接に保持し、壁面に固定される壁付ホルダと、を備え、
前記中継ホルダは左右反転して前記複数のトイレ用リモコン装置と係合可能であり、
前記中継ホルダは前記壁付ホルダと係合し、
前記中継ホルダに係合する前記複数のトイレ用リモコン装置の形状は、互いに異なる、ブラケット。
【請求項2】
前記中継ホルダは、前記複数のトイレ用リモコン装置のみと係合する、請求項
1に記載のブラケット。
【請求項3】
前記壁付ホルダは、前記複数のトイレ用リモコン装置の少なくともいずれかを前記壁付ホルダに固定可能である、請求項
1又は2に記載のブラケット。
【請求項4】
前記複数のトイレ用リモコン装置は、第1のリモコン装置と、第2のリモコン装置と、からなり、
前記壁付ホルダは、前記中継ホルダを介さずに、前記複数のトイレ用リモコン装置のうち前記第1のリモコン装置のみと係合可能である、請求項1~3いずれかに記載のブラケット。
【請求項5】
前記壁付ホルダは、前記複数のトイレ用リモコン装置の少なくともいずれかを固定する、長孔状に形成された固定孔を有する、請求項
1~4いずれかに記載のブラケット。
【請求項6】
請求項1~
5いずれかに記載のブラケットを備えるトイレ装置。
【請求項7】
前記複数のトイレ用リモコン装置の少なくともいずれかは、トイレ本体に収容可能な、請求項
6に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
壁面にリモコン装置を固定するブラケットが知られている。このようなブラケットとして、リモコン装置以外に、他の電子機器の取り付けが可能である壁付ホルダが知られている(例えば、後述の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
壁面に複数のリモコン装置等を固定して取り付ける場合、複数のリモコン装置等の配置を変更できることが好ましい。例えば、複数のリモコン装置が配置される壁面を変更する等、使用者のニーズに応じ、複数のリモコン装置の配置を変更できることが好ましい。しかし、複数のリモコン装置の相対的な位置を変更して壁面に固定できるようなブラケットは従来開示されていない。
【0005】
本開示は、複数のリモコン装置の相対的な位置を変更して壁面に固定できるブラケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、複数のトイレ用リモコン装置の相対的な位置を変更して、前記複数のトイレ用リモコン装置を壁面に固定可能である、ブラケットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態のブラケットが配置されるトイレ装置を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図3】第1実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図4】第1実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図5】第2実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図6】第2実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図7】第2実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図8】第3実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図9】第3実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【
図10】第3実施形態のブラケットを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、トイレ装置100は、トイレ本体1と、第1リモコン装置20と、第2リモコン装置21と、ブラケット30と、を含む。ブラケット30は、複数のリモコン装置である第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21を、例えばトイレ本体1が設けられるトイレ装置100の壁面Wに固定する。トイレ本体1は、便座10と、便蓋11と、便器12と、トップカバー13と、収容部14と、を備える。収容部14には、第2リモコン装置21が収容可能である。上記以外に、トイレ本体1には、便器洗浄装置や使用者の局部を洗浄するシャワーノズル等が設けられる(図示省略)。
【0009】
