(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】油吸引装置および歯科用診療ユニット
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20231207BHJP
A61C 1/08 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A61C19/00 C
A61C1/08 S
A61C19/00 E
(21)【出願番号】P 2021066381
(22)【出願日】2021-04-09
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 美一
(72)【発明者】
【氏名】木下 和也
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-075926(JP,A)
【文献】特開平11-221241(JP,A)
【文献】特開2005-065991(JP,A)
【文献】特開平03-172599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
A61C 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療用ハンドピースから排気されるエアに含まれる油を集める集油ケースより当該油を吸引する油吸引装置であって、
前記診療用ハンドピースにエアを供給する給気管路から分岐し、前記診療用ハンドピースに供給されるエアの一部を導入する導入管と、
前記集油ケースより当該油を吸引する吸引管と、
前記導入管から導入したエアを利用して、前記吸引管で油を吸引する吸引力を生じさせる吸引部と、を備える、油吸引装置。
【請求項2】
前記導入管から導入したエアを排気する排気管をさらに備え、
前記排気管より排気するエアに、前記吸引管で吸引した油を含めて外部に排気する、請求項1に記載の油吸引装置。
【請求項3】
前記吸引部は、
前記導入管から導入したエアを減圧させて噴射するノズルと、
エアの噴射により前記ノズルの周辺に生じる負圧を前記吸引力として、前記吸引管で吸引した油を前記ノズルから噴射されるエアに含めて前記排気管へ排気する本体部と、を有する、請求項2に記載の油吸引装置。
【請求項4】
前記導入管から前記ノズルに供給されるエア
の量は、前記診療用ハンドピースに供給されるエア
の量の約5~約25%である、請求項3に記載の油吸引装置。
【請求項5】
患者を診療するための歯科用診療ユニットであって、
診療のために患者を座らせる、または患者を横たわらせることができる診療台と、
エアを供給するコンプレッサを含む診療本体部と、
診療用ハンドピースに前記コンプレッサからエアを供給する給気管路と、
前記診療用ハンドピースからのエアを前記診療本体部に排気する排気管路と、
前記排気管路に設けられ、前記診療用ハンドピースから排気されるエアに含まれる油を集める集油ケースと、
前記給気管路
から分岐し、前記給気管路により供給されるエアの一部を導入する導入管と、
前記集油ケースより当該油を吸引する吸引管と、
前記導入管から導入したエアを利用して、前記吸引管で油を吸引する吸引力を生じさせる吸引部と、を備える、歯科用診療ユニット。
【請求項6】
前記診療本体部は、前記診療用ハンドピースを保持するトレーを含み、
前記集油ケースは、前記トレーの内部に設けられる、請求項5に記載の歯科用診療ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、油吸引装置および歯科用診療ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯科の診療で用いられる診療用ハンドピースには、加圧空気でタービンを駆動して当該タービンのロータ軸に固定された切削工具を高速に回転させる歯科用エアタービンハンドピースがある(特許文献1:特開平07-328031号公報)。当該歯科用エアタービンハンドピースは、高速に回転するタービンの軸受けなどに予め潤滑油(油)が塗布されており、排気されるエアにこの油が混ざって排出される。
【0003】
歯科用診療ユニットには、歯科用エアタービンハンドピースから排気されるエアに含まれる油を回収するための集油ケースが設けられている(特許文献2:特開2020-22888号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平07-328031号公報
【文献】特開2020-22888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排気されるエアに含まれる油は、集油ケースに回収されるが、集油ケースに回収された油は、定期的にユーザが廃棄する必要があった。つまり、ユーザが、歯科用診療ユニットから集油ケースを取り外し、集油ケースに回収された油を廃棄する作業が必要であった。
【0006】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、集油ケースに回収された油をユーザが廃棄する作業を不要にすることができる油吸引装置および歯科用診療ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の油吸引装置は、診療用ハンドピースから排気されるエアに含まれる油を集める集油ケースより当該油を吸引する油吸引装置であって、診療用ハンドピースにエアを供給する給気管路から分岐し、診療用ハンドピースに供給されるエアの一部を導入する導入管と、集油ケースより当該油を吸引する吸引管と、導入管から導入したエアを利用して、吸引管で油を吸引する吸引力を生じさせる吸引部と、を備える。
