IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケアフュージョン 303、インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図1
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図2
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図3
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図4
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図5
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図6
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図7A
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図7B
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図7C
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図8
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図9
  • 特許-マイクロ液滴ドリップチャンバ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】マイクロ液滴ドリップチャンバ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
A61M5/14 520
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021545352
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 US2019049794
(87)【国際公開番号】W WO2020081166
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】16/160,947
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メイソン、ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ジェイク
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/101147(WO,A1)
【文献】特開平02-051023(JP,A)
【文献】特開昭48-015386(JP,A)
【文献】特表2012-531953(JP,A)
【文献】特開2018-050757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内(IV)流体を保持するように構成された容器と、
前記容器の上で吊り下げられた液滴形成器であって、上端から下端まで均一に延伸し、鋭い先端に向かって先細になる長手方向本体、及び前記上端と前記下端との間で延伸する外面を備える液滴形成器と、
前記液滴形成器の上に配置され、リザーバから前記IV流体を受け取るように構成された入口ポートであって、前記IV流体が前記外面を下降することを可能にするために、前記外面に結合されている入口ポートと、
電極であって、前記電極は、前記電極に保持された電荷に基づいて前記IV流体の極性分子を引き付けるために、前記液滴形成器の十分近くに配置され、前記液滴形成器から前記容器内への前記IV流体の液滴の放出を引き起こすように構成された電極と
を備えるドリップチャンバ
【請求項2】
前記容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
前記液滴形成器は、前記キャップから吊り下げられ、
前記液滴形成器は、下方向に伸長された中実のピン又はワイヤを含み、
前記中実のピン又はワイヤの外部の側面が前記外面を提供し、
出口ポートが、前記容器の下端に配置され、前記出口ポートは、前記IV流体を患者に送達するためにIVラインに結合するように構成されている、請求項1に記載のドリップチャンバ。
【請求項3】
前記液滴形成器は中実のピンを含む、請求項1に記載のドリップチャンバ。
【請求項4】
前記液滴形成器はワイヤを含む、請求項1に記載のドリップチャンバ。
【請求項5】
前記液滴形成器は、下方向に延伸し、前記下端の中実点で終端する、請求項1に記載のドリップチャンバ。
【請求項6】
前記容器の上側に配置されたキャップであって、前記入口ポートは、前記キャップに配置され、前記液滴形成器は、前記キャップから吊り下げられている、キャップと、
前記入口ポートの下の前記容器に配置されたホールであって、前記液滴形成器の前記外面は、前記ホールを通って前記IV流体を運ぶために、前記ホールを通って前記入口ポートに結合されている、ホールと
を更に備える、請求項1に記載のドリップチャンバ。
【請求項7】
前記液滴形成器から前記容器の中に落下する液滴を検出するために、前記容器に結合された圧電センサを更に備える、請求項1に記載のドリップチャンバ。
【請求項8】
IV流体を保持するように構成された容器と、
前記容器の上で吊り下げられて前記容器の中に延伸し、リザーバから前記IV流体を受け取るために入口ポートに結合された液滴形成器と、
前記液滴形成器からの前記IV流体の液滴の放出を引き起こすために、前記液滴形成器に動作可能に結合された音響エミッタと
を備えるドリップチャンバ。
【請求項9】
前記容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
前記液滴形成器は、前記キャップから吊り下げられ、
前記音響エミッタは、前記キャップ内に収容された超音波エミッタであり、
出口ポートが、前記容器の下端に配置され、前記出口ポートは、前記IV流体を患者に送達するためにIVラインに結合するように構成されている、請求項に記載のドリップチャンバ。
【請求項10】
前記音響エミッタは、前記液滴形成器の表面で前記IV流体の定在波を生成するように構成された超音波エミッタである、請求項に記載のドリップチャンバ。
【請求項11】
前記容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
前記液滴形成器は、前記キャップから吊り下げられ、
前記音響エミッタは、前記キャップ内に収容されている、請求項に記載のドリップチャンバ。
【請求項12】
前記液滴形成器の下側先端が外方にフレア状である、請求項に記載のドリップチャンバ。
【請求項13】
前記液滴形成器は、中実の円柱構造を有する、請求項に記載のドリップチャンバ。
【請求項14】
