(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供する方法及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20231207BHJP
G16H 10/40 20180101ALI20231207BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20231207BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H10/40
G16H20/10
(21)【出願番号】P 2022544435
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(86)【国際出願番号】 KR2020018343
(87)【国際公開番号】W WO2021149919
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0009519
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522074556
【氏名又は名称】エイチイエム ファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100209060
【氏名又は名称】冨所 剛
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジ,ヨ セフ
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200687(JP,A)
【文献】国際公開第2014/126043(WO,A1)
【文献】特表2003-504409(JP,A)
【文献】特開2016-212584(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0104914(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0085930(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソリューション提供サーバによって実行されるポストバイオティクス基盤健康指数に基づき腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供する方法において、
ユーザ端末から試料を採取するためのキット(Kit)の登録を受けるステップと、
前記試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出するステップと、
前記少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦するステップとを含
み、
前記ポストバイオティクス基盤健康指数は、前記培養物の短鎖脂肪酸を構成するプロピオン酸(Propionate)及び酪酸(Butyrate)に対する酢酸(Acetate)の割合に基づいて計算され、
前記ポストバイオティクス基盤健康指数を算出するステップは、
前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した試料の酢酸の含量と前記腸内環境改善候補物質を処理していない対照群の酢酸の含量との酢酸含量差に関する第1の差値、及び前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した試料の酪酸の含量と前記対照群の酪酸の含量との酪酸含量差、又は前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した試料のプロピオン酸の含量と前記対照群のプロピオン酸の含量とのプロピオン酸含量差に関する第2の差値を計算するステップと、
前記酢酸含量差をX軸、前記酪酸含量差又はプロピオン酸含量差をY軸とする座標平面において、前記第1の差値及び前記第2の差値に対応する座標点と前記X軸とがなす角度に基づいて前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を選定するステップとを含む、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューション提供方法。
【請求項2】
前記ポストバイオティクス基盤健康指数を算出するステップは、前記試料に前記腸内環境改善候補物質を処理していない対照群のポストバイオティクス基盤健康指数と前記少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数との差が最も大きい培養物を選定するステップを含み、
前記少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦するステップは、前記差が最も大きい培養物の培養のために処理した腸内環境改善候補物質を含む前記腸内環境改善のための製品を推薦するステップを含む、請求項1に記載の腸内環境改善のためのカスタマイズソリューション提供方法。
【請求項3】
前記腸内環境改善のための製品は、プロバイオティクス、プレバイオティクス、食品、健康機能性食品及び医薬品のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の腸内環境改善のためのカスタマイズソリューション提供方法。
【請求項4】
ポストバイオティクス基盤健康指数に基づき腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供するサーバにおいて、
ユーザ端末から試料を採取するためのキット(Kit)の登録を受けるキット登録部と、
前記試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出するポストバイオティクス基盤健康指数算出部と、
前記少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦する製品推薦部とを含
み、
