(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】高圧燃料ポンプ用入口制御バルブ
(51)【国際特許分類】
F02M 59/36 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
F02M59/36 E
(21)【出願番号】P 2021531645
(86)(22)【出願日】2019-04-22
(86)【国際出願番号】 US2019028472
(87)【国際公開番号】W WO2020117311
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-04-20
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312497
【氏名又は名称】スタナダイン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003018
【氏名又は名称】弁理士法人プロテクトスタンス
(72)【発明者】
【氏名】ペリーニ リチャード パウロ
(72)【発明者】
【氏名】モレル ケネス アール
(72)【発明者】
【氏名】パレルモ デイヴィッド ジー
(72)【発明者】
【氏名】マイレン ドミニク エム
(72)【発明者】
【氏名】ノーキン エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】ウェグジニアク マイケル
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-218678(JP,A)
【文献】特開2007-138981(JP,A)
【文献】特開2009-275540(JP,A)
【文献】特開2009-041420(JP,A)
【文献】特開2013-174191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00-71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧燃料ポンプ用の入口制御バルブであって、前記高圧燃料ポンプは、入口バルブ供給通路とポンピングチャンバを有し、ポンピングプランジャがポンピングフェーズと充填フェーズとの間で往復運動し、前記入口制御バルブは、
前記入口バルブ供給通路から前記ポンピングチャンバへの流体の流入を制御するように配置され、入口バルブアーマチュアに結合された入口バルブステムと、該入口バルブステムに一体的に接続され且つ開位置から閉位置との間の軸に沿ったストロークを有した円盤状のバルブ部材とを含
み、前記入口バルブアーマチュア及び前記バルブ部材が一緒に動く、入口バルブと、
前記バルブ部材を前記開位置に向けてバイアスする入口バルブバイアス部材と、
前記バルブ部材と
当接するように構成され、前記バルブステムを受け取り、前記開位置と前記閉位置との間のバルブ部材の動きを案内する円筒形ボアを規定する、環状表面を有する入口バルブシートと、
前記入口バルブ供給通路と連絡している前記バルブ部材の第1の側及び前記ポンピングチャンバと連絡している前記バルブ部材の第2の側と、
前記入口バルブシートに面し、
前記バルブ部材の前記入口バルブシートとは反対側に配置された入口バルブストップと、
前記入口バルブアーマチュアを引き付けるため、前記入口バルブアーマチュアと同軸に配置された入口バルブポールに磁場を生成する電磁コイルを含む入口バルブソレノイドと、
前記バルブ部材が前記開位置にあるとき、前記入口バルブアーマチュアと前記入口バルブポールとの間に前記軸に沿って画定される、前記ストロークよりも大きいギャップと、
前記入口バルブ供給通路と前記ポンピングチャンバとを接続する流体流路と、を備え、
前記バルブ部材が前記開位置にあるとき、前記バルブ部材は、前記入口バルブストップと接触し、前記流体流路を通る流体の流入を可能にし、前記入口バルブソレノイドに通電すると、前記バルブ部材が前記開位置から前記閉位置に移動し、前記入口バルブバイアス部材を圧縮し、前記バルブ部材は、前記入口バルブシートと
当接し、前記流体流路を通る流体の流入を防止し、前記バルブ部材が前記閉位置にあるとき、前記入口バルブアーマチュアと前記入口バルブポールとの間にアーマチュアギャップを残す、入口制御バルブ。
【請求項2】
前記入口バルブストップが前記ポンピングチャンバの一部内に配置されている、請求項1に記載の入口制御バルブ。
【請求項3】
前記バルブステムが、アーマチュア保持リングにより前記入口バルブアーマチュアに結合されている、請求項1又は請求項2に記載の入口制御バルブ。
【請求項4】
前記入口バルブストップが、前記バルブ部材に面するピンからなる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の入口制御バルブ。
【請求項5】
前記入口バルブストップは、前記ポンピングチャンバの一部を画定する前記入口バルブストップ支持体によって支持される、請求項1から4のいずれか一項に記載の入口制御バルブ。
