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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/00 20060101AFI20231207BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20231207BHJP
   G02B 1/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G02B3/00 Z ZNM
G02B3/08
G02B1/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021181040
(22)【出願日】2021-11-05
(65)【公開番号】P2022180278
(43)【公開日】2022-12-06
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】17/328,681
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】林 國峰
(72)【発明者】
【氏名】曾 雨平
(72)【発明者】
【氏名】謝 錦全
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-071727(JP,A)
【文献】特開2019-086765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0299337(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/00 - 1/08
3/00 - 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央領域、前記中央領域を囲む第1のタイプの領域、および前記中央領域と前記第1のタイプの領域との間の第2のタイプの領域を有する光学装置であって、
前記第1のタイプの領域は、第1のサブ領域、および前記中央領域と前記第1のサブ領域との間にある第2のサブ領域を含み、
前記第2のタイプの領域は、複数の第3のサブ領域を含み、
前記光学装置は、基板、前記基板上に配置されたメタ構造、前記メタ構造上に配置された反射防止層、および前記基板と前記反射防止層との間に配置された保護層を含み、
前記メタ構造は、前記第1のサブ領域の複数の第1のピラー、前記第2のサブ領域の複数の第2のピラー、および各前記複数の第3のサブ領域の複数の第3のピラーを含み、
前記光学装置の径方向に沿った前記光学装置の断面図では、前記複数の第1のピラーの隣接する2つは第1のピッチを有し、前記複数の第2のピラーの隣接する2つは第2のピッチを有し、前記第2のピッチは前記第1のピッチより大きく、前記径方向に沿った半径上では、前記複数の第1のピラーの数は前記複数の第2のピラーの数と同じであり、前記複数の第1のピラーの数および前記複数の第2のピラーの数はそれぞれ4つ以上であり、
各前記複数の第3のピラーの高さは、各前記複数の第1のピラーおよび各前記複数の第2のピラーの高さより低く、且つ前記第2のタイプの領域に垂直に入射した光は、前記第2のタイプの領域を通過した後、前記第2のタイプの領域の法線から15度以下のずれを生じる光学装置。
【請求項2】
前記光学装置の径方向に沿った前記光学装置の断面図において、前記第1のサブ領域は第1の領域幅を有し、前記第2のサブ領域は第2の領域幅を有し、前記第2の領域幅は前記第1の領域幅より大きい請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記光学装置の前記径方向に沿った前記光学装置の断面図において、前記複数の第1のピラーは異なる幅を有し、前記複数の第2のピラーは異なる幅を有し、前記複数の第1のピラーは、第1の所定のピラー、および前記第1の所定のピラーに隣接する第2の所定のピラーを含み、前記第1の所定のピラーは、前記第2の所定のピラーより前記第2のサブ領域に近く、前記第1の所定のピラーの幅は、前記第2の所定のピラーの幅より大きく、前記複数の第2のピラーは、前記第1の所定のピラーに対応する第3の所定のピラー、および前記第2の所定のピラーに対応する第4の所定のピラーを含み、前記第3の所定のピラーの幅は、前記第4の所定のピラーの幅より大きく、前記第3の所定のピラーの幅は、前記第1の所定のピラーの幅より大きい請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記光学装置の前記径方向に沿った前記光学装置の断面図において、前記複数の第1のピラーは異なる幅を有し、前記複数の第2のピラーは異なる幅を有し、前記複数の第1のピラーは、第1の所定のピラー、および前記第1の所定のピラーに隣接する第2の所定のピラーを含み、前記第1の所定のピラーは、前記第2の所定のピラーより前記第2のサブ領域に近く、前記第1の所定のピラーの幅は、前記第2の所定のピラーの幅より大きく、前記複数の第2のピラーは、前記第1の所定のピラーに対応する第3の所定のピラー、および前記第2の所定のピラーに対応する第4の所定のピラーを含み、前記第3の所定のピラーの幅は、前記第4の所定のピラーの幅より大きく、前記第4の所定のピラーの幅は、前記第2の所定のピラーの幅より大きい請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記光学装置の前記径方向に沿った前記光学装置の断面図において、各前記複数の第3のサブ領域の前記複数の第3のピラーの数は、前記複数の第1のピラーの数より多く、前記複数の第2のピラーの数より多い請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記光学装置の前記径方向に沿った前記光学装置の断面図において、各前記複数の第3のサブ領域の前記複数の第3のピラーは、異なる幅を有する請求項1に記載の光学装置。
