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特許7398365ころ軸受シールケースを製造するためのロール形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ころ軸受シールケースを製造するためのロール形成方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/78 20060101AFI20231207BHJP
   F16C 33/36 20060101ALI20231207BHJP
   F16J 15/3252 20160101ALI20231207BHJP
   B21C 37/06 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
F16C33/78 C
F16C33/36
F16J15/3252
B21C37/06 P
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020520308
(86)(22)【出願日】2018-10-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018055776
(87)【国際公開番号】W WO2019075440
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】15/784,101
(32)【優先日】2017-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520001235
【氏名又は名称】イノ-スピン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リンダー, マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ, ジェイムズ
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529357(JP,A)
【文献】特開2004-322133(JP,A)
【文献】米国特許第03579782(US,A)
【文献】特開2000-337392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/72-33/82
F16C 19/00-19/56,33/30-33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ころ軸受シールケースのロール形成製造方法であって、
円筒形リングから賦形リングをロール形成することであって、前記賦形リングは、少なくとも前記円筒形リングの円筒軸に沿って延在する第1の区分と、前記第1の区分から前記円筒軸に向かって内向きに延在する第2の区分とを含み、前記第2の区分は、前記第1の区分と連続し、第1の開口を前記円筒軸まわりに画定し、前記ロール形成することは、前記円筒軸を包囲する前記円筒形リングの一部を前記円筒軸に向かって屈曲させることにより、前記第2の区分を形成することを含む、ことと、
前記第2の区分をトリミングすることにより、前記第1の開口に優る改善された真円度を有する第2の開口へ前記第1の開口を拡張させることと
を含む、ロール形成製造方法。
【請求項2】
前記第2の開口は、前記円筒形リングの方向範囲および前記円筒形リングの壁厚の両方から独立している直径を有する円として成形されている、請求項1に記載のロール形成製造方法。
【請求項3】
前記トリミングするステップは、前記第2の開口を打ち抜くことを含む、請求項1に記載のロール形成製造方法。
【請求項4】
前記打ち抜くステップは、スタンプを使用することにより、単一打抜動作において、前記第2の開口を打ち抜くことと、マーキングを前記第2の区分上にインプリントすることとの両方を行うことを含む、請求項に記載のロール形成製造方法。
【請求項5】
円筒形管を切断することにより、前記円筒形リングの複数の工程物を形成することと、
前記ロール形成するステップにおいて、前記円筒形リングの前記複数の工程物のうちの1つから前記賦形リングをロール形成することと
をさらに含む、請求項1に記載のロール形成製造方法。
【請求項6】
前記切断するステップは、押出成形された管を切断することを含む、請求項に記載のロール形成製造方法。
【請求項7】
前記切断するステップにおいて、溶接された管を切断することと、
前記ロール形成するステップに先立って、前記溶接された管の溶接ビードを除去することと
をさらに含む、請求項に記載のロール形成製造方法。
【請求項8】
前記ロール形成するステップは、
中間賦形リングを前記円筒形リングからロール形成することであって、前記中間賦形リングは、前記第2の区分と、前記第2の区分と連続する残りの円筒形区分とを有する、ことと、
前記円筒軸から離れる方向に、外向き圧力を前記残りの円筒形区分に印加することにより、前記残りの円筒形区分を円筒状にすることと、
前記賦形リングを前記中間賦形リングからロール形成することにより、前記残りの円筒形区分から前記第1の区分を形成することと
を含む、請求項1に記載のロール形成製造方法。
【請求項9】
前記賦形リングを前記中間賦形リングからロール形成するステップは、複数の屈曲を前記残りの円筒形区分内に作製することにより、複数の非平行サブ区分を伴う前記第1の区分を形成することを含む、請求項に記載のロール形成製造方法。
【請求項10】
ころ軸受シールケースのロール形成製造方法であって、
円筒形リングから第1の賦形リングをロール形成することであって、前記第1の賦形リングは、前記円筒形リングの円筒軸に沿って延在する第1の区分と、前記第1の区分から前記円筒軸に向かって内向きに延在する第2の区分とを有する、ことと、
前記円筒軸から離れる方向に、前記第1の区分が前記第2の区分に衝合する角において外向き圧力を前記第1の区分に印加することにより、前記第1の区分を円筒状にすることと、
前記外向きの圧力を前記第1の区分に印加することの後に、第2の賦形リングを前記第1の賦形リングからロール形成することと
を含む、ロール形成製造方法。
【請求項11】
前記第1の賦形リングをロール形成するステップは、前記円筒軸を包囲する前記円筒形リングの一部を前記円筒軸に向かって屈曲させることにより、前記第2の区分を形成することを含み、前記円筒形リングの残りは、前記第1の区分を形成する、請求項10に記載のロール形成製造方法。
【請求項12】
前記第2の賦形リングをロール形成するステップは、複数の屈曲を前記第1の区分内に作製することにより、複数の連続的非平行サブ区分を形成することを含む、請求項10に記載のロール形成製造方法。
【請求項13】
前記外向き圧力を印加するステップは、
前記第1の区分によって囲まれた領域内に区画化されたダイを位置付けることと、
テーパ状キーを前記区画化されたダイの中に挿入することにより、前記区画化されたダイの区画を前記第1の区分に向かって外向きに押圧することと
を含む、請求項10に記載のロール形成製造方法。
【請求項14】
前記第2の賦形リングをロール形成するステップは、(a)前記第1の区分の第1の部分が前記ダイの第1の内向きに面した円筒形表面に接触し、(b)前記第1の区分および前記第1の内向きに面した円筒形表面が同心であるように、前記第1の賦形リングをダイ内に設置することを含む、請求項10に記載のロール形成製造方法。
【請求項15】
前記ダイは、(a)前記円筒軸の第1の区画に沿った前記第1の内向きに面した円筒形表面と、(b)前記第1の内向きに面した円筒形表面よりも大きい直径を有し、前記第1の区画に隣接する前記円筒軸の第2の区画に沿って位置する第2の内向きに面した円筒形表面と、(c)前記第1の内向きに面した円筒形表面および第2の内向きに面した円筒形表面を接続する第1の接続表面とを有する賦形ダイであり、前記第2の賦形リングをロール形成するステップは、
前記第1の区分の第2の部分が前記円筒軸の前記第2の区画と重複するように、前記第1の賦形リングを前記賦形ダイ内に設置することと、
前記第1の区分の内向きに面した表面に対して第1のローラを転動させることにより、前記第1の区分の前記第2の部分を前記第2の内向きに面した円筒形表面および前記第1の接続表面に対して押圧し、前記第2の部分の直径を拡張させることと
を含む、請求項14に記載のロール形成製造方法。
【請求項16】
前記ダイはさらに、(d)前記第2の内向きに面した円筒形表面よりも大きい直径を有し、前記第2の区画に隣接する前記円筒軸の第3の区画に沿って位置する第3の内向きに面した円筒形表面と、(e)前記第2の内向きに面した円筒形表面および第3の内向きに面した円筒形表面を接続する第2の接続表面とを有し、前記第2の賦形リングをロール形成するステップはさらに、
