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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】包装ラベル
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/04 20060101AFI20231207BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20231207BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G09F3/04 C
G09F3/00 M
G09F3/02 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020205223
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2022092415
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】300032949
【氏名又は名称】日新シール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(72)【発明者】
【氏名】松島 夕海
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-138699(JP,A)
【文献】特開2017-009850(JP,A)
【文献】特開2019-137420(JP,A)
【文献】特開2010-145465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0009468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/04
G09F 3/00
G09F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の外周に装着される包装ラベルであって、
前記包装ラベルは、
プラスチックフイルムで形成された透明または半透明のフイルム基材、
前記フイルム基材の一方主面で且つ前記フイルム基材の一方側に配設され、光学的に読取り可能な色で情報コードが印刷された情報コード印刷領域、
前記フイルム基材の一方主面で且つ前記情報コード印刷領域の上側、下側、左側、右側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設され、前記情報コード印刷領域との明暗が判別可能な色で印刷された判別可能領域、
前記フイルム基材の一方主面で且つ前記フイルム基材の他方側に配設され、前記情報コード印刷領域との明暗が判別不能な色で印刷された判別不能領域、
前記情報コード印刷領域および前記判別可能領域が外面側になり、前記判別不能領域が前記情報コード印刷領域の内面側になって重なり合うように、前記フイルム基材の一方側と他方側が重ね合わされてなる重ね合わせ部の少なくとも一部がシールされて筒状に形成された筒状体、および
前記情報コード印刷領域を囲繞する部分を前記重ね合わせ部の外面側から離間させて折り返し片とする折り返し手段を含み、
前記情報コード印刷領域が前記判別不能領域の上側に重ね合わされた状態にあるとき、前記情報コード印刷領域が判別不能となり、
前記折り返し片の前記情報コード印刷領域前記判別可能領域の上側に重ね合わされた状態にあるとき、前記情報コード印刷領域が判別可能となって、前記情報コード光学的に読取り可能となることを特徴とする、包装ラベル。
【請求項2】
前記折り返し片は、当該折り返し片の周縁端に切欠き部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の包装ラベル。
【請求項3】
前記判別可能領域は、前記フイルム基材の一方主面で且つ前記情報コード印刷領域の上側および下側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設され、
前記折り返し手段は、前記情報コード印刷領域および前記判別可能領域を両側から挟むように、前記重ね合わせ部の前記外面側に配設される2本のミシン目を含み、
前記2本のミシン目は、前記筒状体の軸方向に延び設けられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の包装ラベル。
【請求項4】
前記判別可能領域は、前記フイルム基材の一方主面で且つ前記情報コード印刷領域の左側および右側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設され、
前記折り返し手段は、前記情報コード印刷領域および前記判別可能領域を両側から挟むように、前記重ね合わせ部の前記外面側に配設される2本のミシン目を含み、
前記2本のミシン目は、前記筒状体の周方向に延び設けられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の包装ラベル。
【請求項5】
前記折り返し片は、切り取り手段により前記筒状体の軸方向または周方向に切り取り可能に形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の包装ラベル。
【請求項6】
前記切り取り手段は、前記折り返し片の根元部で切り取られるように、前記折り返し基部に沿って延び設けられるミシン目で形成される切断線を含むことを特徴とする、請求項5に記載の包装ラベル。
【請求項7】
前記判別不能領域は、その少なくとも一部が隠蔽可能で、前記判別不能領域の色と同じ色味で印刷された隠蔽領域を含むことを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の包装ラベル。
【請求項8】