【請求項7】
前記光学装置の前記径方向に沿った前記光学装置の断面図において、前記複数の第3のピラーの最大幅は、前記複数の第1のピラーの最大幅より大きい請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
前記メタ構造に隣接して配置されたフレネルレンズをさらに含み、前記フレネルレンズは前記中央領域に配置される請求項1に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置に関するものであり、特に、異なるピッチを有するメタ構造を含む光学装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、カラーフィルター、集束レンズ、ビームスプリッターなどの従来の光学レンズは、特定の機能を提供するために一緒に組み合わせられる必要がある。さらに、色彩効果(フルカラーイメージングアプリケーションでのパフォーマンスを低下させる)を除去するために、設計者は反対の分散を持つ複数のレンズを一緒に統合する必要がある。これらの従来の光学レンズは、それらを用いる最終装置をかさばらせる可能性がある。
【0003】
近年、メタレンズと呼ばれる集束効果のある薄型レンズが開発されている。メタレンズは、高屈折率材料を用いて光位相を変化させるナノ構造を有する。この構造は、従来の光学レンズの体積と重量を大幅に改善する。
【0004】
しかしながら、既存のメタレンズは、全ての点で満足できるものではない。例えば、一般的なメタレンズ構造は、全ての領域(例えば、エッジまたは周辺領域)で一定の(または固定された)ピッチサイズのピラーを有する。これは、集光効率の低下を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
異なるピッチを有するメタ構造を含む光学装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
メタレンズでは、特定の領域のスキームは、ピラーの数、プロセスの制限(間隔)、スケーリングファクターなどによって、光の特定の偏向角に対して定義される。本開示の実施形態によれば、異なるピッチを有するメタ構造を含む光学装置が提供されて、集光効率が高められることができるようになる。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、光学装置を含む。光学装置は、中央領域、および中央領域を囲む第1のタイプの領域を有する。第1のタイプの領域は、第1のサブ領域、および中央領域と第1のサブ領域との間にある第2のサブ領域を含む。光学装置は、基板を含む。光学装置は、基板上に配置されたメタ構造も含む。メタ構造は、第1のサブ領域の複数の第1のピラーと、第2のサブ領域の複数の第2のピラーを含む。光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図では、2つの隣接する第1のピラーは第1のピッチを有し、2つの隣接する第2のピラーは第2のピッチを有し、第2のピッチは第1のピッチより大きい。
【0008】
いくつかの実施形態では、光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図において、複数の第1のピラーの数は、複数の第2のピラーの数と同じである。
【0009】
いくつかの実施形態では、光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図において、第1のサブ領域は第1の領域幅を有し、第2のサブ領域は第2の領域幅を有し、第2の領域幅は第1の領域幅より大きい。
【0010】
いくつかの実施形態では、光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図において、複数の第1のピラーは異なる幅を有し、複数の第2のピラーは異なる幅を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数の第1のピラーは、第1の特定のピラー、および第1の特定のピラーに隣接する第2の特定のピラーを含み、第1の特定のピラーは、第2の特定のピラーより第2のサブ領域に近く、第1の特定のピラーの幅は、第2の特定のピラーの幅より大きい。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の第2のピラーは、第1の特定のピラーに対応する第3の特定のピラー、および第2の特定のピラーに対応する第4の特定のピラーを含み、第3の特定のピラーの幅は、第4の特定のピラーの幅より大きい。
【0013】
いくつかの実施形態では、第3の特定のピラーの幅は、第1の特定のピラーの幅より大きい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第4の特定のピラーの幅は、第2の特定のピラーの幅より大きい。