【0008】
本開示の歯科用診療ユニットは、患者を診療するための歯科用診療ユニットであって、診療のために患者を座らせる、または患者を横たわらせることができる診療台と、エアを供給するコンプレッサを含む診療本体部と、診療用ハンドピースにコンプレッサからエアを供給する給気管路と、診療用ハンドピースからのエアを診療本体部に排気する排気管路と、排気管路に設けられ、診療用ハンドピースから排気されるエアに含まれる油を集める集油ケースと、給気管路から分岐し、給気管路により供給されるエアの一部を導入する導入管と、集油ケースより当該油を吸引する吸引管と、導入管から導入したエアを利用して、吸引管で油を吸引する吸引力を生じさせる吸引部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の油吸引装置および歯科用診療ユニットによれば、診療用ハンドピースに供給されるエアの一部を利用して集油ケースから油を吸引するので、集油ケースに回収された油をユーザが廃棄する作業が不要となり、集油ケースのメンテナンス作業を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施の形態における歯科用診療ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すトレーテーブルと、媒体導管と、診療用ハンドピースとを概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿う断面斜視図である。
【
図4】本開示の一実施の形態における歯科用診療ユニットの管路構成を概略的に示す図である。
【
図5】本開示の一実施の形態における歯科用診療ユニットの制御ブロック図である。
【
図6】本開示の一実施の形態における油吸引装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図7】本開示の一実施の形態における集油ケースの構成を概略的に示す断面斜視図である。
【
図8】本開示の一実施の形態における吸引部の構成を概略的に示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず、本開示の一実施の形態における医療用装置の構成について説明する。本実施の形態では医療用装置の一例として歯科用診療ユニットについて説明する。
【0013】
図1は、本開示の一実施の形態における歯科用診療ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
図1を参照して、本実施の形態に係る歯科用診療ユニット100は、診療台1、診療本体部10、媒体導管20を含む。さらに、歯科用診療ユニット100は、媒体導管20と着脱自在に接続可能な診療用ハンドピース30を含んでもよい。なお、媒体導管20は、診療本体部10に対して着脱自在である。
【0014】
診療台1は、患者が着座または仰臥した状態で診療を受けることができるように構成されている。診療台1は、基台1aと、座板1bと、背板1cと、ヘッドレスト1dと、アームレスト1eとを備えている。座板1bは基台1a上に昇降自在に設置されている。背板1cは座板1bの一端に起伏自在に取り付けられている。ヘッドレスト1dは背板1cの上端に傾動自在に取り付けられている。アームレスト1eは座板1bの側方に設置されている。
【0015】
診療本体部10は、スピットン2、照明装置3、照明装置用アーム4、トレーテーブル5、トレーテーブル用アーム6を含む。スピットン2は診療台1の側方に設置されている。スピットン2は、胴部2aと、ベースン2bと、コップ給水栓(コップ給水部)2cとを備えている。胴部2aの上端にベースン2bが設置されている。ベースン2bにコップ給水栓2cから伸びた給水筒が設置されている。照明装置3は、照明装置用アーム4を介してスピットン2に接続されている。照明装置3はたとえば無影灯である。
【0016】
トレーテーブル5は、トレーテーブル用アーム6を介して基台1aに接続されている。トレーテーブル5は、診療器具、薬品および診療用ハンドピース(インスツルメント)30を置いたり、保持したりするために使用される。また、トレーテーブル5は、診療台1および診療用ハンドピース30などの操作を設定するための操作設定部5aを備えている。さらに、トレーテーブル5は、診療用ハンドピース30のうちエアタービンハンドピースから排気されるエアに含まれる油を集める集油ケース180と、集油ケース180から油を吸引する油吸引装置190とをさらに含んでいる。
【0017】
媒体導管20は、診療本体部10から電気、エア、水等の作用媒体を診療用ハンドピース30に供給するように構成されている。
図2は、
図1に示すトレーテーブル5と、媒体導管20と、診療用ハンドピース30とを概略的に示す斜視図である。
図2においては、見やすくするため、媒体導管20および診療用ハンドピース30は1つずつ図示されている。また、
図2においては、説明の便宜のため、媒体導管20から診療用ハンドピース30が取り外された状態が図示されている。
【0018】
