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▶ エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】二環式ヘテロアリール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20231207BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20231207BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20231207BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20231207BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
C07D519/00 301
C07D519/00 CSP
A61K31/5383
A61K31/553
A61P25/28
A61P9/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021512272
(86)(22)【出願日】2019-09-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019073303
(87)【国際公開番号】W WO2020048904
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】18192219.6
(32)【優先日】2018-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ラトニ,アサヌ
(72)【発明者】
【氏名】カーター,ジェニファー・ルイーズ
【審査官】長谷川 莉慧霞
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-506903(JP,A)
【文献】特表2013-519701(JP,A)
【文献】特表2013-518082(JP,A)
【文献】特表2021-511306(JP,A)
【文献】特表2019-532972(JP,A)
【文献】特表2019-532948(JP,A)
【文献】特表2018-526410(JP,A)
【文献】国際公開第2010/138901(WO,A1)
【文献】MedChemComm,2013年,Vol.4, No.2,pp.422-431
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】

(式中、
は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、低級アルコキシ、またはハロゲンによって置換された低級アルコキシであり、n=2または3の場合、Rが異なっていてもよく;
mは、1または2であり;
nは、1、2または3であり;
Arは、以下から選択される6員ヘテロアリール基であ
【化2】

(式中、
は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、または低級アルコキシであり;
は、水素またはハロゲンである)
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(I)の化合物が、式(Ia)の化合物:
【化3】

(式中、R、m、nおよびArは請求項1に定義される通りである)
である、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項3】
式(I)の化合物が、式(Ib)の化合物:
【化4】

(式中、R、m、nおよびArは請求項1に定義される通りである)
である、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項4】
がハロゲンである、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項5】
がフッ素または塩素である、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項6】
nが2または3である、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項7】
Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化5】

(式中、
は、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;
は、水素である)、
請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項8】
Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化6】

(式中、
は、メチルまたはメトキシであり;
は、水素である)、
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項9】
がハロゲンであり;
mが1または2であり;
nが2または3であり;
Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化7】

(式中、
は、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;
は、水素である)、
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項10】
がフッ素または塩素であり;
mが1または2であり;
nが2または3であり;
Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化8】

(式中、
は、メチルまたはメトキシであり;
は、水素である)、
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項11】
以下から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物
(9R)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
以下から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
化合物5
【化9】

をアミン6
【化10】

(式中、Ar、R、nおよびmは請求項1から12のいずれか一項に定義される通りである)
と反応させて、
前記式(I)の化合物を形成し、所望であれば、得られた化合物をその薬学的に許容される塩に変換することを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を調製する方法
【請求項14】
療的活性物質として使用するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項16】
アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置に使用するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項17】
アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物
【請求項18】
アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための医薬を調製するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、γセクレターゼモジュレーターとして有用な二環式ヘテロアリール化合物、それらの製造、前記化合物を含む医薬組成物、ならびにアルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症およびダウン症候群などの脳におけるβ-アミロイドの沈着に関連する疾患の治療的および/または予防的処置のための医薬としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は、晩年の認知症の最も一般的な原因である。病理学的には、ADはアミロイドの細胞外プラークへの沈着および脳内の細胞内神経原線維変化を特徴とする。アミロイドプラークは主に、一連のタンパク質分解切断ステップによるβ-アミロイド前駆体タンパク質(APP)に由来するアミロイドペプチド(Aβペプチド)で構成される。APPのいくつかの形態が同定されており、その中で最も豊富なのは、695、751および770アミノ酸長タンパク質である。これらは全て、差動スプライシングを通して単一遺伝子から生じる。AβペプチドはAPPの同じドメインに由来する。
【0003】
Aβペプチドは、βおよびγセクレターゼと呼ばれる2つのタンパク質分解酵素の連続作用によってAPPから産生される。βセクレターゼは、膜貫通ドメイン(TM)のすぐ外側にあるAPPの細胞外ドメインで最初に切断して、TMドメインおよび細胞質ドメインを含むAPPのC末端フラグメント(CTFβ)を産生する。CTFβは、TM内のいくつかの隣接する位置で切断してAβペプチドおよび細胞質フラグメントを産生するγセクレターゼの基質である。γセクレターゼによって媒介されるさまざまなタンパク質分解切断は、異なる鎖長のAβペプチド、例えばAβ38、Aβ40およびAβ42をもたらす。後者は、神経毒性凝集体を形成する傾向が強いため、より病原性の高いアミロイドペプチドであると見なされている。βセクレターゼは典型的なアスパルチルプロテアーゼである。
【0004】
γセクレターゼは、プレセニリン(PS1およびPS2を含むPS)、ニカストリン、anterior pharynx defective 1(APH-1)およびプレセニリンエンハンサー2(PEN-2)の4つの必須サブユニットからなる高分子量複合体である。3.4A分解能でのヒトγセクレターゼの原子構造が公開されている(X.Bai、C.Yan、G.Yang、P.Lu、D.Ma、L.Sun、R.Zhou、S.H.W.Scheres、Y.Shi、Nature、525(2015)、212~217)。プレセニリンは触媒部位を持っており、TM内で基質を切断し、それ自体がポリトピック型膜タンパク質である非定型アスパルチルプロテアーゼのグループを表す。γセクレターゼの他の必須成分である、ニカストリン、ならびにaph1およびpen-2遺伝子の産物は、基質の認識および動員を担うと考えられている。γセクレターゼの実証済みの基質はAPPおよびNotch受容体ファミリーのタンパク質であるが、γセクレターゼは基質特異性が緩く、APPおよびNotchに関係のない多くのさらなる膜タンパク質がインビトロでγセクレターゼによって切断されることが報告されている。
【0005】
γセクレターゼ活性は、Aβペプチドの産生に絶対に必要である。これは、遺伝的手段、すなわちプレセニリン遺伝子の除去と低分子量抑制性化合物の両方によって示されている。ADのアミロイドカスケード仮説によると、Aβの産生および沈着がこの疾患の最終的な原因である。したがって、γセクレターゼの選択的かつ強力な阻害が、ADの予防および処置に有用である可能性があると考えられている。
【0006】
処置の代替様式は、Aβ42産生の選択的減少をもたらすγセクレターゼ活性の調節である。これは、凝集およびプラーク形成の能力がない、または低下しており、神経毒性がない、または低いAβ38、Aβ37などのより短いAβアイソフォームの増加をもたらすだろう。γセクレターゼ活性を調節する化合物には、一定の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)および関連する類似体が含まれる(Weggenら、Nature、414(2001)212~216)。
【0007】
以下の刊行物などの多数の文書がγセクレターゼ調節に関する現在の知識を説明している:
Moriharaら、J.Neurochem.、83(2002)、1009~12
Jantzenら、J.Neuroscience、22(2002)、226~54
Takahashiら、J.Biol.Chem.、278(2003)、18644~70
Beherら、J.Biol.Chem.、279(2004)、43419~26
Lleoら、Nature Med.、10(2004)、1065~6
Kukarら、Nature Med.、11(2005)、545~50
Perrettoら、J.Med.Chem.、48(2005)、5705~20
Clarkeら、J.Biol.Chem.、281(2006)31279~89
Stockら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、16(2006)2219~2223
Narlawarら、J.Med.Chem.、49(2006)7588~91
Ebkeら、J.Biol.Chem.、286(2011)37181~86
Oehlich、Gijsenら、J.Med.Chem.、54(2011)、669~698
Liら、Biochemistry、52(2013)、3197~3216
Hallら、Progress in Med.Chem.、53(2014)101~145
Bursavichら、J.Med.Chem.、59(2016)。
【0008】
したがって、γセクレターゼ活性の調節は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症およびダウン症候群などの脳におけるβ-アミロイドの沈着に関連する疾患の処置または予防のための有望な治療的戦略である。
【0009】
脳におけるβ-アミロイドの沈着に関連する疾患および障害を処置するための新たな化合物、製剤、処置および治療が必要である。したがって、改善された治療特性を有するこのような疾患および障害の処置または予防または改善に有用な化合物を提供することが本発明の目的である。
【発明の概要】
【0010】
本発明の第1の目的は、式(I)の化合物
【化1】