【0015】
いくつかの実施形態では、光学装置は、中央領域と第1のタイプの領域との間に第2のタイプの領域をさらに有し、第2のタイプの領域は、複数の第3のサブ領域を含む。メタ構造は、各複数の第3のサブ領域に複数の第3のピラーをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図において、各複数の第3のサブ領域の第3のピラーの数は、第1のピラーの数および第2のピラーの数より多い。
【0017】
いくつかの実施形態では、光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図において、各複数の第3のサブ領域の複数の第3のピラーは、異なる幅を有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図において、複数の第3のピラーの最大幅は、複数の第1のピラーの最大幅より大きい。
【0019】
いくつかの実施形態では、各第3のピラーの高さは、各第1のピラーおよび各第2のピラーの高さより低い。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2のタイプの領域に垂直に入射した光は、第2のタイプの領域を通過した後、光学装置の法線から15度以下のずれを生じる。
【0021】
いくつかの実施形態では、光学装置の径方向に沿った光学装置の断面図において、第1のピラーの数および第2のピラーの数は4つ以上である。
【0022】
いくつかの実施形態では、光学装置は、メタ構造に隣接して配置されたフレネルレンズをさらに含み、フレネルレンズは中央領域に配置される。
【0023】
いくつかの実施形態では、光学装置は、メタ構造上に配置された反射防止層をさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、光学装置は、基板と反射防止層との間に配置された保護層をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の実施形態の態様は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明から、より完全に理解することができる。業界の標準的な慣行に従って、さまざまな特徴が縮尺どおりに描かれていない。実際、さまざまな特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に拡大または縮小されている。
図1図1は、本開示の一実施形態による光学装置を示す部分上面図である。
図2図2は、線A-A’に沿った光学装置の部分断面図である。
図3図3は、線A-A”に沿った光学装置の部分断面図である。
図4図4は、本開示のもう1つの実施形態による光学装置を示す部分断面図である。
図5図5は、本開示のもう1つの実施形態による光学装置を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。また、本開示は、複数の例において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0027】
追加のステップが、例示された方法の前、間、または後に実施されてもよく、例示された方法のその他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるか、または省略されてもよい。
【0028】
さらに、(以下の詳細な説明において)、「下の方」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と、別の(複数の)要素と(複数の)特徴との関係を記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0029】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、記載されている値の+/-20%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-10%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-5%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-3%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-2%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、記載されている値の+/-0.5%を意味する。本開示の記載値は概算値である。
【0030】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0031】
また、本開示は、以下の実施形態において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0032】
図1は、本開示の一実施形態による光学装置100を示す部分上面図である。図2は、線A-A’に沿った光学装置100の部分断面図である。図3は、線A-A”に沿った光学装置100の部分断面図である。簡潔にするために、光学装置100のいくつかの構成要素は、図1図2、および図3では省略され得ることに留意されたい。