【請求項6】
前記バルブ部材と前記入口バルブ
ストップとの間の前記接触、及び前記バルブ部材と前記入口バルブシートとの間の接触が、前記ポンピングチャンバで生じる、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の入口制御バルブ。
【請求項7】
前記アーマチュアギャップが前記ストロークよりも大きい、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の入口制御バルブ。
【請求項8】
ポンププランジャがポンピングフェーズと充填フェーズとの間で往復運動するポンピングチャンバを有する高圧燃料ポンプの入口
バルブ供給通路を通る燃料流入のタイミングおよび量を制御する方法であって、
前記入口バルブ供給通路と前記ポンピングチャンバとを接続する流体流路を画定する工程と、
前記入口バルブ供給通路から前記ポンピングチャンバへの流体の流れを制御するように配置された
入口バルブを提供する工程と、
前記入口バルブは、入口バルブアーマチュアに結合される入口バルブステムに一体的に接続された円盤状のバルブ部材を含み、
前記入口バルブアーマチュア及び前記バルブ部材が一緒に動き、前記バルブ部材は、前記流体流路を通る流体の流れを可能にする開位置と、前記流体流路を通る流体の流れを防止する閉位置との間に軸に沿ったストロークを有し、
入口バルブバイアス部材で前記バルブ部材を前記開位置に向けてバイアスする工程と、
前記バルブ部材と
当接するように構成され、前記バルブステムを受け取り、前記開位置と前記閉位置との間のバルブ部材の動きを案内する円筒形ボアを規定する、環状表面を有する
入口バルブシートを提供する工程と、
前記入口バルブ供給通路と連絡している前記バルブ部材の第1の側と、前記ポンピングチャンバと連絡している前記バルブ部材の第2の側と、
前記入口バルブシートから前記バルブ部材の反対側に入口バルブストップを配置する工程と、
前記バルブ部材が前記開位置にあるとき、前記入口バルブアーマチュアと入口バルブポールとの間で前記軸に沿い、前記ストロークよりも大きいギャップを画定する工程と、
電磁コイルを含む入口バルブソレノイドを使用して、前記入口バルブポールに磁場を生成し、前記入口
バルブアーマチュアを引き付け、前記
バルブ部材を前記開位置から前記閉位置に移動させ、前記
入口バルブバイアス部材を圧縮し、前記入口バルブアーマチュアと前記入口バルブポールとの間にアーマチュアギャップを残す工程と、を備える方法。
【請求項9】
前記入口バルブストップを配置する工程が、前記入口バルブストップを前記ポンピングチャンバの一部内に配置することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記磁場を生成する工程
において、
前記バルブ部材および前記入口バルブシートが前記ポンピングチャンバ内でそれぞれと接触する
、請求項8または請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記入口バルブストップを配置する工程
において、
前記バルブ部材および前記入口バルブストップが前記ポンピングチャンバで互いに接触する
、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記入口バルブストップを配置する工程
において、
前記入口バルブストップがストップピン支持体によって支持されたストップピンを構成する、請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記入口制御バルブを提供する工程が、前記入口バルブステムを、前記アーマチュア保持リングを持つ前記入口バルブアーマチュアに結合させることを含む、請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、ガソリンコモンレール噴射システム用の高圧燃料供給ポンプに関する。より具体的には、本開示は、高圧燃料供給ポンプで使用するための入口制御バルブに関する。
【0002】
ガソリン直接噴射(GDI)燃料システムは、全体的な圧力管理方策の一部として、コモンレールに供給される燃料量を調整しなければならない。現在、ポンピングチャンバに供給される燃料の量、つまりコモンレールが加圧される程度を制御するために2つの方策が採用されている。1つの戦略は、米国特許第7,707,996号に開示されているようなデジタルオン/オフソレノイドを使用であり、別のものは米国特許第6,792,916号に開示されているような比例バルブを使用している。入口メータリングに使用されるソレノイドバルブは、非常に速く開閉する必要があるため、バルブの作動は高圧ポンプのポンプサイクルと調整される。速効型ソレノイド駆動バルブは、バルブ部材とバルブシートとの間、またはバルブ部材とバルブストップとの間などの部品間の接触からノイズを発生させることが知られている。入口メータリングバルブは、高圧ポンプの低圧入口またはその近く(ポンプの外側近く)に配置するのが一般的であり、バルブ部品によって生成されたノイズが簡単に伝達される。入口メータリングバルブに関連するノイズを低減することが望ましい。