前記情報コード印刷領域および前記情報コード印刷領域の上側、下側、左側、右側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設された前記判別可能領域が、別部材としてのシール部材に配設され、前記シール部材の前記情報コード印刷領域が前記筒状体の前記重ね合わせ部の前記判別不能領域に重ね合わせられるように、前記シール部材を前記筒状体の外面側に貼付されたことを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の包装ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装ラベルに関し、特に、飲料水、食品、調味料、食材などの内容物が入ったプラスチック製包装容器等の被包装体に被包される包装ラベルに関する。本発明の包装ラベルは、さらに言うと、当該被包装体に関する各種情報をコード化して光学的に読取り可能にされた情報コードが印刷された包装ラベルに関するものであって、シュリンクラベル、ロールラベルおよびストレッチラベルに用いられて好適な包装ラベルである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような包装ラベルには、たとえば飲食品の分野において、商品の販促や管理等の目的で、容器本体および容器の蓋やキャップなどの外面に一次元バーコード(以下、単に「バーコード」という。)、またはQRコード(登録商標)等の二次元コード等、種々の情報コードが印刷されているものがある。
このような情報コードの中で、商品の販売促進の目的でたとえばQRコードおよびバーコードが容器本体の側面および蓋やキャップの天面等に印刷されているものには、当該商品を購入した購入者がこれを利用して、懸賞および各種キャンペーン等に応募する趣旨で用いられているものが多く見受けられる。
ところが、容器本体および蓋の外面に情報コードが印刷されている場合には、店舗の商品棚等に陳列された状態でかかる情報コードがスマートフォンのQRコード読取り機能を利用して読取り可能であることから、実際に商品を購入することなく情報コードを不正に読み取って応募されてしまう虞がある。
【0003】
そこで、このような問題点を解決するために、情報コードが印刷された個所をシートで隠蔽すること(たとえば特許文献1参照。)、またはタンパーエビデンス機構を兼ねたシュリンクフィルム等によって情報コードを隠蔽するように、キャップを外側から覆うこと(たとえば特許文献2参照。)、またはQRコード等の二次コードを隠蔽シールで隠蔽した隠蔽ラベルなどを貼付する手法(たとえば特許文献3参照。)等が提案されている。
また、特許文献3には、容器本体の胴部外側周壁に装着された外装体の内面に情報コード層を形成し、外装体を破いて内面に設けられた当該情報コードを視認することができるようにされた隠蔽情報付容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-309885号公報
【文献】特許第4676558号
【文献】特開2009-126536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に示す従来技術では、シートやシュリンクフィルムで情報コードを被覆する場合に、シートやシュリンクフィルムを除去、廃棄する手間が掛かるものであった。加えて、飲料等に用いられるキャップにおいては、それ自体タンパーエビデンス性を有するものも多く、情報コードを隠蔽する目的のために、シュリンクフィルムでさらに容器やキャップを覆ったりすることは、生産性や経済性の点で好ましいものではなかった。
また、上記特許文献3に示す従来技術では、店頭において隠蔽シールが不用意に剥がれて、個別情報が読み取られてしまう危険性があった。また、特許文献3にさらに開示された隠蔽情報付容器では、外装体の内面に印刷された情報コードによりラベルデザインが損なわれるという課題があった。
【0006】
それゆえに、本発明の主たる目的は、商品を購入する前の情報コードの不正読み取りが防止可能であり、商品を購入した後に手間を掛けることなく簡便に情報コードを読取り可能とすることができ、また情報コードによりラベルデザインが損なわれるという不具合もない、包装ラベルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、容器の外周に装着される包装ラベルであって、包装ラベルは、プラスチックフイルムで形成された透明または半透明のフイルム基材と、フイルム基材の一方主面で且つフイルム基材の一方側に配設され、光学的に読取り可能な色で情報コードが印刷された情報コード印刷領域と、フイルム基材の一方主面で且つ情報コード印刷領域の上側、下側、左側、右側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設され、情報コード印刷領域との明暗が判別可能な色で印刷された判別可能領域と、フイルム基材の一方主面で且つフイルム基材の他方側に配設され、情報コード印刷領域との明暗が判別不能な色で印刷された判別不能領域と、情報コード印刷領域および判別可能領域が外面側になり、判別不能領域が情報コード印刷領域の内面側になって重なり合うように、フイルム基材の一方側と他方側が重ね合わされてなる重ね合わせ部の少なくとも一部がシールされて筒状に形成された筒状体と、情報コード印刷領域を囲繞する部分を重ね合わせ部の外面側から離間させて折り返し片とする折り返し手段とを含み、情報コード印刷領域が判別不能領域の上側に重ね合わされた状態にあるとき、情報コード印刷領域が判別不能となり、折り返し片の情報コード印刷領域判別可能領域の上側に重ね合わされた状態にあるとき、情報コード印刷領域が判別可能となって、情報コード光学的に読取り可能となることを特徴とする、包装ラベルである。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、折り返し片は、当該折り返し片の周縁端に切欠き部を含むことを特徴とする、包装ラベルである。
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、判別可能領域は、フイルム基材の一方主面で且つ情報コード印刷領域の上側および下側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設され、折り返し手段は、情報コード印刷領域および判別可能領域を両側から挟むように、重ね合わせ部の外面側に配設される2本のミシン目を含み、2本のミシン目は、筒状体の軸方向に延び設けられていることを特徴とする、包装ラベルである。
請求項4に係る本発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、判別可能領域は、フイルム基材の一方主面で且つ情報コード印刷領域の左側および右側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設され、折り返し手段は、情報コード印刷領域および判別可能領域を両側から挟むように、重ね合わせ部の外面側に配設される2本のミシン目を含み、2本のミシン目は、筒状体の周方向に延び設けられていることを特徴とする、包装ラベルである。
