(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、情報処理装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20231207BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20231207BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20231207BHJP
H04N 21/44 20110101ALI20231207BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G06F3/04845
H04N21/431
H04N21/44
(21)【出願番号】P 2021100023
(22)【出願日】2021-06-16
(62)【分割の表示】P 2020120105の分割
【原出願日】2020-07-13
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
【審査官】▲高▼橋 真之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-143447(JP,A)
【文献】特開2012-157510(JP,A)
【文献】特開2001-251671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 3/048- 3/04895
H04N 21/00 -21/858
G06F 3/01
A63F 13/00 -13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を受信する受信手段、
前記所定のレースに関する第2情報を前記コンピュータのユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成する生成手段、
前記仮想オブジェクトを含む画像を表示する表示手段、として機能させ、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記表示手段は、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示し、
前記第2情報として、前記所定のレースに関するテキスト情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、前記テキスト情報を表示するための仮想表示板を少なくとも含み、
前記仮想表示板に表示される前記テキスト情報として、前記所定のレースにおける前記出場者または前記移動体の順位を示す順位情報を少なくとも含み、
前記表示手段は、前記レースタイム情報に基づいて取得される前記出場者または前記移動体の順位と、前記所定のレースの前記現実世界における順位とが一致しない場合には、アラート表示とともに
、前記所定のレースの前記現実世界における前記順位情報を前記テキスト情報として表示する、
プログラム。
【請求項2】
前記第1情報として、さらに、前記所定のレースにおける前記出場者または前記移動体の位置情報と、前記位置情報に対応する時間情報と、を含み、
前記表示手段は、前記レースタイム情報、前記位置情報、及び前記時間情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記表示手段において仮想的に表示される所定のレースの視点を変更可能である、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記順位情報は、前記表示手段において仮想的に表示される前記所定のレースの状況に応じて変動する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
プロセッサを備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を受信し、
前記所定のレースに関する第2情報を前記情報処理装置のユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成し、
前記仮想オブジェクトを含む画像を表示するものであり、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記画像を表示することは、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示することを含み、
前記第2情報として、前記所定のレースに関するテキスト情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、前記テキスト情報を表示するための仮想表示板を少なくとも含み、
前記仮想表示板に表示される前記テキスト情報として、前記所定のレースにおける前記出場者または前記移動体の順位を示す順位情報を少なくとも含み、
前記画像を表示することは、前記レースタイム情報に基づいて取得される前記出場者または前記移動体の順位と、前記所定のレースの前記現実世界における順位とが一致しない場合には、アラート表示とともに
、前記所定のレースの前記現実世界における前記順位情報を前記テキスト情報として表示することを含む、
情報処理装置。
【請求項6】
第1プロセッサを備える第1コンピュータと、第2プロセッサを備え、前記第1コンピュータと通信接続可能な第2コンピュータと、において実現されるシステムであって、
前記第2プロセッサは、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を取得し、
前記第1情報を前記第1コンピュータへ送信し、
前記第1プロセッサは、
前記第1情報を前記第2コンピュータから受信し、
前記所定のレースに関する第2情報を前記第1コンピュータのユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成し、
前記仮想オブジェクトを含む画像を表示するものであり、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記画像を表示することは、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示することを含み、
前記第2情報として、前記所定のレースに関するテキスト情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、前記テキスト情報を表示するための仮想表示板を少なくとも含み、
前記仮想表示板に表示される前記テキスト情報として、前記所定のレースにおける前記出場者または前記移動体の順位を示す順位情報を少なくとも含み、
前記画像を表示することは、前記レースタイム情報に基づいて取得される前記出場者または前記移動体の順位と、前記所定のレースの前記現実世界における順位とが一致しない場合には、アラート表示とともに
