(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、送信プログラム及び受信プログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20231207BHJP
H04B 1/16 20060101ALI20231207BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H04B1/04 A
H04B1/16 Z
G08C15/00 E
(21)【出願番号】P 2019232131
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】515086908
【氏名又は名称】株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】石田 雄貴
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134769(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147267(WO,A1)
【文献】特開2014-096050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/02-1/04
H04B 1/06
H04B 1/16
G08C 13/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を測定して測定データを生成するセンサ部と、
データの数をNとし、前記データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定部と、
サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定部と、
前記第2設定部によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を前記整数倍の数だけ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、前記第1設定部によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去部と、
前記除去部によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、前記平均値を所定のビット数で表す算出部と、
前記算出部によって算出された所定のビット数で表現される前記平均値を外部に送信する送信部と、を備え
、
前記取得部は、前記センサ部によって生成される測定データを、前記第2設定部によって設定されたサンプリングレートでサンプリングする
送信装置。
【請求項2】
前記算出部は、算出された前記平均値を、第2ビット数に前記第1設定部によって設定された第1ビット数rを加算した第3ビット数で表し、
前記送信部は、第3ビット数で表現される前記平均値を外部に送信する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
物理量を測定して測定データを生成するセンサ部と、
データの数をNとし、前記データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定部と、
サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定部と、
前記センサ部によって生成される測定データを、前記第2設定部によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を前記整数倍の数だけ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、前記第1設定部によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去部と、
前記除去部によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、前記平均値を所定のビット数で表す算出部と、
前記算出部によって算出された所定のビット数で表現される前記平均値を外部に送信する送信部と、
を備える送信装置から送信されたデータを受信する受信装置であって、
前記送信部から送信された前記平均値を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記平均値を前記データ数Nで除算する除算部と、
前記除算部によって除算された結果を出力する出力部と、
を備える受信装置。
【請求項4】
コンピュータが、
センサ部により物理量を測定して測定データを生成するステップと、
データの数をNとし、前記データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定ステップと、
サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定ステップと、
前記第2設定ステップで設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を前記整数倍の数だけ取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、前記第1設定ステップで設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去ステップと、
前記除去ステップによって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、前記平均値を所定のビット数で表す算出ステップと、
前記算出ステップで算出された所定のビット数で表現される前記平均値を外部に送信する送信ステップと、を実行
し、
前記取得ステップは、前記センサ部によって生成される測定データを、前記第2設定ステップによって設定されたサンプリングレートでサンプリングする
送信方法。
【請求項5】
物理量を測定して測定データを生成するセンサ部と、