【0003】
単一ピストン、カム駆動高圧燃料ポンプは、コモンレール直接噴射ガソリン(GDI)エンジンで高圧燃料を生成するための一般的な解決策になっている。ポンプが吸気行程サイクルにある間にレールから圧力が逆流するのを防ぐために、ポンプには出口チェックバルブを組み込む必要があることが業界で知られている。システムの誤動作によって引き起こされる予期しない過剰圧力から高圧システム全体を保護するために、ポンプ内に圧力リリーフバルブを組み込むことが業界の要件になっている。コモンレールとインジェクターを保護するために、圧力リリーフバルブはコモンレールと油圧で連絡するつまり、ポンプの流れと平行である必要がある。並列油圧通信を行うために、通常の実行では、ポンプハウジング内の別個のデバイスとして出口チェックバルブと圧力リリーフバルブを配置した。米国特許第8,132,558号に開示されているように、高圧ポンプに取り付ける前に組み立てて試験することができる出口コネクタに、出口チェックバルブおよび圧力リリーフバルブを組み込むことが望ましい。
【0004】
燃料ポンプによって移送することができる燃料の最大量は、ポンピングサイクルの終了時の圧力、(その圧力および温度の下での)燃料の体積弾性率、ポンプの閉じ込められた体積、およびポンプの漏れ損失の関数である。高圧燃料ポンプのトラップされた容量は、ポンププランジャがポンプストローク(TDC)の終わりにあるときに測定された、ポンピングチャンバに流体的に接続された容量である。高圧ポンプの閉じ込められた容積は、一般に、ポンピングチャンバに露出された入口チェックバルブ、ポンプ出口チェックバルブ、および圧力リリーフバルブの部分を含む。ポンプのトラップされた容量は、特にポンププランジャによって押しのけられたボリュームがトラップされたボリュームと比較して小さい場合、ポンプの全体的なボリューム効率に重要な役割を果たす。閉じ込められた容積を可能な限り小さく保つことは、高圧燃料ポンプの容積効率を改善する。高圧燃料ポンプで使用される出口チェックバルブおよび圧力リリーフバルブには、バルブ部材(バルブボールなど)を閉位置に向けてバイアスするコイルスプリングが含まれているのが一般的である。この目的のために使用される1つまたは複数のコイルスプリングが、ポンピングチャンバに露出された容積内にあり、それがポンプの閉じ込められた容積を増加させることも一般的である。
【0005】
圧力リリーフバルブの流れがポンピングチャンバに戻るので、圧力リリーフバルブに関連するスプリング、およびスプリングを含むチャンバは、ポンピングチャンバと直接連通する。スプリングによって占められていないスプリングチャンバ内の流体の量は、ポンプの閉じ込められた量に寄与する。圧力リリーフバルブを閉じた状態に保つために必要なスプリングのサイズは、直接噴射システムの操作圧力とともに増加する。現在および保留中の排出規制では、350bar(35MPa)以上の直接噴射操作圧力が必要であり、スプリング荷重を増加させるためにスプリングの寸法を大きくする必要があり、圧力リリーフバルブに関連するトラップ量が増加する可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
開示された入口チェックバルブは、高圧燃料ポンプを通る燃料の流れのタイミングおよび量を制御するように構成される。開示された実施形態では、高圧燃料ポンプは、ポンピングプランジャがポンピングフェーズと充填フェーズとの間を往復するポンピングチャンバと、ポンピングチャンバに供給される燃料を受け取るための入口供給通路とを含む。開示された入口チェックバルブの利点は、高圧燃料ポンプ内で発生する騒音の低減である。
【0007】
入口制御バルブは、入口供給通路を通ってポンピングチャンバへの燃料の流れを制御する。燃料の流れは、入口供給通路とポンピングチャンバとを接続する流体流路で制御される。入口制御バルブは、入口バルブステムに一体的に接続された円盤状の入口バルブ部材からなる。バルブステムは入口に結合されている。
【0008】
バルブアーマチュア。
作動中、バルブ部材は、入口制御バルブの開位置と閉位置との間の軸に沿ったストロークを有する。
【0009】
バルブ部材は、入口バルブバイアス部材によって開位置に向かってバイアスされる。閉位置では、環状表面を有する入口バルブシートは、バルブ部材と嵌合するように構成される。入口バルブシートは、バルブステムを受け取り、開位置と閉位置との間でバルブ部材の動きをガイドするための円筒形のボアを画定する。バルブ部材は、入口供給通路と連絡している第1の側と、ポンピングチャンバと連絡している第2の側とを含む。閉位置では、バルブ部材の第1の側がポンピングチャンバ内のバルブシートと一致させ、流体の流れが流体流路を介して防止される。開位置では、バルブ部材の第2の側がポンピングチャンバ内の入口バルブストップと接触し、流体の流れが流体の流路を通って許可される。開示された実施形態では、入口バルブ停止は、ポンピングチャンバの一部を規定する入口バルブストップ支持体によって支持されたピンから構成される。入口バルブストップは、入口バルブシートに面しており、入口バルブシートからバルブ部材の反対側にあるポンピングチャンバの一部内に配置されている。
