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特許7398398注射デバイスに取り付けるための補足デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】注射デバイスに取り付けるための補足デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
A61M5/315 550J
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021001839
(22)【出願日】2021-01-08
(62)【分割の表示】P 2019010743の分割
【原出願日】2014-05-02
(65)【公開番号】P2021058712
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-02-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】13166723.0
(32)【優先日】2013-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ-アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ビージー
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・オーブリー・プランプトリ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・リチャード・ドレイパー
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・リチャード・マーサー
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】栗山 卓也
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-10327(JP,A)
【文献】国際公開第2009/062675(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な面を含む注射デバイスに取り付けるための補足デバイスであって:
開状態および閉状態をそれぞれの電気機械式スイッチが有する、第1の電気機械式スイッチおよび第2の電気機械式スイッチを含むハウジングと;
各スイッチに関連付けられたアクチュエータであって、該各スイッチに関連付けられたアクチュエータは、該補足デバイスが注射デバイスに取り付けられている間、ハウジングから突出し、異なる相対的な周方向位置で注射デバイスの回転可能な面と接触するように配置され、各電気機械式スイッチは、回転可能な面が整数用量値を表す回転位置にあるときに閉状態または開状態を有する、アクチュエータと;
整数用量が注射デバイスにダイヤル設定されまたは注射デバイスから設定解除される前と後に、
整数用量値を表す各回転位置において、かつ
該回転可能な面が整数用量値を表す回転位置にあるとき、
第1の電気機械式スイッチおよび第2の電気機械式スイッチの両方の状態を検知し;
第1の電気機械式スイッチおよび第2の電気機械式スイッチの両方の検知された状態に基づいて、注射デバイスの回転可能な面の回転の方向を決定するように構成されたプロセッサ装置と
を含み、ここで、
回転可能な面は波形であり、各スイッチは、そのそれぞれのアクチュエータが波形の谷部に位置するときに第1の状態を有し、そのそれぞれのアクチュエータが波形の山部に位置するときに第2の状態を有する、前記補足デバイス。
【請求項2】
第1の状態は開状態であり、第2の状態は閉状態である、請求項1に記載の補足デバイス。
【請求項3】
波形付きの回転可能な面を有する注射デバイスに取り付けられているとき、および回転可能な面が整数用量値を表す回転位置にあるとき、第1および第2のスイッチが共に第1の状態または第2の状態を有するように構成される、請求項1または2に記載の補足デバ
イス。
【請求項4】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態を初期状態から反対の状態に変え、初期状態に戻す、請求項3に記載の補足デバイス。
【請求項5】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態を初期状態から反対の状態に変える、請求項3に記載の補足デバイス。
【請求項6】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、2つのスイッチの一方の状態を初期状態から反対の状態に変えるが、2つのスイッチの他方の状態は変わらない、請求項3に記載の補足デバイス。
【請求項7】
波形付きの回転可能な面を有する注射デバイスに取り付けられているとき、および回転可能な面が整数用量値を表す回転位置にあるとき、第1のスイッチが第1の状態を有し、第2のスイッチが第2の状態を有するように構成される、請求項1または2に記載の補足デバイス。
