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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】放熱システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20231207BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20231207BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20231207BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H05K7/20 Q
G06F1/20 A
G06F1/20 C
H01L23/46 A
F28D15/02 M
F28D15/02 E
F28D15/02 101L
F28D15/02 102C
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021214763
(22)【出願日】2021-12-28
(65)【公開番号】P2023024240
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】63/229,354
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウェンホワ
(72)【発明者】
【氏名】ウ シークオ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン チーヤン
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-128598(JP,A)
【文献】実開昭63-132497(JP,U)
【文献】特開平3-229493(JP,A)
【文献】特開2018-88433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G06F 1/20
H01L 23/427
F28D 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの熱源を冷却するように構成された放熱システムであって、
気密空間を有する浸漬槽を有し、前記気密空間の一部が液体貯蔵部と液気共存部とに分割されて冷却流体を貯蔵するように構成され、前記液体貯蔵部は前記冷却流体と前記少なくとも1つの熱源とを貯蔵するように構成され、前記液気共存部は前記冷却流体の自由面の上方に位置するように構成され、
少なくとも1つの伝達チャンバと、少なくとも1つの配管と、複数の内部フィンと、複数の外部フィンとを備えるラジエータを有し、前記少なくとも1つの配管は、前記少なくとも1つの伝達チャンバと前記少なくとも1つの配管が循環流路を形成するように、前記少なくとも1つの伝達チャンバに接続され、前記少なくとも1つの配管の一部が前記液気共存部に位置し、前記少なくとも1つの配管の他の一部が前記気密空間の外側に位置し、前記複数の内部フィンは液気共存部に位置し、前記少なくとも1つの配管に熱的に結合され、前記複数の外部フィンは前記気密空間の外側に位置し、前記少なくとも1つの配管に熱的に結合され、
前記少なくとも1つの伝達チャンバの配管径は、前記少なくとも1つの配管の配管径よりも大きいことを特徴とする放熱システム。
【請求項2】
前記複数の内部フィンのうちの任意の隣接する2つの内部フィン間の間隔は前記複数の外部フィンのうちの任意の隣接する2つの外部フィン間の間隔よりも大きい、請求項1に記載の放熱システム。
【請求項3】
前記液気共存部に位置するプレートを更に備え、前記プレートは前記複数の内部フィンに隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の放熱システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの伝達チャンバは、第1の伝達チャンバ、第2の伝達チャンバ、第3の伝達チャンバおよび第4の伝達チャンバを備え、前記少なくとも1つの配管は第1の配管、第2の配管、第3の配管および第4の配管を備え、前記第1の配管は前記第1の伝達チャンバおよび前記第2の伝達チャンバに接続され、前記第2の配管は前記第2の伝達チャンバおよび前記第3の伝達チャンバに接続され、前記第3の配管は前記第3の伝達チャンバおよび前記第4の伝達チャンバに接続され、前記第4の配管は前記第4の伝達チャンバおよび前記第1の伝達チャンバに接続される、請求項1に記載の放熱システム。
【請求項5】
前記第1の配管の配管径は、前記第3の配管の配管径よりも大きい、請求項4に記載の放熱システム。
【請求項6】
前記気密空間の外側に位置し、前記少なくとも1つの配管上に配置される気流生成装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の放熱システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの配管の数量は複数であり、前記配管は前記少なくとも1つの伝達チャンバに接続される、請求項1に記載の放熱システム。
【請求項8】