前記ポストバイオティクス基盤健康指数は、前記培養物の短鎖脂肪酸を構成するプロピオン酸(Propionate)及び酪酸(Butyrate)に対する酢酸(Acetate)の割合に基づいて計算され、
前記ポストバイオティクス基盤健康指数算出部は、
前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した試料の酢酸の含量と前記腸内環境改善候補物質を処理していない対照群の酢酸の含量との酢酸含量差に関する第1の差値、及び前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した試料の酪酸の含量と前記対照群の酪酸の含量との酪酸含量差、又は前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した試料のプロピオン酸の含量と前記対照群のプロピオン酸の含量とのプロピオン酸含量差に関する第2の差値を計算し、
前記酢酸含量差をX軸、前記酪酸含量差又はプロピオン酸含量差をY軸とする座標平面において、前記第1の差値及び前記第2の差値に対応する座標点と前記X軸とがなす角度に基づいて前記少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を選定する、ソリューション提供サーバ。
【請求項5】
前記ポストバイオティクス基盤健康指数算出部は、前記試料に前記腸内環境改善候補物質を処理していない対照群のポストバイオティクス基盤健康指数と前記少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数との差が最も大きい培養物を選定し、
前記製品推薦部は、前記差が最も大きい培養物の培養のために処理した腸内環境改善候補物質を含む前記腸内環境改善のための製品を推薦する、請求項
4に記載のソリューション提供サーバ。
【請求項6】
前記腸内環境改善のための製品は、プロバイオティクス、プレバイオティクス、食品、健康機能性食品及び医薬品のうち少なくとも1つを含む、請求項
4に記載のソリューション提供サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供する方法及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
腸内細菌叢(microbiota)は、宿主(ヒト)の免疫、代謝物質などの恒常性の維持に重要な役割をすると知られている。腸内細菌叢と宿主とは化学物質信号をやり取りし、腸内細菌叢による兔疫細胞の発現や神経伝達物質の生成、短鎖脂肪酸(SCFA;Short chain fatty acids)の生成など、宿主内の体系に大きな影響を及ぼす。
【0003】
プロバイオティクス/プレバイオティクスは、宿主の不均衡な腸内細菌叢を均衡化し、それによる健康な腸内細菌叢の代謝産物が宿主の健康を増進させる。
【0004】
既存のプロバイオティクスは、一般医薬品と同様に、全てのヒトに同一な菌量(dose)、類似した菌種(species)を与えている。
【0005】
しかし、ヒト毎のマイクロバイオーム類似性(microbiome similarity)は50%未満であり、ヒト毎に腸内環境が皆異なる。これにより、同じプロバイオティクスを摂取したヒトでも同じ効果を得ることは難しいため、最近は、プロバイオティクスをパーソナライズして与えなければならないという認識と研究が徐々に増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許公報第2019-0004586号(2019年1月14日付にて公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであり、試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質が処理された培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供することを目的としている。但し、本実施例が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されるものではなく、他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した技術的課題を解決するための技術的手段として、本発明の第1の側面に係るポストバイオティクス基盤健康指数に基づき腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供する方法は、ユーザ端末から試料を採取するためのキット(Kit)の登録を受けるステップと、当該試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出するステップと、当該少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、当該少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦するステップとを含んでいても良い。
【0009】
本発明の第2の側面に係るポストバイオティクス基盤健康指数に基づき腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供するサーバは、ユーザ端末から試料を採取するためのキット(Kit)の登録を受けるキット登録部と、当該試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出するポストバイオティクス基盤健康指数算出部と、当該少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、当該少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦する製品推薦部とを含んでいても良い。
【0010】
上述した課題を解決するための手段は単なる例示であり、本発明を制限する意図で解釈されてはならない。上述した例示的な実施例の他にも、図面及び発明の詳細な説明に記載された追加の実施例が存在し得る。