、前記所定のレースの前記現実世界における前記順位情報を前記テキスト情報として表示することを含む、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、情報処理装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~5には、AR(Augmented Reality)に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-58658号公報
【文献】特表2020-509505号公報
【文献】特許第6640294号公報
【文献】特許第6366808号公報
【文献】特開2020-77187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現実世界においては、ボートレースや競馬などの様々なレースが実施されている。これらのレースを観戦するために実際にレース場へ足を運ぶ人々もいるが、実際にレース場へ足を運ぶことは、時間的または地理的な制約により不可能な場合もある。
【0005】
上記のような状況から、現実世界のレースに連動した仮想オブジェクトを用いて、現実世界のレースを仮想的なレースとして表示することができれば、実際にレース場へ行かずともレースを擬似的に観戦することができ、有益である。しかし、特許文献1~5に開示された技術は、現実世界の画像に現実世界とは関係のない仮想オブジェクトを重畳させて表示するものであり、実際のレースを擬似的に観戦可能とするものではなかった。
【0006】
本開示の一態様は、現実世界のレースに連動した仮想オブジェクトを用いて、現実世界のレースを仮想的なレースとして表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に示す一実施形態によれば、
プロセッサ及び撮像部を備えた第1コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を第2コンピュータから受信するステップと、
前記所定のレースに関する第2情報を前記第1コンピュータのユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成するステップと、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示するステップと、を実行させ、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記表示するステップでは、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示する、
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示に示す一実施形態によれば、現実世界のレースに連動した仮想オブジェクトを用いて、現実世界のレースを仮想的なレースとして表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ある実施の形態に従うシステムの構成例を示す図である。
【
図2】ある実施の形態に従うユーザ端末の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】ある実施の形態に従うサーバの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】ある実施の形態に従う現実世界のレース場の一例を示す模式図である。
【
図5】ある実施の形態に従うユーザ端末に表示される仮想オブジェクトの一例を示す模式図である。
【
図6】ある実施の形態に従う表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】ある実施の形態に従う撮像部により撮像された現実画像の一例を示す模式図である。
【
図8】ある実施の形態に従う現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図である。
【
図9】ある実施の形態に従うレース場オブジェクトの配置方法の一例を示す模式図である。
【
図10】ある実施の形態に従うレース結果表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】ある実施の形態に従う現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この技術的思想の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。本開示において示される1以上の実施形態において、各実施形態が含む要素を互いに組み合わせることができ、かつ、当該組み合わせられた結果物も本開示が示す実施形態の一部をなすものとする。
【0011】
(システムの構成)
図1は、本実施の形態に従うシステム1の構成を示す図である。システム1は、例えば、現実世界で実施される所定のレースを、ユーザが使用する情報処理装置上において仮想オブジェクトを用いた仮想レースとして表示することが可能なものである。本明細書において、「所定のレース」とは、現実世界で実施されるレースであれば特に制限はされず、例えば、ボートレース(本番のレースや、展示レース)、競馬、競輪、オートレース、F1等のカーレース、ドローンレース、ドッグレース、マラソン、駅伝などが挙げられる。
【0012】
図1に示すように、システム1は、各ユーザが使用する情報処理装置(第1コンピュータ)であるユーザ端末10A、ユーザ端末10B及びユーザ端末10C(以下、ユーザ端末10A、10B、10Cなどのユーザ端末を総称して「ユーザ端末10」とも称する)など複数のユーザ端末10と、第1サーバ装置(第2コンピュータ)20と、第2サーバ装置40と、ネットワーク30と、を含む。
【0013】
ユーザ端末10Aとユーザ端末10Bとは、無線基地局31と通信することにより、ネットワーク30と接続する。ユーザ端末10Cは、家屋などの施設に設置される無線ルータ32と通信することにより、ネットワーク30と接続する。ユーザ端末10は、例えば、タッチスクリーンを備える携帯型端末であり、スマートフォン、ファブレット、タブレットなどでありうる。
【0014】
ユーザ端末10は、例えば、アプリ等を配信するプラットフォームを介してインストールされたプログラム、又は、予めプリインストールされているウェブサイト閲覧用ソフトウエアなどを含むプログラムを実行する。ユーザ端末10は、上記プログラムの実行により、第1サーバ装置20と通信し、所定のレースに関連するデータやユーザに関連するデータ等を第1サーバ装置20との間で送受信することにより、ユーザ端末10上で仮想レースを表示することを可能とする。
【0015】
第1サーバ装置20は、所定のレースに関連するデータを、第2サーバ装置40から受信する。第1サーバ装置20は、所定のレースに関連するデータを、適宜、ユーザ端末10へ送信する。第1サーバ装置20は、所定のレースに関連するデータや、各ユーザに関連するデータを記憶して管理する。
【0016】
第1サーバ装置20は、ハードウェア構成として、通信IF(Interface)22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ(第2プロセッサ)29と、を備え、これらが通信バスを介して互いに接続されている。