第1リモコン装置20は、トイレ本体1の各種機能を遠隔操作可能な、略直方体形状を有するトイレ用リモコン装置である。第1リモコン装置20は、トイレ本体1や第2リモコン装置21に赤外線通信やBLE(登録商標)等の通信方式で情報を送信し、各種機能を遠隔操作する。上記各種機能は、例えば便器洗浄機能や局部洗浄機能等、トイレ本体1の使用者の使用頻度の高い機能である。
図2に示すように、第1リモコン装置20の上面には操作部201が設けられ、前面には操作部202が設けられる。操作部201及び202は、複数の操作ボタンにより構成される。
【0010】
第2リモコン装置21は、第1リモコン装置20と同様、トイレ本体1の各種機能を遠隔操作可能な、略直方体形状を有するトイレ用リモコン装置である。第2リモコン装置21で操作可能なトイレ本体1の機能は、例えば、シャワーノズルから噴出される水の水温調整機能や、便座10の温度調整機能等、トイレ本体1の使用者の使用頻度の低い機能である。
図2等に示すように、第2リモコン装置21の前面には操作部211及び表示部212が設けられる。操作部211は、複数の操作ボタンにより構成される。表示部212は、文字や記号を表示可能な、例えば液晶ディスプレイである。第2リモコン装置21は、第1リモコン装置20と高さ方向及び奥行方向の長さが略同一である。第2リモコン装置21は、第1リモコン装置20よりも幅方向の長さが短く、例えば半分以下の長さである。第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21は、壁面Wに強固に固定可能であり、固定された状態で操作が行いやすい。
【0011】
[第1実施形態]
第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21は、ブラケット30によって壁面W等の取付面に固定される。ブラケット30は、
図2に示すように、第1リモコン装置20が左側、第2リモコン装置21が右側になるように、これらリモコン装置を配置して固定できる。同様に、
図3に示すように、第1リモコン装置20が右側、第2リモコン装置21が左側になるように配置して固定できる。即ち、ブラケット30は、第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21を相対的な位置を変更して固定できる。
図4は、
図2の配置状態を背面側から見た分解斜視図である。
【0012】
第1リモコン装置20と、第2リモコン装置21は、
図4に示すように、背面側にそれぞれ係合溝203a、203b、203c、203dと、213a、213bとが形成される。係合溝203a、203b、213a、213bは、後述する中継ホルダ31に形成される係合爪と係合可能である。第1リモコン装置20の係合溝203c、203dは、後述する壁付ホルダ32に形成される係合爪と係合可能である。係合溝203a、203b、203c、203dと、213a、213bは、上下方向に延びて形成される溝であり、下端が開口し、上端は閉口している。
【0013】
ブラケット30は、
図2、
図3、
図4に示すように、中継ホルダ31及び壁付ホルダ32からなる。第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21は、中継ホルダ31及び壁付ホルダ32を介し、壁面等の取付面に固定される。第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21は、中継ホルダ31の上方からスライド移動させることで中継ホルダ31と係合し固定される。中継ホルダ31は、壁付ホルダ32の上方からスライド移動させることで壁付ホルダ32と係合し固定される。壁付ホルダ32は、ネジやビス等の固定具により、壁面等の取付面に固定される。
【0014】
中継ホルダ31は、例えば樹脂等により形成される上下対称構造を有する板状部材である。中継ホルダ31は第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21と係合可能である。中継ホルダ31の大きさは、第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21を横方向に並べて配置した大きさよりも小さい。中継ホルダ31は、第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21との係合状態で、外部にはみ出すことなく背面側に配置される。これにより、中継ホルダ31が外部に露出しないため、意匠性を損なわずに第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21を固定できる。
【0015】
中継ホルダ31を
図2における配置に対して左右反転させた配置が