請求項5に係る本発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、折り返し片は、切り取り手段により筒状体の軸方向または周方向に切り取り可能に形成されることを特徴とする、包装ラベルである。
請求項6に係る本発明は、請求項5に係る発明に従属する発明であって、切り取り手段は、折り返し片の根元部で切り取られるように、折り返し基部に沿って延び設けられるミシン目で形成される切断線を含むことを特徴とする、包装ラベルである。
請求項7に係る本発明は、請求項1~請求項6のいずれか1項に係る発明に従属する発明であって、判別不能領域は、その少なくとも一部が隠蔽可能で、判別不能領域の色と同じ色味で印刷された隠蔽領域を含むことを特徴とする、包装ラベルである。
請求項8に係る本発明は、請求項1~請求項7のいずれか1項に係る発明に従属する発明であって、情報コード印刷領域および情報コード印刷領域の上側、下側、左側、右側のうちのいずれか1箇所に間隔を隔てて略並列に配設された判別可能領域が、別部材としてのシール部材に配設され、シール部材の情報コード印刷領域が筒状体の重ね合わせ部の判別不能領域に重ね合わせられるように、シール部材を筒状体の外面側に貼付されたことを特徴とする、包装ラベルである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る主たる包装ラベルよれば、構造が簡単で、内容物の取り出しに手間が掛からず、製造工程の簡易化、廃棄処理の簡便化を図ることができる。また、本発明に係る他の包装袋によれば、主たる包装袋の効果に加えて、自立性および外観美観性を確保することができる。
【0009】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明にかかる包装ラベルの一例を示す斜視図である。
図2図1に示す包装ラベルの展開図である。
図3図1に示す状態から包装ラベルの情報コード印刷領域を含む折り返し片を捲って判別可能領域に重ね合わせる途中の状態を示す斜視図である。
図4図1および図2に示す包装ラベルを被包装体としてのたとえばペットボトルに被包した状態を示す斜視図である。
図5図4に示す状態から包装ラベルの情報コード印刷領域を含む折り返し片を捲って判別可能領域に重ね合わせる途中の状態を示す斜視図である。
図6図5に示す状態から折り返し片を判別可能領域に重ね合わせた状態を示す斜視図である。
図7図1および図4の要部を示す図解図である。
図8図3および図5の要部を示す図解図である。
図9図3および図5に示す状態から折り返し片を判別可能領域に重ね合わせた状態の要部を示す図解図である。
図10】本発明に係る包装ラベルの他の例を示す斜視図である。
図11】本発明に係る包装ラベルのさらに他の例を示す斜視図である。
図12】本発明に係る包装ラベルのさらに他の例を被包装体としてのたとえばプラスチック製のキャップ付き筒状容器に被包した状態を示す斜視図であり、(A)はその正面側を示す斜視図であり、(B)その背面側を示す斜視図である。
図13】本発明に係る包装ラベルの別の例が被包された被包装体としてのたとえばプラスチック製の扁平箱型容器を示す斜視図である。
図14図13に示す状態から包装ラベルの情報コード印刷領域を含む折り返し片を捲って判別可能領域に重ね合わせる途中の状態の要部を示す斜視図である。
図15図14に示す状態から折り返し片を判別可能領域に重ね合わせた状態の要部を示す斜視図である。
図16】本発明に係る包装ラベルのさらに別の例が被包された被包装体としてのたとえばプラスチック製の他の扁平箱型容器を示す斜視図である。
図17図16に示す状態から包装ラベルの情報コード印刷領域を含む折り返し片を捲って判別可能領域に重ね合わせる途中の状態の要部を示す斜視図である。
図18図17に示す状態から折り返し片を判別可能領域に重ね合わせた状態の要部を示す斜視図である。
図19】本発明に係る包装ラベルの判別不能領域の他の例を示す要部図解図であり、(A)は縞模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図であり、(B)はドット模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図であり、(C)は千鳥模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図であり、(D)は市松模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図である。
図20】本発明に係る包装ラベルの判別領域の他の例を示す要部図解図である。
図21】本発明に係る包装ラベルの情報コード印刷領域、判別不能領域および判別可能領域の別の例を示す要部図解図である。
図22】(A)は本発明に係る包装ラベルのさらに別の例を示す斜視図であり、(B)はその分解図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明にかかる包装ラベルの一例を示す斜視図である。この包装ラベル10Aは、たとえば図4図13および図16に示すように、各種プラスチック製容器の外周に装着される包装ラベルである。
包装ラベル10Aは、図2に示すように、たとえば横長矩形状のプラスチック製フイルムで形成された透明または半透明のフイルム基材12を含む。フイルム基材12は、たとえばシュリンクフイルム(熱収縮性フイルム)で形成されている。フイルム基材12は、たとえば二軸延伸ポリスチレンシートで形成されている。このフイルム基材12の一方主面の長手方向の一端側には、所定の間隔を隔てて、シール部としてのたとえば2本の外面側ヒートシール部14,16が形成されている。外面側ヒートシール部14,16は、フイルム基材12の幅方向の一端から他端に亘って、所定の幅をもって直線状に形成されている。
【0012】
この2本の外面側ヒートシール部14,16の間には、当該フイルム基材12の幅方向の一端側に、光学的に読取り可能な色で情報コードが印刷された情報コード印刷領域18が形成されている。この情報コード印刷領域18としては、QRコード等のマトリックス型二次元コード、一次元バーコード等、各種の情報コードが適用され得る。
