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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】酸化的脱水素触媒組成物
(51)【国際特許分類】
   B01J 27/057 20060101AFI20231207BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20231207BHJP
   C07C 11/04 20060101ALN20231207BHJP
   C07C 5/48 20060101ALN20231207BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20231207BHJP
【FI】
B01J27/057 Z
B01J37/08
C07C11/04
C07C5/48
C07B61/00 300
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021505860
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 IB2019056577
(87)【国際公開番号】W WO2020026193
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】62/714,289
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513269848
【氏名又は名称】ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シマンゼンコフ、ワシリー
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、シャオリャン
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、マリー
(72)【発明者】
【氏名】サリバン、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユンヒ
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0207035(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0256432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C07C 1/00-409/44
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物であって、
前記組成物は、XRDによって測定されるように、60重量%~80重量%非晶質であり、
前記組成物は、さらにアルミナを含
前記アルミナが、前記触媒組成物の30重量%~90重量%を構成し、
前記アルミナが、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミナ、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、若しくはそれらの組合せから選択され、
又は、前記アルミナが、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、若しくはそれらの組合せを含み、
又は、前記アルミナが、疑似ベーマイトを含む、
上記触媒組成物。
【請求項2】
前記アルミナが、前記触媒組成物の60重量%を構成する、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
前記酸化的脱水素触媒が、前記触媒組成物の10重量%~70重量%を構成する、請求項1又は2に記載の触媒組成物。
【請求項4】
前記酸化的脱水素触媒が、前記触媒組成物の40重量%を構成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項5】
前記混合金属酸化物が、下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0.01~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項6】
PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.01から1:2.0であり、
あるいは、
PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.05から1:0.5であり、
あるいは、
PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.10から1:0.30である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項7】
前記触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項8】
アルミナと、下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒と、を含む触媒組成物を調製する方法であって、
当該方法は以下の工程:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供する工程、
酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供する工程、並びに
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供する工程
を含み、
前記触媒組成物の非晶質含量は、XRDによって測定されるように、60重量%~80重量%であり、
前記アルミナが、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミナ、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、若しくはそれらの組合せから選択され、
又は、前記アルミナが、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、若しくはそれらの組合せを含み、
又は、前記アルミナが、疑似ベーマイトを含む、
上記方法
【請求項9】
前記混合物が、
20重量%~90重量%の前記水、
5重量%~50重量%の前記酸化的脱水素触媒前駆体、及び
5重量%~30重量%の前記アルミナを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記混合物が、
40重量%~60重量%の前記水、
25重量%~35重量%の前記酸化的脱水素触媒前駆体、及び
15重量%~25重量%の前記アルミナを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記混合物を60℃~100℃の温度で加熱し、
及び/又は
前記混合物を加熱して、50重量%~99.9重量%の水を除去する、
請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記予備焼成触媒組成物を焼成する温度が300℃~450℃であり、
及び/又は
前記予備焼成触媒組成物を焼成する時間が1時間~48時間であ
請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒組成物の非晶質含量は、前記触媒組成物について予測される添加物非晶質含量よりも多い、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物の非晶質相を増加させる方法であって、
前記酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供する工程、
前記酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む前記混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供する工程、並びに
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供する工程、
を含
前記触媒組成物の非晶質含量は、XRDによって測定されるように、60重量%~80重量%であり、
前記アルミナが、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミナ、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、若しくはそれらの組合せから選択され、
又は、前記アルミナが、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、若しくはそれらの組合せを含み、
又は、前記アルミナが、疑似ベーマイトを含む、
上記方法。
【請求項15】
請求項1~のいずれか一項に記載の触媒組成物を用いた酸化的脱水素反応器におけるエタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年8月3日に出願された米国仮出願第62/714,289号の出願日の利益を主張する。米国特許出願第62/714,289号の内容は、本出願の一部としてその全体が参照により援用される。
【0002】
本開示は、アルカンの酸化的脱水素化のための触媒組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
アルカンのオレフィンへの転化は、多くの方法で達成することができる。最も広く実施されている方法は、熱分解技術である。この技術では、アルカンを、ミリ秒から数秒のオーダーの非常に短い時間、少なくとも700℃の温度にさらして、水素の損失を促進し、オレフィンに特徴的な1つ以上の不飽和結合の形成を促進する。しかしながら、現在の熱分解プロセスは、そのプロセスを構築して操作するのに費用がかかるだけでなく、吸熱分解反応にかなりの熱が必要なためエネルギーを大量に消費する。また、分解炉の運転により大量のCOが発生する。
【0004】
これに代えて、パラフィンの転化は、酸化的脱水素化プロセスを用いて達成することができる。このプロセスでは、1つ以上のアルカンの流れを、酸素又は酸素含有ガスの存在下、約300℃~750℃の温度で、酸化的脱水素触媒を通過させる。水蒸気分解に対する触媒的酸化的脱水素の利点は、より低い反応温度を使用しながら、より高いエタン転化率とより高いエチレン選択率を提供することである。しかしながら、オレフィンは、それが由来するアルカンよりも反応性が高く、望ましくない副生成物へとさらに酸化する可能性があるため、触媒の開発は困難なものとなる。したがって、オレフィンよりもアルカンの酸化に対してより選択的である触媒を使用することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示で提供されるのは、触媒組成物である。触媒組成物は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。組成物は少なくとも40重量%非晶質(amorphous)である。
【0006】
いくつかの実施形態では、組成物は、60重量%~80重量%非晶質である。
【0007】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、補助剤(adjuvant)をさらに含む。いくつかの実施形態では、補助剤は、触媒組成物の約30重量%~約90重量%の量で存在する。例えば、補助剤は、触媒組成物の約60重量%の量で存在することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約10重量%~約70重量%の量で存在する。例えば、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約40重量%の量で存在することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、補助剤は、支持体、結合剤、凝集剤、促進剤、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、補助剤は、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、下記の実験式を有する:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0.01~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0011】
いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)を有し、組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40%非晶質である。
【0012】
いくつかの実施形態では、補助剤は、アルミナを含む。アルミナは、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミナ、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、アルミナは、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、又はそれらの組合せから選択されるアルミナを含む。いくつかの実施形態では、アルミナは、ベーマイトを含む。いくつかの実施形態では、補助剤は、疑似ベーマイトを含む。いくつかの実施形態では、アルミナは、触媒組成物の約30重量%~約90重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アルミナは、触媒組成物の約60重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、アルミナは、触媒組成物の約55重量%の量で存在する。
【0013】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0014】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約93%を超えるエチレンへの選択性を有することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約360℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0017】
また、本開示で提供されるのは、ベーマイト及び酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物である。酸化的脱水素触媒は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。ベーマイトは、触媒組成物の約50重量%~約70重量%の量で存在する。酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約30重量%~約50重量%の量で存在する。さらに、触媒組成物は、約60重量%~約80重量%非晶質である。
【0018】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0019】
本開示でさらに提供されるのは、アルミナ及び酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物である。酸化的脱水素触媒は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。触媒組成物は、少なくとも40重量%非晶質である。
