(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】軸制動装置、及びアーム型助力装置
(51)【国際特許分類】
F16D 63/00 20060101AFI20231207BHJP
F15B 15/14 20060101ALI20231207BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20231207BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
F16D63/00 L
F15B15/14 335Z
B25J9/06 D
B25J19/00 A
(21)【出願番号】P 2021113598
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】若杉 諭
(72)【発明者】
【氏名】松本 成隆
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-210315(JP,A)
【文献】実開昭60-107634(JP,U)
【文献】米国特許第06382074(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00-71/04
F15B 15/14
B25J 9/06
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアシリンダに適用される軸制動装置であって、
前記エアシリンダにおける筒状のシリンダチューブ内を往復動する軸と、
前記軸の軸線が延びる軸線方向に往復動する押圧部材と、
前記軸が挿通される板状の部材であり、且つ前記押圧部材と前記軸線方向に隣り合う第1制動部材、及び当該第1制動部材と前記軸線方向に隣り合う第2制動部材と、
前記第1制動部材と前記第2制動部材とを前記軸線方向に離間させる付勢力を発生させる付勢部材と、
前記軸、前記押圧部材、前記第1制動部材、前記第2制動部材、及び前記付勢部材を収容し、且つ前記押圧部材を挟んで前記第1制動部材と反対側にて前記押圧部材と協働して区画されるエア導入室と、前記エア導入室に連通するエアポートとを有する収容体と、
弾性体により形成され、且つ前記軸線方向における前記第1制動部材と前記第2制動部材との間に少なくとも一部が設けられる緩衝部材とを備えることを特徴とする軸制動装置。
【請求項2】
前記収容体は、筒状であり、且つ前記シリンダチューブの内部に収容され、
前記軸線方向における前記シリンダチューブと前記収容体との位置を位置決めするピンと、
前記シリンダチューブと前記収容体とを固定する固定部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の軸制動装置。
【請求項3】
前記第1制動部材及び前記第2制動部材のいずれか一方を前記緩衝部材が取り付けられる取付制動部材とし、他方を前記緩衝部材が取り付けられていない非取付制動部材とすると、
前記取付制動部材は、
前記非取付制動部材と対向する対向面と、
前記取付制動部材の厚さ方向に直交する一方向に設けられ、且つ前記対向面に連続する端面と、
前記緩衝部材が取り付けられる溝とを有し、
前記緩衝部材は、
前記端面から張り出す把持部と、
前記端面に沿って延びる仮想面上に滑らかに連続する連続面とを有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸制動装置。
【請求項4】
前記収容体は、前記端面を臨む窓を有し、
前記窓を覆う蓋部材を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の軸制動装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の軸制動装置を備えるアーム型助力装置であって、
対をなす第1支持部及び第2支持部と、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持されたアームと、を備え、
前記アームは、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持された第1部材と、
前記第1部材の内部に収容された前記エアシリンダと、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部が前記軸に回動自在となるように連結されたリンク部材と、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持され、且つ前記第1部材に対して平行に延びる第2部材と、を有し、
前記エアシリンダは、前記第1部材の一部を構成するシリンダチューブを有し、
前記シリンダチューブには、前記軸制動装置が収容されていることを特徴とするアーム型助力装置。
【請求項6】
請求項4に記載の軸制動装置を備えるアーム型助力装置であって、
対をなす第1支持部及び第2支持部と、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持されたアームと、を備え、
前記アームは、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持された第1部材と、
前記第1部材の内部に収容された前記エアシリンダと、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部が前記軸に回動自在となるように連結されたリンク部材と、
基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持され、且つ前記第1部材に対して平行に延びる第2部材と、を有し、
前記エアシリンダは、前記第1部材の一部を構成するシリンダチューブを有し、
前記シリンダチューブには、前記軸制動装置が収容されるとともに前記窓に対向する部分に貫通しつつ前記緩衝部材を臨む貫通孔が形成され、
前記蓋部材は、前記窓及び前記貫通孔を覆うことを特徴とするアーム型助力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸制動装置、及びアーム型助力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、軸制動装置の一例であるエアシリンダ用ブレーキ装置が記載されている。
上記エアシリンダ用ブレーキ装置は、ピストンロッドと、ブレーキ開放用のピストンと、板状の左方向用のブレーキ部材と、板状の右方向用のブレーキ部材とを備えている。
【0003】
ブレーキ開放用のピストンは、ピストンロッドの軸線が延びる方向に往復動する。各ブレーキ部材には、ピストンロッドが挿通されている。左方向用のブレーキ部材は、ブレーキ開放用ピストンとピストンロッドの軸線が延びる方向に隣り合っている。右方向用のブレーキ部材は、左方向用のブレーキ部材とピストンロッドの軸線が延びる方向に隣り合っている。
【0004】
エアシリンダ用ブレーキ装置は、スプリングと、上記各部品を収容するハウジングとを備えている。スプリングは、左方向用のブレーキ部材と右方向用のブレーキ部材とを離間させる付勢力を発生させる。ハウジングは、エアポートを有している。エアポートは、ブレーキ開放用のピストンを挟んで左方向用のブレーキ部材と反対側にてブレーキ開放用ピストンと協働して区画される空間に連通している。
【0005】
エアポートから給気されることにより、ブレーキ開放用のピストンがスプリングの付勢力に抗して左方向用のブレーキ部材を右方向用のブレーキ部材に近接させる。各ブレーキ部材がピストンロッドに接触しなくなったときに各ブレーキ部材によるピストンロッドの制動が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エアポートに給気したとき、左方向用のブレーキ部材が右方向用のブレーキ部材に衝突する。これにより、エアシリンダ用ブレーキ装置において衝突音が発生し、且つ各ブレーキ部材が衝突することによる衝撃が発生する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する軸制動装置は、エアシリンダに適用される軸制動装置であって、前記エアシリンダにおける筒状のシリンダチューブ内を往復動する軸と、前記軸の軸線が延びる軸線方向に往復動する押圧部材と、前記軸が挿通される板状の部材であり、且つ前記押圧部材と前記軸線方向に隣り合う第1制動部材、及び当該第1制動部材と前記軸線方向に隣り合う第2制動部材と、前記第1制動部材と前記第2制動部材とを前記軸線方向に離間させる付勢力を発生させる付勢部材と、前記軸、前記押圧部材、前記第1制動部材、前記第2制動部材、及び前記付勢部材を収容し、且つ前記押圧部材を挟んで前記第1制動部材と反対側にて前記押圧部材と協働して区画されるエア導入室と、前記エア導入室に連通するエアポートとを有する収容体と、弾性体により形成され、且つ前記軸線方向における前記第1制動部材と前記第2制動部材との間に少なくとも一部が設けられる緩衝部材とを備える。
【0009】
これによれば、エアポートに給気することでエア導入室にエアが導入されると、押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して第1制動部材を押圧する。そして、第1制動部材が第2制動部材に近接する。押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して移動し、第1制動部材及び第2制動部材が軸に接触しない状態となると、各制動部材による軸の制動が解除される。
【0010】
第1制動部材が第2制動部材に近接すると、第1制動部材と第2制動部材との間に少なくとも緩衝部材の一部が挟み込まれる。したがって、各制動部材による軸の制動が解除されるとき、緩衝部材によって第1制動部材と第2制動部材との衝突による衝突音及び衝撃が抑制できる。
【0011】
上記軸制動装置において、前記収容体は、筒状であり、且つ前記シリンダチューブの内部に収容され、前記軸線方向における前記シリンダチューブと前記収容体との位置を位置決めするピンと、前記シリンダチューブと前記収容体とを固定する固定部材とを備えるとよい。
【0012】
シリンダチューブの外側の形状のバリエーションは多種多様であるが、その内径のバリエーションは外側の形状のバリエーションと比較すると、数が少ない。
その点、これによれば、収容体をシリンダチューブの内部に収容する構成としたことにより軸制動装置のサイズをシリンダチューブに合わせて規格化できる。
【0013】
また、ピンによりシリンダチューブと収容体との位置を位置決めし、且つ固定部材によりシリンダチューブと収容体とを固定している。このため、シリンダチューブと収容体との取り付けも規格化できる。