前記配管の少なくとも2つの配管の配管径は互いに異なっている、請求項7に記載の放熱システム。
【請求項9】
前記配管の配管径は同じである、請求項7に記載の放熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放熱のために冷却流体の2つの相の間の変化を使用する放熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サーバ用の従来の液浸放熱システムは、基本的に浸漬槽本体、中間熱交換器、循環水ポンプおよび環境冷却装置から構成される。サーバホストは、絶縁された作動流体に直接浸漬される。マザーボード上のチップにより発生した熱は作動流体に伝導され、その後、作動流体により受け取られた熱は、冷却分配ユニットおよびポンプを介して外部の水冷装置に伝達され、次いで、その熱は外部の水冷装置により環境に放散される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の液浸放熱システムは、冷却分配ユニットとポンプを含む必要があるため、システム全体の消費電力が増大し、システム全体の構造体がより複雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は総電力使用量を低減することができ、かつ簡素化された構造体を有する放熱システムを提供する。
【0005】
本開示の一実施形態は、少なくとも1つの熱源を冷却するように構成された放熱システムを提供する。放熱システムは、浸漬槽(immersion tank)およびラジエータ(radiator)を含む。浸漬槽には気密空間(airtight space)がある。気密空間の一部は冷却流体を貯蔵するように構成され、気密空間は液体貯蔵部(liquid storage part)と液気共存部(liquid-gas coexistence part)に分けられている。液体貯蔵部は冷却流体と少なくとも1つの熱源とを貯蔵するように構成され、液気共存部は冷却流体の自由面(free surface)の上方に位置するように構成されている。ラジエータは、少なくとも1つの伝達チャンバ(communication chamber)と、少なくとも1つの配管と、複数の内部フィンと、複数の外部フィンとを含む。少なくとも1つの配管は少なくとも1つの伝達チャンバに接続され、少なくとも1つの伝達チャンバおよび少なくとも1つの配管は共に循環チャンネル(circulation channel)を形成する。少なくとも1つの配管の一部は液気共存部に位置し、少なくとも1つの配管の他の一部は気密空間の外側に位置する。複数の内部フィンは液気体共存部に位置し、少なくとも1つの配管に熱的に結合され、複数の外部フィンは気密空間の外側に位置し、少なくとも1つの配管に熱的に結合される。さらに、少なくとも1つの伝達チャンバの配管径は、少なくとも1つの配管の配管径よりも大きい。
【0006】
以上のような放熱システムによれば、浸漬槽内に伝達チャンバを有するラジエータの一部を設け、浸漬槽外にラジエータの他の一部を設けることで、放熱システムに冷却分配部やポンプを設ける必要がなくなる。そのため、電力使用量を削減でき、装置の構造体が簡単になる。さらに、放熱システムの電力使用有効性を1.3から1.1未満に最適化し、単位体積あたりの伝熱容量を40%大幅に増加させることで、放熱システムのサイズと製造コストを低減している。
【0007】
さらに、伝達チャンバの配管径は配管の配管径よりも大きく、熱は温度の変化を引き起こすので、水平に置いてもラジエータは依然として機能する。すなわち、ラジエータがマイナス90度の位置に配置されていても(すなわち、熱吸収側が放熱側の上方に位置していても)、ラジエータは依然として動作し、それによって、より広範囲の用途を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は以下に与えられる詳細な説明および添付の図面からより完全に理解され、これらは、単に例示として与えられるものであり、したがって、本開示を限定するものではない。
【0009】
図1】本開示の第1の実施形態による放熱システムおよび熱源の概略図である。
図2図1の放熱システムのラジエータの斜視図である。
図3】本開示の第2の実施形態による放熱システムおよび熱源の概略図である。
図4図3の放熱システムのラジエータの斜視図である。
図5】本開示の第3の実施形態による放熱システムおよび熱源の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および図2を参照されたい。図1は、本開示の第1の実施形態による放熱システム10および熱源の概略図である。図2は、図1の放熱システム10のラジエータ200の斜視図である。
【0011】
この実施形態において、放熱システム10は、例えば、少なくとも1つの熱源を冷却するように構成された液浸放熱システムである。例えば、放熱システム10に蓄えられた冷却流体L1がある。冷却流体L1は電気的に絶縁されており、熱源は冷却流体(cooling fluid)L1に浸漬されており、冷却流体L1の二相冷却循環(two-phase cooling circulation)によって熱源を冷却することができる。この実施形態では熱源は例えば、サーバであるが、これに限定されない。