データの数をNとし、前記データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定部と、
サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定部と、
前記センサ部によって生成される測定データを、前記第2設定部によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を前記整数倍の数だけ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、前記第1設定部によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去部と、
前記除去部によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、前記平均値を所定のビット数で表す算出部と、
前記算出部によって算出された所定のビット数で表現される前記平均値を外部に送信する送信部と、
を備える送信装置から送信されたデータを受信する受信装置を実現するためのコンピュータが、
前記送信装置から送信されたデータを受信するために、前記送信部から送信された前記平均値を受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された前記平均値をデータ数Nで除算する除算ステップと、
前記除算ステップによって除算された結果を出力する出力ステップと、
を実行する受信方法。
【請求項6】
コンピュータに、
センサ部により物理量を測定して測定データを生成する機能と、
データの数をNとし、前記データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定機能と、
サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定機能と、
前記第2設定機能によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を前記整数倍の数だけ取得する取得機能と、
前記取得機能によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、前記第1設定機能によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去機能と、
前記除去機能によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、前記平均値を所定のビット数で表す算出機能と、
前記算出機能によって算出された所定のビット数で表現される前記平均値を外部に送信する送信機能と、を実現させ
、
前記取得機能は、前記センサ部によって生成される測定データを、前記第2設定機能によって設定されたサンプリングレートでサンプリングする
送信プログラム。
【請求項7】
物理量を測定して測定データを生成するセンサ部と、
データの数をNとし、前記データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定部と、
サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定部と、
前記センサ部によって生成される測定データを、前記第2設定部によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を前記整数倍の数だけ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、前記第1設定部によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去部と、
前記除去部によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、前記平均値を所定のビット数で表す算出部と、
前記算出部によって算出された所定のビット数で表現される前記平均値を外部に送信する送信部と、
を備える送信装置から送信されたデータを受信する受信装置としてのコンピュータに、
前記送信装置から送信されたデータを受信するために、前記送信部から送信された前記平均値を受信する受信機能と、
前記受信機能によって受信された前記平均値をデータ数Nで除算する除算機能と、
前記除算機能によって除算された結果を出力する出力機能と、
を実現させる受信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、送信プログラム及び送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、送信装置の消費電力を低減する技術が発明されている。特許文献1に記載された技術は、無線制御部から出力される中間周波信号と、局部発振回路から出力されるローカル信号とを混合回路によって混合してRF(Radio Frequency)信号を生成し、アンプによって無線制御部からさらに出力される振幅情報信号の包絡線を示す信号に応じてRF信号を増幅して、外部に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、振幅信号の包絡線を示す信号に係る電力をアンプに供給することにより、消費電力が低減されるとしている。しかし、送信装置には種々のタイプがあり、個々の無線装置に応じて消費電力を低減する技術を適用すべきと考えられる。
【0005】