また、この情報コード印刷領域18の下側には、情報コード印刷領域18との明暗(濃淡)が判別可能な色で印刷された判別可能領域20が形成されている。判別可能領域20は、情報コード印刷領域18と間隔を隔てて略並列に形成されている。この発明を実施するための形態の例では、例えば、情報コード印刷領域18が黒色で印刷され、判別可能領域20が白色でベタ印刷されている。
情報コード印刷領域18は、たとえばインクジェットおよびレーザー印字等によりバリアブル印刷(可変印刷)されることが望ましい。この場合、高価で管理の難しい示温インキなどを使用するものではない。
【0013】
また、フイルム基材12の一方主面の長手方向の他端側には、図2に示すように、所定の間隔を隔てて、他のシール部としてのたとえば2本の内面側ヒートシール部22,24が形成されている。内面側ヒートシール部22,24は、フイルム基材12の幅方向の一端から他端に亘って、所定の幅をもって直線状に形成されている。
2本の内面側ヒートシール部22,24の間には、当該フイルム基材12の幅方向の一端側に、情報コード印刷領域との明暗(濃淡)が判別不能な色で印刷された判別不能領域26が形成されている。この発明を実施するための形態の例では、例えば、判別不能領域26が黒色でベタ印刷されている。
【0014】
包装ラベル10Aは、フイルム基材12の情報コード印刷領域18および判別可能領域20が外面側になり、判別不能領域26が情報コード印刷領域18の内面側になって重なり合うように、フイルム基材12の一方側と他方側が重ね合わされる。そして、この重ね合わされた部位(以下、「重ね合わせ部28」という。)の少なくとも一部が直線状にシールされることにより、包装ラベル10Aは、図1に示すように、たとえば円筒状の筒状体30に形成されている。この発明を実施するための形態の例では、例えば、筒状体30の周方向で見て、重ね合わせ部28の一端側および他端側をヒートシールすることにより、フイルム基材12が円筒状の筒状体30に形成されている。その結果、一方の外面側ヒートシール部14と一方の内面側ヒートシール部24が重ね合わされ、且つ、他方の外面側ヒートシール部16と他方の内面側ヒートシール部22が重ね合わされた部位でヒートシールされる態様となっている。
【0015】
また、この包装ラベル10Aでは、情報コード印刷領域18を囲繞する部分を重ね合わせ部28の外面側から離間させて、折り返し片32(図3を参照。)とする折り返し手段としてのたとえば2本のミシン目34,36(折り返し片32の捲り用ミシン目)が配設されている。2本のミシン目34,36は、情報コード印刷領域18および判別可能領域20を両側から挟むように、重ね合わせ部28の外面側に配設されている。この2本のミシン目34,36は、それぞれ、筒状体30の軸方向(たとえば図1で見て、高さ方向または上下方向とも言える。)の一端から他端に亘って延び設けられている。
さらに、折り返し片32は、図1に示すように、当該折り返し片32の上端に切欠き部としてのたとえばノッチ部38,40を有している。すなわち、2本のミシン目34,36には、筒状体30の軸方向で見て、当該ミシン目34,36の上端縁には、それぞれ、たとえばI型のノッチ部38,40が配設されている。このノッチ部38,40がミシン目34,36を介して折り返し片32を捲る起点となり、当該折り返し片32が捲り易くなる。
【0016】
また、この包装ラベル10Aには、図1図2および図3等に示すように、たとえば1本の他のミシン目42が配設されている。ミシン目42は、既述したミシン目34,36と同様に、筒状体30の軸方向(たとえば図1で見て、高さ方向または上下方向とも言える。)の一端から他端に亘って配設されている。このミシン目42は、当該包装ラベル10Aを被包装体(例えば図4図6に図示したペットボトルを参照。)に装着した場合に、当該被包装体から包装ラベル10Aを取り外すためのミシン目(取り外し用ミシン目)である。このミシン目42の上端縁にも、I型およびY型等のノッチ部を適宜形成し得るものである。
ミシン目34,36,42は、たとえばレーザー加工により任意の所定の部分に形成され得るものである。
【0017】
さらに、この包装ラベル10Aには、図2に示すように、フイルム基材12の長手方向の中間部に、間隔を隔てて、たとえば2本の折り目線44,46が形成されている。この2本の折り目線44,46は、当該包装ラベル10Aを被包装体の外周部に装着させる装着機にセットする際に扁平筒状にするときの折り目線である。
また、この包装ラベル10Aでは、図2で見て、たとえば2本の折り目線44,46の間、折り目線44と外面側ヒートシール部16の左端との間、および、折り目線46ミシン目42との間等のフイルム基材12の一方主面に、当該包装ラベル10Aが装着される被包装容器(商品)に関する商品情報、デザイン、ロゴ等の各種情報が適宜印刷され得るもとなっている。
【0018】
この発明を実施するための形態の例では、例えば、外面側ヒートシール部14,16および内面側ヒートシール部22,24の幅は、それぞれ、たとえば8mmに形成され、外面側ヒートシール部14,16間の間隔および内面側ヒートシール部22,24間の間隔は、それぞれ、25mmに形成されている。ミシン目34,36の間の間隔が、25mmに形成されている。この間隔は、たとえば20mm~40mmに形成されていてもよい。また、ノッチ部38,40の切込み長さは、たとえば1.5mm~4mmに形成され得る。また、折り目線44,46の間の間隔は、たとえば114mmに形成されている。
また、図2で見て、外面側ヒートシール部16の左端と一方の折り目線44の間の間隔、および内面側ヒートシール部の右端と他方の折り目線46の間の間隔は、それぞれ、たとえば36.5mmに形成されている。
【0019】
図4は、図1および図2に示す包装ラベル10Aを被包装体としてのたとえばペットボトル50に被包した状態を示す斜視図である。
ペットボトル50は、図4に示すように、キャップ52、肩部54、胴部56および底部58を含むものであり、上記した構成の包装ラベル10Aは、胴部56の外周部に巻き付けられるように装着される。
すなわち、包装ラベル10Aを被包装体に装着させる場合、扁平筒状に折り畳まれてロール状に巻回された長尺状の包装ラベル長尺体を装着機にセットし、そのロールから包装ラベル長尺体を繰り出しながら所定長さ毎に切断して個々の扁平筒状の包装ラベルを形成し、その扁平筒状の包装ラベルを装着機のオープナーで吸引して拡開すると共にその拡開状態を保持しつつ上方から被包装体となる容器に被せるものとなっている。