【0012】
放熱システム10は、浸漬槽100およびラジエータ200を含む。浸漬槽100は、底板110と、複数の側板120、130と、天板140とを含む。底板110と、側板120、130と、天板140とは互いに連結されて気密空間Sを取り囲んでおり、気密空間Sの一部は液体貯蔵部S1と液気共存部S2とに分けられて冷却流体L1を貯蔵するように構成されている。また、貯液部S1は冷却流体L1と熱源とを貯蔵する構成とされ、液気共存部S2は冷却流体L1の自由面Xよりも上方に位置する構成とされている。
【0013】
ラジエータ200は、伝達チャンバ210と、複数の配管220と、複数の内部フィン230と、複数の外部フィン240とを含む。
【0014】
配管220は、伝達チャンバ210と配管220が共に複数の循環チャネルを形成するように、伝達チャンバ210に接続される。循環チャネルは、冷却流体(図示せず)で少なくとも部分的に満たされる。なお、冷却流体の循環方向は時計回り、反時計回りであってもよく、本実施の形態では矢印A、矢印Bで示しているが、これに限定されない。さらに、循環チャネル内の冷却流体は、例えば、気密空間S内の冷却流体L1とは異なる。
【0015】
一態様では、配管220の各々は、互いに接続された吸熱部221および放熱部222を含む。配管220の吸熱部221は液気共存部S2内に位置し、配管220の放熱部222は、気密空間Sの外部に位置している。配管220の吸熱部221は液気共存部S2内の冷却流体L1の熱を吸収するように構成されており、吸熱部221で吸収された熱は、配管220およびその内部の冷却流体を介して配管220の放熱部222に伝達される。そして、配管220の放熱部222は、浸漬槽100の外部の環境に放熱する。
【0016】
一態様では、伝達チャンバ210の配管径D1が配管220のそれぞれの配管径D2よりも大きい。伝達チャンバ210は、例えば筒状である。伝達チャンバ210の配管径D1は、配管220の各々の配管径D2よりも大きく、熱は温度の変化を引き起こすので、伝達チャンバ210と配管220との間に発生する圧力差が生じることになる。従って、ラジエータ200は、垂直に配置することができるだけでなく、(図1に示すように)水平に配置することもでき、様々な用途に対応することができる。なお、ラジエータ200が「垂直に配置される」とは、配管の延在方向が重力の方向Gに実質的に平行であることを指し、ある要素が別の要素に「実質的に平行」であるとは、1つの要素が別の要素に平行またはほぼ平行であることを指す。ラジエータ200が「水平に配置される」とは、配管220の延在方向Eが重力の方向Gに実質的に垂直であることを意味し、ある要素が別の要素に「実質的に垂直」であることは1つの要素が別の要素に垂直またはほぼ垂直であることを意味する。なお、本実施形態において、ラジエータ200は垂直または水平に配置されているが、これは例示に過ぎず、本開示はこれに限定されるものではない。ラジエータ200は、任意の角度位置に配置されてもよい。
【0017】
内部フィン230は、液気共存部S2内に位置し、配管220の吸熱部221と熱的に結合して、吸熱部221におけるラジエータ200の熱交換面積を高めることにより、ラジエータ200の吸熱効率を高めている。外部フィン240は気密空間のSの外側に位置し、放熱部222におけるラジエータ200の熱交換面積を高めるように配管220の放熱部222に熱的に結合されており、これによりラジエータ200の放熱効率を高めている。
【0018】
一態様では、ラジエータ200の吸熱部221と放熱部222の両方を水平に配置できるので、吸熱部221に配置される内部フィン230は重力方向Gと略平行である。換言すれば、内部フィン230の法線方向Nは重力方向Gに対して実質的に垂直であり、隣接する2つの内部フィン230の間の隙間は、重力方向Gに延びている。これにより、液気共存部S2内の蒸気L2が重力方向Gに沿って隣り合う2つの内部フィン230間の隙間に流入できるため、液気共存部S2内の蒸気L2とラジエータ200の吸熱部221との熱交換効率を高めることができる。この実施形態では内部フィン230が重力方向Gに実質的に平行であるが、これは例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。内部フィン230は蒸気L2が内部に流れて熱を吸収した後に出力することができればよく、任意の角度位置に配置することができる。
【0019】
一態様では、隣接する2つの内部フィン230の間の間隔G1が隣接する2つの外部フィン240の間の間隔G1に等しいが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、任意の2つの隣接する内部フィン間の間隔が任意の2つの隣接する外部フィン間の間隔よりも大きくすることができ、その結果、蒸気は内部フィン間の隙間をより容易に流れることができる。
【0020】
一態様では配管220の数量は複数であるが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、配管の数量は1つだけであってもよい。
【0021】