(式中、
R1は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、低級アルコキシ、またはハロゲンによって置換された低級アルコキシであり、
n=2または3の場合、R1が異なっていてもよく;
mは、1または2であり;
nは、1、2または3であり;
Arは、以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化2】

(式中、
R2は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、または低級アルコキシであり;
R3は、水素またはハロゲンである))
またはその薬学的に許容される塩である。
【0011】
本発明のさらなる目的は、本明細書に記載される式(I)の化合物を調製する方法であって、化合物5
【化3】

をアミン6
【化4】

(式中、Ar、R1、n、およびmは、本明細書で定義される通りである)
と反応させて、
前記式(I)の化合物を形成し、所望であれば、得られた化合物をその薬学的に許容される塩に変換することを含む方法である。
【0012】
本発明のさらなる目的は、本明細書に記載される方法に従って製造された場合の、本明細書に記載される式(I)の化合物である。
【0013】
本発明のさらなる目的は、治療的活性物質として使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物である。
【0014】
本発明のさらなる目的は、本明細書に記載される式(I)の化合物と、治療上不活性な担体とを含む医薬組成物である。
【0015】
本発明のさらなる目的は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置に使用するための本明細書に記載される式(I)の化合物である。
【0016】
本発明のさらなる目的は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための本明細書に記載される式(I)の化合物の使用である。
【0017】
本発明のさらなる目的は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための医薬を調製するための本明細書に記載される式(I)の化合物の使用である。
【0018】
本発明のさらなる目的は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための方法であって、有効量の本明細書に記載される式(I)の化合物を投与することを含む方法である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で使用される一般用語の以下の定義は、当の用語が単独で現れるか、他の基と組み合わせて現れるかに関係なく、適用される。
【0020】
用語「低級アルキル」は、単独でまたは他の基と組み合わせて、単一または複数の分岐を有する飽和直鎖または分岐鎖アルキル基を指し、アルキル基は一般に、1~7個の炭素原子を含む(「C1~7-アルキル」)、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル、イソプロピル(i-プロピル)、n-ブチル、i-ブチル(イソブチル)、2-ブチル(sec-ブチル)、t-ブチル(tert-ブチル)、イソペンチル、2-エチル-プロピル、1,2-ジメチル-プロピルなどである。特定の低級アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4-アルキル」)。
【0021】
用語「ハロゲンによって置換された低級アルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、上に定義されるアルキル基、例えば、CF3、CHF2、CH2F、CHFCF3、CH2CHF2、CH2CH2F、CH2C(CH3)2CF3、CH2CF2CF3、CH(CF3)2、CH2CF3、(CH2)2CF3、(CH2)3CF3、CH(CH3)CF3、CF2CF3などを表す。好ましい基はCF3である。
【0022】
用語「アルコキシ」は、単独でまたは組み合わせて、用語「アルキル」が、前に示される意味を有する、式アルキル-O-の基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシを表す。特定の「アルコキシ」は、メトキシおよびtert-ブチルオキシである。
【0023】
用語「ハロゲンによって置換された低級アルコキシ」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、上に定義される低級アルコキシ基を表す。
【0024】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、単独でまたは組み合わせて、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素、さらに特にフッ素および塩素を表す。用語「ハロ」は、別の基と組み合わせて、少なくとも1個のハロゲン、特に1~5個のハロゲン、特に1~4個のハロゲン、すなわち1個、2個、3個または4個のハロゲンで置換された前記基の置換を表す。
【0025】
用語「薬学的に許容される塩」は、生物学的にも別様にも望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、特に塩酸、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸で形成される。
【0026】
式(I)の化合物の特に好ましい薬学的に許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびメタンスルホン酸の塩である。
【0027】
用語「保護基」(PG)は、化学反応が、合成化学において慣用的に関連する意味において、別の保護されていない反応部位で選択的に行われ得るように、多官能性化合物中の反応部位を選択的に遮断する基を表す。保護基は適切な時点で除去できる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基またはヒドロキシ保護基である。特定の保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびベンジル(Bn)である。さらなる特定の保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)およびフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である。さらに特定の保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)である。例示的な保護基および有機合成におけるそれらの用途は、例えば、「Protective Groups in Organic Chemistry」、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutts著、第5版、2014年、John Wiley&Sons、ニューヨークに記載されている。
【0028】
用語「不斉炭素原子」は、4つの異なる置換基を有する炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」または「S」立体配置のものであり得る。
【0029】
以下の略語を、本文中で使用する:
Boc=tert-ブチルオキシカルボニル、CAS RN=ケミカルアブストラクツ登録番号、
DCM=ジクロロメタン、DIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン、EtOAc=酢酸エチル、
EtOH=エタノール、FCS=ウシ胎児血清、h=時間、Hal=ハロゲン、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、IMDM=イスコフ改変ダルベッコ培地、MeCN=アセトニトリル、MeOH=メタノール、Me2SO=ジメチルスルホキシド(DMSO)、min=分、mL=ミリリットル、
μL=マイクロリットル、MS=質量スペクトル、NaOMe=ナトリウムメトキシド、NatBuO=ナトリウムtert-ブチルオキシド、nBuLi=n-ブチルリチウム、NEt3=トリエチルアミン(TEA)、NMP=N-メチル-2-ピロリドン、OAc=アセトキシ、Pd2(dba)3=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、
p-TsOH=p-トルエンスルホン酸、R=任意の基、RT=室温、
sat.aq.sol.=飽和水溶液、tBuXPhos=2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル、TEA=トリエチルアミン、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、THP=テトラヒドロピラン。
【0030】
本発明の化合物
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物
【化5】