前記液滴形成器は、下方向に伸長され、下方向を横切って延伸する横方向外面を有し、前記音響エミッタは、前記横方向外面の直径より小さい直径を有する液滴を生成するように構成された超音波エミッタである、請求項に記載のドリップチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、例えば、静脈内(IV)療法のためのドリップチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的処置は、多くの場合に、生理食塩水、血液、及び/又は薬剤のような液体が患者の静脈に直接投与されるIV療法の使用を伴う。IV療法のために使用されるIVシステムは、一般に、ドリップチャンバを使用し、それは、臨床医(例えば、看護師)が、所与の期間に亘って液滴の数を手動でカウントすることにより、IV流体が投与される速度を決定することを可能にする。ドリップチャンバは、提供されるIV流体の1ミリリットル(mL)当たりの滴数として画定される液滴係数に基づいて、マクロ液滴又はマイクロ液滴として分類される場合がある。例えば、マクロ液滴ドリップチャンバは、一般に、約20gtts/mL(又は液滴/mL)の滴下係数を使用し、一方、マイクロ液滴ドリップチャンバは、一般に、約60gtts/mLの滴下係数を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】IV治療システムの例の概略図である。
図2】ドリップチャンバを使用する注入セットの例の図である。
図3】インラインドリップチャンバを使用する注入セットの例の図である。
図4】中実点で終端する下端を使用するドリップチャンバの例の断面図である。
図5】電子機器を使用するドリップチャンバの例の断面図である。
図6】超音波エミッタを使用するドリップチャンバの例の断面図である。
図7A】超音波エネルギーで液滴形成器にエネルギーを与えるシーケンスの例を示す図である。
図7B】超音波エネルギーで液滴形成器にエネルギーを与えるシーケンスの例を示す図である。
図7C】超音波エネルギーで液滴形成器にエネルギーを与えるシーケンスの例を示す図である。
図8】注入された空気を使用するドリップチャンバの例の断面図である。
図9】圧電センサを使用するドリップチャンバの例の断面図である。
図10】帯電電極を使用するドリップチャンバの例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
1つ以上の実装においては、各図に示されるの構成要素の全てが要求されなくてもよく、1つ以上の実装は、図に示されていない追加の構成要素を含んでもよい。構成要素の配置及びタイプの変更は、本開示の範囲から逸脱することなく行われてもよい。追加の構成要素、異なる構成要素、又はより少ない構成要素が、本開示の範囲内で利用されてもよい。
【0005】
以下に記載される詳細な説明は、様々な実装の説明として意図され、対象技術が実践されてもよい唯一の実装を表すことが意図されない。当業者が理解するように、説明される実装は、全て本開示の範囲から逸脱することなく、様々な異なる方法で変更されてもよい。よって、図面及び本明細書は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定ではない。
【0006】
静脈内治療システムのドリップチャンバは、流量がその液滴係数に基づいて測定されることができる精度に制約されてもよく、その結果、患者に正確に送達されることができる流量の範囲を制約する。例えば、新生児、糖尿病、又は他の水分制限のある患者は、1時間当たり1mL又は数mLのオーダーの遅い速度で注入又はIV流体送達を要求する場合がある。60液滴/mLの滴下係数を有するマイクロ液滴ドリップチャンバの場合であっても、これは、1分当たり1滴の遅い液滴速度をもたらす場合があり、ストップウォッチを使用して液滴の数をカウントする臨床医による正確又は実用的な測定を可能にしない場合がある。更に、このような低流量では、小さいエラーであっても治療に大きい影響を与える場合がある。自動ポンプは、流量をより正確に制御することができるが、コスト及び複雑性を増加させ、特定の市場及び環境においてはポンプが実用的でない場合がある。
【0007】
本明細書で開示される幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバ、並びにドリップチャンバを使用するIV治療システム及び方法は、既存の技術と比較して、低流量のより正確な計量を可能にし、及び/又はより正確な流量測定を容易にするために、より小さい液滴サイズを可能にすることができる。幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバは、IV流体が液体形成器の外面を下に運ぶことを可能にする、中実のピン、ワイヤ、又は他の液体形成器構造を使用することができる。液体形成器は、表面積を減少させ、より小さい体積で液体形成器から液滴を落下させるために、鋭い中実点で終端することができる。追加的又は代替的に、超音波又は他の音響エネルギー供給装置のような電子機器が、液滴形成器からの液滴の形成又は放出を刺激するために使用されることができる。追加的又は代替的に、ガス入口ポートが、他のガスがドリップチャンバに注入されることを可能にして、流れを分散し、液滴形成器からの液滴放出を誘導するために含まれることができる。追加的又は代替的に、圧電センサが、落下する液滴の衝撃を検出し、人間の目で確実にカウントされてもよい場合より速い速度で小さい液滴が落下することを可能にするために利用されることができる。
【0008】
これらの実施形態及び他の実施形態は、図1図9を参照して以下で議論される。しかし、当業者は、本明細書に開示される概念の範囲及び精神から逸脱することなく、本開示の原理を使用することができる様々な変更及び他の実施形態を理解するであろう。この結果、本明細書で提供される詳細な図及び議論は、説明のみを目的とし、限定として解釈されるべきではないことが理解される。
【0009】
図1は、患者に流体を投与するために使用されることができる例示的なIV治療システム101の概略図である。IV治療システム101は、患者106に投与される流体104のリザーバを含むIVバッグ102、IV流体を送達するために患者の静脈に挿入されるカテーテル108、及びIVバッグ102からカテーテル108に流体を搬送するためのチューブを提供するIVライン110を含む。ドリップチャンバ150は、既知の液滴係数で流体104の液滴を形成するために、IVバッグ102とカテーテル108との間に結合される。ドリップチャンバ150における液滴形成は、例えば、ある期間に亘る液滴の数のカウント又は測定を可能にすることによって、流量を決定するための計量を提供することができる。IVラインに結合されたローラクランプのような制御機構112が、必要に応じてドリップチャンバから決定された流量に基づいて流量を調整するために使用されることができる。
【0010】
図2は、例示的なIV投与セット200の図である。IVセット200は、ドリップチャンバ、及び流体投与システムの他の動作可能な構成要素を含む装置の特定の例である。IVセット200は、必要に応じてIVシステムへの挿入及びそれからの取り外しを可能にするモジューラ設計を含む。IVセット200は、例えば、IV治療システム101又は任意の他の適切な流体投与システムで使用されることができる。
【0011】