本発明は、消費電力を低減することが可能な送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、送信プログラム及び受信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の送信装置は、データの数をNとし、データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定部と、サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定部と、第2設定部によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を整数倍の数だけ取得する取得部と、取得部によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、第1設定部によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去部と、除去部によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、平均値を所定のビット数で表す算出部と、算出部によって算出された所定のビット数で表現される平均値を外部に送信する送信部と、を備える。
【0007】
一態様の送信装置では、算出部は、算出された平均値を、第2ビット数に第1設定部によって設定された第1ビット数rを加算した第3ビット数で表し、送信部は、第3ビット数で表現される平均値を外部に送信することとしてもよい。
【0008】
一態様の送信装置は、物理量を測定して測定データを生成するセンサ部を備え、取得部は、センサ部によって生成される測定データを、第2設定部によって設定されたサンプリングレートでサンプリングすることとしてもよい。
【0009】
一態様の受信装置は、上述した送信装置から送信されたデータを受信する受信装置であって、送信部から送信された平均値を受信する受信部と、受信部によって受信された平均値をデータ数Nで除算する除算部と、除算部によって除算された結果を出力する出力部と、を備える。
【0010】
一態様の送信方法では、コンピュータが、データの数をNとし、データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定ステップと、サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定ステップと、第2設定ステップで設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を整数倍の数だけ取得する取得ステップと、取得ステップで取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、第1設定ステップで設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去ステップと、除去ステップによって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、平均値を所定のビット数で表す算出ステップと、算出ステップで算出された所定のビット数で表現される平均値を外部に送信する送信ステップと、を実行する。
【0011】
一態様の送信プログラムは、コンピュータに、データの数をNとし、データの平均値の表現に利用されるビット数としての第1ビット数をrとし、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定機能と、サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数を、サンプリングレートとして設定する第2設定機能と、第2設定機能によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を整数倍の数だけ取得する取得機能と、取得機能によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、第1設定機能によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去機能と、除去機能によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、平均値を所定のビット数で表す算出機能と、算出機能によって算出された所定のビット数で表現される平均値を外部に送信する送信機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0012】
一態様の送信装置は、N=2rの関係を満たすようにデータ数N及び第1ビット数rを設定すると共に、サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数をサンプリングレートとして設定し、そのサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータを上記整数倍の数だけ取得し、第2ビット数で表現される複数のデータから上位のデータと下位のデータとを取り除くことにより上記データ数N以下のデータ数にし、除去後の複数のデータの平均値を算出して、第2ビット数に第1ビット数rを加算した第3ビット数でその平均値を表現し、その平均値を外部に送信するので、消費電力を低減することができる。
一態様の受信装置、送信方法、受信方法、送信プログラム及び受信プログラムは、上述した一態様の送信装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係る送受信システムについて説明するためのブロック図である。
【
図2】(A)~(D)は、データについて説明するための第1~4図である。
【
図3】除去部の動作について説明するための図である。
【
図4】所定のビット数で表現されるデータ(値)について説明するための図である。(A)は、12ビットで表現される測定データ(値)の一例を示し、(B)は、第3ビット数で表現される平均値の一例を示す。
【
図5】一実施形態に係る送信方法について説明するためのフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る受信方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る送受信システム1について説明するためのブロック図である。
【0015】