(式中、
R1は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、低級アルコキシ、またはハロゲンによって置換された低級アルコキシであり、
n=2または3の場合、R1が異なっていてもよく;
mは、1または2であり;
nは、1、2または3であり;
Arは、以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化6】

(式中、
R2は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、または低級アルコキシであり;
R3は、水素またはハロゲンである))
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0031】
一実施形態では、式(Ia)の化合物である、本明細書に記載される式(I)の化合物が提供される:
【化7】

(式中、R1、m、nおよびArは上に定義される通りである)。
【0032】
一実施形態では、式(Ib)の化合物である、本明細書に記載される式(I)の化合物が提供される:
【化8】

(式中、R1、m、nおよびArは上に定義される通りである)。
【0033】
一実施形態では、R1がハロゲンである。
【0034】
好ましい実施形態では、R1がフッ素または塩素である。
【0035】
一実施形態では、nが2または3である。
【0036】
好ましい実施形態では、Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化9】

(式中、
R2は、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;
R3は、水素である)、
本明細書に記載される式(I)の化合物が提供される。
【0037】
さらに好ましい実施形態では、Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化10】

(式中、
R2は、メチルまたはメトキシであり;
R3は、水素である)、
本明細書に記載される式(I)の化合物が提供される。
【0038】
さらに好ましい実施形態では、
R1がハロゲンであり;
mが1または2であり;
nが2または3であり;
Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化11】

(式中、
R2は、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;
R3は、水素である)、
本明細書に記載される式(I)の化合物が提供される。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、
R1がフッ素または塩素であり;
mが1または2であり;
nが2または3であり;
Arが以下から選択される6員ヘテロアリール基である
【化12】

(式中、
R2は、メチルまたはメトキシであり;
R3は、水素である)、
本明細書に記載される式(I)の化合物が提供される。
【0040】
式(I)の化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体などのエナンチオマーの混合物、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体またはジアステレオ異性体ラセミ体の混合物として存在することができる。
【0041】
さらに好ましい実施形態では、以下から選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物
(9R)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0042】
より好ましい実施形態では、以下から選択される、本明細書に記載される式(I)の化合物
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン;
またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0043】
製造方法
本明細書に記載される式(I)の化合物を製造する方法も本発明の目的である。
【0044】
本明細書に記載される式(I)の化合物の調製は、逐次的または収束的な合成経路で行うことができる。本発明の合成は、以下の一般的なスキームで示される。得られた生成物の反応および精製を行うために必要な技能は、当業者に知られている。以下の方法の説明で使用される置換基および指数は、反対の指示がない限り、本明細書で前に示される意味を有する。
【0045】
式(I)の出発物質、中間体または化合物の1つが、1つまたは複数の反応ステップの反応条件下で安定でないまたは反応性である1個または複数の官能基を含む場合、適切な保護基(例えば、「Protective Groups in Organic Chemistry」T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts著、第3版、1999年、Wiley、ニューヨークに記載される)を、当技術分野で周知の方法を適用して、重要なステップの前に導入することができる。
【0046】
このような保護基は、文献に記載される標準的な方法を使用して、合成の後の段階で除去することができる。
【0047】
保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)およびp-メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
【0048】
出発物質または中間体が立体中心を含む場合、式(I)の化合物はジアステレオマーまたはエナンチオマーの混合物として得ることができ、これは、当技術分野で周知の方法、例えばキラルHPLC、キラルSFCまたははキラル結晶化によって分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、光学的に純粋な酸による結晶化によって、またはキラル吸着剤もしくはキラル溶離液のいずれかを使用する特異的なクロマトグラフ方法により対掌体を分離することによって、ジアステレオマー塩を介してそれらの対掌体に分離することができる。立体中心を含む出発物質および中間体を分離して、ジアステレオマー的/エナンチオマー的に濃縮された出発物質および中間体を得ることも、同様に可能である。式(I)の化合物の合成においてこのようなジアステレオマー的/エナンチオマー的に濃縮された出発物質および中間体を使用すると、典型的には、式(I)のそれぞれのジアステレオマー的/エナンチオマー的に濃縮された化合物が得られる。
【0049】
当業者は、反応の順序が中間体の反応性および性質に応じて変化し得ることを認識するであろう。
【0050】
より詳細には、式(I)の化合物は、以下に示す方法、実施例に示す方法、または類似の方法によって製造することができる。個々の反応ステップのための適切な反応条件は、当業者には知られている。また、記載された反応に影響を及ぼす文献に記載された反応条件については、例えば、以下を参照されたい:「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations」、第2版、Richard C.Larock.、John Wiley&Sons、ニューヨーク州ニューヨーク、1999年)。溶媒の有無にかかわらず反応は容易に行うことができた。使用される溶媒の性質に関しては、それが反応にも関与する試薬に悪影響を及ぼさず、かつそれが試薬を少なくともある程度溶解することができるならば、特に制限はない。記載された反応は広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は本発明にとって重要ではない。-78℃~還流の温度範囲で記載された反応を行うのが便利である。反応に要する時間もまた、多くの因子、特に反応温度および試薬の性質に依存して、広く変動し得る。しかしながら、記載された中間体および化合物を得るには、通常、0.5時間~数日の期間で十分である。反応順序はスキームに示された順序に限定されないが、出発物質およびそれらのそれぞれの反応性に応じて、反応ステップの順序を自由に変更することができる。
【0051】
出発物質もしくは中間体が市販されていない場合、またはそれらの合成が文献に記載されていない場合には、類似物質についての既存の手順に類推して、または実験節で概説されているように、調製することができる。
【0052】
一実施形態では、本明細書に記載される式(I)の化合物が、化合物5
【化13】