【0017】
通信IF22は、例えばLAN(Local Area Network)規格など各種の通信規格に対応しており、ユーザ端末10や第2サーバ装置40などとの間でデータを送受信するためのインタフェースとして機能する。
【0018】
入出力IF23は、第1サーバ装置20への情報の入力を受け付けるとともに、第1サーバ装置20の外部へ情報を出力するためのインタフェースとして機能する。入出力IF23は、マウス、キーボード等の情報入力機器の接続を受け付ける入力受付部と、画像等を表示するためのディスプレイ等の情報出力機器の接続を受け付ける出力部とを含みうる。
【0019】
メモリ25は、処理に使用されるデータ等を記憶するための記憶装置である。メモリ25は、例えば、プロセッサ29が処理を行う際に一時的に使用するための作業領域をプロセッサ29に提供する。メモリ25は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random
Access Memory)等の記憶装置を含んで構成されている。
【0020】
ストレージ26は、プロセッサ29が読み込んで実行するための各種プログラム及びデータを記憶するための記憶装置である。ストレージ26が記憶する情報には、所定のレースに関連するデータや、各ユーザに関連するデータ等が含まれる。ストレージ26は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置を含んで構成されうる。なお、ストレージは、サーバ装置に含まれる形態に限られず、クラウドサービスを利用することもできる 。
【0021】
プロセッサ29は、ストレージ26に記憶されるプログラム等を読み込んで実行することにより、第1サーバ装置20の動作を制御する。プロセッサ29は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics
Processing Unit)等を含んで構成されうる。
【0022】
第2サーバ装置40は、所定のレースに関連するデータを記憶して管理している。第2サーバ装置40は、例えば、所定のレースの開催者が管理するサーバ装置や、所定のレースに関する情報を外部へ発信する団体(レース専門誌の発行者など)が管理するサーバ装置である。第2サーバ装置40は、所定のレースに関連するデータを、適宜、第1サーバ装置20へ送信する。ある局面においては、第2サーバ装置40は、所定のレースに関連するデータをユーザ端末10へ送信してもよい。第2サーバ装置40のハードウェア構成は、矛盾の生じない範囲で、第1サーバ装置20と同様であってもよい。
【0023】
(ユーザ端末)
図2は、ユーザ端末10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、ユーザ端末10は、アンテナ110と、無線通信IF120と、タッチスクリーン130と、入出力IF140と、記憶部150と、音声処理部160と、マイク161と、スピーカ162と、撮像部170と、制御部(第1プロセッサ)190と、を含む。
【0024】
アンテナ110は、ユーザ端末10が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ110は、空間から電波を受信して受信信号を無線通信IF120へ与える。
【0025】
無線通信IF120は、ユーザ端末10が他の通信機器と通信するため、アンテナ110等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。無線通信IF120は、チューナー、高周波回路などを含む無線通信用の通信モジュールであり、ユーザ端末10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0026】
タッチスクリーン130は、ユーザからの入力を受け付けて、ユーザに対し情報をディスプレイ132に出力する。タッチスクリーン130は、ユーザの操作入力を受け付けるためのタッチパネル131と、ディスプレイ132と、を含む。タッチパネル131は、例えば、静電容量方式のものを用いることによって、ユーザの指などが接近したことを検出する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)その他の表示装置によって実現される。
【0027】
入出力IF140は、ユーザ端末10への情報の入力を受け付けるとともに、ユーザ端末10の外部へ情報を出力するためのインタフェースとして機能する。
【0028】
記憶部150は、フラッシュメモリ、HDD等により構成され、ユーザ端末10が使用するプログラム、及び、ユーザ端末10が第1サーバ装置20等から受信する各種データ等を記憶する。
【0029】
音声処理部160は、音声信号の変復調を行う。音声処理部160は、マイク161から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部160は、音声信号をスピーカ162へ与える。音声処理部160は、例えば、音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク161は、音声信号の入力を受け付けて制御部190へ出力するための音声入力部として機能する。スピーカ162は、音声信号を、ユーザ端末10の外部へ出力するための音声出力部として機能する。
【0030】
撮像部170は、ユーザ端末10の周囲の現実画像を撮像するカメラである。撮像部170によって撮像された画像は、制御部190によって画像処理がなされ、ディスプレイ132へ出力される。
【0031】
制御部190は、記憶部150に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、ユーザ端末10の動作を制御する。制御部190は、例えば、アプリケーションプロセッサによって実現される。
【0032】
制御部190がアプリケーションプログラム151を実行する処理について、より詳細に説明する。記憶部150は、アプリケーションプログラム151と、アプリケーション情報152と、ユーザ情報153と、を記憶する。
【0033】
ユーザ端末10は、例えば、第1サーバ装置20からアプリケーションプログラム151をダウンロードして記憶部150に記憶させる。また、ユーザ端末10は、第1サーバ装置20と通信することで、アプリケーション情報152及びユーザ情報153等の各種のデータを第1サーバ装置20と送受信する。
【0034】
アプリケーションプログラム151は、ユーザ端末10において仮想レースを表示するためのプログラムである。アプリケーション情報152は、アプリケーションプログラム151が参照する各種のデータを含む。アプリケーション情報152は、第1情報152Aを含む。
【0035】
第1情報152Aは、第1サーバ装置20や第2サーバ装置40から送信された所定のレースに関する情報である。第1情報152Aとしては、例えば、所定のレースの出場者または移動体(以下、「出場者等」とも称する)のレースタイムを示すレースタイム情報、所定のレースの実施中における出場者等の位置情報、当該位置情報に対応する時間情報と、が含まれる。
