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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】移動体
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20231207BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20231207BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20231207BHJP
【FI】
B60J5/10 Z
B60Q1/00 G
B60Q1/00 C
B60R1/26
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020171430
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2022063086
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 真悟
(72)【発明者】
【氏名】真取 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】中井 とう子
(72)【発明者】
【氏名】岩本 翔平
(72)【発明者】
【氏名】田口 龍馬
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/179577(WO,A1)
【文献】特開2019-077263(JP,A)
【文献】特開2018-103807(JP,A)
【文献】特開2019-043248(JP,A)
【文献】特開2010-084417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/10
B60Q 1/00
B60R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在に取り付けられた開閉体と、
前記開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置と、
前記開閉体に取り付けられた第2外界情報取得装置と、を備え、
前記第2外界情報取得装置が取得した第2外界情報によらずに前記第1外界情報取得装置が取得した第1外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、前記移動体の外殻部材の一部を構成し、
前記開閉体の前記移動体の外側の面である外表面には、ユーザが前記開閉体を開操作するための把手部が設けられており、
前記第1外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の正面視で、該正面視の平面における前記開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、前記把手部と重ならない位置に配置され
前記第2外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の前記正面視で、前記第1方向において、前記把手部と重ならない位置であって、かつ、少なくとも一部が前記第1方向において前記第1外界情報取得装置と重なる位置に配置され、
前記第1外界情報取得装置及び前記第2外界情報取得装置は、前記移動体の左右方向において、前記移動体の前記左右方向における中心線と交差する位置に配置され、
前記把手部は、前記左右方向において、前記中心線から左側にオフセットされた位置に設けられた左側把手部と、前記中心線から右側にオフセットされた位置に設けられた右側把手部と、を有し、
前記開閉体が配置される前記移動体の前記前面又は前記後面には、前記中心線から左側にオフセットされた位置に設けられた左側灯体ユニットと、前記中心線から右側にオフセットされた位置に設けられた右側灯体ユニットと、が設けられており、
前記ユーザが前記移動体の外部で前記開閉体に近づくと、前記左側灯体ユニット及び前記右側灯体ユニットのうち、前記ユーザからの距離が近い方が点灯する、移動体。
【請求項2】
開閉自在に取り付けられた開閉体と、
前記開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置と、
前記開閉体に取り付けられた第2外界情報取得装置と、を備え、
前記第2外界情報取得装置が取得した第2外界情報によらずに前記第1外界情報取得装置が取得した第1外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、前記移動体の外殻部材の一部を構成し、
前記開閉体の前記移動体の外側の面である外表面には、ユーザが前記開閉体を開操作するための把手部が設けられており、
前記第1外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の正面視で、該正面視の平面における前記開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、前記把手部と重ならない位置に配置され、
前記第2外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の前記正面視で、前記第1方向において、少なくとも一部が前記把手部と重なる位置に配置され、
前記第1外界情報取得装置は、前記第2外界情報取得装置が外界情報を取得可能な外界の領域よりも遠方領域の外界情報を取得可能であり、
前記第2外界情報取得装置は、前記移動体の左右方向において、前記第1外界情報取得装置よりも前記移動体の前記左右方向における中心線から近い位置に配置されている、移動体。
【請求項3】
開閉自在に取り付けられた開閉体と、
前記開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置と、を備え、
前記第1外界情報取得装置が取得した第1外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、前記移動体の外殻部材の一部を構成し、
前記開閉体の前記移動体の外側の面である外表面には、ユーザが前記開閉体を開操作するための把手部が設けられており、
前記第1外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の正面視で、該正面視の平面における前記開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、前記把手部と重ならない位置に配置され、
前記移動体には、前記ユーザが、前記移動体の外部から前記開閉体が配置される前記移動体の前記前面又は前記後面を見た際に、視認可能に情報を表示する情報表示部が設けられており、
前記ユーザが前記移動体の外部で前記開閉体に近づくと、前記情報表示部は、前記ユーザに前記把手部の位置を通知する情報を表示する、移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体に関し、特に、自律移動可能な移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外界情報取得装置が搭載された移動体が知られている。例えば、特許文献1には、開閉自在に取り付けられたバックドアと、バックドアに取り付けられた外界情報取得装置であるバックカメラと、を備える車両が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の車両は、バックドアに設けられたガーニッシュの下面に、開操作装置であるドア開スイッチと、外界情報取得装置であるバックカメラと、が設けられており、ユーザは、ドア開スイッチを押圧した後、ガーニッシュを掴んでバックドアを上方に向かって回動させることによって、バックドアを開操作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-066763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の車両は、ユーザがバックドアを開操作するための把手部であるガーニッシュに外界情報取得装置であるバックカメラが設けられている。そのため、ユーザによるバックドアの開操作によって把手部であるガーニッシュに入力される荷重が、外界情報取得装置であるバックカメラに伝達し、バックカメラの取付位置や取付角度が変化してしまう虞があった。