【0020】
触媒組成物は、アルミナ、水、及び酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成(pre-calcination)触媒組成物を提供すること、並びに予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することを含む方法によって調製される。酸化的脱水素触媒前駆体は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0021】
いくつかの実施形態では、水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、水は蒸留水を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、水は、混合物の約10重量%~約99重量%の量で存在する。例えば、水は、混合物の約40重量%~約60重量%の量で存在することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物は、約300℃~約450℃の温度で焼成される。例えば、予備焼成触媒組成物は、約325℃~約375℃の温度で焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物は、約350℃の温度で焼成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。例えば、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約80℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0025】
また、本明細書で提供されるのは、アルミナと、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒とを含む触媒組成物を調製する方法である:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。この方法は、アルミナ、水、及び酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供すること、並びに予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することを含む。酸化的脱水素触媒前駆体は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0026】
いくつかの実施形態では、混合物は、約20重量%~約90重量%の水、約5重量%~約50重量%の酸化的脱水素触媒、及び約5重量%~約30重量%のアルミナを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約40重量%~約60重量%の水、約25重量%~約35重量%の混合金属酸化物触媒、及び約15重量%~約25重量%のアルミナを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱する。例えば、混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱することができる。いくつかの実施形態では、混合物を、約80℃の温度で加熱する。
【0028】
いくつかの実施形態では、混合物を加熱して、約40重量%~約99.9重量%の水を除去する。
【0029】
いくつかの実施形態では、焼成温度は約300℃~約450℃である。例えば、焼成温度は約325℃~約375℃であってもよい。いくつかの実施形態では、焼成温度は約350℃である。
【0030】
いくつかの実施形態では、焼成時間は約1時間~約48時間である。いくつかの実施形態では、焼成時間は約1時間~約12時間である。いくつかの実施形態では、焼成時間は約1時間~約4時間である。いくつかの実施形態では、焼成時間は約2時間である。
【0031】
いくつかの実施形態では、焼成温度は約300℃~約450℃であり、焼成時間は約1時間~約48時間である。例えば、焼成温度は約325℃~約375℃であってもよく、焼成時間は約1時間~約4時間である。いくつかの実施形態では、焼成温度は約350℃~であり、焼成時間は約2時間である。
【0032】
いくつかの実施形態では、触媒組成物の非晶質含量は、触媒組成物について予測される添加物非晶質含量(予測添加物非晶質含量:predicted additive amorphous content)よりも多い。
【0033】
また、本明細書で提供されるのは、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物の非晶質相を増加させる方法である:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。この方法は、酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供すること、混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供すること、並びに予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することを含む。
【0034】
また、本明細書で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、アルミニウム、及び酸素を含む触媒組成物である。モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.49である。モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.25である。モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20である。モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.01から1:2.0である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。さらに、組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である。
【0035】
いくつかの実施形態では、モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.20から1:0.45であり;モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり;モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり;モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.5である。
【0036】
いくつかの実施形態では、モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.30から1:0.45であり;モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり;モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり;モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.30である。
【0037】
触媒組成物は、60重量%~80重量%非晶質であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、触媒組成物中のアルミニウムの供給源は、疑似ベーマイトなどのベーマイトに由来する。
【0039】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0040】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒組成物は、約93%を超えるエチレンへの選択性を有することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒組成物は、約360℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%を超えるエチレンへの選択性を有することができる。
【0043】
触媒組成物は、アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、並びに予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することを含む方法によって調製することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。例えば、水は蒸留水を含んでもよい。水は、混合物の約10重量%~約99重量%の量で存在することができる。例えば、水は、混合物の約40重量%~約60重量%の量で存在することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物は、約300℃~約450℃の温度で焼成される。例えば、予備焼成触媒組成物は、約325℃~約375℃の温度で焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物は、約350℃の温度で焼成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。例えば、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約80℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0048】
また、本開示で提供される触媒組成物を用いた酸化的脱水素反応器におけるエタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法も、本明細書で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】CATAPAL(登録商標)Bアルミナ結合剤と酸化的脱水素触媒(触媒組成物3.1)のSEM画像を示す。
図2】触媒1.1、触媒組成物1.2、及び触媒組成物2.3のXRDパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
ここで、開示された主題の特定の実施形態を詳細に参照する。その実施形態の例は、添付の図面に一部として示されている。開示された主題は、列挙した請求項に関連して説明されるが、例示された主題は、請求項を開示された主題に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0051】
範囲の形式で表される値は、範囲の限定として明示的に記載された数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれるすべての個々の数値又は部分的な範囲を含むように(それぞれの数値と部分的な範囲とが明示的に記載されているかのように)、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%を含むだけでなく、その指定された範囲内の個々の値(例:1%、2%、3%、4%)と部分的な範囲(例:0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むように解釈されるべきである。「約XからY」という記述は、特に明記されていない限り、「約Xから約Y」と同じ意味である。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、特に明記されていない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味である。
【0052】
本明細書では、「a」、「an」、又は「the」という用語は、文脈で明確に指示されていない限り、1つ又は複数を含むために使用される。「又は」という用語は、特に明記されていない限り、非排他的な「又は」を意味するために使用される。「A及びBの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味である。また、本明細書で使用され、他に定義されていない表現又は用語は、説明のみを目的としており、限定するものではないことを理解されたい。セクション見出しの使用は、本明細書の読み取りを支援することを目的としており、限定するものとして解釈されるべきではなく;セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクションの内外で生じ得る。コンマは、小数点の左側若しくは右側の区切り文字又は数字グループの区切り文字として使用できる。例えば、「0.000,1」は「0.0001」と同等である。本明細書で言及されているすべての刊行物、特許、及び特許文献は、参照により個別に援用されるようにして、その全体が参照により本明細書に援用される。本明細書と参照により援用される文書とを用いる上で、これらの間に不整合が生じる場合、援用される参考文献は、本明細書を用いる上で補足的に用いることが考慮されるべきであり、調整できない不整合については、援用される文書ではなく本明細書の記載を用いる。
【0053】
本明細書に記載の製造方法では、時間的又は操作上の順序が明示的に記載されている場合を除いて、その複数の行為を任意の順序で実行することができる。さらに、特定の複数の行為については、それらが別々に実行されることを請求項の文言が明示的に記載していない限り、同時に実行することができる。例えば、Xを実行するという請求項に記載された行為と、Yを実行するという請求項に記載された行為は、単一の操作内で同時に実行することができ、結果として得られるプロセスは、請求項に記載されたプロセスの文言通りの範囲内に含まれる。
【0054】
本明細書で使用される「室温」という用語は、約15℃から約28℃までの温度を指す。
【0055】
本開示で提供されるのは、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物である:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。前記組成物は、少なくとも40重量%非晶質である。特に明記しない限り、酸化的脱水素触媒の非晶質含量は、X線回折(XRD)によって決定することができる。混合金属酸化物の実験式は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)、粒子線励起X線(PIXE)、又はその両方によって決定することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、cは0.01~2.0である。例えば、cは0.5~1.5であってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、下記の実験式を有する:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0058】
いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、下記の実験式を有する:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al0.60-1.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0059】
いくつかの実施形態では、混合金属酸化物は、下記の実験式を有する:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0060】