図3である。中継ホルダ31は上下対称構造を有するため、中継ホルダ31を左右反転させて第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21と係合させることで、これらのリモコン装置の配置を入れ替えることができる。即ち、ブラケット30は、第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21を相対的な位置を変更して固定できる。
【0016】
中継ホルダ31は、
図2、
図3、
図4に示すように、係合溝203a、203bと係合する係合部としての係合爪311a、311bと、係合溝213a、213bと係合する係合爪311c、311dと、芯材312と、後述する壁付ホルダ32の係合爪321a及び321bと係合する係合溝313a、313bと、を有する。
【0017】
係合爪311a、311b、311c、311dは、係合溝203a、203b、213a、213bと係合可能な形状を有する。上記係合爪は、取付面に対して表側に、上下方向に延びて配置される。上記係合爪の上部を上記係合溝の下方向の開口から挿入してスライド移動させることで、第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21と、中継ホルダ31とが係合して固定される。
【0018】
芯材312は、中継ホルダ31の高さ方向中央部に長手方向に沿って配置される、例えば金属製の棒状部材である。芯材312は、第2リモコン装置21の配置箇所から第1リモコン装置20の配置箇所にかけて配置される。芯材312は、例えば中継ホルダ31に設けられた凹部に嵌め込まれて固定される。第2リモコン装置21の背面側には壁付ホルダ32が配置されない。しかし、芯材312により、第2リモコン装置21を強固に固定できる。
【0019】
係合溝313a、313bは、中継ホルダ31が配置された状態で上下方向に形成される溝である。係合溝313a、313bは、後述する壁付ホルダ32に形成される係合爪と係合可能である。係合溝313a、313bは、上端及び下端が開口している。
【0020】
壁付ホルダ32は、例えば金属製の板状部材であり、壁面W等の取付面に固定される。本実施形態では、壁付ホルダ32は、中継ホルダ31を直接に保持する。壁付ホルダ32は、中継ホルダ31及び第1リモコン装置20の何れかと係合可能である。即ち、壁付ホルダ32は、中継ホルダ31を用いずに第1リモコン装置20のみと係合可能である。壁付ホルダ32は、上記係合状態で、外部にはみ出すことなく第1リモコン装置20の背面側に配置される。これにより、意匠性を損なわずに第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21、あるいは第1リモコン装置20のみを固定できる。壁付ホルダ32は、
図2、
図3、
図4に示すように、係合部としての係合爪321a、321bと、載置部322と、固定孔323a、323bと、固定孔324と、を有する。
【0021】
係合爪321a、321bは、中継ホルダ31の係合溝313a、313b及び第1リモコン装置20の係合溝203c、203dの何れかと係合可能な形状を有する。上記係合爪は、取付面に対して表側に、上下方向に延びて配置される。上記係合爪は、例えば壁付ホルダ32の両側端部を折り曲げ加工して形成される。係合爪321a、321bの上端を上記係合溝の下端の開口から挿入してスライド移動させることで、中継ホルダ31及び第1リモコン装置20の何れかと、壁付ホルダ32とが係合して固定される。
【0022】
載置部322は、壁付ホルダ32の下側縁から表側に延出して形成される。上記載置部は、例えば壁付ホルダ32の下側縁を折り曲げ加工して形成される。載置部322には、中継ホルダ31及び第1リモコン装置20の下端部が当接して載置される。載置部322により、第1リモコン装置20、中継ホルダ31、及び第2リモコン装置21の荷重が支えられる。
【0023】
固定孔323a、323bは、壁付ホルダ32に形成され、取付面に対して垂直方向に連通した孔部である。固定孔323a、323bにネジやビス等の固定具を挿通させ、壁面W等の取付面に締結することで、壁付ホルダ32は取付面に固定される。
【0024】
固定孔324は、壁付ホルダ32の上下方向に連通した孔であり、例えば載置部322の任意の位置に1以上設けられる。例えば第1リモコン装置20の底面には、固定孔324に対応する位置にネジ穴が設けられている。第1リモコン装置20を壁付ホルダ32に載置し、固定孔324の下側からネジやビス等の固定具を挿通させ、上記ネジ穴に締結することで、第1リモコン装置20を壁付ホルダ32に固定できる。これにより、第1リモコン装置20の盗難を防止できる。中継ホルダ31の有無により、第1リモコン装置20の固定位置は取付面から延出する方向にずれが生じる。固定孔324は、取付面から延出する方向の長さが長い、長孔状に形成される。固定孔324を上記長孔状にすることで、上記ずれが生じた場合であっても第1リモコン装置20を壁付ホルダ32に固定できる。