【0036】
本明細書において、「出場者」とは、人間だけでなく、馬や犬などの動物も含む概念である。また、「移動体」とは、所定のレースにおいて移動の主体となるものであり、出場者が乗る動物や機体、出場者が遠隔操縦する機体などである。マラソンやドッグレース等では、「出場者」と「移動体」は同一となる。
【0037】
第1情報152Aとしては、上記の他にも、例えば、所定のレースの名称、開催日時、レース場データ、出場者データ、移動体データ、オッズ情報、レース予想、レース出走表、レース直前情報、ピットレポート、レース結果、レース動画、レース静止画、過去のレース情報、その他の所定のレースに関する情報誌や情報サイトに掲載されうるような情報などを含んでもよい。
【0038】
ユーザ情報153は、ユーザ端末10のユーザについての情報を含む。ユーザ情報153は、例えば、ユーザを識別する情報、ユーザ端末10の位置情報、ユーザのレース購入履歴や的中率(例えば、ボートレースであれば購入した舟券の履歴と、購入した舟券の的中率)などを含んでもよい。
【0039】
制御部190は、アプリケーションプログラム151を読み込んで実行することにより、操作入力受付部191と、送受信部192と、オブジェクト生成部193と、表示制御部194と、検出部195と、選択情報取得部196と、の各機能を発揮する。
【0040】
操作入力受付部191は、タッチスクリーン130の出力に基づいて、ユーザの操作入力を受け付ける。具体的には、操作入力受付部191は、ユーザの指などがタッチパネル131に接触または接近したことを、タッチスクリーン130を構成する面の横軸及び縦軸からなる座標系の座標として検出する。
【0041】
操作入力受付部191は、タッチスクリーン130に対するユーザの操作を判別する。操作入力受付部191は、例えば、「接近操作」、「リリース操作」、「タップ操作」、「ダブルタップ操作」、「長押し操作(ロングタッチ操作)」、「ドラッグ操作(スワイプ操作)」、「ムーブ操作」、「フリック操作」、「ピンチイン操作」、「ピンチアウト操作」などのユーザの操作を判別する。
【0042】
操作入力受付部191は、ユーザ端末10に搭載された加速度センサ等によって検出されるユーザ端末10の動きを、操作入力として受け付けてもよい。
【0043】
送受信部192は、無線通信IF120及びネットワーク30を介して、第1サーバ装置20や第2サーバ装置40などの外部の通信機器と各種情報の送信および受信を行う。送受信部192は、例えば、第1サーバ装置20または第2サーバ装置40から第1情報152Aを受信する。また、送受信部192は、例えば、操作入力受付部191が受け付けた操作入力に応じた情報や、ユーザ情報153に記憶された情報等を第1サーバ装置20または第2サーバ装置40へと送信する。
【0044】
オブジェクト生成部193は、所定のレースに関する第2情報をユーザに提示するための仮想オブジェクトを、第1情報に基づいて生成する。本明細書において、「第2情報」とは、例えば、第1情報152Aの少なくとも一部、又は、第1情報152Aから算出される情報である。ある局面において、「第2情報」は、テキストとして提示可能な情報でありうる。ある局面において、「第2情報」は、所定のレース中の出場者等の順位またはレース結果として出場者等の順位を示す順位情報でありうる。
【0045】
オブジェクト生成部193は、仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、出場者等を表す移動オブジェクトと、を生成する。オブジェクト生成部193は、第2情報をテキスト表示するための仮想表示板を生成してもよい。オブジェクト生成部193は、上記の各オブジェクトの他にも、第2情報を画像表示するための仮想スクリーン、各種の建物オブジェクト、木などの景観を構成する景観オブジェクト、ユーザのアバターとなるオブジェクト等を生成してもよい。
【0046】
表示制御部194は、撮像部70により撮像されたユーザ端末10の周囲の現実画像に、オブジェクト生成部193により生成された仮想オブジェクトを重畳させた画像(以下、「重畳画像」とも称する)を、ディスプレイ132上に表示させる。表示制御部194は、第1情報152Aに含まれるレースタイム情報に基づいて、レース場オブジェクト上において移動オブジェクトを移動させ、所定のレースを仮想的に再現した仮想レースをディスプレイ132上に表示させる。表示制御部194は、レースタイム情報に加えて、第1情報152Aに含まれる出場者等の位置情報、及び当該位置情報に対応する時間情報に基づいて、仮想レースを再現するものであることが好ましい。
【0047】
表示制御部194は、操作入力受付部191が受け付けた操作入力に応じて、重畳画像における視点を変更可能であることが好ましい。表示制御部194は、操作入力受付部191が受け付けた操作入力に応じて、ディスプレイ132に各種のメニュー画面やGUI(Graphical User Interface)を表示させたり、ディスプレイ132の表示内容を変更したりする。
【0048】
検出部195は、撮像部170により撮像された現実画像内における平坦面を検出する。平坦面の検出は、従来公知の画像認識技術によって実現される。例えば、検出部195が検出した平坦面を選択する操作をユーザが行った場合、当該平坦面にレース場オブジェクトが配置された重畳画像がディスプレイ132に表示される。
【0049】
平坦面は、水平面であることが好ましい。また、平坦面とレース場オブジェクトを構成する底面とのなす角度は0度であってもよいが、鋭角であることが好ましく、例えば、15度~45度の範囲にすることができる。上記角度は、ユーザの操作を受け付けて調節する態様とすることもできる。また、現実世界の平坦面の一部に凸部がある場合や、当該平坦面に載置物がある場合であっても、当該凸部や当該載置物がレース場オブジェクトによって隠れる程度のサイズならば、レース場オブジェクトを配置可能は平坦面として検出してもよい。
【0050】
選択情報取得部196は、ユーザが選択した1以上の出場者等を示す1以上の選択情報を取得する。「選択情報」とは、例えば、所定のレースの勝者等としてユーザが予想した出場者等を示す情報である。所定のレースがボートレースや競馬である場合、「選択情報」は、ユーザが購入した舟券や馬券を示す情報でありうる。
【0051】
選択情報取得部196は、例えば、出場者等を選択するための画面上でのユーザの操作入力に基づいて、選択情報を取得する。選択情報取得部196が取得した選択情報は、例えば、第1サーバ装置20または第2サーバ装置40へ送信される。所定のレースがボートレースや競馬である場合、選択情報が第2サーバ装置40へ送信されたことに応じて、舟券や馬券の購入処理がなされうる。
【0052】
(第1サーバ装置)
図3は、第1サーバ装置20の機能的な構成を示すブロック図である。
図3を参照して、第1サーバ装置20の詳細な構成を説明する。第1サーバ装置20は、プログラムに従って動作することにより、通信部220と、記憶部250と、制御部290としての機能を発揮する。
【0053】