【0014】
上記軸制動装置において、前記第1制動部材及び前記第2制動部材のいずれか一方を前記緩衝部材が取り付けられる取付制動部材とし、他方を前記緩衝部材が取り付けられていない非取付制動部材とすると、前記取付制動部材は、前記非取付制動部材と対向する対向面と、前記取付制動部材の厚さ方向に直交する一方向に設けられ、且つ前記対向面に連続する端面と、前記緩衝部材が取り付けられる溝とを有し、前記緩衝部材は、前記端面から張り出す把持部と、前記端面に沿って延びる仮想面上に滑らかに連続する連続面とを有しているとよい。
【0015】
これによれば、把持部により、溝に対する緩衝部材の取り外しが容易となる。このため、軸制動装置のメンテナンス性が向上する。取付制動部材の端面と緩衝部材の連続面とが目視確認により滑らかに連続しているか否かを判断することで緩衝部材が溝へ正常に取り付けられているかを容易に判断できる。
【0016】
上記軸制動装置において、前記収容体は、前記端面を臨む窓を有し、前記窓を覆う蓋部材を更に備えるとよい。
これによれば、緩衝部材の交換を、窓を通じて実施することができる。このため、軸制動装置のメンテナンス性を向上できる。また、窓を蓋部材により覆っているため、各制動部材による軸の制動を解除するときの収容体内の作動音が開口から洩れることを抑制できる。
【0017】
また、窓を蓋部材により覆っているため、第1制動部材と第2制動部材との間への異物の混入を抑制できる。
上記課題を解決するアーム型助力装置は、上記のいずれか1つに記載の軸制動装置を備えるアーム型助力装置であって、対をなす第1支持部及び第2支持部と、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持されたアームと、を備え、前記アームは、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持された第1部材と、前記第1部材の内部に収容された前記エアシリンダと、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部が前記軸に回動自在となるように連結されたリンク部材と、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持され、且つ前記第1部材に対して平行に延びる第2部材と、を有し、前記エアシリンダは、前記第1部材の一部を構成するシリンダチューブを有し、前記シリンダチューブには、前記軸制動装置が収容されている。
【0018】
これによれば、エアポートに給気することでエア導入室にエアが導入されると、押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して第1制動部材を押圧する。そして、第1制動部材が第2制動部材に近接する。押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して移動し、第1制動部材及び第2制動部材が軸に接触しない状態となると、各制動部材による軸の制動が解除される。
【0019】
第1制動部材が第2制動部材に近接すると、第1制動部材と第2制動部材との間に少なくとも緩衝部材の一部が挟み込まれる。したがって、各制動部材による軸の制動が解除されるとき、緩衝部材によって第1制動部材と第2制動部材との衝突による衝突音及び衝撃が抑制できる。ひいては、アーム型助力装置に軸制動装置を適用した際の衝突音や衝撃の発生を抑制できる。
【0020】
上記課題を解決するアーム型助力装置は、上記の軸制動装置を備えるアーム型助力装置であって、対をなす第1支持部及び第2支持部と、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持されたアームと、を備え、前記アームは、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持された第1部材と、前記第1部材の内部に収容された前記エアシリンダと、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部が前記軸に回動自在となるように連結されたリンク部材と、基端部が前記第1支持部に上下方向へ揺動可能に支持され、先端部に前記第2支持部が上下方向へ揺動可能に支持され、且つ前記第1部材に対して平行に延びる第2部材と、を有し、前記エアシリンダは、前記第1部材の一部を構成するシリンダチューブを有し、前記シリンダチューブには、前記軸制動装置が収容されるとともに前記窓に対向する部分に貫通しつつ前記緩衝部材を臨む貫通孔が形成され、前記蓋部材は、前記窓及び前記貫通孔を覆う。
【0021】
これによれば、エアポートに給気することでエア導入室にエアが導入されると、押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して第1制動部材を押圧する。そして、第1制動部材が第2制動部材に近接する。押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して移動し、第1制動部材及び第2制動部材が軸に接触しない状態となると、各制動部材による軸の制動が解除される。
【0022】
第1制動部材が第2制動部材に近接すると、第1制動部材と第2制動部材との間に少なくとも緩衝部材の一部が挟み込まれる。したがって、各制動部材による軸の制動が解除されるとき、緩衝部材によって第1制動部材と第2制動部材との衝突による衝突音及び衝撃が抑制できる。ひいては、アーム型助力装置に軸制動装置を適用した際の衝突音や衝撃の発生を抑制できる。
【0023】
また、アーム型助力装置のメンテナンス時に、シリンダチューブの貫通孔及び収容体の窓を介して緩衝部材の交換を実施できる。よって、緩衝部材の交換によりアーム型助力装置のメンテナンス性を向上できるため、アーム型助力装置の長寿命化を実現できる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、衝撃音及び衝撃を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】軸制動装置のロック状態を示す断面図である。
【
図5】
図4のA方向から見たときの作動ロッドと制動部材との位置関係を示した概略図である。
【
図6】
図4のB方向から見たときの作動ロッドと制動部材との位置関係を示した概略図である。
【
図7】軸制動装置のロック解除状態を示す断面図である。
【
図8】ロック解除状態の軸制動装置における作動ロッドと制動部材との位置関係を示した概略図である。
【
図11】緩衝部材が取り付けられた第1制動部材の斜視図である。
【
図12】
図11のC方向から見たときの緩衝部材及び第1制動部材の図である。
【
図13】第1シリンダチューブに収容された軸制動装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、軸制動装置、及びアーム型助力装置を具体化した実施形態を
図1~
図13にしたがって説明する。説明の便宜上、アーム型助力装置の構成を説明した後に軸制動装置の構成を説明する。
【0027】
[アーム型助力装置]
図1に示すように、アーム型助力装置100は、対をなす第1支持部101及び第2支持部102と、支柱103とを備えている。アーム型助力装置100は、第1アーム201と、第2アーム302と、第3アーム403とを備えている。
【0028】
アーム型助力装置100は、第1回転ジョイント501と、第2回転ジョイント502と、第3回転ジョイント503とを備えている。アーム型助力装置100は、第1ロック機構510と、第2ロック機構520と、第3ロック機構530とを備えている。
【0029】
アーム型助力装置100は、操作部610と、荷保持部620と、第1急速排気弁631と、第2急速排気弁632と、制御ユニット640と、2つの軸制動装置50とを備えている。
【0030】
アーム型助力装置100は、操作エア配管P0と、第1配管P1と、第2配管P2とを備えている。
支柱103の下端103aは、床面Fに固定されている。支柱103の上端103bには、第1回転ジョイント501が設けられている。第1回転ジョイント501上には、第1ロック機構510が設けられている。第1ロック機構510上には、第1支持部101が設けられている。第1支持部101は、第1ロック機構510及び第1回転ジョイント501を介して支柱103の上端103bに支持されている。
【0031】
第1回転ジョイント501及び第1ロック機構510は、第1支持部101を水平方向に旋回可能に支持している。第1ロック機構510は、第1支持部101の旋回を規制する制動状態と、第1支持部101の旋回を許容する非制動状態とを切り替える。第1ロック機構510は、図示しない回転ロックディスクと、図示しないロックパッドと、図示しない付勢部材とを有している。第1ロック機構510は、所定圧力以上のエアが供給されると上記のロックパッドが上記の回転ロックディスクから離間することにより非制動状態となる。第1ロック機構510は、供給されるエアの圧力が所定圧力未満となると、上記の付勢部材により上記のロックパッドが上記の回転ロックディスクに付勢されて制動状態となる。
【0032】
支柱103は、内部中空の柱状部材である。第1支持部101は、内部中空の部材である。第1回転ジョイント501は、筒状をなす部材である。第1回転ジョイント501の内部は、支柱103の内部に連通している。第1回転ジョイント501の内部は、第1ロック機構510の内部に連通している。第1ロック機構510の内部は、第1支持部101の内部に連通している。支柱103、第1回転ジョイント501、第1ロック機構510、及び第1支持部101は、この順に内部が連通している。
【0033】
<第1アーム>
第1アーム201は、基端部201aと、基端部201aとは反対側に位置する先端部201bとを有している。基端部201aは、第1支持部101に上下方向へ揺動可能に支持されている。先端部201bには、第2支持部102が上下方向へ揺動可能に支持されている。
【0034】
第1アーム201は、第1部材210と、第1エアシリンダ220と、リンク部材230と、第2部材240とを有している。第1部材210の内部には、第1エアシリンダ220と、第1急速排気弁631とが収容されている。
【0035】
第1部材210は、第1支持部101と第2支持部102との間に延びる筒状の収容体である。第1部材210は、基端部211と、基端部211とは反対側に位置する先端部212とを有している。基端部211は、第1水平軸H1を介して第1支持部101に支持されている。基端部211は、第1支持部101に上下方向へ揺動可能に支持されている。先端部212には、第2水平軸H2を介して第2支持部102が支持されている。先端部212には、第2支持部102が上下方向へ揺動可能に支持されている。