一態様では、放熱システム10がプレート300をさらに含んでもよい。プレート300は、例えば、第1傾斜部310と、第2傾斜部320と、第3傾斜部330とを含む。第2傾斜部320は第1傾斜部310と第3傾斜部330との間に連結され、第1傾斜部310と第3傾斜部330とは第2傾斜部320よりも傾斜している。プレート300は液気共存部S2内に位置し、プレート300は、液滴を受けるために内部フィン230に隣接して配置されている。
【0022】
詳細には、プレート300の第1傾斜部310は、液気共存部S2をラジエータ200が位置しない高温領域とラジエータ200が位置する低温領域とに分割するように、内部フィン230に隣接して配置されている。さらに、プレート300の第1傾斜部310と天板140との間に入口O1が設けられており、この入口O1を介して高温領域が低温領域と流体連通している。プレート300の第2傾斜部320および第3傾斜部330は、液体貯蔵部S1に近接する位置にある内部フィン230の片側に位置し、プレート300の第3傾斜部330と側板120との間に出口O2が設けられている。低温領域は、出口O2を介して液体貯蔵部S1と連通している。熱源が動作すると、熱源から発生した熱が冷却流体L1を蒸発させて高温の蒸気L2にすることができ、高温の蒸気L2が液体貯蔵部S1から液気共存部S2に向かってF1方向に上昇する。そして、高温の蒸気L2は、方向F2に沿って入口O1に流入した後、ラジエータ200の吸熱部221で冷却され、低温の凝縮された液滴L3に凝縮される。そして、凝縮された液滴L3は、プレート300上を方向F3に落下した後、プレート300に沿って液体貯蔵部S1に戻るか、又は出口O2を通って直接液体貯蔵部S1に流れる。さらに、プレート300の第2傾斜部320および第3傾斜部330は排水勾配として機能し、凝縮された液滴L3は第2傾斜部320および第3傾斜部330に沿って液体貯蔵部S1に逆流する。そして、低温の凝縮液滴は、冷却される熱源に向かって方向F4に流れる。以上の循環流路によれば、気密空間S内の冷却流体L1の温度変化により自然対流が形成され、放熱システム10の放熱性能を高めることができる。
【0023】
一態様ではプレート300が3つの傾斜部分からなるが、本開示はそれに限定されない。他の実施形態では、プレートが単一の傾斜部分からなるプレートまたは円弧状プレートなど、様々な構成で形成することができる。
【0024】
一態様では、気密空間S内の冷却流体L1が自然対流によって冷却循環を行うが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、放熱システムが気密空間内で冷却流体を駆動して移動させるために、ファンまたはポンプなどの流体ドライバをさらに含んでもよい。その結果、気密空間内の冷却流体は、強制対流による冷却循環を行うことができる。
【0025】
一態様では、放熱システム10が、例えば、気密空間Sの外側に位置し、配管220の放熱部222上に配置された気流生成装置400をさらに含んでもよい。気流生成装置400は、例えば軸流ファンであり、気流生成装置400が動作すると、気流生成装置400は外部フィン240と共に、配管220の放熱部222の熱を外部に逃がす。その結果、気流生成装置400によって生成され外部気流は、配管220および外部フィン240の放熱部222の放熱効率を高めることができる。
【0026】
一態様では配管220の直径は同じであるが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、配管の少なくとも2つの直径が互いに異なっていてもよい。
【0027】
図3および図4を参照されたい。図3は、開示の第2の実施形態による放熱システム10Aおよび熱源の概略図である。図4は、図3の放熱システム10Aのラジエータ200Aの斜視図である。
【0028】
この実施形態では、放熱システム10Aは浸漬槽100Aとラジエータ200Aとを備えている。浸漬槽100Aは、底板110Aと、複数の側板120A、130Aと、天板140Aとを備えている。底板110A、側板120A、130Aおよび天板140Aは互いに連結されて気密空間Sを取り囲んでおり、気密空間Sの一部は、冷却流体L1を貯蔵するように構成されており、気密空間Sが液体貯蔵部S1と液気共存部S2とに分けられている。また、液体貯液部S1は冷却流体L1と熱源とを貯蔵するように構成され、液気共存部S2は冷却流体L1の自由面Xよりも上方に位置するように構成される。
【0029】
ラジエータ200Aは、第1の伝達チャンバ211A、第2の伝達チャンバ213A、第3の伝達チャンバ215A、第4の伝達チャンバ217A、第1の配管212A、複数の第2の配管214A、第3の配管216A、複数の第4の配管218A、複数の内部フィン230Aおよび複数の外部フィン240Aを備えている。第1配管212Aは、第1伝達チャンバ211Aおよび第2伝達チャンバ213Aに接続されている。第2の配管214Aの数量は、例えば3つであり、第2の伝達チャンバ213Aおよび第3の伝達チャンバ215Aには、第2の配管214Aが接続されている。第3の配管216Aは、第3伝達チャンバ215Aおよび第4伝達チャンバ217Aに接続されている。第4の配管218Aの数量は、例えば3つであり、第4の伝達チャンバ217Aおよび第1の伝達チャンバ211Aには、第4の配管218Aが接続されている。したがって、伝達チャンバおよび配管は、共に、循環流路を形成する。循環流路は、少なくとも部分的に冷却流体(図示せず)で満たされる。冷却流体の循環方向は時計回りであっても反時計回りであってもよく、本実施形態では冷却流体が、例えば、A、B、C、D方向に循環するが、本開示はこれに限定されない。さらに、循環流路内の冷却流体は、例えば、気密空間S内の冷却流体L1とは異なる。