通信部220は、第1サーバ装置20がユーザ端末10や第2サーバ装置40などの外部の通信機器とネットワーク30を介して通信するためのインタフェースとして機能する。
【0054】
記憶部250は、システム1を実現するための各種プログラム及びデータを記憶する。ある局面において、記憶部250は、プログラム251と、レース情報252と、ユーザ情報253とを記憶する。
【0055】
プログラム251は、第1サーバ装置20がユーザ端末10や第2サーバ装置40と通信して、システム1を実現するためのプログラムである。プログラム251は、制御部290に実行されることにより、ユーザ端末10や第2サーバ装置40とデータを送受信する処理、ユーザ端末10のユーザが行った操作内容に応じた処理、レース情報252やユーザ情報253を更新する処理などを第1サーバ装置20に行わせる。
【0056】
レース情報252は、所定のレースに関連する各種のデータを含む。レース情報252は、例えば、第1情報252Aを含む。第1情報252Aは、第1情報152Aの元となる情報であり、第1情報152Aは、第1情報252Aの一部でありうる。第1情報252Aは、例えば、第2サーバ装置40から取得された情報である。
【0057】
ユーザ情報253は、ユーザ端末10のユーザについての情報である。ユーザ情報253は、ユーザ管理テーブル253Aを含む。ユーザ管理テーブル253Aは、例えば、ユーザを識別する情報、ユーザ端末10の位置情報、ユーザのレース購入履歴や的中率などをユーザ毎に記憶している。
【0058】
制御部290は、プロセッサ29によって実現され、プログラム251を実行することにより、送受信部291、第1情報取得部292、選択情報取得部293、データ管理部294、計時部295としての機能を発揮する。
【0059】
送受信部291は、通信部220及びネットワーク30を介して、ユーザ端末10や第2サーバ装置40などの外部の通信機器と各種情報の送信および受信を行う。送受信部291は、例えば、第1情報252Aの少なくとも一部をユーザ端末10へ送信する。また、送受信部291は、例えば、第1情報252Aを第2サーバ装置40から受信する。
【0060】
第1情報取得部292は、送受信部291を介して、第1情報252Aを第2サーバ装置40から取得する。選択情報取得部293は、送受信部291を介して、ユーザの選択情報をユーザ端末10または第2サーバ装置40から取得する。データ管理部294は、第1情報取得部292、選択情報取得部293等における処理結果に従って、記憶部250に記憶される各種データを更新する処理を行う。計時部295は、時間を計測する処理を行う。計時部295によって計測される時間に基づいて、ユーザ端末10に表示される各種時間(例えば、レース開始までの時間など)が制御されうる。
【0061】
(動作例)
次に、
図4から
図11を参照して、システム1における動作例について説明する。以下では、所定のレースがボートレースである場合を例示して説明をするが、以下の説明は、所定のレースが他のレースであっても適用可能である。また、以下では、ユーザ端末10と第1サーバ装置20の間、及び第1サーバ装置20と第2サーバ装置40の間でデータの送受信を行うものとして説明をするが、ある局面においては、ユーザ端末10と第2サーバ装置40とで直接的にデータの送受信をするように構成してもよい。
【0062】
図4は、現実世界のボートレース場の一例を示す模式図である。ボートレース場401には、2つのターンマーク403が設置されており、各ボートレーサーが乗るボート402a~402fによるレースが実施されている。レースが終了した場合、ボート402a~402fそれぞれのレースタイムを示すレースタイム情報が、第2サーバ装置40から第1サーバ装置20へと送信され、第1サーバ装置20からユーザ端末10へと送信される。
【0063】
ボートレース場401には、撮像装置(カメラ)404a~404bが設けられている。撮像装置404aは、ボートレース場401の上方からボート402a~402fを視界に収める。撮像装置404bは、ボートレース場401の側方からボート402a~402fを視界に収める。撮像装置404a~404bによって撮像されたボート402a~402fの画像は、第2サーバ装置40へ送信される。第2サーバ装置40では、例えば、各画像の画像解析を行い、各画像の撮影時間におけるボート402a~402fそれぞれの位置を示す位置情報を算出する。算出された位置情報と、当該位置情報に対応する撮影時間に関する時間情報は、第1サーバ装置20へと送信され、第1サーバ装置20からユーザ端末10へと送信される。なお、位置情報の算出は、第1サーバ装置20において実施してもよい。
【0064】
また、撮像装置404a~404bに代えて、又は加えて、ボート402a~402fに、GPSセンサ等の位置センサを設置してもよい。位置センサによって取得されたボート402a~402fの位置情報と、当該位置情報が取得された時間を示す時間情報とは、最終的にユーザ端末10へと送信される。
【0065】
図5は、ユーザ端末10に表示される仮想オブジェクトの一例を示す模式図である。
図5の例では、仮想オブジェクトとして、レース場オブジェクト501と、移動オブジェクト502a~502fと、2つのターンマークオブジェクト503と、仮想表示板505と、が示されている。
【0066】
レース場オブジェクト501は、ボートレース場401を仮想的に表示したオブジェクトである。レース場オブジェクト501やターンマークオブジェクト503は、例えば、ボートレース場401のコース情報等のレース場データに基づいて作製されることが好ましく、ボートレース場401と対応する形状であることが好ましい。
【0067】
移動オブジェクト502a~502fは、ボート402a~402fをそれぞれ仮想的に表示したオブジェクトであり、ボートを模した形状である。移動オブジェクト502a~502fは、レースタイム情報や、ボート402a~402fの位置情報および当該位置情報に対応する時間情報に基づいて、レース場オブジェクト501を移動する。すなわち、レース場オブジェクト501及び移動オブジェクト502a~502fによって、現実世界のレースが仮想的なレースとしてユーザ端末10上で表示される。
【0068】
なお、ボート402a~402fの位置情報および時間情報がなくとも、レースタイム情報のみによって仮想レースを表示することも可能である。ただ、この場合、最終的な着順は現実世界のレースと同じものになるが、レース中の順位などのレース経過を再現することが困難である。
【0069】
仮想表示板505は、テキスト情報を表示するオブジェクトである。仮想表示板505は、例えば、ボートレース場401において対応する存在のないオブジェクトである。仮想表示板505に表示するテキスト情報は、特に制限はされず、例えば、順位情報やオッズ情報等であってもよい。また、仮想表示板505に表示するテキスト情報は、ユーザの操作入力に基づいて変更可能であってもよい。
【0070】
図6は、表示制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下で説明するフローチャート(