送受信システム1は、送信装置10及び受信装置30を備える。送受信システム1は、無線又は有線により送信装置10と受信装置30との間で通信を行うことが可能である。送受信システム1は、例えば、データを送信装置10から受信装置30に送信するためのシステムである。例えば、送受信システム1は、物理量を測定するセンサで測定された結果である測定データを送信装置10から受信装置30に送信する。送受信システム1は、上述した一例のように、測定データを送信装置10から受信装置30に送信するばかりでなく、種々のデータを送信装置10から受信装置30に送信することができる。
【0016】
[送信装置10]
まず、送信装置10について説明する。
送信装置10は、センサ部18、第1設定部12、第2設定部13、取得部14、除去部15、算出部16及び送信部17を備える。第1設定部12、第2設定部13、取得部14、除去部15及び算出部16は、送信装置10の制御部11(例えば、演算処理装置)の一機能として実現することもできる。
【0017】
センサ部18は、物理量を測定して測定データを生成する。センサ部18は、一例として、圧力、加速度、速度、温度、光及び磁気等の物理量を測定して、測定結果である測定データをアナログで出力する。なお、センサ部18は、上述した一例の物理量を測定するばかりでなく、種々の物理量を測定することとしてもよい。
【0018】
第1設定部12は、データの数をNとし、データの平均値の表現に利用されるビット数(第1ビット数)をrとすると、N=2rの関係を満たすように、データ数N及び第1ビット数rを設定する。データ数Nは、送信装置10から受信装置30に送信されるデータ(平均値)を取得するための算出基準となるデータの数である。第1ビット数rは、上述した平均値を表現するために追加されるビット数である。
【0019】
具体的な一例として、データ数Nが16の場合、第1ビット数rは4になる。ここで、測定データを12ビットで表現する場合、16個(データ数N)の測定データに基づいて算出される平均値を、測定データを表現する12ビットに4ビット(第1ビット数r)を加算した16ビットで表現することになる。なお、詳細については、後述する。
【0020】
また、データ数N及び第1ビット数rそれぞれの値は、上述した一例に限定されることはない。第1設定部12は、例えば、データ数Nを8とし、第1ビット数rを3として設定してもよい。また、第1設定部12は、例えば、データ数Nを32とし、第1ビット数を5として設定してもよい。また、第1設定部12は、例えば、データ数Nを64とし、第1ビット数を6として設定してもよい。
【0021】
第2設定部13は、サンプリング数として必要な所要数を整数倍(A)した数を、サンプリングレートS1として設定する。第2設定部13は、測定データを取得(サンプリング)するのに必要な値(所要量)を整数倍(A)した値をサンプリングレートS1として設定する。例えば、センサ部18によって生成された測定データをサンプリングする際に必要な数(所要量)が周期1ms(サンプリングレートS0)の場合、第2設定部13は、その数を整数倍(A)した数(サンプリングレートS1)でサンプリングを行う。上述した整数倍(A)の数は、送受信システム1の仕様等に応じて適宜設定することができる。具体的な一例として、その整数倍(A)の数は、20倍であってもよいし、これ以外の数値であってもよい。第2設定部13は、整数倍(A)の数として20倍が設定され、所要数としての周期1ms(サンプリングレートS0)が設定されていると、周期50μsをサンプリングレートS1として設定する。
【0022】
取得部14は、第2設定部13によって設定されたサンプリングレートS1でサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータD1を上述した整数倍(A)の数だけ取得する。取得部14は、センサ部18によって生成される測定データを、第2設定部13によって設定されたサンプリングレートS1でサンプリングする。すなわち、取得部14は、通常であれば所要数(サンプリングレートS0)でサンプリングを行うところ、所要数を整数倍(A)したサンプリングレートS1でサンプリングを行う。上述した一例の場合では、サンプリング周期を1msとし、整数倍(A)を20倍としているので、取得部14は、1回のサンプリングで20個のデータを取得する。
一例として、取得部14は、センサ部18によって測定された結果(測定データ)が常時出力される場合には、測定データの値をサンプリングレートS1で取得することとしてもよい。また、取得部14は、上記の一例の他に、送信装置10の仕様に応じて測定データの値をサンプリングレートS1で適宜取得することとしてもよい。
【0023】
また、取得部14は、測定データについてアナログ/ディジタル(A/D)変換を行い、測定データを第2ビット数で表現する。この場合、第2ビット数で表現される測定データを、データD1とする。第2ビット数は、任意のビット数であってもよい。具体的な一例として、第2ビット数は、8ビット、10ビット、12ビット、14ビット及び16ビット等であってもよく、これ以外のビット数であってもよい。
【0024】
除去部15は、取得部14によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータD2の所定数と下位の値を取るデータD3の所定数とを取り除き、第1設定部12によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする。除去部15は、上述した一例のように取得部14によって20個のデータを取得し、データ数Nとして16が設定されている場合、取得部14よって取得された20個のデータから、上位及び下位それぞれの2つのデータD2,D3を除去することにより、16個のデータを取得することとしてもよい。すなわち、除去部15は、取得部14によって取得された20個のデータから、最上位(第1位)の値、及び、最上位に対して次に上位(第2位)の値を示すデータD2を除去することとしてもよい。同様に、除去部15は、取得部14によって取得された20個のデータから、最下位(第20位)の値、及び、最下位に対して次に下位(第19位)の値を示すデータD3を除去することとしてもよい。
なお、除去部15は、除去するデータとして、上位及び下位それぞれから同数のデータを除去してもよく、上位のみのデータを除去してもよく、又は、下位のみのデータを除去してもよい。また、除去部15は、上位及び下位それぞれからデータを除去する際に、上位(又は、下位)の数を下位(又は、上位)の数よりも多く除去することとしてもよい。