【発明の効果】
【0011】
上述した本発明の課題を解決するための手段のうち何れか1つによれば、本発明は、試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質が処理された培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供することができる。
【0012】
これを通じて、本発明は、腸内環境改善候補物質が処理された培養物のポストバイオティクス基盤健康指数によってユーザの腸内に必要な腸内環境改善候補物質が何であるかを確認することができ、これにより、パーソナライズされた腸内環境改善のための製品を推薦することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例に係る、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューション提供システムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る、
図1に示されたソリューション提供サーバのブロック図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供する方法を説明するための図である。
【
図4a】本発明の一実施例に係る、腸改善のための腸内環境改善候補物質を選定する方法を説明するための図である。
【
図4b】本発明の一実施例に係る、腸改善のための腸内環境改善候補物質を選定する方法を説明するための図である。
【
図4c】本発明の一実施例に係る、腸改善のための腸内環境改善候補物質を選定する方法を説明するための図である。
【
図4d】本発明の一実施例に係る、腸改善のための腸内環境改善候補物質を選定する方法を説明するための図である。
【
図5a】本発明の一実施例に係る、腸内環境結果情報を提供する方法を説明するための図である。
【
図5b】本発明の一実施例に係る、腸内環境結果情報を提供する方法を説明するための図である。
【
図5c】本発明の一実施例に係る、腸内環境結果情報を提供する方法を説明するための図である。
【
図5d】本発明の一実施例に係る、腸内環境結果情報を提供する方法を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る、腸内環境改善のための製品の推薦及び推薦製品による期待効果を提供する方法を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。ところが、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0015】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0016】
本明細書において「部」とは、ハードウェアによって実現されるユニット(unit)、ソフトウェアによって実現されるユニット、両方を利用して実現されるユニットを含む。また、1つのユニットが2つ以上のハードウェアを利用して実現されても良く、2つ以上のユニットが1つのハードウェアによって実現されても良い。
【0017】
本明細書において、端末又はデバイスが行うと記述された動作や機能のうち一部は、当該端末又はデバイスと連結されたサーバにおいて代わりに行われても良い。それと同様に、サーバが行うと記述された動作や機能のうち一部も、当該サーバと連結された端末又はデバイスにおいて行われても良い。
【0018】
以下、添付した構成図又はフローチャートを参照しながら、本発明を実施するための具体的な内容を説明することとする。
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係る、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューション提供システムの構成図である。
【0020】
図1を参照すると、カスタマイズソリューション提供システムは、ソリューション提供サーバ100と、ユーザ端末110とを含んでいても良い。但し、係る
図1のカスタマイズソリューション提供システムは本発明の一実施例に過ぎないので、
図1を通じて本発明が限定解釈されるものではなく、本発明の様々な実施例によって
図1とは異なるように構成されても良い。
【0021】
一般的に、
図1におけるカスタマイズソリューション提供システムの各構成要素は、ネットワーク(未図示)を介して連結される。ネットワークは、端末及びサーバのようなそれぞれのノードの相互間に情報交換が可能な連結構造を意味するものであり、構内通信網(LAN:Local Area Network)、広域通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット(WWW:World Wide Web)、有無線データ通信網、電話網、有無線テレビ通信網などを含む。無線データ通信網の一例には、3G、4G、5G、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、LTE(Long Term Evolution)、WIMAX(World Interoperability for Microwave Access)、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース通信、赤外線通信、超音波通信、可視光通信(VLC:Visible Light Communication)、ライファイ(LiFi)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0022】
ユーザ端末110は、腸内カスタマイズソリューションのサービスの提供を受けるために腸内カスタマイズソリューション提供アプリケーション又はカスタマイズソリューション提供ウェブページにアクセスし、ユーザの腸内環境を検診するのに使用されるキット(Kit)に関する情報の入力をユーザから受け、入力されたキットに関する情報をソリューション提供サーバ100に送信しても良い。ここで、キットは、ユーザの試料を採取するのに利用される道具である。ここで、試料は、ヒトの糞便であり、腸内細菌叢、腸内微生物代謝体(短鎖脂肪酸、SCFA)など腸内に存在する物質で構成されている。