【0030】
本実施形態では第2配管214Aの数量は3であり、第4配管218Aの数量は3であるが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、第2の配管および第4の配管のそれぞれの数量が1つ、2つ、または3つ以上であってもよい。
【0031】
一態様では第1の伝達チャンバ211A、第4の伝達チャンバ217A、第1の配管212Aの一部、第3の配管216Aの一部および第4の配管218Aは液気共存部S2内に位置している。第2の伝達チャンバ213A、第3の伝達チャンバ215A、第2の配管214A、第1の配管212Aの他の部分、および第3の配管216Aの他の部分は気密空間Sの外側に位置しており、液気共存部S2内に位置するラジエータ200Aの一方の側は吸熱側である。気密空間Sの外側に位置するラジエータ200Aの他方の側は放熱側である。また、吸熱側は液気共存部S2内の冷却流体L1の熱を吸収するように構成されており、吸熱側で吸収された熱は、配管内の配管と冷却流体とによって放熱側に伝達される。そして、放熱側が浸漬槽100Aの外部の環境に放熱する。
【0032】
一態様では空気を導くための第1の配管212Aの配管径が、液を導くための第3の配管216Aの配管径に等しいが、本開示はこれに限定されない。また、他の実施形態では、冷却循環の円滑性を向上させるように、空気を導くための第1の配管の配管径を、液を導くための第3の配管の配管径よりも大きくしてもよい。
【0033】
一態様では、それぞれの伝達チャンバの配管径D1がそれぞれの配管のD2の配管径よりも大きい。例えば、各々の伝達チャンバ211A、213A、215Aおよび217Aの配管径D1が、配管212A、214A、216Aおよび218Aそれぞれの配管径D2よりも大きく、熱により温度変化が生じ、伝達チャンバ211A、213A、215Aおよび217Aと配管212A、214A、216Aおよび218Aとの間に発生する圧力差が生じることになるので、ラジエータ200Aの吸熱側を垂直に配置できるだけでなく、水平に配置することができ(図3に示すように)、より広範囲の用途に用いることができる。ラジエータ200Aの吸熱面が「垂直に配置される」とは、配管の延在方向が重力の方向Gに実質的に平行であることを意味し、ある要素が別の要素に「実質的に平行」であるとは、1つの要素が他の要素に平行またはほぼ平行であることを意味する。ラジエータの吸熱面が「水平に配置されている」とは、配管の延在方向が重力の方向Gに実質的に垂直であることを指し、ある要素が別の要素に「実質的に垂直」であることは1つの要素が別の要素に垂直またはほぼ垂直であることを指す。なお、本実施形態において、ラジエータの吸熱側が垂直または水平に配置されていることは例示に過ぎず、本開示はこれに限定されるものではない。ラジエータ200Aは、任意の角度位置に配置することができる。
【0034】
内部フィン230Aは、液気共存部S2内に位置し、熱吸収側でラジエータ200Aの熱交換面積を高めるように熱吸収側と熱的に結合しており、ラジエータ200Aの吸熱効率を高めている。また、外部フィン240Aは気密空間Sの外側に位置し、放熱側でラジエータ200Aの熱交換面積を高めるように放熱側に熱的に結合されており、ラジエータ200Aの放熱効率を高めている。
【0035】
一態様では、第1の伝達チャンバ211A、第4の配管218Aおよび第4の伝達チャンバ217Aは、ラジエータ200Aの吸熱側に水平に配置できるため、吸熱側に配置される内部フィン230Aは重力の向きGと略平行である。換言すれば、内部フィン230Aの法線方向は重力方向Gに対して実質的に垂直であり、隣接する2つの内部フィン230Aの間の隙間は、重力方向Gに延在する。これにより、液気共存部S2内の蒸気L2が重力方向Gに沿って隣り合う2つの内部フィン230A間の隙間に流入できるため、液気共存部S2内の蒸気L2とラジエータ200Aの吸熱側との熱交換効率を高めることができる。この実施形態では内部フィン230Aが重力方向Gに実質的に平行であるが、これは例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。内部フィン230Aは蒸気L2が内部に流れて熱を吸収した後に出力することができればよく、任意の角度位置に配置することができる。
【0036】
一態様では、隣接する2つの内部フィン230Aの間の間隔が隣接する2つの外部フィン240Aの間の間隔に等しいが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、任意の2つの隣接する内部フィン間の間隔が任意の2つの隣接する外部フィン間の間隔よりも大きくすることができ、その結果、蒸気は内部フィン間の隙間をより容易に流れることができる。
【0037】