【0025】
算出部16は、除去部15によって除去された後の複数のデータD4の平均値を算出し、その平均値を所定のビット数で表現する。所定のビット数は、第2ビット数であってもよく、後述する第3ビット数であってもよく、又は、第2ビット数よりも大きく且つ第3ビット数未満のビット数(第2ビット数に第1ビット数rよりも少ないビット数を加算したビット数)であってもよい。
算出された平均値を第2ビット数で表現する場合には、後述する送信部17によって送信される平均値も第2ビット数になるため、第3ビット数で表される平均値を送信する場合に比べて、送信パケットが縮小でき、消費電力をより抑制することができる。
また、算出された平均値を第2ビット数よりも大きく且つ第3ビット数未満のビット数で表現する場合、具体的な一例として、送信装置10は、取得部14によって12ビットのデータを100回取得し、除去部15によって合計32個の上位又は下位の値を除去する処理をして64個のデータセットを生成し、算出部16によって18ビットのデータを作成した後に下位2ビットを打ち切って16ビットのデータを生成する処理を行うこととしてもよい。この場合でも、送信装置10は、第3ビット数で表される平均値を送信する場合に比べて、送信パケットが縮小でき、消費電力をより抑制することができる。
【0026】
上述したように、算出部16は、除去部15によって除去された後の複数のデータD4の平均値を算出し、第2ビット数に第1設定部12によって設定された第1ビット数rを加算した第3ビット数で平均値を表現することとしてもよい。具体的な一例として、上述したように、データ数Nとして16が設定されることにより、除去部15によって複数のデータから上位及び下位のデータが除去された後のデータ数が16個の場合、算出部16は、その16個のデータの値の平均値を算出する。この場合、算出部16は、例えば、16個のデータの相加平均を算出することとしてもよい。
なお、算出部16は、平均値として、16個のデータを加算した値を算出することとしてもよい。
ここで、具体的な一例として、第1ビット数rとして4が設定されると共に、測定データを表現するビット数として12が設定されている場合、算出部16は、16ビット(第3ビット数)で上述した平均値を表現する。
【0027】
送信部17は、算出部16によって算出された第3ビット数で表現される平均値を外部に送信する。すなわち、送信部17は、算出部16で算出された平均値のデータを受信装置30に送信する。この場合、送信部17は、一例として、上述した16ビット1値を、サンプリングレートS1の基準となる所要数のサンプリングレートS2で受信装置30に送信する。
【0028】
[受信装置30]
次に、受信装置30について説明する。
受信装置30は、上述した送信装置10から送信されたデータを受信する。
受信装置30は、受信部34、除算部32、出力制御部33及び出力部35を備える。除算部32及び出力制御部33は、受信装置30の制御部31(例えば、演算処理装置)の一機能として実現することもできる。
【0029】
受信部34は、送信部17から送信された平均値を受信する。受信部34は、平均値のデータを受信すると、そのデータを除算部32に提供する。
【0030】
除算部32は、受信部34によって受信された平均値をデータ数Nで除算する。具体的な一例として、データ数Nとして16が設定されている場合、除算部32は、受信部34によって受信された平均値(算出部16によって16個のデータを加算することにより得られた値)を16で除算して、平均値を取得する。
なお、除算部32は、算出部16によって16個のデータの平均値(相加平均値)が算出されている場合には、その平均値(相加平均値)をデータ数Nで除算しない。算出部16によって算出された相加平均値(平均値)が送信部17によって送信される場合には、受信装置30には除算部32が配されなくともよい。
【0031】
出力制御部33は、出力部35を制御する。出力部35は、例えば、表示部である。このため、出力制御部33は、表示制御部と言い換えてもよい。出力制御部33は、平均値が2進数で表現される場合、2進数で表現される平均値を10進数に変換して出力することとしてもよい。
なお、出力制御部33は、除算部32で算出された平均値(受信部34で受信された平均値)を、受信装置30に配される又は外部に配される記憶部(図示せず)に記憶することとしてもよい。
【0032】
出力部35は、出力制御部33の制御に基づいて、除算部32によって除算された結果を出力する。すなわち、出力部35(表示部)は、平均値を表示する。
【0033】
次に、上述した送受信システム1の具体的な一例について説明する。
図2は、データについて説明するための図である。すなわち、
図2(A)~(D)は、データについて説明するための第1~4図である。
図3は、除去部15の動作について説明するための図である。
図4は、所定のビット数で表現されるデータ(値)について説明するための図である。
図4(A)は、12ビットで表現される測定データ(値)の一例を示し、
図4(B)は、第3ビット数で表現される平均値の一例を示す。
【0034】
サンプリング周期を1msとし、整数倍(A)を20倍としている場合、取得部14は、1回のサンプリングで20個のデータを取得する。
図2(A)に一例を示すように、取得部14によって取得される20個のデータ(値)は、9,8,6,6…3,1である。
この場合、取得部14は、
図4(A)に例示するようにデータ(値)を12ビットで表現する場合、10進数で「5」は2進数で「000000000101」で表現される。
【0035】
除去部15は、
図2(A)に例示する複数のデータから、上位の値を取るデータD2と、下位の値を取るデータD3とを除去する。この場合、除去部15によって複数のデータから上位2つのデータD2と下位2つのデータD3とを除去する際には、
図2(B)に例示するような16個のデータが得られる。
【0036】