【0036】
第1エアシリンダ220は、筒状の第1シリンダチューブ221と、第1ピストン222と、作動ロッド223とを有している。第1シリンダチューブ221は、第1部材210の内部を基端部211から先端部212に至るまで延びている。第1シリンダチューブ221の第1端は、基端部211に固定され、第2端は先端部212に固定されている。第1シリンダチューブ221は、第1部材210の一部を構成している。なお、第1部材210は、図示しないカバー部材を有している。図示しないカバー部材は、第1シリンダチューブ221を覆う。第1部材210の第1シリンダチューブ221は、第1部材210の中心部を構成する。これにより、カバー部材と第1シリンダチューブ221とから二重構造が形成されている。
【0037】
第1ピストン222は、第1シリンダチューブ221の内部に配置されている。第1ピストン222は、第1シリンダチューブ221と協働して第1ピストン室S1を区画している。第1ピストン室S1は、第1部材210の先端部212寄りに設けられている。
【0038】
作動ロッド223は、第1シリンダチューブ221の内部に配置されている。作動ロッド223の軸線と第1シリンダチューブ221の軸線とは一致している。作動ロッド223は、基端部2231と、基端部2231とは反対側に位置する先端部2232とを有している。基端部2231は、第1部材210の基端部211寄りに位置している。先端部2232は、第1部材210の先端部212寄りに位置している。先端部2232には、第1ピストン222が固定されている。基端部2231には、連結体550を介してリンク部材230の先端部232が固定されている。先端部232は、連結体550により作動ロッド223に回動自在に連結されている。
【0039】
リンク部材230は、作動ロッド223に対して傾斜して延びる棒状の部材である。リンク部材230は、基端部231と、基端部231とは反対側に位置する上述した先端部232とを有している。基端部231は、第3水平軸H3を介して第1支持部101に支持されている。基端部231は、第1支持部101に上下方向へ揺動可能に支持されている。
【0040】
第2部材240は、第1支持部101から第2支持部102に向けて延びる棒状の部材である。第2部材240は、第1部材210に対して平行に延びている。第2部材240は、第1シリンダチューブ221と平行に延びている。第2部材240は、基端部241と、基端部241とは反対側に位置する先端部242とを有している。基端部241は、第3水平軸H3を介して第1支持部101に支持されている。基端部241は、第1支持部101に上下方向へ揺動可能に支持されている。先端部242は、第4水平軸H4を介して第2支持部102に支持されている。先端部242には、第2支持部102が上下方向へ揺動可能に支持されている。
【0041】
第1アーム201の基端部201aは、第1部材210の基端部211と、第2部材240の基端部241とにより構成されている。第1アーム201の先端部201bは、第1部材210の先端部212と、第2部材240の先端部242とにより構成されている。第1支持部101と、第1部材210と、第2支持部102と、第2部材240とにより平行リンクが構成されている。平行リンクにより、第1アーム201が第1支持部101に対して上下方向に揺動可能となり、且つ第2支持部102が第1アーム201に対して上下方向へ揺動可能となる。
【0042】
第1部材210の内部は、第1支持部101の内部に連通している。なお、
図1に示す第1アーム201が第1支持部101から離間しているように見えるが、説明の便宜上、あえて離間させている。
【0043】
<第2支持部>
第2支持部102は、基端部102aと、基端部102aとは反対側に位置する先端部102bとを有している。基端部102aは、第2支持部102が上下方向へ揺動可能となるように第2水平軸H2及び第4水平軸H4を介して第1アーム201の先端部201bに支持されている。先端部102bには、第2回転ジョイント502が設けられている。第2回転ジョイント502は、第1回転ジョイント501と同じ構成である。第2回転ジョイント502上には、第2ロック機構520が設けられている。第2ロック機構520は、第1ロック機構510と同じ構成である。
【0044】
第2支持部102は、内部中空の部材である。第2支持部102は、第1部材210の内部に連通している。第2回転ジョイント502の内部は、第2支持部102の内部に連通している。第2ロック機構520の内部は、第2回転ジョイント502の内部に連通している。第1部材210、第2支持部102、第2回転ジョイント502、及び第2ロック機構520は、この順に内部が連通している。なお、
図1に示す第1アーム201が第2支持部102から離間しているように見えるが、説明の便宜上、あえて離間させている。
【0045】
<第2アーム>
第2アーム302は、L字形状をなす筒状のアームである。第2アーム302は、第1筒部312と、第2筒部322とを有している。第1筒部312の基端部は、第2回転ジョイント502及び第2ロック機構520を介して第2支持部102の先端部102bに連結されている。第1筒部312は、第2支持部102の先端部102bから水平方向に延びている。第1筒部312の先端部には、第2筒部322が設けられている。第2筒部322は、床面Fに向けて延びている。第2アーム302は、第2回転ジョイント502及び第2ロック機構520を介して第2支持部102に水平方向に旋回可能に支持されている。
【0046】
第1筒部312の内部は、第2ロック機構520の内部に連通している。第1筒部312の内部と第2筒部322の内部とは連通している。第2ロック機構520及び第2アーム302は、この順に内部が連通している。
【0047】
<第3アーム>
第3アーム403は、筒状のアームである。第3アーム403は、第2アーム302の第2筒部322の外側面に固定されている。第3アーム403は、床面Fに向けて延びている。第3アーム403は、第3部材430と、第2エアシリンダ440と、延出筒部450とを有している。第3部材430は、第2アーム302の第2筒部322から床面Fへ延びる筒状の収容体である。第3部材430の内部には、第2エアシリンダ440と、第2急速排気弁632とが収容されている。
【0048】
第2エアシリンダ440は、筒状の第2シリンダチューブ441と、第2ピストン442と、ピストンロッド443とを有している。第2シリンダチューブ441は、第3部材430の軸線が延びる方向と同じ方向に延びている。第2ピストン442は、第2シリンダチューブ441の内部に配置されている。第2ピストン442は、第2シリンダチューブ441と協働して第2ピストン室S2を区画している。第2ピストン室S2は、第2シリンダチューブ441における床面F寄りに設けられている。
【0049】
ピストンロッド443は、基端部4431と、基端部4431とは反対側に位置する先端部4432とを有している。基端部4431は、第3部材430の外部に位置している。先端部4432は、第2シリンダチューブ441の内部に位置している。先端部4432は、第2ピストン442に固定されている。基端部4431には、第3回転ジョイント503が設けられている。第3回転ジョイント503は、第1回転ジョイント501と同じ構成である。第3回転ジョイント503の床面F側の端部には、第3ロック機構530が設けられている。第3ロック機構530は、第1ロック機構510と同じ構成である。
【0050】
延出筒部450は、第3部材430から床面Fに向けて延びている。延出筒部450は、基端部451と、基端部451とは反対側に位置する先端部452とを有している。基端部451は、第3部材430に連続している。先端部452には、第3回転ジョイント503が設けられている。延出筒部450は、筒状のガイドロッドと、ガイドロッドが第3部材430の内外を上下方向に円滑に移動するための転がり軸受とにより構成されている。
【0051】
第3部材430の内部は、第2筒部322の内部に連通している。第3部材430の内部は、延出筒部450の内部に連通している。延出筒部450の内部は、第3回転ジョイント503の内部に連通している。第3回転ジョイント503の内部は、第3ロック機構530の内部に連通している。第2筒部322、第3部材430、延出筒部450、第3回転ジョイント503、及び第3ロック機構530は、この順に内部が連通している。
【0052】
<操作部及び荷保持部>
第3ロック機構530の床面F側の端部には、操作部610が設けられている。第3回転ジョイント503及び第3ロック機構530は、操作部610を水平方向に旋回可能に支持している。操作部610は、第3回転ジョイント503及び第3ロック機構530を介して第3アーム403及びピストンロッド443に水平方向に旋回可能に支持されている。
【0053】
操作部610の床面F側の端部には、荷保持部620が設けられている。荷保持部620は、フック型吊上げ具である。荷保持部620は、フック型吊上げ具以外の構成でもよく、荷役物を吸着保持する構成や、荷役物をロボットハンドで保持する構成であってもよい。操作部610には、操作ハンドル611と、荷重センサ612と、検出スイッチ613とが設けられている。荷重センサ612及び検出スイッチ613は、操作部610に内蔵されている。荷重センサ612は、荷保持部620に保持された荷役物を含めた荷重を検出する。検出スイッチ613は、作業者が操作ハンドル611を把持した操作状態になると、操作部610が操作されていることを検出してオンされる。一方で、検出スイッチ613は、作業者が操作ハンドル611を把持していない非操作状態でオフされる。
【0054】
操作部610の内部は、第3ロック機構530の内部に連通している。すなわち、操作部610の内部は、第3アーム403の内部に連通している。
<操作エア配管、第1配管、及び第2エア配管>
支柱103、第1回転ジョイント501、第1ロック機構510、第1アーム201、及び第2支持部102は、この順に内部が連通している。第2支持部102、第2回転ジョイント502、第2ロック機構520、第2アーム302、及び第3アーム403は、この順に内部が連通している。第3アーム403、第3回転ジョイント503、第3ロック機構530、及び操作部610は、この順に内部が連通している。
【0055】