一態様では、放熱システム10Aがプレート300Aをさらに含んでもよい。プレート300Aは例えば、第1傾斜部310Aと、第2傾斜部320Aと、第3傾斜部330Aとを含む。第2傾斜部320Aは第1傾斜部310Aと第3傾斜部330Aとの間に連結されており、第1傾斜部310Aと第3傾斜部330Aとは、第2傾斜部320Aよりも傾斜している。プレート300Aは液気共存部S2内に位置し、プレート300Aは、液滴を受けるために内部フィン230Aに隣接して配置されている。
【0038】
詳細には、プレート300Aの第1傾斜部310Aは、液気共存部S2をラジエータ200Aが位置しない高温領域とラジエータ200Aが位置する低温領域とに分割するように、内部フィン230Aに隣接して配置されている。さらに、プレート300Aの第1傾斜部310Aと天板140Aとの間に入口O1が設けられており、この入口O1を介して高温領域が低温領域と流体連通している。プレート300Aの第2傾斜部320Aおよび第3傾斜部330Aは液体貯蔵部S1に近接する位置にある内部フィン230Aの片側に位置し、プレート300Aの第3傾斜部330Aと側板120Aとの間に出口O2が設けられている。低温領域は、出口O2を介して液体貯蔵部S1と連通している。熱源が動作すると、熱源から発生した熱が冷却流体L1を蒸発させて高温の蒸気L2にすることができ、高温の蒸気L2が液体貯蔵部S1から液気共存部S2に向かってF1方向に上昇する。そして、高温の蒸気L2は、入口O1に向かって方向F2に沿って流入し、その後、ラジエータ200Aの吸熱側で冷却され、低温の凝縮された液滴L3に凝縮される。そして、凝縮された液滴L3は、プレート300A上を方向F3に落下した後、プレート300Aに沿って液体貯蔵部S1に戻るか、又は出口O2を通って直接液体貯蔵部S1に流れる。さらに、プレート300Aの第2傾斜部320Aおよび第3傾斜部330Aは排水勾配として機能し、凝縮された液滴L3は第2傾斜部320Aおよび第3傾斜部330Aに沿って液体貯蔵部S1に逆流する。そして、低温の凝縮液滴は、冷却される熱源に向かって方向F4に流れる。以上の循環流路によれば、気密空間S内の冷却流体L1の温度変化により自然対流が形成され、放熱システム10Aの放熱性能を高めることができる。
【0039】
一態様ではプレート300Aが3つの傾斜部分からなるが、本開示はそれに限定されない。他の実施形態では、プレートが単一の傾斜部分からなるプレートまたは円弧状プレートなど、様々な構成で形成することができる。
【0040】
一態様では気密空間S内の冷却流体L1が自然対流によって冷却循環を行うが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、放熱システムが気密空間内で冷却流体を駆動して移動させるために、ファンまたはポンプなどの流体ドライバをさらに含んでもよい。その結果、気密空間内の冷却流体は、強制対流による冷却循環を行うことができる。
【0041】
一態様では、放熱システム10Aが、例えば、気密空間Sの外側に位置し、放熱側に配置された気流生成装置400Aをさらに含んでもよい。気流生成装置400Aは、例えば軸流ファンであり、気流生成装置400Aが動作すると、気流生成装置400Aは外部フィン240Aと共に、外部に熱を逃がす。その結果、気流生成装置400Aによって生成される外部気流は、放熱側および外部フィン240Aの放熱効率を高めることができる。
【0042】
図5を参照されたい。図5は、開示の第3の実施形態による放熱システム10Bおよび熱源の概略図である。
【0043】
この実施形態では、放熱システム10Bは浸漬槽100Bとラジエータ200Bとを備えている。浸漬槽100Bは、底板110Bと、複数の側板120B、130Bと、天板140Bとを備えている。底板110B、側板120B、130Bおよび天板140Bは互いに連結されて気密空間Sを取り囲んでおり、気密空間Sの一部は、冷却流体L1を貯蔵するように構成されており、液体貯蔵部S1と液気共存部S2とに分けられている。また、液体貯液部S1は冷却流体L1と熱源とを貯蔵するように構成され、液気共存部S2は冷却流体L1の自由面Xよりも上方に位置するように構成される。
【0044】
ラジエータ200Bは、伝達チャンバ210B、複数の第1配管220B、複数の第2配管230B、複数の内部フィン240Bおよび複数の外部フィン250Bとを有している。第1の配管220Bは液気共存部S2内に位置し、伝達チャンバ210Bに接続されており、第1の配管220Bと伝達チャンバ210Bとが、共に少なくとも部分的に冷却流体(図示せず)で満たされた循環流路を形成する。冷却流体の循環方向は時計回りであっても反時計回りであってもよく、例えば、本実施形態では冷却流体が方向Aおよび方向Bに循環するが、本開示はこれに限定されない。第2配管230Bの一部は、液気共存部S2内に位置している。第2の配管230Bの他の一部は気密空間Sの外部に位置し、第2の配管230Bは伝達チャンバ210Bに接続され、第2の配管230Bと伝達チャンバ210Bとは、互いに少なくとも部分的に冷却流体(図示せず)で満たされる別の循環流路を形成する。冷却流体の循環方向は時計回りであっても反時計回りであってもよく、本実施形態では冷却流体が例えば、方向CおよびDに循環するが、本開示はこれに限定されない。さらに、循環流路内の冷却流体は例えば、気密空間S内の冷却流体L1とは異なる。
【0045】