をアミン6
【化14】

(式中、Ar、R1、n、およびmは、本明細書で定義される通りである)
と反応させて、
前記式(I)の化合物を形成し、所望であれば、得られた前記化合物をその薬学的に許容される塩に変換することを含む方法によって調製され得る。
【0053】
一実施形態では、本発明による方法を、触媒、例えばパラジウムの存在下、場合により配位子、例えば、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニルの存在下で行うことができる。
【0054】
さらなる実施形態では、本発明による方法が、式(Ia)および(Ib)の化合物を得るためにキラル分離を実施することをさらに含むことができる。
【0055】
一実施形態では、R1、n、mおよびArが本明細書に記載される通りである式(I)の化合物、およびそれらの中間体が、文献手順、ならびに/あるいは例えばそれぞれスキーム1および2に示されるのと同様に調製され得る。
【化15】
【0056】
スキーム1
式(I)の化合物の調製は、求電子試薬として2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロピラン(mが1に等しい場合)または2-(3-ブロモプロポキシ)テトラヒドロピラン(mが2に等しい場合)を用いて、3,5-ジブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール2をアルキル化して、化合物3を得ることから開始することができる。nBuLiによる位置選択的ハロリチウム化とそれに続く場合により置換されたベンズアルデヒド誘導体の付加により、第一級アルコール4が得られる。第一級アルコール4をpTsOHで脱保護した後、高温でpTsOHを使用して分子内エーテル化を実施して、中間体5を得ることができる。最後に、パラジウムおよび配位子の存在下でのアミン6とのBuchwald型カップリングによって、式(I)の化合物が得られる。分取キラルHPLCを実施して、エナンチオマーを分離することができる。
【0057】
中間体6は、例えばスキーム2に示す通りに、および/または文献に記載される方法と同様に、合成することができる。
【化16】
【0058】
スキーム2
tert-ブチルN-[(1S,5R,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート7(CAS 847862-26-4)と一般式Ar-Xの複素環式ハロゲン化物のカップリングを、Et3Nなどの塩基の存在下、エタノールもしくはNMPなどの溶媒中、熱条件下で、または触媒条件下(例えば、パラジウム(0)もしくは銅(II)触媒作用など)での置換反応を使用することによって達成して、中間体8を得ることができる。酸、例えばトリフルオロ酢酸による脱保護によってアミン6が得られる。
【0059】
複素環式ハロゲン化物は市販されている、または文献で周知であるので、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0060】
一態様では、本発明は、本明細書に記載される方法のいずれか1つに従って製造された場合の、本明細書に記載される式(I)の化合物を提供する。
【0061】
医薬組成物および投与
本発明の別の目的は、本明細書に記載される式(I)の化合物と、治療上不活性な担体とを含む医薬組成物である。
【0062】
式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、医薬製剤の形態で、医薬として使用することができる。医薬製剤は、経口(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセルおよび軟質ゼラチンカプセル、溶液、エマルション、または懸濁液の形態)、経鼻(例えば、点鼻薬の形態)、または直腸(例えば、坐剤の形態)などで、体内に投与することができる。しかしながら、投与は、筋肉内または静脈内(例えば、注射液の形態)などで非経口的に行うこともできる。投与は、局所的に、例えば経皮投与、または点眼薬もしくは点耳薬の形態で行うこともできる。
【0063】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル、注射液または局所製剤などの医薬調製物の製造のために、薬学的に不活性な無機または有機担体で処理することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルのためのこのような担体として使用することができる。
【0064】
軟質ゼラチンカプセルに適した担体は、例えば、植物油、ワックス、油脂、半固形物および液体ポリオールなどである。しかしながら、活性物質の性質に応じて、軟質ゼラチンカプセルの場合、通常、担体は必要とされない。
【0065】
溶液およびシロップの製造に適した担体は、例えば、水、アルコール、ポリオール、サッカロース、グルコース、転化糖、植物油等である。
【0066】
注射液に適した担体は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0067】
坐剤に適した担体は、例えば、天然または硬化した油、ワックス、油脂、半液体または液体ポリオール等である。
【0068】
局所眼製剤に適した担体は、例えば、シクロデキストリン、マンニトール、または当技術分野で知られている多くの他の担体および賦形剤である。
【0069】
さらに、医薬調製物は、保存剤、可溶化剤、粘度上昇物質、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩類、緩衝剤、マスキング剤または抗酸化剤を含むことができる。これらはまた、さらに他の治療上価値のある物質を含むことができる。
【0070】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、治療上不活性な担体とを含む医薬もまた、1種もしくは複数の式(I)の化合物および/またはその薬学的に許容される塩と、所望であれば、1種または複数の他の治療上価値のある物質を、1種または複数の治療上不活性な担体と一緒に生薬投与形態にすることを含む、それらの製造方法と同様に本発明の目的である。
【0071】
投与量は、広範囲内で変化することができ、当然、それぞれの具体的なケースで個々の要件に調整されなければならない。一般に、経口投与の場合、約0.1mg~20mg/kg体重、好ましくは0.5mg~4mg/kg体重(例えば、約300mg/人)の1日投与量を、好ましくは、例えば同じ量からなることができる1~3の個々の投与量に分けることが適切であろう。局所投与の場合、製剤は、0.001重量%~15重量%の医薬を含むことができ、0.1~25mgの間であり得る必要用量は、1日当たりの単回投与でも、1週間当たりの単回投与でも、1日当たりの複数回の投与(2~4回)でも、1週間当たりの複数回の投与でも投与することができる。ただし、これが示されている場合は、本明細書に記載されている上限または下限を超える可能性があることは明らかである。
【0072】
本発明の化合物を含む医薬組成物の調製
錠剤製剤(湿式造粒)
【表1】
【0073】
製造手順:
1.成分1、2、3および4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な粉砕装置に通す。
4.成分5を添加して3分間混合し、適切なプレス機で圧縮する。
カプセル製剤
【表2】
【0074】
製造手順:
1.成分1、2および3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.成分4および5を添加し、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0075】
適応症
また、本発明の目的は、治療的活性物質として使用するための、本明細書に記載される式(I)の化合物である。
【0076】
上記のように、式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、γセクレターゼモジュレーターとして有用である。
【0077】