【0025】
上記第1実施形態に係るブラケット30によれば、以下の効果が奏される。ブラケット30を、上下対称構造の中継ホルダ31を備えて構成し、中継ホルダ31を介して第1リモコン装置20及び第2リモコン装置21が壁付ホルダ32に固定されるように構成した。これにより、中継ホルダ31を左右反転させることで、追加の部材を要さず、かつブラケット30が外部に露出せずに、相対的な位置を変更して第1リモコン装置21及び第2リモコン装置20を配置できる。
【0026】
壁付ホルダ32を、中継ホルダ31を要さずに直接第1リモコン装置20を固定できるように構成した。これにより、第2リモコン装置21をトイレ本体1の収容部14など別の場所に収容する場合であっても、ブラケット30が外部に露出することなく、意匠性良く第1リモコン装置20を壁面に固定できる。
【0027】
[第2実施形態]
以下の説明では、第1実施形態と共通する構成について記載を省略する場合がある。第2実施形態に係るブラケット30Aは、
図5、
図6、
図7に示すように、第1リモコン装置20B及び第2リモコン装置21を壁面W等の取付面に固定する。ブラケット30Aは、
図5に示すように、第1リモコン装置20Bが左側、第2リモコン装置21が右側になるようにこれらリモコン装置を配置して固定できる。同様に、
図6に示すように、第1リモコン装置20Bが右側、第2リモコン装置21が左側になるように配置して固定できる。即ち、ブラケット30Aは相対的な位置を変更して第1リモコン装置20B及び第2リモコン装置21を固定できる。
図7は、
図5の配置状態を背面側から見た分解斜視図である。
【0028】
第1リモコン装置20Bと、第2リモコン装置21は、
図7に示すように、背面側にそれぞれ係合溝203e、203f、203g、203hと、213a、213bとが形成される。第1リモコン装置20Bの係合溝203e、203fは上端が開口する溝部である。第2リモコン装置21の係合溝213a、213bは下端が開口する溝部である。係合溝203e、203f、213a、213bは、後述する中継ホルダ31Aに形成される係合爪と係合可能である。第1リモコン装置20Bの係合溝203g、203hは、下端が開口する溝部である。係合溝203g、203hは、後述する壁付ホルダ32Aに形成される係合爪と係合可能である。
【0029】
ブラケット30Aは、
図5、
図6、
図7に示すように、中継ホルダ31A及び壁付ホルダ32Aからなる。第2リモコン装置21は、中継ホルダ31Aの上方からスライド移動させることで中継ホルダ31Aと係合し固定される。中継ホルダ31Aは、第1リモコン装置20Bの上方からスライド移動させることで第1リモコン装置20Bと係合し固定される。第1リモコン装置20Bは、壁付ホルダ32Aの上方からスライド移動させることで壁付ホルダ32Aと係合し固定される。壁付ホルダ32Aは、ネジやビス等の固定具により、壁面等の取付面に固定される。
【0030】
中継ホルダ31Aは、例えば金属等により形成される上下対称構造を有する板状部材である。中継ホルダ31Aは、第1リモコン装置20B及び第2リモコン装置21と係合可能である。中継ホルダ31Aは、上記係合状態で、第1リモコン装置20Bと第2リモコン装置21の背面側の一部に外部にはみ出すことなく配置される。
【0031】
中継ホルダ31Aを
図5における配置に対して左右反転させた配置が
図6である。中継ホルダ31Aを左右反転させて第1リモコン装置20Bと第2リモコン装置21の配置を
図5に対して入れ替えた状態でも、中継ホルダ31Aはこれらリモコン装置と係合可能である。これにより、ブラケット30Aは、第1リモコン装置20B及び第2リモコン装置21を相対的な位置を変更して固定できる。
【0032】
中継ホルダ31Aは、
図5、
図6、
図7に示すように、係合爪311gと、係合爪311e、311fと、凸部313と、を有する。
【0033】
係合爪311gは、中継ホルダ31Aの一側縁に、上下方向に延びて表側に形成される。係合爪311gは、第1リモコン装置20Bの一側端部に設けられる係合溝203e及び、他側端部に設けられる係合溝203fと係合できる。上記いずれの係合溝と係合するかを選択することで、第1リモコン装置20Bの右側に第2リモコン装置21を配置するか、左側に配置するかを選択できる。
【0034】
係合爪311e、311fは、中継ホルダ31Aの表側中央部に、上下方向に延びて形成される。係合爪311e、311fは、第2リモコン装置21の係合溝213a、213bと係合する。