【0033】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、光学装置100は、中央領域C、および中央領域を囲む第1のタイプの領域T1を有する(または分割することができる)。例えば、第1のタイプの領域T1は、光学装置100のエッジ(周辺)領域に配置され得る。いくつかの実施形態では、光学装置100の上面図は円形である。例えば、光学装置100の直径は、約10μm~約3000μmの範囲であり得るが、本開示はそれに限定されない。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの領域T1は、複数のサブ領域を含む。例えば、図2に示されるように、第1のタイプの領域T1は、サブ領域T11、中央領域Cとサブ領域T11との間のサブ領域T12、および中央領域Cとサブ領域T12との間のサブ領域T13を含み得るが、本開示はそれに限定されない。第1のタイプの領域T1のサブ領域の数は、例えば、60以上であることができ、これは、実際のニーズまたはプロセスの制限に従って決定されることができる。
【0035】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、光学装置100は、基板10を含む。例えば、基板10は、酸化ケイ素(SiO)、約1.5の屈折率を有するポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルペンテン(PMP))、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。あるいは、基板10は、半導体オン絶縁体(SOI)基板であってもよい。
【0036】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、光学装置100は、基板10上に配置されたメタ構造20を含む。いくつかの実施形態では、メタ構造20は、サブ領域T11に複数のピラー211、およびサブ領域T12に複数のピラー212を含む。例えば、各ピラー211または各ピラー212は、単結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコン、Si、GaP、TiO、AlSb、AlAs、AlGaAs、AlGaInP、BP、ZnGeP、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。
【0037】
光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図2に示された光学装置100の断面図)では、同じサブ領域内のピラーは、同じピッチを有し得る。例えば、図2に示すように、サブ領域T11のピラー211は、P11のピッチを有することができ、サブ領域T12のピラー212は、P12のピッチを有することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、2つの隣接するピラー211(例えば、ピラー211-1およびピラー211-2)はP11のピッチを有し、2つの隣接するピラー212(例えば、ピラー212-1およびピラー212-2)は、P12のピッチを有し、ピッチP12はピッチP11より大きい。ここでは、ピッチP11は、1つのピラー211の中心軸から隣接するピラー211の中心軸までの距離として定義されることができる。同様に、ピッチP12は、1つのピラー212の中心軸から隣接するピラー212の中心軸までの距離として定義されることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図2に示された光学装置100の断面図)において、第1のタイプの領域T1の各サブ領域のピラーの数は同じである。例えば、図2に示されるように、サブ領域T11には4つのピラー211があり、サブ領域T12には4つのピラー212があるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの他の実施形態では、サブ領域T11に4つ以上のピラー211があってもよく、サブ領域T12に4つ以上のピラー212があってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図2に示された光学装置100の断面図)において、サブ領域T11は、領域幅W11を有し、サブ領域T12は、領域幅W12を有し、領域幅W12は、領域幅W11より大きい。いくつかの実施形態では、ピッチP11およびピッチP12は、サブ領域T11の領域幅W11およびサブ領域T12の領域幅W12に従ってそれぞれ決定される。サブ領域T11の領域幅W11およびサブ領域T12の領域幅W12は、光の特定の偏向角に対して定義され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図2に示された光学装置100の断面図)において、サブ領域T11のピラー211は異なる幅を有し、サブ領域T12のピラー212は異なる幅を有する。例えば、ピラー211およびピラー212の上面は円形を有してもよく、円形の直径は変えてもよい。円形の直径は、約0.15μm~約0.30μmの範囲で変わり得るが、本開示はそれに限定されない。