【0010】
電磁コイルを含む入口バルブソレノイドは、入口バルブポールに磁場を生成して、入口バルブアーマチュアを引き付ける。入口バルブポールは、入口バルブアーマチュアと同軸に配置される。ギャップは、バルブ部材が開位置にあるときの入口バルブアーマチュアと入口バルブポールとの間の軸に沿って画定される。開示された実施形態では、ギャップは、軸に沿ったバルブ部材のストロークよりも大きい。
【0011】
入口バルブソレノイドに通電すると、入口バルブアーマチュアが引き付けられ、それがバイアス部材を圧縮し、バルブ部材を開位置から閉位置に移動させる。閉位置では、アーマチュアギャップが入口バルブアーマチュアと入口バルブポールの間に残り、コンポーネント間の衝撃が減少する。
【0012】
このようにして、入口制御バルブは、高圧燃料ポンプ内の騒音を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
開示された実施形態の態様は、図面を参照して説明され、ここで、同様の数字は、同様の要素を反映する。
【
図1】本開示の態様による、バルブを組み込んだ高圧燃料ポンプの断面図である。
【
図2】
図2は、燃料噴射システムの異なる動作状態におけるバルブの位置および燃料の流れを示す、開示された高圧燃料ポンプを組み込んだ燃料噴射システムの概略図である。
【
図3】
図3は、燃料噴射システムの異なる動作状態におけるバルブの位置および燃料の流れを示す、開示された高圧燃料ポンプを組み込んだ燃料噴射システムの概略図である。
【
図4】
図4は、燃料噴射システムの異なる動作状態におけるバルブの位置および燃料の流れを示す、開示された高圧燃料ポンプを組み込んだ燃料噴射システムの概略図である。
【
図5】
図5は、燃料噴射システムの異なる動作状態におけるバルブの位置および燃料の流れを示す、開示された高圧燃料ポンプを組み込んだ燃料噴射システムの概略図である。
【
図6】
図6は、燃料噴射システムの異なる動作状態におけるバルブの位置および燃料の流れを示す、開示された高圧燃料ポンプを組み込んだ燃料噴射システムの概略図である。
【
図7】
図7は、燃料噴射システムの異なる動作状態におけるバルブの位置および燃料の流れを示す、開示された高圧燃料ポンプを組み込んだ燃料噴射システムの概略図である。
【
図8】
図8は、燃料噴射システムの異なる動作状態におけるバルブの位置および燃料の流れを示す、開示された高圧燃料ポンプを組み込んだ燃料噴射システムの概略図である。
【
図9】
図9は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【
図10】
図10は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【
図11】
図11は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【
図12】
図12は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【
図13】
図13は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【
図14】
図14は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【
図15】
図15は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【
図16】
図16は、
図1の高圧燃料ポンプの一部の拡大断面図であり、高圧燃料ポンプの異なる動作状態におけるバルブの構造および動作を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、高圧燃料ポンプ(HPP)10の断面図であり、開示の態様により、入口制御バルブ(ICV)12、圧力リリーフバルブ(PRV)14、および排出チェックバルブ(DCV)16の例示的な例を組み込んでいる。以下でより詳細に議論されるように、PRV14およびDCV16は、互いに統合され、本開示の態様によると、ポンプ出口継手18内に配置される。
図2は、開示されたHPP10を組み込んだ燃料噴射システムの機能要素および関係を示す概略図である。
図2を参照すると、低圧ポンプ(LPP)20は、入口継手22を介してHPP10に燃料を供給する。高圧燃料は、レール供給通路24およびコモンレール26と連絡する排出継手18を通ってHPP10を出る。