そして、この筒状の包装ラベルを保持したオープナーが所定の高さまで下降すると、その位置でオープナーが筒状の包装ラベルを離す。オープナーから解放された筒状の包装ラベルは、扁平状に折り畳まれた際に形成された折り目線44と折り目線46との間の部分がペットボトル50に密着した状態となってその位置に留まる。さらに、未収縮の筒状の包装ラベルが被せられた状態のペットボトル50はそのままシュリンクトンネル等へ搬送され、そこで筒状の包装ラベルが加熱されて熱収縮してペットボトル50に密着する。
【0020】
この包装ラベル10Aが装着されたペットボトル50は、当該ペットボトル50が店舗の商品棚等に陳列された状態では、図4および図7に示すように、情報コード印刷領域18が判別不能領域26の上側に重ね合わされた態様となっているので、情報コード印刷領域18は、判別不能領域26との明暗(濃淡)の差異が小さく、光学的に読み取れないように隠蔽されるものとなっている。この場合、ペットボトル50の内容物が透明体であっても、情報コード印刷領域18の反対側(ペットボトル50の背面側)からの読み取りができないものとなっている。
【0021】
一方、このペットボトル50を消費者が購入した場合には、図5図6および図8図9に示すように、ミシン目34,36(捲り用ミシン目)を、ノッチ部38,40を起点にして下側に捲って折り返すことによって、情報コード印刷領域18を判別不能領域26から離間させる折り返し片32を構成することができる。折り返し片32は、図3図5図8に示すように、当該折り返し片32の根元部32Aを支点にして折り返されるものとなっている。この折り返し片32を判別可能領域20の上に重ね合わせることによって、情報コード印刷領域18が当該判別可能領域20に重ね合わされ、情報コード印刷領域18と判別可能領域20との明暗(濃淡)の差異が大きくなって、当該情報コード印刷領域18の情報コードの内容を光学的に読み取ることができる。
なお、図1図9に示す包装ラベル10Aでは、情報コード印刷領域18内の3つの位置決め用シンボルの位置が、図1,図2図4で図示したもの(折り返し片32を折り返す前の状態)と、図6図9で図示したもの(折り返し片32を折り返して情報コード印刷領域18を判別可能領域20に重ね合わせた後の状態)とで、上下が反転した位置となっているが、それに限定されるものではなく、たとえば上下または左右に反転させたものであってもよい。
【0022】
したがって、この包装ラベル10Aが装着されたペットボトル50では、当該ペットボトル50を購入する前は、情報コード印刷領域18の不正読み取りを防止することができ、消費者が当該ペットボトル50を購入した後は、折り返し片32を判別可能領域20の上に重ね合わせるだけで、たとえば携帯電話の読み取り機能により情報コード印刷領域18を光学的に簡便に読み取ることができる。現在ではカメラ付き携帯電話端末の多くがQRコード対応になっており、内蔵カメラでコードを撮影し、QRコードの情報内容を認識させることができる。
また、当該ペットボトル50に関する商品情報、デザイン、ロゴ等の各種情報が印刷された商品情報印刷領域は、情報コード印刷領域18、判別可能領域20および判別不能領域26が印刷された部位以外の場所に印刷されている(図示せず)ため、情報コード印刷領域18、判別可能領域20および判別不能領域26により、包装ラベルのデザインが損なわれるという不具合もないものとなっている。
【0023】
上述した発明を実施するための形態の例では、情報コード印刷領域18の印刷方法が以下の[1]~[3]のいずれかの方法により、適宜、印刷され得るものとなっている。
[1]フイルム基材12をペットボトル50の胴部56の外周面にシュリンク包装する前に印刷する。すなわち、フイルム基材12を筒状にする前の展開状態の平坦な状態で、QRコード等の二次元情報コードを印刷することが、加工スピード的に望ましい方法となっている。この方法によれば、情報コード印刷領域18を印刷した後で、判別不能領域26の上に情報コード印刷領域18が重ね合わされる前の状態において、当該情報コード印刷領域18の読み取り確認は可能であるが、シュリンク包装後の判別不能領域26の上に情報コード印刷領域18が重ね合わされた後の状態では、当該情報コード印刷領域18の読み取り確認が不可となる。また、情報コード印刷領域18の印刷位置の位置合わせは、問題なく行えるものとなっている。但し、シュリンク包装後は、当該情報コード印刷領域18が歪むリスクが問題となっている。また、バリアブル印刷(可変印刷)は、可能となる。
[2]フイルム基材12をペットボトル50の胴部56の外周面にシュリンク包装する前のロール状態で印刷する。この場合、フイルム基材12をペットボトル50に装着する前に扁平筒状にするときのセンターシール工程の際に、情報コード印刷領域18を印刷する。この方法によれば、センターシール工程の際に、シュリンク包装する前のロール状態でバリアブル印刷(可変印刷)することができる。また、情報コード印刷領域18の印刷位置の位置合わせは可能である。但し、情報コード印刷領域18を印刷した後に、ロール状態で判別不能領域26の上に情報コード印刷領域18が重ね合わされた後の状態では、当該情報コード印刷領域18の読み取り確認ができず、また、シュリンク包装後は、当該情報コード印刷領域18が歪むリスクもある。
[3]フイルム基材12をペットボトル50の胴部56の外周面にシュリンク包装した後に情報コード印刷領域18を印刷する。この方法によれば、シュリンク包装した後に印刷することができるので、可変印刷が可能となっている。そのため、シュリンク包装による情報コード印刷領域18の読み取り不良が防止される。但し、情報コード印刷領域18の印刷位置の位置合わせの難易度が高く、シュリンク包装後の判別不能領域26の上に情報コード印刷領域18が重ね合わされた後の状態では、情報コード印刷領域18の読み取り確認もできない。この方法を可能とするためには、設備上、種々の問題があり、実効性に困難性があるものとなっている。
なお、上記した情報コード印刷領域18の読み取り確認とは、当該情報コード印刷領域18が印刷状態、たとえば印刷にカスレがないか、位置ズレがないか等の不具合を視認して確認することである。
【0024】
図1図9に示す発明の実施の形態に係る包装ラベル10Aが装着されたペットボトル50によれば、例えば、POPラベルを含む従来の包装ラベルと比べて、当該POPラベルを有していない構造となっているため、POPラベルをペットボトル50から剥がされる等の悪戯を防止することができる。また、フイルム基材12をペットボトル50の胴部56の外周面に装着する工程において、POP貼り付け工程を削減することができる。そのため、消費後のペットボトル50を廃棄する際のリサイクル性も向上するものとなっている。