媒体導管20は、診療本体部10と、診療用ハンドピース30とに接続されている。具体的には、複数の媒体導管20の一部はスピットン2と診療用ハンドピース30とを接続し、複数の媒体導管20の他部をなすドクター側ハンドピースホルダ5bはトレーテーブル5の下部に配置され、トレーテーブル5と診療用ハンドピース30とを接続している。また、媒体導管20は、可撓性を有している。媒体導管20は先端に診療用ハンドピース30に係合するための係合部20Xを備えている。
図2中矢印で示されるように、係合部20Xは診療用ハンドピース30の一端から診療用ハンドピース30の内部に挿入されている。このようにして、媒体導管20は診療用ハンドピース30に着脱自在に接続されている。
【0019】
診療用ハンドピース30のうち、エアタービンハンドピースを一例として説明する。診療用ハンドピース30は、歯牙のエナメル質である象牙を切削する際に発生する熱を抑制するために発熱箇所へ水を噴射させる機能や、水等を噴射させて粉塵を吹き飛ばす機能を備える。そのため、当該エアタービンハンドピースに接続する媒体導管20には、水およびエアを供給および排出する複数の管路が必要となる。
図3は、
図2のIII-III線に沿う断面斜視図である。
【0020】
図3に示すように、媒体導管20は、外装20aと、水を供給する供給管路20bと、水を排出する排出管路20cと、駆動用エアを供給する給気管路20dと、駆動用エアを排気する排気管路20fを含んでいる。外装20aは管形状を有している。外装20aの内部に供給管路20b、給気管路20d、排気管路20fおよび排出管路20cが配置されている。供給管路20b、給気管路20d、排気管路20f、および排出管路20cは外装20aの内部において並んで配置されている。外装20aの材質はたとえばシリコーンである。供給管路20b、給気管路20d、排気管路20fおよび排出管路20cの各々は、たとえば2層構造であり、この2層構造の内側層の材質はフッ素樹脂であり、外側層の材質はウレタンである。
【0021】
供給管路20bは、診療本体部10から診療用ハンドピース30に水を供給するように構成されている。つまり、供給管路20bは、診療本体部10から診療用ハンドピース30に水を供給する給水管路である。排出管路20cは、媒体導管20から診療本体部10に水を排出するように構成されている。つまり、排出管路20cは、媒体導管20から診療本体部10に水を排出する排水管路である。給気管路20dは、診療用ハンドピース30に駆動用エアを供給する給気管路である。なお、エアタービンハンドピースにおいては、駆動用エアを供給する給気管路や駆動用エアを排気する排気管路を設けることが必須であるが、マイクロモーターハンドピースや、超音波ハンドピース等においては、排気管路は必要ではない。
【0022】
図1を参照して、診療用ハンドピース30は、歯科診療用のインスツルメントである。診療用ハンドピース30は複数のハンドピースを含んでいてもよい。診療用ハンドピース30は、たとえば第1エアタービンハンドピース(ハイスピードハンドピース)31、第2エアタービンハンドピース(ハイスピードハンドピース)32、マイクロモーターハンドピース(ロースピードハンドピース)33、スリーウェイシリンジ34等である。診療用ハンドピース30は、トレーテーブル5に設けられたドクター側ハンドピースホルダ5bに係止されるように構成されている。
【0023】
診療用ハンドピース30の各々に対して、水およびエアを供給および排出するために、診療本体部10には様々な管路および弁が設けられている。
図4は、本開示の一実施の形態における歯科用診療ユニット100の管路構成を概略的に示す図である。
【0024】
診療本体部10は、給水用管路50(供給管路20bに相当)と、エア供給管路60(給気管路20dに相当)と、排水用管路70(排出管路20cに相当)と、排気用管路80(排気管路20fに相当)と、集油ケース180と、油吸引装置190とを備えている。
【0025】
給水用管路50は、主給水管路51と、第1エアタービンハンドピース31に給水される第1分岐給水管路52と、第2エアタービンハンドピース32に給水される第2分岐給水管路53と、マイクロモーターハンドピース33に給水される第3分岐給水管路54と、スリーウェイシリンジ34に給水される第4分岐給水管路55と、コップ給水栓2cに給水する第5分岐給水管路56とを含んでいる。
【0026】
主給水管路51は、診療用の水の水元(水道水)50aに接続されている。主給水管路51には、上流側から順に、手動の元弁51a、給水元電磁弁51b、除菌フィルタ51c、流量計120およびウォーマタンク51d等が設けられている。主給水管路(媒体供給部)51は、媒体導管20の供給管路20bに水を供給するように構成されている。
【0027】
第1エアタービンハンドピース31の第1分岐排水管路72と、第2エアタービンハンドピース32の第2分岐排水管路73と、マイクロモーターハンドピース33の分岐排水管路74は、合流して排水用管路70となり、メインチューブフラッシング電磁弁(排出用開閉弁)40cを経て第1主排水管路71から排水タップ2dに排水される。排水タップ2dの排水は、接続管路141を経て、排水部140に排水される。
【0028】
スリーウェイシリンジ34の第2主排水管路75は、主管路フラッシング電磁弁(排出用開閉弁)40dを経て排水タップ2dに排水される。
【0029】