組成物は、約40重量%~約90重量%非晶質、約55重量%~約80重量%非晶質、又は約60重量%~約80重量%非晶質であってもよい。例えば、組成物は、約70重量%~約80重量%非晶質であってもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、約70重量%、75重量%、又は約80重量%非晶質である。
【0061】
組成物は、補助剤(adjuvant)をさらに含むことができる。本明細書で使用される場合、「補助剤」という用語は、支持体、結合剤、凝集剤、促進剤、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤、又はそれらの組合せとして機能することができる材料若しくは化合物を含む。いくつかの実施形態では、補助剤は、アルミナを含む。
【0062】
補助剤は、触媒組成物の約30重量パーセント(重量%)~約90重量%、約40重量%~約80重量%、又は約50重量%~約70重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、補助剤は、触媒組成物の約50重量%~約65重量%(触媒組成物の約55重量%~約60重量%など)の量で存在する。いくつかの実施形態では、補助剤は、触媒組成物の約60重量%~約75重量%(触媒組成物の約70重量%など)の量で存在する。
【0063】
酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約10重量%~約70重量%、約20重量%~約60重量%、又は約30重量%~約50重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約35重量%~約45重量%の量で存在する。例えば、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約40重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約25重量%~約35重量%の量で存在する。例えば、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約30重量%の量で存在することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、補助剤はアルミナを含む。アルミナは、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミナ、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、又はそれらの組合せから選択することができる。焼成アルミナは、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、又はそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、アルミナは、ベーマイトである。本明細書で使用される場合、「ベーマイト」という用語は、限定されるものではないが、疑似ベーマイトを含む。いくつかの実施形態では、補助剤は疑似ベーマイトである。例えば、補助剤は、疑似ベーマイトVERSAL(商標) 250であってもよい。VERSAL(商標) 250は、分散性指数(%<1mu)が20~30、かさ密度が1立方フィート当たり12~16ポンド(lbs/ft)、表面積が1グラム当たり約320平方メートル(m/g)、強熱減量(LOI)が約26重量%である。VERSAL(商標) 250の分散性指数は、揮発性物質を含まない基準で8グラムの試料と、アルミナ100グラム(g)当たり約260ミリ当量の硝酸である96ミリリットル(mL)の0.22標準(N)硝酸溶液とを用いて決定することができ、酸性アルミナスラリーを、WARING(登録商標)ブレンダー中で低速(17000rpm)で5分間混合し、次いで、SEDIGRAPH(登録商標)PSAを用いて粒子サイズ分布を決定し、その結果は、サブミクロン粒子の重量%として報告される。補助剤(adjuvant)は、ベーマイトCATAPAL(登録商標)Bであってもよい。CATAPAL(登録商標)Bは、粗充填(loose)かさ密度が670~750g/L、充填(packed)かさ密度が800~1100g/L、粒子サイズ(d50)が60μm、550℃で3時間活性化した後の表面積(BET)が250m/g、550℃で3時間活性化した後の細孔容積が0.5ml/g、結晶サイズ(120)が約4.5nmである。
【0065】
いくつかの実施形態では、ベーマイトなどのアルミナは、触媒組成物の約30重量%~約90重量%の量で存在し、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約10重量%~約70重量%の量で存在する。例えば、ベーマイトなどのアルミナは、触媒組成物の約50重量%~約70重量%の量で存在することができ、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約30重量%~約50重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、ベーマイトなどのアルミナは、触媒組成物の約50重量%~約65重量%の量で存在し、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約35重量%~約45重量%の量で存在する。例えば、ベーマイトなどのアルミナは、触媒組成物の約55重量%又は約60重量%の量で存在することができ、酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約40重量%の量で存在することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.01から1:2.0である。いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.05から1:0.5である。いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.10から1:0.30である。
【0067】
触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することによって特徴付けることができ、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0068】
本明細書に開示される触媒組成物は、図に示されるXRDパターンと同一のXRDパターンを提供するものに限定されないこと、及び、図に示されているものと実質的に同じXRDパターンを提供する任意の触媒組成物は、対応する実施形態の範囲内にあることも理解されたい。XRDの当業者は、XRDパターンの実質的な同一性を判断することができる。一般に、XRDにおける回折角の測定誤差は、約2θ(±0.2°又は±0.1°)であって、図のX線回折パターンを検討する場合、及び本明細書に記載されている表に含まれるデータを読み取る場合に、そのような測定誤差の程度を考慮に入れる必要がある。
【0069】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有する。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃、355℃、360℃、365℃、又は約370℃の35%転化温度を有する。
【0070】
本開示で使用される場合、「35%転化温度」という句は、ガス流中の35%のエタンがエタン以外の生成物に転化される温度を指す。酸化的脱水素触媒の35%転化温度は、マイクロ反応器ユニット(MRU)を用いて決定することができる。マイクロ反応器ユニットでは、触媒の35%転化温度は、反応器管内の触媒床に供給ガスを通過させることによって決定することができる。MRU反応器管は、約0.5インチの外径及び約0.4インチの内径、並びに約15インチの長さを有する。例えば、反応器管は、壁厚が約0.049インチのステンレス鋼SWAGELOK(登録商標)管であってもよい。供給ガスは、70:30から90:10のモル比を有するエタンと酸素を含むことができる。例えば、供給ガスは、82:18のモル比を有するエタンと酸素を含むことができる。これに代えて、供給ガスは、エタン、酸素、及び窒素を含んでもよい。エタンと酸素と窒素のモル比は、18:18:64から54:18:28であってもよい。例えば、エタンと酸素と窒素のモル比は、36:18:46又は35:17.5:47.5であってもよい。供給ガスの流量は、約70標準立方センチメートル/分(sccm)から約80sccmにすることができる。例えば、供給ガスの流量は、約75sccm(例えば、74.6sccm)であってもよい。触媒床は、酸化的脱水素触媒と砂などの充填剤とが1対1の体積比で構成されており、酸化的脱水素触媒の総重量は1.96gである。反応器管内の残りのスペース(例えば、触媒床の下又は上)には、石英砂などの追加の充填剤が詰め込まれている。35%転化温度は、2.90h-1の重量時空間速度(WHSV)で決定され、WHSVは活性相に基づいており、ガス時空間速度(GHSV)は約2,000~3,000h-1である。典型的には、入口圧力は約1ポンド/平方インチゲージ(psig)から約2.5psigの範囲であり、出口圧力は約0psigから約0.5psigの範囲である。触媒床から出るガス供給物を、ガスクロマトグラフィーにより分析して、様々な炭化水素(例えば、エタン及びエチレン)、並びに任意選択でO、CO、及びCOなどの他のガスのパーセントが決定される。供給ガスの転化は、次の式を用いて、供給エタンの質量流量と比較した生成物中のエタンの質量流量の変化として計算される:
【数1】


(式中、Cは、エタンから別の生成物に転化された(すなわち、エタン転化)供給ガスのパーセントであり、Xは、反応器から出るガス状流出物中の対応する化合物のモル濃度である)。次に、エタン転化を温度の関数としてプロットして、線形代数方程式を取得する。エタン転化のための線形方程式を解いて、エタン転化が35%になる温度(すなわち、35%転化温度)を決定する。以下に説明するように、35%転化温度又はエタンへの選択性を計算するために考慮されなかったのは、限定されないが、酢酸、マレイン酸、プロピオン酸、エタノール、及びアセトアルデヒドなどの、水性流中において反応器から反応生成物であった。
【0071】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で、2.90h-1のWHSVで使用した場合)。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有することができる(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃、355℃、360℃、365℃、又は約370℃の35%転化温度を有する(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。
【0072】
触媒組成物は、約85%を超えるエチレンへの選択性を有することができる。例えば、触媒組成物は、約85%~約99%、約90%~約99%、約92%~約99%、又は約93%~約98%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0073】
本開示で使用される場合、「エチレンへの選択性」という句は、エチレンを形成する転化又は反応したエタンのモル基準でのパーセンテージを指す。酸化的脱水素触媒のエチレンへの選択性は、上記のようにMRUを用いて決定することができる。酸化的脱水素触媒のエチレンへの選択性は、次の式を用いて決定することができる:
【数2】

(式中、Sエチレンはエチレンへの選択性であり、Xは反応器から出るガス状流出物中の対応する化合物のモル濃度である)。とりわけ、エチレンへの選択性は、特に明記されていない限り、35%転化温度で決定される。このように、35%転化温度が決定された後、選択性のための上記方程式は、35%転化温度でのXエチレン、XCO2、及びXCO の対応する値を用いて解かれる。
【0074】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約85%を超えるエチレンへの選択性を有する(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。例えば、触媒組成物は、約85%~約99%、約90%~約99%、約92%~約99%、又は約93%~約98%のエチレンへの選択性を有することができる(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。
【0075】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約85%を超えるエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%~約98%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%~約98%のエチレンへの選択性を有することができる(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。
【0077】
また、本開示で提供されるのは、ベーマイト及び酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物である。酸化的脱水素触媒は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。ベーマイトは、触媒組成物の約50重量%~約70重量%の量で存在する。酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約30重量%~約50重量%の量で存在する。触媒組成物は、XRDによって測定されるように、約60重量%~約80重量%非晶質である。
【0078】
いくつかの実施形態では、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.05から1:0.5である。いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.10から1:0.30である。
【0079】
いくつかの実施形態では、cは0.01~2.0又は0.5~1.5である。例えば、混合金属酸化物は、下記の実験式を有することができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al0.60-1.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0080】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%~約98%のエチレンへの選択性を有することができる(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。
【0081】
本開示でさらに提供されるのは、ベーマイト及び酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物である。酸化的脱水素触媒は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。ベーマイトは、触媒組成物の約50重量%~約70重量%の量で存在する。酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約30重量%~約50重量%の量で存在する。触媒組成物は、XRDによって測定されるように、約60重量%~約80重量%非晶質である。触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0082】
いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.05から1:0.5である。いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.10から1:0.30である。
【0083】
いくつかの実施形態では、cは0.01~2.0又は0.5~1.5である。例えば、混合金属酸化物は、下記の実験式を有することができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al0.60-1.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0084】
また、本開示で提供されるのは、アルミナ及び酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物である。酸化的脱水素触媒は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。触媒組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である。触媒組成物は、アルミナ、水、及び酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供することを含む方法によって調製される。酸化的脱水素触媒前駆体は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含むことができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。触媒組成物を調製する方法は、混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供することをさらに含む。この方法は、予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することをさらに含む。
【0085】
混合物から少なくとも40重量%の水を除去すること、予備焼成組成物を焼成すること、又はその両方のプロセス中に、アルミナは、酸化的脱水素触媒前駆体と少なくとも部分的に反応することができ、これにより、アルミナ、アルミニウム、又はその両方が酸化的脱水素触媒前駆体に取り込まれ、下記の実験式を有する混合金属酸化物を有する酸化的脱水素触媒を得ることができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0より大きい)。いくつかの実施形態では、cは0.01~2.0である。例えば、cは0.5~1.5又は0.60~1.0であってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、アルミナもアルミニウムも酸化的脱水素化触媒前駆体と反応せず、この場合、アルミニウム及びアルミナは、酸化的脱水素化触媒前駆体の混合金属酸化物に取り込まれない。
【0087】
いくつかの実施形態では、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.05から1:0.5である。いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.10から1:0.30である。
【0088】
混合物から少なくとも40重量%の水を除去するか、予備焼成組成物を焼成するか、又はその両方を行うことにより、アルミナが少なくとも部分的に酸化的脱水素触媒でコーティングされた触媒組成物を提供することもできる。(例えば、図1に示すように)。酸化的脱水素触媒でコーティングすることができるアルミナコアは、約0.1ナノメートル~約10nm、約2nm~約8nm、又は約3nm~約6nmの平均粒子サイズを有することができる。
【0089】
混合物中の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、水は蒸留水を含む。水は、混合物の約10重量%~約99重量%、約20重量%~約80重量%、又は約40重量%~約60重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、水は、混合物の約40重量%、約50重量%、又は約60重量%の量で存在する。
【0090】
いくつかの実施形態では、約50重量%~約99.9重量%の水を混合物から除去して、予備焼成触媒組成物を提供する。例えば、約50重量%~約70重量%、約70重量%~約90重量%、又は約90重量%~約99.9重量%の水を混合物から除去して、予備焼成触媒組成物を提供することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒及びアルミナは、所望の量の水を除去する前に、一定期間水中に保管することができる。例えば、酸化的脱水素触媒及びアルミナは、所望の量の水を除去する前に、約15日、1ヶ月、6ヶ月、又は約1年間水中に保管することができる。
【0091】
水を室温で蒸発させるか、混合物を加熱するか、又はその両方を行うことにより、混合物から所望の量の水を除去することができる。例えば、混合物を約30℃~約100℃又は約60℃~約100℃の温度で加熱して、所望の量の水を除去することができる。いくつかの実施形態では、混合物を約70℃~約90℃の温度で加熱する。例えば、混合物を約80℃の温度で加熱することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することは、予備焼成触媒組成物を約300℃~約450℃で焼成することを含む。例えば、予備焼成触媒組成物を約325℃~約375℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を約350℃で焼成して、触媒組成物を提供する。
【0093】
予備焼成触媒組成物は、約1時間~約48時間、約1時間~約12時間、又は約1時間~約4時間、焼成することができる。例えば、予備焼成触媒組成物は、約2時間焼成することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することは、予備焼成触媒組成物を、約300℃~約450℃で約1時間~約48時間焼成することを含む。例えば、予備焼成触媒組成物を約325℃~約375℃で約1時間~約4時間焼成して、触媒組成物を提供することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を約350℃で約2時間焼成して、触媒組成物を提供する。
【0095】
また、本開示で提供されるのは、ベーマイト(VERSAL(商標)250又はCATAPAL(登録商標)Bなど)及び酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物である。酸化的脱水素触媒は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。触媒組成物は、XRDによって測定されるように、約60重量%~約80重量%非晶質である。触媒組成物は、ベーマイト、水、及び酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供することを含む方法によって調製される。酸化的脱水素触媒前駆体は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含むことができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。触媒組成物を調製する方法は、混合物を約70℃~約90℃(例えば、80℃)に加熱することにより、混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供することをさらに含む。この方法はまた、予備焼成触媒組成物を約325℃~約375℃で約1時間~約4時間焼成して触媒組成物を提供することを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.05から1:0.5である。いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.10から1:0.30である。
【0097】
いくつかの実施形態では、cは0.01~2.0又は0.5~1.5である。例えば、混合金属酸化物は、下記の実験式を有することができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al0.60-1.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0098】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%~約98%のエチレンへの選択性を有することができる(本明細書に記載のMRU試験下で、35:17.5:47.5のモル比でのエタン、酸素、及び窒素の供給ガスを、約75sccmの流量で使用した場合)。
【0099】
また、本明細書で提供されるのは、アルミナ及び酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物を調製する方法である。酸化的脱水素触媒は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。この方法は、アルミナ、水、及び酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供することを含む酸化的脱水素触媒前駆体は、下記の実験式を有する混合金属酸化物を含む:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。前記組成物は、少なくとも40重量%非晶質である。この方法は、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を加熱して少なくとも50重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供することをさらに含む。さらに、この方法は、予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することを含む。
【0100】
酸化的脱水素触媒前駆体は、米国公開第20170050178A1号に記載されているように調製することができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0101】
本明細書で論じたように、混合物から少なくとも40重量%の水を除去すること、予備焼成組成物を焼成すること、又はその両方のプロセス中に、アルミナは、酸化的脱水素触媒前駆体と少なくとも部分的に反応することができ、これにより、アルミナ、アルミニウム、又はその両方が酸化的脱水素触媒の混合金属酸化物に取り込まれることができる。そのような場合、cは0.01~2.0又は0.5~1.5であってもよい。例えば、そのような場合、混合金属酸化物は、下記の実験式を有することができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al0.60-1.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0102】
あるいは、いくつかの実施形態では、アルミナもアルミニウムも酸化的脱水素触媒前駆体と反応せず、 この場合、アルミナもアルミニウムも、酸化的脱水素触媒前駆体の混合金属酸化物に取り込まれない。そのような場合、酸化的脱水素触媒の混合金属酸化物は、下記の実験式を有することができる:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.1-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0103】
いくつかの実施形態では、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.05から1:0.5である。いくつかの実施形態では、組成物が補助剤としてアルミナを含む場合、PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は1:0.10から1:0.30である。
【0104】
混合物中において、水は、混合物の約20重量%~約90重量%の量で存在することができ、酸化的脱水素触媒前駆体は、混合物の約5重量%~約50重量%の量で存在することができ、アルミナは、混合物の約5重量%~約30重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、水は、混合物の約40重量%~約60重量%の量で存在し、酸化的脱水素触媒前駆体は、混合物の約25重量%~約35重量%の量で存在し、アルミナは、混合物の約15重量%~約25重量%の量で存在する。
【0105】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも40重量%の水を除去する前に、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を撹拌すること、少なくとも40%の水を除去すること、又はその両方をさらに含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、約40重量%~約99.9重量%の水を混合物から除去して、予備焼成触媒組成物を提供する。例えば、約40重量%~約70重量%、約70重量%~約90重量%、又は約90重量%~約99.9重量%の水を混合物から除去して、予備焼成触媒組成物を提供することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒前駆体及びアルミナは、所望の量の水を除去する前に、一定期間水中に保管することができる。例えば、酸化的脱水素触媒前駆体及びアルミナは、所望の量の水を除去する前に、約15日、1ヶ月、6ヶ月、又は約1年間水中に保管することができる。
【0107】
水を室温で蒸発させるか、混合物を加熱するか、又はその両方を行うことにより、混合物から所望の量の水を除去することができる。例えば、混合物を約30℃~約100℃又は約60℃~約100℃の温度で加熱して、所望の量の水を除去することができる。いくつかの実施形態では、混合物を約70℃~約90℃の温度で加熱する。例えば、混合物を約80℃の温度で加熱することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することは、予備焼成触媒組成物を、約300℃~約450℃で焼成することを含む。例えば、予備焼成触媒組成物を約325℃~約375℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を約350℃で焼成して、触媒組成物を提供する。
【0109】
予備焼成触媒組成物は、約1時間~約48時間、約1時間~約12時間、又は約1時間~約4時間、焼成することができる。例えば、予備焼成触媒組成物は、約2時間焼成することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することは、予備焼成触媒組成物を、約300℃~約450℃で約1時間~約48時間焼成することを含む。例えば、予備焼成触媒組成物を約325℃~約375℃で約1時間~約4時間焼成して、触媒組成物を提供することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物を約350℃で約2時間焼成して、触媒組成物を提供する。
【0111】