図2の燃料噴射システムでは、エンジン制御ユニット(ECU)28は、クランクシャフト位置センサ30および他の入力からの情報を使用して、コモンレール26に接続された燃料噴射装置32を操作する。圧力センサ34は、コモンレール26内の圧力を検出し、この情報をECU28に提供する。ECU28は、燃料噴射装置32を作動させて、燃料が、エンジンの動作状態、すなわち、負荷下での加速、アイドリング、長期のグレードの下降に応じて、その時点で、エンジンが要求する量(図示せず)で各燃焼室に噴射される。ECU28および燃料噴射装置32は、EUC28の制御下でHPP10によって維持されるコモンレール26内の実質的に一定の圧力のために構成される。
【0015】
ポンピングプランジャ38は、ポンプボア40内で往復運動して、ポンピングチャンバ42を交互に広げて燃料をポンピングチャンバに引き込み、次いで、ポンピングチャンバ42は、出口継手18およびレール供給通路24を介して燃料をコモンレール26にポンプ輸送する。カムフォロワ44は、カム36のプロファイル46に向かってバイアスされ、ポンピングプランジャ38に接続されて、カムプロファイル46は、ポンピングプランジャ38の相互運動に入る。カム36は、カム36の360度回転ごとにポンピングプランジャ38の4つの
充填/ポンプサイクルを生成する4面プロファイル46を有する。カムには任意の数のローブがあり、ほとんどは3つまたは4つのローブがある。
充填およびポンピングサイクルの持続時間は、カムプロファイル46およびカム36の回転速度の関数である。
図2のカム36は、カムプロファイルの「上死点」(TDC)に示され、これは、ポンピングサイクルの終了と
充填サイクルを開始とを定義する。この用途を説明するために使用される対称カムプロファイルでは、カムプロファイル46の各側の中点は「最低点」に対応し、カムプロファイル46の下死点(BDC)であり、これは、
充填サイクルの終了とポンピングサイクルの開始とを定義する。非対称形状のカムプロファイルでは、BDCに対応するカムプロファイルの最低点がローブ間の中間点にない場合がある。ポンププランジャの総ストロークは、カムのTDCおよびBDC位置からの半径方向の距離によって画定される。カムプロファイル46の各ローブは、BDCからTDCへの角変位がTDCからBDCとは異なる可能性があるように非対称であり得る。カム36のすべてのローブの形状は通常同じであるが、これは必須ではない。
【0016】
図1に示されるように、ポンプ本体48は、開示されたHPP10の主要な構造構成要素であり、HPP10の構成要素を受け入れて取り付けるための場所を提供する。従来の留め具に加えて、HPP10の構成要素は、ねじ接続、締まりばめ、または溶接接続によってポンプ本体48に固定されている。組み立ておよび接続の他の方法は当業者に起こり、開示されたHPP10は、本出願で論じられる例示的な方法によって制限されない。段付きボアは、ポンプ本体48内の内部構成要素をトラップするために使用することができる。入口継手22は、入口フィルタ50を含み得、ポンプ本体48に固定されたアキュムレータカバー52によって画定される容積と連絡する。アキュムレータカバー52は、容積を取り囲む。動作中にHPP10によって生成される圧力変動を減衰させるように構成されたアキュムレータ54を含む。アキュムレータ54は、アキュムレータサポートおよびアキュムレータスペーサーによってアキュムレータカバー52内に支持されたガス充填金属ベローズを含み、その結果、アキュムレータ54は、HPP10によって生成された圧力パルスを吸収するように形状を変えることができる。本体48は、アキュムレータ54からICV12につながる。
【0017】
本開示の態様によるICV12の実施形態は、
図1および
図9~
図16に示されている。以下でより詳細に説明するように、開示されたICV12は、ポンプ入口チェックバルブおよび入口計量バルブの両方として機能し、ICV12を通ってポンピングチャンバ42に流れる燃料の流れのタイミングおよび量の両方を制御する。ポンプ入口チェックバルブは、開示されたHPP10の部品数を減らし、専用のポンプ入口チェックバルブに関連する体積をなくすことによって、ポンプの閉じ込められた体積も減らす。図示のICV12は、2ポート、2つの位置、通常は開、直接ソレノイド作動の流量制御バルブである。制御バルブシート58は、ポンプ本体48によって規定される段付きボアに受け入れられ、制御バルブ供給通路56を、ストップピン支持体60によって規定されるポンピングチャンバ42の一部と接続する流体流路を規定する。
図9~
図16に最もよく見られるように、入口バルブ62は、入口バルブシート58を通過するバルブステム66に一体的に接続された円盤状のバルブ部材64を含む。ストップピン支持体60は、ストップピン68を支持し、バルブシート58と連絡するポンピングチャンバ42の一部と、ポンピングチャンバ42から出口継手18への高圧排出とを規定する。バルブステム66は、アーマチュア保持リング71によって入口バルブアーマチュア70に結合されている。入口バルブアーマチュア70および入口バルブ62は、入口バルブスプリング72によって開位置(
図1および
図9に示されている)に向かってバイアスされている。
【0018】