前記第1の区分の内向きに面した表面に対して第2のローラを転動させることにより、前記第1の区分の前記第3の部分を前記第3の内向きに面した円筒形表面および前記第2の接続表面に対して押圧し、前記第3の部分の直径を拡張させることであって、これにより、前記第2の賦形リングをころ軸受の外側レースウェイを形成する軸受カップの中に係止するように構成される、外向きに突出するビードを伴う前記第2の賦形リングを形成する、こと
を含む、請求項15に記載のロール形成製造方法。
【請求項17】
円筒形管を切断し、前記円筒形リングの複数の工程物を形成することと、
前記第1の賦形リングをロール形成するステップにおいて、前記第1の賦形リングを前記円筒形リングの前記複数の工程物のうちの1つからロール形成することと
をさらに含む、請求項10に記載のロール形成製造方法。
【請求項18】
前記切断するステップは、押出成形された管を切断することを含む、請求項17に記載のロール形成製造方法。
【請求項19】
前記切断するステップは、溶接された管を切断することを含み、前記ロール形成方法はさらに、前記ロール形成するステップに先立って、前記溶接された管の溶接ビードを除去することを含む、請求項17に記載のロール形成製造方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2017年10月14日に出願された米国特許出願第15/784,101号からの優先権の利益を主張し、この出願は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0002】
(背景)
鉄道車両車軸上の円錐ころ軸受は、車軸、特に、円錐ころ軸受が添着されるジャーナルを備える車軸の端部部分にたわみをもたらすことが可能な動作負荷を支持する。動作負荷によって課される応力は、バッキングリングまたはその近傍のシャフトのジャーナル部分において特に高い。
【0003】
シャフトのたわみの結果、バッキングリングおよびジャーナルは、多くの場合、バッキングリングがジャーナルに対して移動するにつれて、フレッティング摩耗を被る。フレッティング摩耗は、バッキングリングを弛緩させるために十分であり、ジャーナル上の軸受の軸方向遊びを増加させる。弛緩バッキングリングは、軸受アセンブリおよびジャーナル上の摩耗を加速させ、潜在的に、シャフトまたは軸受故障につながる。
【0004】
軸受シールの使用を通して、軸受は、油またはグリースの形態における潤滑剤を保持しながら、外部水および研磨剤を排除することも試みる。軸受シールは、通常、弾力性シール部材を含む、リング形状構造である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示されるのは、ころ軸受シールケースを製造する方法である。これらの製造方法は、種々のころ軸受タイプにおける実装のためのころ軸受シールケースを製造するために使用されてもよい。例えば、本方法は、鉄道貨車車軸または大型トラック上の円錐ころ軸受シールケースにおいて使用するためのころ軸受シールケースを製造するために使用されてもよい。より一般的には、本方法は、潤滑剤を要求するころ軸受または玉軸受における実装のためのころ軸受シールケースを製造するために使用されてもよい。
【0006】
本明細書に開示される方法は、特に、材料使用に関して、従来の方法に優る改善を提供する。従来の方法は、通常、丸みを帯びた形状を金属シートから打ち抜くことを伴い、有意な量のスクラップをもたらす。対照的に、本開示された方法は、ロール形成を利用することにより、材料廃棄物を最小限にする。これらのロール形成方法はさらに、改善された円形度および正確度を伴うころ軸受シールケースを形成するように適合される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ころ軸受シールケースのロール形成製造方法であって、
円筒形リングから賦形リングをロール形成することであって、前記賦形リングは、少なくとも前記円筒形リングの円筒軸に沿って延在する第1の区分と、前記第1の区分から前記円筒軸に向かって内向きに延在する第2の区分とを含み、前記第2の区分は、前記第1の区分と連続し、第1の開口を前記円筒軸まわりに画定する、ことと、
前記第2の区分をトリミングすることにより、設計パラメータに従った場所および幾何学形状を有する第2の開口へ前記第1の開口を拡張させることと
を含む、ロール形成製造方法。
(項目2)
前記ロール形成するステップは、前記円筒軸を包囲する前記円筒形リングの一部を前記円筒軸に向かって屈曲させることにより、前記第2の区分を形成することを含み、前記円筒形リングの残りは、前記第1の区分を形成する、項目1に記載のロール形成製造方法。
(項目3)
前記ロール形成するステップにおいて、少なくとも部分的に、(a)前記円筒軸に沿った前記円筒形リングの軸方向範囲と、(b)前記軸方向範囲に直交する寸法における前記円筒形リングの壁厚とのうちの少なくとも1つによって決定される場所および幾何学形状を有する前記第1の開口を形成することと、
前記トリミングするステップにおいて、前記円筒形リングの前記軸方向範囲および前記壁厚に非敏感である場所および幾何学形状を有する前記第2の開口を形成することと
を含む、項目1に記載のロール形成製造方法。
(項目4)
前記ロール形成するステップにおいて、前記第1の開口の前記場所および前記幾何学形状のうちの少なくとも1つに対して公差を導入することと、
前記トリミングするステップにおいて、前記公差にさらに非敏感である場所および幾何学形状を有する前記第2の開口を形成することと
をさらに含む、項目3に記載のロール形成製造方法。
(項目5)
前記トリミングするステップは、前記第2の開口を打ち抜くことを含む、項目1に記載のロール形成製造方法。
(項目6)
前記打ち抜くステップは、スタンプを使用することにより、単一打抜動作において、前記第2の開口を打ち抜くことと、マーキングを前記第2の区分上にインプリントすることとの両方を行うことを含む、項目5に記載のロール形成製造方法。
(項目7)
円筒形管を切断することにより、前記円筒形リングの複数の工程物を形成することと、
前記ロール形成するステップにおいて、前記円筒形リングの前記複数の工程物のうちの1つから前記賦形リングをロール形成することと
をさらに含む、項目1に記載のロール形成製造方法。
(項目8)
前記トリミングするステップは、前記切断するステップの公差に非敏感である場所および幾何学形状を有する前記第2の開口を形成することを含む、項目7に記載のロール形成製造方法。
(項目9)
前記切断するステップは、押出成形された管を切断することを含む、項目7に記載のロール形成製造方法。
(項目10)
前記切断するステップにおいて、溶接された管を切断することと、
前記ロール形成するステップに先立って、前記溶接された管の溶接ビードを除去することと
をさらに含む、項目7に記載のロール形成製造方法。
(項目11)
前記ロール形成するステップは、
中間賦形リングを前記円筒形リングからロール形成することであって、前記中間賦形リングは、前記第2の区分と、前記第2の区分と連続する残りの円筒形区分とを有する、ことと、
前記円筒軸から離れる方向に、外向き圧力を前記残りの円筒形区分に印加することにより、前記残りの円筒形区分を円筒状にすることと、
前記賦形リングを前記中間賦形リングからロール形成することにより、前記残りの円筒形区分から形成される前記第1の区分を形成することと
を含む、項目1に記載のロール形成製造方法。
(項目12)
前記賦形リングを前記中間賦形リングからロール形成するステップは、複数の屈曲を前記残りの円筒形区分内に作製することにより、複数の非平行サブ区分を伴う前記第1の区分を形成することを含む、項目11に記載のロール形成製造方法。
(項目13)
ころ軸受シールケースのロール形成製造方法であって、
円筒形リングから第1の賦形リングをロール形成することであって、前記第1の賦形リングは、前記円筒形リングの円筒軸に沿って延在する第1の区分と、前記第1の区分から前記円筒軸に向かって内向きに延在する第2の区分とを有する、ことと、
前記円筒軸から離れる方向に、外向き圧力を前記第1の区分に印加することにより、前記第1の区分を円筒状にすることと、
第2の賦形リングを前記第1の賦形リングからロール形成することと
を含む、ロール形成製造方法。
(項目14)
前記第1の賦形リングをロール形成するステップは、前記円筒軸を包囲する前記円筒形リングの一部を前記円筒軸に向かって屈曲させることにより、前記第2の区分を形成することを含み、前記円筒形リングの残りは、前記第1の区分を形成する、項目13に記載のロール形成製造方法。
(項目15)
前記第2の賦形リングをロール形成するステップは、複数の屈曲を前記第1の区分内に作製することにより、複数の連続的非平行サブ区分を形成することを含む、項目13に記載のロール形成製造方法。
(項目16)
前記外向き圧力を印加するステップは、