第1分岐給水管路52は第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21(媒体導管20)を介して第1エアタービンハンドピース31に接続されている。第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の供給管路20bの一端(第1端)は、診療本体部10の第1メインチューブ着脱部10a1において第1分岐給水管路52に接続されている。第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の供給管路20bの他端(第2端)は第1エアタービンハンドピース31に接続されている。第1分岐給水管路52には、第1エアタービン注水電磁弁52aが設けられている。第1エアタービンハンドピース31に給水する供給管路20bには、第1エアタービン注水切替電磁弁52bが設けられている。
【0030】
第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の排出管路20cの一端(第1端)は、診療本体部10の第1メインチューブ着脱部10a1において第1分岐排水管路72に接続されている。第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の排出管路20cの他端(第2端)は、第1エアタービン注水切替電磁弁52bの手前で第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の供給管路20bに接続されている。
【0031】
第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の排出管路20cの他端と供給管路20bとの接続部分と、第1エアタービンハンドピース31との間に、第1エアタービン注水切替電磁弁52bが配置されている。つまり、第1エアタービン注水切替電磁弁52bは、第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の排出管路20cの他端と供給管路20bとの接続部分よりも下流側に配置されている。
【0032】
同様に、第2分岐給水管路53は第2エアタービンハンドピース32のメインチューブ22(媒体導管20)を介して第2エアタービンハンドピース32に接続されている。第2分岐給水管路53には、第2エアタービン注水電磁弁53aが設けられている。第2エアタービンハンドピース32に給水する供給管路20bには、第2エアタービン注水切替電磁弁53bが設けられている。第3分岐給水管路54はマイクロモーターハンドピース33のメインチューブ23(媒体導管20)を介してマイクロモーターハンドピース33に接続されている。第3分岐給水管路54には、マイクロモーター注水電磁弁54aが設けられている。マイクロモーターハンドピース33に給水する供給管路20bには、マイクロモーター注水切替電磁弁54bが設けられている。第4分岐給水管路55はスリーウェイシリンジ34のメインチューブ24(媒体導管20)を介してスリーウェイシリンジ34に接続されている。
【0033】
エア供給管路60は、主エア供給管路61と、第1分岐エア供給管路62と、第2分岐エア供給管路63と、第3分岐エア供給管路64と、第4分岐エア供給管路65とを含んでいる。第1分岐エア供給管路62、第2分岐エア供給管路63、第3分岐エア供給管路64および第4分岐エア供給管路65はそれぞれ主エア供給管路61から分岐している。
【0034】
主エア供給管路61は、診療本体部10に含まれるコンプレッサー(不図示)による圧縮空気源としてのエア元60aに接続されている。主エア供給管路61には、上流側から順に、手動の元弁61aおよび除菌フィルタ61b等が設けられている。なお、コンプレッサー(不図示)は、使用空気圧が静圧で約0.45~約0.50MPa、使用空気量が約40~約50Lの能力を発揮するものを用いる。
【0035】
第1分岐エア供給管路62は第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21(媒体導管20)を介して第1エアタービンハンドピース31に接続されている。第1分岐エア供給管路62には、第1エアタービン駆動エア電磁弁62aが設けられている。第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21は給気管路20dおよび排気管路20fを有している。第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の給気管路20dの一端(第1端)は、診療本体部10の第1メインチューブ着脱部10a1において第1分岐エア供給管路62に接続されている。第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の給気管路20dの他端(第2端)は第1エアタービンハンドピース31に接続され、エアタービンハンドピースヘッド(不図示)に設けたタービン(不図示)を回転させたり、別途不図示の射出口からエアを噴射させたりすることができる。ここで、第1エアタービンハンドピース31は、回転速度が約300,000~約500,000rpmで、使用可能吸気圧力が約0.2~約0.4MPaの能力を発揮するものを用いる。なお、第2エアタービンハンドピース32も同様である。
【0036】