図2に示されるように、IVセット200は、ドリップチャンバ250、IVライン210、ルアーロックフィッティング232、及びローラクランプ212を含む。ドリップチャンバ250は、IV流体を保持するための容器を有する。ドリップチャンバ250の近位端は、流体リザーバから流体を受け取るための入口ポートを含むことができ、一方、ドリップチャンバ250の遠位端は、IVライン210を通って下流に患者に流体を提供するための出口ポートを含むことができる。ドリップチャンバ250は、流体リザーバからの重力供給を使用して流体を受け取るように構成されることができ、重力基準系で、ドリップチャンバ250の近位端は、上端(又は頂端)に対応し、遠位端は、下端(又は底端)に対応する。液滴形成器220は、ドリップチャンバ250の上端から吊り下げられ、上端から部分的に容器の内部空洞に下方に延伸することができる。液滴形成器220は、例えば、プラスチック、金属、及び/又は任意の他の適切な材料から製造されることができ、液滴形成器220は、例えば、下の容器に落下することができるIV流体の液滴を形成することができる、チューブ、ピン、ワイヤ、シリンダ、フレアチップ、又は他の構造を含むことができる。動作中、ドリップチャンバ250は、空気又は他のガスが分散することを可能にし、液滴形成器220からの液体であるIV流体の液滴の衝撃時に下のIVライン210に入らないように、最初にIV流体(例えば、約半分のレベルまで)を入れてもよい。
【0012】
IVセット200は、近位端にスパイク226を含み、スパイク226は、その中に入口ポートを含み、IVバッグ(例えば、図1のIVバッグ102)に結合することができる。IVバッグは、患者に送達される液体の供給源を提供することができる液体リザーバを含むことができる。図2に示されるIVセット200は、スパイク型ドリップチャンバで実装され、スパイク226は、ドリップチャンバ自体がスパイク226を介してIVバッグの底部に直接取り付けることができるように、ドリップチャンバ250の上端のキャップに含まれる。図2でスパイク226から取り外されて示される保護カバー228は、使用前の最初の送達又は輸送中にスパイク226を覆うことができる。IVセット200の反対側の遠位端には、IVライン210のセグメントの端部に配置された雄型ルアーフィッティング232がある。雄型ルアーフィッティング232は、流体が患者に送達されるカテーテル又は追加のIVラインセグメントのような下流又は遠位の構成要素に結合するためのコネクタを提供する。
【0013】
ローラクランプ212は、IVラインに沿ってIVセット200に含まれる。ローラクランプ212は、ユーザ(例えば、臨床医)による流量の手動調整を可能にする制御機構を提供する。ドリップチャンバ250は、液滴の滴下速度が、ユーザが流量を決定するために視覚的チェックを提供することができるように、ユーザが液滴形成器220から落下する液滴を見ることを可能にするために十分に透明な外面を含むことができる。例えば、ユーザは、ストップウォッチを使用し、設定された期間に亘って液滴の数をカウントし、カウントされた液滴の数、期間、及びドリップチャンバ250の既知の液滴係数に基づいて流量を決定してもよい。追加的又は代替的に、ドリップチャンバ250は、ドリップチャンバに落下する液滴をカウントし、さもなければ検出するために、圧電センサのようなセンサを含むことができる。そして、ユーザは、患者の所望の治療に基づいてローラクランプ212を操作することによって、適宜流量を上下に調整してもよい。
【0014】
図3は、例示的なIVセット300の図である。IVセット300は、ドリップチャンバ及び流体投与システムの他の動作可能な構成要素を含む装置の別の例である。IVセット300は、図2のドリップチャンバ250のようにIVバッグに直接結合するように構成されるのではなく、IVラインに沿って配置されるインラインドリップチャンバ350を含む。IVセット300は、例えば、IV治療システム101又は任意の他の適切な流体投与システムにおいて使用されることができる。
【0015】
インラインドリップチャンバ350の頂端又はキャップは、ドリップチャンバ350とIVバッグとの間のIVライン310の近位又は上流セグメントに結合された入口ポートを含むことができる。図3に示されるIVセット300は、一対のそれぞれの流体リザーバに結合するための一対のコネクタをその近位端に含む(例えば、生理食塩水用のIVバッグ及び別個の血液用のIVバッグ、又は患者に送達される流体の他の適切な組み合わせ)。スパイクがドリップチャンバ250(図2)の上側又はキャップに直接含まれる、図2の例とは異なり、図3のIVセット300は、IVセット300の近位端の一対のIVラインセグメントの端部にそれぞれ配置された一対のスパイク326を含む。
【0016】
一対のローラクランプ312が、一対のIVラインセグメントにそれぞれ提供され、各それぞれの流体リザーバの流量の個々の調整を可能にすることができる。ローラクランプ312は、ローラクランプ212(図2)が、ドリップチャンバ250(図2)に対して遠位であって下流に、ドリップチャンバと患者との間に配置される、図2のIVセット200とは対照的に、ドリップチャンバ350に対して近位であって上流に、ドリップチャンバ350と流体リザーバとの間に提供される。IVセット300はまた、追加の機能を提供するために様々な追加の構成要素を含む。例えば、追加の流体移送デバイス(例えば、不要な注射器又は他の構成要素)が追加の流体の患者への送達のためにIVライン310に結合され、追加の流体の患者からの除去のためにIVライン310から除去されることを必要に応じて可能にするために、IVライン310に沿って配置されたアクセスコネクタ334が示される。流量を停止又は開始するための追加の制御機構を提供するために、IVライン310に沿って配置されたスライダークランプ336がまた示される。
【0017】
図4は、例示的なドリップチャンバ450の断面図である。ドリップチャンバ450は、中実のピン、ワイヤ、又はIV流体が下降するために外面を提供する他の液滴形成器構造を使用するドリップチャンバの特定の例である。液滴形成器構造は、液滴又は一連の液滴が外面から落下し、液滴形成器の先端からより小さい体積で放出されるように促すために、小さな点で終端することができる。幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバ450は、図1図3に示されるドリップチャンバの何れか1つ以上と共通の特徴を共有することができる。
【0018】
ドリップチャンバ450は、容器444、キャップ446、及び容器内にあり、キャップ446によって閉鎖された内部空洞442を含む。容器444は、実質的に円筒形の本体、又は容器本体の内部空洞でIV流体を保持することを可能にする任意の他の適切な構造を有することができる。キャップ446は、容器444の上側又は近位端に配置され、流体を含むIVバッグに結合するように(例えば、スパイクをIVバッグの底端又はポートに挿入することによって)構成することができるスパイク426を含む。入口ポート456は、容器の近位端に含まれ、IVバッグから流体を受け取るように構成されることができる。図4に示されるように、入口ポート456は、スパイク426及びキャップ446を通って延伸し、液滴形成器420に、液滴形成器の上側又は近位端で結合される。入口ポート456は、IV流体が液滴形成器に下降することを可能にするために、液滴形成器の上に配置される。キャップを通って延伸する管腔を含むように示されるが、様々な構成において、入口ポートは、ドリップチャンバに流入するIV流体の受け取りを可能にするために、任意の適切な開口部、チャネル、又は他の構造を有することができる。更に、ドリップチャンバ450が、IVバッグへの直接接続のために使用されることができるスパイク426を含むように示されるが、ドリップチャンバ450は、追加的又は代替的に、スパイク426を使用せず、寧ろ例えば、IVラインの上流セグメントに結合するように構成された入口ポートを有するインラインドリップチャンバとして実装されることができる。