除去部15は、例えば、サンプリングが行われる毎に、測定データ(値)のランク付けを行う。すなわち、除去部15は、最初に測定データ(値)として「5」を取得した場合には、「RANK1」に「5」を関連付ける。除去部15は、次の測定データ(値)として「6」が入力された場合には、「RANK1」に関連付けられた「5」と、新たに入力された値「6」との大小関係とに基づいて、「RANK1」に関連付けられた「5」よりも「6」の方が大きいと判断する。この場合、「5」を「RANK1」に対して下位の「RANK2」に関連付け、「RANK1」に「6」を関連付ける。
【0037】
また、
図3(A)に例示するように、「RANK1」に「8」が、「RANK2」に「6」が、「RANK3」に「5」が関連付けられている場合、新たな測定データ(値)として「9」が取得された場合には、除去部15は、まず「RANK1」の「8」と新たな測定データ(値)としての「9」とを比較し、「9」の方が大きいので、
図3(B)に例示するように、「RANK1」に「9」を、「RANK2」に「8」を、「RANK3」に「6」を関連付ける。
【0038】
上述した一例のように、除去部15は、ランク付けされているデータ(値)と、新たに入力されたデータ(値)との大小関係を上位ランクから順次比較することに基づいて、複数のデータ(値)の大小関係(ランク付け)を取得する。除去部15は、その大小関係(ランク付け)に基づいて、複数のデータから上位のデータD2と下位のデータD3とを除去する。
【0039】
算出部16は、
図2(B)に例示する16個のデータの値を加算する。加算した結果(値)は、
図2(C)に例示するように「81」になる。
取得部14は、
図3(B)に例示するようにデータ(値)を16ビットで表現する場合、10進数で「81」を2進数で「0000000001010001」で表現する。
【0040】
また、算出部16は、
図2(C)に例示する結果に基づいて、
図2(B)に例示する複数のデータ(値)の平均値(例えば、相加平均値)を算出する。平均値は、
図2(D)に例示するように「5.0625」になる。
【0041】
送信部17は、
図2(C)に例示する値「81」、及び、
図2(D)に例示する平均値「5.0625」のうちのいずれか一方を受信装置30に送信する。
【0042】
次に、一実施形態に係る送受信方法について説明する。
まず、一実施形態に係る送信方法について説明する。
図5は、一実施形態に係る送信方法について説明するためのフローチャートである。
【0043】
ステップST101において、第1設定部12は、データ数N及び第1ビット数rを設定する。この場合、第1設定部12は、データ数N及びビット数rをN=2rの関係を満たすように設定する。
【0044】
ステップST102において、センサ部18は、物理量を測定して測定データを生成する。
【0045】
ステップST103において、取得部14は、ステップST102で生成される測定データをサンプリングしてディジタルデータを取得する。この場合、第2設定部13によって、サンプリング数として必要な所要数を整数倍(A)した数がサンプリングレートS1として予め設定されているため、取得部14は、サンプリングレートS1に基づいてサンプリングを行う。また、取得部14は、上述した整数倍(A)の数だけ、第2ビット数で表現されるデータD1を取得する。
【0046】
ステップST104において、除去部15は、ステップST103によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータD1から、上位の値を取るデータD2の所定数と、下位の値を取るデータD3の所定数とを取り除き、ステップST101で設定されたデータ数N以下のデータ数にする。データD2の所定数及びデータD3の所定数は、それぞれ適宜設定することができる。
【0047】
ステップST105において、算出部16は、ステップST104によって除去された後の複数のデータD4の平均値を算出し、所定のビット数、例えば、第2ビット数に第1設定部12によって設定された第1ビット数rを加算した第3ビット数で平均値を表現する。この場合、算出部16は、
図2(C)に一例を示すように、平均値として、複数のデータD4の値を加算した値を取得することとしてもよい。また、算出部16は、
図2(D)に一例を示すように、平均値として、複数のデータD4の値の相加平均値を取得することとしてもよい。
【0048】
ステップST106において、送信部17は、ステップST105で算出された平均値を外部に送信する。すなわち、送信部17は、第3ビット数で表現される平均値1値を、サンプリングレートS1の基準となる上述した所要数のサンプリングレートS2で受信装置30に送信する。
【0049】
次に、一実施形態に係る受信方法について説明する。
図6は、一実施形態に係る受信方法について説明するためのフローチャートである。
【0050】
ステップST201において、受信部34は、
図5に示すステップST105で送信された平均値を受信する。
【0051】
ステップST202において、除算部32は、ステップST202で受信された平均値を
図5に示すステップST101で設定されたデータ数Nで除算する。すなわち、除算部32は、ステップST201で受信した平均値を、送信装置10の除去部15で除去された後の複数のデータのデータ数で除算する。この場合の平均値は、送信装置10の算出部16によって複数のデータの値が加算されることにより得られた値である。具体的な一例として、算出部16によって、
図2(B)に例示する16個のデータの値が加算され、加算の結果(値)として
図2(C)に例示するように「81」が得られている場合には、除算部32は、値「81」を値「16」で除算して平均値を取得する。なお、第1設定部12によってデータ数N等が設定された場合には、設定されたデータ数Nの情報は、除算部32にも提供される。
なお、送信装置10の算出部16によって相加平均値が算出され、その相加平均値が送信装置10から受信装置30に送信された場合には、ステップST202の処理は行わない。
【0052】
ステップST203において、出力部35は、ステップST202で算出された平均値(又は、ステップST201で受信された平均値(相加平均値))を出力する。出力部35は、例えは、表示部である。このため、出力部35(表示部)は、出力制御部33の制御に基づいて、平均値を出力(表示)する。