前記第1の区分によって囲まれた領域内に区画化されたダイを位置付けることと、
テーパ状キーを前記区画化されたダイの中に挿入することにより、前記区画化されたダイの区画を前記第1の区分に向かって外向きに押圧することと
を含む、項目13に記載のロール形成方法。
(項目17)
前記第2の賦形リングをロール形成するステップは、(a)前記第1の区分の第1の部分が前記ダイの第1の内向きに面した円筒形表面に接触し、(b)前記第1の区分および前記第1の内向きに面した円筒形表面が同心であるように、前記第1の賦形リングをダイ内に設置することを含む、項目13に記載のロール形成方法。
(項目18)
前記ダイは、(a)前記円筒軸の第1の区画に沿った前記第1の内向きに面した円筒形表面と、(b)前記第1の内向きに面した円筒形表面よりも大きい直径を有し、前記第1の区画に隣接する前記円筒軸の第2の区画に沿って位置する第2の内向きに面した円筒形表面と、(c)前記第1の内向きに面した円筒形表面および第2の内向きに面した円筒形表面を接続する第1の接続表面とを有する賦形ダイであり、前記第2の賦形リングをロール形成するステップは、
前記第1の区分の第2の部分が前記円筒軸の前記第2の区画と重複するように、前記第1の賦形リングを前記賦形ダイ内に設置することと、
前記第1の区分の内向きに面した表面に対して第1のローラを転動させることにより、前記第1の区分の前記第2の部分を前記第2の内向きに面した円筒形表面および前記第1の接続表面に対して押圧し、前記第2の部分の直径を拡張させることと
を含む、項目17に記載のロール形成製造方法。
(項目19)
前記ダイはさらに、(d)前記第2の内向きに面した円筒形表面よりも大きい直径を有し、前記第2の区画に隣接する前記円筒軸の第3の区画に沿って位置する第3の内向きに面した円筒形表面と、(e)前記第2の内向きに面した円筒形表面および第3の内向きに面した円筒形表面を接続する第2の接続表面とを有し、前記第2の賦形リングをロール形成するステップはさらに、
前記第1の区分の内向きに面した表面に対して第2のローラを転動させることにより、前記第1の区分の前記第3の部分を前記第3の内向きに面した円筒形表面および前記第2の接続表面に対して押圧し、前記第3の部分の直径を拡張させることであって、これにより、前記第2の賦形リングをころ軸受の外側レースウェイを形成する軸受カップの中に係止するように構成される、外向きに突出するビードを伴う前記第2の賦形リングを形成する、こと
を含む、項目18に記載のロール形成製造方法。
(項目20)
円筒形管を切断し、前記円筒形リングの複数の工程物を形成することと、
前記第1の賦形リングをロール形成するステップにおいて、前記第1の賦形リングを前記円筒形リングの前記複数の工程物のうちの1つからロール形成することと
をさらに含む、項目13に記載のロール形成方法。
(項目21)
前記切断するステップは、押出成形された管を切断することを含む、項目20に記載のロール形成方法。
(項目22)
前記切断するステップは、溶接された管を切断することを含み、前記ロール形成方法はさらに、前記ロール形成するステップに先立って、前記溶接された管の溶接ビードを除去することを含む、項目20に記載のロール形成方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1図2、および図3は、ある実施形態による、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され得る2つの例示的シールケースを有する円錐ころ軸受アセンブリを図示する。
図2図1図2、および図3は、ある実施形態による、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され得る2つの例示的シールケースを有する円錐ころ軸受アセンブリを図示する。
図3図1図2、および図3は、ある実施形態による、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され得る2つの例示的シールケースを有する円錐ころ軸受アセンブリを図示する。
【0008】
図4図4図5は、それぞれ斜視図、概略断面図において、図1図2、および図3に図示される実施形態のシールケースを図示する。
図5図4図5は、それぞれ斜視図、概略断面図において、図1図2、および図3に図示される実施形態のシールケースを図示する。
【0009】
図6図6および図7は、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され得る別のシールケースの実施形態を図示する。
図7図6および図7は、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され得る別のシールケースの実施形態を図示する。
【0010】
図8図8および図9は、ある実施形態による、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され、3段の直径を有する1つのシールケースを図示する。
図9図8および図9は、ある実施形態による、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され、3段の直径を有する1つのシールケースを図示する。
【0011】
図10図10および図11は、シールケースを製造するための従来の引抜プロセスを図示する。
図11図10および図11は、シールケースを製造するための従来の引抜プロセスを図示する。
【0012】
図12図12は、ある実施形態による、ワークピースの円形度を改善する中間ステップを含む、シールケースを製造するためのロール形成方法を図示する。
【0013】
図13図13は、図12の方法のロール形成ステップの例を図示する。
【0014】
図14図14は、図12の方法において印加される半径方向外向き圧力の1つの例示的効果を図示する。
【0015】
図15図15は、図12の方法において印加される半径方向外向き圧力の別の例示的効果を図示する。
【0016】
図16図16および図17は、それぞれ、斜視図および断面図において、賦形リングの円形度、および随意に、サイズ設定を改善するための図12の方法のステップの例を図示する。
図17図16および図17は、それぞれ、斜視図および断面図において、賦形リングの円形度、および随意に、サイズ設定を改善するための図12の方法のステップの例を図示する。
【0017】
図18図18図19、および図20は、図12の方法の別のロール形成ステップの例を図示する。
図19図18図19、および図20は、図12の方法の別のロール形成ステップの例を図示する。
図20図18図19、および図20は、図12の方法の別のロール形成ステップの例を図示する。
【0018】
図21図21は、図18-20のロール形成ステップ例の修正を図示する。
【0019】
図22図22は、ある実施形態による、円筒形管を切断することによって、円筒形リングを作製するための方法を図示する。
【0020】
図23図23は、図22の方法の切断ステップの例を図示する。
【0021】
図24図24は、図22の方法のロール形成ステップの例を図示する。
【0022】
図25図25は、ある実施形態における、半径方向区分をトリミングし、開口を精緻化するステップを含む、シールケースを製造するためのロール形成方法を図示する。
【0023】
図26図26および図27は、図25の方法のロール形成ステップの少なくとも一部の例を図示する。
図27図26および図27は、図25の方法のロール形成ステップの少なくとも一部の例を図示する。
【0024】
図28図28および図29は、図25の方法の少なくともトリミングステップの例を図示する。
図29図28および図29は、図25の方法の少なくともトリミングステップの例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1図2、および図3は、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され得る、2つの例示的シールケース150および152を有する1つの円錐ころ軸受アセンブリ100を図示する。円錐ころ軸受アセンブリ100は、鉄道車両ホイールを車軸上に支持するために鉄道用途において一般に使用されるタイプであり、図1および図2は、鉄道車両の車軸のジャーナル180上に搭載される円錐ころ軸受アセンブリ100を示す。図1は、ジャーナル180上に搭載される円錐ころ軸受アセンブリ100の完全断面図を示し、断面が、ジャーナル180の回転軸190に沿って得られている。図2は、円錐ころ軸受アセンブリ100の図式的断面図であり、同様に、断面は、ジャーナル180の回転軸190に沿って得られている。図3は、図1の完全断面図の左上部分の拡大図である。図1-3は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。