操作エア配管P0は、支柱103から第3ロック機構530に至るまで上記各構成の内部に適宜取り回されている。操作エア配管P0は、第1ロック機構510の内部において、第1ロック機構510に向けて分岐する第1分岐配管Pb1を有している。操作エア配管P0は、第2ロック機構520の内部において、第2ロック機構520に向けて分岐する第2分岐配管Pb2を有している。操作エア配管P0は、第3ロック機構530の内部において、第3ロック機構530に向けて分岐する第3分岐配管Pb3を有している。操作エア配管P0は、第3部材430の内部において、第2シリンダチューブ441に向けて分岐する第4分岐配管Pb4を有している。第4分岐配管Pb4上には、第2急速排気弁632が設けられている。操作エア配管P0は、第1アーム201の内部において、第1シリンダチューブ221に向けて分岐する第5分岐配管Pb5を有している。第5分岐配管Pb5上には、第1急速排気弁631が設けられている。第1急速排気弁631及び第2急速排気弁632は、所定圧力のエアが供給されたときにエアを導入先に通過させる第1状態と、且つ所定圧力のエアの供給が停止したときに導入先のエアを外部に排出する第2状態とを切り替えるシャトル弁である。なお、当該導入先とは後述する2つの軸制動装置50である。
【0056】
第1配管P1は、支柱103から第1シリンダチューブ221に至るまで上記各構成の内部に適宜取り回されている。第1配管P1は、第1ピストン室S1に接続されている。
第2配管P2は、支柱103から第2シリンダチューブ441に至るまで上記各構成の内部に適宜取り回されている。第2配管P2は、第2ピストン室S2に接続されている。
【0057】
<制御ユニット>
制御ユニット640は、制御装置641と、三ポート弁642と、第1電空レギュレータ643と、第2電空レギュレータ644とを有している。制御装置641は、三ポート弁642と、第1電空レギュレータ643と、第2電空レギュレータ644と電気的に接続されている。制御装置641は、検出スイッチ613と、荷重センサ612と電気的に接続されている。
【0058】
操作エア配管P0、第1配管P1、及び第2配管P2は、エア供給源650に接続されている。
三ポート弁642は、操作エア配管P0上に設けられている。三ポート弁642は、第1位置と、第2位置とを取り得る。第1位置とは、エア供給源650から供給されたエアを操作エア配管P0における三ポート弁642よりも下流に供給する位置である。第2位置とは、操作エア配管P0内のエアを排出する位置である。
【0059】
第1電空レギュレータ643は、第1配管P1上に設けられている。第1電空レギュレータ643は、第1ピストン室S1に供給されるエアの圧力を連続的にコントロールする比例制御弁である。
【0060】
第2電空レギュレータ644は、第2配管P2上に設けられている。第2電空レギュレータ644は、第2ピストン室S2に供給されるエアの圧力を連続的にコントロールする比例制御弁である。
【0061】
制御装置641は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)である。制御装置641は、MPU(Main Processing Unit)と、記憶部と、入力装置と、出力装置とを備えている。MPUは、主処理装置である。記憶部は、RAM(Random access memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をMPUに実行させるように構成されたプログラムを格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。入力装置は、接続された外部装置、本実施形態では荷重センサ612や検出スイッチ613からの信号を制御装置641で扱う信号に変換する。出力装置は、制御装置641で処理された信号を外部機器、本実施形態では三ポート弁642、第1電空レギュレータ643、及び第2電空レギュレータ644を駆動できる信号に変換する。
【0062】
制御装置641は、荷重センサ612の出力信号に基づいて第1電空レギュレータ643及び第2電空レギュレータ644におけるエアの圧力を制御する。荷重センサ612の出力信号は、支柱103により支持されている物品の総重量に値する。
【0063】
<アーム型助力装置の動作>
作業者により操作部610の操作ハンドル611が把持されている操作状態であるとき、検出スイッチ613はオンされている。制御装置641は、検出スイッチ613がオンされると、三ポート弁642を制御することにより三ポート弁642よりも下流にエア供給源650から圧縮されたエアを供給する。
【0064】
すると、第1ロック機構510、第2ロック機構520、及び第3ロック機構530が非制動状態となる。その結果、第1支持部101の水平方向への旋回、第2アーム302の水平方向への旋回、及び操作部610の水平方向への旋回が許容される。操作エア配管P0に供給された圧縮されたエアは、第4分岐配管Pb4を介して第2急速排気弁632に供給される。第2急速排気弁632は、第4分岐配管Pb4からエアが供給されると、第2シリンダチューブ441にエアを供給する。操作エア配管P0に供給された圧縮されたエアは、第5分岐配管Pb5を介して第1急速排気弁631に供給される。第1急速排気弁631は、第5分岐配管Pb5からエアが供給されると、第1シリンダチューブ221にエアを供給する。
【0065】
制御装置641は、荷重センサ612の出力信号に基づいてバランス圧力となるように各電空レギュレータ643,644を制御する。バランス圧力とは、荷保持部620に保持された荷役物を吊り上げた状態でバランスをとることができるエアの圧力を示している。第1電空レギュレータ643におけるエアの圧力がバランス圧力となることにより、第1ピストン室S1における空気の圧力は、バランス圧力となる。第2電空レギュレータ644におけるエアの圧力がバランス圧力となることにより、第2急速排気弁632を介して第2ピストン室S2における空気の圧力は、バランス圧力となる。
【0066】
作業者が操作部610を上下動させると、第2ピストン442が移動して第2ピストン室S2の容積が変化する。第2ピストン室S2の容積が変化しても、制御装置641は、荷重センサ612の出力信号に応じたバランス圧力となるように第2電空レギュレータ644を常に制御する。
【0067】
同様に作業者が操作部610を上下動させると、平行リンクが変位する。平行リンクの変位に伴い、リンク部材230及び作動ロッド223を介して第1ピストン222が移動する。このため、第1ピストン室S1の容積が変化する。第1ピストン室S1の容積が変化しても、制御装置641は、荷重センサ612の出力信号に応じたバランス圧力となるように第1電空レギュレータ643を常に制御する。
【0068】
一方で、作業者により操作部610の操作ハンドル611が把持されていない非操作状態であるとき、検出スイッチ613はオフされている。制御装置641は、検出スイッチ613がオフされると、三ポート弁642を制御することにより操作エア配管P0内のエアを排出する。
【0069】
操作エア配管P0からエアが排出されるため、第1ロック機構510、第2ロック機構520、及び第3ロック機構530が制動状態となる。その結果、第1支持部101の水平方向への旋回、第2アーム302の水平方向への旋回、及び操作部610の水平方向への旋回が規制される。
【0070】
三ポート弁642からエアが排出されると同時に第4分岐配管Pb4の内部のエアは、第2急速排気弁632から直接外部に排出される。三ポート弁642からエアが排出されると同時に第5分岐配管Pb5の内部のエアは、第1急速排気弁631から直接外部に排出される。
【0071】
検出スイッチ613がオフの状態であっても、荷保持部620に荷役物が保持されている場合、制御装置641が荷重センサ612の出力信号に基づいて各電空レギュレータ643,644をバランス圧力となるように制御する。
【0072】
検出スイッチ613がオフの状態で荷保持部620に荷役物が保持されている場合、第2ピストン室S2には、第2電空レギュレータ644からバランス圧力となるエアが供給される。
【0073】
検出スイッチ613がオフの状態で荷保持部620に荷役物が保持されている場合、第1ピストン室S1には、第1電空レギュレータ643からバランス圧力が供給される。すなわち、検出スイッチ613がオフの状態で荷保持部620に荷役物が保持されている場合であっても、第1ピストン室S1及び第2ピストン室S2それぞれのバランス圧力が維持され、荷役物の吊上げを実現する。
【0074】
ところで、作業者が操作部610を操作していない状態で荷保持部620に荷役物が保持されていると、吊上げられた状態の荷役物が風等の外力により上下動する。荷役物の上下動により、平行リンク、作動ロッド223、及びピストンロッド443が変位する。よって、作業者が操作部610を操作していないのにも関わらず、第1アーム201が上下方向に意図せず揺動し、且つ第3アーム403が上下方向に意図せず伸縮する虞がある。
【0075】
その点、アーム型助力装置100は、2つの軸制動装置50を備えている。1つの軸制動装置50は、第1シリンダチューブ221の内部に収容されている。残りの軸制動装置50は、第2シリンダチューブ441の内部に収容されている。
【0076】
1つの軸制動装置50は、第5分岐配管Pb5からエアが供給されていないときに第1シリンダチューブ221の内部で作動ロッド223の往復動を規制するロック状態となる。残りの軸制動装置50は、第4分岐配管Pb4からエアが供給されていないときに第2シリンダチューブ441の内部でピストンロッド443の往復動を規制するロック状態となる。
【0077】
1つの軸制動装置50は、第5分岐配管Pb5からエアが供給されているときに第1シリンダチューブ221の内部で作動ロッド223の往復動を許容するロック解除状態となる。
【0078】
残りの軸制動装置50は、第4分岐配管Pb4からエアが供給されているときに第2シリンダチューブ441の内部でピストンロッド443の往復動を許容するロック解除状態となる。
【0079】
第1エアシリンダ220及び第2エアシリンダ440は、請求項1~請求項4上のエアシリンダの一例である。第1シリンダチューブ221及び第2シリンダチューブ441は、請求項1~請求項4上のシリンダチューブの一例である。作動ロッド223及びピストンロッド443は、請求項1~請求項4上の軸の一例である。
【0080】
第1アーム201は、請求項5及び請求項6上のアームの一例である。第1エアシリンダ220は、請求項5及び請求項6上のエアシリンダの一例である。第1シリンダチューブ221は、請求項5及び請求項6上のシリンダチューブの一例である。作動ロッド223は、請求項5及び請求項6上の軸の一例である。
【0081】