図10を含む)を構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。また、各装置が実行する処理は、矛盾の生じない範囲で、他の装置によって実行されてもよい。
【0071】
図6及び
図10に示される処理は、制御部190がアプリケーションプログラム151を、制御部290がプログラム251をそれぞれ実行することにより実現される。まず、ステップS610において、制御部190は、カメラである撮像部170を起動する。撮像部170によって、ユーザ端末10の周囲の現実画像が撮像される。
【0072】
ステップS620において、制御部190は、撮像部170によって撮像された画像内における平坦面を検出する。ステップS630において、制御部190は、検出した平坦面に仮想オブジェクトを配置する。
【0073】
ここで、
図7~
図9を用いて、ステップS610、S620、及びS630の処理について具体的に説明する。
図7は、撮像部170により撮像された現実画像の一例を示す模式図である。
図7の例では、平坦なデスク701上に、キーボード702と、モニタ装置703と、が置かれている。
【0074】
ステップS610において撮像部170が起動されると、ディスプレイ132上に、撮像部170によって撮像されている現実画像が表示される。次に、ステップS620において、制御部190は、撮像部170によって撮像された画像内、すなわちディスプレイ132に表示された画像内における平坦面を検出する。
【0075】
図7では、領域704が平坦面として検出されている。領域704内にはキーボード702があるが、キーボード702はレース場オブジェクト501によって隠れる程度のサイズなので、制御部190は、領域704を平坦面として検出する。
【0076】
図7に示す状態で、撮像部170によって撮像される位置を変更すれば、領域704の位置も変更されうる。領域704は、ディスプレイ132上において、例えば、所定の色を付加されて、他の部分とは区別可能に表示される。ユーザが領域704に対してタップ操作等を実行した場合、ステップS630において、制御部190は、領域704上にレース場オブジェクト501等の仮想オブジェクトを配置する。
【0077】
図8は、現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図である。
図8において、モニタ装置703を含むドットパターンを付した領域が現実画像であり、その他の領域は仮想オブジェクトが表示されている領域である。仮想オブジェクトが表示されていない領域には、例えば、広告画像を表示してもよい。
【0078】
図8では、仮想オブジェクトとして、レース場オブジェクト501と、複数の移動オブジェクト502と、2つのターンマークオブジェクト503と、大型モニタオブジェクト506と、建物オブジェクト507a~507bと、その他の符号を付していない多数のオブジェクト(木オブジェクト、時計オブジェクト等)と、が表示されている。これらのオブジェクトは、例えば、第1サーバ装置20から受信した第1情報152Aに基づいて作製される。
【0079】
図8は、領域704に含まれる平坦面と、レース場オブジェクト501を構成する底面とのなす角度が0度になるようにして、領域704上にレース場オブジェクト501を配置している。この場合、例えば、領域X1のような奥行方向にある領域や、移動オブジェクト502同士が重複して見づらくなることがある。また、大型モニタオブジェクト506の奥行方向側の領域などには、移動オブジェクト502が見えなくなる死角が生じうる。
【0080】
しかし、
図8に示す状態において、ユーザは、ディスプレイ132に表示される重畳画像の視点を変更可能である。例えば、ユーザがピンチイン操作やピンチアウト操作等の操作入力をした場合、撮像部170の視点位置がレース場オブジェクト501へ近づいたり遠ざかったりしうる。また、ユーザがユーザ端末10を持ったままディスプレイ132の奥行方向へ移動した場合や、手前方向に移動した場合も、撮像部170の視点位置がレース場オブジェクト501へ近づいたり遠ざかったりしうる。また、ユーザがディスプレイ132上の所定の位置を指定するような操作をした場合、視点位置が指定された位置へと移動しうる。このような視点変更によって、上述の視認性の問題は解消しうる。
【0081】
図9は、レース場オブジェクト501の配置方法の一例を示す模式図である。
図9の例は、平坦面S1とレース場オブジェクト501を構成する底面S2とのなす角度θが鋭角になるようにレース場オブジェクト501を配置するものである。このような配置によっても、視認性に関する上述の問題を軽減しうる。
【0082】
図6のフローチャートの説明に戻る。ステップS640において、制御部190は、現実世界のボートレース場401におけるボート402a~402fの位置情報を取得する。すなわち、現実世界においてボート402a~402fによるレースが開始された場合、制御部190は、第1サーバ装置20から、ボート402a~402fの位置情報および時間情報を取得する。位置情報および時間情報の取得方法は、
図4を用いて説明したとおりである。
【0083】
ステップS650において、制御部190は、ステップS640において取得した位置情報と移動オブジェクトとが連動するよう制御する。具体的には、時間情報と位置情報とを用いて、レース場オブジェクト501上におけるボート402a~402fそれぞれの動きが、ボートレース場401上における移動オブジェクト502a~502fと同様になるように制御する。
【0084】
ステップS640及びS650の処理は、少なくとも現実世界におけるレースの開始時点から終了時点まで繰り返されるが、現実世界におけるレースの開始前および終了後においても繰り返されてもよい。
【0085】
なお、仮想レースとして表示するレースが過去のレースである場合、仮想レースの開始前に、レースの開始から終了までのボート402a~402fの位置情報等をまとめて取得してもよい。また、位置情報等は取得せずに、レースタイム情報のみを取得して、仮想レースを表示してもよい。仮想レースとして表示するレースは、展示レースであってもよい。
【0086】
現実世界におけるレースの終了後、ステップS660において、制御部190は、結果表示処理を実行し、アプリケーションプログラム151を終了する操作入力を受け付けたこと等に応じて、一連の表示制御処理を終了する。
【0087】
図10は、上述のステップS660におけるレース結果表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS661において、制御部190は、レース終了時の移動オブジェクト502a~502fの順位を取得する。移動オブジェクト502a~502fの順位は、例えば、ボート402a~402fの位置情報および時間情報やレースタイム情報に基づいて再現された仮想レース上の順位である。
【0088】
次に、ステップS662において、制御部190は、第1サーバ装置20から、現実世界のレースにおいて確定した順位のデータを取得する。なお、第1サーバ装置20は、当該順位データを第2サーバ装置40から取得する。
【0089】