【0019】
液滴形成器420は、キャップ446から吊り下げられ、キャップ446から遠位方向に下向きに部分的に内部空洞442の中に延伸する。液滴形成器420は、入口ポート456から受け取られた流体の液滴を形成するように構成され、液滴をカウントすることによって流量の測定又は推定を可能にするために、一定の速度の液滴を内部空洞442及び容器444の中に放出するように構成されることができる。液滴形成器420は、例えば、中実のピン、ワイヤ、又は他の細長い部材として実装されることができる。液滴形成器420は、IV流体452の液滴が容器444に落下するために放出点を提供する下側先端421(又は「遠位先端」)で、その下端又は遠位端で終端することができる。
【0020】
液滴形成器420の近位端と遠位端との間にある外面423は、入口ポート456からIV流体452を受け取るために、入口ポート456に直接的又は間接的に結合されることができる。外面423は、IV流体452が外面423を遠位先端421の小さい放出点に向かって下降することを可能にするために、下方向に延伸し、遠位先端421で終端することできる。ピン、ワイヤ、又は他の細長い部材の外側の側面は、流体が下降するために外面423を提供することができる。外面423の下の下側先端421の小さい中実点は、60液滴/mL又は液滴のサイズを制限する内部抵抗を有する純粋なチューブ型のドリップチャンバによって形成された液滴より小さくしてもよい小さい液滴の形成及び放出を可能にすることができる。例として、液滴形成器420は、200~300液滴/mL、又は任意の他の所望のサイズのオーダーの液滴を形成するために(例えば、その寸法に基づいて)構成されることができる。
【0021】
液滴形成器420は、その全長に亘って均一な直径を有することができる。代替的に、液滴形成器420は、ピンの遠位(下側)先端がピンの近位(上側)部分より小さい直径又はサイズを有するピン実装のような、遠位先端でより小さい直径に縮小することができる。液滴形成器420は、液滴形成器の全範囲を通して提供される管腔又は内部流体経路がなく、その長さ全体に亘って中実構造を有することができ、又は液体形成器420は、例えば、流体452の液滴の放出点を提供する、遠位先端421で終端する遠位セクションのみで中実構造を有することができる。
【0022】
液滴形成器420は、流体源に結合され、入口ポート456の上端と液滴形成器420の下端との間のキャップ462に含まれることができる小さいホール462又はピンホールを通って入口ポート456に結合されることができる。流体の表面張力が、重力がホール462を通って流体の自由落下を可能にするのを防ぐように、ホールのサイズは十分に小さくすることができる。この例においては、液滴形成器420は、液滴形成器420が、例えば、ろうそくの芯に似た液体を運ぶワイヤ形状で、毛細管現象によってホール462を通って流体を運ぶことを可能にすることができる、ホール462に配置された近位セクションを含む。代替的は、液体形成器420は、流体が液体形成器420の外面423を下降することを可能にする任意の他の適切な構造又は配置を介して入口ポート456に結合されてもよい。
【0023】
出口ポート458が、容器444の遠位端に含まれる。出口ポート458は、流体がドリップチャンバ450の内部空洞442からIVライン410を通って患者に下流に提供されることを可能にするために、IVライン410に結合するように構成される。図4においては、IV流体452を容器のほぼ中間のレベルまで入れた後のドリップチャンバ450が示される。容器の全部又は一部を、液滴形成器420から落下する液滴がドリップチャンバ450の外部から見えることを可能にするために、十分に透明にさせることができる。例えば、容器444は、ユーザ(例えば、臨床医)による液滴の手動カウントを可能にするように、液滴の形成及び/又は放出がドリップチャンバ450の外部からユーザに見えることを可能にするために、全体又は一部が透明なプラスチックで製造されることができる。
【0024】
図5は、例示的なドリップチャンバ550の断面図である。ドリップチャンバ550は、液滴形成器にエネルギーを与えて、液滴形成器からの小さい液滴の排出又は放出を刺激するために、音響エミッタのような電子機器を使用するドリップチャンバの特定の例である。幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバ550は、図1図4に示されるドリップチャンバの何れか1つ以上と共通の特徴を共有することができる。
【0025】
ドリップチャンバ550は、キャップ446から吊り下げられ、静脈内流体452の液滴を容器444の内部空洞442の中に放出するように構成されることができる液滴形成器520を含む。液滴形成器520は、入口ポート456からの流体が管状構造の遠位先端まで通過する内側管腔を有する管状構造を含むように図5に示される。追加的又は代替的に、液滴形成器520は、例えば、図4に示されるような中実の遠位先端を有するピン又はワイヤのような、ドロップを形成及び放出するための任意の適切な構造を使用することができる。
【0026】
ドリップチャンバ550は、キャップ446内に収容された電子部品566を含む。電子部品566は、液滴形成器520に動作可能に結合され、それからの液滴形成及び/又は放出を刺激するように構成される。電子部品566は、電子部品が液滴形成器520と相互作用することを可能にするように十分に結合される限り、直接、又はキャップのような介在部品を介して、液滴形成器に動作可能に結合されてもよい。電子部品566は、例えば、音響エミッタを含むことができ、音響エミッタは、部品566から放出された音波又は他の信号が液滴形成器520の表面に達することを可能にする任意の適切な物理的又は機械的結合を介して液滴形成器520に動作可能に結合されることができる。追加的又は代替的に、電子部品は、液滴形成器520にエネルギーを与えるのを容易にするために、回路、電源(例えば、電池)、ワイヤ、及び/又は他の電子機器を含むことができる。
【0027】
電子部品566によって生成され、さもなければ提供された音響エネルギー又は機械的振動は、液滴形成器の流体の抵抗又は表面張力を克服して、重力又は圧力差のみに依存して落下しない場合がある液滴の放出を誘発するように構成されることができる。電子部品566は、例えば、固定されることができ、又はユーザプログラム可能である所定の液滴速度と同期して周期的に音響エネルギーのバーストを生成する等によって、液滴形成器520を周期的に刺激するように構成されることができる。
【0028】
電子部品566は、密封され、さもなければ流体452の流体経路から絶縁された(例えば、入口ポート456及び内部空洞442から絶縁された)キャップ446の筐体内に収容されることができる。これは、電子部品566を無菌部品から絶縁することを可能にし、及び/又は電子部品566をキャップ446から取り外して他のドリップチャンバにおいて再使用することを可能にすることができ、一方、容器544及び/又は液滴形成器520のようなドリップチャンバ550の残りの構造は、使用の各過程の後に破棄されることができる。電子部品566は、入口流体経路を少なくとも部分的に取り囲む環状構造として図5に示されるが、電子部品566は、追加的又は代替的に、任意の他の適切なサイズ又は形状を有する1つ以上の個別の構造として実装されることができる。
【0029】