いくつかの実施形態では、触媒組成物の非晶質含量は、触媒組成物について予測される添加物非晶質含量よりも多い。例えば、例3.8に示されるように、60重量%のベーマイト(51.2%非晶質出発物質)と40重量%の酸化的脱水素触媒(42.5%非晶質出発物質)から調製された触媒組成物は、47.72重量%の予測される添加物非晶質含量(予測添加物非晶質含量)を有する(0.6×51.2+0.4×42.5=47.72)。しかしながら、本明細書に開示されるように調製される場合、触媒組成物は、驚くべきことに、予測される添加剤非晶質含量よりも多くの非晶質含量を有することができる(例えば、触媒組成物3.3を参照)。いくつかの実施形態では、触媒組成物の非晶質含量は、約5重量%~約50重量%、約10重量%~約45重量%、約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%であり、触媒組成物について予測される添加剤非晶質含量よりも多い。
【0112】
また、本明細書で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、アルミニウム、及び酸素を含む触媒組成物である。モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.49である。モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.25である。モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20である。モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.01から1:2.0である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。さらに、組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である。
【0113】
いくつかの実施形態では、モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.20から1:0.45であり;モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり;モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり;モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.5である。
【0114】
いくつかの実施形態では、モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.30から1:0.45であり;モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり;モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり;モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.30である。
【0115】
触媒組成物は、60重量%~80重量%非晶質であり得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、触媒組成物中のアルミニウムの供給源は、疑似ベーマイトなどのベーマイトに由来する。
【0117】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0118】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する。例えば、触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒組成物は、約93%を超えるエチレンへの選択性を有することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒組成物は、約360℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%を超えるエチレンへの選択性を有することができる。
【0121】
触媒組成物は、アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、並びに予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供することを含む方法によって調製することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。例えば、水は蒸留水を含んでもよい。水は、混合物の約10重量%~約99重量%の量で存在することができる。例えば、水は、混合物の約40重量%~約60重量%の量で存在することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物は、約300℃~約450℃の温度で焼成される。例えば、予備焼成触媒組成物は、約325℃~約375℃の温度で焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成触媒組成物は、約350℃の温度で焼成される。
【0124】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。例えば、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約80℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0126】
また、本明細書に記載の任意の触媒組成物を用いた酸化的脱水素反応器におけるエタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法も、本明細書で提供される。
【0127】
また、本明細書に記載の任意の酸化的脱水素触媒又は触媒組成物を用いた酸化的脱水素反応器におけるエタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法も、本明細書で提供される。
【0128】
続いて、エチレンを種々の生成物に転化することができる。例えば、エチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エチルベンゼン、直鎖アルコール、酢酸ビニル、アルカン、アルファオレフィン、種々の炭化水素系燃料、エタノールなどを含む多くの種々の化合物に転化することができる。次いで、これらの化合物を、当業者に周知の方法を用いてさらに処理して、他の価値ある化学物質及び消費者製品を得ることができる。
【0129】
本明細書に開示される実施形態には以下の実施形態が含まれるが、これらに限定されない。
【0130】
実施形態A:下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物であって、
前記組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である。
【0131】
実施形態Aは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0132】
要素A1:組成物は、60重量%~80重量%非晶質である。
【0133】
要素A2:組成物は、補助剤をさらに含む。
【0134】
要素A3:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤は、触媒組成物の約30重量%~約90重量%を構成する。
【0135】
要素A4:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤は、触媒組成物の約60重量%を構成する。
【0136】
要素A5:酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約10重量%~約70重量%を構成する。
【0137】
要素A6:酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約40重量%を構成する。
【0138】
要素A7:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤は、支持体、結合剤、凝集剤、促進剤、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤、又はそれらの組合せを含む。
【0139】
要素A8:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤は、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤を含む。
【0140】
要素A9:混合金属酸化物は、下記の実験式を有する:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0.01~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)。
【0141】
要素A10:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含む。
【0142】
要素A11:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、アルミナは、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミナ、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、又はそれらの組合せから選択される。
【0143】
要素A12:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、アルミナは、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、又はそれらの組合せを含む。
【0144】
要素A13:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、アルミナはベーマイトを含む。
【0145】
要素A14:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、アルミナはベーマイトを含み;ベーマイトは疑似ベーマイトを含む。
【0146】
要素A15:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、アルミナは、触媒組成物の約30重量%~約90重量%を構成する。
【0147】
要素A16:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、アルミナは、触媒組成物の約60重量%を構成する。
【0148】
要素A17:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.49であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.25であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.01から1:2.0である。
【0149】
要素A18:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.5である。
【0150】
要素A19:組成物は、補助剤をさらに含み;補助剤はアルミナを含み;ここで、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.30である。
【0151】
要素A20:触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0152】
要素A21:触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する。
要素A22:触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有する。
【0153】
要素A23:触媒組成物は、約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。
要素A24:触媒組成物は、約93%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0154】
要素A25:触媒組成物は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。
要素A26:触媒組成物は、約360℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0155】
非限定的な例として、実施形態Aに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:A1及びA2;A1、A2、及びA10;A13及びA17;A13、A17、及びA20;等。
【0156】
実施形態B:ベーマイトと、下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒と、を含む触媒組成物であって、
ベーマイトは、触媒組成物の約50重量%~約70重量%を構成し、
酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約30重量%~約50重量%を構成し、
前記組成物は、XRDによって測定されるように、約60重量%~約80重量%非晶質である。
【0157】
実施形態Bは、以下の追加の要素を有することができる。
【0158】
要素B1:触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0159】
実施形態C:アルミナと、下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を有する酸化的脱水素触媒と、を含む触媒組成物であって、
前記触媒組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である。
【0160】
実施形態Cは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合で有することができる。
【0161】
要素C1:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること。
【0162】
要素C2:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。
【0163】
要素C3:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は蒸留水を含む。
【0164】
要素C4:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は、混合物の約10重量%~約99重量%を構成する。
【0165】
要素C5:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は、混合物の約40重量%~約60重量%を構成する。
【0166】
要素C6:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、予備焼成触媒組成物を、約300℃~約450℃の温度で焼成する。
【0167】
要素C7:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、予備焼成触媒組成物を、約325℃~約375℃の温度で焼成する。
【0168】
要素C8:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、予備焼成触媒組成物を、約350℃の温度で焼成する。