次に、ステップS663において、制御部190は、ステップS661において取得された順位と、ステップS662において取得された順位データとが一致するか否か判定する。
【0090】
ステップS661において取得された順位と、ステップS662において取得された順位データとが一致する場合(ステップS663においてYes)、ステップS664において、制御部190は、順位を仮想表示板505に表示する。
【0091】
一方で、ステップS661において取得された順位と、ステップS662において取得された順位データとが一致しない場合(ステップS663においてNo)、ステップS665において、制御部190は、アラート表示とともに、ステップS662において取得した順位を仮想表示板505に表示する。なお、ステップS661において取得された順位と、ステップS662において取得された順位データとが一致しない場合とは、例えば、現実世界のボートレースにおいて失格者が出た場合などである。
【0092】
図11は、現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図である。
図11は、具体的には、現実世界でレースが終了した後の重畳画像を示す模式図である。
【0093】
図11では、
図8の例に加えて、仮想表示板505、仮想スクリーン508、購入情報表示板509、及び順位表示板510が仮想オブジェクトとして表示されている。これらの仮想オブジェクトは、ユーザの操作入力によって、非表示への切り替え、表示位置の変更、表示内容の変更等が可能であることが好ましい。
【0094】
仮想表示板505には、移動オブジェクト502a~502fの順位や、レースタイム等のテキスト情報が表示されている。仮想表示板505に表示される順位情報は、例えば、ステップS663の処理がなされるまでは仮の情報として表示され、ステップS663の処理の後に確定情報として表示される。なお、レースの開始前やレース中において、仮想表示板505には、オッズ情報等のその他のテキスト情報が表示されてもよい。
【0095】
仮想スクリーン508には、現実世界におけるボートレースの映像が表示されている。仮想スクリーン508に表示されるものは、例えば、レース後の各ボートの様子を写した映像や、選手インタビューの映像、レースのリプレイ映像等である。なお、レースの開始前やレース中において、仮想スクリーン508には、展示レースの映像やレースのリアルタイム映像等が表示されてもよい。
【0096】
購入情報表示板509には、制御部190(選択情報取得部196)が取得したユーザが購入した舟券の情報が表示される。購入情報表示板509の右側には、ユーザが購入した舟券が表示され、その左側には、各舟券が的中した場合の払い戻し金額が表示されている。また、購入情報表示板509には、的中した舟券にマーク509aが付されており、当該舟券に対応する移動オブジェクト502bにもマーク509aが表示されている。
【0097】
なお、レースの開始前やレース中において、ユーザは、購入情報表示板509に表示された舟券の情報を選択できる。例えば、ユーザが上から3番目に憑表示された舟券(5枠-4枠の2連単の舟券)を選択する操作をすると、マーク509aは上から3番目の欄に表示される。また、5枠と4枠の移動オブジェクトにマーク509aが付される。
【0098】
順位表示板510には、移動オブジェクト502a~502fの順位が表示される。レース中において、順位表示板510に表示される順位は、ステップS640において取得した位置情報等に基づいて、変動しうる。
【0099】
また、
図11では、移動オブジェクト502bの上部に、出場者情報512bがテキスト表示されている。
図11の例では、出場者情報512として、枠番とレーサー名が表示されている。出場者情報512として表示する情報は、ユーザが選択可能であることが好ましい。また、ユーザは、出場者情報512を非表示にすることも可能である。なお、出場者情報512を表示する場合、全ての移動オブジェクトに対して表示をしてもよいし、ユーザが選択した移動オブジェクト等の所定の移動オブジェクトのみに対して表示をしてもよい。
【0100】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0101】
[付記事項]
本開示の内容を列記すると以下の通りである。
【0102】
(項目1)
プロセッサ及び撮像部を備えた第1コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を第2コンピュータから受信するステップと、
前記所定のレースに関する第2情報を前記第1コンピュータのユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成するステップと、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示するステップと、を実行させ、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記表示するステップでは、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示する、
プログラム。
これにより、仮想オブジェクトを用いて、現実世界のレースを仮想的なレースとして表示することができる。結果として、実際にレース場へ行かずとも、レースを擬似的に観戦することができる。また、ユーザの周囲の場所が仮想的なレース場となるため、今までにない楽しみをユーザに提供することができる。
【0103】
(項目2)
前記第1情報として、さらに、前記所定のレースの実施中における前記出場者または前記移動体の位置情報と、前記位置情報に対応する時間情報と、を含み、
前記表示するステップでは、前記レースタイム情報、前記位置情報、及び前記時間情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示する、
項目1に記載のプログラム。
これにより、現実世界のレース中の順位や攻防なども仮想レース上で再現可能になるため、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0104】
(項目3)
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記表示するステップにおいて仮想的に表示される所定のレースの視点を変更可能である、
項目1または項目2に記載のプログラム。
これにより、様々な視点から仮想レースを観戦することができるため、ユーザの満足度を向上させることができる。また、現実世界のレース場では不可能な視点から仮想レースを観戦することもできるという、今までにない新たな楽しみをユーザに提供することができる。また、仮想レースの視認性を向上させることができる。
【0105】
(項目4)
前記第2情報として、前記所定のレースに関するテキスト情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、前記テキスト情報を表示するための仮想表示板を少なくとも含む、
項目1から項目3のいずれか一項に記載のプログラム。
これにより、ユーザに情報を提供することが容易になり、ユーザの利便性も向上させることができる。