図6は、例示的なドリップチャンバ650の断面図である。図7A図7Cは、ドリップチャンバ650に含まれる液滴形成器620を動作するシーケンスの図である。ドリップチャンバ650は、液滴形成器にエネルギーを与えて、液滴形成器からの小さい液滴の排出又は放出を刺激するために、超音波エネルギーを使用するドリップチャンバの特定の例である。幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバ650は、図1図5に示されるドリップチャンバの何れか1つ以上と共通の特徴を共有することができる。
【0030】
ドリップチャンバ650は、キャップ446内に収容された電子部品を含む。特に、電子部品は、キャップ446から吊り下げられた液滴形成器620に動作可能に結合された超音波エミッタ666として実装され、さもなければそれを含む。超音波エミッタ666は、例えば、液滴形成器620の表面に超音波を放出することができる圧電性、容量性、又は他の適切なトランスデューサを含むことができる。液滴形成器620は、液滴形成器の遠位先端又は下側先端に横方向外面673を含む。横方向外面673は、下方向に実質的に直交して延伸し、又はより一般的には、液滴が液滴形成器620から放出される方向に対して横方向に延伸する。これは、液滴が、外面673に概して垂直な方向に液滴形成器620から放出されることを可能にする。横方向外面673は、図6に示されるように、液滴形成器の遠位の下端が、その下端で直径が大きくなるように半径方向外方にフレア状である、フレア構造を使用して提供されてもよい。代替的に、液滴形成器620は、遠位の下側先端が、超音波エミッタが本明細書で説明される方法で液滴を生成するのに十分な表面積を有する横方向表面を提供する、中実の円柱構造(大きいゲージワイヤのような)で実装されてもよい。
【0031】
図6はまた、例えば、ドリップチャンバ650内に収容された超音波エミッタ666に振動信号を提供するように構成された外部電源及び/又は外部超音波発生器のような外部電子部品への超音波エミッタ666の結合を可能にすることができる外部結合コネクタ677を示す。ドリップチャンバ650は、内部超音波エミッタ666及び外部結合コネクタ677の両方を含むように示されるが、代替の実施形態においては、一方又は他方のみが使用されてもよい。例えば、幾つかの実施形態においては、液滴形成器620に波を放出するために使用される全ての電子機器が、キャップ446内に完全に収容されることができる。代替的に、超音波エミッタ666を含む全ての電子機器が外部に提供され、1つ以上の外部結合コネクタを介して液滴形成器に結合されることができる。
【0032】
超音波エミッタ666は、横方向表面673より小さい直径を有することができる非常に小さい液滴又は小滴の生成を可能にするために、液滴形成器620の表面でIV流体452の定在波を発生するように構成されることができる。図7A図7Cは、液滴形成器にエネルギーを与え、横方向表面673で定在波を生成するために超音波電子機器を使用して、液滴形成器620における液滴生成の例示的なシーケンスを示す。図7A図7Cにおいては、液滴形成器620は、表面673及び波の生成をより良好に示すために反転された形態で示される。
【0033】
図7Aは、超音波又はエネルギーが表面に提供されていない場合に、表面673上に静止しているIV流体を有する液滴形成器620を示す。この状態においては、流体は、相対的に大きい塊を形成することができる。図7Bにおいては、超音波は、IV流体452の塊をより小さいセクション又はより小さい山及び谷に概して分離させる定在波の形成を引き起こすために、表面673に結合される。この状態においては、IV流体452は、液滴形成器からまだ放出されていない。図7Cにおいては、波は、その振幅が、概して、液滴形成器620の先端で横方向表面673の直径より小さい直径を有することができる、IV流体452の1つ以上の小さい液滴又は小滴の放出を引き起こすために、十分に増加した後に、頂点に達する。図7A図7Cにおいては、概して、円形又は環状のパターンを有する波が示されるが、様々な実装においては、超音波液滴形成器620から放出される波及び/又は液滴は、概して、必要に応じて、任意の適切なサイズ、形状、又はパターンを有してもよい。例えば、超音波電子機器の使用がまた、横方向外面673に提供される波形を調整することによって(例えば、超音波の形状、周波数、及び/又は振幅を調整することによって)、液滴生成のサイズ、パターン、又は速度を微調整することを可能にしてもよい。
【0034】
図8は、例示的なドリップチャンバ850の断面図である。ドリップチャンバ850は、液滴形成器からの液滴の放出を刺激するために、注入された空気を使用するドリップチャンバの特定の例である。幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバ850は、図1図7に示されるドリップチャンバの何れか1つ以上と共通の特徴を共有することができる。
【0035】
ドリップチャンバ850は、注入されたガス883(例えば、滅菌空気又は別のガス)が、液体入口ポート456からIV流体を受け取ることができる、液滴形成器820からの小さい液滴の放出を刺激することを可能にするために、流体経路を介して液滴形成器820に結合されたガス入口ポート881を含む。ガス注入部品887は、ドリップチャンバの内部にガスを注入するために、ガス入口ポート881に結合されることができ、それは、IV流体452の液滴の放出を誘発するために、液滴形成器の表面を刺激することができる。ガス注入部品887は、例えば、圧縮ガスカートリッジ、又は施設(例えば、病院)の加圧ガスタンク、ポンプ、又は他のガス源に結合された管類セグメントを含むことができる。
【0036】
ガス入口ポート881は、注入されたガス883が液滴形成器に達することを可能にする流体経路を介して液滴形成器に動作可能に結合されることができる。例えば、ガスオリフィス889が、ガス入口ポート881を通って注入されたガス883が液滴形成器820に達することを可能にするために、液滴形成器のすぐ上のキャップに提供されることができる。代替的に、他の構造が、ガス入口ポート881が液滴形成器に動作可能に結合させて、それからの液滴の放出を刺激することを可能にするために使用されてもよい。幾つかの実施形態においては、注入されるガスは、固定され、又はユーザプログラム可能であってもよい所定の滴下速度と同期して計時される一連のバーストで送達されてもよい。例えば、小型の使い捨て圧縮ガスカートリッジが、ドリップチャンバ850に提供され、一連の小さいバーストでガス入口ポートを通って注入されるガスを計量するように構成されてもよい。これは、圧縮ガスカートリッジ内に含まれる圧縮ガスがまたドリップチャンバ850の使用期間中持続することを可能にする一方で、所望の滴下速度を可能にしてもよい。
【0037】
図9は、例示的なドリップチャンバ950の断面図である。ドリップチャンバ950は、ドリップチャンバ内に落下する液滴の滴下速度を検出するために、圧電センサを使用するドリップチャンバの特定の例であり、それは、例えば、人間の目が確実に見ることができる場合より速い速度で液滴をカウントすることを可能にしてもよい。幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバ950は、図1図8に示されるドリップチャンバの何れか1つ以上と共通の特徴を共有することができる。
【0038】