【請求項8】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態を、それらのそれぞれの初期状態から反対の状態に変え、それらの初期状態に戻す、請求項7に記載の補足デバイス。
【請求項9】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態をそれらのそれぞれの初期状態から反対の状態に変える、請求項7に記載の補足デバイス。
【請求項10】
プロセッサ装置は、第1および第2のスイッチの状態が変わる順序から回転可能な面の回転の方向を決定するように構成される、請求項3~5、または請求項7~9のいずれか1項に記載の補足デバイス。
【請求項11】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、2つのスイッチ一方の状態を初期状態から反対の状態に変え、初期状態に戻し、2つのスイッチの他方の状態を初期状態から反対の状態に変える、請求項7に記載の補足デバイス。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の補足デバイス、および用量を注射デバイスにダイヤル設定する、または注射デバイスからダイヤル設定解除するときに回転するように構成された波形付きの回転可能な面を有する注射デバイスを含むシステム。
【請求項13】
回転可能な面は円筒形の面であり、該円筒形の面の360度の回転は、24整数用量単位に相当する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
波形付きの回転可能な面は合計24の別個の波形を有する、請求項12または13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射デバイスに取り付けるための補足デバイス(supplemental
device)に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の注射による定期的な治療を必要とする、様々な疾病が存在する。そうした注射は、医療従事者または患者自身によって適用される注射デバイスを使用することによって実行することができる。一例として、1型および2型の糖尿病は、たとえば、1日に1回または数回のインスリン用量の注射により、患者自身によって治療することができる。たとえば、注射デバイスとして、充填済みの使い捨てのインスリンペンを使用することができる。あるいは、再利用可能なペンを使用することもできる。再利用可能なペンでは、空の薬剤カートリッジを新しい薬剤カートリッジに交換することが可能である。どちらのペンにも、毎使用前に交換される1組の一方向の針が付いている。次いで、注射予定のインスリン用量を、たとえば、インスリンペンでは、投薬量ノブを回し、インスリンペンの用量窓またはディスプレイから実際の用量を観察することによって、手動で選択することができる。次いで、適切な皮膚部分に針を挿入し、インスリンペンの注射ボタンを押下することによって、用量が注射される。
【0003】
たとえば特許文献1には、補足デバイスを注射デバイスに解放可能に取り付けるための嵌合ユニットを含む補足デバイスを提供することが記載されている。このデバイスは、カメラを含み、注射ペンの投薬量窓を通して認識可能な取り込まれた画像に対して光学式文字認識(OCR)を実行し、それによって、注射デバイスにダイヤル設定された(dial into)薬剤の用量を決定するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2011/117212
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、注射デバイスに取り付けるための補足デバイスを提供し、補足デバイスは:
開状態および閉状態、ならびに各スイッチに関連付けられた突出部をそれぞれが有する、少なくとも2つの電気機械式スイッチを含むハウジングであって、各スイッチに関連付けられた突出部は、補足デバイスが注射デバイスに取り付けられている間、ハウジングから突出し、注射デバイスの回転可能な面と接触するように構成されるハウジングと;
スイッチのそれぞれの状態の変化を検知し;
検知された状態の変化から、注射デバイスの回転可能な面の回転の方向を決定するように構成されたプロセッサ装置と
を含む。
【0006】
ハウジングは、第1の電気機械式スイッチおよび第2の電気機械式スイッチを含むことができ、第1および第2の電気機械式スイッチのアクチュエータは、異なる相対的な周方向位置で注射デバイスの回転可能な面と接触するように配置することができる。
【0007】
回転可能な面は波形にすることができ、各スイッチは、そのそれぞれのアクチュエータが波形の谷部に位置するときに第1の状態を有し、そのそれぞれのアクチュエータが波形
の山部に位置するときに第2の状態を有することができる。第1の状態は開状態とすることができ、第2の状態は閉状態とすることができる。