【0006】
一方、近年活発に研究開発が行われている、自動運転車両等の自律移動可能な移動体においては、外界情報取得装置の取付位置や取付角度が変化してしまうと、外界情報取得装置が取得する外界情報の精度が低下し、適切な自律移動ができなくなってしまう場合がある。
【0007】
本発明は、ユーザによる開閉体の開操作によって、開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置の取付位置や取付角度が変化してしまうことを抑制できる移動体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
開閉自在に取り付けられた開閉体と、
前記開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置と、
前記開閉体に取り付けられた第2外界情報取得装置と、を備え、
前記第2外界情報取得装置が取得した第2外界情報によらずに前記第1外界情報取得装置が取得した第1外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、前記移動体の外殻部材の一部を構成し、
前記開閉体の前記移動体の外側の面である外表面には、ユーザが前記開閉体を開操作するための把手部が設けられており、
前記第1外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の正面視で、該正面視の平面における前記開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、前記把手部と重ならない位置に配置され
前記第2外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の前記正面視で、前記第1方向において、前記把手部と重ならない位置であって、かつ、少なくとも一部が前記第1方向において前記第1外界情報取得装置と重なる位置に配置され、
前記第1外界情報取得装置及び前記第2外界情報取得装置は、前記移動体の左右方向において、前記移動体の前記左右方向における中心線と交差する位置に配置され、
前記把手部は、前記左右方向において、前記中心線から左側にオフセットされた位置に設けられた左側把手部と、前記中心線から右側にオフセットされた位置に設けられた右側把手部と、を有し、
前記開閉体が配置される前記移動体の前記前面又は前記後面には、前記中心線から左側にオフセットされた位置に設けられた左側灯体ユニットと、前記中心線から右側にオフセットされた位置に設けられた右側灯体ユニットと、が設けられており、
前記ユーザが前記移動体の外部で前記開閉体に近づくと、前記左側灯体ユニット及び前記右側灯体ユニットのうち、前記ユーザからの距離が近い方が点灯する
また、本発明は、
開閉自在に取り付けられた開閉体と、
前記開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置と、
前記開閉体に取り付けられた第2外界情報取得装置と、を備え、
前記第2外界情報取得装置が取得した第2外界情報によらずに前記第1外界情報取得装置が取得した第1外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、前記移動体の外殻部材の一部を構成し、
前記開閉体の前記移動体の外側の面である外表面には、ユーザが前記開閉体を開操作するための把手部が設けられており、
前記第1外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の正面視で、該正面視の平面における前記開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、前記把手部と重ならない位置に配置され、
前記第2外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の前記正面視で、前記第1方向において、少なくとも一部が前記把手部と重なる位置に配置され、
前記第1外界情報取得装置は、前記第2外界情報取得装置が外界情報を取得可能な外界の領域よりも遠方領域の外界情報を取得可能であり、
前記第2外界情報取得装置は、前記移動体の左右方向において、前記第1外界情報取得装置よりも前記移動体の前記左右方向における中心線から近い位置に配置されている。
また、本発明は、
開閉自在に取り付けられた開閉体と、
前記開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置と、を備え、
前記第1外界情報取得装置が取得した第1外界情報に基づいて自律移動可能な移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、前記移動体の外殻部材の一部を構成し、
前記開閉体の前記移動体の外側の面である外表面には、ユーザが前記開閉体を開操作するための把手部が設けられており、
前記第1外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の正面視で、該正面視の平面における前記開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、前記把手部と重ならない位置に配置され、
前記移動体には、前記ユーザが、前記移動体の外部から前記開閉体が配置される前記移動体の前記前面又は前記後面を見た際に、視認可能に情報を表示する情報表示部が設けられており、
前記ユーザが前記移動体の外部で前記開閉体に近づくと、前記情報表示部は、前記ユーザに前記把手部の位置を通知する情報を表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1外界情報取得装置は、開閉体の閉状態における開閉体の外表面の正面視で、該正面視の平面における開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、把手部と重ならない位置に配置されているので、ユーザによる開閉体の開操作によって把手部に入力される荷重が、第1外界情報取得装置に伝達されにくくなる。これにより、ユーザによる開閉体の開操作によって、開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置の取付位置や取付角度が変化してしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の車両を、左斜め前方から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の車両を、テールゲートを開いた状態で右斜め後方から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態の車両を、後方から見た後面図である。
図4図3の把手部周辺の要部拡大図である。
図5図1の車両の車両制御装置を示すブロック図である。
図6図1の車両の第1変形例を示す、把手部周辺を後方から見た後面図である。
図7図1の車両の第2変形例を示す、把手部周辺を後方から見た後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の移動体の一実施形態としての車両を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単かつ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0012】
(車両)
まず、本実施形態の車両Vの構成について、図1を参照しながら説明する。
【0013】
車両Vは、自律移動可能な移動体である。以下、車両Vが自律移動することを自律運転ともいう。
【0014】
図1に示すように、車両Vは、駆動源(図示略)と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪と、を有する自動車である。本実施形態では、車両Vは、左右一対の前輪FW及び後輪RWを有する四輪の自動車である。車両Vの駆動源は、例えば電動機である。なお、車両Vの駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両Vの駆動源は、左右一対の前輪FWを駆動してもよいし、左右一対の後輪RWを駆動してもよいし、左右一対の前輪FW及び後輪RWの四輪を駆動してもよい。前輪FW及び後輪RWは、双方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0015】