【0169】
要素C9:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0170】
要素C10:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0171】
要素C11:組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約80℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0172】
非限定的な例として、実施形態Cに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:C1及びC9;C1及びC10;等。
【0173】
実施形態D:アルミナと、下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒と、を含む触媒組成物を調製する方法であって、当該方法は以下を含む:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること。
【0174】
実施形態Dは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0175】
要素D1:混合物は、約20重量%~約90重量%の水、約5重量%~約50重量%の酸化的脱水素触媒、及び約5重量%~約30重量%のアルミナを含む。
【0176】
要素D2:混合物は、約40重量%~約60重量%の水、約25重量%~約35重量%の混合金属酸化物触媒、及び約15重量%~約25重量%のアルミナを含む。
【0177】
要素D3:混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱する。
要素D4:混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱する。
要素D5:混合物を、約80℃の温度で加熱する。
【0178】
要素D6:混合物を加熱して、約50重量%~約99.9重量%の水を除去する。
【0179】
要素D7:焼成温度は約300℃~約450℃である。
要素D8:焼成温度は約325℃~約375℃である。
要素D9:焼成温度は約350℃である。
【0180】
要素D10:焼成時間は約1時間~約48時間である。
要素D11:焼成時間は約1時間~約12時間である。
要素D12:焼成時間は約1時間~約4時間である。
要素D13:焼成時間は約2時間である。
【0181】
要素D14:焼成温度は約300℃~約450℃であり、焼成時間は約1時間~約48時間である。
要素D15:焼成温度は約325℃~約375℃であり、焼成時間は約1時間~約4時間である。
要素D16:焼成温度は約350℃~であり、焼成時間は約2時間である。
【0182】
要素D17:触媒組成物の非晶質含量は、触媒組成物について予測される添加物非晶質含量(予測添加物非晶質含量:predicted additive amorphous content)よりも多い。
【0183】
非限定的な例として、実施形態Dに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:D1及びD3;D1、D3及びD17;等。
【0184】
実施形態E:下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物の非晶質相を増加させる方法であって、当該方法は以下を含む:
酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供すること、
酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む前記混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること。
【0185】
実施形態F:モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、アルミニウム、及び酸素を含む触媒組成物であって、モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.49であり;モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.25であり;モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり;モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.01から1:2.0であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在し;組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である。

【0186】
実施形態Fは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0187】
要素F1:モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.20から1:0.45であり、モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.5である。
【0188】
要素F2:モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.30から1:0.45であり、モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり、モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり、モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.30である。
【0189】
要素F3:組成物は、60重量%~80重量%非晶質である。
【0190】
要素F4:触媒組成物中のアルミニウムの供給源は、ベーマイトを含む。
【0191】
要素F5:触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0192】
要素F6:触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する。
要素F7:触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有する。
【0193】
要素F8:触媒組成物は、約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。
要素F9:触媒組成物は、約93%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0194】
要素F10:触媒組成物は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する。
要素F11:触媒組成物は、約360℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0195】
要素F12:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること。
【0196】
要素F13:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。
【0197】
要素F14:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は蒸留水を含む。
【0198】
要素F15:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は、混合物の約10重量%~約99重量%を構成する。
【0199】
要素F16:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、水は、混合物の約40重量%~約60重量%を構成する。
【0200】
要素F17:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、予備焼成触媒組成物を、約300℃~約450℃の温度で焼成する。
【0201】
要素F18:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、予備焼成触媒組成物を、約325℃~約375℃の温度で焼成する。
【0202】
要素F19:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、予備焼成触媒組成物を、約350℃の温度で焼成する。
【0203】
要素F20:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0204】
要素F21:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0205】
要素F22:触媒組成物は、以下を含む方法によって調製される:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.25Nb0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供すること、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供すること、
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供すること;
ここで、酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約80℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する。
【0206】
非限定的な例として、実施形態Fに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:F1及びF3;F3及びF4;F3及びF5;F3、F5、及びF12;F3、F5、F12、及びF20;等。
【実施例
【0207】
[例1.1]
(NHMoTeO24・7HO(96.1334グラム(g))を、300ミリリットル(mL)の蒸留水と共に2リットル(L)の丸底フラスコに秤量し、混合物を毎分300回転(rpm)で撹拌し、60℃の温度に制御した温水浴で30分間加熱して塩を溶解した。VOSO・3.35HO(70.0861g)を、100mLの蒸留水と共に400mLのビーカーに秤量し、混合物を300rpmで撹拌し、60℃の温度に制御した温水浴で30分間加熱して塩を溶解した。VOSO・3.41HOの温かい青色の溶液を、(NHMoTeO・HOの温かい混濁混合物に、滴下漏斗を介して27分かけて空気中に滴下し、透明な黒色/紫色の溶液を形成した。得られた黒色/紫色の溶液を、300rpmで約1時間(h)混合した。得られた黒色の溶液に、室温のH[NbO(C](192.20g(0.356mmolNb/g溶液))を滴下漏斗により滴下して、紫色のスラリーを形成した。紫色のスラリーを、大きなテフロン撹拌棒を含む2LのPARRオートクレーブに加えた。オートクレーブを密閉し、15psigの窒素を10サイクル、続いて完全に真空にすることにより、内部の空気をパージした。2LのPARRオートクレーブを15psigの窒素下に置き、密閉した。2LのPARRオートクレーブを、背圧レギュレータと凝縮器セットアップに接続した。反応器の内容物を、磁気撹拌プレート/テフロン撹拌棒を介して一晩撹拌した。撹拌プレートを300rpmに設定した。
【0208】
翌日、2Lの反応器、背圧レギュレータ、及び凝縮器セットアップを15psigの窒素でパージした。窒素パージステップ中、背圧レギュレータを160psigに合わせた。反応器の内容物が、撹拌プレートを備えた磁気撹拌棒又はオーバーヘッド撹拌機アセンブリのいずれかを用いて撹拌されるように設定した。取り付けられた加熱ジャケットを用いて、反応器を172℃~175℃の内部温度に加熱し、反応物を24時間加熱した。
【0209】
翌日、2Lの反応器内の圧力を解放し、反応器からの紫色の生成物スラリーを、真空を用いてブフナー漏斗(ワットマン濾紙を使用-定性濾紙#1、直径24cm、品番1001-240、気孔率11μm)を通して濾過した。得られた紫色の粉末を蒸留水で洗浄し、濾液が透明になるまで濾過した(約200mLの蒸留水)。触媒からの濾過ケークを、真空オーブン(全真空)を使用して90℃で1日中乾燥させた。その日の終わりに、オーブンの温度をオフにし、濾過ケークを週末にかけて室温で静的真空下に置いた。週末の後、触媒を、通常のオーブン内で90℃で1日中と一晩、さらに乾燥させた。乾燥した生成物を、ブレンダーを使用して粉砕し、この粉末材料を予備触媒(Pre-catalyst)1.1とし、その後の焼成手順に用いた。
【0210】
予備触媒1.1を、30g~40gずつ、石英管反応器(QRU)上の4つのボートにロードした。QRUをバルク窒素下で少なくとも8時間パージした後、400標準立方センチメートル/分(sccm)の精製窒素(バルク窒素が触媒床を通過)に切り替えた。炉の電源を入れた後、600℃まで6時間かけて昇温させた加熱プログラムを用い、600℃の温度を2時間保持して、黒色の固体生成物としての触媒1.1を生成した。
【0211】
[例2.1]
例1.1の手順を繰り返して、触媒2.1を得た。
【0212】
[例2.2]
100mLビーカーに6.0097gのVERSAL(登録商標)250アルミナ(60重量%)を入れた。秤量ボートに、40重量%の実験式Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20を有する酸化的脱水素触媒を4.0043g投入した。ビーカーに10mLの蒸留水を入れた。VERSAL(登録商標)250アルミナと酸化的脱水素触媒を含むビーカーに、0.5224gの1モル(M)リン酸を充填した。ガラス撹拌シャフトと1インチのテフロン撹拌ブレードを用いて、オーバーヘッド撹拌機を100rpmに設定し、ビーカーを70℃に設定したホットプレート上に置いた。溶液をホットプレート上でゆっくりと蒸発させてペーストを形成した(約25分)。次いで、黒色/紫色のペーストを、オーブン内で90℃で一晩乾燥させた。得られた100mLビーカー内の乾燥した黒色/紫色のペーストをマッフル炉に移し、350℃で2時間(傾斜時間30分)焼成して、触媒組成物2.2を得た。
【0213】
[例2.3]
41重量%の実験式Mo1.00.12-0.49Te0.05-0.17Nb0.10-0.20を有する酸化的脱水素触媒を、18インチのLancaster mix muller内で、乾燥粉末としてのVERSAL(登録商標)250アルミナ(59重量%)と混合した。硝酸を、アルミナ素練り促進剤(peptizing agent)として0.001~0.2gHNO/g混合粉末のレベルで、押出しのコンシステンシー(consistency)に達するまで、使用した。押し出された触媒を乳鉢と乳棒を用いて粉砕して、触媒組成物2.3を得た。
【0214】
[例2.4]
ビーカーに、4gの触媒2.1と6gのVERSAL(登録商標)250アルミナを入れた。2つの粉末を一緒に混合して、均一性のある(consistent)混合物を得た。次いで、この混合物をプレスして、触媒組成物2.4を得た。
【0215】
[例2.5]
触媒組成物2.1~2.4の25%の転化温度及び選択性を決定した。25%転化温度を、本明細書に記載されるように、35%転化温度と同様の方法で決定し、エタン転化の線形方程式を解いて、エタン転化が25である温度を決定した。供給ガスは、82%のエタン及び18%の酸素のモル比を有するエタン及び酸素を含んでいた。供給ガスの流量は約75sccmであった。