ドリップチャンバ950は、容器内に落下する液滴を検出するために、容器444に結合された圧電センサ991を含む。圧電センサ991は、例えば、液滴形成器920から容器444の中に落下するIV流体452の液滴の衝撃を検出するためのマイクロフォンとして機能する受動圧電材料992を含むことができる。図9に示される例においては、圧電センサ991は、圧電材料992に結合された1つ以上の電極993を含む。圧電材料992は、例えば、受動圧電材料とすることができる。電極993は、信号を測定し、及び/又は容器444の中に落下する液滴の数をカウントすることによって流量を決定するように構成された検出回路995に結合されることができる。検出回路995は、概して、圧電センサ992から受信された信号を処理するのに適した任意の1つ以上のアナログ及び/若しくはデジタル回路、プロセッサ、マイクロコンピュータ、並びに/又は他の回路を含むことができる。検出回路995は、例えば、圧電センサ991と同じ物理モジュール又はセンサパッケージ内に含まれることができ、又は物理的に分離されて、1つ以上の有線及び/若しくは無線相互接続を介して圧電センサ991に通信可能に結合されてもよい。
【0039】
圧電センサ991は、圧電センサ991を、患者に送達されるIV流体452との物理的接触から絶縁するために、容器444及び内部空洞442の外側に配置されることができる。圧電センサ991は、センサ991による空洞442内の落下衝撃からの信号のピックアップを容易にするために、容器444の側壁に取り付けられることができる。圧電センサ991はまた、IV流体を最初に入れた流体レベルの下、例えば、容器本体の中間点の下に配置されることができる。これはまた、IV流体452が、落下する液滴の音響的又は機械的衝撃の伝達媒体として機能することができるので、センサによってピックアップされる衝撃時の各液滴の信号のピックアップを容易にしてもよい。
【0040】
図10は、例示的なドリップチャンバ1050の断面図である。ドリップチャンバ1050は、IV流体452の極性分子(例えば、水分子)を引き付け、重力のみで可能であってよい場合より小さい体積でIV流体452の液滴を移動させるために、帯電電極を使用するドリップチャンバの特定の例である。幾つかの実施形態においては、ドリップチャンバ1050は、図1図9に示されるドリップチャンバの何れか1つ以上と共通の特徴を共有することができる。
【0041】
ドリップチャンバ1050は電極1099を含み、電極1099は、電極1099に印加され、さもなければそれに保持される電荷に基づいてIV流体452の極性分子を引き付けるために、液滴形成器1020の十分近くに配置される。例えば、図10に示されるように、電極1099は、負に帯電されることができ、それは、液滴の放出をもたらすために、液滴形成器内の水分子の正の端部を引き付けることができる。別の例として、幾つかの実施形態においては、電極1099は、IV流体452の水分子又は他の極性分子の負の端部を引き付けるために正に帯電されることができる。図10に示される例においては、電極1099は、容器444の内部空洞442内に配置され、液滴形成器1020の先端近くの領域でキャップ446から吊り下げられる。しかし、電極がIV流体452の極性分子を引き付けることを可能にするために、電極1099が任意の他の適切な位置に配置されることができる実装が企図される。例えば、幾つかの実施形態においては、電極1099は、容器444自体の全部又は一部として実装されることができる。液滴形成器1020は、図10においては管状構造を有するように示されるが、様々な実施形態においては、例えば、図4に示されるような中実の遠位先端を有するピン又はワイヤのような、液滴を形成及び放出するための任意の適切な構造を使用することができる。
【0042】
図10に示される例においては、電極1099は、電極1099を、電極に電荷を印加する電源1098に接続するために(例えば、電極1099に電圧を印加することによって)、ワイヤ1097に結合される。電源1098は、例えば、IVシステムを介して流体を圧送するために使用されるポンプシステムの一部、又は施設の任意の他の適切な電子システム、等として容器444及びキャップ446の外部に配置されることができる。代替的に、電源1098は、例えば、キャップ446内に収容された電池とすることができる。何れの場合であっても、電極1099に結合されたワイヤ1097は、例えば、電極1099を充電するための信号経路を提供するために、少なくとも部分的にキャップを通って延伸することができる。
【0043】
本開示の態様の様々な例が、便宜上の条項として以下に説明される。これらは、例として提供され、対象技術を制限しない。例として、以下に説明される条項の幾つかが、図1図10に示される。
【0044】
条項1
静脈内(IV)流体を保持するように構成された容器と、
容器の上で吊り下げられた液滴形成器であって、上端、下側先端、及び上端と下側先端との間で延伸する外面を有する液滴形成器と、
液滴形成器の上に配置され、リザーバからIV流体を受け取るように構成された入口ポートと
を備えるドリップチャンバであって、
入口ポートは、IV流体が外面を下降することを可能にするために、外面に結合されている、ドリップチャンバ。
【0045】
条項2
容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
液滴形成器は、キャップから吊り下げられ、
液滴形成器は、下方向に伸長された中実のピン又はワイヤを含み、
中実のピン又はワイヤの外部の側面が外面を提供し、
出口ポートが、容器の下端に配置され、出口ポートは、IV流体を患者に送達するためにIVラインに結合するように構成されている、条項1又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0046】
条項3
液滴形成器は中実のピンを含む、条項1又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0047】
条項4
液滴形成器はワイヤを含む、条項1又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0048】
条項5
液滴形成器は、下方向に延伸し、下側先端の中実点で終端する、条項1又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0049】
条項6
容器の上側に配置されたキャップであって、入口ポートは、キャップに配置され、液滴形成器は、キャップから吊り下げられている、キャップと、
入口ポートの下の容器に配置されたホールであって、液滴形成器の外面は、ホールを通ってIV流体を運ぶために、ホールを通って入口ポートに結合されている、ホールと
を更に備える、条項1又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0050】
条項7
液滴形成器から容器の中に落下する液滴を検出するために、容器に結合された圧電センサを更に備える、条項1又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0051】
条項8
電極であって、電極に保持された電荷に基づいてIV流体の極性分子を引き付けるために、液滴形成器の十分近くに配置された電極を更に備える、条項1又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0052】
条項9
IV流体を保持するように構成された容器と、
容器の上で吊り下げられ、リザーバからIV流体を受け取るために入口ポートに結合された液滴形成器と、