制御バルブソレノイド74は、入口バルブアーマチュア70と整列し、隣接する制御バルブポール76内に磁場を生成するコイルを含む。制御バルブソレノイド74が、ECU28の制御下で通電されると、磁気ソレノイドコイルによって生成された磁場は、入口バルブアーマチュア70を引き付け、入口バルブ62は、入口バルブスプリング72のバイアスに逆らって閉位置(
図10に示される)に移動される。閉位置では、バルブ部材64は、入口バルブシート58と接触し、制御バルブ供給通路56をポンピングチャンバ42から分離する。ポンピングサイクル中の入口バルブ62の閉鎖は、ポンピングチャンバ42内の燃料が、コモンレール26へのDCV16、出口フィッティング18、および高圧通路24を介して、加圧されポンピングされることを可能にする。ICV12の閉鎖のタイミングは、圧力センサ34によって検出されたコモンレール26の圧力およびカムシャフト位置センサ30によって報告されたカムシャフト位置を含む入力に応答して、ECU28によって設定される。入口バルブ62が閉じられると、入口バルブスプリング72は、ポンピングチャンバの圧力が最小になるまで入口バルブ62を開くことができない。これにより、ポンプサイクルが完了する前に制御バルブソレノイド74の電源を切ることができ、電力消費を減らし、システムに加えられる熱を減らすことができる。
【0019】
開示されたICV構成は、構成要素間の衝撃の数を、作動サイクルごとに2つの衝撃、具体的には、入口バルブ62およびバルブシート58の衝撃、ならびに入口バルブ62およびストップピン68の衝撃に低減する。これらの衝撃は、HPP10の中心付近で発生し、ノイズがより放射されやすいHPP10の端から遠く離れている。衝撃がより少ないエネルギーの振動を生成するように、ストップピン68を構成する材料を選択することによって、さらなる騒音低減を達成することができる。ストップピンと接触するバルブ部材64の表面は、ストップピンとの入口バルブ62の衝撃によって生成されるノイズを低減するために、エンジニアリングプラスチック、例えば、PEEKなどの材料を含み得る。ストップピン支持体60は、ストップピンから周囲の構造への衝撃振動の伝達を低減するように構成され得る。開示されたHPP10において、入口バルブ62の反対側のストップピン68の端部は、DCV16および出口継手18につながる流体体積にさらされ、ストップピン68から放射されるノイズを低減し得る。
【0020】
ポンピングプランジャ38は、プランジャスリーブ78によって規定されたポンピングボア40内で往復運動する。プランジャスリーブ78は、ポンプ本体48によって規定された浅いボアに受け入れられたパイロットチューブ80によってポンプ本体48に固定される。プランジャスリーブ78は、パイロットチューブ80の内部ショルダー84とプランジャスリーブ78の下端との間で圧縮されたロードリング82によってポンプ本体48に向かってバイアスされる。パイロットチューブ80のネック部分86は、プランジャシール88を支持する。プランジャリターンスプリングシート90は、ポンピングプランジャ38の下端に固定され、プランジャリターンスプリング92は、プランジャリターンスプリングシート90とパイロットチューブ80の外部ショルダー94との間でバイアスされる。プランジャ保持リング96は、ポンピングボア40の下端に設けられた溝に受け入れられ、プランジャリターンスプリング92によってポンピングプランジャ38がポンピングボア40から引き出されるのを防ぐ。
図2に示されるように、カムフォロア44は、ポンピングプランジャ38とカム36との間に配置され、カムプロファイル46に追従するように配置され、ポンピングプランジャ38に往復運動を及ぼす。
【0021】
ポンプ動作中に、ポンピングプランジャ38とポンピングボア40との間にいくらかの漏れが生じる。開示されたHPP10は、制御バルブシート58内の通路を介してパイロットチューブ80から制御バルブ供給56へのポンプドレン98を規定し、HPP10の低圧入口への漏れフローを可能にする。
図1に示されるように、被駆動端よりも大きな直径を有する端部は、
充填サイクル中に漏れフローを「ポンプ」する傾向があり、この「ポンプ」漏れフローもまた、ポンプドレン98に向けられる。
【0022】
図1、
図9および
図10を参照すると、ICV12は、制御バルブポール76、入口バルブ62、制御バルブシート58、入口バルブアーマチュア70および入口バルブスプリング72を備えた制御バルブソレノイド74を含む。入口バルブ62は、閉位置に移動されたときにバルブシート58上の環状表面と嵌合するように構成されたバルブ部材64に一体的に接続されたバルブステム66を含む。バルブステム66は、バルブシート58によって規定されたボア内で往復運動し、開位置(
図9)と閉位置(
図10)との間の入口バルブ62の動きを案内する。入口バルブ62は、入口バルブアーマチュア70および入口バルブ62に作用する入口バルブスプリング72によって開位置に向かってバイアスされる。入口バルブ62の開位置は、