【0026】
円錐ころ軸受アセンブリ100は、典型的には、車軸上に搭載される前に、事前に組み立てられる。車軸の各自由端において、ジャーナル180は、略円錐形テーパ状区分185内で終端し、ジャーナル180上への円錐ころ軸受アセンブリ100の配設を促進する。円錐ころ軸受アセンブリ100は、ジャーナル180上に押圧され、締まり嵌めを確立する。
【0027】
いくつかの実施形態では、円錐ころ軸受アセンブリ100は、円錐ころ軸受アセンブリ100の各端部においてジャーナル180を覆って嵌合される摩耗リング122および124を有する。摩耗リング122および124は、典型的には、その長さの少なくとも一部にわたってジャーナル180との締まり嵌めを提供する内径寸法を有する。摩耗リング122および124は、ジャーナル180が旋回するにつれて、ジャーナル180と共に回転する。摩耗リング122および124は、摩耗表面を提供することによって、ジャーナル180を円錐ころ軸受アセンブリ100からの擦過摩耗に対して保護する。
【0028】
円錐ころ軸受アセンブリ100が、ジャーナル180上に押圧されるが、さらなる拘束力が、概して、軸方向負荷に対して要求される。本明細書では、「軸方向」は、回転軸190に略沿った方向を指し、「半径方向」は、回転軸190に略直交する方向を指す。軸方向拘束力を提供するために、円錐ころ軸受アセンブリ100は、円錐ころ軸受アセンブリ100の内側端部102におけるバッキングリングアセンブリ160と、円錐ころ軸受アセンブリ100の外側端部104における軸受保持キャップ120との間に捕捉される。
【0029】
ジャーナル180の肩部182は、バッキングリングアセンブリ160の軸方向内向き変位を妨げ、これにより、バッキングリングアセンブリ160が、円錐ころ軸受アセンブリ100を軸方向内向き変位に対して拘束する。ジャーナル180の外側端部104において、円錐ころ軸受アセンブリ100は、介在し当接する外側摩耗リング124を通して、軸受保持キャップ120によって捕捉される。軸受保持キャップ120は、ジャーナル180の中に螺入されるキャップねじまたはボルト121を用いて、ジャーナル180の自由端に添着される。軸受保持キャップ120は、ジャーナル180上への円錐ころ軸受アセンブリ100の搭載を完成させ、円錐ころ軸受アセンブリ100を軸方向外向き変位に対して拘束するためのクランプ力を提供する。
【0030】
円錐ころ軸受アセンブリ100は、2つの円筒形軸受コーン138および140と、円筒形軸受カップ131とを含む、いくつかの個々の構成要素から事前に組み立てられる。軸受カップ131は、半径方向内向きに指向される外側レースウェイ132および134を形成する。軸受コーン138および140は、それぞれ、半径方向外向きに指向される内側レースウェイ139および141を有する。中心スペーサ147が、軸受コーン138と軸受コーン140との間に位置付けられ、軸受コーン138および140を相互に対して定位置に正確に位置付け、維持し、適切な軸受側方隙間を可能にする。軸受カップ131の外側レースウェイ132は、軸受コーン138の内側レースウェイ139と協働し、円錐ころ110の列を捕捉および支持する。円錐ころ110の列は、ジャーナル180を包囲する。同様に、軸受カップ131の外側レースウェイ134は、軸受コーン140の内側レースウェイ141と協働し、円錐ころ112の列を捕捉および支持する。円錐ころ112の列は、ジャーナル180を包囲する。いくつかの実施形態では、ケージ146および148は、ジャーナル180の周囲の円錐ころ110および112の円周方向空間位置付けを維持する。
【0031】
軸受シール106、108は、それぞれ、円錐ころ軸受アセンブリ100の外側端部、内側端部を被覆し、(a)円錐ころ軸受アセンブリ100からの潤滑剤漏出と、(b)円錐ころ軸受アセンブリ100の中への水または研磨剤等の汚染物質の侵入とを最小限にする。軸受シール106および108は、動的シールを不動軸受アセンブリ構成要素と可動軸受アセンブリ構成要素との間に形成する。軸受シール106は、シールケース150を含み、軸受シール108は、シールケース152を含む。シールケース150および152はそれぞれ、ジャーナル180を包囲し、略リング形状であり、典型的には、鋼鉄から作製される。軸受シール106、108は、(a)締まり嵌めまたは他の方法によって、円錐ころ軸受アセンブリ100の不動(すなわち、非回転)側(軸受カップ131等)に添着し、(b)それぞれ、摩耗リング124、122に対してシールされ、円錐ころ軸受アセンブリ100をシールする。軸受シール106および108は、相互に同じまたは類似してもよい。一実施形態では、シールケース150およびシールケース152はそれぞれ、半径方向外向きに延在し、軸受カップ131の内側半径方向表面133に対して嵌合する、第1の半径方向縁310を含む(シールケース150に関して図3に示されるように)。シールケース150および152のそれぞれの第2の半径方向縁359(シールケース150に関して図3に示される)は、半径方向内向きに延在し、そこに取り付けられる、弾力性シール358を有する。弾力性シール358は、関連付けられた摩耗リング(シールケース150のための摩耗リング124およびシールケース152のための摩耗リング122)の外側半径方向表面125に接触し、典型的には、ゴムまたは合成可撓性材料から作製される。
【0032】
図4図5は、それぞれ、斜視図、概略断面図において、シールケース150(または152)を示す。図5における断面は、回転軸190と一致する。図4および図5は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。シールケース150は、材料、例えば、鋼鉄の単一材料片から形成される。シールケース150は、半径方向区分302と、それに接続される側区分320とを含む。その半径方向内向き周界において、半径方向区分302は、半径方向縁359で終端し、開口430を画定する。側区分320は、軸方向区分304と、半径方向区分306と、軸方向区分308とを含む。本明細書では、「半径方向区分」は、回転軸190に向かってまたは回転軸190から離れるように延在する区分を指し、「軸方向区分」は、回転軸190に沿って延在する区分を指す。開口430は、直径452を有する。軸方向区分304は、内径454を有し、軸方向区分308は、内径456を有する。内径454は、直径452を上回り、内径456は、内径454を上回る。本明細書の範囲から逸脱することなく、シールケース150はさらに、半径方向区分302から最も遠い軸方向区分308の端部における半径方向縁310(図3)を含んでもよい。
【0033】
図6および図7は、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造され得る、別のシールケース600を図示する。図6図7は、それぞれ、斜視図、断面図において、シールケース600を示す。図7における断面は、回転軸190と一致する。図6および図7は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。シールケース600が、シールケース150および152のそれぞれの代わりに、円錐ころ軸受アセンブリ100をシールするために使用されてもよい。
【0034】
シールケース600は、材料、例えば、鋼鉄の単一材料片から形成され、半径方向区分602と、軸方向区分604とを含む。半径方向区分602は、半径方向区分302に類似する。半径方向区分602の内側周界は、直径652を有する開口630を画定する。軸方向区分604は、側区分320の簡略化されたバージョンである。軸方向区分604は、直径652を上回る内径654を有する。
【0035】
図6および図7は、回転軸190と垂直であるように半径方向区分602を示すが、半径方向区分602は、本明細書の範囲から逸脱することなく、回転軸190に対してある斜角であってもよい。同様に、軸方向区分604も、本明細書の範囲から逸脱することなく、回転軸190に対してある斜角であってもよい。
【0036】
図8および図9は、3段の直径を有するシールケース800を図示する。シールケース800は、本明細書に開示されるロール形成方法に従って製造されてもよい。図8図9は、それぞれ、斜視図、断面図において、シールケース800を示す。図9における断面は、回転軸190と一致する。図8および図9は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。シールケース600が、シールケース150および152のそれぞれの代わりに、円錐ころ軸受アセンブリ100をシールするために使用されてもよい。
【0037】