【0008】
補足デバイスは、波形付きの回転可能な面を有する注射デバイスに取り付けられているとき、および回転可能な面が整数用量値を表す回転位置にあるとき、第1および第2のスイッチが共に第1の状態または第2の状態を有するように構成することができる。回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態を初期状態から反対の状態に変え、初期状態に戻すことができる。回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態を初期状態から反対の状態に変えることができる。
【0009】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、2つのスイッチの一方の状態を初期状態から反対の状態に変えることができるが、2つのスイッチの他方の状態は変わらないようにする。
【0010】
補足デバイスは、波形付きの回転可能な面を有する注射デバイスに取り付けられているとき、および回転可能な面が整数用量値を表す回転位置にあるとき、第1のスイッチが第1の状態を有し、第2のスイッチが第2の状態を有するように構成することができる。回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態を、それらのそれぞれの初期状態から反対の状態に変え、それらの初期状態に戻すことができる。回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、第1および第2のスイッチの状態をそれらのそれぞれの初期状態から反対の状態に変えることができる。
【0011】
プロセッサ装置は、第1および第2のスイッチの状態が変わる順序から回転可能な面の回転の方向を決定するように構成することができる。
【0012】
回転可能な面の回転位置における1整数用量単位の増減によって、2つのスイッチの一方の状態を初期状態から反対の状態に変え、初期状態に戻し、2つのスイッチの他方の状態を初期状態から反対の状態に変えることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の補足デバイス、および用量を注射デバイスにダイヤル設定する、または注射デバイスからダイヤル設定解除する(dial out)ときに回転するように構成された波形付きの回転可能な面を有する注射デバイスを含むシステムを提供する。
【0014】
回転可能な面は、円筒形の面とすることができ、円筒形の面の360度の回転は、24整数用量単位に相当するようにすることができる。
【0015】
次に、実施形態を、単に例示の目的で添付図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】注射デバイスの分解図である。
図2】本発明の実施形態による補足デバイスが取り付けられた、図1の注射デバイスの斜視図である。
図3図1の注射デバイスのダイヤル設定スリーブ構成要素の斜視図である。
図4】スイッチアクチュエータも示す、図3のダイヤル設定スリーブ構成要素の断面図である。
図5a】本発明の第1の実施形態において、ダイヤル設定スリーブ構成要素と接触しているスイッチアクチュエータの位置を示す概略図である。
図5b】本発明の第2の実施形態において、ダイヤル設定スリーブ構成要素と接触しているスイッチアクチュエータの位置を示す概略図である。
図6a】本発明の第3の実施形態において、ダイヤル設定スリーブ構成要素と接触しているスイッチアクチュエータの位置を示す概略図である。
図6b】本発明の第4の実施形態において、ダイヤル設定スリーブ構成要素と接触しているスイッチアクチュエータの位置を示す概略図である。
図7】本発明の第5の実施形態において、ダイヤル設定スリーブ構成要素と接触しているスイッチアクチュエータの位置を示す概略図である。
図8】本発明の第6の実施形態において、ダイヤル設定スリーブ構成要素と接触しているスイッチアクチュエータの位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施形態を、インスリン注射デバイスを参照して記載する。しかしながら、本発明はそうした用途に限定されず、他の薬剤を放出する注射デバイス、または他のタイプの医療デバイスと共に、同様に適切に配置することが可能である。
【0018】
図1は、たとえば、SanofiのSolostar(登録商標)インスリン注射ペン、またはSanofiのQuadrantインスリン注射ペンを表す、注射デバイス1の分解図である。
【0019】