【0042】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、ピラー211-1は、ピラー211-2よりもサブ領域T12に近く、ピラー211-1の幅D111は、ピラー211-2の幅D112より大きい。さらに、ピラー211-2は、ピラー211-4よりサブ領域T12に近く、ピラー211-2の幅D112は、ピラー211-4の幅より大きい(図2では注釈が付けられていない)。即ち、ピラー211が中央領域C(またはサブ領域T12)に近いほど、その幅は大きくなる。
【0043】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、サブ領域T12のピラー212-1は、サブ領域T11のピラー211-1に対応し、サブ領域T12のピラー212-2は、サブ領域T11のピラー211-2に対応し、ピラー212-1の幅D121は、ピラー212-2の幅D122より大きい。同様に、ピラー212が中央領域C(またはサブ領域T13)に近いほど、その幅は大きくなる。
【0044】
いくつかの実施形態では、サブ領域T11のピラー211の幅は、サブ領域T12の対応するピラー212の幅より大きい。例えば、図2に示されるように、サブ領域T11のピラー211-1の幅D111は、サブ領域T12のピラー212-1の幅D121より大きくてもよく、サブ領域T11のピラー211-2の幅D112は、サブ領域T12のピラー212-2の幅D122より大きくてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0045】
いくつかの実施形態では、メタ構造20は、サブ領域T13に複数のピラー213をさらに含む。各ピラー213は、ピラー211またはピラー212と同じまたは類似の材料を含み得る。また、図2に示されるように、サブ領域T13のピラー213は、P13のピッチを有し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、2つの隣接するピラー213(例えば、ピラー213-1およびピラー213-2)は、P13のピッチを有し、ピッチP13は、ピッチP12より大きい。ここでは、ピッチP13は、1つのピラー213の中心軸から隣接するピラー213の中心軸までの距離として定義されることができる。同様に、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図2に示された光学装置100の断面図)では、サブ領域T13に4つのピラー213があるが、本開示はそれに限定されない。
【0047】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図2に示された光学装置100の断面図)において、サブ領域T13は、W13の領域幅を有し、領域幅W13は、領域幅W12より大きい。
【0048】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図2に示された光学装置100の断面図)において、サブ領域T13のピラー213は異なる幅を有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、図2に示されるように、サブ領域T13のピラー213-1は、サブ領域T12のピラー212-1(またはサブ領域T11のピラー211-1)に対応し、サブ領域T13のピラー213-2は、サブ領域T12のピラー212-2(またはサブ領域T11のピラー211-2)に対応し、ピラー213-1の幅D131は、ピラー213-2の幅D132より大きい。即ち、ピラー213が中央領域Cに近いほど、その幅は大きくなる。
【0050】
いくつかの実施形態では、サブ領域T12のピラー212の幅は、サブ領域T13の対応するピラー213の幅より大きい。例えば、図2に示されるように、サブ領域T12のピラー212-1の幅D121は、サブ領域T13のピラー213-1の幅D131より大きくてもよく、サブ領域T12のピラー212-2の幅D122は、サブ領域T13のピラー213-2の幅D132より大きくてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0051】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、光学装置100は、基板10上に配置された保護層30、およびメタ構造20を保護するためのメタ構造20をさらに含む。より詳細には、図2に示すように、保護層30は、メタ構造20のピラー211、ピラー212、およびピラー213上およびそれらの間に配置することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0052】
いくつかの実施形態では、保護層30の屈折率は、メタ構造20のピラー211、ピラー212、およびピラー213の屈折率より小さくてもよい。例えば、保護層30の屈折率は、約1.2~約1.7の間であることができ、保護層30は、有機材料(例えば、PMMA、PDMS、PMP)、SiO、MgO、Al、GeO、BeO、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれに限定されない。
【0053】