一態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置に使用するための本明細書に記載される式(I)の化合物を提供する。
【0078】
一実施形態では、本発明は、アルツハイマー病の治療的および/または予防的処置に使用するための本明細書に記載される式(I)の化合物を提供する。
【0079】
さらなる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための本明細書に記載される式(I)の化合物の使用を提供する。
【0080】
一実施形態では、本発明は、アルツハイマー病の治療的および/または予防的処置のための本明細書に記載される式(I)の化合物の使用を提供する。
【0081】
さらなる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための医薬を調製するための本明細書に記載される式(I)の化合物の使用を提供する。
【0082】
一実施形態では、本発明は、アルツハイマー病の治療的および/または予防的処置のための医薬を調製するための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0083】
さらなる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症またはダウン症候群の治療的および/または予防的処置のための方法であって、有効量の本明細書に記載される式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、アルツハイマー病の治療的および/または予防的処置のための方法であって、有効量の本明細書に記載される式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【実施例
【0085】
本発明は、以下の実施例を参照することによってより十分に理解される。しかしながら、特許請求の範囲は、実施例の範囲に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0086】
1)調製実施例
1.1)一般
分析方法HPLC(方法LCMS_fastgradient)
-カラム:Agilent Zorbax Eclipse Plus C18、Rapid Resolution HT、2.1x30mm、1.8μm、部品番号959731-902
-溶媒A:水0.01%ギ酸;溶媒B:アセトニトリル(MeCN)
-勾配:
【表3】
【0087】
1.2)中間体の調製
1.2.1)m=1のタイプ5の中間体
【化17】
【0088】
中間体5-1:
2-ブロモ-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン
【化18】
【0089】
ステップ1:2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(10.0g、7.23ml、47.8mmol、当量:1.00)およびDIPEA(6.18g、8.35ml、47.8mmol、当量:1.00)を3,5-ジブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール(10.9g、47.8mmol、当量:1.00)のMeCN(90ml)中懸濁液に添加し、次いで、90℃で20時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン10/90~60/40)によって精製して、3,5-ジブロモ-1-(2-テトラヒドロピラン-2-イルオキシエチル)-1,2,4-トリアゾール(12.08g、33.7mmol、収率70%)を淡黄色油として得た。MS(ES+)m/z:356.0([M+H]+)。
【0090】
ステップ2:n-BuLi(ヘキサン中1.6M、7.04ml、11.3mmol、当量:1.00)を、-78℃で3,5-ジブロモ-1-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-1H-1,2,4-トリアゾール(4.00g、11.3mmol、当量:1.00)のTHF(100ml)中溶液に添加した。反応物を-78℃で20分間撹拌し、その後、2,3,4-トリフルオロベンズアルデヒド(1.80g、11.3mmol、当量:1.00)のTHF(30.0ml)中溶液を添加した。溶液を-78℃でさらに2時間撹拌した。反応物温度をRTまで徐々に上げ、NH4Cl飽和水溶液(5.00ml)を添加してクエンチした。反応物をEtOAc(150ml)で希釈し、ブライン(2×50ml)で洗浄した。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけて、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン10/90~50/50)によって精製して、[5-ブロモ-2-(2-テトラヒドロピラン-2-イルオキシエチル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-(2,3,4-トリフルオロフェニル)メタノール(4.50g、10.2mmol、収率91%)を淡黄色油として得た。MS(ES+)m/z:436.1([M+H]+)。
【0091】
ステップ3:p-トルエンスルホン酸一水和物(402mg、2.11mmol、当量:0.20)を、[5-ブロモ-2-(2-テトラヒドロピラン-2-イルオキシエチル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-(2,3,4-トリフルオロフェニル)メタノール(4.61g、10.6mmol、当量:1.00)のMeOH(143ml)中溶液に添加した。反応物をRTで2時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣をDCM(95.0ml)に溶解し、NaHCO3飽和水溶液(50.0ml)で洗浄し、有機相を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、真空中で乾燥させて、2-[3-ブロモ-5-[ヒドロキシ-(2,3,4-トリフルオロフェニル)メチル]-1,2,4-トリアゾール-1-イル]エタノール(3.42g、8.45mmol、収率80%)を淡黄色油として得て、これを精製することなくさらに使用した。MS(ES+)m/z:354.0([M+H]+)。
【0092】
ステップ4:p-トルエンスルホン酸一水和物(1.85g、9.71mmol、当量:1.00)を、粗2-(3-ブロモ-5-(ヒドロキシ(2,3,4-トリフルオロフェニル)メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタン-1-オール(3.42g、9.71mmol、当量:1.00)のキシレン(140ml)中溶液に添加した。ディーンスターク装置を使用して溶液を170℃で16時間還流して水を除去した。次いで、反応混合物をRTまで放冷した。残渣をEtOAc(100ml)で希釈し、Na2CO3水溶液(50.0ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン0/100~60/40)による精製により、2-ブロモ-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン(1.37g、4.06mmol、収率42%)を灰白色固体として得た。MS(ES+)m/z:334.0([M+H]+)。
【0093】
中間体5-2:
2-ブロモ-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン
【化19】
【0094】
中間体5-1の調製と同様に;但し、第2のステップで3-クロロ-5-フルオロ-ベンズアルデヒドを使用して、標記生成物を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:334.0[(M+H)+]。
【0095】
1.2.2)m=2のタイプ5の中間体
【化20】