車両Vは、例えば鋼板パネル溶接組立によるモノコック構造を有する骨格部材(不図示)と、骨格部材を覆って車両Vの外殻を構成する外殻部材1と、を備える。車両Vは、乗員を収容する車室CBと、車室CBの前方に形成されるフロントルームFRMと、を有する。車室CB及びフロントルームFRMは、いずれも外殻部材1によって囲まれた空間である。車室CBとフロントルームFRMとは、上下方向及び左右方向に延びるダッシュパネル(図示略)によって区画されている。フロントルームFRMには、車両Vの駆動源等が収容される。
【0016】
外殻部材1は、車両Vの前方を向く前面1aと、車両Vの後方を向く後面1bと、車両Vの左右方向を向く左右一対の側面1cと、車両Vの上方を向く上面1dと、を有する。
【0017】
外殻部材1は、車室CBの前側における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のフロントドア10Fと、車室CBの後側における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のリアドア10Rと、を備える。さらに、外殻部材1は、フロントドア10Fより前方における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のフロントフェンダパネル11と、リアドア10Rより後方における車両Vの左右の側面1cを構成する左右一対のリアフェンダパネル12と、を備える。さらに、外殻部材1は、フロントドア10F及びリアドア10Rの下縁に沿って、車両Vの左側及び右側それぞれのフロントフェンダパネル11からリアフェンダパネル12へと前後方向に延びる左右一対のサイドシル13を備える。さらに、外殻部材1は、左右一対のフロントドア10F及びリアドア10Rの上縁に沿って前後方向及び左右方向に延び、車両Vの車室CBの上面を構成するルーフパネル14を備える。さらに、外殻部材1は、車両VのフロントルームFRMの前面下部を構成するフロントバンパ15と、車両VのフロントルームFRMの上面を構成するボンネット16と、を備える。さらに、外殻部材1は、車両Vの後面下部を構成するリアバンパ17と、車両Vの後面上部を構成するテールゲート18と、を備える。
【0018】
フロントフェンダパネル11には、フロントフェンダパネル11の下縁が上方に凸となる略円弧状に湾曲したフロントホイールアーチ部111が形成されている。フロントホイールアーチ部111の下方には、フロントホイールハウス112が形成され、フロントホイールハウス112には、前輪FWが収容される。
【0019】
リアフェンダパネル12には、リアフェンダパネルの下縁が上方に凸となる略円弧状に湾曲したリアホイールアーチ部121が形成されている。リアホイールアーチ部121の下方には、リアホイールハウス122が形成され、リアホイールハウス122には、後輪RWが収容される。
【0020】
フロントバンパ15は、その左右端が左右それぞれのフロントホイールアーチ部111にまで回り込む形状を有している。
【0021】
フロントバンパ15の上方には、ボンネット16との間に、左側のフロントフェンダパネル11から右側のフロントフェンダパネル11へと上下方向及び左右方向に延びるフロントガーニッシュ19が設けられている。フロントガーニッシュ19の左右両端部には、車両Vの前方を照射する左右一対の前照灯191が設けられている。左右一対の前照灯191は、左右方向に離間して設けられている。
【0022】
このようにして、フロントバンパ15及びフロントガーニッシュ19は、外殻部材1の前面1aを構成する。リアバンパ17及びテールゲート18は、外殻部材1の後面1bを構成する。左右一対のフロントドア10F、左右一対のリアドア10R、左右一対のフロントフェンダパネル11、左右一対のリアフェンダパネル12、及び左右一対のサイドシル13は、外殻部材1の左右一対の側面1cを構成する。ルーフパネル14は、外殻部材1の上面1dを構成する。
【0023】
車室CBの前面には、フロントウインドウ21が設けられている。フロントウインドウ21は、車室CB内から車外が視認可能な光透過部材、例えばガラスによって形成されている。フロントウインドウ21は、ルーフパネル14の前端部から前方に傾斜しながら下方に向かってボンネット16の後端部の近傍まで延びている。フロントウインドウ21は、車両Vの左右方向の略全域に亘って延びている。
【0024】
車両Vの内部である車室CBには、乗員が着座可能な前部座席FSと、前部座席FSよりも後方に配置され、乗員が着座可能な後部座席RSと、が設けられている。
【0025】
(車両の後部構造)
図2及び図3に示すように、車両Vは、後部に開口部30を有する。テールゲート18は、閉状態において、開口部30を閉塞する外殻部材1である。車両Vには、開口部30の上縁部30uと、テールゲート18の上端部18uとを連結するテールゲートヒンジ40が設けられている。テールゲートヒンジ40は、左右方向に離間して左右2か所に設けられている。左右一対のテールゲートヒンジ40は、いずれも左右方向に沿って延びる回動軸を有している。テールゲート18は、図2中の矢印で示すように、テールゲートヒンジ40の回動軸を中心に、上下方向に回動して開閉自在に車両Vに軸支されている。
【0026】
テールゲート18の下端部18dには、ロック装置181が設けられている。開口部30の下縁部30dには、ストライカ31が設けられている。開口部30がテールゲート18によって閉塞されている、テールゲート18の閉状態のとき、テールゲート18のロック装置181は、ストライカ31に係止しており、テールゲート18は、開放不能となっている。ロック装置181のストライカ31への係止が解除されると、テールゲート18は開放可能となる。
【0027】
車両Vの後面視で、テールゲート18の上部領域には、上下方向及び左右方向に延び、前後方向に貫通する開口部182が設けられており、開口部182は、テールウインドウ22によって閉塞されている。テールウインドウ22は、車室CB内から車外が視認可能な光透過部材、例えばスモークガラスによって形成されている。
【0028】
テールゲート18は、車両Vの後部の外殻を構成するアウタパネル183と、アウタパネル183の車両Vの外側の面である外側面183aに取り付けられたガーニッシュ部材184と、を有する。本実施形態では、ガーニッシュ部材184は、テールゲート18の左右方向の全域に亘って延びている。アウタパネル183は、例えば鋼板によって形成されている。ガーニッシュ部材184は、例えば樹脂によって形成されている。ガーニッシュ部材184は、アウタパネル183よりも剛性が低くなっている。
【0029】
テールウインドウ22、アウタパネル183(ガーニッシュ部材184が配置されている部分は除く)、及びガーニッシュ部材184は、テールゲート18の車両Vの外側の面である外表面18aを構成する。
【0030】
ガーニッシュ部材184には、ユーザがテールゲート18を開操作するための把手部185が設けられている。ユーザは、把手部185を掴んでテールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する。本実施形態では、把手部185は、ガーニッシュ部材184の外表面から車両Vの内側方向に窪んだ凹部である。
【0031】
本実施形態では、把手部185は、車両Vの後面視で、車両Vの左右方向における中心線L1から左側に所定距離オフセットされた位置に設けられた左側把手部185Lと、中心線L1から右側に所定距離オフセットされた位置に設けられた右側把手部185Rと、を有する。
【0032】
左側把手部185L及び右側把手部185Rには、ユーザがテールゲート18を開操作する際に操作する開操作装置186が設けられている。ユーザによって開操作装置186が操作されると、ロック装置181はストライカ31への係止を解除し、テールゲート18は開放可能となる。したがって、ユーザは、左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rに設けられた開操作装置186を操作して、ロック装置181とストライカ31との係止を解除した後、そのまま左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rを掴んで、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する。