第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の排気管路20fの一端(第1端)は、診療本体部10の第1メインチューブ着脱部10a1において第1分岐エア排気管路81に接続されている。第1エアタービンハンドピース31のメインチューブ21の排気管路20fの他端(第2端)は第1エアタービンハンドピース31に接続され、タービンを回転させたエアを排気することができる。
【0037】
第2分岐エア供給管路63は第2エアタービンハンドピース32のメインチューブ22(媒体導管20)を介して第2エアタービンハンドピース32に接続されている。第2分岐エア供給管路63には、第2エアタービン駆動エア電磁弁63aが設けられている。第2エアタービンハンドピース32のメインチューブ22は給気管路20dおよび排気管路20fを有している。第2エアタービンハンドピース32のメインチューブ22の給気管路20dの一端(第1端)は、診療本体部10の第2メインチューブ着脱部10a2において第2分岐エア供給管路63に接続されている。第2エアタービンハンドピース32のメインチューブ22の給気管路20dの他端(第2端)は第2エアタービンハンドピース32に接続され、エアタービンハンドピースヘッド(不図示)に設けたタービン(不図示)を回転させたり、別途不図示の射出口からエアを噴射させたりすることができる。
【0038】
第2エアタービンハンドピース32のメインチューブ22の排気管路20fの一端(第1端)は、診療本体部10の第2メインチューブ着脱部10a2において第2分岐エア排気管路82に接続されている。第2エアタービンハンドピース32のメインチューブ22の排気管路20fの他端(第2端)は第2エアタービンハンドピース32に接続され、タービンを回転させたエアを排気することができる。第1エアタービンハンドピース31の第1分岐エア排気管路81と、第2エアタービンハンドピース32の第2分岐エア排気管路82とは、合流して排気用管路80となり、集油ケース180で大気開放されて排気される。
【0039】
第3分岐エア供給管路64はマイクロモーターハンドピース33のメインチューブ23(媒体導管20)を介してマイクロモーターハンドピース33に接続されている。第3分岐エア供給管路64には、マイクロモーターチップエア電磁弁64aが設けられている。マイクロモーターハンドピース33のメインチューブ23は給気管路20dを有している。マイクロモーターハンドピース33のメインチューブ23の給気管路20dの一端(第1端)は、診療本体部10の第3メインチューブ着脱部10a3において第3分岐エア供給管路64に接続されている。マイクロモーターハンドピース33のメインチューブ23の給気管路20dの他端(第2端)はマイクロモーターハンドピース33に接続され、別途不図示の射出口からエアを噴射させることができる。
【0040】
第4分岐エア供給管路65はスリーウェイシリンジ34のメインチューブ24(媒体導管20)を介してスリーウェイシリンジ34に接続されている。スリーウェイシリンジ34は給気管路20dを有している。スリーウェイシリンジ34のメインチューブ24の給気管路20dの一端(第1端)は、診療本体部10の第4メインチューブ着脱部10a4において第4分岐エア供給管路65に接続されている。スリーウェイシリンジ34のメインチューブ24の給気管路20dの他端(第2端)はスリーウェイシリンジ34に接続されている。
【0041】
次に、歯科用診療ユニット100の制御について説明する。
図5は、本開示の一実施の形態における歯科用診療ユニットの制御ブロック図である。制御部160は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)を備える。CPUは、ROM等に保存されている動作プログラムを実行することにより、歯科用診療ユニット100全体を総括的に制御する。ROMは、CPUが実行するプログラムやその他のデータを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。制御部160には、流量計120、駆動部161、表示部162、報知部163、フートスイッチ165、メインスイッチ166が接続されている。
【0042】
駆動部161は、各ハンドピース(インスツルメント)等の電磁弁等を駆動させたり、コップ給水栓2cからコップに給水させたりするためのものである。表示部162は、トレーテーブル5等に設置されており、診療等に関する各種情報が表示される。報知部163は、その他の装置での異常を検知した場合等において、その旨の報知を行うべく機能する。
【0043】
第1エアタービンハンドピース31をドクターがピックアップしてフートスイッチ165の操作がなされると、制御部160は、第1エアタービンハンドピース31のインスツルメントに対応する第1エアタービン駆動エア電磁弁62aを開閉するように駆動部161を制御する。駆動部161が、第1エアタービン駆動エア電磁弁62aを開くと、第1エアタービンハンドピース31へ駆動エアが供給され、エアタービンヘッド(不図示)に内蔵されたタービン(不図示)を回転させたり、別途不図示の噴射口から噴射可能とさせたりする。
【0044】
第2エアタービンハンドピース32をドクターがピックアップしてフートスイッチ165の操作がなされると、制御部160は、第2エアタービンハンドピース32のインスツルメントに対応する第2エアタービン駆動エア電磁弁63aを開閉するように駆動部161を制御する。駆動部161が、第2エアタービン駆動エア電磁弁63aを開くと、第2エアタービンハンドピース32へ駆動エアが供給され、エアタービンヘッド(不図示)に内蔵されたタービン(不図示)を回転させたり、別途不図示の噴射口から噴射可能とさせたりする。