シールケース800は、半径方向区分802と、段直径区分820とを含む。半径方向区分602が半径方向区分802に取って代わり、軸方向区分604が、区分820に取って代わっていることを除いて、シールケース800は、シールケース600に類似する。半径方向区分802は、半径方向区分602に類似し、直径852を伴う開口830を画定する。区分820は、軸方向区分804と、半径方向区分806と、軸方向区分808と、半径方向区分810と、軸方向区分812とを含む。軸方向区分804は、直径852を上回る、内径854を有する。軸方向区分808は、内径854を上回る内径856を有する。軸方向区分812は、内径856を上回る内径858を有する。軸方向区分812は、半径方向縁310のものに類似する様式において、シールケース800を軸受カップ131(図1)等の軸受カップ内に添着するために使用されてもよい。
【0038】
図8および図9は、回転軸190と垂直であるように半径方向区分802、806、および810を示すが、半径方向区分802、806、および810のうちの1つまたは複数のものは、本明細書の範囲から逸脱することなく、回転軸190に対してある斜角であってもよい。同様に、軸方向区分804、808、812のうちの1つまたは複数のものも、本明細書の範囲から逸脱することなく、回転軸190に対してある斜角であってもよい。
【0039】
図10および図11は、シールケース150、152に類似するシールケース1007を製造するための従来の引抜プロセス1000を図示する。図10および図11は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。引抜プロセス1000は、シールケースを鋼鉄1001の平坦ロール状コイルから打ち抜く。鋼鉄1001の平坦ロール状コイルの幅は、最終軸受シールケース1007を形成するために必要とされる材料の直径より広いことに留意されたい。引抜プロセス1000は、漸進的ダイ打抜動作を通して、シールケース1007を製造する。これらの漸進的動作は、概して、図10に示される。第1の打抜動作は、中心に位置する構成要素1004を有するプリフォームシールケース1002を形成する。第2の打抜動作では、構成要素1004は、再叩打され、プリフォームシールケース1002は、その最終幾何学形状の初期開始状態を与えられ、中心に位置する構成要素1006を有するシールケース1005を形成する。第3の打抜動作では、構成要素1006は、切断され、シールケース1005の中に押し戻され、シールケース1005は、その最終形態に鋳造される。最終動作では、構成要素1006は、除去され、シールケース1007を残す。
【0040】
この従来の引抜プロセスからの廃棄生成物の最終量(図11参照)は、中心構成要素1008および鋼鉄1001のコイルの残された部分1003となる。
【0041】
図12は、ワークピースの円形度を改善する中間ステップを含む、シールケースを製造するための1つのロール形成方法1200を図示する。方法1200は、例えば、シールケース108、600、および800のうちの任意の1つを製造するために使用される。方法1200は、引抜プロセス1000と比較して、廃棄物を低減させるために、入力材料をより良好に利用するように、ロール形成に適用される。方法1200は、シールケースを鋼鉄等の金属から形成してもよい。
【0042】
一実施形態では、方法1200は、円筒形リングを受け取り、ロール形成ステップ1210を円筒形リングに適用することから開始する。別の実施形態では、方法1200は、最初に、ロール形成ステップ1210に進む前に、ステップ1202において、円筒形リングを形成する。ステップ1202は、廃棄物を発生させずに、円筒形リングを形成し得る。一実施形態では、ステップ1202は、円筒形リングを長方形細片、例えば、鋼鉄の平坦長方形細片からロール形成するステップ1204を含む。細片は、円筒形リングを形成するために、細片の対向端を継合するようにロール形成される。端部は、溶接によって継合されてもよい。別の実施形態では、ステップ1202は、円筒形リングを管から切断するステップ1206を含む。ステップ1204およびステップ1206は両方とも、廃棄物を発生させずに実施され得る。
【0043】
ステップ1210では、方法1200は、第1の賦形リングを円筒形リングからロール形成する。第1の賦形リングは、円筒形リングの円筒軸に沿って延在する軸方向区分と、第1の区分から円筒軸に向かって内向きに延在する半径方向区分とを有する。ステップ1210は、円筒形リングの一部を円筒軸に向かって屈曲させることによって、半径方向区分を形成するステップ1212を含んでもよい。
【0044】
図13は、賦形リング1320を円筒形リング1300からロール形成するためのステップ1212を実装するステップ1210の例を図示する。ステップ1210の本例では、円筒形リング1300は、ロール形成ステーション1370内に設置される。ロール形成ステーション1370は、賦形リング1320を円筒形リング1300からロール形成するように構成される。ロール形成ステーション1370は、基部1312上に搭載されるダイ1314を含む。ロール形成ステーション1370はさらに、ローラ1316および1318を含む。ローラ1316は、基部1312に直交し、ローラ1318は、基部1312と平行である。ローラ1316および1318は、ダイ1314と協働し、円筒形リング1300の部分1304を円筒形リング1300の円筒軸1390に向かって内向きに屈曲させ、半径方向区分1322を部分1304から形成する一方、円筒形リング1300の残りの部分1302は、軸方向区分1324として維持され、それによって、賦形リング1320を形成する。半径方向区分1322は、直径1352を有する開口1330を画定する。軸方向区分1324は、直径1352を上回る内径1354を有する。
【0045】
本明細書の範囲から逸脱することなく、ローラ1318は、基部1312に対してある斜角にあることにより、半径方向区分1322を円筒軸1390に対してある斜角で形成してもよい。
【0046】
再び図12を参照すると、方法1200はさらに、半径方向外向き圧力を、ステップ1210において形成される第1の賦形リングの軸方向区分に印加し、軸方向区分の円形度を改善するステップ1220を含む。ステップ1220は、加えて、軸方向区分のサイズ設定を調節し、その所望のサイズをより正確に達成する役割を果たし得る。
【0047】
図14は、ステップ1220において印加される半径方向外向き圧力の1つの例示的効果を図示する。本例では、軸方向区分(例えば、軸方向区分1324)は、最初に、非円筒形断面1420を有する。半径方向外向き圧力1480は、断面1420を補正し、所望の円形断面1410を達成する、または少なくともより近づくように近似させる。半径方向外向き圧力1480は、例えば、軸方向区分1324の内側に設置された拡張可能ダイによって生産される。
【0048】
図15は、ステップ1220において印加される、半径方向外向き圧力1480の別の例示的効果を図示する。本例では、軸方向区分(例えば、軸方向区分1324)は、円筒軸1390に沿って非均一プロファイル1520を有する。例えば、半径方向区分(例えば、半径方向区分1322)が軸方向区分(例えば、軸方向区分1324)に衝合する角1515は、所望に満たない正方形であり、かつ/または円形度からの様々な逸脱度を有し得る。図15に描写される例では、非均一プロファイル1520は、よく画定されていない角を有する。しかしながら、非均一プロファイル1520は、代わりに、プロファイル1520’によって図15の右側に示されるように、外向きに膨隆され得る。半径方向外向き圧力1480は、プロファイル1520を補正し、半径方向区分と軸方向区分との間のより正方形の角を伴うプロファイル1510等の所望のプロファイル1510を達成する、または少なくともより近づくように近似させる。
【0049】
別の例では、ステップ1220は、図14および図15に示される効果の組み合わせを達成する。半径方向外向き圧力1480はさらに、軸方向区分の直径を拡張させることによって、軸方向区分(例えば、軸方向区分1324)のサイズ設定を修正し得ることを理解されたい。
【0050】
再び図12を参照すると、ステップ1220は、ステップ1222およびステップ1224を含んでもよい。ステップ1222は、ステップ1210において形成される賦形リングの軸方向区分によって囲まれた領域内に区画化されたダイを位置付ける。ステップ1224は、テーパ状キーを区画化されたダイの中に挿入し、区画化されたダイの区画を軸方向区分に向かって半径方向外向きに押圧する。
【0051】
図16図17は、それぞれ、斜視図、断面図において、賦形リング1320の円形度を改善するためにステップ1222および1224を実装するステップ1220の一例を図示する。図16および図17に示される例はさらに、図14および図15を参照して上記に議論されるように、賦形リング1320のサイズ設定を修正し得る。図16および図17は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。