【0033】
本実施形態では、開操作装置186はスイッチであり、開操作装置186とロック装置181とは、ハーネス線187によって電気的に接続されている。ユーザがスイッチである開操作装置186を押圧すると、開操作装置186は、ハーネス線187を介してロック装置181にロック解除信号を出力し、ロック装置181は、ロック解除信号が入力されるとストライカ31への係止を解除する。
【0034】
(LiDAR装置)
図3及び図4に示すように、テールゲート18には、LiDAR装置50(LiDAR:Light Detection and Ranging)が設けられている。LiDAR装置50は、パルス状に発光するレーザ光を走査しながら対象物に照射し、その散乱光や反射光を測定して遠距離にある対象までの距離やその対象の性質や形状を分析することによって、車両Vの第1外界情報500を取得する。LiDAR装置50は、第1外界情報取得装置の一例であり、第1外界情報500として、車両Vの後方の外界情報を取得する。
【0035】
本実施形態では、LiDAR装置50は、アウタパネル183とガーニッシュ部材184との間に配置されており、アウタパネル183の外側面183aに取り付けられ、ガーニッシュ部材184によって車両Vの後方側が覆われている。
【0036】
ガーニッシュ部材184には、車両Vの後面視で、LiDAR装置50と重なる位置に、左右方向に延びる開口部184bが設けられている。したがって、LiDAR装置50の少なくとも一部は、車両Vの後方から開口部184bを通して視認可能になっている。LiDAR装置50から出射されたレーザ光は、ガーニッシュ部材184の開口部184bを通って車両Vの外部に出射される。
【0037】
(リアビューカメラ装置)
テールゲート18には、リアビューカメラ装置60が設けられている。リアビューカメラ装置60は、車両Vの外界の原像を撮像素子に結像させ、それを電気信号である映像信号に変換することによって、車両Vの第2外界情報600を取得する。リアビューカメラ装置60は、第2外界情報取得装置の一例であり、第2外界情報600として車両Vの後方の外界映像を取得する。
【0038】
本実施形態では、LiDAR装置50は、アウタパネル183とガーニッシュ部材184との間に配置されており、ガーニッシュ部材184に取り付けられ、ガーニッシュ部材184によって車両Vの後方側が覆われている。
【0039】
ガーニッシュ部材184には、車両Vの後面視で、リアビューカメラ装置60と重なる位置に、カメラ窓部184cが設けられている。カメラ窓部184cは、車両Vの後方からリアビューカメラ装置60が視認可能な開口であってもよいし、車両Vの後方からリアビューカメラ装置60が視認可能な光透過部材によって覆われていてもよい。リアビューカメラ装置60は、ガーニッシュ部材184のカメラ窓部184cを通して車両Vの側方の外界映像を取得する。
【0040】
リアビューカメラ装置60は、車両V近傍の外界情報を第2外界情報600として取得する。LiDAR装置50は、リアビューカメラ装置60が外界情報を取得可能な外界の領域よりも遠方領域の外界情報を取得可能である。LiDAR装置50は、リアビューカメラ装置60が外界情報を取得可能な領域を含み、リアビューカメラ装置60が外界情報を取得可能な領域より遠方までのより広範囲の外界情報を第1外界情報500として取得する。
【0041】
(把手部、LiDAR装置、及びリアビューカメラ装置の配置)
LiDAR装置50は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重ならない位置に配置されている。
【0042】
LiDAR装置50が、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重なる位置に配置されていると、ユーザが左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rを掴んで、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する際に、ユーザによって左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rに入力される上方向の荷重が、LiDAR装置50に伝達しやすい。例えば、LiDAR装置50が、車両Vの後面視で、左右方向において把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重なる位置で、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の上方に配置されていると、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する際に、ユーザによって左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rに入力される上方向の荷重がLiDAR装置50に伝達して、LiDAR装置50は、下端部が車両Vの後方に変位する方向に取付位置や取付角度が変化してしまいやすい。また、例えば、LiDAR装置50が、車両Vの後面視で、左右方向において把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重なる位置で、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の下方に配置されていると、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する際に、ユーザによって左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rに入力される上方向の荷重がLiDAR装置50に伝達して、LiDAR装置50は、上端部が車両Vの後方に変位する方向に取付位置や取付角度が変化してしまいやすい。
【0043】
LiDAR装置50は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重ならない位置に配置されているので、ユーザが左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rを掴んで、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する際に、ユーザによって左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rに入力される上方向の荷重が、LiDAR装置50に伝達されにくくなる。これにより、ユーザによるテールゲート18の開操作によって、テールゲート18に取り付けられたLiDAR装置50の取付位置や取付角度が変化してしまうことを抑制できる。
【0044】
本実施形態では、リアビューカメラ装置60は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重ならない位置であって、かつ、少なくとも一部がLiDAR装置50と重なる位置に配置されている。
【0045】
したがって、リアビューカメラ装置60は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重ならない位置に配置されているので、ユーザが左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rを掴んで、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する際に、ユーザによって左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rに入力される上方向の荷重が、リアビューカメラ装置60に伝達されにくくなる。これにより、ユーザによるテールゲート18の開操作によって、テールゲート18に取り付けられたリアビューカメラ装置60の取付位置や取付角度が変化してしまうことを抑制できる。
【0046】
さらに、リアビューカメラ装置60は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、少なくとも一部がLiDAR装置50と重なる位置に配置されているので、左右方向においてLiDAR装置50又はリアビューカメラ装置60と重ならないテールゲート18の外表面18aの領域を大きくすることができる。これにより、テールゲート18における把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)のレイアウト自由度が向上する。