図1の注射デバイス1は、ハウジング10を含み、針15を固定することができるインスリン容器14を含む、充填済みの使い捨て注射ペンである。針は、内側ニードルキャップ16および外側ニードルキャップ17によって保護され、内側ニードルキャップ16および外側ニードルキャップ17は、キャップ18によって覆うことができる。注射デバイス1から放出予定のインスリンの用量は、投薬量ノブ12を回す(または「ダイヤル設定する」)ことによって選択することができ、次いで、選択された用量は、投薬量窓13を介して、たとえば、本明細書では用量単位とも呼ぶ、いわゆる国際単位(IU)の倍数で表示される。1IUは、約45.5マイクログラムの純結晶インスリン(1/22mg)と生物学的に等価である。投薬量窓13に表示される選択された用量の例は、たとえば、図1に示すように30IUである。選択された用量は、たとえば、電子ディスプレイを用いるなど異なる形で、同様に適切に表示することが可能であることに留意されたい。
【0020】
投薬量ノブ12を回すことによって、機械的なクリック音を生じさせ、使用者に聴覚的なフィードバックを提供することができる。投薬量窓13に表示される数字は、ハウジング10の中に含まれ、インスリン容器14内のピストンと機械的に相互作用するスリーブ上に印字される。針15が患者の皮膚部分に刺し込まれ、次いで注射ボタン11が押されると、表示窓13に表示されたインスリン用量が、注射デバイス1から放出される。注射ボタン11が押された後、注射デバイス1の針15がある特定の時間にわたって皮膚部分の中に留まると、高い割合の用量が患者の体内に実際に注射される。またインスリンの用量を放出することによって、機械的なクリック音を生じさせるが、そのクリック音は、投薬量ノブ12を使用するときに発せられる音とは異なる。
【0021】
注射デバイス1は、インスリン容器14が空になるまで、または注射デバイス1の使用期限(たとえば、最初の使用の後28日)に至るまで、複数の注射処置に使用することができる。さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、たとえば、2単位のインスリンを選択し、注射デバイス1を針15を上向きにした状態に保持しながら注射ボタン11を押下することによって、いわゆる「プライムショット」を実行し、インスリン容器14および針15から空気を除去することが必要になる場合がある。
【0022】
図2は、図1の注射デバイス1に取り付けられた補足デバイス2の一実施形態を示して
いる。補足デバイス2は、ハウジング10上に密着して置かれるが、それでも、たとえば注射デバイス1が空になり、交換しなければならないときには注射デバイス1から取り外すことができるように、図1の注射デバイス1のハウジング10を取り囲むように構成された嵌合ユニットを備えるハウジング20を含む。図2に示すように、補足デバイス2は細長く、実質的に注射デバイス1のハウジング10全体にわたって延びることができる。あるいは、補足デバイス2をより短くし、ハウジング10の一部のみを覆うようにすることができる。補足デバイス2は、任意の適切な形状を有することができる。
【0023】
補足デバイス2は、表示ユニット21を有することができる。表示ユニット21を介して、投薬量の示度、投薬量の履歴、指示、警告または補足デバイスの設定などの情報を表示することができる。補足デバイス2は、1つまたはそれ以上の使用者入力部(図示せず)を有することもできる。これらは、デバイス2のハウジング20上のボタンまたはタッチセンシティブ領域(touch sensitive region)を含むことができる。こうした使用者入力部は、使用者が補足デバイス2をオン/オフにすること、(たとえば、別のデバイスとの接続もしくはペアリングを確立させる、かつ/または補足デバイス2から別のデバイスへの情報の伝達をトリガする)動作をトリガすること、または何かを確認することを可能にすることができる。
【0024】
補足デバイス2は、プロセッサ装置(見えない)およびプログラム命令を記憶するためのメモリ(見えない)も含む。プログラムおよびプロセッサ装置は共に、デバイスの中に収容されたスイッチ(以下でさらに詳しく記載する)からの信号の受信および解釈を含む、補足デバイス2の動作を制御する。
【0025】
次に、図3および4を参照すると、補足デバイス2が取り付けられる注射デバイス1は、波形付きのダイヤル設定スリーブ119を有する。(スプライン、波状起伏または隆起部と呼ぶこともある)波形は、谷部116および山部117によって画成される。ダイヤル設定スリーブ119は、用量をダイヤル設定する間、投薬量ノブ12と共に回転するように構成される。ダイヤル設定スリーブ119は、投薬量ノブ12と直接連結すること、または投薬量ノブ12と一体化することができる。用量を注射デバイスにダイヤル設定すると(ダイヤルアップ(dialling up))、ダイヤル設定スリーブ119は回転し、ハウジング10から軸方向外側へ延びる。用量を注射デバイスからダイヤル設定解除すると(ダイヤルダウン(dialling down))、ダイヤル設定スリーブ119は反対方向に回転し、移動してハウジング10の中へ戻る。
【0026】