なお、以下、軸制動装置50の構成について詳述するが、第1シリンダチューブ221の内部に収容されている軸制動装置50について説明する。第2シリンダチューブ441の内部に収容されている軸制動装置50の構成は、第1シリンダチューブ221の内部に収容されている軸制動装置50と同じ構成であるため説明を割愛する。
【0082】
[軸制動装置]
図2及び
図3に示すように、軸制動装置50は、円筒状の第1ハウジング51と、円筒状の第2ハウジング52と、軸としての第1エアシリンダ220の作動ロッド223とを備えている。第1ハウジング51、第2ハウジング52、作動ロッド223のそれぞれの軸線は、互いに一致している。作動ロッド223の基端部2231は、第1ハウジング51を貫通し、作動ロッド223の先端部2232は、第2ハウジング52を貫通している。
【0083】
<第1ハウジング及び第2ハウジング>
第1ハウジング51の構成について説明する。
第1ハウジング51は、円板状の端壁51aと、端壁51aから延びる周壁51bとを有している。周壁51bは、端壁51aの外周部から延びている。周壁51bは、略円筒状をなしている。周壁51bは、端壁51aとは反対側に開口している。周壁51bは、端壁51aとは反対側に先端面51cを有している。端壁51a及び周壁51bには、作動ロッド223の基端部2231が貫通している。
【0084】
図2に示すように、周壁51bは、その一部に先端面51cから端壁51aに至る第1切欠部51dを有している。第1切欠部51dは、先端面51cに連続する一対の内面51hを有している。一対の内面51hは、第1ハウジング51の軸線が延びる方向に延びている。
【0085】
第1切欠部51dは、周壁51bの軸線を中心とした周方向において、周壁51bの所定角度の分のみ切り欠かれている。第1切欠部51dは、周壁51bの一部を周壁51bの厚さ方向に貫通している。
【0086】
端壁51aは、周壁51bの径方向に深さを有する第1挿通孔51eを有している。第1切欠部51dと第1挿通孔51eとは、第1ハウジング51の軸線が延びる方向において隣り合っている。
【0087】
図3に示すように、周壁51bは、その一部に先端面51cから端壁51aに向けて切り欠かれた第2切欠部51fを有している。第2切欠部51fは、先端面51cに連続するU字形状の内面51iを有している。
【0088】
第2切欠部51fは、周壁51bの周方向において、周壁51bの所定角度の分のみ切り欠かれている。第2切欠部51fは、周壁51bの一部を周壁51bの厚さ方向に貫通している。第2切欠部51fの先端面51cからの深さは、第1切欠部51dの先端面51cからの深さよりも浅い。第2切欠部51fは、第1ハウジング51の軸線を挟んで第1切欠部51dとは反対側の位置に設けられている。
【0089】
端壁51aは、周壁51bの径方向に深さを有する第2挿通孔51gを有している。第2挿通孔51gの内周面には雌ねじが形成されている。第2切欠部51fと第2挿通孔51gとは、第1ハウジング51の軸線が延びる方向において隣り合っている。第2挿通孔51gは、第1ハウジング51の軸線を挟んで第1挿通孔51eとは反対側の位置に設けられている。
【0090】
第2ハウジング52の構成について説明する。
図3に示すように、第2ハウジング52は、円筒状の周壁部材53と、円筒状のリニアブッシュホルダ54と、円筒状のリニアブッシュ55とを有している。
【0091】
図2及び
図3に示すように、周壁部材53は、両端が開口している。周壁部材53は、一方に第1端面53aを有するとともに、他方に第2端面53bを有している。
図2に示すように、周壁部材53は、その一部に第1端面53aから第2端面53bへ向けて切り欠かれた第3切欠部53cを有している。第3切欠部53cは、第1端面53aに連続するU字形状の内面53gを有している。
【0092】
第3切欠部53cは、周壁部材53の軸線を中心とした周方向において、周壁部材53の所定角度の分のみ切り欠かれている。第3切欠部53cは、周壁部材53の一部を周壁部材53の厚さ方向に貫通している。
【0093】
周壁部材53は、周壁部材53を周壁部材53の厚さ方向に貫通する貫通孔53dを有している。貫通孔53dの内周面には、雌ねじが形成されている。周壁部材53は、周壁部材53の厚さ方向に深さを有する第3挿通孔53eを有している。第3挿通孔53eの内周面には、雌ねじが形成されている。第3切欠部53c、貫通孔53d、及び第3挿通孔53eは、第1端面53aから第2端面53bに向けてこの順に並んでいる。
【0094】
図3に示すように、周壁部材53は、周壁部材53の厚さ方向に深さを有する第4挿通孔53fを有している。第4挿通孔53fの内周面には、雌ねじが形成されている。第4挿通孔53fは、第2ハウジング52の軸線を挟んで第3挿通孔53eとは反対側の位置に設けられている。
【0095】
リニアブッシュホルダ54は、周壁部材53の内部に収容されている。リニアブッシュホルダ54は、周壁部材53の第2端面53b側で複数のボルトB1により周壁部材53に固定されている。リニアブッシュ55は、リニアブッシュホルダ54の内部に収容されている。リニアブッシュ55には、作動ロッド223が挿通されている。リニアブッシュ55は、作動ロッド223を摺動可能に支持する軸受である。作動ロッド223の先端部2232は、リニアブッシュ55を貫通している。
【0096】
図2に示すように、第1ハウジング51の先端面51cと第2ハウジング52の第1端面53aとは突き合されている。第1切欠部51dと第3切欠部53cとは、連続している。周壁部材53の周方向における第3切欠部53cの幅は、周壁51bの周方向における一対の内面51hの幅よりも若干広い。端壁51a、第1切欠部51d、及び第3切欠部53cにより、第1ハウジング51及び第2ハウジング52の内外に連通する窓50aが画定されている。第1ハウジング51は、端壁51aにおける第2ハウジング52とは反対側から複数のボルトB2により第2ハウジング52に固定されている。
【0097】
図3に示すように、第2切欠部51fと第1端面53aとにより、第1ハウジング51及び第2ハウジング52の内外を連通する挿通部50bが画定されている。
<軸制動装置の内部の構成>
軸制動装置50の内部の構成について説明する。なお、
図4には軸制動装置50がロック状態であることを示しており、
図5には、軸制動装置50がロック解除状態であることを示している。
【0098】
図4に示すように、軸制動装置50は、押圧部材56と、第1制動部材60と、第2制動部材70と、付勢部材としての複数のばね80と、緩衝部材90とを備えている。押圧部材56、第1制動部材60、第2制動部材70、複数のばね80、及び緩衝部材90は、第1ハウジング51及び第2ハウジング52に収容されている。第1ハウジング51及び第2ハウジング52は、収容体の一例である。
【0099】
押圧部材56は、環状をなしている。押圧部材56は、第2ハウジング52の内部において、周壁部材53の内周面とリニアブッシュホルダ54の外周面との間に挟み込まれている。第2ハウジング52には、周壁部材53と、リニアブッシュホルダ54と、押圧部材56とによりエア導入室Rが区画されている。第2ハウジング52は、押圧部材56と協働して区画されるエア導入室Rを有している。エア導入室Rは、作動ロッド223の軸線回りに環状に形成されている。周壁部材53に設けられた貫通孔53dは、エア導入室Rに連通するエアポートである。なお、押圧部材56と周壁部材53との間、及び押圧部材56とリニアブッシュホルダ54との間には、エア導入室Rの気密性を保持するためのパッキンが設けられている。周壁部材53とリニアブッシュホルダ54との接触箇所の一部にも、エア導入室Rの気密性を保持するためのシール部材が設けられている。
【0100】
第1制動部材60は、作動ロッド223が挿通される第1挿通孔60aを有している。第1制動部材60は、押圧部材56と作動ロッド223の軸線が延びる方向(以下、「軸線方向」という)に隣り合っている。エア導入室Rは、押圧部材56を挟んで第1制動部材60と反対側に位置している。
【0101】
第1制動部材60は、作動ロッド223が挿通される長板状の部材である。第1制動部材60の長手方向の第1端は、挿通部50bの内側に配置され、且つ第1制動部材60の長手方向の第2端は、窓50a内に位置している。第1挿通孔60aの大きさ及び挿通部50bの大きさは、挿通部50bの位置を基準として第1制動部材60が作動ロッド223の軸線に対して傾斜できる程度に設定される。
【0102】
第1制動部材60は、その厚さ方向において第1面61及び第2面62を有している。第1面61及び第2面62は、互いに平行である。第1制動部材60は、第1制動部材60の厚さ方向に直交する一方向に設けられた第1上端面63を有している。第1上端面63は、第1制動部材60の第2端に設けられた円弧面である。このため、窓50aは、第1上端面63を臨んでいる。第1上端面63は、第1面61及び第2面62と連続している。第1上端面63には、嵌合孔63aが設けられている。嵌合孔63aの内周面には、雌ねじが形成されている。
【0103】
第1制動部材60の第1面61には、複数の嵌込孔64が形成されている。嵌込孔64は、第1挿通孔60aを基準として第1制動部材60の第2端寄りに2つ設けられている。嵌込孔64は、第1挿通孔60aを基準として第1制動部材60の第1端寄りに1つ設けられている。
【0104】
第1制動部材60の第2面62には、第1制動部材60の厚さ方向に凹む溝65が形成されている。溝65は、第1制動部材60の第2端寄りに設けられている。溝65は、押圧部材56の一部に対向し、押圧部材56の内部にも対向している。
【0105】
第1制動部材60が作動ロッド223の軸線に対して傾斜した状態において、第2面62における第1制動部材60の第1端寄りの部分が第1端面53aに接触している。第1制動部材60が作動ロッド223の軸線に対して傾斜した状態において、第2面62における溝65と第1挿通孔60aとの間の部分が押圧部材56に接触している。押圧部材56の第2面62への接触箇所は、2箇所である。当該2箇所の接触箇所は、後述する第1ばね81の近傍に位置している。当該2箇所の接触箇所は、押圧部材56とリニアブッシュホルダ54とが摺動する部分よりも作動ロッド223寄りに位置している。なお、2箇所の接触箇所は、
図4の紙面奥行方向に1箇所、そして
図4の紙面手前方向に1箇所存在する。第1制動部材60が作動ロッド223の軸線に対して傾斜する場合、第1制動部材60は第1端面53aを支点としている。
【0106】
第2制動部材70は、作動ロッド223が挿通される第2挿通孔70aを有している。第2制動部材70は、第1制動部材60と所定の間隔をおいて第1制動部材60と軸線方向に隣り合っている。第2制動部材70は、第1制動部材60を挟んで押圧部材56とは反対側に設けられている。
【0107】