【0047】
本実施形態では、LiDAR装置50及びリアビューカメラ装置60は、車両Vの左右方向において、車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に配置されている。
【0048】
これにより、LiDAR装置50及びリアビューカメラ装置60は、いずれも車両Vの左右方向における中心線L1に対して略対称な車両Vの後方の領域の外界情報を、第1外界情報500及び第2外界情報600として取得することができる。
【0049】
(灯体ユニット)
図3に戻って、車両Vの外殻部材1の後面1bには、車両Vの左右方向における中心線L1から左側に所定距離オフセットされた位置に設けられた左側灯体ユニット70Lと、中心線L1から右側に所定距離オフセットされた位置に設けられた右側灯体ユニット70Rと、が設けられている。本実施形態では、左側灯体ユニット70L及び右側灯体ユニット70Rは、リアバンパ17及びリアフェンダパネル12に固定されている。左側灯体ユニット70Lは、テールゲート18が閉状態のときにガーニッシュ部材184の左側に隣接する位置に設けられており、右側灯体ユニット70Rは、テールゲート18が閉状態のときにガーニッシュ部材184の右側に隣接する位置に設けられている。左側灯体ユニット70L及び右側灯体ユニット70Rは、それぞれ尾灯71と、ブレーキ灯72と、方向指示灯73と、を備える。尾灯71は、夜間や悪天候時等に、車両Vの後方に存する交通参加者(歩行者・自転車・オートバイ・他車両等を含む。以下同様。)に対して車両V(自車)の存在を通知するために赤色に点灯する。ブレーキ灯72は、車両Vの制動時に、尾灯よりも明るく赤色に点灯する。左側灯体ユニット70Lが備える方向指示灯73は、車両Vが左折する場合、及び左隣の車線に車線変更する場合に、橙色に点滅する。右側灯体ユニット70Rが備える方向指示灯73は、車両Vが右折する場合、及び右隣の車線に車線変更する場合に、橙色に点滅する。また、車両V(自車)が交通の障害物となっている場合には、左側灯体ユニット70L及び右側灯体ユニット70Rの双方の方向指示灯73が同時に橙色に点滅する。
【0050】
ユーザが車両Vの外部でテールゲート18に近づくと、左側灯体ユニット70L及び右側灯体ユニット70Rのうち、ユーザからの距離が近い方が点灯する。このとき、尾灯71、ブレーキ灯72及び方向指示灯73のいずれかが点灯してもよいし、尾灯71、ブレーキ灯72及び方向指示灯73のうちの2以上が点灯してもよい。
【0051】
このように、ユーザが車両Vの外部でテールゲート18に近づくと、左側灯体ユニット70L及び右側灯体ユニット70Rのうち、ユーザからの距離が近い方が点灯することによって、左側把手部185L及び右側把手部185Rのうち、ユーザからの距離が近い方の周囲が明るくなる。これにより、ユーザは、夜間等で車両Vの周辺が暗く、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の位置が認識しづらい状況であっても、左側把手部185L及び右側把手部185Rのうち、ユーザからの距離が近い方の位置を容易に認識できる。
【0052】
(情報表示部)
テールウインドウ22には、車両Vの左右方向の中央部分で左右方向に延びる情報表示部221が設けられている。本実施形態では、情報表示部221は、テールウインドウ22の下端部に沿って左右方向に延びている。
【0053】
情報表示部221は、車両Vの後方に向けて各種情報を表示する。したがって、車両Vの後方に存する交通参加者(歩行者・自転車・オートバイ・他車両等を含む。以下同様。)は、車両Vの後面1bを見た際に、情報表示部221に表示された各種情報を視認できる。また、車両Vのユーザは、車両Vの外部から車両Vの後面1bを見た際に、情報表示部221に表示された各種情報を視認できる。
【0054】
ユーザが車両Vの外部でテールゲート18に近づくと、情報表示部221は、ユーザに把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の位置を通知する情報を表示する。把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の位置を通知する情報を表示する態様として、例えば、情報表示部221は、左右方向において把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)と重なる位置に、下向きの矢印を表示する。
【0055】
これにより、ユーザが車両Vの外部でテールゲート18に近づくと、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の位置を通知する情報が情報表示部221に表示されるので、ユーザは、夜間等で車両Vの周辺が暗く、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の位置が認識しづらい状況であっても、把手部185(左側把手部185L、右側把手部185R)の位置を容易に認識できる。
【0056】
(車両運転制御装置)
次に、図5を参照しながら、車両Vに搭載された車両運転制御装置90について説明する。
【0057】
車両Vには、上述したLiDAR装置50、リアビューカメラ装置60の他に、ナビゲーション装置91、通信装置92、車両センサ93、手動運転装置94、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、ブレーキ装置97、が搭載されている。
【0058】
車両運転制御装置90は、LiDAR装置50、ナビゲーション装置91、通信装置92、車両センサ93、手動運転装置94、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97と、通信媒体を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0059】
ナビゲーション装置91は、GNSS受信機(GNSS:Global Navigation Satellite System)、地図情報、等を備える。ナビゲーション装置91は、GNSS受信機によって車両Vの現在位置を検出し、検出した現在位置と地図情報とに基づいて、車両Vの乗員等によって指定された目的地までの経路を導き出す機能を有する。
【0060】
通信装置92は、道路の交通状況を監視するシステムの情報提供用サーバと無線通信を行い、車両Vが走行中の道路や走行予定の道路の交通状況を示す交通情報を取得する。交通情報には、前方の渋滞情報、渋滞地点を通過するための所要時間情報、事故・故障車・工事情報、速度規制・車線規制情報、駐車場の位置情報、駐車場・サービスエリア・パーキングエリアの満車・空車情報などの情報が含まれる。通信装置92は、道路の側帯などに設けられた無線ビーコンとの路車間通信や、車両Vの周辺を走行する他車両との車車間通信によって、交通情報を取得してもよい。
【0061】
また、通信装置92は、信号情報活用運転支援システム(TSPS:Traffic Signal Prediction Systems)の情報提供用サーバと無線通信を行い、車両Vが走行中又は走行予定の道路に設けられた信号機の信号情報を取得する。TSPSは、信号機の信号情報を用いて信号交差点を円滑に通行するための運転を支援する。通信装置92は、道路の側帯などに設けられた無線ビーコンとの路車間通信や、車両Vの周辺を走行する他車両との車車間通信によって、信号情報を取得してもよい。
【0062】
車両センサ93は、車両Vに関する各種情報を検出する機能を有する。車両センサ93は、車両Vの車速を検出する車速センサ931、車両Vの前後方向及び左右方向の加速度を検出する加速度センサ932、車両Vの鉛直軸回りの角速度から車両Vの旋回方向を検出する旋回方向検出センサ933、車両Vの向きを検出する方位センサ934、車両Vの傾斜角度を検出する傾斜角センサ935を含む、車両Vの移動状態を検出する各種センサを有する。車両センサ93はさらに、車両Vの存する場所の照度を検出する照度センサ936、車両Vの存する場所の雨滴の量を検出する雨滴センサ937を含む、車両Vの外部環境を検出する各種センサを有する。
【0063】