【0216】
触媒2.1及び触媒組成物2.2~2.4の25%の転化温度及び選択性を、表1に示す。
【0217】
【表1】
【0218】
[例2.6]
次に、触媒2.1及び触媒組成物2.2~2.4のXRDパターンを取得し、図2に示す。
【0219】
XRDパターンを調べると、XRDパターンは、28.04°の2θのピークが、28.32°の2θ°のピークと比較して有意に強いことを示した。触媒組成物2.2の場合、28.32°の2θのピークはほとんど区別できないピークショルダーとして見ることができる。一方、触媒1.1の場合、28.32°の2θのピークがダブルピークを支配していることがはっきりとわかる。触媒2.1のXRDには、単一のピークが存在する28°の2シータにピークがあった。触媒アルミナ混合物の場合、27.5°の2シータにさらに小さなピークが現れた。さらに、押し出された触媒の場合、これらの2つのピークはどちらの側にも歪んでおらず、その代わりに強度が均一になっている。これらの処理工程中の水の添加は、適切な混合にとって重要であるだけでなく、得られる触媒混合物の組成も変化させるようにも見える。
【0220】
[例3.1]
4.01gの触媒1.1及び6.0079gのCATAPAL(登録商標)Bアルミナバインダーを100mLビーカーに加え、10mLの蒸留水を加えて懸濁液を作製した。撹拌した懸濁液を、ホットプレートを用いて蒸発させた。ビーカーをホットプレート上に直接置き、熱電対をホットプレートの真上に置いた。熱電対温度を70℃に設定した。ホットプレートの温度は測定しなかった。懸濁液の蒸発によりペーストが生成されたとき、得られたペースト(まだ100mLのガラスビーカー内にある)をオーブンに移した。触媒混合物から水が蒸発するのにかかった時間は約30分であり、紫色のペースト状の物質を生成した。次に、ペーストを90℃のオーブンで一晩乾燥させた。23℃(室温)から90℃に達するまでの傾斜時間は1時間であった。朝、乾燥したペースト(まだ100mLのガラスビーカーに入っている)を90℃のオーブンから取り出し、マッフル炉に移した。次に、マッフル炉を350℃で2時間、室温(23℃)から350℃まで約30分の傾斜速度で加熱した。炉を冷却した後、最終生成物を手動のCarvar Pressで12トンにプレスし、続いて粉砕及びふるい分けして、425~1000ミクロンの最終粒子サイズを確保し、触媒組成物3.1を得た。
【0221】
触媒組成物3.1を、本明細書に開示されるように、MRUを用いてスクリーニングし、その結果を表3に示す。さらに、触媒組成物3.1のSEM画像を、図1A及び図1Bに示す。
【0222】
[例3.2]
100mLビーカーに、4gの触媒1.1と6gのフラッシュ焼成アルミナを入れた。この混合物に17mLの蒸留水を加えてスラリーを得た。ガラス撹拌シャフトと1インチTEFLON(登録商標)撹拌ブレードを備えたオーバーヘッド撹拌機を使用して、スラリーを撹拌した。スラリーを80~100℃に加熱して、ペーストを形成するのに十分な水を除去した。ペーストを、オーブン内で90℃で一晩乾燥し、マッフル炉内で350℃で2時間、30分の傾斜時間で焼成して触媒組成物3.2を得た。
【0223】
[例3.3]
100mLビーカーに、4gの触媒1.1と6gのVERSAL(登録商標)250アルミナを入れた。この混合物に15mLの蒸留水を加えてスラリーを得た。ガラス撹拌シャフトと1インチTEFLON(登録商標)撹拌ブレードを備えたオーバーヘッド撹拌機を使用して、スラリーを撹拌した。スラリーを80~100℃に加熱して、ペーストを形成するのに十分な水を除去した。ペーストをオーブン内で90℃で一晩乾燥し、マッフル炉内で350℃で2時間、30分の傾斜時間で焼成して触媒組成物3.3を得た。
【0224】
[例3.4]
100mLビーカーに、4gの触媒1.1と6gの触媒1.1を入れた。この混合物に15mLの蒸留水を加えてスラリーを得た。ガラス撹拌シャフトと1インチTEFLON(登録商標)撹拌ブレードを備えたオーバーヘッド撹拌機を使用して、スラリーを撹拌した。スラリーを80~100℃に加熱して、ペーストを形成するのに十分な水を除去した。ペーストをオーブン内で90℃で一晩乾燥し、マッフル炉内で500℃で2時間、30分の傾斜時間で焼成して触媒組成物3.4を得た。
【0225】
[例3.5]
実験式Mo1.00.32-0.49Te0.10-0.17Nb0.14-0.17を有する酸化的脱水素触媒を調製した。触媒は、触媒1.1と同じ方法で調製し、外部に押し出してペレット化された押出物とし、触媒3.5を得た。
【0226】
[例3.6]
実験式Mo1.00.32-0.49Te0.10-0.17Nb0.14-0.17を有する触媒組成物3.6を調製した。触媒組成物は、触媒1.1と同様に調製された触媒と押出プロセスによるアルミナとを混合することによって調製し、ペレット化された押出物を形成した。
【0227】
[例3.7]
100mLビーカーに、4.0322gの触媒1.1、6.0074gのCATAPAL(登録商標)Bアルミナ(SASOL)、及び10mLの蒸留水を入れた。ビーカーを油浴に固定し、ガラス撹拌シャフトと0.5インチのテフロン撹拌ブレードを備えたオーバーヘッド撹拌機を設置して、薄紫色の水性物質を混合した。油浴を100℃に設定し、オーバーヘッド撹拌機を100rpmに設定した。水性混合物を撹拌し、55分間加熱した。その後、ペースト状の混合物をオーブン内で90℃で18時間加熱した。これに続いて、薄紫色の粉末をマッフル炉内で350℃で2時間、30分の傾斜時間で焼成して触媒組成物3.7を得て、これをPIXE試験に供した。
【0228】
[例3.8]
100mLビーカーに、4.04gの触媒1.1、6.03gのCATAPAL(登録商標)Bアルミナ(SASOL)、及び10mLの蒸留水を入れた。ビーカーを油浴に固定し、ガラス撹拌シャフトと0.5インチのテフロン撹拌ブレードとを用いてオーバーヘッド撹拌機を組み立てた。攪拌機を100rpmに設定し、油浴を100℃に設定した。水性混合物を100℃、100rpmで1時間撹拌した。続いて、薄紫色のペーストを90℃のオーブン内で18時間乾燥させた。その後、薄紫色の粉末をマッフル炉内で500℃で2時間、30分の傾斜時間で焼成して触媒組成物3.8を得て、これをPIXE試験に供した。
【0229】
[例3.9]
触媒1.1及び触媒組成物3.2~3.6の35%転化温度及び選択性を、本明細書に記載のMRUを用いて決定した。反応器管に入る供給ガス組成物は、35%エタン、17.5%酸素、47.5%窒素(モル比)であった。活性相に基づくWHSVは2.97h-1であった。供給ガスの流量は約74.6sccmであった。触媒1.1及び触媒組成物3.2~3.6の35%転化温度及び選択性を、表3に示す。
【0230】
【表3】

【0231】
[例3.10]
触媒1.1、フラッシュ焼成アルミナ、及びベーマイト(VERSAL(登録商標)250)の非晶質含量を、XRDによって決定した。続いて、予測される添加剤非晶質含量を、組成物中の、触媒1.1、フラッシュ焼成アルミナ、及びベーマイトの決定された非晶質含量と、触媒1.1、フラッシュ焼成アルミナ、及びベーマイトの重量パーセントとに基づいて計算した。例えば、触媒組成物3.3の予測される添加剤非晶質含量は、組成物が、60重量%の51.2%非晶質ベーマイトと40重量%の42.5%非晶質触媒1.1とを含むため、47.72%であると計算された(0.6×51.2+0.4×42.5=47.72%)。次いで、触媒組成物3.2~3.6の実際の非晶質含量を、XRDによって決定した。これらの計算と結果を、表4に示す。
【0232】
【表4】

【0233】
驚くべきことに、触媒組成物が例3.3に開示されるように調製される場合(例えば、触媒組成物3.3)、非晶質含量は予想よりも多い。さらに、触媒組成物が例3.3に開示されるように調製される場合、その触媒組成物は、それ自体の酸化的脱水素触媒に比べて、35%転化温度がより低く、選択性が同等である。このことは、触媒1.1と触媒組成物3.3の35%転化温度及び選択性を比較するとわかる。
【0234】
これとは別に、触媒組成物3.2に見られるように、フラッシュ焼成アルミナを触媒1.1に添加すると、非晶質含量が予測よりも少なくなった。これは、フラッシュ焼成アルミナを添加することにより、触媒組成物の結晶化が促進することを示唆している。
【0235】
上記のように、押し出された触媒組成物3.6は、酸化的脱水素触媒とアルミナとの混合物に添加される水の量において、触媒組成物3.3と部分的に異なる。具体的には、触媒組成物3.6の調製中に10重量%未満の水が添加されたのに対し、触媒組成物3.3では約50重量%の水が添加された。さらに、押出工程に続いて、350℃で乾燥し焼成した。触媒組成物3.6の手順によって、触媒組成物のアルミナ部分の非晶質含量のわずかな増加と、酸化的脱水素触媒の非晶質含量の減少をもたらしたことが分かる。さらに、触媒組成物3.6では、35%転化温度がわずかに上昇し、エチレンへの選択性が著しく低下した。
【0236】
[例3.11]
触媒組成物3.1、3.2、3.7、及び3.8のPIXIE分析を、表5に示す。
【0237】
【表5】
【0238】
<他の実施形態>
本発明をその詳細な説明に関連して説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、及び修正は、以下の請求項の範囲内にある。
なお、本願の出願当初の特許請求の範囲に係る発明の内容は、以下の通りである。
[項1] 下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.25 Nb 0.10-0.20 Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物であって、
前記組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である、上記触媒組成物。
[項2] 前記組成物が、60重量%~80重量%非晶質である、項1に記載の触媒組成物。
[項3] 前記組成物が、補助剤をさらに含む、項1又は2に記載の触媒組成物。
[項4] 前記補助剤が、前記触媒組成物の約30重量%~約90重量%を構成する、項3に記載の触媒組成物。
[項5] 前記補助剤が、前記触媒組成物の約60重量%を構成する、項3に記載の触媒組成物。
[項6] 前記酸化的脱水素触媒が、前記触媒組成物の約10重量%~約70重量%を構成する、項1~5のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項7] 前記酸化的脱水素触媒が、前記触媒組成物の約40重量%を構成する、項1~5のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項8] 前記補助剤が、支持体、結合剤、凝集剤、促進剤、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤、又はそれらの組合せを含む、項3~7のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項9] 前記補助剤が、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤を含む、項1~5のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項10] 前記混合金属酸化物が、下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.17 Nb 0.10-0.20 Al
(式中、cは0.01~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する、項1~9のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項11] 前記補助剤がアルミナを含む、項3~10のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項12] 前記アルミナが、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミナ、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、又はそれらの組合せから選択される、項11に記載の触媒組成物。
[項13] 前記アルミナが、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、又はそれらの組合せを含む、項11に記載の触媒組成物。
[項14] 前記アルミナが、ベーマイトを含む、項11に記載の触媒組成物。
[項15] 前記ベーマイトが、疑似ベーマイトを含む、項14に記載の触媒組成物。
[項16] 前記アルミナが、触媒組成物の約30重量%~約90重量%を構成する、項11~15に記載の触媒組成物。
[項17] 前記アルミナが、触媒組成物の約60重量%を構成する、項11~16に記載の触媒組成物。
[項18] PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は0.01から2.0である、項11~17のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項19] PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.10から1:0.20であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は0.05から0.5である、項11~17のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項20] PIXEによって決定されるように、触媒組成物中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.45であり、触媒組成物中のモリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとニオブのモル比は1:0.12から1:0.18であり、触媒組成物中のモリブデンとアルミニウムのモル比は0.10から0.30である、項11~17のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項21] 前記触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項1~20のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項22] 前記触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する、項1~21のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項23] 前記触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有する、項1~21のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項24] 前記触媒組成物が、約90%を超えるエチレンへの選択性を有する、項1~23に記載の触媒組成物。
[項25] 前記触媒組成物が、約93%を超えるエチレンへの選択性を有する、項1~23に記載の触媒組成物。
[項26] 前記触媒組成物が、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する、項1~21に記載の触媒組成物。
[項27] 前記触媒組成物が、約360℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%を超えるエチレンへの選択性を有する、項1~21に記載の触媒組成物。