第2制動部材70は、作動ロッド223が挿通される長板状の部材である。第2制動部材70の長手方向の第1端は、第2切欠部51fと第2挿通孔51gとの間の周壁51bに対向し、且つ第2制動部材70の第2端は、窓50a内に位置している。
【0108】
第2制動部材70は、その厚さ方向において第1面71及び第2面72を有している。第1面71及び第2面72は、互いに平行である。第2面72は、第1制動部材60の第1面61に対向している。第2制動部材70は、第2制動部材70の厚さ方向に直交する一方向に設けられた第2上端面73を有している。第2上端面73は、第2制動部材70の第2端に設けられた円弧面である。このため、窓50aは、第2上端面73を臨んでいる。
【0109】
第2制動部材70の第2面72には、複数の嵌込孔74が形成されている。嵌込孔74は、第2挿通孔70aを基準として第2制動部材70の第2端寄りに2つ設けられている。嵌込孔74は、第2挿通孔70aを基準として第2制動部材70の第1端寄りに1つ設けられている。
【0110】
第2制動部材70の第2端寄りに設けられた2つの嵌込孔74は、第1制動部材60の第2端寄りに設けられた2つの嵌込孔64と対向している。第2制動部材70の第1端寄りに設けられた1つの嵌込孔74は、第1制動部材60の第1端寄りに設けられた1つの嵌込孔64と対向している。
【0111】
対向する嵌込孔64,74それぞれには、ばね80が圧縮された状態で設けられている。ばね80は、第1制動部材60と第2制動部材70とを軸線方向に離間させる付勢力を発生させている。複数のばね80のうち窓50a寄りのばね80を第1ばね81とし、挿通部50b寄りのばね80を第2ばね82とする。
【0112】
軸線方向において、押圧部材56と端壁51aとの間の距離は、第1制動部材60と第2制動部材70との間でばね80が常に圧縮される大きさである。このため、ばね80の付勢力により第2面62における第1制動部材60の第2端寄りの部分が押圧部材56に常に接触し、且つ第1面71における第2制動部材70の第2端寄りの部分が端壁51aに常に接触する。
【0113】
第2制動部材70は、第2面72及び第2上端面73に開口する溝75を有している。溝75には、緩衝部材90が取り付けられている。
第1制動部材60が作動ロッド223の軸線に対して傾斜した状態において、第2制動部材70は、ばね80の付勢力により端壁51aに向けて押圧される。第1面71における第2制動部材70の第2端寄りの部分が窓50aを形成する端壁51aに接触しつつ第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対して傾斜する。すなわち、第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対して傾斜する場合、窓50aを形成する端壁51aを支点としている。なお、第2制動部材70は、緩衝部材90が取り付けられる取付制動部材の一例である。第1制動部材60は、緩衝部材90が取り付けられていない非取付制動部材の一例である。第2面72は、請求項上の対向面の一例である。第2上端面73は、請求項上の端面の一例である。
【0114】
<軸制動装置のロック状態>
軸制動装置のロック状態について、
図4、
図5、及び
図6にしたがって説明する。
図4は、エア導入室Rから貫通孔53dを介してエアが排出された状態を示している。
図5及び
図6は、第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対して傾斜していることを前提として記載している。なお、
図5及び
図6には、説明の便宜上、第1制動部材60及び第2制動部材70の概略図を使用している。
【0115】
図4及び
図5に示すように、第1制動部材60の内周面の一部である第1接触部Ap1が作動ロッド223に接触している。第1接触部Ap1は、第1挿通孔60aを画定する第1制動部材60の内周面における押圧部材56寄りの部分であって、且つ第1制動部材60の第2端寄りの部分である。
【0116】
第2制動部材70の内周面の一部である第2接触部Ap2が作動ロッド223に接触している。第2接触部Ap2は、第2挿通孔70aを画定する第2制動部材70の内周面における押圧部材56寄りの部分であって、且つ第2制動部材70の第2端寄りの部分である。
【0117】
図4及び
図6に示すように、第1制動部材60の内周面の一部である第3接触部Ap3が作動ロッド223に接触している。第3接触部Ap3は、第1挿通孔60aを画定する第1制動部材60の内周面における第2制動部材70寄りの部分であって、且つ第1制動部材60の第1端寄りの部分である。
【0118】
第2制動部材70の内周面の一部である第4接触部Ap4が作動ロッド223に接触している。第4接触部Ap4は、第2挿通孔70aを画定する第2制動部材70の内周面における端壁51a寄りの部分であって、且つ第2制動部材70の第1端寄りの部分である。
【0119】
図4、
図5、及び
図6に示すように、作動ロッド223が第1ハウジング51から第2ハウジング52に向けて移動しようとする場合、第1接触部Ap1及び第3接触部Ap3の作動ロッド223への接触が主に作動ロッド223の移動を規制する。具体的には、第1制動部材60が接触する第1端面53aを支点とし、第1ばね81を力点とすることにより第1接触部Ap1及び第3接触部Ap3を作用点とする。よって、第1制動部材60が第2制動部材70よりも強く作動ロッド223に押し付けられる。
【0120】
作動ロッド223が第2ハウジング52から第1ハウジング51に向けて移動しようとする場合、第2制動部材70の第2接触部Ap2及び第4接触部Ap4の作動ロッド223への接触が主に作動ロッド223の移動を規制する。具体的には、第2制動部材70が接触する窓50aを形成している端壁51aを支点とし、第2ばね82を力点とすることにより第2接触部Ap2及び第4接触部Ap4を作用点する。よって、第2制動部材70が第1制動部材60よりも強く作動ロッド223に押し付けられる。
【0121】
よって、第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対して傾斜した状態で軸制動装置50はロック状態となる。
<軸制動装置のロック解除状態>
軸制動装置50のロック解除状態について、
図7及び
図8にしたがって説明する。
図7は、貫通孔53dに給気することでエア導入室Rにエアが導入された状態を示している。なお、貫通孔53dには第5分岐配管Pb5が後述する継手660を介して接続されるため、第5分岐配管Pb5から供給されるエアがエア導入室Rに導入される。
図8は、第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対して傾斜していないことを前提として記載している。なお、
図8には、説明の便宜上、第1制動部材60及び第2制動部材70の概略図を使用している。
【0122】
図7に示すように、エア導入室Rにエアが導入されると、押圧部材56は、端壁51aに向けて移動する。押圧部材56は、複数のばね80の付勢力に抗して第1制動部材60を第2制動部材70に近接させる。第1制動部材60は、第1端面53aから離間し、且つ第2切欠部51fの底部に接触する。第1制動部材60は、押圧部材56の押圧が進むにつれて第2切欠部51fの底部を支点として、第1制動部材60の第2端が第2制動部材70に近接するように回動する。これにより、第1ばね81が第2制動部材70の第2端寄りの部分を端壁51aに向けて押圧する。そして、第1ばね81が第1制動部材60と第2制動部材70との間で更に圧縮される。
【0123】
第2制動部材70は、窓50aを形成する端壁51aを支点として、第2制動部材70の第1端が第1制動部材60に近接するように回動する。これにより、第2ばね82が第1制動部材60と第2制動部材70との間で更に圧縮される。
【0124】
複数のばね80が更に圧縮された状態で第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223の径方向に延びた状態となる。換言すると、第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対して傾斜していない状態となる。
【0125】
図8に示すように、第1挿通孔60aにおける第1接触部Ap1及び第3接触部Ap3が作動ロッド223に接触していない状態となる。ひいては、第1挿通孔60aの内周面の全体が作動ロッド223に接触していない状態となる。
【0126】
第2挿通孔70aにおける第2接触部Ap2及び第4接触部Ap4が作動ロッド223に接触していない状態となる。ひいては、第2挿通孔70aの内周面の全体が作動ロッド223に接触していない状態となる。
【0127】
よって、第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対して傾斜していない状態で軸制動装置50はロック解除状態となる。
このように構成された軸制動装置50では、エア導入室Rにエアが導入される、もしくはエア導入室Rからエアが排出されると押圧部材56が軸線方向に往復動する。軸線方向への押圧部材56の往復動に伴い、第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223の軸線に対する傾斜状態が変更される。第1制動部材60及び第2制動部材70の傾斜状態により軸制動装置50は、ロック状態とロック解除状態とを切り替える。
【0128】
<緩衝部材の構成>
図9に示すように、緩衝部材90は、本体部91と、嵌着部92とを有している。緩衝部材90は、ゴム等のエラストマーや樹脂等の弾性体により形成されている。本体部91は、上端面91aと、下端面91bと、第1側端面91cと、第2側端面91dとを有している。本体部91は、第1曲面91eと、第2曲面91fと、前端面91gと、後端面91hとを有している。
【0129】
下端面91bは、上端面91aとは反対側に設けられている。上端面91a及び下端面91bは、長方形状をなしている。
第1側端面91c及び第2側端面91dは、互いに反対側に設けられている。第1側端面91c及び第2側端面91dは、下端面91bに連続している。第1側端面91c及び第2側端面91dは、平行に延びている。
【0130】
第1曲面91eは、上端面91aと第1側端面91cとを接続している。第1曲面91eは、第1側端面91cよりも第2側端面91d側に凹むように湾曲している。
第2曲面91fは、上端面91aと第2側端面91dとを接続している。第2曲面91fは、第2側端面91dよりも第1側端面91c側に凹むように湾曲している。
【0131】