いくつかの他の実施形態では、保護層30の屈折率は、メタ構造20のピラー211、ピラー212、およびピラー213の屈折率より大きくてもよい。例えば、保護層30の屈折率は、約2.0~約5.2の間であることができ、保護層30は、SiN、TiO、SiH、GaN、HfO、GaP、InP、GaSe、PbTe、PbSe、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
【0054】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、光学装置100は、中央領域Cと第1のタイプの領域T1との間に第2のタイプの領域T2も有する。例えば、第2のタイプの領域T2は、光学装置100のエッジ(周囲)領域に配置され、第1のタイプの領域T1に隣接し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、第2のタイプの領域T2は、複数のサブ領域を含む。例えば、図3に示されるように、第2のタイプの領域T2は、サブ領域T21と、中央領域Cとサブ領域T21との間に、サブ領域T22を含み得るが、本開示はそれに限定されない。第2のタイプの領域T2のサブ領域の数は、例えば、約60であることができ、これは、実際のニーズまたはプロセスの制限に従って決定されることができる。
【0056】
図3に示すように、いくつかの実施形態では、メタ構造20は、サブ領域T21の複数のピラー221、およびサブ領域T22の複数のピラー222をさらに含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、2つの隣接するピラー221(例えば、ピラー221-1およびピラー221-2)は、P21のピッチを有し、2つの隣接するピラー222(例えば、ピラー222-1およびピラー222-2)は、P22のピッチを有し、ピッチP22はピッチP21より大きい。ここでは、ピッチP21は、1つのピラー221の中心軸から隣接するピラー221の中心軸までの距離として定義されることができる。同様に、ピッチP22は、1つのピラー222の中心軸から隣接するピラー222の中心軸までの距離として定義されることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図3に示された光学装置100の断面図)において、第2のタイプの領域T2の各サブ領域は、同じ数のピラーを有する。さらに、いくつかの実施形態では、第2のタイプの領域T2の各サブ領域のピラーの数は、第1のタイプの領域T1の各サブ領域のピラーの数より多い。例えば、図3に示されるように、サブ領域T21には5つのピラー221があり、サブ領域T22には5つのピラー222があるが、本開示はそれらに限定されない。
【0059】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図3に示された光学装置100の断面図)において、サブ領域T21は、W21の領域幅を有し、サブ領域T22は、W22の領域幅を有し、領域幅W22は、W21の領域幅より大きい。
【0060】
いくつかの実施形態では、光学装置100の径方向Rに沿った光学装置100の断面図(例えば、図3に示された光学装置100の断面図)において、サブ領域T21のピラー221は異なる幅を有し、サブ領域T22のピラー222は異なる幅を有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、図3に示されるように、ピラー221-1は、ピラー221-2よりサブ領域T22に近く、ピラー221-1の幅D211は、ピラー221-2の幅D212より大きい。即ち、ピラー221が中央領域C(またはサブ領域T22)に近いほど、その幅は大きくなる。
【0062】
いくつかの実施形態では、図3に示されるように、サブ領域T22のピラー222-1は、サブ領域T21のピラー221-1に対応し、サブ領域T22のピラー222-2は、サブ領域T21のピラー221-2に対応し、ピラー222-1の幅D221は、ピラー222-2の幅D222より大きい。同様に、ピラー222が中央領域Cに近いほど、その幅は大きくなる。
【0063】
いくつかの実施形態では、サブ領域T21のピラー221の幅は、サブ領域T22の対応するピラー222の幅より大きい。例えば、図3に示されるように、サブ領域T21のピラー221-1の幅D211は、サブ領域T22のピラー222-1の幅D221よりも大きくてもよく、サブ領域T21のピラー221-2の幅D212は、サブ領域T22のピラー222-2の幅D222より大きくてもよいが、本開示はそれに限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、図3に示されたピラー221-1の幅D211は、図2に示されたピラー211-1の幅D111より大きい。即ち、ピラー221の最大幅は、ピラー211の最大幅より大きい。
【0064】
同様に、図3に示されるように、保護層30は、メタ構造20のピラー221とピラー222上、およびそれらの間に配置されることができるが、本開示はそれらに限定されない。
【0065】
本開示の実施形態では、異なるサブ領域の異なるピッチ、異なるサブ領域の領域幅、または第1のタイプの領域T1および第2のタイプの領域T2の各サブ領域のピラーの異なる幅は、光の特定の偏向角に対して定義されることができ、光学装置の集光効率が効果的に高められることができるようになる。
【0066】