手動運転装置94は、乗員による加減速指示を受け付ける加減速操作部材であるアクセルペダル941、乗員による制動指示を受け付ける制動操作部材であるブレーキペダル942、乗員による変速段の変更指示を受け付けるための変速操作部材であるシフトレバー943、乗員による旋回指示を受け付ける操舵部材であるステアリングホイール944、を備える。
【0064】
手動運転装置94はさらに、アクセルペダル941の踏み込み量を検出し、アクセル開度信号を車両運転制御装置90に出力するアクセルペダル開度センサ941a、ブレーキペダル942の踏み込み量(又は踏み込み力)を検出し、ブレーキ信号を車両運転制御装置90に出力するブレーキペダル踏量センサ942a、シフトレバー943によって指示された変速段を検出し、シフト位置信号を車両運転制御装置90に出力するシフト位置センサ943a、ステアリングホイール944の操舵角を検出し、ステアリング操舵角信号を車両運転制御装置90に出力するステアリング操舵角センサ944a、ステアリングホイール944に加えられたトルクを検出し、ステアリングトルク信号を車両運転制御装置90に出力するステアリングトルクセンサ944b、を有する。
【0065】
走行駆動力出力装置95は、駆動源を含み、駆動源の動力を車両Vの駆動力として駆動輪である前輪FW及び/又は後輪RWに出力する装置である。
【0066】
ステアリング装置96は、車両Vの転舵輪である前輪FW及び/又は後輪RWの向きを変更する装置である。
【0067】
ブレーキ装置97は、前輪FW及び後輪RWに制動力を出力する装置である。
【0068】
車両運転制御装置90は、例えば、一以上のプロセッサ又は同等の機能を有するハードウェアによって構成される。車両運転制御装置90は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、記憶装置、及び通信インターフェースが内部バスによって接続されたECU(Electronic Control Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)などが組み合わされた構成であってもよい。
【0069】
車両運転制御装置90は、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御することによって、車両Vの運転(移動)を制御する。車両運転制御装置90は、プロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御する。また、これらの制御機能のうちの一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0070】
車両運転制御装置90は、乗員による手動運転装置94の操作に基づいて、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御し、車両Vを手動運転させることができる。
【0071】
車両運転制御装置90は、車両Vを手動運転させる際、手動運転装置94から出力されたアクセル開度信号、ブレーキ信号、シフト位置信号、ステアリング操舵角信号、ステアリングトルク信号等に加えて、LiDAR装置50が取得した第1外界情報500、ナビゲーション装置91が検出した車両Vの現在位置、ナビゲーション装置91の地図情報、ナビゲーション装置91によって導き出された車両Vの目的地までの経路、通信装置92が取得した交通情報及び信号情報、車両センサ93が取得した車両Vの移動状態及び車両Vの外部環境のうちの1つ以上の情報に基づいて、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御してもよい。
【0072】
さらに、車両運転制御装置90は、乗員による手動運転装置94の操作によらず、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御し、車両Vを自律運転(自律移動)させることができる。
【0073】
車両運転制御装置90は、車両Vを自律運転させる際、LiDAR装置50が取得した第1外界情報500、ナビゲーション装置91が検出した車両Vの現在位置、ナビゲーション装置91の地図情報、ナビゲーション装置91によって導き出された車両Vの目的地までの経路、通信装置92が取得した交通情報及び信号情報、車両センサ93が取得した車両Vの移動状態及び車両Vの外部環境に基づいて、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御し、車両Vを自律運転(自律移動)させる。
【0074】
なお、本実施形態では、リアビューカメラ装置60は、車両運転制御装置90と直接的にデータ通信可能には接続されていない。そして、車両運転制御装置90は、リアビューカメラ装置60が取得した第2外界情報600によらずに、走行駆動力出力装置95、ステアリング装置96、及びブレーキ装置97を制御する。したがって、車両Vは、リアビューカメラ装置60が取得した第2外界情報600によらずに自律運転する。
【0075】
なお、リアビューカメラ装置60で取得した第2外界情報600は、車室CB内に設けられたLCD表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL表示パネル(EL:Electroluminescence)などによって構成されるディスプレイ装置61に、車両Vの後方の外界映像として表示される。
【0076】
<第1変形例>
上述した実施形態では、ユーザがテールゲート18を開操作する際に操作する開操作装置186は、左側把手部185L及び右側把手部185Rに設けられているものとしたが、開操作装置186は、左側把手部185L及び右側把手部185R以外の位置に設けられていてもよい。
【0077】
図6に示すように、第1変形例では、開操作装置186は、ガーニッシュ部材184の外表面に設けられており、車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に配置されている。
【0078】
第1変形例において、ユーザは、ガーニッシュ部材184の外表面に設けられた開操作装置186を操作して、ロック装置181とストライカ31との係止を解除した後、左側把手部185L及び/又は右側把手部185Rを掴んで、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する。このようにすると、開操作装置186を左側把手部185L及び右側把手部185Rの2か所に設ける必要がなく、開操作装置186を車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に1か所に設ければよいので、車両Vのコストを低減できる。
【0079】
なお、開操作装置186は、車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に配置されていなくてもよいし、ガーニッシュ部材184ではなく、アウタパネル183に設けられていてもよい。左側把手部185L及び右側把手部185R以外の位置で、テールゲート18の外表面に設けられていてもよい。
【0080】
<第2変形例>
上述した実施形態では、LiDAR装置50及びリアビューカメラ装置60は、車両Vの左右方向において、車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に配置されており、把手部185は、車両Vの後面視で、車両Vの左右方向における中心線L1から左側及び右側に所定距離オフセットされた位置に左右一対設けられているものとしたが、把手部185は、車両Vの左右方向における中心線L1から左側及び右側に所定距離オフセットされた位置に配置されていなくてもよい。LiDAR装置50は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185と重ならない位置に配置されていればよい。
【0081】
図7に示すように、第2変形例では、把手部185は、車両Vの左右方向において、車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に1か所設けられている。一方、LiDAR装置50は、車両Vの後面視で、車両Vの左右方向における中心線L1から左右方向に所定距離オフセットされた位置に配置されている。本変形例では、LiDAR装置50は、車両Vの後面視で、車両Vの左右方向における中心線L1から右側に所定距離オフセットされた位置に配置されている。そして、LiDAR装置50は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185と重ならない位置に配置されている。