図9に示されるように、バルブ部材64とストップピン68との間の接触によって決定される。入口バルブ62が開位置にあるとき、入口バルブアーマチュア70と制御バルブポール76との間にエアギャップがある。
図10に示すように、ソレノイド74が通電されると、入口バルブアーマチュア70および入口バルブは、制御バルブポール76に引き付けられ、入口バルブスプリング72を圧縮し、バルブ部材64をバルブシート58に対して閉じる。
【0023】
図10に示すように、ストップピン68との接触とバルブシート58との接触との間の入口バルブ62の動きは、ICVストロークを規定する。入口バルブ62が開位置にあるとき、制御バルブポール76および入口バルブアーマチュア70は、入口バルブが閉位置にあるとき、制御バルブポール76と入口バルブアーマチュア70との間にアーマチュアギャップを残す。バルブステム66の長さおよび入口バルブアーマチュア70の形状は、入口バルブ62が閉位置にあるときに入口バルブアーマチュア70が制御バルブポール76に接触しないことを確実にするように選択される。
図10に示されるように、アーマチュアギャップは、入口バルブ62が閉位置にあるとき、入口バルブアーマチュア70と制御バルブポール76との間に残る。アーマチュアギャップは、開示されたICV12の可動コンポーネント間の1つの接触点を排除する。
【0024】
図1および
図9~
図16は、本開示の態様による、ポンプ出口継手18に統合された排出チェックバルブ(DCV)16および圧力リリーフバルブ(PRV)14を示す。
図1および
図9を特に参照して、ポンプ出口継手18は、一端でポンピングチャンバ42(またはポンピングチャンバに流体的に接続された通路)と連絡し、他端で高圧通路24と連絡する段付きボア100を規定する。PRVシート102は、出口継手18の軸A上に配置された排出チェックバルブスプリングシート(DCVスプリングシート)104の周りに配置されたボアを通る出口流路103を規定する。排出チェックバルブボール(DCVボール)106は、DCVスプリング108によって、圧力リリーフバルブシャトル(PRVシャトル)112上の排出チェックバルブシート(DCVシート)110に向かってバイアスされる。PRVシート102は、PRVシャトル112上の相補面116(DCVシート110を囲む)と嵌合する環状の円錐面114を含む。PRVシート102は、段付きボア100によって画定される固定位置にあり、PRVシャトル112は、PRVスプリング118によってPRVシート102に対してバイアスされている。
【0025】
本開示の態様によれば、PRVスプリング118は、圧力リリーフバルブカップ(PRVカップ)120とPRVシャトル112との間で圧縮されて、PRVシャトル112を
図1および
図9に示される閉位置に向けてバイアスする円錐ディスクスプリングのスタックである。積み重ねられた円錐ディスクスプリングは、非常にコンパクトな構成で、350バール(35MPa)以上のコモンレール26の動作圧力に対してPRV14を閉位置に維持するために必要な高い力を生成する。積み重ねられた円錐皿スプリングの間にほとんどまたは全くスペースが残されず、PRVシャトル112のストロークは非常に短く、開示されたPRV14に関連する閉じ込められた体積が非常に少ないことを意味する。PRVカップ120は、ポンプ出口継手18の段付きボア100内に締まりばめを有し、PRVシャトル112、PRVスプリング118、DCVボール106、DCVスプリング108、およびPRVシート102をポンプ出口継手18内にトラップする。段付きボア100内のPRVカップ120の位置は、PRV14の開放圧力を較正するために組み立て中に設定される。PRV14の開放圧力は、出口継手18をポンプ本体48に組み立てる前に較正することができる。PRVカップ120およびPRVシャトル112は、DCVボール106とポンピングチャンバ42との間の段付きボア100内の空間の大部分を占めるように構成され、PRV14に起因するHPP10の捕捉容積をさらに低減する。
【0026】
統合されたPRV14およびDCV16を含む出口継手18は、出口継手18が取り付けられているHPP10の閉じ込められた体積を最小化し、PRV14を通る高い流量容量、およびPRVシャトル112の短いストロークを提供する。HPP10が作動している間、PRV14の高速作動と閉鎖をもたらす。
図10に示すように、コモンレール26につながる高圧通路24内の圧力が、ポンピングチャンバ42またはポンピングチャンバからポンプ出口継手18につながる通路内の圧力よりも低い場合にのみ、DCVボール106が開く。この状態は、ポンプ出口通路24およびコモンレール26の圧力が最大圧力を下回るポンプサイクル中に発生する。
【0027】
図3および
図11は、ポンプの
充填サイクル中、すなわち、ポンピングプランジャ38の後退中の、開示されたHPP10内の燃料の流れを示している。LPP20によってポンピングされた燃料は、入口継手22に入り、入口フィルタ50(存在する場合)を通過する。入口継手22は、アキュムレータ54と流体連絡しており、燃料は、