図4は、本開示のもう1つの実施形態による光学装置102を示す部分断面図である。光学装置102の上面図は、図1に示された光学装置100と同様であり得る。即ち、図4は、線A-A’に沿った光学装置の部分断面図であり得るが、本開示はそれに限定されない。同様に、光学装置102のいくつかの構成要素は、簡潔にするために、図4では省略され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、光学装置102は、基板10を含む。光学装置102は、基板10上に配置されたメタ構造20も含む。メタ構造20は、サブ領域T11にピラー211、サブ領域T12にピラー212、およびサブ領域T13にピラー213を含む。光学素子102の径方向に沿った光学装置102の断面図(例えば、図4に示された光学装置102の断面図)では、2つの隣接するピラー211はP11のピッチを有し、2つの隣接するピラー212はP12のピッチを有し、2つの隣接するピラー213はP13のピッチを有し、ピッチP13はピッチP12より大きく、ピッチP12はピッチP11より大きい。
【0068】
図4に示すように、いくつかの実施形態では、光学装置102は、メタ構造20上に配置された反射防止層40をさらに含む。例えば、反射防止層40は、反射防止コーティング(ARC)、マルチフィルム、または格子層を含み得るが、本開示はそれらに限定されない。
【0069】
いくつかの実施形態では、図4に示されるように、光学装置102は、基板10と反射防止層40との間に配置された保護層30をさらに含んで、メタ構造20を保護する。より詳細には、反射防止層40は、保護層30(例えば、ポリマー)と空気との界面の透過を改善することができる。
【0070】
図5は、本開示のもう1つの実施形態による光学装置104を示す部分断面図である。光学装置104の上面図は、図1に示された光学装置100と同様であり得る。即ち、図5は、線A-A’に沿った光学装置の部分断面図であり得るが、本開示はそれらに限定されない。同様に、光学装置104のいくつかの構成要素は、簡潔にするために、図5では省略され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、第2のタイプの領域T2の各ピラーの高さは、第1のタイプの領域T1の各ピラーの高さより低い。例えば、図5に示されるように、第2のタイプの領域T2のサブ領域T21における各ピラー221’の高さH2は、第1のタイプの領域T1のサブ領域T11における各ピラー211およびサブ領域T12の各ピラー212の高さH1より低くてもよいが、本開示はそれらに限定されない。例えば、第1のタイプの領域T1のサブ領域T11の各ピラー211およびサブ領域T12の各ピラー212の高さH1は、約0.5μm~約1.0μmの範囲であり得るが、本開示はそれに限定されない。
【0072】
図5に示すように、いくつかの実施形態では、第2のタイプの領域T2(例えば、サブ領域T21)に垂直に入射した光Lは、第2のタイプの領域T2を通過した後、光学装置104の法線Nから15度以下のずれを生じる。即ち、出射光L’と光学装置104の法線Nとの間の夾角θは、0度~約15度の範囲であり得るが、本開示はそれに限定されない。
【0073】
前述の実施形態では、メタ構造は、中央領域C(図示せず)に複数のピラーを含むことができるが、本開示はそれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、フレネルレンズがメタ構造20に隣接して配置され、フレネルレンズは中央領域Cに配置される。
【0074】
要約すると、本開示の実施形態では、異なるサブ領域の異なるピッチ、異なるサブ領域の領域幅、または第1のタイプの領域T1および第2のタイプの領域T2の各サブ領域のピラーの異なる幅は、光の特定の偏向角に対して定義されることができ、光学装置の集光効率が効果的に高められることができるようになる。
【0075】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は請求項を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0076】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の説明は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0077】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0078】
100、102、104 光学装置
10 基板
20 メタ構造
211、211-1、211-2、211-4、212、212-1、212-2、213、213-1、213-2、221、221’,222、221-1、221-2、222-1、222-2 ピラー
30 保護層
40 反射防止層
A-A’、A-A” 線
C 中央領域
D111、D112、D121、D122、D131、D132、D211、D212、D221、D222 幅
H1、H2 高さ
L 光
L’ 出射光
N 法線
P11、P12、P13、P21、P22 ピッチ
R 径方向
T1 第1のタイプの領域
T11、T12、T13 サブ領域
T2 第1のタイプの領域
T21、T22 サブ領域
W11、W12、W13、W21、W22 領域幅
X、Y、Z 座標軸
θ 夾角
図1
図2
図3
図4
図5