【0045】
また、マイクロモーターハンドピース33をドクターがピックアップしてフートスイッチ165の操作がなされると、制御部160は、マイクロモーターチップエア電磁弁64aを開閉するように駆動部161を制御する。駆動部161が、マイクロモーターチップエア電磁弁64aを開くと、マイクロモーターハンドピース33へチップエアが供給され別途不図示のマイクロモーターハンドピース33の噴射口からエアを噴射させることができる。
【0046】
なお、第4分岐エア供給管路65には、上記のような電磁弁は設けられていない。スリーウェイシリンジ34は、グリップ部34aにエア用操作レバー(図示せず)を備えている。ドクターまたはアシスタントによるエア用操作レバーの押圧操作によって先端ノズル部34cからエアの噴出がなされる。エア用操作レバーは、給水用操作レバー34bと並設されている。ドクターまたはアシスタントによってエア用操作レバーおよび給水用操作レバー34bが選択的に、あるいは、同時に押圧操作される。
【0047】
次に、油吸引装置190について説明する。
図6は、本開示の一実施の形態における油吸引装置190の構成を概略的に示す斜視図である。
図7は、本開示の一実施の形態における集油ケース180の構成を概略的に示す断面斜視図である。
図8は、本開示の一実施の形態における吸引部190cの構成を概略的に示す断面斜視図である。
図6に示す油吸引装置190では、第1エアタービンハンドピース31の駆動エアの一部を利用して集油ケース180の油を吸引する例を示しているが、油吸引装置190は、第2エアタービンハンドピース32の駆動エアの一部を利用して集油ケース180の油を吸引してもよい。
【0048】
まず、集油ケース180は、トレーテーブル5の内部に設けられている。そのため、従来では、集油ケース180に回収された油を廃棄するには、トレーテーブル5を開けて内部に設けてある集油ケース180を取り出してユーザが油を廃棄する作業が必要であった。しかし、油吸引装置190を設けることで、油吸引装置190が集油ケースに回収された油を吸引して排出し、ユーザが油を廃棄する作業が不要となる。
【0049】
具体的に、油吸引装置190は、第1エアタービンハンドピース31に供給されるエアの一部を導入する導入管190aと、集油ケース180より当該油を吸引する吸引管190bと、導入管190aから導入したエアを利用して、吸引管190bで油を吸引する吸引力を生じさせる吸引部190cと、含む。
【0050】
導入管190aは、一端が第1エアタービン駆動エア電磁弁62aに接続され、他端が吸引部190cに接続されている。第1エアタービン駆動エア電磁弁62aが開くと、第1分岐エア供給管路62から第1エアタービンハンドピース31へ駆動エアが供給され、エアタービンヘッド(不図示)に内蔵されたタービン(不図示)を回転させる。一方、導入管190aから吸引部190cへ駆動エアの一部が供給され、吸引部190cに吸引力を生じさせる。
【0051】
吸引管190bは、一端が集油ケース180の底面近傍に配置され、他端が吸引部190cに接続されている。集油ケース180は、
図7に示すように、排気用管路80と接続されており、第1エアタービンハンドピース31から排気されたエアが流入する。集油ケース180に流入したエアは、大気開放されるとともに、含んでいる油と分離される。分離された油は、集油ケース180の底面に溜まり、油を分離したエアは集油ケース180から排気される。そのため、集油ケース180は、第1エアタービンハンドピース31から排気されたエアに含まれる油を回収することができる。この回収した油を吸引管190bで吸引する。
【0052】
吸引管190bで油を吸引する吸引力を生じさせる吸引部190cは、エジェクタの構成を用いる。エジェクタは、高圧流体をノズルから噴射させることで、ノズル周辺での圧力低下(負圧)を利用して、吸引力を生じさせるジェットポンプの一種である。具体的に、吸引部190cは、
図8に示すように、導入管190aから導入したエアを減圧させて噴射するノズル190c1と、エアの噴射によりノズル190c1の周辺に生じる負圧を吸引力とする本体部190c2とを含む。ノズル190c1は、導入管190aから導入されたエアを高圧にして噴射させる。本体部190c2は、ノズル190c1の周辺に吸引管190bと接続する接続部190b1を設け、ノズル190c1の周辺に生じる負圧を吸引管190bで油を吸引する吸引力としている。
【0053】
吸引部190cは、導入管190aから導入したエアを排気する排気管190dをさら含む。排気管190dは、
図8に示すように、ノズル190c1の噴射方向の直線上に設けられ、ノズル190c1から噴射したエアを直接排気する。さらに、ノズル190c1の周辺で、吸引管190bで吸引した油がノズル190c1から噴射されるエアに含まれ、排気管190dから排気される。排気管190dは、
図6に示すように、一端が吸引部190cと接続され、他端が排水部140に接続されている。そのため、油吸引装置190は、集油ケース180に回収された油を吸引部190cからの排気を利用して排水部140に排出することができる。
【0054】
吸引部190cの吸引力は、導入管190aから導入するエアの量で決まる。
図8で示す吸引部190cは、例えば導入管190aの内径が約1.5mm、吸引管190bの内径が約1.2mm、排気管190dの内径が約2.5mmであるとする。つまり、導入管190aの内径A、吸引管190bの内径B、排気管190dの内径Cの比率が、凡そA:B:C=15:12:25であるとする。