補足デバイス2は、電気機械式スイッチ装置(図示せず)を収容することができる。電気機械式スイッチ装置は、補足デバイス2に取り付けられる独立のユニットを含むことができる。電気機械式スイッチ装置は、たとえば、補足デバイス2の下側の凹部(注射デバイス1と接触する部分)の中に収容することができる。電気機械式スイッチ装置は、摩擦または連動装置(図示せず)によって、あるいは、ねじ、接着剤などによって、補足デバイス2に固定することができる。いくつかの代替的実施形態では、電気機械式スイッチ装置は、補足デバイス2のハウジング20の一体部材である。電気機械式スイッチ装置の下側部分は、窪んだ形状であり、注射デバイス1の曲率と一致している。電気機械式スイッチ装置の下側部分は、波形付きのダイヤル設定スリーブ119の山部117のいくつかと当接するが、ダイヤル設定スリーブ119は、補足デバイス2に対して自由に回転することができる。電気機械式スイッチ装置の下側部分は、1つまたはそれ以上の開口を有することができる。
【0027】
電気機械式スイッチ装置の内側に、少なくとも2つのスイッチが取り付けられる。各スイッチは、任意の適切なタイプの電気機械式マイクロスイッチとすることができる。各スイッチは、アクチュエータ400(本明細書では、突出部、部材またはリムとも呼ぶ)を
有し、アクチュエータの自由端が電気機械式スイッチ装置内の開口を貫通し、補足デバイス2のハウジング20から突出するように配置される。内部のばねが、各スイッチアクチュエータ400を突出する位置に向かって付勢することができ、その場合、図4に示すように、補足デバイス2が取り付けられると、スイッチアクチュエータはダイヤル設定スリーブ119の面に当接し、押し付けられる。当業者には、電気機械式スイッチに適した様々な構造が理解されるであろう。たとえば、スイッチアクチュエータ400は、内部部材に連結された突出部とすることができる。内部部材は、回転可能に取り付けることができる。内部部材または内部部材の突出するリム上に、スイッチ接点を配設することができる。あるいは、ダイヤル設定スリーブの面と接触する突出部は、中間のスイッチング部材が不要になるように、内部の面上にスイッチ接点を含むこともできる。
【0028】
いくつかの実施形態では、注射デバイス1は、用量がダイヤル設定されていないとき、注射デバイス1のハウジング10から、ダイヤル設定スリーブ119の投薬量ボタン12に隣接する小さい部分が延びるように構成される。これによって、デバイスの動作の間ずっと、スイッチアクチュエータ400がダイヤル設定スリーブ119と接触することが可能になる。
【0029】
各スイッチは、内部の面に支持された電気接点を有することができる。これらの接点は、各スイッチアクチュエータ400の内部部材上の対応する電気接点によって係合されるように配置される。そのスイッチの内部構造は本発明の範囲を限定するものではないため、当業者には使用可能な他の接点の配置が理解されるであろう。いずれの場合も、接点は、スイッチの状態(開または閉)が、スイッチアクチュエータ400がダイヤル設定スリーブ119の谷部116に位置するか、山部117に位置するかによって決まるように配置される。補足デバイス2は、プロセッサ装置を含む。プロセッサ装置は、接点への信号の印加を制御し、各スイッチが開かれたとき、または閉じられたときに検知するように構成される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、電気機械式スイッチ装置は、それぞれがアクチュエータを有する2つのスイッチを含む。2つのスイッチアクチュエータは、各アクチュエータが異なる角度位置でダイヤル設定スリーブと接触するように、ダイヤル設定スリーブ119に対して周方向に間隔をおいて配置される。スイッチアクチュエータは、ダイヤル設定スリーブに対して同じまたは異なる長手方向位置にあるように配置することができる。あるいは、補足デバイス2は、2つの別個の電気機械式スイッチ装置を含むことができ、各電気機械式スイッチ装置はスイッチを含み、それぞれのスイッチのアクチュエータが、ダイヤル設定スリーブ119に対して周方向に間隔をおいて配置されるように、補足デバイス2の異なる部材によって保持される。次に、これらの実施形態のさらなる説明を図5~8を参照して示す。
【0031】
使用者が、用量を注射デバイス1にダイヤル設定することを望むとき、使用者は投薬量ノブ12を把持し、それを回転させる。注射デバイス1のいくつかの例では、ダイヤル設定スリーブの1回の完全な回転(360度)は、24の薬剤単位に相当する。注射デバイス1の内部にある機構は、整数単位のみをデバイスにダイヤル設定することができるようにする。注射デバイスの内部にある付勢手段は確実に、整数値の用量単位がダイヤル設定されたときのみ、ダイヤル設定スリーブ119が平衡になるようにする。
【0032】
いくつかの実施形態において、ダイヤル設定スリーブ119は、24の波形を含む。換言すれば、ダイヤル設定スリーブ119は、24の谷部116および24の山部117を有する。次に、図5aおよび5bを参照すると、ダイヤル設定スリーブ119が24の波形を含む、2つの実施形態が示されている。図5aは、第1の電気機械式スイッチの一部を構成する第1のスイッチアクチュエータ401、および第2の電気機械式スイッチの一