液滴形成器からのIV流体の液滴の放出を刺激するために、液滴形成器に動作可能に結合された音響エミッタと
を備えるドリップチャンバ。
【0053】
条項10
容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
液滴形成器は、キャップから吊り下げられ、
音響エミッタは、キャップ内に収容された超音波エミッタであり、
出口ポートが、容器の下端に配置され、出口ポートは、IV流体を患者に送達するためにIVラインに結合するように構成されている、条項9又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0054】
条項11
音響エミッタは、液滴形成器の表面でIV流体の定在波を生成するように構成された超音波エミッタである、条項9又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0055】
条項12
容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
液滴形成器は、キャップから吊り下げられ、
音響エミッタは、キャップ内に収容されている、条項9又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0056】
条項13
液滴形成器の下側先端が外方にフレア状である、条項9又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0057】
条項14
液滴形成器は、中実の円柱構造を有する、条項9又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0058】
条項15
液滴形成器は、下方向に伸長され、下方向を横切って延伸する横方向外面を有し、音響エミッタは、横方向外面の直径より小さい直径を有する液滴を生成するように構成された超音波エミッタである、条項9又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0059】
条項16
IV流体を保持するように構成された容器と、
容器の上で吊り下げられ、リザーバからIV流体を受け取るために入口ポートに結合された液滴形成器と、
液滴形成器から容器の中に落下する液滴を検出するために、容器に結合された圧電センサと
を備えるドリップチャンバ。
【0060】
条項17
容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
液滴形成器は、キャップから吊り下げられ、
出口ポートが、容器の下端に配置され、出口ポートは、IV流体を患者に送達するためにIVラインに結合するように構成され、
圧電センサは、容器の中間点の下の容器の側壁に取り付けられている、条項16又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0061】
条項18
圧電センサは、容器の流体レベルの下の容器の外側に配置されている、条項16又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0062】
条項19
圧電センサに結合され、容器の中に落下する液滴の数をカウントすることによって流量を決定するように構成された検出回路を更に備える、条項16又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0063】
条項20
圧電センサは、圧電材料と、圧電材料に結合された電極とを備える、条項16又は本明細書の任意の他の条項のドリップチャンバ。
【0064】
条項21
液滴形成器は、チューブ、ピン、ワイヤ、シリンダ、及びフレアチップのうちの少なくとも1つを備える、条項16又は本明細書の他の条項のドリップチャンバ。
【0065】
条項22
IV流体を保持するように構成された容器と、
容器の上で吊り下げられ、リザーバからIV流体を受け取るために液体入口ポートに結合された液滴形成器と、
注入されたガスが液滴形成器からのIV流体の液滴の放出を刺激することを可能にするために流体経路を介して液滴形成器に結合されたガス入口ポートと
を備えるドリップチャンバ。
【0066】
条項23
容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
液滴形成器は、キャップから吊り下げられ、
ガス入口ポートは、キャップに配置され、
出口ポートが、容器の下端に配置され、出口ポートは、IV流体を患者に送達するためにIVラインに結合するように構成されている、条項22又は本明細書の他の条項のドリップチャンバ。
【0067】
条項24
ガス入口ポートに結合され、注入されたガスを供給源からガス入口ポートに搬送するように構成された管類セグメントを更に備える、条項22又は本明細書の他の条項のドリップチャンバ。
【0068】
条項25
ガス入口ポートに結合され、ガス入口ポートを通って注入されるガスを注入するように構成された圧縮ガスカートリッジを更に備える、条項22又は本明細書の他の条項のドリップチャンバ。
【0069】
条項26
圧縮ガスカートリッジは、所定の滴下速度と同期した一連のバーストでガス入口ポートを通って注入されるガスを計量するように構成されている、条項25又は本明細書の他の条項のドリップチャンバ。
【0070】
条項27
IV流体を保持するように構成された容器と、
容器の上で吊り下げられ、リザーバからIV流体を受け取るために入口ポートに結合された液滴形成器と、
電極であって、電極に保持された電荷に基づいてIV流体の極性分子を引き付けるために、液滴形成器の十分近くに配置された電極と
を備えるドリップチャンバ。
【0071】
条項28
容器の上側に配置されたキャップを更に備え、
液滴形成器は、キャップから吊り下げられ、
電極は、キャップから吊り下げられ、電極を電源に接続するために、少なくとも部分的にキャップを通って延伸するワイヤに結合され、
出口ポートが、容器の下端に配置され、出口ポートは、IV流体を患者に送達するためにIVラインに結合するように構成されている、条項27又は本明細書の他の条項のドリップチャンバ。
【0072】
条項29
電極は、容器に配置されている、条項27又は本明細書の他の任意の条項のドリップチャンバ。
【0073】
条項30
電極は、容器の少なくとも一部である、条項27又は本明細書の他の任意の条項のドリップチャンバ。
【0074】
条項31
電極は、負に帯電している、条項27又は本明細書の他の任意の条項のドリップチャンバ。
【0075】
条項32
電極は、正に帯電している、条項27又は本明細書の他の任意の条項のドリップチャンバ。
【0076】
条項33
電極は、電極に電荷を印加するように構成された電源に結合されている、条項27又は本明細書の他の任意の条項のドリップチャンバ。
【0077】
条項34
容器の上側に配置されたキャップであって、電源は、キャップ及び容器の外側にある、キャップを更に備える、条項33又は本明細書の他の任意の条項のドリップチャンバ。
【0078】
条項35
容器の上側に配置されたキャップであって、電源は、キャップ内に収容された電池である、キャップを更に備える、条項33又は本明細書の他の任意の条項のドリップチャンバ。
【0079】
条項36
IV流体のリザーバを含むIVバッグに結合するように構成されたスパイクと、
スパイクの遠位に配置されたIVラインセグメントであって、ルアーフィッティングで終端する遠位端を有するIVラインセグメントと、