【0025】
また、POPラベルを含むこの従来の包装ラベルに比べて、本包装ラベル10Aが装着されたペットボトル50では、包装ラベル10Aをペットボトル50から剥がす際の手剥がし性が改善され、ペットボトル50にもPOPラベルの糊が残らない。すなわち、本包装ラベル10Aでは、ペットボトル50にPOPラベルが掛からず、当該包装ラベル10Aのみに情報コード印刷領域18、判別可能領域20および判別不能領域26が形成されているので、当該包装ラベル10Aをペットボトル50から剥がせば、当該情報コード印刷領域18、判別可能領域20および判別不能領域26は、包装ラベル10Aと一緒に剥がれるものとなっている。なお、POPラベルを含むこの従来の包装ラベルの装着工程では、現状、ボトルをセットした後のボトルへのPOP貼り付けは、その貼り付け位置を正確に制御することができない等の問題点がある。
【0026】
本包装ラベル10Aが装着されたペットボトル50では、上記[1]および[2]に係る情報コード印刷領域18の印刷方法を採用すれば、バリアブル印刷(可変印刷)が可能となる。
すなわち、消費者がペットボトル50(商品)の購入前に情報コード印刷領域18の不正読み取りを防止することができると共に、包装ラベル10Aの表面へのQRコード等の情報コード印刷領域18の印刷が可能となる。
【0027】
さらに、本包装ラベル10Aが装着されたペットボトル50において、上記[3]に係る情報コード印刷領域18の印刷方法を採用すれば、シュリンク包装した後に情報コード印刷領域18を印刷することができるため、当該QRコード等の情報コード印刷領域18の上にスクラッチシールを貼り付けることや隠蔽インキを施す必要もなく、シュリンク包装後のバリアブル印刷(可変印刷)も可能となっている。そのため、本包装ラベル10Aが装着されたペットボトル50では、情報コード印刷領域18にたとえば種々のキャンペーン情報が含まれている場合、上記したバリアブル印刷(可変印刷)により、当該キャンペーン情報に応じてすべて異なるQRコード等の情報コード印刷領域18を印刷することができるため、二重応募等の不具合をなくすことができる。
【0028】
図10は、本発明に係る包装ラベルの他の例を示す斜視図であり、図11は、本発明に係る包装ラベルのさらに他の例を示す斜視図である。
図10に示す包装ラベル10Bは、図1図9に示す上述の包装ラベル10Aと比べて、特に、折り返し片32を筒状体30の外面側から切り取る切り取り手段としてのたとえば切断線69Aが配設されている点で相違している。すなわち、図10に示す包装ラベル10Bでは、判別不能領域26の下側に間隔を隔てて1本の切断線69Aが筒状体30の周方向に延び設けられている。この切断線69Aは、たとえばミシン目で形成されている。
また、この包装ラベル10Bでは、上述の包装ラベル10Aと比べて、折り返し片32の捲り用ミシン目の配置が相違している。すなわち、図10に示す包装ラベル10Bでは、前記した切断線69Aの長手方向の一端および他端から筒状体30の軸方向を上側に延びるミシン目68A,68A(捲り用ミシン目)が形成されている。この2本のミシン目68A,68Aは、切断線69Aの長手方向の一端および他端から、重ね合わせ部28の軸方向(たとえば図10で見て、高さ方向または上下方向とも言える。)上端に亘って形成されている。この2本のミシン目68A,68A(捲り用ミシン目)および1本の切断線69Aを形成するミシン目は、たとえばレーザー加工により形成されることが好ましい。
【0029】
一方、図11に示す包装ラベル10Cは、図10に示す包装ラベル10Bと比べて、特に、情報コード印刷領域18、判別不能領域26および判別可能領域20が筒状体30の重ね合わせ部28の軸方向の下端側に配設され、判別不能領域26の上側に間隔を隔てて1本の切断線69Bが筒状体30の周方向に延び設けられている。この切断線69Bは、前記切断線69Aと同様に、たとえばミシン目で形成されている。さらに、切断線69Bの長手方向の一端および他端から、重ね合わせ部28の軸方向(たとえば図11で見て、高さ方向または上下方向とも言える。)下端に亘って、ミシン目68B,68B(捲り用ミシン目)形成されている。この2本のミシン目68B,68B(捲り用ミシン目)および1本の切断線69Bを形成するミシン目も、たとえばレーザー加工により形成されることが好ましい。
図10に示す包装ラベル10Bは、2本のミシン目68A,68Aに沿って折り返し片32を下側に捲って、情報コード印刷領域18を判別不能領域26から離間させて判別可能領域20の上に重ね合わせることができ、図11に示す包装ラベル10Cは、2本のミシン目68B,68Bに沿って折り返し片32を上側に捲って、情報コード印刷領域18を判別不能領域26から離間させて判別可能領域20の上に重ね合わせることができるものとなっている。この場合、図10に示す包装ラベル10Bおよび図11に示す包装ラベル10Cの作用・効果は、それぞれ、図1図9に示す包装ラベル10Aと同様である。
【0030】
図12は、本発明に係る包装ラベルのさらに他の例を被包装体としてのたとえばプラスチック製のキャップ付き筒状容器に被包した状態を示す斜視図であり、図12の(A)はその正面側を示す斜視図であり、図12の(B)その背面側を示す斜視図である。
図12(A),(B)に示す包装ラベル10Dは、図1図9に示す包装ラベル10Aと比べて、特に、被包装体の構造および被包装体から包装ラベル10Dを取り外すためのミシン目(取り外し用ミシン目)の構造が相違している。
すなわち、キャップ付き筒状容器60は、図12(A),(B)に示すように、キャップ部62、胴部64および底部66を含むものであり、包装ラベル10Dは、キャップ部62および胴部64の外周部に巻き付けられるように装着されている。
【0031】
また、キャップ付き筒状容器60は、包装ラベル10Dを胴部64から取り外すためのミシン目69C,69D(取り外し用ミシン目)を含む。一方のミシン目69Cは、図12(A)に示すように、判別可能領域20の下側に間隔を隔てて筒状体30の周方向に形成され、図12(A),(B)に示すように、筒状体30を周回するように当該筒状体30の全周に形成されている。他方のミシン目69Dは、図12(A)で見て、外面側ヒートシール部14および内面側ヒートシール部24の右端近傍で、筒状体30の軸方向に延び設けられている。このミシン目69Dは、当該筒状体30の軸方向の上端から、前記したミシン目69Cに亘って配設されている。なお、図12(A),(B)に示す包装ラベル10Dでは、図10に示す包装ラベル10Aと同様の構造を有する折り返し片32および当該折り返し片32を筒状体30の外面側から切り取る切断線69Aが配設されている。