【0055】
ここで、第1エアタービンハンドピース31は、
図4で示したように排気管路20fの近くに供給管路20bが設けられているが、供給管路20bからの水が排気管路20fに流れないように例えば、Oリングなどでシーリングされている。このOリングが切れるなどして、供給管路20bからの水が排気管路20fに流れ込んだ場合、供給管路20bからの注水量が最大で集油ケース180に流れ込む水の量が約30~40mL/分である。そのため、前述の比率である吸引部190cを用いて、集油ケース180に流れ込む水を吸引管190bで約30~40mL/分を吸引するには、導入管190aに約5~10L/分のエアを導入する必要がある。
【0056】
第1エアタービン駆動エア電磁弁62aが全開のときに第1エアタービンハンドピース31に供給されるエアの量が約45L/分である。そのため、例えば、導入管190aからノズル190c1に供給されるエアは、第1エアタービンハンドピース31に供給されるエアの約11~22%である。導入管190aからノズル190c1に供給されるエアの割合は、吸引部190cの構成により異なるため、第1エアタービンハンドピース31の駆動に影響を与えない範囲であって、吸引管190bで油を吸引する吸引力を生じさせる程度の量を確保すればよい。例えば、導入管190aからノズル190c1に供給されるエアは、第1エアタービンハンドピース31に供給されるエアの約5~25%であればよい。吸引部190cに供給されるエアの量は、
図8に示すように導入管190aの内径と第1分岐エア供給管路62の内径とを変更することで調整できる。つまり、導入管190aの内径を第1分岐エア供給管路62の内径より小さくすることで、導入管190aからノズル190c1に供給されるエアの量を減らすことができる。
【0057】
油吸引装置190は、第1エアタービンハンドピース31が駆動されると第1エアタービン駆動エア電磁弁62aが開くため、自動的に駆動され集油ケース180から油を吸引することができる。また、第1エアタービンハンドピース31の駆動エアの一部を利用するため、油吸引装置190を駆動するために別途駆動源を用意する必要がない。
【0058】
以上のように、本実施の形態に係る油吸引装置190は、診療用ハンドピース30から排気されるエアに含まれる油を集める集油ケース180より当該油を吸引する装置である。油吸引装置190は、診療用ハンドピース30に供給されるエアの一部を導入する導入管190aと、集油ケース180より当該油を吸引する吸引管190bと、導入管190aから導入したエアを利用して、吸引管190bで油を吸引する吸引力を生じさせる吸引部190cと、を備える。
【0059】
これにより、本実施の形態に係る油吸引装置190は、診療用ハンドピース30に供給されるエアの一部を利用して集油ケース180から油を吸引するので、集油ケース180に回収された油をユーザが廃棄する作業が不要となり、集油ケース180のメンテナンス作業を軽減することができる。
【0060】
油吸引装置190は、導入管190aから導入したエアを排気する排気管190dをさらに備え、排気管190dより排気するエアに、吸引管190bで吸引した油を含めて外部に排気することが好ましい。これにより、集油ケース180から吸引した油を導入管190aから導入したエアを利用して直接外部に排出できる。
【0061】
吸引部190cは、導入管190aから導入したエアを減圧させて噴射するノズル190c1と、エアの噴射によりノズル190c1の周辺に生じる負圧を吸引力として、吸引管190bで吸引した油をノズル190c1から噴射されるエアに含めて排気管190dへ排気する本体部190c2と、を有することが好ましい。これにより、吸引部190cは、エジェクタの構成を採用することができ、小型化できる。また、吸引部190cは、可動部がないため、故障し難い。
【0062】
導入管190aからノズル190c1に供給されるエアは、診療用ハンドピース30に供給されるエアの約5~約25%であることが好ましい。これにより、油吸引装置190は、診療用ハンドピース30の駆動に影響を与えることなく、集油ケース180から油を吸引することができる。
【0063】
本実施の形態に係る医療用装置は、患者を診療するための歯科用診療ユニット100である。歯科用診療ユニット100は、診療台1と、診療本体部10と、給気管路20dと、排気管路20fと、集油ケース180と、導入管190aと、吸引管190bと、吸引部190cと、を備える。診療台1は、診療のために患者を座らせる、または患者を横たわらせることができる。診療本体部10は、エアを供給するコンプレッサを含む。給気管路20dは、診療用ハンドピース30にコンプレッサからエアを供給する。排気管路20fは、診療用ハンドピース30からのエアを診療本体部10に排出する。集油ケース180は、排気管路20fに設けられ、診療用ハンドピース30から排気されるエアに含まれる油を集める。導入管190aは、給気管路20dにより供給されるエアの一部を導入する。吸引管190bは、集油ケース180より当該油を吸引する。吸引部190cは、導入管190aから導入したエアを利用して、吸引管190bで油を吸引する吸引力を生じさせる。
【0064】