【0052】
図16および図17の例では、賦形リング1320は、複数のダイ区画1610を有する区画化されたダイにわたって設置される。図示を明確にするために、全てのダイ区画1610が、図16および図17において標識を付されるわけではない。テーパ状キー1620が、区画1610の中心開口内に位置付けられる。テーパ状キー1620は、テーパ状のカニューレ状コア1722と、ドライバ1724と、レセプタクル1726とを含む。コア1722とダイ区画1610との間の界面は、テーパ状であり、コア1722の直径は、レセプタクル1726から離れる方向に増加する。円筒軸1390に沿ったレセプタクル1726の軸方向位置は、ダイ区画1610に対して固定される。ドライバ1724が、レセプタクル1726の中にさらに下向きに移動させられる(例えば、ドライバ1724をレセプタクル1726の中にさらに螺入することによって)と、コア1722も同様に、下向きに押進される。これは、コア1722のより大きい直径部分をダイ区画1610との界面に位置付け、それによって、ダイ区画1610が半径方向外向き圧力1480を軸方向区分1324の半径方向内向きに面した表面1728に印加するように、ダイ区画1610を半径方向外向きに押進させる。
【0053】
図16および図17には図示されないが、ダイ区画1610は、レセプタクル1726が直接または間接的に締結される基部上に静置してもよい。本明細書の範囲から逸脱することなく、ダイ区画1610およびテーパ状キー1620は、ドライバ1724が、(図17に示されるように)半径方向区分1322に隣接するダイ区画1610の側とは対照的に、半径方向区分1322から離れるダイ区画1610の側から、コア1722に進入するように配向されてもよい。
【0054】
再び図12を参照すると、方法1200はさらに、ステップ1210の第1の賦形リングから第2の賦形リングをロール形成するステップ1230を含む。ステップ1230は、ステップ1220後に実施され、ステップ1220において達成される改善された円形度(および随意に、改善されたサイズ設定正確度)から利益を享受する。改善された円形度(および随意に、サイズ設定正確度)は、第1の賦形リングと第1のプロファイルリングをロール形成するために使用される要素との間のより良好な嵌合を提供することによって、ステップ1230のロール形成の正確度を改善する。
【0055】
ある実施形態では、ステップ1230は、ステップ1232およびステップ1234を含む。ステップ1232は、第1の区分の第1の部分がロール形成ダイの第1の内向き円筒形表面に接触するように、第1の賦形リングをロール形成ダイ内に設置する。第1の区分の改善された円形度は、第1の賦形リングとロール形成ダイの同心度を改善する。
【0056】
軸方向区分(例えば、軸方向区分1324)の第1の部分から離れる軸方向区分の少なくとも1つの第2の部分毎に、ステップ1234は、第1の区分の第2の部分の内向きに面した表面に対してローラを転動させ、第2の部分の直径を拡張させるように、第1の区分の第2の部分をロール形成ダイのより大きい直径の内向きに面した円筒形表面に対して押圧する。軸方向区分のそのような第2の部分毎に、ステップ1234は、段を軸方向区分の直径に導入する。1つよりも多い段を軸方向区分の直径に導入するように構成されるとき、異なるローラが、同時に、または連続して、適用されることにより、それぞれの段を同時に、または連続して導入してもよい。
【0057】
図18-20は、単一段を賦形リング1320の軸方向区分1324の直径に導入し、第2の賦形リング2030を生産するステップ1232およびステップ1234を実装するステップ1230の一例を図示する。図18は、ステップ1230の本例の斜視図を提供する。図19は、それぞれ、本例のステップ1232の断面図を提供する。図20は、本例のステップ1234の断面図を提供する。図18-20は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。
【0058】
ステップ1232の本例では、賦形リング1320が、ダイ1910内に設置される。より具体的には、半径方向区分1322は、半径方向区分1322に最も近い軸方向区分1324の一部が、ダイ1910の半径方向内向きに面した表面1912に対して嵌合される状態において、ダイ1910の棚1918上に静置する。ステップ1220において達成される軸方向区分1324の改善された円形度(および随意に、サイズ設定正確度)は、軸方向区分1324および半径方向内向きに面した表面1912の改善された同心度を提供し、これは、ひいては、ステップ1230において実施されるロール形成動作の正確度を改善する。改善された円形度(および随意に、サイズ設定正確度)はまた、概して、軸方向区分1324と半径方向内向きに面した表面1912との間の嵌合の緊密度を改善し得る。半径方向内向きに面した表面1912は、棚1918に隣接する。棚1918からより遠い距離において、ダイ1910は、半径方向内向きに面した表面1912から別の半径方向内向きに面した表面1916に遷移する別の棚1914を形成する。半径方向内向きに面した表面1916の直径1952は、半径方向内向きに面した表面1912の直径1950を上回る。
【0059】
次に、本例では、図18および図20に示されるように、ローラ1820が、軸方向区分1324の半径方向内向きに面した表面の部分2036に対して転動され、軸方向区分1324の関連付けられた部分をダイ1910の半径方向内向きに面した表面1916に対して押圧する。これは、軸方向区分2024と、隣接する半径方向区分1322と、半径方向区分1322からより遠い軸方向区分2028と、半径方向区分2026とを含む、段付き直径プロファイルへの軸方向区分1324の修正をもたらし、半径方向区分2026は、軸方向区分2024と軸方向区分2028との間の遷移を提供する。軸方向区分2024は、内径1354を有し、軸方向区分2028は、内径1354を上回る内径2056を有する。
【0060】
図21は、2つの段を賦形リング1320の軸方向区分の直径に形成し、第2の賦形リング2130を生産するステップ1230の図18-20例に対する修正を図示する。図21の本例では、賦形リング1320が、ダイ2110内に設置される。ダイ2110は、直径における付加的段を有することを除いて、ダイ1910に類似する。ダイ1910と比較して、ダイ2110は、半径方向内向きに面した表面1916を、棚1914に隣接する第1の半径方向内向きに面した表面2136と、第2の内向きに半径方向内向きに面した表面2120と、半径方向内向きに面した表面2126および2120を接続する棚2118とに取って代える。
【0061】
図21の例では、ローラ1820は、軸方向区分1324の半径方向内向きに面した表面の部分2136に対して押圧し、軸方向区分1324の関連付けられた部分を半径方向内向きに面した表面2136に対して押圧する。第2のローラ2112は、軸方向区分1324の半径方向内向きに面した表面の部分2140を押圧し、軸方向区分1324の関連付けられた部分を半径方向内向きに面した表面2120に対して押圧する。これは、第2の賦形リング2030と比較して、半径方向に突出する付加的ビード2170を形成する、二重段付き直径プロファイルへの軸方向区分1324の修正をもたらす。
【0062】
再び図12を参照すると、ある実施形態では、ステップ1234は、第2の賦形リングを軸受カップの中に係止するように構成される、半径方向に突出するビードを形成するステップ2136を含む。例えば、ステップ2136は、半径方向に突出するビード2170を形成する。
【0063】
図22は、円筒形管を切断することによって、円筒形リングを作製するための1つの例示的方法2200を図示する。方法2200は、引抜プロセス1000と関連付けられた廃棄物生成物の生産を回避する。ステップ1206を含む、方法1200のステップ1202の実施形態は、方法2200を実装してもよい。
【0064】
ステップ2230では、方法2200は、円筒形管を切断し、複数の円筒形リングを形成する。ステップ2230の一例では、金属円筒が、スライスされ、複数の円筒形リング1300を生産する。金属円筒は、鋼鉄から作製されてもよい。ステップ2230は、当技術分野において公知の切断方法を利用してもよい。
【0065】
ステップ2230が、円筒形管を作製するステップ2210の後に続いてもよい。一実施形態では、ステップ2210は、円筒形管を押出成形するステップ2212を含む。別の実施形態では、ステップ2210は、円筒形管をロール形成するステップ2214を含む。例えば、ステップ2214は、金属シートを管にロール形成する。ステップ2214は、シートの2つの対向縁が相互に継合して、円筒形管を形成する、継目を溶接するステップ2216を含んでもよい。