中間体5-3:
2-ブロモ-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン
【化21】
【0096】
ステップ1:2-(3-ブロモプロポキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(5.60g、4.25ml、25.1mmol、当量:1.00)およびDIPEA(3.24g、4.38ml、25.1mmol、当量:1.00)を、3,5-ジブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール(5.69g、25.1mmol、当量:1.00)のMeCN(50.0ml)中懸濁液に添加した。反応物を90℃で3時間撹拌し、RTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン20/80~60/40)によって精製して、3,5-ジブロモ-1-(3-テトラヒドロピラン-2-イルオキシプロピル)-1,2,4-トリアゾール(7.50g、19.7mmol、収率79%)を淡黄色油として得た。
【0097】
ステップ2:n-BuLi(ヘキサン中1.6M、4.04g、5.94ml、9.51mmol、当量:1.00)を、-78℃で3,5-ジブロモ-1-(3-テトラヒドロピラン-2-イルオキシプロピル)-1,2,4-トリアゾール(3.50g、9.48mmol、当量:1.00)のTHF(110ml)中溶液に添加した。反応混合物を-78℃で20分間撹拌し、その後、3-クロロ-5-フルオロベンズアルデヒド(1.50g、9.48mmol、当量:1.00)のTHF(25.0ml)中溶液を添加し、撹拌を-78℃で1時間続け、次いで、温度をRTまで徐々に上げた。NH4Cl飽和水溶液(5.00ml)を添加して反応物をクエンチし、EtOAc(100ml)で希釈し、ブライン(2x 100ml)で洗浄した後、有機相を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン20/80~75/25)によって精製して、[5-ブロモ-2-(3-テトラヒドロピラン-2-イルオキシプロピル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)メタノール(1.94g、4.28mmol、収率45%)を淡黄色油として得た。MS(ES+)m/z:450.1([M+H]+)。
【0098】
ステップ3:p-トルエンスルホン酸一水和物(164mg、865μmol、当量:0.20)を、[5-ブロモ-2-(3-テトラヒドロピラン-2-イルオキシプロピル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)メタノール(1.94g、4.32mmol、当量:1.00)のMeOH(60.0ml)中溶液に添加した。反応物をRTで2時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。次いで、残渣をDCM(40.0ml)に溶解し、NaHCO3飽和水溶液(50ml)で洗浄し、有機相をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮して、3-[3-ブロモ-5-[(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-ヒドロキシ-メチル]-1,2,4-トリアゾール-1-イル]プロパン-1-オール(1.48g、3.73mmol、収率86%)を淡黄色粘性油として得て、これを精製することなくさらに使用した。MS(ES+)m/z:366.0([M+H]+)。
【0099】
ステップ4:p-トルエンスルホン酸一水和物(772mg、4.06mmol、当量:1.00)を、粗3-[3-ブロモ-5-[(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-ヒドロキシ-メチル]-1,2,4-トリアゾール-1-イル]プロパン-1-オール(1.48g、4.06mmol、当量:1.00)のキシレン(60.0ml)中溶液に添加した。ディーンスターク装置を使用して溶液を170℃で17時間還流して水を除去した。次いで、反応混合物をRTに冷却し、EtOAc(100ml)で希釈し、Na2CO3水溶液(50ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、次いで、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン20/80~80/20)によって精製して、2-ブロモ-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン(685mg、1.96mmol、収率48%)を淡褐色固体として得た。MS(ES+)m/z:350.0([M+H]+)。
【0100】
中間体5-4:
2-ブロモ-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン
【化22】

中間体5-3の調製と同様に、但し、第2のステップで2,3-ジフルオロベンズアルデヒドを使用して、標記化合物を白色固体として調製した。MS(ES+)m/z:330.0/332.0[(M+H)+]。
【0101】
中間体5-5:
2-ブロモ-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン
【化23】

中間体5-3の調製と同様に、但し、第2のステップで2,4-ジフルオロベンズアルデヒドを使用して、標記化合物を白色固体として調製した。MS(ES+)m/z:330.0[(M+H)+]。
【0102】
中間体5-6:
2-ブロモ-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン
【化24】