【0035】
凸部313は、中継ホルダ31Aの表側に、上下方向に複数配置される凸部である。凸部313は、中継ホルダ31Aと、第1リモコン装置21B及び第2リモコン装置21とが係合した状態で、第1リモコン装置21Bと第2リモコン装置21との隙間を塞ぐように配置される。凸部313により、第2リモコン装置21を第1リモコン装置20Bに対して強固に固定でき、第2リモコン装置21の操作時のガタつきを抑制できる。
【0036】
壁付ホルダ32Aは、
図5等に示すように、係合爪321a、321bと、載置部322と、固定孔323a、323bと、固定孔324と、を有する。係合爪321a及び321bは、第1リモコン装置21Bの係合溝203h、203gと係合する。本実施形態では、壁付ホルダ32Aは、中継ホルダ31Aを間接に保持する。上記以外の壁付ホルダ32Aの構成は、第1実施形態における壁付ホルダ32の構成と同様である。
【0037】
上記第2実施形態のブラケット30Aによれば、以下の効果が奏される。中継ホルダ31Aを、上下対称構造を有し、第1リモコン装置20Bに対して右側にも左側にも係合できるように構成した。これにより、複数の中継ホルダを要さずに、第1リモコン装置20Bと第2リモコン装置21の配置を変更できる。
【0038】
中継ホルダ31Aを、第1リモコン装置20Bと第2リモコン装置21とのみ係合し、壁付ホルダ32A等、他の部材と係合させずに構成した。これにより、第1リモコン装置20Bを壁付ホルダ32Aに係合させた状態で、中継ホルダ31A及び第2リモコン装置21を係合及び取り外しできる。これに加えて、第1実施形態と同様、中継ホルダを要さずに第1リモコン装置20Bのみを壁面に固定できる。従って、第2リモコン装置21をトイレ本体1の収容部14に収容する場合であっても、中継ホルダが外部に露出することなく、意匠性良く第1リモコン装置20Bを壁面W等に固定できる。
【0039】
[第3実施形態]
第3実施形態に係るブラケット30Bは、
図8、
図9、
図10に示すように、第1リモコン装置20A及び第2リモコン装置21を壁面W等の取付面に固定する。ブラケット30Bは、
図8に示すように、第1リモコン装置20Aが左側、第2リモコン装置21が右側になるように、これらのリモコン装置を配置して固定できる。同様に、
図9に示すように、第1リモコン装置20Aが右側、第2リモコン装置21が左側になるように配置して固定できる。即ち、ブラケット30Bは相対的な位置を変更して第1リモコン装置20A及び第2リモコン装置21を固定できる。
図10は、
図9の配置状態を背面側から見た分解斜視図である。
【0040】
第1リモコン装置20Aと、第2リモコン装置21は、
図10に示すように、背面側にそれぞれ係合溝203c、203dと、213a、213bとが形成される。上記係合溝は、後述するブラケット30Bに形成される係合爪と係合可能である。
【0041】
ブラケット30Bは、
図8、
図9、
図10に示すように、金属等の材料により一体に形成される板状部材である。第1リモコン装置20A及び第2リモコン装置21は、ブラケット30Bの上方からスライド移動させることで、ブラケット30Bと係合する。ブラケット30Bは、係合部としての係合爪301a、301b、301c、301d、301e、301fと、載置部302と、固定孔303a、303b、303c、303d、303e、303fと、固定孔304a、304b、304cと、を有する。
【0042】
係合爪301a、301b、301c、301d、301e、301fは、第1リモコン装置20Aの係合溝203c、203d及び、第2リモコン装置21の係合溝213a、213bと係合する。第1リモコン装置20Aと係合する係合爪と、第2リモコン装置21と係合する係合爪とは互いに兼用可能である。
【0043】
例えば
図8に示すように、第1リモコン装置20Aの右側に第2リモコン装置21が配置される場合、係合爪301a、301dと、係合溝203c、203dとが係合する。同様に、係合爪301e、301fと、係合溝213a、213bとが係合する。
【0044】
例えば
図9に示すように、第1リモコン装置20Aの左側に第2リモコン装置21が配置される場合、係合爪301c、301fと、係合溝203c、203dとが係合する。同様に、係合爪301a、301bと、係合溝213a、213bとが係合する。
【0045】
載置部302は、ブラケット30Bの下側縁から表側に延出して形成される。載置部302の構成は、上記第1、第2実施形態に係る載置部の構成と同様である。
【0046】