なお、出力制御部33は、平均値を記憶部(図示せず)に記憶することとしてもよい。
【0053】
次に、本実施形態の効果について説明する。
送信装置10は、N=2rの関係を満たすようにデータ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定部12と、サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数をサンプリングレートとして設定する第2設定部13と、第2設定部13によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を整数倍の数だけ取得する取得部14と、取得部14によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、第1設定部12によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去部15と、除去部15によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、その平均値を所定のビット数で表す算出部16と、算出部16によって算出された所定のビット数で表現される平均値を外部に送信する送信部17と、を備える。
これにより、送信装置10は、第2設定部13によって設定されたサンプリングレートでサンプリングされた複数のデータから、上位の値を取る1又は複数のデータ(D1)、及び、下位の値を取る1又は複数のデータ(D2)の少なくとも一方を除去するので、サンプリングの際に異常だったデータ(ノイズ)を除去することができる。これにより、送信装置10は、ノイズを含んだデータを受信装置30に送ることを抑制できるので、データの正確性を向上させることができる。
また、送信装置10は、サンプリングされたデータの全てを受信装置30に送ることはなく、平均値を受信装置30に送るので、データの送信量を抑制することができる。これにより、送信装置10は、データを送信する際の起動時間を、全てのデータを送信する場合に比べて少なくすることができ、起動している際に消費される電力を削減することができる。
また、送信装置10は、センサ部18によって生成された測定データについてアナログ/ディジタル変換を行う場合、平均値を算出するので、アナログ/ディジタル変換を行う際に生じるノイズも抑制することができる。
【0054】
送信装置10では、算出部16は、算出された平均値を、第2ビット数に第1設定部12によって設定された第1ビット数rを加算した第3ビット数で表すこととしてもよい。この場合、送信部17は、第3ビット数で表現される平均値を外部に送信することとしてもよい。
これにより、送信装置10は、平均値の分解能を高めることができる。
【0055】
送信装置10は、物理量を測定して測定データを生成するセンサ部18を備える。この場合、取得部14は、センサ部18によって生成される測定データを、第2設定部13によって設定されたサンプリングレートでサンプリングすることとしてもよい。
これにより、送信装置10は、センサ部18によって測定される測定データについて、ノイズを取り除いた後、低消費電力で送信することができる。
【0056】
受信装置30は、上述した送信装置10から送信されたデータを受信する。そのような受信装置30は、送信部17から送信された平均値を受信する受信部34と、受信部34によって受信された平均値をデータ数Nで除算する除算部32と、除算部32によって除算された結果を出力する出力部35と、を備える。
これにより、受信装置30は、ノイズが含むことを抑制されたデータを受信するので、受信側でデータの利用の際に、ノイズに起因するデータ処理の不具合を抑制することができる。
【0057】
送信方法では、コンピュータが、N=2rの関係を満たすようにデータ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定ステップと、サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数をサンプリングレートとして設定する第2設定ステップと、第2設定ステップで設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を整数倍の数だけ取得する取得ステップと、取得ステップで取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、第1設定ステップで設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去ステップと、除去ステップによって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、その平均値を所定のビット数で表す算出ステップと、算出ステップで算出された所定のビット数で表現される平均値を外部に送信する送信ステップと、を実行する。
これにより、送信方法は、第2設定ステップによって設定されたサンプリングレートでサンプリングされた複数のデータから、上位の値を取る1又は複数のデータ(D1)、及び、下位の値を取る1又は複数のデータ(D2)の少なくとも一方を除去するので、サンプリングの際に異常だったデータ(ノイズ)を除去することができる。これにより、送信方法は、ノイズを含んだデータを受信装置30に送ることを抑制できるので、データの正確性を向上させることができる。
また、送信方法は、サンプリングされたデータの全てを受信装置30に送ることはなく、平均値を受信装置30に送るので、データの送信量を抑制することができる。これにより、送信方法は、データを送信する際の起動時間を、全てのデータを送信する場合に比べて少なくすることができ、起動している際に消費される電力を削減することができる。
また、送信方法は、センサ部18によって生成された測定データについてアナログ/ディジタル変換を行う場合、平均値を算出するので、アナログ/ディジタル変換を行う際に生じるノイズも抑制することができる。
【0058】