中間体5-3の調製と同様に、但し、第2のステップで3,5-ジフルオロベンズアルデヒドを使用して、標記化合物を白色固体として調製した。MS(ES+)m/z:330.1[(M+H)+]。
【0103】
中間体5-7:
2-ブロモ-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン
【化25】

中間体5-3の調製と同様に、但し、第2のステップで2,3,4-トリフルオロベンズアルデヒドを使用して、標記化合物を白色固体として調製した。MS(ES+)m/z:350.1[(M+H)+]。
【0104】
1.2.3)タイプ6の中間体
中間体6-1:(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化26】
【0105】
ステップ1:密封管内で、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(500mg、2.21mmol)をEtOH(10mL)に溶解し、4-クロロ-6-メチルピリミジン(869mg、6.63mmol)を添加し、引き続いてトリエチルアミン(894mg、1.23mL、8.84mmol)を添加した。反応混合物を130℃で一晩撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。残渣をCH2Cl2 20mLおよび水20mLで希釈した。有機相をCH2Cl2(3 x 20mL)で抽出し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%~100%EtOAc)によって精製して、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメートを黄色固体(496mg、収率71%)として得た。MS(ES+)m/z:319.2[(M+H)+]。
【0106】
ステップ2:tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(260mg、817μmol)のCH2Cl2(8mL)中淡黄色溶液に、TFA(931mg、629μl、8.17mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、真空中で濃縮した。粗物質をイオン交換カラム(Si-SCX-2、10g、MeOHで洗浄し、MeOH(NH3 2M)で遊離)によって精製して、(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1(195mg、804μmol、収率98.5%)を得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。MS(ES+)m/z:219.2[(M+H)+]。
【0107】
中間体6-2:
(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化27】
【0108】
ステップ1:中間体6-1(ステップ1)の調製と同様に、密封管内、140℃で、溶媒としてNMPを使用して、DIPEA(2.28g、3.09mL、17.70mmol)の存在下で、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(2.00g、8.84mmol)および4-フルオロ-2-メトキシピリジン(1.12g、8.84mmol)から、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(1.42g、48%)を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:334.3[(M+H)+]。
【0109】
ステップ2:中間体6-1(ステップ2)の調製と同様に、TFA(7.38g、5.0mL、15.2mmol)の存在下、CH2Cl2中tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(1.42g、4.26mmol)から、(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-2(0.89g、89%)を白色固体として得て、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。MS(ES+)m/z:234.2[(M+H)+]。
【0110】
中間体6-3:
(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化28】
【0111】
ステップ1:中間体6-1(ステップ1)の調製と同様に、密封管内、90℃で、溶媒としてEtOHを使用して、Et3N(3.63g、5.0mL、35.9mmol)の存在下で、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(2.00g、8.84mmol)および3,5-ジクロロピリダジン(2.0g、13.4mmol)から、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(1.71g、54%)を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:339.2[(M+H)+]。
【0112】
ステップ2:密封管中のtert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(963mg、2.70mmol)のMeOH(22mL)中溶液に、NaOMeのメタノール溶液(25%、1.9mL、8.3mmol)を添加した。反応混合物を85℃で一晩加熱した。反応混合物をIsolute HM-Nに吸着させ、カラムクロマトグラフィーにより、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(362mg、38%)を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:335.2[(M+H)+]。
【0113】
ステップ3:中間体6-1(ステップ2)の調製と同様に、TFA(1.12g、0.76mL、9.86mmol)の存在下、CH2Cl2中tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメート(0.93g、2.72mmol)から、(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3(225mg、96%)を白色固体として得て、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。MS(ES+)m/z:235.2[(M+H)+]。
【0114】
中間体6-4:
(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン
【化29】

中間体6-1および6-2と同様の方法で、標記化合物6-4を、tert-ブチルN-[(1R,5S,8S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]カルバメートおよび5-クロロ-3-メチル-ピリダジンから出発して白色固体として生成した。MS(ES+)m/z:219.3[(M+H)+]。
【0115】
1.3)一般的手順1:Buchwaldカップリング反応
密封管内で、中間体5(1mmol)の2-Me-THF(10ml)中溶液に、1.1当量の中間体6を添加した。反応混合物を脱気し、NaOtBu(1.5当量)をRTで添加し、撹拌を15分間続けた後、tBu-Xphos(0.06当量)およびPd2(dba)3(0.03当量)を添加した。反応混合物を、反応が完了するまで(通常2~8時間)60~80℃で加熱し、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーまたは逆相分取HPLCのいずれかによって精製を行い、式1の所望の生成物を得た。
【0116】
実施例1および実施例2
(9R)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化30】

2-ブロモ-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-4と(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体32mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]および34mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]として得た。
【0117】
実施例3および実施例4
(9R)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化31】

2-ブロモ-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-5と(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体37mg、MS(ES+)m/z:484.4[(M+H)+]および37mg、MS(ES+)m/z:484.4[(M+H)+]として得た。
【0118】
実施例5および実施例6
(9R)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化32】

2-ブロモ-9-(2,3-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-4と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体37mg、MS(ES+)m/z:468.3[(M+H)+]および37mg、MS(ES+)m/z:468.3[(M+H)+]として得た。
【0119】
実施例7および実施例9
(9R)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化33】

2-ブロモ-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-6と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体150mg、MS(ES+)m/z:468.3[(M+H)+]および153mg、MS(ES+)m/z:468.3[(M+H)+]として得た。
【0120】
実施例8および実施例10
(9R)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化34】

2-ブロモ-9-(2,4-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-5と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体19.7mg、MS(ES+)m/z:468.3[(M+H)+]および18.3mg、MS(ES+)m/z:468.2[(M+H)+]として得た。
【0121】
実施例11および実施例12
(9R)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化35】

2-ブロモ-9-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-6と(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体17.3mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]および18.9mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]として得た。
【0122】
実施例13および実施例14
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化36】