【0082】
したがって、ユーザが把手部185を掴んで、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する際に、ユーザによって把手部185に入力される上方向の荷重が、LiDAR装置50に伝達されにくくなる。これにより、ユーザによるテールゲート18の開操作によって、テールゲート18に取り付けられたLiDAR装置50の取付位置や取付角度が変化してしまうことを抑制できる。
【0083】
また、第2変形例では、把手部185及びリアビューカメラ装置60は、車両Vの左右方向において、車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に配置されている。
【0084】
したがって、リアビューカメラ装置60は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、少なくとも一部が把手部185と重なる位置に配置されている。
【0085】
リアビューカメラ装置60が、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、少なくとも一部が把手部185と重なる位置に配置されていることによって、左右方向において把手部185と重ならないテールゲート18の外表面18aの領域を大きくすることができる。
【0086】
また、車両Vは、リアビューカメラ装置60が取得した第2外界情報600によらずに自律運転するので、ユーザが把手部185を掴んで、テールゲート18を上方に向かって回動させて開操作する際に、ユーザによって把手部185に入力される上方向の荷重が、リアビューカメラ装置60に伝達しても、車両Vの自律運転の精度に影響しない。
【0087】
これにより、車両Vの自律運転の精度を低下させることなく、テールゲート18におけるLiDAR装置50のレイアウト自由度が向上する。
【0088】
また、第2変形例では、LiDAR装置50は、テールゲート18の閉状態におけるテールゲート18の外表面18aの正面視、すなわち車両Vの後面視で、該正面視の平面、すなわち車両Vの後面視の平面におけるテールゲート18の開閉方向である上下方向に対して直交する左右方向において、把手部185と重ならない位置で、車両Vの左右方向における中心線L1から左右方向に所定距離オフセットされた位置に配置されている。一方、リアビューカメラ装置60は、車両Vの左右方向において、車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に配置されている。
【0089】
したがって、リアビューカメラ装置60は、車両Vの左右方向において、LiDAR装置50よりも車両Vの左右方向における中心線L1から近い位置に配置されている。
【0090】
上述したように、LiDAR装置50は、リアビューカメラ装置60が外界情報を取得可能な外界の領域よりも遠方領域の外界情報を取得可能である。そして、リアビューカメラ装置60は、車両V近傍の外界情報を第2外界情報600として取得し、LiDAR装置50は、リアビューカメラ装置60が外界情報を取得可能な領域を含み、リアビューカメラ装置60が外界情報を取得可能な領域より遠方までのより広範囲の外界情報を第1外界情報500として取得する。
【0091】
このとき、外界情報取得装置が取得する外界情報は、車両Vから遠方の外界情報ほど、外界情報取得装置の配置位置における左右方向の誤差の影響が小さくなる。LiDAR装置50は、車両Vのより遠方までの広範囲の外界情報を第1外界情報500として取得するので、左右方向において、車両Vの左右方向における中心線L1から左右方向に所定距離オフセットされた位置に配置されていても、取得した第1外界情報500の左右方向の誤差の影響は相対的に小さい。一方、リアビューカメラ装置60は、車両Vのより近傍の外界情報を第2外界情報600として取得するので、左右方向において、車両Vの左右方向における中心線L1から離れると、取得した第2外界情報600の左右方向の誤差の影響が、第1外界情報500の左右方向の誤差の影響よりも大きくなる。
【0092】
第2変形例では、リアビューカメラ装置60は、車両Vの左右方向において、LiDAR装置50よりも車両Vの左右方向における中心線L1から近い位置に配置されているので、配置位置における左右方向の誤差の影響を受けやすいリアビューカメラ装置60が取得する第2外界情報600の左右方向の誤差を小さくすることができる。
【0093】
第2変形例では、リアビューカメラ装置60は、車両Vの左右方向において、LiDAR装置50よりも車両Vの左右方向における中心線L1と交差する位置に配置されているので、リアビューカメラ装置60が取得する第2外界情報600の左右方向の誤差をより小さくすることができる。
【0094】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0095】
例えば、本実施形態では、本発明の移動体の一例として車両について説明したが、移動体は車両に限らない。移動体は、車両に限らず、駆動源を備えて駆動源の動力により移動可能なロボット、船舶、航空機などであってもよい。
【0096】
また、例えば、本実施形態では、移動体の開閉体の一例として、テールゲート18について説明したが、移動体の開閉体は、例えば、車両Vのフロントドア10Fやリアドア10Rであってもよい。例えば、フロントドア10Fの前端部が、上下方向に延びる回動軸を有するヒンジによって車両Vに連結されており、フロントドア10Fは、上下方向に延びる回動軸を中心に前後方向に回動して開閉自在に車両Vに軸支されている場合、フロントドア10Fの閉状態におけるフロントドア10Fの外表面の正面視は、車両Vの側面視であり、該正面視の平面、すなわち車両Vの側面視の平面におけるフロントドア10Fの開閉方向である前後方向に対して直交する方向は上下方向である。また、リアドア10Rが、前後方向にスライドして開閉自在に車両Vに取り付けられているスライドドアである場合、リアドア10Rの閉状態におけるリアドア10Rの外表面の正面視は、車両Vの側面視であり、該正面視の平面、すなわち車両Vの側面視の平面におけるリアドア10Rの開閉方向である前後方向に対して直交する方向は上下方向である。
【0097】
また、例えば、本実施形態では、移動体の開閉体の一例として、車両Vの後面に設けられたテールゲート18について説明したが、移動体の開閉体は、移動体の前面に設けられていてもよい。
【0098】
また、例えば、本実施形態では、外界情報取得装置はLiDAR装置50であるものとしたが、LiDAR装置50は、外界情報取得装置の一例であり、外界情報取得装置は、LiDAR装置50に限らず、LiDAR以外の手段で車両Vの外界情報を取得可能な装置であってよく、例えば、ミリ波レーダ装置やカメラ装置等であってもよい。
【0099】
また、例えば、本実施形態では、開操作装置186はスイッチであり、開操作装置186とロック装置181とは、ハーネス線187によって電気的に接続されているものとしたが、開操作装置186は、把手部185と一体に設けられたレバー装置やハンドル装置であり、開操作装置186とロック装置181とは、ボーデンケーブル等で構成される操作力伝達部材で連結されていてもよい。この場合、ユーザが開操作装置186を操作すると、その操作力が操作力伝達部材を介してロック装置181に伝達され、ロック装置181は、開操作装置186から操作力伝達部材を介して伝達された操作力によってストライカ31への係止を解除する。
【0100】
また、例えば、本実施形態では、左側灯体ユニット70L及び右側灯体ユニット70Rは、リアバンパ17及びリアフェンダパネル12に固定されているものとしたが、左側灯体ユニット70L及び右側灯体ユニット70Rは、テールゲート18に固定されていてもよい。
【0101】
また、例えば、本実施形態では、情報表示部221は、テールウインドウ22に設けられているものとしたが、情報表示部221は、車両Vの後方に向けて各種情報を表示可能であれば、任意の部材に取り付け可能であり、例えば、テールゲート18のアウタパネル183に取り付けられていてもよいし、ガーニッシュ部材184に取り付けられていてもよい。
【0102】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0103】