送信プログラムは、コンピュータに、N=2rの関係を満たすようにデータ数N及び第1ビット数rを設定する第1設定機能と、サンプリング数として必要な所要数を整数倍した数をサンプリングレートとして設定する第2設定機能と、第2設定機能によって設定されたサンプリングレートでサンプリングして、第2ビット数で表現されるデータ(D1)を整数倍の数だけ取得する取得機能と、取得機能によって取得された第2ビット数で表現される複数のデータから、その複数のデータの中で上位の値を取るデータ(D2)の所定数と下位の値を取るデータ(D3)の所定数とを取り除き、第1設定機能によって設定されるデータ数N以下のデータ数にする除去機能と、除去機能によって除去された後の複数のデータ(D4)の平均値を算出し、その平均値を所定のビット数で表す算出機能と、算出機能によって算出された所定のビット数で表現される平均値を外部に送信する送信機能と、を実現させる。
これにより、送信プログラムは、第2設定機能によって設定されたサンプリングレートでサンプリングされた複数のデータから、上位の値を取る1又は複数のデータ(D1)、及び、下位の値を取る1又は複数のデータ(D2)の少なくとも一方を除去するので、サンプリングの際に異常だったデータ(ノイズ)を除去することができる。これにより、送信プログラムは、ノイズを含んだデータを受信装置30に送ることを抑制できるので、データの正確性を向上させることができる。
また、送信プログラムは、サンプリングされたデータの全てを受信装置30に送ることはなく、平均値を受信装置30に送るので、データの送信量を抑制することができる。これにより、送信プログラムは、データを送信する際の起動時間を、全てのデータを送信する場合に比べて少なくすることができ、起動している際に消費される電力を削減することができる。
また、送信プログラムは、センサ機能によって生成された測定データについてアナログ/ディジタル変換を行う場合、平均値を算出するので、アナログ/ディジタル変換を行う際に生じるノイズも抑制することができる。
【0059】
なお、上述した送受信システム1の受信方法は、受信装置30を実現するためのコンピュータが、送信装置10から送信されたデータを受信するために、送信部17から送信された平均値を受信する受信ステップと、受信ステップによって受信された平均値をデータ数Nで除算する除算ステップと、除算ステップによって除算された結果を出力する出力ステップと、を実行することとしてもよい。
また、上述した送受信システム1の受信プログラムは、受信装置30としてのコンピュータに、送信装置10から送信されたデータを受信するために、送信部17から送信された平均値を受信する受信機能と、受信機能によって受信された平均値をデータ数Nで除算する除算機能と、除算機能によって除算された結果を出力する出力機能と、を実現させることとしてもよい。
本実施形態の受信方法及び受信プログラムについても、受信装置30と同様の効果を奏することができる。
【0060】
上述した送信装置10の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、送信装置10の第1設定部12、第2設定部13、取得部14、除去部15及び算出部16は、コンピュータの演算処理装置等による、第1設定機能、第2設定機能、取得機能、除去機能及び算出機能としてそれぞれ実現されてもよい。
送信プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。送信プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、送信装置10の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、送信装置10の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、送信装置10の第1設定部12、第2設定部13、取得部14、除去部15及び算出部16は、コンピュータの演算処理装置等を構成する、第1設定回路、第2設定回路、取得回路、除去回路及び算出回路として実現されてもよい。
また、送信装置10のセンサ部18及び送信部17は、例えば、演算処理装置等の機能を含む、センサ機能及び送信機能として実現されもよい。また、送信装置10のセンサ部18及び送信部17は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、センサ回路及び送信回路として実現されてもよい。
【0061】
上述した受信装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、受信装置30の除算部32及び出力制御部33は、コンピュータの演算処理装置等による、除算機能及び出力制御機能としてそれぞれ実現されてもよい。
受信プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。受信プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、受信装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、受信装置30の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、受信装置30の除算部32及び出力制御部33は、コンピュータの演算処理装置等を構成する、除算回路及び出力制御回路として実現されてもよい。
また、受信装置30の受信部34及び出力部35は、例えば、演算処理装置等の機能を含む、受信機能及び出力機能として実現されもよい。また、受信装置30の受信部34及び出力部35は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、受信回路及び出力回路として実現されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 送受信システム
10 送信装置
12 第1設定部
13 第2設定部
14 取得部
15 除去部
16 算出部
17 送信部
18 センサ部
30 受信装置
32 除算部
33 出力制御部
34 受信部
35 出力部