部を構成する第2のスイッチアクチュエータ402を示している。この図は、破線の外側境界を有し、塗りつぶされていない長方形によって示される、第1のスイッチアクチュエータのダイヤルアップされた位置およびダイヤルダウンされた位置、ならびに破線外側境界を有し、細かく分けられた(hashed filling)長方形によって示される、第2のスイッチアクチュエータのダイヤルアップされた位置およびダイヤルダウンされた位置も示している。実線の外側境界を用いて示される第1のスイッチアクチュエータ401および第2のスイッチアクチュエータ402の位置は、2つのスイッチアクチュエータ401および402の初期位置を示す。この初期位置の左側に示されるスイッチアクチュエータの位置は、1整数用量単位が注射デバイス1にダイヤル設定されたときに生じる位置の変化を示す。この初期位置の右側に示されるスイッチアクチュエータの位置は、1整数用量単位が注射デバイス1からダイヤル設定解除されたときに生じる位置の変化を示す。
【0033】
図5aの実施形態において、スイッチアクチュエータ401、402はどちらも、初期位置、および1用量単位がダイヤル設定またはダイヤル設定解除された後では、波形の谷部116に位置する。たとえば、初期位置から始まり、1用量単位がダイヤル設定されると、スイッチアクチュエータ401、402は、ダイヤル設定スリーブ119の面に対して左へ動く。第1のスイッチアクチュエータ401が最初に左へ向かって傾斜を登り、第2のスイッチアクチュエータ402が続く。
【0034】
スイッチアクチュエータ401、402が山部117の頂部に達すると、それらのそれぞれの電気機械式スイッチの状態が変わる。たとえば、スイッチは、それらのそれぞれのスイッチアクチュエータが谷部116に位置するときには開状態を、それらのそれぞれのアクチュエータが山部117に位置するときには閉状態を有することができ、逆もまた同様である。スイッチアクチュエータ401、402は、それらが隣接する谷部116に達するまで、左へ動き続ける。この時点で、薬剤の1整数単位が、注射デバイス1にダイヤル設定される。この実施形態では、スイッチアクチュエータ401、402はどちらも、初期位置、および1用量単位がダイヤル設定またはダイヤル設定解除された後では、波形の山部117に同様に位置することができる。
【0035】
図5~8において理解することができるように、波形の谷部116および山部117は、まっすぐな傾斜面によって連結された平坦な領域とすることができる。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、図4に示すように、谷部116が平坦な領域を含み、山部117が隣接する谷部を連結する滑らかな曲線を含むことができる。あるいは、波形は、正弦波などの滑らかな起伏を含むことができる。
【0036】
次に、図5bを参照すると、ダイヤル設定スリーブ119が24の波形を含む第2の実施形態が示されている。この実施形態では、第1および第2のスイッチアクチュエータ401、402の相互の間隔は、図5aの実施形態より大きい。スイッチアクチュエータ401、402の間隔は、ダイヤル設定スリーブ119が整数用量単位の位置にあるとき、第1および第2の電気機械式スイッチが異なる状態を有するようにする。第1および第2のスイッチアクチュエータ401、402の例示的な初期位置が、実線の外側境界を有する長方形によって示されている。1用量単位がダイヤル設定またはダイヤル設定解除された後の第1および第2のスイッチアクチュエータの位置は、破線の外側境界を有する長方形によって示されている。この実施形態では、すべての整数用量単位の位置において、第1のスイッチアクチュエータ401は山部117に位置し、第2のスイッチアクチュエータ402は、最初は谷部116に位置する。したがって、第1の電気機械式スイッチは閉状態を有することができ、第2の電気機械式スイッチは開状態を有する。用量単位が注射デバイス1にダイヤル設定されるときには、第2の電気機械式スイッチが閉じる前に、第1の電気機械式スイッチが開く。用量単位が注射デバイス1からダイヤル設定解除される
ときには、第1の電気機械式スイッチが開く前に、第2の電気機械式スイッチが閉じる。これが起こる理由は、第1の方向(ダイヤルアップ方向)では、第1のスイッチアクチュエータ401は山部117と谷部116の間の境界の近くに位置するが、他方はそうではなく、一方、第2の方向(ダイヤルダウン方向)では、第2のスイッチアクチュエータ402は山部117と谷部116の間の境界の近くに位置するが、他方はそうではないことにある。したがって、補足デバイス2のプロセッサは、第1および第2の電気機械式スイッチから受ける信号を監視することによって、ダイヤル設定スリーブ119の回転の方向を決定することができる。
【0037】
図5aおよび5bの実施形態では、1単位用量のダイヤル設定またはダイヤル設定解除によって、第1および第2の電気機械式スイッチが共に、それらの初期状態から反対の状態に変わり、再び戻る。プロセッサは、この一連の状態変化を用いて、注射デバイス1にダイヤル設定された、または注射デバイス1からダイヤル設定解除された単位の数を増分によって決定することができる。