[項28] ベーマイトと、下記の実験式:
Mo 0.12-0.49 Te 0.05-0.17 Nb 0.10-0.20 Al
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒と、を含む触媒組成物であって、
ベーマイトは、触媒組成物の約50重量%~約70重量%を構成し、
酸化的脱水素触媒は、触媒組成物の約30重量%~約50重量%を構成し、
前記組成物は、XRDによって測定されるように、約60重量%~約80重量%非晶質である、
上記触媒組成物。
[項29] 前記触媒組成物が、約350℃~約370℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する、項28に記載の触媒組成物。
[項30] アルミナと、下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.25 Nb 0.10-0.20 Al 0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を有する酸化的脱水素触媒と、を含む触媒組成物であって、
前記触媒組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である、
上記触媒組成物。
[項31] 以下の工程を含む方法によって調製される、項30に記載の触媒組成物:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.25 Nb 0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供する工程、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供する工程、並びに
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供する工程。
[項32] 前記水が、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される、項31に記載の触媒組成物。
[項33] 前記水が、蒸留水を含む、項31に記載の触媒組成物。
[項34] 前記水が、前記混合物の約10重量%~約99重量%を構成する、項31~33のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項35] 前記水が、前記混合物の約40重量%~約60重量%を構成する、項31~33のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項36] 前記予備焼成触媒組成物を、約300℃~約450℃の温度で焼成する、項31~35のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項37] 前記予備焼成触媒組成物を、約325℃~約375℃の温度で焼成する、項31~35のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項38] 前記予備焼成触媒組成物を、約350℃の温度で焼成する、項31~35のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項39] 酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する、項31~38のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項40] 酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する、項31~38のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項41] 酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を、約80℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する、項31~38のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項42] アルミナと、下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.25 Nb 0.10-0.20 Al 0-2.0
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒と、を含む触媒組成物を調製する方法であって、当該方法は以下の工程を含む:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.25 Nb 0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供する工程、
酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供する工程、並びに
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供する工程。
[項43] 前記混合物が、
約20重量%~約90重量%の水、
約5重量%~約50重量%の酸化的脱水素触媒、及び
約5重量%~約30重量%のアルミナを含む、
項42に記載の方法。
[項44] 前記混合物が、
約40重量%~約60重量%の水、
約25重量%~約35重量%の混合金属酸化物触媒、及び
約15重量%~約25重量%のアルミナを含む、
項42に記載の方法。
[項45] 前記混合物を約60℃~約100℃の温度で加熱する、項42~44のいずれか一項に記載の方法。
[項46] 前記混合物を約70℃~約90℃の温度で加熱する、項42~44のいずれか一項に記載の方法。
[項47] 前記混合物を約80℃の温度で加熱する、項42~44のいずれか一項に記載の方法。
[項48] 前記混合物を加熱して、約50重量%~約99.9重量%の水を除去する、項42~47のいずれか一項に記載の方法。
[項49] 前記焼成温度が、約300℃~約450℃である、項42~48のいずれか一項に記載の方法。
[項50] 前記焼成温度が、約325℃~約375℃である、項42~48のいずれか一項に記載の方法。
[項51] 前記焼成温度が、約350℃である、項42~48のいずれか一項に記載の方法。
[項52] 前記焼成時間が、約1時間~約48時間である、項42~51のいずれか一項に記載の方法。
[項53] 前記焼成時間が、約1時間~約12時間である、項42~51のいずれか一項に記載の方法。
[項54] 前記焼成時間が、約1時間~約4時間である、項42~51のいずれか一項に記載の方法。
[項55] 前記焼成時間が、約2時間である、項42~51のいずれか一項に記載の方法。
[項56] 前記焼成温度が約300℃~約450℃であり、前記焼成時間が約1時間~約48時間である、項42~55のいずれか一項に記載の方法。
[項57] 前記焼成温度が約325℃~約375℃であり、前記焼成時間が約1時間~約4時間である、項42~55のいずれか一項に記載の方法。
[項58] 前記焼成温度が約350℃~であり、前記焼成時間が約2時間である、項42~55のいずれか一項に記載の方法。
[項59] 前記触媒組成物の非晶質含量は、前記触媒組成物について予測される添加物非晶質含量よりも多い、項42~58のいずれか一項に記載の方法。
[項60] 下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.25 Nb 0.10-0.20 Al
(式中、cは0~2.0であり、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒を含む触媒組成物の非晶質相を増加させる方法であって、
酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供する工程、
酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む前記混合物を加熱して少なくとも40重量%の水を除去し、予備焼成触媒組成物を提供する工程、並びに
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供する工程、
を含む、上記方法。
[項61] 項1~38のいずれか一項に記載の触媒組成物を用いた酸化的脱水素反応器におけるエタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法。
[項62] モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、アルミニウム、及び酸素を含む触媒組成物であって、
モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.49であり、
モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.05から1:0.25であり、
モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、
モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、0.01から2.0であり、
酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在し、
前記組成物は、XRDによって測定されるように、少なくとも40重量%非晶質である、上記触媒組成物。
[項63] モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.20から1:0.45であり、
モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、
モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.10から1:0.20であり、
モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、0.05から0.5である、項62に記載の触媒組成物。
[項64] モリブデンとバナジウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.30から1:0.45であり、
モリブデンとテルルのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり、
モリブデンとニオブのモル比は、PIXEによって決定されるように、1:0.12から1:0.18であり、
モリブデンとアルミニウムのモル比は、PIXEによって決定されるように、0.10から0.30である、項62に記載の触媒組成物。
[項65] 前記組成物は、60重量%~80重量%非晶質である、項62~64のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項66] 前記触媒組成物中のアルミニウム源が、ベーマイトを含む、項62~65のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項67] 前記触媒組成物は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22±0.2、27±0.2、28.0±0.2、及び28.3±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項62~66のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項68] 前記触媒組成物は、約340℃~約390℃の35%転化温度を有する、項62~67のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項69] 前記触媒組成物は、約350℃~約370℃の35%転化温度を有する項62~67のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項70] 前記触媒組成物が、約90%を超えるエチレンへの選択性を有する、項62~69に記載の触媒組成物。
[項71] 前記触媒組成物が、約93%を超えるエチレンへの選択性を有する、項62~69に記載の触媒組成物。
[項72] 前記触媒組成物が、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び約90%を超えるエチレンへの選択性を有する、項62~67に記載の触媒組成物。
[項73] 前記触媒組成物が、約360℃~約370℃の35%転化温度、及び約93%を超えるエチレンへの選択性を有する、項62~67に記載の触媒組成物。
[項74] 以下の工程を含む方法によって調製される、項62~73のいずれか一項に記載の触媒組成物:
アルミナ、水、及び下記の実験式:
Mo 1.0 0.12-0.49 Te 0.05-0.25 Nb 0.10-0.20
(式中、dは酸化物の原子価を満たす数である)
を有する混合金属酸化物を含む酸化的脱水素触媒前駆体を含む混合物を提供する工程、
混合物から少なくとも40重量%の水を除去して予備焼成触媒組成物を提供する工程、並びに
予備焼成触媒組成物を焼成して触媒組成物を提供する工程。
[項75] 前記水が、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される、項74に記載の触媒組成物。
[項76] 前記水が、蒸留水を含む、項74又は75に記載の触媒組成物。
[項77] 前記水が、前記混合物の約10重量%~約99重量%を構成する、項74~76のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項78] 前記水が、前記混合物の約40重量%~約60重量%を構成する、項74~76のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項79] 前記予備焼成触媒組成物を、約300℃~約450℃の温度で焼成する、項74~78のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項80] 前記予備焼成触媒組成物を、約325℃~約375℃の温度で焼成する、項74~78のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項81] 前記予備焼成触媒組成物を、約350℃の温度で焼成する、項74~78のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項82] 酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む前記混合物を、約60℃~約100℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する、項74~81のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項83] 酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む前記混合物を、約70℃~約90℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する、項74~81のいずれか一項に記載の触媒組成物。
[項84] 酸化的脱水素触媒前駆体、アルミナ、及び水を含む前記混合物を、約80℃の温度で加熱して、少なくとも40%の水を除去する、項74~81のいずれか一項に記載の触媒組成物。
図1A
図1B
図2