一態様では、液気共存部S2に位置するラジエータ200Bの第1の配管220Bが吸熱側である。また、気密空間Sの外側に位置するラジエータ200Bの第2配管230Bは放熱側である。また、吸熱側は液気共存部S2内の冷却流体L1の熱を吸収するように構成されており、吸熱側で吸収された熱は、配管内の配管と冷却流体L1とによって放熱側に伝達される。そして、放熱側が浸漬槽100Bの外部の環境に放熱する。
【0046】
一態様では、伝達チャンバ210Bの配管径D1が配管の配管径D2よりも大きい。例えば、伝達チャンバ210Bの配管径D1は配管220Bおよび230Bのそれぞれの配管径D2よりも大きいので、伝達チャンバ210Bと配管220B、230Bとの間に生じる圧力差が生じ、これにより、ラジエータ200Bの第1の配管220Bを垂直に配置できるだけでなく、水平に配置することもでき(図5に示すように)、より広範囲の用途に用いることができる。ラジエータ200Bの前記第1の配管220Bが「垂直に配置される」とは、第1の配管の延在方向が重力の方向Gに実質的に平行であることを指し、ある要素が別の要素に「実質的に平行」であるとは、1つの要素が別の要素に平行またはほぼ平行であることを指す。ラジエータ200Bの前記第1の配管220Bが「水平に配置される」とは、第1の配管220Bの延在方向E1が重力の方向Gに実質的に垂直であることを指し、ある要素が別の要素に「実質的に垂直」であることは1つの要素が別の要素に垂直またはほぼ垂直であることを指す。なお、本実施形態において、ラジエータ200Bの第1配管220Bを縦置きまたは横置きにしているが、これは例示にすぎず、これに限定されるものではない。ラジエータ200Bは、任意の角度位置に配置することができる。
【0047】
内部フィン240Bは、液気共存部S2内に位置し、第1配管220Bと熱的に結合することで、吸熱側のラジエータ200Bの熱交換面積を高めることにより、ラジエータ200Bの吸熱効率を高めている。また、外部フィン250Bは気密空間Sの外側に位置し、放熱側でラジエータ200Bの熱交換面積を高めるように放熱側に熱的に結合されており、ラジエータ200Bの放熱効率を高めている。
【0048】
一態様では、ラジエータ200Bの吸熱側を水平に配置できるので、吸熱側に配置される内部フィン240Bは重力方向Gと略平行である。換言すれば、内部フィン240Bの法線方向は重力方向Gに対して実質的に垂直であり、隣接する2つの内部フィン240Bの間の隙間は、重力方向Gに延びている。これにより、液気共存部S2内の蒸気L2が重力方向Gに沿って隣り合う2つの内部フィン240B間の隙間に流入できるため、液気共存部S2内の蒸気L2とラジエータ200Bの吸熱側との熱交換効率を高めることができる。この実施形態では内部フィン240Bが重力方向Gに実質的に平行であるが、これは例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。内部フィン240Bは蒸気L2が内部に流れて熱を吸収した後に出力することができればよく、任意の角度位置に配置することができる。
【0049】
一態様では、隣接する2つの内部フィン240Bの間の間隔G1が隣接する2つの外部フィン250Bの間の間隔G2よりも大きいが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では任意の2つの隣接する内部フィン間の間隔が任意の2つの隣接する外部フィン間の間隔に等しくすることができ、その結果、蒸気は内部フィン間の隙間をより容易に流れることができる。
【0050】
一態様では第1の配管220Bの数量は複数であり、第2の配管230Bの数量は複数であるが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、第1の配管の数量は1つだけであってもよく、第2の配管の数量は1つだけであってもよい。
【0051】
一態様では、放熱システム10Bがプレート300Bをさらに含んでもよい。プレート300Bは例えば、第1傾斜部310Bと、第2傾斜部320Bと、第3傾斜部330Bとを含む。第2傾斜部320Bは第1傾斜部310Bと第3傾斜部330Bとの間に連結され、第1傾斜部310Bおよび第3傾斜部330Bは第2傾斜部320Bよりも傾斜している。プレート300Bは液気共存部S2内に位置し、プレート300Bは、液滴を受けるために内部フィン240Bに隣接して配置されている。
【0052】
詳細には、プレート300Bの第1傾斜部310Bは、液気共存部S2をラジエータ200Bが位置しない高温領域とラジエータ200Bが位置する低温領域とに分割するように、内部フィン240Bに隣接して配置されている。さらに、プレート300Bの第1傾斜部310Bと天板140Bとの間に入口O1が設けられており、この入口O1を介して高温領域が低温領域と流体連通している。プレート300Bの第2傾斜部320Bおよび第3傾斜部330Bは、液体貯蔵部S1により近接する位置にある内部フィン240Bの片側に位置し、プレート300Bの第3傾斜部330Bと側板120Bとの間に出口O2が設けられている。低温領域は、出口O2を介して液体貯蔵部S1と連通している。熱源が動作すると、熱源から発生した熱が冷却流体L1を蒸発させて高温の蒸気L2にすることができ、高温の蒸気L2が液体貯蔵部S1から液気共存部S2に向かってF1方向に上昇する。そして、高温の蒸気L2は、方向F2に沿って入口O1に流入した後、ラジエータ200Bの吸熱側で冷却されて低温の凝縮された液滴L3に凝縮される。そして、凝縮された液滴L3は、プレート300B上を方向F3に落下した後、プレート300Bに沿って液体貯蔵部S1に戻るか、又は直接出口O2を通って液体貯蔵部S1に流れる。また、プレート300Bの第2傾斜部320Bおよび第3傾斜部330Bは排水勾配として機能し、凝縮された液滴L3は第2傾斜部320Bおよび第3傾斜部330Bに沿って液体貯蔵部S1に逆流することができる。そして、低温の凝縮液滴は、冷却される熱源に向かって方向F4に流れる。以上の循環流路によれば、気密空間S内の冷却流体L1の温度変化により自然対流が形成され、放熱システム10Bの放熱性能を高めることができる。