図12(A),(B)に示す包装ラベル10Dでは、特に、ミシン目69Cおよびミシン目69Dを介して、筒状体30のミシン目69Cから下側を残し、当該筒状体30のミシン目69Cから上側だけをキャップ付き筒状容器60から剥離して取り外すことができる。この場合、包装ラベル10Dの基本的な作用・効果は、図1図9に示す包装ラベル10Aと同様である。
【0032】
図13は、本発明に係る包装ラベルの別の例が被包された被包装体としてのたとえばプラスチック製の扁平箱型容器を示す斜視図である。
図13に示す包装ラベル10Eは、図1図9に示す包装ラベル10Aと比べて、特に、被包装体の態様が相違している。すなわち、図13では、被包装体がたとえばプラスチック製の扁平箱型容器で形成されている。この扁平箱型容器70は、容器本体72Bおよび蓋部72Aを含み、当該容器本体72Bおよび蓋部72Aは、ヒンジ部70Aにより開閉自在となる態様である。この扁平箱型容器70の容器本体72Bおよび蓋部72Aの長手方向の略中央外周部に、包装ラベル10Eが巻回されて装着される。この包装ラベル10Eの筒状体74は、図1図9に示す包装ラベル10Aの筒状体30と比べて、その軸方向の長さが小さく形成されている。つまり、包装ラベルの軸方向の長さおよび周方向の長さは、被包装体(図13では、扁平箱型容器70)の態様に応じて、適宜、変更され得るものである。
【0033】
図13に示す包装ラベル10Eは、図14および図15に示すように、2本のミシン目76A,76Bに沿って折り返し片78を筒状体74の軸方向に捲って、情報コード印刷領域18を判別不能領域26から離間させて判別可能領域20の上に重ね合わせることができるものとなっている。この場合、図13に示す包装ラベル10Eの作用・効果は、図1図9に示す包装ラベル10Aと同様である。
【0034】
図16は、本発明に係る包装ラベルのさらに別の例が被包された被包装体としてのたとえばプラスチック製の他の扁平箱型容器を示す斜視図である。
図16に示す包装ラベル10Fは、図1図9に示す包装ラベル10Aと比べて、特に、フイルム基材の構成が相違している。すなわち、図14に示す包装ラベル10Fは、たとえば自己伸縮性を有するポリエチレン系樹脂からなる積層ストレッチフィルムより形成されている。また、図14に示す包装ラベル10Fは、被包装体としてのたとえばプラスチック製の扁平箱型容器80に装着されている。扁平箱型容器80は蓋部82Aおよび容器本体82Bを含み、当該蓋部82Aおよび容器本体82Bのたとえば長手方向の外周部に巻回されて装着されている。
【0035】
この包装ラベル10Fは、筒状体84を含む。筒状体84は、装着時に拡径されて扁平箱型容器80の外周部に外嵌され、当該積層ストレッチフィルムの自己伸縮性によって拡張された径が弾性力によって収縮して扁平箱型容器80の外周部に密着して装着される。筒状体84は、蓋部82Aおよび容器本体82Bの外周部に巻き付けて重なり合う重ね合わせ部28において、筒状体84の周方向の一端部が溶剤、接着剤、ヒートシール等でシールされるシール部84Aを有するものである。包装ラベル10Fは、シール部84Aで扁平箱型容器80に装着されている。図16図18に示す包装ラベル10Fは、剥離部86を含む接合部の接合を弱接合にして易剥離状態に調整することにより、一方で、扁平箱型容器80の外周部に密接着させることができると共に、他方においては、扁平箱型容器80から包装ラベル10Fを剥離可能とするものである。この場合、包装ラベル10Fは、流通過程等で包装ラベル10Fのシール部86を含む接合部が不用意に剥離することはない。
また、図16図18に示す扁平箱型容器80には、たとえばポリプロピレン系樹脂からなるフイルムによりフイルム基材が形成されたロールラベルが包装ラベル10Fとして用いられ得るものとなっている。この場合、筒状体84は、扁平箱型容器80の外周部に巻き付けられ、当該フイルム基材の一端部および他端部が重ね合わされ、シール部84Aの接着によって、当該扁平箱型容器80の外周部に密着して装着されるものとなっている。
【0036】
図16に示す包装ラベル10Fは、図17および図18に示すように、剥離部86を起点にして折り返し片88を筒状体84の軸方向に捲って、情報コード印刷領域18を判別不能領域26から離間させて判別可能領域20の上に重ね合わせることができるものとなっている。この場合、図16に示す包装ラベル10Fの作用・効果は、図1図9に示す包装ラベル10Aと同様である。
【0037】
図19は、本発明に係る包装ラベルの判別不能領域の他の例を示す要部図解図であり、図19の(A)は縞模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図であり、図19の(B)はドット模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図であり、図19の(C)は千鳥模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図であり、図19の(D)は市松模様の隠蔽領域を含む判別不能領域を示す要部図解図である。
図1図9に示す包装ラベル10Aでは、判別不能領域26が黒色でベタ印刷されているもので形成されているが、この判別不能領域26はそれに限定されるものではなく、図19の(A)~(D)に示すように、判別不能領域26の色と同じ色味で印刷された隠蔽領域を含むものであってもよい。図19の(A)~(D)に示す各判別不能領域26では、黒色で印刷された隠蔽領域90A~90Dが形成されている。
すなわち、図19の(A)に示す判別不能領域26は、黒色で縞模様に印刷されたものであり、図19の(B)に示す判別不能領域26は、黒色で多数のドット模様に印刷されたものであり、図19の(C)に示す判別不能領域26は、黒色で千鳥模様に印刷されたものであり、図19の(D)に示す判別不能領域26は、黒色で市松模様に印刷されたものである。これらの隠蔽領域90A~90Dを含む判別不能領域26に、黒色で印刷された情報コード印刷領域18が重ね合わされた状態では、当該情報コード印刷領域18が隠蔽領域90A~90Dによって、少なくともその一部を視認不可に隠蔽することができるため、情報コード印刷領域18を光学的に読み取ることができないものとなっている。
【0038】