【0106】
(項目5)
前記仮想表示板に表示される前記テキスト情報として、前記所定のレースにおける前記出場者または前記移動体の順位を示す順位情報を少なくとも含み、
前記順位情報は、前記表示するステップにおいて仮想的に表示される前記所定のレースの状況に応じて変動する、
項目4に記載のプログラム。
これにより、ユーザは、仮想レース中の移動オブジェクトの順位を容易に把握することが可能になる。結果として、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0107】
(項目6)
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記撮像部により撮像された前記現実画像内における平坦面を検出するステップを実行させ、
前記表示するステップは、前記ユーザの操作入力に応じて、前記検出するステップにおいて検出された前記平坦面に前記レース場オブジェクトを表示するものである、
項目1から項目5のいずれか一項に記載のプログラム。
これにより、重畳画像に違和感を生じさせる恐れを低減し、仮想レースの視認性を向上させることができる。
【0108】
(項目7)
前記表示するステップは、前記平坦面と前記レース場オブジェクトを構成する底面とのなす角度が鋭角になるように前記レース場オブジェクトを表示するものである、
項目6に記載のプログラム。
これにより、仮想レースの視認性をさらに向上させることができる。
【0109】
(項目8)
プロセッサ及び撮像部を備えた第1コンピュータにおいて実行される情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、前記プロセッサに、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を第2コンピュータから受信するステップと、
前記所定のレースに関する第2情報を前記第1コンピュータのユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成するステップと、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示するステップと、
を実行させることを含み、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記表示するステップでは、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示する、
情報処理方法。
これにより、仮想オブジェクトを用いて、現実世界のレースを仮想的なレースとして表示することができる。結果として、実際にレース場へ行かずとも、レースを擬似的に観戦することができる。また、ユーザの周囲の場所が仮想的なレース場となるため、今までにない楽しみをユーザに提供することができる。
【0110】
(項目9)
プロセッサ及び撮像部を備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を第2コンピュータから受信し、
前記所定のレースに関する第2情報を前記情報処理装置のユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成し、
前記撮像部により撮像された前記情報処理装置の周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示するものであり、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記重畳させて表示することは、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示することを含む、
情報処理装置。
これにより、仮想オブジェクトを用いて、現実世界のレースを仮想的なレースとして表示することができる。結果として、実際にレース場へ行かずとも、レースを擬似的に観戦することができる。また、ユーザの周囲の場所が仮想的なレース場となるため、今までにない楽しみをユーザに提供することができる。
【0111】
(項目10)
第1プロセッサ及び撮像部を備える第1コンピュータと、第2プロセッサを備え、前記第1コンピュータと通信接続可能な第2コンピュータと、において実現されるシステムであって、
前記第2プロセッサは、
現実世界における所定のレースに関する第1情報を取得し、
前記第1情報を第1コンピュータへ送信し、
前記第1プロセッサは、
前記第1情報を第2コンピュータから受信し、
前記所定のレースに関する第2情報を前記第1コンピュータのユーザに提示するための仮想オブジェクトを、前記第1情報に基づいて生成し、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示するものであり、
前記第1情報として、前記所定のレースにおける、出場者または移動体のレースタイムを示すレースタイム情報を少なくとも含み、
前記仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、前記出場者または前記移動体を表す移動オブジェクトと、を少なくとも含み、
前記重畳させて表示することは、前記レースタイム情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示することを含む、
システム。
これにより、仮想オブジェクトを用いて、現実世界のレースを仮想的なレースとして表示することができる。結果として、実際にレース場へ行かずとも、レースを擬似的に観戦することができる。また、ユーザの周囲の場所が仮想的なレース場となるため、今までにない楽しみをユーザに提供することができる。
【0112】
(項目11)
前記第1情報として、さらに、前記所定のレースの実施中における前記出場者または前記移動体の位置情報と、前記位置情報に対応する時間情報と、を含み、
前記重畳させて表示することは、前記レースタイム情報、前記位置情報、及び前記時間情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させ、前記所定のレースを仮想的に表示することを含み、
前記位置情報は、前記出場者または前記移動体に設けられた位置センサ、または前記所定のレースの実施中に撮像装置によって撮像された前記所定のレースの画像に基づいて取得される、
項目10に記載のシステム。
これにより、出場者等の位置情報を得ることが容易になる。結果として、現実世界のレース中の順位や攻防なども仮想レース上で再現可能になるため、ユーザの満足度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0113】
1:システム、10:ユーザ端末、20:第1サーバ装置、30:ネットワーク、40:第2サーバ装置、130:タッチスクリーン、150:(ユーザ端末の)記憶部、190:(ユーザ端末の)制御部、191:操作入力受付部、192:送受信部、193:オブジェクト生成部、194:表示制御部、195:検出部、196:選択情報取得部、250:(第1サーバ装置の)記憶部、290:(第1サーバ装置の)制御部