【0066】
ステップ2210を含む方法2200の実施形態はさらに、ステップ2210の後かつステップ2230の前に実施されるステップ2220を含んでもよい。ステップ2220は、例えば、当技術分野において公知のプロセスに従って、ステップ2116において形成される溶接ビードを除去する。代替として、ステップ2210を含む方法2200の実施形態は、ステップ2230後に実施される、溶接ビードをステップ2230において形成される各個々の円筒形リングから除去するステップ2240を含んでもよい。ステップ2240は、当技術分野において公知の溶接ビード除去プロセスを利用してもよい。
【0067】
方法2200の完了後、それによって生産された各円筒形リングは、方法1200のステップ1210、1220、および1230によって処理され、シールケースを形成してもよい。
【0068】
図23は、方法2200のステップ2230の一例を図示する。本例では、円筒形管2300は、ダイシング線2310に沿って切断され、それぞれが、軸方向範囲2320を有する複数の円筒形リング1300を形成する。製造公差は、個々の円筒形リング1300に関する軸方向範囲2320の方位角変動および異なる円筒形リング1300に関する異なる軸方向範囲2320の両方の軸方向範囲2320のある程度の変動を生じさせ得ることを理解されたい。
【0069】
図24は、ステップ2216を実装するステップ2214の一例を図示する。本例では、シート2400(例えば、平坦金属シート)が、ロール形成され、2つの対向縁2410および2412を継合し、円筒形管2420を形成する。縁2410と2412との間の継合は、溶接され、溶接ビード2422をもたらす。
【0070】
図25は、半径方向区分をトリミングすることにより、開口を精緻化するステップを含む、シールケースを製造するための1つのロール形成方法2500を図示する。方法2500は、例えば、シールケース108、600、および800のうちの任意の1つを製造するために使用される。方法2500は、引抜プロセス1000と比較して、廃棄物を低減させるように、ロール形成ステップを円筒形リングに適用し、入力材料をより良好に利用する。方法2500は、シールケースを円筒形鋼鉄リング等の円筒形金属リングから形成してもよい。トリミングステップは、シールケースの中心開口のサイズにおける潜在的不正確性を低減させる。例えば、トリミングステップなしにシールケースを円筒形リング1300からロール形成すると、軸方向範囲2320に関する製造公差は、開口1330の直径1352に転移し得る。トリミングステップは、そのような公差への敏感さを取り除き得る。
【0071】
ステップ2510では、方法2500は、賦形リングを円筒形リングからロール形成する。賦形リングは、少なくとも、円筒形リングの円筒軸に沿って延在する軸方向区分と、軸方向区分から円筒軸に向かって内向きに延在する半径方向区分とを有する。半径方向区分は、第1の開口を円筒軸まわりに画定する。ステップ2510は、円筒形リングの一部を円筒軸に向かって屈曲させ、半径方向区分を形成するステップ2512を含んでもよい。ある実施形態では、ステップ2510は、円筒形リングの軸方向範囲および/または円筒形リングの壁厚によって少なくとも部分的に決定された場所および幾何学形状を用いて、賦形リングの第1の開口を形成するステップ2514を含む。本明細書では、壁厚は、円筒軸に直交する寸法での円筒形リングの壁の厚さを指す。第1の開口はまた、ステップ2510のロール形成プロセスによって導入される付加的公差によっても影響され得る。一実施形態では、ステップ2510は、方法1200のステップ1210、1220、および1230を実装する。別の実施形態では、ステップ2510は、ステップ1210および1230を実装するが、ステップ1220を実装しない。
【0072】
ステップ2510が、円筒形管を切断することによって形成される円筒形リングを受け取るステップ2502の後に続いてもよい。一例では、ステップ2510は、方法2500によって形成される円筒形リングを受け取る。この円筒形リングの軸方向範囲は、製造公差を被り得る。
【0073】
図26および図27は、ステップ2510の少なくとも一部の一例を図示する。図26は、本例の斜視図を提供し、図27は、図26に示される関連付けられた断面2610を示す。図26および図27は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。本例では、ステップ2510は、軸方向範囲2320と、壁厚2710と、直径1354とを有する円筒形リング1300を受け取る。ステップ2512は、直径1352を有する開口1330とともに、賦形リング1320を形成する。直径1352の値は、少なくとも部分的に、軸方向範囲2320および壁厚2710によって画定される。例えば、軸方向範囲2320のより大きい値は、半径方向区分1322の半径方向範囲2712のより大きい値につながり、壁厚2710のより大きい値はまた、半径方向範囲2712のより大きい値につながり得る。半径方向範囲2712における任意の超過は、直径1352の低減された値に対応し、半径方向範囲2712の任意の欠如は、直径1352の増加される値に対応する。
【0074】
ステップ2510は、図26および図27に示されるものの付加的および/またはより複雑なロール形成動作を含んでもよいことを理解されたい。例えば、ステップ2510は、1つまたは複数の段を賦形リングの軸方向区分の直径に形成してもよい。
【0075】
再び図25を参照すると、方法2500はさらに、半径方向区分をトリミングすることにより、第1の開口を、所定の設計パラメータに従った場所および幾何学形状を有する、第2の開口に拡張させるステップ2520を含む。ある実施形態では、ステップ2520は、円筒形リングの軸方向範囲および壁厚に非敏感である、随意に、ステップ2510におけるロール形成によって導入される付加的公差にも非敏感である場所および幾何学形状有する第2の開口を形成するステップ2522を含む。ステップ2502を含む方法2500の実施形態では、ステップ2520は、円筒形リングを円筒形管から切断することと関連付けられた軸方向範囲公差に影響されない場所および幾何学形状を有する第2の開口を形成するステップ2524を含んでもよい。特に、方法2500は、ステップ2524が、軸方向範囲公差への敏感さを取り除く(または少なくとも有意に低減させる)ため、あまり正確ではない軸方向範囲を伴う円筒形リングを許容し得る。したがって、方法2500のこれらの実施形態は、円筒形リングが円筒形管から切断される正確度に対する要件を緩和させる。ある実施形態では、ステップ2520は、第2の開口を打ち抜くステップ2526を含む。ステップ2526はさらに、マーキングを賦形リングの半径方向区分上にインプリントするステップ2528を含んでもよい。ステップ2528は、第2の開口を打ち抜く同一打抜動作において実施される。
【0076】
図28および図29は、ステップ2526を実装する、ステップ2520の一例を図示する。図28は、ステップ2520のワークピースの一連の断面図を示す。図29は、本例の最終生成物の斜視図を示す。図28および図29は、以下の説明において併せて確認されることが推奨される。
【0077】
図28および図29に示される例では、ステップ2520は、直径1352を伴う初期開口1330を有する賦形リング2130を受け取る。直径2810を有する、スタンプ2800が、賦形リング2130の半径方向区分1322の一部を打ち出し、直径2810によって特徴付けられるより大きい開口2830を画定する修正された半径方向区分2822を伴う、修正された賦形リング2840を形成する。
【0078】
本明細書の範囲から逸脱することなく、開口1330は、真円から逸脱し得、開口2830は、開口1330に優る改善された真円度を有し得る。
【0079】
特徴の組み合わせ
上記に説明される特徴ならびに下記に請求されるものは、本明細書の範囲から逸脱することなく、種々の方法において組み合わせられてもよい。例えば、本明細書に説明される、1つのロール形成製造方法またはころ軸受シールケースの側面は、本明細書に説明される別のロール形成製造方法またはころ軸受シールケースの特徴を組み込む、またはその特徴と入れ替ってもよいことを理解されたい。以下の例は、上記に説明される実施形態の可能な非限定的組み合わせを図示する。多くの他の変更および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書における方法およびデバイスに行われてもよいことが明白となるはずである。
【0080】