図20は、本発明に係る包装ラベルの判別領域の他の例を示す要部図解図である。
図1図9に示す包装ラベル10Aでは、判別可能領域20が白色でベタ印刷されているもので形成されているが、この判別可能領域はそれに限定されるものではなく、図20に示すように、判別可能領域92が灰色で印刷されていてもよい。
この判別可能領域の色は、白色および灰色以外にも、情報コード印刷領域18を判別可能領域に重ね合わせたときに、当該情報コード印刷領域18を光学的に読み取って色の識別が可能な色であり、色差の大きい、言い換えると、明暗の差が大きい色であればよい。
但し、バーコード、QRコード等の情報コード印刷領域18を光学的に読み取る読み取り機は、通常、光源に赤色光を使用しており、赤色光を情報コード印刷領域18に投光し、赤色光が吸収される「バー(黒など)」と、反射する「スペース(白など)」の明暗の差をセンサとで判別して読取処理している。そのため、「スペース」に濃い青や緑を使用すると、それらの色は赤色光を吸収しやすいので、バーコードリーダーにとっては光を吸収する「バー」として写り、バーとスペースの区別がつかなくなってしまい、読み取り不可となる場合があるので、濃い青や緑を使用することは望ましくないものである。
【0039】
図21は、本発明に係る包装ラベルの情報コード印刷領域、判別不能領域および判別可能領域の別の例を示す要部図解図である。
図1に示す包装ラベル10Aでは、情報コード印刷領域18が黒色で印刷され、判別不能領域26が黒色ベタで印刷され、判別可能領域20が白色ベタで印刷されたが、それらに限定されるものではなく、図21に示すものでは、例えば、情報コード印刷領域18が白色で印刷され、判別不能領域26が白色ベタで印刷され、判別可能領域20が黒色ベタで印刷されている。この場合、包装ラベルの情報コード印刷領域18が判別不能領域26に重ね合わされているときには、両者の明暗の差が小さい色合いであれば、白色および黒色以外の色も適宜用いられ得るものである。また、情報コード印刷領域18が判別可能領域20に重ね合わされているときには、両者の明暗の差が大きい色合いであれば、白色および黒色以外の色適宜も用いられ得るものである。
【0040】
図22の(A)は本発明に係る包装ラベルのさらに別の例を示す斜視図であり、図22の(B)はその分解図解図である。
上述した包装ラベル10A~10F等と比べて、図22に示す包装ラベル100が、特に、情報コード印刷領域18および判別可能領域20を備えた別部材としての貼付けシール102を有する点で相違している。
すなわち、この包装ラベル100の貼付けシール102は、図22(B)に示すように、たとえば縦長矩形状のシール本体102Aを含む。シール本体102Aの一方主面の長手方向の一方側には、たとえば黒色で印刷された情報コード印刷領域18が形成され、当該情報コード印刷領域18の下側には、間隔を隔てて、たとえば白色で印刷された判別可能領域20が形成されている。
また、シール本体102Aの一方主面には、情報コード印刷領域18および判別可能領域20を間に挟むようにして当該シール本体102Aの幅方向に間隔を隔てて、2本のミシン目34,36(折り返し片の捲り用ミシン目)が形成されている。この場合、2本のミシン目34,36は、シール本体102Aの長手方向の一端から他端に亘って形成され、図22で見て、2本のミシン目34,36の長手方向の上端には、それぞれ、たとえばI型のノッチ部38,40が形成されている。
この貼付けシール102は、図22(A)に示すように、筒状体30の重ね合わせ部28の外面側に、貼付け部106A,106Bを介して貼り付けられる。この場合、シール本体102Aの他方主面には、その幅方向の両端部に、たとえば接着剤が塗布され、貼付け部106A,106Bが形成されている。
なお、この包装ラベル100を被包装体(図22では図示せず)の外周部から取り外すためのミシン目108(取り外し用ミシン目)が、図22(A)で見て、貼付けシール102の右側の貼付け部106Aの近傍で筒状体30の軸方向の一端から他端に亘って形成されている。
この場合、図22(A),(B)に示す包装ラベル100の作用・効果は、図1図9に示す包装ラベル10Aと同様である。
【0041】
なお、図1図4図7図10図11図12および図22で図示した判別不能領域26では、情報コード印刷領域18との重なり合う箇所が不明瞭となるため、当該箇所の判別不能領域26は、黒色ベタの表示に代えて便宜上、黒色ドット状に図示されている。
【符号の説明】
【0042】
10 包装ラベル
12 フイルム基材
14 一方の外面側ヒートシール部
16 他方の外面側ヒートシール部
18 情報コード印刷領域
20 判別可能領域
22 一方の内面側ヒートシール部
24 他方の内面側ヒートシール部
26 判別不能領域
28 重ね合わせ部
30 筒状体
32 折り返し片
32A 折り返し片の根元部
34,36 ミシン目(折り返し手段/折り返し片の捲り用ミシン目)
38,40 ノッチ部(切欠き部)
42 他のミシン目(取り外し用ミシン目)
44,46 折り目線
50 ペットボトル(被包装体)
52 キャップ
54 肩部
56 胴部
58 底部
60 キャップ付き筒状容器(被包装体)
62 キャップ部
64 胴部
66 底部
68A ミシン目(折り返し手段/折り返し片の捲り用ミシン目)
68B ミシン目(折り返し手段/折り返し片の捲り用ミシン目)
69A,69B,69C 切断線(切り取り手段)
69D ミシン目(取り外し用ミシン目)
70 扁平箱型容器(被包装体)
70A ヒンジ部
72A 蓋部
72B 容器本体
74 筒状体
76A,76B ミシン目(折り返し手段/折り返し片の捲り用ミシン目)
78 折り返し片
80 他の扁平箱型容器(被包装体)
82A 蓋部
82B 容器本体
84 筒状体
84A シール部
86 剥離部(折り返し手段/折り返し片の捲り用剥離部
88 折り返し片
90A 縞模様の隠蔽領域(他の判別不能領域)
90B ドット模様の隠蔽領域(さらに他の判別不能領域)
90C 千鳥模様の隠蔽領域(さらに他の判別不能領域)
90D 市松模様の隠蔽領域(さらに他の判別不能領域)
92 他の判別可能領域
94 別の判別不能領域
96 別の判別可能領域
98 他の情報コード印刷領域
100 さらに別の包装ラベル
102 貼付けシール
104 ヒートシール部
106A,106B 貼付け部
108 ミシン目(取り外し用ミシン目)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22