【0038】
次に、図6aおよび6bを参照すると、ダイヤル設定スリーブ119が12の波形を含む、2つの実施形態が示されている。ダイヤル設定スリーブ119および電気機械式スイッチの製造公差のスイッチの信頼性に対する影響を低減するために、ダイヤル設定スリーブ119の波形の数を減らすと有利である可能性がある。波形の数を減らすことによって、ダイヤル設定スリーブ119の製造を、より簡単かつより費用効果的にすることも可能である。図6aの実施形態では、第1および第2のスイッチアクチュエータ401および402はどちらも、波形の谷部116に位置しているが、それらはいずれも、同様に波形の山部117に位置することができる。1単位が注射デバイス1にダイヤル設定されるとき、第1および第2のスイッチはどちらも1回、たとえば開状態から閉状態に状態を変える。プロセッサは、図5aの実施形態の場合と同じ方法で、ダイヤル設定スリーブ119の回転の方向を決定することができる、すなわち、用量単位がダイヤル設定されるときには、第2の電気機械式スイッチの前に第1の電気機械式スイッチが状態を変え、用量単位がダイヤル設定解除されるときには、第1の電気機械式スイッチの前に第2の電気機械式スイッチが状態を変える。
【0039】
図6bに示す実施形態では、スイッチアクチュエータは、最初は第1のスイッチアクチュエータ401が谷部に位置し、第2のスイッチアクチュエータ402が山部に位置するように、図6aの実施形態より大きい距離で隔てられている。図6bも、1単位がデバイスにダイヤル設定された後の第1および第2のスイッチアクチュエータ401および402の位置を示している。この位置では、第1および第2の電気機械式スイッチの状態が逆になっている。1単位がデバイスからダイヤル設定解除された後の、第1のスイッチアクチュエータ401の位置も理解することができる。1単位がダイヤル設定解除された後の第2のスイッチアクチュエータ402の位置は、見ることができない。図5bに示す実施形態と同様に、第1および第2のスイッチアクチュエータの間隔は、隣接する谷部116と山部117の中心点の間の距離より大きい。したがって、用量がデバイスにダイヤル設定される、またはデバイスからダイヤル設定解除されるとき、スイッチの一方が他方より先に状態を変え、プロセッサがダイヤル設定スリーブ119の回転の方向を決定することが可能になる。24の波形ではなく12の波形を有することによって、谷部116および山部117の長さが増大する。これにより、第1および第2のスイッチアクチュエータ401、402の間隔の誤差に対する許容範囲が増し、それによってシステムの信頼性が高まる。
【0040】
図7は、ダイヤル設定スリーブ119が18の波形を含む実施形態を示している。スイッチ作動部材401、402の間隔は、1単位がデバイスにダイヤル設定される、またはデバイスからダイヤル設定解除されるとき、スイッチの一方が状態を1回変え、他方のス
イッチが状態を2回変えるように選択される。たとえば、図7に示すように、スイッチアクチュエータ401、402の初期位置が、第1のスイッチアクチュエータ401が谷部116に位置し、第2のスイッチアクチュエータ402が山部117に位置する状態にある場合、1単位がデバイスにダイヤル設定されるとき、第1のスイッチは開状態から閉状態に変わり、第2のスイッチは閉状態から開状態に変わり、次いで閉状態に戻る。初期位置から、1単位がデバイスからダイヤル設定解除される場合、第2のスイッチは閉状態から開状態に変わり、第1のスイッチは、開状態から閉状態に変わり、再び戻る。
【0041】
図5aおよび6bに示す実施形態では、プロセッサは、ダイヤル設定スリーブ119の回転の方向を決定するために、第1および第2のスイッチが状態を変える順序を監視しなければならない。図7の実施形態では、回転の方向に応じて用量単位がダイヤル設定されるたびに、第1および第2の電気機械式スイッチのそれぞれが1回または2回状態を変えるため、プロセッサは、スイッチの状態変化が起こる順序を監視する必要がない。図7の実施形態では、第1および第2の電気機械式スイッチは、ひとまとめにして考えると、4つの状態のうちの任意の1つを示すことができる。これらの状態は:両方のスイッチが閉じている、第1のスイッチが開き第2のスイッチが閉じている、両方のスイッチが開いている、および第1のスイッチが閉じ第2のスイッチが開いている、である。図7から理解されるように、これらの状態が起こる順序は、波形付きのダイヤル設定スリーブの回転の方向に依存する。したがって、回転の方向を決定するために、プロセッサは、各整数用量単位の位置におけるスイッチの状態が分かればよい。これは、プロセッサがスイッチの状態変化を絶えず監視する必要がないため、プロセッサの複雑さおよび電力要件を低減するという利点を有することができる。
【0042】