(1) 開閉自在に取り付けられた開閉体(テールゲート18)と、
前記開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置(LiDAR装置50)と、を備え、
前記第1外界情報取得装置が取得した第1外界情報(第1外界情報500)に基づいて自律移動可能な移動体(車両V)であって、
前記開閉体は、前記移動体の外殻部材(外殻部材1)の一部を構成し、
前記開閉体の前記移動体の外側の面である外表面(外表面18a)には、ユーザが前記開閉体を開操作するための把手部(把手部185)が設けられており、
前記第1外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の正面視で、該正面視の平面における前記開閉体の開閉方向(上下方向)に対して直交する第1方向(左右方向)において、前記把手部と重ならない位置に配置されている、移動体。
【0104】
(1)によれば、第1外界情報取得装置は、開閉体の閉状態における開閉体の外表面の正面視で、該正面視の平面における開閉体の開閉方向に対して直交する第1方向において、把手部と重ならない位置に配置されているので、ユーザが把手部を掴んで、開閉体を開操作する際に、ユーザによって把手部に入力される荷重が、第1外界情報取得装置に伝達されにくくなる。これにより、ユーザによる開閉体の開操作によって、開閉体に取り付けられた第1外界情報取得装置の取付位置や取付角度が変化してしまうことを抑制できる。
【0105】
(2) (1)に記載の移動体であって、
前記移動体は、前記開閉体に取り付けられた第2外界情報取得装置(リアビューカメラ装置60)をさらに備え、前記第2外界情報取得装置が取得した第2外界情報(第2外界情報600)によらずに自律移動し、
前記第2外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の前記正面視で、前記第1方向において、前記把手部と重ならない位置であって、かつ、少なくとも一部が前記第1方向において前記第1外界情報取得装置と重なる位置に配置されている、移動体。
【0106】
(2)によれば、第2外界情報取得装置は、開閉体の閉状態における開閉体の外表面の正面視で、第1方向において、把手部と重ならない位置に配置されているので、ユーザが把手部を掴んで、開閉体を開操作する際に、ユーザによって把手部に入力される荷重が、第2外界情報取得装置に伝達されにくくなる。これにより、ユーザによる開閉体の開操作によって、開閉体に取り付けられた第2外界情報取得装置の取付位置や取付角度が変化してしまうことを抑制できる。
また、第2外界情報取得装置は、開閉体の閉状態における開閉体の外表面の正面視で、第1方向において、少なくとも一部が第1外界情報取得装置と重なる位置に配置されているので、第1方向において第1外界情報取得装置又は第2外界情報取得装置と重ならない開閉体の外表面の領域を大きくすることができる。これにより、開閉体における把手部のレイアウト自由度が向上する。
【0107】
(3) (2)に記載の移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、
前記第1外界情報取得装置及び前記第2外界情報取得装置は、前記移動体の左右方向において、前記移動体の前記左右方向における中心線(中心線L1)と交差する位置に配置されている、移動体。
【0108】
(3)によれば、開閉体は、移動体の前面又は後面に配置され、第1外界情報取得装置及び第2外界情報取得装置は、移動体の左右方向において、移動体の左右方向における中心線と交差する位置に配置されているので、第1外界情報取得装置及び第2外界情報取得装置は、いずれも移動体の左右方向における中心線に対して略対称な移動体の前方又は後方の領域の外界情報を、第1外界情報及び第2外界情報として取得することができる。
【0109】
(4) (3)に記載の移動体であって、
前記把手部は、前記左右方向において、前記中心線から左側にオフセットされた位置に設けられた左側把手部(左側把手部185L)と、前記中心線から右側にオフセットされた位置に設けられた右側把手部(右側把手部185R)と、を有し、
前記開閉体が配置される前記移動体の前記前面又は前記後面には、前記中心線から左側にオフセットされた位置に設けられた左側灯体ユニット(左側灯体ユニット70L)と、前記中心線から右側にオフセットされた位置に設けられた右側灯体ユニット(右側灯体ユニット70R)と、が設けられており、
前記ユーザが前記移動体の外部で前記開閉体に近づくと、前記左側灯体ユニット及び前記右側灯体ユニットのうち、前記ユーザからの距離が近い方が点灯する、移動体。
【0110】
(4)によれば、ユーザが移動体の外部で開閉体に近づくと、左側灯体ユニット及び右側灯体ユニットのうち、ユーザからの距離が近い方が点灯するので、左側把手部及び右側把手部のうち、ユーザからの距離が近い方の周囲が明るくなる。これにより、ユーザは、夜間等で移動体の周辺が暗く、把手部の位置が認識しづらい状況であっても、左側把手部及び右側把手部のうち、ユーザからの距離が近い方の位置を容易に認識できる。
【0111】
(5) (1)に記載の移動体であって、
前記移動体は、前記開閉体に取り付けられた第2外界情報取得装置(リアビューカメラ装置60)をさらに備え、前記第2外界情報取得装置が取得した第2外界情報(第2外界情報600)によらずに自律移動し、
前記第2外界情報取得装置は、前記開閉体の閉状態における前記開閉体の前記外表面の前記正面視で、前記第1方向において、少なくとも一部が前記把手部と重なる位置に配置されている、移動体。
【0112】
(5)によれば、第2外界情報取得装置は、開閉体の閉状態における開閉体の外表面の正面視で、第1方向において、少なくとも一部が把手部と重なる位置に配置されているので、第1方向において把手部と重ならない開閉体の外表面の領域を大きくすることができる。
また、移動体は、第2外界情報取得装置が取得した第2外界情報によらずに自律移動するので、移動体の自律移動の精度を低下させることなく、開閉体における第1外界情報取得装置のレイアウト自由度が向上する。
【0113】
(6) (5)に記載の移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、
前記第1外界情報取得装置は、前記第2外界情報取得装置が外界情報を取得可能な外界の領域よりも遠方領域の外界情報を取得可能であり、
前記第2外界情報取得装置は、前記移動体の左右方向において、前記第1外界情報取得装置よりも前記移動体の前記左右方向における中心線(中心線L1)から近い位置に配置されている、移動体。
【0114】
(6)によれば、第1外界情報取得装置は、第2外界情報取得装置が外界情報を取得可能な外界の領域よりも遠方領域の外界情報を取得可能であり、第2外界情報取得装置は、移動体の左右方向において、第1外界情報取得装置よりも移動体の左右方向における中心線から近い位置に配置されているので、配置位置における左右方向の誤差の影響を受けやすい第2外界情報取得装置が取得する第2外界情報の左右方向の誤差を小さくすることができる。
【0115】
(7) (1)~(6)のいずれかに記載の移動体であって、
前記開閉体は、前記移動体の前面又は後面に配置され、
前記移動体には、前記ユーザが、前記移動体の外部から前記開閉体が配置される前記移動体の前記前面又は前記後面を見た際に、視認可能に情報を表示する情報表示部(情報表示部221)が設けられており、
前記ユーザが前記移動体の外部で前記開閉体に近づくと、前記情報表示部は、前記ユーザに前記把手部の位置を通知する情報を表示する、移動体。
【0116】
(7)によれば、ユーザが移動体の外部で開閉体に近づくと、把手部の位置を通知する情報が情報表示部に表示されるので、ユーザは、夜間等で移動体の周辺が暗く、把手部の位置が認識しづらい状況であっても、把手部の位置を容易に認識できる。
【符号の説明】
【0117】
1 外殻部材
18 テールゲート(開閉体)
18a 外表面
185 把手部
185L 左側把手部
185R 右側把手部
221 情報表示部
50 LiDAR装置(第1外界情報取得装置)
500 第1外界情報
60 リアビューカメラ装置(第2外界情報取得装置)
600 第2外界情報
70L 左側灯体ユニット
70R 右側灯体ユニット
L1 中心線
V 車両(移動体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7