【0053】
一態様ではプレート300Bが3つの傾斜部分からなるが、本開示はそれに限定されない。他の実施形態では、プレートが単一の傾斜部分からなるプレートまたは円弧状プレートなど、様々な構成で形成することができる。
【0054】
一態様では気密空間S内の冷却流体L1が自然対流によって冷却循環を行うが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、放熱システムが気密空間内で冷却流体を駆動して移動させるために、ファンまたはポンプなどの流体ドライバをさらに含んでもよい。その結果、気密空間内の冷却流体は、強制対流による冷却循環を行うことができる。
【0055】
一態様では、放熱システム10Bが、例えば、気密空間Sの外側に位置し、放熱側に配置された、気流生成装置400Bをさらに含んでもよい。気流生成装置400Bは、例えば軸流ファンであり、気流生成装置400Bが動作すると、気流生成装置400Bは外部フィン250Bと共に、外部に熱を逃がす。その結果、気流生成装置400Bで発生する外部の気流は、放熱側および外部フィン250Bの放熱効率を高めることができる。
【0056】
本願明細書は上記記載に鑑み、浸漬槽内に伝達チャンバを有するラジエータの一部を設け、浸漬槽外にラジエータの他の一部を設けることにより、放熱システムに冷却分配部およびポンプを設ける必要がない。そのため、電力使用量を削減でき、装置の構造体が簡単になる。さらに、放熱システムの電力使用有効性を1.3から1.1未満に最適化し、単位体積あたりの伝熱容量を40%大幅に増加させることで、放熱システムのサイズと製造コストを低減している。
【0057】
さらに、伝達チャンバの配管径は配管の配管径よりも大きく、熱は温度の変化を引き起こすので、水平に置くとラジエータは依然として機能することができる。すなわち、ラジエータがマイナス90度の位置に配置されていても(すなわち、熱吸収側が放熱側の上方に位置していても)、ラジエータは依然として動作し、それによって、より広範囲の用途を有する。
【0058】
さらに、プレートは液気共存部を高温領域と低温領域に分けるため、気密空間内の冷却流体は流体温度変化により自然対流を形成し、放熱システムの放熱性能を高めている。
【0059】
さらに、ラジエータの配管の吸熱部および放熱部は動作時に水平に配置することができるため、吸熱部に配置される内装フィンを重力方向に略平行に配置することができ、液気共存部の蒸気が重力方向の内装フィン間の隙間に流入することができ、液気共存部の蒸気とラジエータの配管の吸熱部との熱交換効率を高めることができる。
【0060】
さらに、任意の2つの隣接する内部フィン間の間隔は任意の2つの隣接する外部フィン間の間隔よりも大きく、その結果、蒸気は内部フィン間の隙間をより容易に流れることができる。
【0061】
実施形態は、本開示の原理およびその実用的な応用を最もよく説明し、それによって、他の当業者が意図される特定の使用に適した様々な修正を伴って本開示および様々な実施形態を最もよく利用することを可能にするために選択され、説明されている。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
10、10A、10B:放熱システム
100、100A、100B:浸漬槽
110、110A、110B:底板
120、130、120A、130A、120B、130B:側板
140、140A、140B:天板
200、200A、200B:ラジエータ
210:伝達チャンバ
220:配管
221:吸熱部
222:放熱部
230:内部フィン
240:外部フィン
211A:第1伝達チャンバ
212A:第1配管
213A:第2伝達チャンバ
214A:第2配管
215A:第3伝達チャンバ
216A:第3配管
217A:第4伝達チャンバ
218A:第4配管
230A:内部フィン
240A:外部フィン
210B:伝達チャンバ
220B:第1配管
230B:第2配管
240B:内部フィン
250B:外部フィン
300、300A、300B:プレート
310、310A、310B:第1傾斜部
320、320A、320B:第2傾斜部
330、330A、330B:第3傾斜部
400、400A、400B:気流生成装置
D1、D2:配管径
S:気密空間
S1:液体貯蔵部
S2:液気共存部
L1:冷却流体
L2:蒸気
L3:液滴
X:自由面
G:重力の方向
E、E1、E2:延在方向
N:法線方向
F1~F4、A~D:方向
G1、G2:間隔
O1:入口
O2:出口
図1
図2
図3
図4
図5