前端面91gは、上端面91aと、下端面91bと、第1側端面91cと、第2側端面91dと、第1曲面91eと、第2曲面91fとに連続している。
後端面91hは、上端面91aと、第1曲面91eと、第2曲面91fと、後述する嵌着部92の後面92cとに連続している。
【0132】
嵌着部92は、第1側端面91c、下端面91b、第2側端面91dからU字形状に突出している。嵌着部92は、前端面91gを正面から見たとき、前端面91gからはみ出した位置にU字形状の前面92aを有している。
【0133】
嵌着部92は、前面92aに連続するU字形状に湾曲した曲面92bを有している。曲面92bは、第1側端面91c及び第2側端面91dに平行に延びる一対の第1面92eと、下端面91bに平行に延びる第2面92fとにより形成されている。
【0134】
前面92a、曲面92b、下端面91b、第1側端面91c、及び第2側端面91dにより段差を形成するように延びている。
嵌着部92は、前面92aとは反対側に後面92cを有している。後面92cは、曲面92bと連続している。後面92cは、後端面91hと面一となる。嵌着部92は、第1曲面91e及び第2曲面91fそれぞれに接続される一対の上面92dを有している。一対の上面92dは、前面92a、曲面92b、及び後面92cに連続している。一方の上面92dは、第1曲面91eに滑らかに連続しており、他方の上面92dは、第2曲面91fに滑らかに連続している。
【0135】
<溝の構成>
図10に示すように、第2制動部材70の第2上端面73は、第2制動部材70の長手方向に直交する方向である短手方向に湾曲した湾曲面である。以下の説明における短手方向は、第2制動部材70の短手方向を示している。第2上端面73は、短手方向の中央が短手方向の両端よりも高い位置となるように湾曲している。
【0136】
第2上端面73の短手方向の両側は、第2面72に連続している。このため、第2制動部材70の溝75は、第2面72及び第2上端面73にのみ開口している。溝75の深さD1は、
図9に示す緩衝部材90の前端面91gから後端面91hまでの厚さTよりも小さい。深さD1は、第2制動部材70の厚さ方向における第2面72からの寸法である。
【0137】
溝75は、第1溝76と、第2溝77とを有している。第1溝76と第2溝77とは、第2制動部材70の厚さ方向に連通している。第2上端面73の短手方向の中央からの第1溝76の深さD2は、第2上端面73の短手方向の中央から第2溝77の深さよりも深い。第1溝76の深さD2は、
図9に示す緩衝部材90の上端面91aから曲面92bにおける上端面91aと平行に延びる部分までの高さHよりも小さい。
【0138】
短手方向において、第2溝77の幅は、第1溝76の幅よりも狭い。このため、第2溝77は、第2制動部材70の厚さ方向において第1溝76と段差をなしている。
第1溝76は、U字形状に湾曲した曲面76aを有している。曲面76aは、第2制動部材70の長手方向に平行に延びる一対の第1面76bと、短手方向に延びる第2面76cとにより形成されている。一対の第1面76bの間の距離は、
図9に示す嵌着部92の一対の第1面92eの間の距離と同じである。第2制動部材70の厚さ方向における第1溝76の幅は、
図9に示す嵌着部92の前面92aから後面92cまでの厚さと同じである。
【0139】
第2溝77は、U字形状に湾曲した曲面77aを有している。曲面77aは、第2制動部材70の長手方向に平行に延びる一対の第1面77bと、短手方向に延びる第2面77cとにより形成されている。一対の第1面77bの間の距離は、
図9に示す第1側端面91cと第2側端面91dとの間の距離よりも若干大きい。
【0140】
<第2制動部材に緩衝部材を取り付けた状態>
図9、
図10、及び
図11に示すように、緩衝部材90が溝75に取り付けられたとき、緩衝部材90の嵌着部92が第1溝76に嵌め込まれる。嵌着部92の一対の第1面92eが、第1溝76の一対の第1面76bに当接する。嵌着部92の第2面92fが、第1溝76の第2面76cに当接する。
【0141】
図11に示すように、緩衝部材90は、第2上端面73から張り出す把持部93と、第2面72から張り出す突出部94とを有している。把持部93は、本体部91のうち、第2上端面73に沿って延びる仮想面Lよりも張り出す部位によって形成されている。緩衝部材90の一対の上面92dは、第2制動部材70の第2上端面73に滑らかに連続している。
【0142】
図12に示すように、第2上端面73に沿って延びる仮想面L上に、第1曲面91e及び第2曲面91fが滑らかに連続している。すなわち、仮想面L上に一対の上面92dも滑らかに連続している。第1曲面91e、第2曲面91f、及び一対の上面92dは、請求項上の連続面の一例である。
【0143】
下端面91bと、第2溝77の第2面77cとは接触していない。同様に、第1側端面91cと一方の第1面77bとは接触しておらず、且つ第2側端面91dと他方の第1面77bとは接触していない。下端面91b、第1側端面91c、及び第2側端面91dと第2溝77の曲面77aとの間には、隙間Gが形成されている。
【0144】
図7に示すように、軸制動装置50をロック解除状態とするとき、第1制動部材60が第2制動部材70に近接する。緩衝部材90の突出部94が第1制動部材60の第1面61に接触する。そして、突出部94が第1制動部材60と第2制動部材70との間に挟み込まれる。すなわち、第1制動部材60と第2制動部材70との間に緩衝部材90の一部が設けられる。なお、上述した隙間Gは、突出部94が第1制動部材60と第2制動部材70との間で圧縮されたときに突出部94が十分に圧縮できる程度の大きさに設定されている。
【0145】
<第1シリンダチューブと軸制動装置との関係性>
図13に示すように、軸制動装置50は、第1シリンダチューブ221に収容されている。すなわち、第1ハウジング51及び第2ハウジング52により構成される筒状の収容体は、第1シリンダチューブ221に収容されている。
【0146】
第1シリンダチューブ221は、第1挿通孔51e、第2挿通孔51g、第3挿通孔53e、及び第4挿通孔53fに対応する位置に第1シリンダチューブ221を厚さ方向に貫通する貫通孔2211が設けられている。
【0147】
第1シリンダチューブ221には、軸制動装置50の窓50aに対向する位置に第1シリンダチューブ221を厚さ方向に貫通する貫通孔2212が形成されている。貫通孔2212は、緩衝部材90を臨んでいる。
【0148】
第1シリンダチューブ221には、軸制動装置50の貫通孔53dに対向する位置に第1シリンダチューブ221を厚さ方向に貫通する貫通孔2213が形成されている。貫通孔2213を介して貫通孔53dには、第5分岐配管Pb5に接続される継手660が螺着される。
【0149】
軸制動装置50は、第1挿通孔51eに挿通されるピン57を備えている。ピン57は、第1挿通孔51eに対向する貫通孔2211の内部にも挿通されている。ピン57は、軸線方向における第1シリンダチューブ221と、第1ハウジング51及び第2ハウジング52との位置を位置決めしている。ピン57には、第1シリンダチューブ221の外部に臨むねじ孔57aが設けられている。ねじ孔57aの内周面には、雌ねじが形成されている。
【0150】
軸制動装置50は、第2挿通孔51g、第3挿通孔53e、第4挿通孔53fに螺着されるねじ部材B3を備えている。ねじ部材B3は、第2挿通孔51g、第3挿通孔53e、及び第4挿通孔53fそれぞれに対向する貫通孔2211の内部にも挿通されている。ねじ部材B3は、第1シリンダチューブ221と、第1ハウジング51及び第2ハウジング52とを固定する固定部材である。
【0151】
軸制動装置50は、貫通孔2212を覆う板状の蓋部材58を備えている。蓋部材58は、第1シリンダチューブ221を密閉しないように貫通孔2212を覆っている。蓋部材58は、貫通孔2212を覆うと同時に窓50aも覆っている。蓋部材58は、ねじ部材B4によりピン57のねじ孔57aに固定されている。
【0152】
図12に示すように、緩衝部材90の把持部93は、貫通孔2212の内部に位置している。蓋部材58は、第1シリンダチューブ221の外周面に沿う湾曲した形状をなしている。蓋部材58と緩衝部材90の上端面91aとの間には、空隙が形成されている。蓋部材58と緩衝部材90の上端面91aとの間の距離Vは、第1溝76の深さD2よりも小さい。
【0153】
[本実施形態の作用]
本実施形態の作用を説明する。
図7に示すように、貫通孔53dに給気することでエア導入室Rにエアが導入されると、押圧部材56が複数のばね80の付勢力に抗して第1制動部材60を押圧する。そして、第1制動部材60が第2制動部材70に近接する。押圧部材56が複数のばね80の付勢力に抗して移動し、第1制動部材60及び第2制動部材70が作動ロッド223に接触しない状態となると、各制動部材60,70による作動ロッド223の制動が解除される。
【0154】
第1制動部材60が第2制動部材70に近接すると、第1制動部材60と第2制動部材70との間に緩衝部材90の突出部94が挟み込まれる。なお、第2シリンダチューブ441の内部に収容される軸制動装置50においても同様である。
【0155】
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果を説明する。
(1)各制動部材60,70による作動ロッド223の制動が解除されるとき、緩衝部材90によって第1制動部材60と第2制動部材70との衝突による衝突音及び衝撃が抑制できる。
【0156】
(2)シリンダチューブの外側の形状のバリエーションは多種多様であるが、その内径のバリエーションは外側の形状のバリエーションと比較すると、数が少ない。
第1ハウジング51及び第2ハウジング52を第1シリンダチューブ221の内部に収容する構成としたことにより軸制動装置50のサイズを第1シリンダチューブ221に合わせて規格化できる。
【0157】
また、ピン57により第1シリンダチューブ221と、第1ハウジング51及び第2ハウジング52との位置を位置決めしている。ねじ部材B3により第1シリンダチューブ221と、第1ハウジング51及び第2ハウジング52とを固定している。このため、第1シリンダチューブ221と、第1ハウジング51及び第2ハウジング52との取り付けも規格化できる。
【0158】
(3)緩衝部材90の把持部93により、溝75に対する緩衝部材90の取り外しが容易となる。このため、軸制動装置50のメンテナンス性が向上する。第2上端面73と、第1曲面91e、第2曲面91f、及び一対の上面92dとが目視確認により滑らかに連続しているか否かを判断することで緩衝部材90が溝75へ正常に取り付けられているかを容易に判断できる。
【0159】
仮に把持部93を溝75に嵌め込もうとすると、仮想面L上に連続する面がないため、緩衝部材90の誤挿入も防止できる。