図11に示すように、アキュムレータ54を通して送られることができる。ICV12は、通常開いた状態にあり、ポンピングプランジャ38が引っ込められる。DCV16は、コモンレール26の圧力にさらされるDCVボール106の後ろの圧力によって閉じられたままである。開示されたHPP10では、ポンピングチャンバ42は、
充填サイクルの終わりまでに燃料で完全に満たされる。カムフォロア44がカムプロファイル46の側面の中心に達すると、プランジャは後退を停止し、
充填サイクルを終了する。カム36がさらに回転すると、カムフォロア44は、ポンピングプランジャ38をポンピングボアに押し込み始め、ポンピングサイクルを開始する。
【0028】
図4および
図12は、ICV12が開いた状態である間のポンピングサイクルの最初の部分を示している。ポンピングプランジャ38がポンピングボア40に駆動されているとき、ポンピングチャンバ42の容積が減少し、燃料をポンピングチャンバ42から押し出す。ICV12が開いた状態で、燃料はポンピングチャンバから低圧入口に向かって「こぼれる」。制御バルブソレノイド74に通電するECU28によってICV12が閉じられると、ポンピングチャンバ42内の燃料は、ポンププランジャ38によって加圧され始める。ポンピングチャンバ42内の圧力がコモンレール26の圧力を超えると、DCV16が開き、燃料がコモンレール26に圧送される。ICV12が閉じるまで燃料加圧を開始できないため、ICV12閉鎖のタイミングは、コモンレール26に圧送される燃料の量を決定する。このようにして、ICV12は、ECU28の制御下でコモンレール26に圧送される燃料の量を計量する。
【0029】
図5および13は、コモンレール26への燃料供給中のICV12およびDCV16の位置を示している。制御バルブソレノイド74が通電され、ICV12が閉じられ、ポンピングチャンバ42内の燃料がコモンレール26の圧力よりも高い圧力で、DCV16を開く。ポンピングプランジャ38とポンピングボア40との間で漏れる燃料は、ポンプドレン98によってHPP10の低圧入口に戻される。ポンピングチャンバ42は、バルブ部材64に作用して、入口バルブ62を閉位置に保持する。入口バルブスプリング72は、ポンピングチャンバ42の圧力が最小に低下するまで入口バルブ62を開くことができない。これにより、ポンピングサイクルが完了する前に制御バルブソレノイド74を意図的にオフにして、電力消費を減らし、システムに追加される熱を減らすことができる。
【0030】
図6および
図14は、コモンレール26の圧力が最大圧力よりも大きいヒートソーク状態に応答したPRV14の作動を示している。PRVシャトル112および閉じたDCVボール106は、ポンプ出口継手18に接続された高圧通路24を介してコモンレール26の圧力にさらされる。PRVシャトル112は、PRVスプリング118のバイアスに逆らってPRVシート102から離れて移動し、過剰な圧力が弁表面114、116の間を、ポンプ室42、開いたICV12および制御弁供給通路56を介して、低圧入口に通過することを可能にする。ヒートソーク状態では、逃す流体の量が少なく、流体の流量が少ないため、PRVシャトル112は少量移動する(開く)。
【0031】
図7および
図15は、ポンプ動作中のPRV14の作動を示しており、ヒートソークに応答したPRV14の作動とまったく同じである。ただし、放出される流体の量が多く、ポンプの充填サイクル中に圧力を解放するために必要な流体の流れが速いため、PRVシャトル112がさらに開く。
図15に示されるように、入口バルブ62は、PRV14を介してコモンレールから放出される高圧燃料によって閉じられたままである。コモンレール26から解放される燃料は、ポンプの
充填サイクル中、ポンプの
充填サイクル中にポンピングプランジャ38が引き込まれるときに、ポンピングチャンバ42を満たす。
【0032】
図8および
図16は、HPP10が作動していない「リンプホーム」シナリオ中のICV12、ポンピングチャンバ42およびDCV16を通る燃料の流れを示している。このシナリオでは、高圧通路24およびコモンレール26には、もはや高圧燃料が供給されていない。DCVバルブスプリング108は、開いたICV12およびポンピングチャンバ42を通過したLPP20によって生成された供給圧力にさらされたときに開く軽いバイアスで選択される。その背後に圧力がない場合、DCVボール106は、供給圧力にさらされ、低圧燃料がコモンレール26を満たすことを可能にする。LPP20からの供給圧力に対応するコモンレール圧力は、燃料噴射器32およびエンジンが低減された電力で作動することを可能にするのに十分である。エンジンの動作は最適ではないが、安全な環境またはメンテナンス施設に向けて最小限の運転能力を提供するには十分である。
【0033】
開示された入口制御バルブ12の実施形態は、例示の目的で説明されてきたが、前述の説明は、本発明の限定と見なされるべきではない。したがって、開示の精神および請求された適用範囲の範囲から逸脱することなく、様々な修正、適合、および代替が当業者に起こり得る。