IVラインセグメントとスパイクとの間に結合されたドリップチャンバであって、条項1~35の何れかのドリップチャンバに従って構成されているドリップチャンバと
を備えるIV投与セット。
【0080】
条項37
IV流体のリザーバを含むIVバッグと、
患者の静脈にIV流体を送達するように構成されたカテーテルと、
IVバッグとカテーテルとの間に結合されたドリップチャンバであって、条項1~35の何れかのドリップチャンバに従って構成されているドリップチャンバと
を備えるIV治療システム。
【0081】
単数形の要素に対する言及は、特に明記されない限り、ただ1つだけを意味するのではなく、1つ以上を意味することが意図される。例えば、「a」モジュールは、1つ以上のモジュールを指してもよい。「a」、「an」、「the」、又は「said」によって続けられる要素は、更なる制約なしに、追加の同じ要素の存在を排除しない。
【0082】
表題及び副題は、存在する場合には、便宜のためにのみ使用され、本発明を限定しない。「例示的」という単語は、例又は実例としての役割を果たすことを意味するために使用される。「含む(include)」、「有する(have)」、等の用語が使用される範囲において、このような用語は、「備える(comprise)」が特許請求の範囲において転換語として使用される場合に解釈されるように、「備える(comprise)」という用語と同様に包括的であることが意図される。「第1」及び「第2」等の関係用語は、ある実在物又は作用を別の実在物又は作用から、このような実在物又は作用間の実際のこのような関係又は順序を必ずしも要求又は暗示することなく、区別するために使用されてもよい。
【0083】
態様、その態様、別の態様、幾つかの態様、1つ以上の態様、実装、その実装、別の実装、幾つかの実装、1つ以上の実装、実施形態、その実施形態、別の実施形態、幾つかの実施形態、1つ以上の実施形態、構成、その構成、別の構成、幾つかの構成、1つ以上の構成、対象技術、開示、本開示、これらの他の変形、等のような語句は、便宜上のものであり、このような語句に関連する開示が対象技術に不可欠であり、又はこのような開示が対象技術の全ての構成に適用されることを意味しない。このような語句に関連する開示は、全ての構成、又は1つ以上の構成に適用されてもよい。このような語句に関連する開示は、1つ以上の例を提供してもよい。態様又は幾つかの態様のような語句は、1つ以上の態様を指してもよく、その逆であってもよく、これは、他の前述の語句に同様に適用される。
【0084】
一連の項目の前にある「少なくとも1つ」という語句は、項目の何れかを区切る「及び」又は「又は」という用語で、リストの各部材ではなく、リスト全体を変更する。「少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの項目の選択を要求せず、寧ろ、この語句は、項目の何れか1つのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B、及びCの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCの少なくとも1つ」という語句の各々は、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、並びに/又はA、B、及びCの各々の少なくとも1つを指す。
【0085】
開示されるステップ、操作、又はプロセスの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの実例であることが理解される。特に明記されない限り、ステップ、操作、又はプロセスの特定の順序又は階層は、異なる順序で実行されてもよいことが理解される。幾つかのステップ、操作、又はプロセスは、同時に実行されてもよい。存在する場合には、添付の方法の請求項は、サンプルの順序で様々なステップ、操作、又はプロセスの要素を提示し、提示された特定の順序又は階層に限定されることが意味されない。これらは、連続して、直線的に、同時に、又は異なる順序で実行されてもよい。説明される命令、操作、及びシステムは、概して、単一のソフトウェア/ハードウェア製品に共に統合され、又は複数のソフトウェア/ハードウェア製品にパッケージ化されることが理解されるべきである。
【0086】
一態様においては、「結合される」等という用語は、直接的に結合されることを指してもよい。別の態様においては、「結合される」等という用語は、間接的に結合されることを指してもよい。
【0087】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施することができるように提供される。場合によっては、対象技術の概念を曖昧しないように、周知の構造及び構成要素がブロック図形式で示される。本開示は、対象技術の様々な例を提供し、対象技術は、これらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更が、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書で説明される原理は、他の態様に適用されてもよい。
【0088】
当業者に知られ、又は後に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対する構造的及び機能的均等物の全ては、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に含まれることが意図される。その上、本明細書に開示されるものは、このような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かに関わらず、公衆に捧げられることが意図されない。特許請求の範囲は、要素が「のための手段」という語句を使用して明示的に記載されず、又は方法の請求項の場合には、要素が「のためのステップ」という語句を使用して記載されない限り、米国特許法第112条(f)又は第112条第6段落の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【0089】
これによって、発明の名称、背景技術、図面の簡単な説明、要約、及び図面は、本開示に組み込まれ、限定的な説明としてではなく、本開示の説明に役立つ例として提供される。それらは、特許請求の範囲の範囲及び意味を制限するために使用されることはないことを理解した上で提出される。加えて、本明細書において、本明細書が、説明に役立つ例を提供し、様々な特徴が、本開示を合理化する目的のために様々な実装で共にグループ化されることが分かる。本開示の方法は、主張される主題が各請求項に明示的に記載されているより多くの特徴を要求するという意図を反映しているとして解釈されるべきではない。寧ろ、特許請求の範囲が反映しているように、本発明の主題は、単一の開示される構成又は操作の全ての特徴より少ないことにある。これによって、特許請求の範囲は、本明細書に組み込まれ、各請求項は、個別に主張される主題として独立している。
【0090】
特許請求の範囲は、本明細書で説明される態様に限定されることが意図されないが、特許請求の範囲の文言と一致する全範囲を与えられるべきであり、全ての法的均等物を包含すべきである。それにもかかわらず、特許請求の範囲の何れも、適用される特許法の要件を満たさない主題を包含することが意図されず、そのように解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10