2-ブロモ-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-7と(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体12.2mg、MS(ES+)m/z:502.3[(M+H)+]および16.9mg、MS(ES+)m/z:502.3[(M+H)+]として得た。
【0123】
実施例15および実施例16
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化37】

2-ブロモ-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-3と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-4との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体102mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]および82.9mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]として得た。
【0124】
実施例17および実施例18
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化38】

2-ブロモ-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-7と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミンと6-4との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体17mg、MS(ES+)m/z:486.3[(M+H)+]および16mg、MS(ES+)m/z:486.3[(M+H)+]として得た。
【0125】
実施例19および実施例20
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化39】

2-ブロモ-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-3と(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体37mg、MS(ES+)m/z:500.3[(M+H)+]および40mg、MS(ES+)m/z:500.3[(M+H)+]として得た。
【0126】
実施例21および実施例22
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
および
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
【化40】

2-ブロモ-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-2と(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体39mg、MS(ES+)m/z:486.3[(M+H)+]および36mg、MS(ES+)m/z:486.3[(M+H)+]として得た。
【0127】
実施例23および実施例24
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
および
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
【化41】

2-ブロモ-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン5-1と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体21mg、MS(ES+)m/z:472.3[(M+H)+]および25mg、MS(ES+)m/z:472.3[(M+H)+]として得た。
【0128】
実施例25および実施例26
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
および
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
【化42】

2-ブロモ-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-2と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体8mg、MS(ES+)m/z:470.2[(M+H)+]および9mg、MS(ES+)m/z:470.2[(M+H)+]として得た。
【0129】
実施例27および実施例28
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
および
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
【化43】

2-ブロモ-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン5-1と(1R,5S,8S)-3-(6-メトキシピリダジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-3との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体26mg、MS(ES+)m/z:488.3[(M+H)+]および26mg、MS(ES+)m/z:488.3[(M+H)+]として得た。
【0130】
実施例29および実施例30
(8R)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
および
(8S)-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
【化44】

2-ブロモ-8-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-2と(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-2との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体13mg、MS(ES+)m/z:486.3[(M+H)+]および14mg、MS(ES+)m/z:486.2[(M+H)+]として得た。
【0131】
実施例31および実施例32
(8R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
および
(8S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-アミン
【化45】

2-ブロモ-8-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン5-1と(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-2との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体19mg、MS(ES+)m/z:488.3[(M+H)+]および21mg、MS(ES+)m/z:488.3[(M+H)+]として得た。
【0132】
実施例33および実施例34
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化46】

2-ブロモ-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-3と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体34mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]および33mg、MS(ES+)m/z:484.3[(M+H)+]として得た。
【0133】
実施例35および実施例36
(9R)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化47】

2-ブロモ-9-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-3と(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン 6-2との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体26mg、MS(ES+)m/z:499.3[(M+H)+]および25mg、MS(ES+)m/z:499.3[(M+H)+]として得た。
【0134】
実施例37および実施例38
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化48】

2-ブロモ-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-7と(1R,5S,8S)-3-(2-メトキシ-4-ピリジル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-2との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体28.3mg、MS(ES+)m/z:501.3[(M+H)+]および26mg、MS(ES+)m/z:501.3[(M+H)+]として得た。
【0135】
実施例39および実施例40
(9R)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
および
(9S)-N-[(1R,5S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン-2-アミン
【化49】

2-ブロモ-9-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6,7,9-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[5,1-c][1,4]オキサゼピン5-7と(1R,5S,8S)-3-(6-メチルピリミジン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-アミン6-1との間の、一般的手順1を使用したBuchwald型カップリング、引き続いて逆相キラルHPLCによるエナンチオマーの分離により、標記生成物をそれぞれ白色固体50mg、MS(ES+)m/z:486.3[(M+H)+]および41mg、MS(ES+)m/z:486.3[(M+H)+]として得た。
【0136】
2)生物学的実施例
2.1)アッセイ手順:細胞γセクレターゼアッセイ
スウェーデン二重変異(K595N/M596L)を有するヒトAPP695を過剰発現するヒト神経膠腫H4細胞を、10%FCS、0.2mg/LハイグロマイシンBを含むIMDMに96ウェルプレート中30,000個細胞/ウェル/100μLで蒔き、37℃、5%CO2でインキュベートした。
【0137】
プレーティングの3~4時間後、化合物を培地で希釈し、50μLを1.5倍濃縮液として添加して最終濃度を達成する。化合物のインキュベーションを24時間実施する。最終用量は典型的には、半対数ステップで4μMから0.0013μMの範囲であり、8点の用量反応曲線が得られる。
【0138】
ビヒクル単独および参照化合物を使用する適切な対照をこのアッセイに適用した。Me2SOの最終濃度は0.4%であった。
【0139】
37℃、5%CO2でのインキュベーション後、上清を、AlphaLisaアッセイキット(ヒトアミロイドベータ1-42キット:カタログ番号AL203C、Perkin Elmer)によって、分泌されたAβ42の定量に供した。20μLの細胞培養上清をアッセイプレートに移した。次いで、AlphaLisa結合捕捉抗体とビオチン化検出抗体の混合物10μLを添加し、アッセイプレートを静かに振盪しながらRTで3時間インキュベートした。20μLのドナービーズをさらに添加した後、アッセイプレートをRTで30分間インキュベートし、直射光に曝露することなく絶えず振盪した。次いで、680 nmの励起および570 nmの発光で組み込まれたプログラムを使用して、Paradigm AlphaLisa Readerでアッセイプレートを読み取った。
【0140】
次いで、測定されたシグナルを使用して、XLfit 5.3ソフトウェア(IDBS社製)を使用した非線形回帰適合分析により、Aβ42分泌の阻害に関するIC50値を計算した。
【0141】
2.2)結果
以下の表は、Aβ42分泌の阻害についての全ての化合物のデータを示している:
【表4】