(4)緩衝部材90の交換を、窓50aを通じて実施することができる。このため、軸制動装置50のメンテナンス性を向上できる。また、窓50aを蓋部材58により覆っている。このため、各制動部材60,70による作動ロッド223の制動を解除するときの第1ハウジング51及び第2ハウジング52内の作動音が窓50aから洩れることを抑制できる。
【0160】
また、窓50aを蓋部材58により覆っているため、第1制動部材60と第2制動部材70との間への異物の混入を抑制できる。
(5)溝75に緩衝部材90を取り付けたとき、第2上端面73と一対の上面92dとの境目の感触により緩衝部材90が溝75に確実に取り付けられているかどうかを判断できる。よって、緩衝部材90の溝75への確実な取り付けを実現できる。
【0161】
(6)アーム型助力装置100において、操作部610が非操作状態から操作状態に移行したとき、軸制動装置50がロック解除状態となる。このため、アーム型助力装置100の操作部610が操作状態となった際の軸制動装置50で生じる衝突音や衝撃の発生を抑制できるため、アーム型助力装置100の操作感が良くなる。よって、アーム型助力装置100に軸制動装置50を適用すると、作業者に不快感を与えないため、作業者によるアーム型助力装置100の操作が快適になる。
【0162】
(7)アーム型助力装置100のメンテナンス時に、第1シリンダチューブ221の貫通孔2212及び軸制動装置50の窓50aを介して緩衝部材90の交換を実施できる。よって、緩衝部材90の交換によりアーム型助力装置100のメンテナンス性を向上できるため、アーム型助力装置100の長寿命化を実現できる。
【0163】
(8)蓋部材58と緩衝部材90の上端面91aとの間の距離Vは、第1溝76の深さD2よりも小さい。そのため、アーム型助力装置100において、緩衝部材90の溝75からの脱落を抑制できる。
【0164】
(9)軸制動装置50を第1シリンダチューブ221に収容する構成としている。このため、第1部材210のカバーと第1シリンダチューブ221との間のスペースを操作エア配管P0、第1配管P1、及び第2配管P2の取り回しスペースとして有効利用できる。
【0165】
(10)隙間Gにより、緩衝部材90の衝撃吸収能力及び吸音効果を顕著にできる。
(11)第1制動部材60の嵌合孔63aは、軸制動装置50を手動でロック解除状態とするときの治具を嵌合するために利用できる。
【0166】
(12)第1部材210の一部を第1エアシリンダ220の第1シリンダチューブ221により構成するとともに、軸制動装置50を第1シリンダチューブ221の内部に装着することで、軸制動装置50の作動音がより静音化される。そして、アーム型助力装置100の操作がより快適になる。
【0167】
(13)第1シリンダチューブ221と第1部材210のカバー部材との二重構造により軸制動装置50が覆われている。このため、軸制動装置50の作動音の静音化がより顕著となる。
【0168】
(14)押圧部材56は、第2面62に2箇所で接触している。このため、押圧部材56による第1制動部材60の支持が安定する。また、軸制動装置50のロック解除時に、当該2箇所の接触箇所で第1制動部材60を第2制動部材70に向けて押圧する。よって、押圧部材56による第1制動部材60の押圧が安定するため、軸制動装置50の駆動が安定する。ひいては、押圧部材56が第1制動部材60に接触することによる異音の発生を抑制しつつ、第1制動部材60の耐久性が向上する。
【0169】
(15)第2面62と押圧部材56の2箇所の接触箇所は、押圧部材56とリニアブッシュホルダ54とが摺動する部分よりも作動ロッド223寄りに位置している。すなわち、押圧部材56が第1制動部材60を押圧する箇所が作動ロッド223寄りとなる。このため、押圧部材56における最も第1制動部材60の第2端寄りの部分のみが第1制動部材60を押圧する場合と比較して、押圧部材56がリニアブッシュホルダ54の軸線に対して傾くことが抑制できる。換言すると、押圧部材56がリニアブッシュホルダ54に対して拗れることが抑制できる。そして、押圧部材56の往復動を円滑にできる。
【0170】
(16)第1シリンダチューブ221の内部に収容された軸制動装置50に供給されたエアは、ロック解除時に第5分岐配管Pb5を介して第1急速排気弁631から即座に排出される。第2シリンダチューブ441の内部に収容された軸制動装置50に供給されたエアは、ロック解除時に第4分岐配管Pb4を介して第2急速排気弁632から即座に排出される。このため、軸制動装置50のロック解除時の動作を高速化できる。
【0171】
<変更例>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施できる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0172】
・アーム型助力装置100において、第1シリンダチューブ221の貫通孔2212を割愛してもよい。このように変更する場合、軸制動装置50の窓50aを蓋部材58により覆ってから軸制動装置50を第1シリンダチューブ221に収容してもよい。なお、蓋部材58を第1シリンダチューブ221に収容する構成とする場合、蓋部材58をスライド移動できるように構成することが好ましい。これによれば、蓋部材58を第1シリンダチューブ221から取り外さなくてもよくなるため、メンテナンス性が向上する。
【0173】
・アーム型助力装置100において、第1アーム201は水平方向へ旋回できなくてもよい。第1アーム201は少なくとも上下方向に揺動できればよい。同様に、第2アーム302も水平方向に旋回できなくてもよく、少なくとも上下方向に揺動できればよい。
【0174】
・操作部610が水平方向に旋回しない構成としてもよい。
・アーム型助力装置100において、第3アーム403を割愛してもよい。このように変更する場合、第2アーム302の第2筒部322に操作部610及び荷保持部620を設けてもよい。
【0175】
・アーム型助力装置100は、第2アーム302及び第3アーム403の構成を割愛し、第1アーム201、第1支持部101、及び第2支持部102を備える構成であってもよい。また、第1アーム201の構成を複数組み合わせたアーム型助力装置100であってもよい。
【0176】
・端壁51aのうちボルトB2が設けられている面を、追加部品を第1アーム201の内部に配置するためのブラケット部品の取り付け位置として利用できる。この場合、第1シリンダチューブ221の一端は、端壁51aの位置まで短くするとよい。
【0177】
・軸制動装置50は、アーム型助力装置100に適用しなくてもよい。軸制動装置50が適用される第1エアシリンダ220がアーム型助力装置100以外の装置に適用されてもよい。
【0178】
・本実施形態の第1エアシリンダ220は、単動シリンダである。仮に、第1エアシリンダ220を複動シリンダとして使用する場合には、第1ピストン222を挟んで第1ピストン室S1とは反対側に新たにピストン室を追加する必要がある。更に、追加するピストン室に連通するエアポートも追加する必要がある。この場合、軸制動装置50の第2ハウジング52の第2端面53b側を追加するピストン室を区画するための壁部として利用できる。また、第2ハウジング52の第2端面53b側に、新たなエアポートを追加してもよい。よって、第1エアシリンダ220を複動シリンダとして使用する場合にピストン室及びエアポートを構成するための部材を追加する必要がない。ひいては、第1エアシリンダ220を構成するための部品点数を削減できる。
【0179】
・軸制動装置50は、蓋部材58を割愛してもよい。軸制動装置50が第1シリンダチューブ221に収容される構成とすれば防音効果が得られる。
・軸制動装置50の窓50aを割愛してもよい。すなわち、第1ハウジング51及び第2ハウジング52の内部に、第1制動部材60の第2端及び第2制動部材70の第2端が収容されるように変更してもよい。
【0180】
・緩衝部材90を溝75に取り付けたとき、隙間Gは割愛されてもよい。
・緩衝部材90の嵌着部92は割愛してもよい。このように変更する場合、第1溝76を割愛し、第2溝77により溝75を構成するとよい。
【0181】
・第1曲面91e、第2曲面91f、一対の上面92dが仮想面Lに滑らかに連続していなくてもよい。
・溝75を第1制動部材60に設け、且つ第1制動部材60に緩衝部材90を取り付ける構成としてもよい。この場合、第1制動部材60が取付制動部材の一例であり、第2制動部材70が非取付制動部材の一例である。
【0182】
・溝75に取り付けられる緩衝部材90の形状は、適宜変更してもよい。
・溝75を割愛し、緩衝部材90を第2制動部材70の第2面72に設けるようにしてもよい。同様に、緩衝部材90を第1制動部材60の第1面61に設けるようにしてもよい。このように変更すれば、軸制動装置50がロック解除状態となったとき、第1制動部材60と第2制動部材70との間に緩衝部材90全体が挟み込まれる。よって、本実施形態と本変更例によれば、第1制動部材60と第2制動部材70との間には、緩衝部材90の少なくとも一部が設けられていればよい。
【0183】
・ばね80は、ゴム部材に代替してもよい。当該ゴム部材が第1制動部材60と第2制動部材70とを離間させる付勢力を発生させる弾性力を有していればよい。
・軸制動装置50は、ピン57やねじ部材B3を割愛してもよい。軸制動装置50は、第1シリンダチューブ221の内周面に圧入するように変更するとよい。
【0184】
<付記>
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
前記端面と前記連続面とは少なくとも面一となるように滑らかに連続していることを特徴とする軸制動装置。
【符号の説明】
【0185】
50…軸制動装置、50a…窓、51…第1ハウジング、52…第2ハウジング、53…周壁部材、53d…貫通孔、56…押圧部材、57…ピン、58…蓋部材、60…第1制動部材、70…第2制動部材、72…第2面、73…第2上端面、75…溝、80…ばね、90…緩衝部材、91…本体部、91e…第1曲面、91f…第2曲面、92…嵌着部、92d…上面、93…把持部、94…緩衝部、100…アーム型助力装置、101…第1支持部、102…第2支持部、201…第1アーム、201a…基端部、201b…先端部、210…第1部材、211…基端部、212…先端部、220…第1エアシリンダ、221…第1シリンダチューブ、2212…貫通孔、223…作動ロッド、2231…基端部、2232…先端部、230…リンク部材、231…基端部、232…先端部、240…第2部材、241…基端部、242…先端部、R…エア導入室、B3…ねじ、L…仮想面。