(A1)ころ軸受シールケースのロール形成製造方法は、(1)円筒形リングから賦形リングをロール形成することであって、賦形リングは、少なくとも円筒形リングの円筒軸に沿って延在する第1の区分と、第1の区分から円筒軸に向かって内向きに延在する第2の区分とを含み、第2の区分は、第1の区分と連続し、第1の開口を円筒軸まわりに画定する、ことと、(2)第2の区分をトリミングすることにより、設計パラメータに従った場所および幾何学形状を有する第2の開へ第1の開口を拡張させることとを含んでもよい。
【0081】
(A2)(A1)として示されるロール形成製造方法では、ロール形成するステップは、円筒軸を包囲する円筒形リングの一部を円筒軸に向かって屈曲させることにより、第2の区分を形成することを含んでもよく、円筒形リングの残りは、第1の区分を形成する。
【0082】
(A3)(A1)および(A2)として示されるロール形成製造方法のいずれかは、(i)ロール形成するステップにおいて、少なくとも部分的に、(a)円筒軸に沿った円筒形リングの軸方向範囲と、(b)軸方向範囲に直交する寸法における円筒形リングの壁厚とのうちの少なくとも1つによって決定される場所および幾何学形状を有する第1の開口を形成することと、(ii)トリミングするステップにおいて、円筒形リングの軸方向範囲および壁厚に非敏感である場所および幾何学形状を有する第2の開口を形成することとを含んでもよい。
【0083】
(A4)(A3)として示されるロール形成製造方法はさらに、ロール形成する対して関する公差を導入することと、トリミングするステップにおいて、公差にさらに非敏感である場所および幾何学形状を有する第2の開口を形成することとを含んでもよい。
【0084】
(A5)(A1)~(A4)として示されるロール形成製造方法のいずれかでは、トリミングするステップは、第2の開口を打ち抜くことを含んでもよい。
【0085】
(A6)(A5)として示されるロール形成製造方法では、打ち抜くステップは、スタンプを使用することにより、単一打抜動作において、第2の開口を打ち抜くことと、マーキングを第2の区分上にインプリントすることとの両方を行うことを含んでもよい。
【0086】
(A7)(A1)~(A6)として示されるロール形成製造方法のいずれかはさらに、円筒形管を切断することにより、円筒形リングの複数の工程物を形成することと、ロール形成するステップにおいて、賦形リングを円筒形リングの複数の工程物のうちの1つからロール形成することとを含んでもよい。
【0087】
(A8)(A7)として示されるロール形成製造方法では、トリミングするステップは、切断することの公差に非敏感である場所および幾何学形状を有する第2の開口を形成することを含んでもよい。
【0088】
(A9)(A7)および(A8)として示されるロール形成製造方法のいずれかでは、切断するステップは、押出成形された管を切断することを含んでもよい。
【0089】
(A10)
【0090】
(A7)および(A8)として示されるロール形成製造方法のいずれかはさらに、切断するステップにおいて、溶接された管を切断することと、ロール形成するステップに先立って、溶接された管の溶接ビードを除去することとを含んでもよい。
【0091】
(A11)(A1)~(A10)として示されるロール形成製造方法のいずれかでは、ロール形成するステップは、(I)中間賦形リングを円筒形リングからロール形成することであって、中間賦形リングは、第2の区分と、第2の区分と連続する残りの円筒形区分とを有する、ことと、(II)円筒軸から離れる方向に、外向き圧力を残りの円筒形区分に印加することにより、残りの円筒形区分を円筒状にすることと、(III)賦形リングを中間賦形リングからロール形成することにより、残りの円筒形区分から形成される第1の区分を形成することとを含んでもよい。
【0092】
(A12)(A11)として示されるロール形成製造方法では、賦形リングを中間賦形リングからロール形成するステップは、複数の屈曲を残りの円筒形区分内に作製することにより、複数の非平行サブ区分を伴う第1の区分を形成することを含んでもよい。
【0093】
(B1)ころ軸受シールケースのロール形成製造方法は、(1)円筒形リングから第1の賦形リングをロール形成することであって、第1の賦形リングは、円筒形リングの円筒軸に沿って延在する第1の区分と、第1の区分から円筒軸に向かって内向きに延在する第2の区分とを有する、ことと、(2)円筒軸から離れる方向に、外向き圧力を第1の区分に印加することにより、第1の区分を円筒状にすることと、(3)第2の賦形リングを第1の賦形リングからロール形成することとを含んでもよい。
【0094】
(B2)(B1)として示されるロール形成製造方法では、第1の賦形リングをロール形成するステップは、円筒軸を包囲する円筒形リングの一部を円筒軸に向かって屈曲させることにより、第2の区分を形成することを含んでもよく、円筒形リングの残りは、第1の区分を形成する。
【0095】
(B3)(B1)および(B2)として示されるロール形成製造方法のいずれかでは、第2の賦形リングをロール形成するステップは、複数の屈曲を第1の区分内に作製することにより、複数の連続的非平行サブ区分を形成することを含んでもよい。
【0096】
(B4)(B1)~(B3)として示されるロール形成方法のいずれかでは、外向き圧力を印加するステップは、第1の区分によって囲まれた領域内に区画化されたダイを位置付けることと、テーパ状キーを区画化されたダイの中に挿入することにより、区画化されたダイの区画を第1の区分に向かって外向きに押圧することとを含んでもよい。
【0097】
(B5)(B1)~(B4)として示されるロール形成方法のいずれかでは、第2の賦形リングをロール形成するステップは、(a)第1の区分の第1の部分がダイの第1の内向きに面した円筒形表面に接触し、(b)第1の区分および第1の内向きに面した円筒形表面が同心であるように、第1の賦形リングをダイ内に設置することを含んでもよい。
【0098】
(B6)(B5)として示されるロール形成製造方法では、ダイは、(a)円筒軸の第1の区画に沿った第1の内向きに面した円筒形表面と、(b)第1の内向きに面した円筒形表面よりも大きい直径を有し、第1の区画に隣接する円筒軸の第2の区画に沿って位置する第2の内向きに面した円筒形表面と、(c)第1の内向きに面した円筒形表面および第2の内向きに面した円筒形表面を接続する第1の接続表面とを有する賦形ダイであってもよく、第2の賦形リングをロール形成するステップは、(i)第1の区分の第2の部分が円筒軸の第2の区画と重複するように、第1の賦形リングを賦形ダイ内に設置するステップと、(ii)第1の区分の内向きに面した表面に対して第1のローラを転動させることにより、第1の区分の第2の部分を第2の内向きに面した円筒形表面および第1の接続表面に対して押圧し、第2の部分の直径を拡張させることとを含んでもよい。
【0099】
(B7)(B6)として示されるロール形成製造方法では、ダイはさらに、(d)第2の内向きに面した円筒形表面よりも大きい直径を有し、第2の区画に隣接する円筒軸の第3の区画に沿って位置する第3の内向きに面した円筒形表面と、(e)第2の内向きに面した円筒形表面および第3の内向きに面した円筒形表面を接続する第2の接続表面とを有してもよく、第2の賦形リングをロール形成するステップはさらに、第1の区分の内向きに面した表面に対して第2のローラを転動させることにより、第1の区分の第3の部分を第3の内向きに面した円筒形表面および第2の接続表面に対して押圧し、第3の部分の直径を拡張させることであって、これにより、第2の賦形リングをころ軸受の外側レースウェイを形成する軸受カップの中に係止するように構成される、外向きに突出するビードを伴う第2の賦形リングを形成する、ことを含んでもよい。
【0100】
(B8)(B1)~(B7)として示されるロール形成方法のいずれかはさらに、円筒形管を切断することにより、円筒形リングの複数の工程物を形成することと、第1の賦形リングをロール形成するステップにおいて、第1の賦形リングを円筒形リングの複数の工程物のうちの1つからロール形成することとを含んでもよい。
【0101】
(B9)(B8)として示されるロール形成方法では、切断するステップは、押出成形された管を切断することを含んでもよい。
【0102】
(B10)(B8)として示されるロール形成方法では、切断するステップは、溶接された管を切断することを含んでもよく、ロール形成方法はさらに、ロール形成するステップに先立って、溶接された管の溶接ビードを除去することを含んでもよい。
【0103】
変更が、本明細書の範囲から逸脱することなく、上記のシステムおよび方法において行われてもよい。したがって、上記の説明内に含まれ、付随の図面に示される事項は、限定的意味ではなく、例証として解釈されるべきであることに留意されたい。以下の特許請求の範囲は、明細書に説明される汎用的特徴および具体的特徴ならびに文言上それらの間に該当すると言え得る、本システムおよび方法の範囲のあらゆる記述を網羅するように意図される。
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