固定孔303a、303b、303c、303d、303e、303fは、ブラケット30Bに形成され、取付面に対して垂直方向に連通した孔部である。上記固定孔にネジやビス等の固定具を挿通させ、取付面に締結することで、ブラケット30Bは取付面に固定される。上記固定孔は、2つの孔が上下方向に連結した括れ形状を有している。該括れ形状は、上方の孔がネジ等の固定具の頭部が連通不能な小径、下方の孔が固定具の頭部が連通可能な大径に形成される。これにより、ブラケット30Bを以下の方法で容易に壁面等に固定できる。先ず、予め壁面等に固定された固定具に対し、上記固定孔の下方の大径の孔を通じてブラケット30Bを連通させ、ブラケット30Bを壁等に取り付ける。次に、ブラケット30Bを下方にスライド移動させ、上方の小径の孔部に固定具を挿通させた状態にする。次に、固定具を締め付けることで、ブラケット30Bを壁面等に固定できる。上記固定孔は、ブラケット30Bの固定に要する数よりも多く、例えば4以上の数の固定孔が形成される。
【0047】
固定孔304a、304b、304cは、上下方向に連通した孔であり、第1リモコン装置20A及び第2リモコン装置21をブラケット30Bに固定する。固定孔304a、304b、304cは、盗難防止用の固定孔である。固定孔304a、304b、304cの構成は、上記第1実施形態及び第2実施形態に係るものと同様である。
【0048】
上記第3実施形態に係るブラケット30Bによれば、以下の効果が奏される。ブラケット30Bを、第1リモコン装置20A及び第2リモコン装置21の係合溝と係合する、係合部としての係合爪を複数設けて構成した。また、上記係合爪は第1リモコン装置20Aを固定するものと、第2リモコン装置21を固定するものとで兼用可能である。これにより、第1リモコン装置20Aと第2リモコン装置21を相対的な位置を変更して固定できる。
【0049】
固定孔303a、303b、303c、303d、303e、303fを、括れ形状を有し、予め壁等に固定されたネジ等の固定具に対してブラケット30Bを固定できるように構成した。固定孔をブラケット30Bの固定に要する数よりも多く形成した。これにより、ブラケット30Bの固定に用いる固定孔を容易に変更できると共に、固定に用いる固定孔を変更することで、ブラケット30Bの固定位置を変更できる。即ち、第1リモコン装置20A及び第2リモコン装置21の固定位置を変更できる。
【0050】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかし、本開示は、上記実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0051】
上記実施形態に係るブラケットを、複数のリモコン装置をトイレ本体1が設置されるトイレ装置100の壁面Wに固定するものとして説明した。しかし、これに限定されない。本開示に係るブラケットが配置される部屋の種類は特に限定されない。本開示に係るブラケットはバスルーム等、他の用途を有する部屋の壁面に複数のリモコン装置を固定するものであってもよい。
【0052】
上記実施形態に係るブラケットを、第1リモコン装置及び第2リモコン装置を壁面Wに固定するものとして説明した。しかし、これに限定されない。本開示に係るブラケットは、例えば3つ以上の数のリモコン装置を壁面Wに固定可能であってもよい。あるいは、複数のリモコン装置のうち、何れかを壁面Wに固定可能であってもよい。この場合、壁面Wに固定されないリモコン装置を、トイレ本体1に収容することもできる。つまり、トイレ本体1の使用者は、任意に選択したリモコン装置を壁面Wに固定し、壁面Wに固定しない他のリモコン装置がある場合、該他のリモコン装置をトイレ本体1に収容することができる。
【0053】
上記実施形態では、第1リモコン装置20、20A、20Bで操作可能な機能を、トイレ本体1の使用者の使用頻度の高い機能として説明した。更に、第2リモコン装置21で操作可能な機能を、トイレ本体1の使用者の使用頻度の低い機能として説明した。しかし、これに限定されない。第1リモコン装置及び第2リモコン装置で操作可能な機能は特に限定されない。例えば第1リモコン装置及び第2リモコン装置は、トイレ本体1の全ての機能を操作可能であってもよい。
【0054】
上記実施形態では、第2リモコン装置21を、第1リモコン装置20、20A、20Bよりも幅方向の長さが短いものとして説明した。しかし、これに限定されない。第1リモコン装置と第2リモコン装置のサイズは特に限定されない。例えば、第1リモコン装置と第2リモコン装置は同一のサイズであってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 トイレ本体、20,20A,20B 第1リモコン装置、21 第2リモコン装置、30,30A,30B ブラケット、31,31A 中継ホルダ、32,32A 壁付ホルダ、W 壁面