これにより、本実施の形態に係る歯科用診療ユニット100は、診療用ハンドピース30に供給されるエアの一部を利用して集油ケース180から油を吸引するので、集油ケース180に回収された油をユーザが廃棄する作業が不要となり、集油ケース180のメンテナンス作業を軽減することができる。
【0065】
診療本体部10は、診療用ハンドピース30を保持するトレーテーブル5を含み、集油ケース180は、トレーテーブル5の内部に設けられることが好ましい。これにより、歯科用診療ユニット100は、メンテナンス作業を考慮せず、集油ケース180を診療用ハンドピース30の近くに設けることができる。
【0066】
本実施の形態に係る吸引部190cは、診療用ハンドピース30から排気されるエアに含まれる油を集める集油ケース180より当該油を吸引する油吸引装置190に用いるエジェクタである。エジェクタは、診療用ハンドピース30に供給されるエアの一部を導入する導入管190aから導入したエアを減圧させて噴射するノズル190c1と、エアの噴射によりノズル190c1の周辺に生じる負圧を吸引力として、集油ケース180より当該油を吸引する吸引管190bで吸引する本体部190c2と、を備える。本体部190c2は、導入管190aから導入したエアを排気する排気管190dから、吸引管190bで吸引した油を排気する。
【0067】
これにより、本実施の形態に係るエジェクタは、診療用ハンドピース30に供給されるエアの一部を利用して集油ケース180から油を吸引するので、集油ケース180に回収された油をユーザが廃棄する作業が不要となり、集油ケース180のメンテナンス作業を軽減することができる。
【0068】
導入管190aの内径、吸引管190bの内径、排気管190dの内径の比率が、15:12:25であることが好ましい。導入管190aの内径が約1.5mm、吸引管190bの内径が約1.2mm、排気管190dの内径が約2.5mmであることが好ましい。
【0069】
(変形例)
(1)前述の実施の形態に係る油吸引装置190では、吸引部190cにエジェクタの構成を採用すると説明したがこれに限定されない。吸引部190cは、診療用ハンドピース30に供給されるエアの一部を利用して、集油ケース180から油を吸引することができれば、何れの構成であってもよい。例えば、診療用ハンドピース30に供給されるエアの一部でポンプを駆動して、集油ケース180から油を吸引してもよい。使用するポンプの形式には制限はなく、可動部があるポンプでもよい。エジェクタの構成を採用しない吸引部190cの場合、集油ケース180から吸引した油を排水部140に排出するための管路を設けてもよい。
【0070】
(2)前述の実施の形態に係る油吸引装置190では、第1エアタービンハンドピース31が駆動されると第1エアタービン駆動エア電磁弁62aが開き、駆動エアの一部が導入管190aから導入されるので、自動的に駆動されると説明した。しかし、例えば、導入管190aに電磁弁を設け、制御部160で当該電磁弁を開閉して油吸引装置190の駆動と第1エアタービンハンドピース31の駆動とを分けて制御してもよい。
【0071】
(3)さらに、
図4に示す歯科用診療ユニット100では、第2エアタービンハンドピース32が駆動され第2エアタービン駆動エア電磁弁63aが開いても、導入管190aに第2エアタービンハンドピース32の駆動エアの一部が導入され、油吸引装置190が駆動される。つまり、第1エアタービンハンドピース31および第2エアタービンハンドピース32の何れを駆動した場合でも、油吸引装置190が駆動される。もちろん、第1エアタービンハンドピース31または第2エアタービンハンドピース32の何れかが駆動して場合、油吸引装置190が駆動されるようにしてもよい。さらに、マイクロモーターチップエア電磁弁64aが開いても、導入管190aにマイクロモーターハンドピース33の駆動エアの一部が導入され、油吸引装置190が駆動されるようにしてもよい。
【0072】
(4)また、導入管190aに導入されるエアは、主エア供給管路61から直接引き込んでもよい。この場合、主エア供給管路61から導入管190aまでの間に電磁弁を設け、油吸引装置190の駆動を制御部160で制御してもよい。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
1 診療台、2 スピットン、3 照明装置、4 照明装置用アーム、5 トレーテーブル、6 トレーテーブル用アーム、10 診療本体部、20 媒体導管、20a 外装、20b 供給管路、20c 排出管路、20d 給気管路、20f 排気管路、21,22,23,24 メインチューブ、30 診療用ハンドピース、31 第1エアタービンハンドピース、32 第2エアタービンハンドピース、33 マイクロモーターハンドピース、34 スリーウェイシリンジ、50 給水用管路、51 主給水管路、52 第1分岐給水管路、52a 第1エアタービン注水電磁弁、52b 第1エアタービン注水切替電磁弁、53 第2分岐給水管路、53a 第2エアタービン注水電磁弁、53b 第2エアタービン注水切替電磁弁、54 第3分岐給水管路、54a マイクロモーター注水電磁弁、54b マイクロモーター注水切替電磁弁、55 第4分岐給水管路、56 第5分岐給水管路、60 エア供給管路、70 排水用管路、71 第1主排水管路、72 第1分岐排水管路、73 第2分岐排水管路、74 第3分岐排水管路、75 第2主排水管路、100 歯科用診療ユニット、120 流量計、140 排水部、160 制御部、180 集油ケース、190 油吸引装置、190a 導入管、190b 吸引管、190c 吸引部。