図8は、ダイヤル設定スリーブ119がわずか6の波形を含む別の実施形態を示している。図7の実施形態と同様に、第1および第2のスイッチアクチュエータ401、402は、ひとまとめにして考えると、それらが4つの異なる状態を定義するように配置される。1用量単位がデバイスにダイヤル設定される、またはデバイスからダイヤル設定解除されるとき、スイッチの一方は状態を1回変え、他方のスイッチは同じ状態のままである。たとえば、図8に示す第1および第2のスイッチアクチュエータの初期位置を考慮すると、1単位がデバイスにダイヤル設定されるとき、第1のスイッチは開状態から閉状態に変わり、第2のスイッチは開状態で始まり、開状態で終わる。第2の単位がデバイスにダイヤル設定されるとき、第1のスイッチは閉状態で始まり、閉状態で終わり、第2のスイッチは開状態から閉状態へ変わる。図7の実施形態と同様に、プロセッサは、回転の方向を決定するために、第1および第2のスイッチが状態を変える順序を監視する必要がない。プロセッサは、方向を決定するのに、スイッチのそれぞれの開始および終了の状態が分かればよい。
【0043】
前述の実施形態のすべてについて、ダイヤル設定スリーブの回転の方向を決定することができるため、プロセッサは、注射デバイス1にダイヤル設定された用量単位の数を増分によって計算することもできる。ゼロの用量単位がダイヤル設定されているときに、補足デバイス2が注射デバイス1に取り付けられ、起動されたとすると、この符号化方法を用いて、現在ダイヤル設定されている用量を使用者に示すことができる。たとえば、補足デバイスは、注射デバイス1に取り付けられたとき、表示窓13を覆い隠す可能性がある。したがって、プロセッサは、注射デバイス1にダイヤル設定された用量を増分によって決定し、ダイヤル設定された用量を補足デバイス2の表示ユニット21に表示することができる。別法として、または追加として、補足デバイス2は、ダイヤル設定された用量を表示窓13を通して読み取り、この読み取りの結果を表示ユニット21に表示するように構成された光学式文字認識(OCR)システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、補足デバイス2は、注射デバイス1に取り付けられたとき、表示窓13を覆い隠すことはない。たとえば、表示窓13を、注射デバイス1のハウジング10のさらに下方に配
置することができる。
【0044】
いくつかの他の実施形態では、補足デバイス2に、ダイヤル設定スリーブ119と接触するスイッチアクチュエータをそれぞれが有する3つ以上の電気機械式スイッチを収容することができる。ダイヤル設定スリーブ119の回転の方向を決定するには、2つのスイッチしか必要ないが、スイッチが2つより多い場合、ダイヤル設定スリーブの位置、したがって、現在ダイヤル設定されている用量の準絶対的な(quasi-absolute)符号化を実現することが可能である。
【0045】
前述の実施形態は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲の範囲を限定しないことが理解されるであろう。本願を読めば、当業者には他の変形形態および変更形態が明らかになるであろう。たとえば、電気機械式スイッチを、光学センサ、磁気センサ、抵抗性センサまたは容量性センサによって置き換えることができる。
【0046】
たとえば、波形の代わりに、ダイヤル設定スリーブ119は、光学センサによって検知可能な黒色および白色の領域などの光学的な特性、または磁気センサ、抵抗性センサもしくは容量性センサによって検知可能な伝導性および非伝導性の領域を有することができる。
【0047】
たとえば、各電気機械式スイッチは、カメラによって置き換えることができる。光学的な認識を助けるために、LEDが存在する場合もある。波形は、波形の隣接する山部と同じ間隔を有する平行な黒色の線によって置き換えることができる。
【0048】
別の例示的な代替形態では、電気機械式スイッチは、補足デバイス2のハウジング20から突出する接点によって置き換えることができる。こうした接点は、ダイヤル設定スリーブ119の面上で、伝導性および非伝導性の領域と係合するように構成することができる。
【0049】
さらなる例では、電気機械式スイッチは、補足デバイスではなく、注射デバイスの一部とすることができる。この例の好ましい実施形態では、波形付きの面は内側の面である。これにより、デバイスの設計全体がよりコンパクトになるため、取り扱いが改善される。さらに、内側の波形付きの面を有することによって、外側の面は滑らかなままになる。したがって、外側の面が露出されるとき、それを封止して水分および/または塵を防ぐことができる。内側の面を波形にすることにより、塵および/または水分の侵入が低減され、したがって、機能性に対する影響が小さくなるため、信頼性が高まる。
【0050】
さらに、本願の開示は、本明細書において明示的もしくは暗示的に開示された任意の新規な特徴もしくは特徴の任意の新規な組み合わせ、またはその任意の一般化を含み、本願またはそれから派生した任意の出願の手続き処理中に、任意のそうした特徴またはそうした特徴の組み合わせを包含する、新たな請求項が考案される可能性があることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8