【0023】
ソリューション提供サーバ100は、ユーザ端末110からユーザの試料を採取するためのキットの登録を受けた場合、試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出しても良い。ここで、少なくとも1つの腸内環境改善候補物質は、例えば、ラクトバシラス、ビフィドバクテリウムなどのプロバイオティクス又はプレバイオティクスのうち少なくとも1つ以上の濃度と量の割合が異なるように混合されている物質であっても良い。
【0024】
ソリューション提供サーバ100は、少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、ユーザの腸内環境を改善するのに効果がある少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品をユーザ端末110に推薦しても良い。
【0025】
以下では、
図1のカスタマイズソリューション提供システムの各構成要素の動作についてより具体的に説明する。
【0026】
図2は、本発明の一実施例に係る、
図1に示されたソリューション提供サーバ100のブロック図である。
【0027】
図2を参照すると、ソリューション提供サーバ100は、キット登録部200と、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210と、製品推薦部220とを含んでいても良い。但し、
図2に示されたソリューション提供サーバ100は本発明の一具現例に過ぎず、
図2に示された構成要素を基に様々な変形が可能である。
【0028】
以下では、
図3乃至
図6を共に参照しながら
図2を説明することとする。
【0029】
キット登録部200は、ユーザ端末110から試料を採取するためのキット(Kit)の登録を受けても良い。ここで、試料は、ヒトの糞便であり、腸内細菌叢、腸内微生物代謝体、短鎖脂肪酸など腸内に存在する物質で構成されている。
【0030】
例えば、
図2を参照すると、キット登録部200は、腸内カスタマイズソリューション提供アプリケーション又はカスタマイズソリューション提供ウェブページにアクセスされたユーザ端末110からユーザの腸内環境検診のためのキットに関する情報の登録を受けても良い。このとき、ユーザ端末110は、腸内カスタマイズソリューションのサービスの提供を受けるために腸内カスタマイズソリューション提供アプリケーション又はカスタマイズソリューション提供ウェブページにログインし、ユーザが腸内環境を検診するのに使用されるキットに関する情報を腸内カスタマイズソリューション提供アプリケーション又はカスタマイズソリューション提供ウェブページを介して登録しても良い。
【0031】
キット登録部200は、ユーザ端末110のカメラによりスキャンされたキットに表示されたデジタルコード(例えば、QRコードなど)をユーザ端末110から受信しても良い。ここで、デジタルコードには、キットに関する情報(例えば、キットの識別情報など)が含まれても良い。
【0032】
問診情報受信部(未図示)は、ユーザ端末110からユーザの問診情報301を受信しても良い。ここで、問診情報301は、ユーザの現在の腸の健康状態をチェックするための複数の質問と、各質問に対するユーザの返答を含んでいても良い。
【0033】
ガイド部(未図示)は、腸内カスタマイズソリューション提供アプリケーション又はカスタマイズソリューション提供ウェブページを介してキットを利用した試料の採取方法303をユーザ端末110に案内しても良い。
【0034】
ガイド部(未図示)は、キットによりユーザの試料採取が完了した後、採取された試料が付いているキットを研究所(即ち、腸内微生物を分析する研究所)へ返送申請する方法305をユーザ端末110に案内しても良い。つまり、ユーザは、当該方法により試料をサンプリングしたキットを宅配封筒に入れた後、腸内カスタマイズソリューション提供アプリケーション又はカスタマイズソリューション提供ウェブページを介して返送要請を申請しても良い。その後、当該ユーザのキットは、宅配会社により研究所へ返送されても良い。
【0035】
ガイド部(未図示)は、ユーザの試料が採取されたキットに対する返送過程情報307及びユーザの試料に対する分析結果情報309を腸内カスタマイズソリューション提供アプリケーション又はカスタマイズソリューション提供ウェブページを介してユーザ端末110に案内しても良い。
【0036】
ガイド部(未図示)は、ユーザが腸内環境検診を複数回に亘って進行した場合、検診を行った複数回それぞれに対する試料分析結果を比較可能なよう、ヒストリー情報311をユーザ端末110に提供しても良い。
【0037】
再び
図2に戻り、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、PMAS(Personalized Pharmaceutical Meta-Analysis Screening)を利用して試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出しても良い。
【0038】
図4aを参照すると、試料が腸内環境改善物質スクリーニング用の組成物と混合されれば、混合物に各腸内環境改善候補物質403が処理され、培養される。ここで、組成物は、腸内環境を改善できる候補物質を選別するためのものであり、腸内環境改善の進行状況を確認して候補物質が腸内環境を改善できたか否かを評価する一連の過程で使用される組成物であっても良い。また、組成物は、ユーザ個人の腸内環境を体外で同一又は類似するように形成するための組成物であり、体外条件においても候補物質の腸内環境改善有無を正確で且つ効率的に確認することができる。ここで、腸内環境改善候補物質403各々は、例えば、ラクトバシラス、ビフィドバクテリウムなどのプロバイオティクス又はプレバイオティクスのうち少なくとも1つ以上の濃度と量の割合が異なるように混合されている物質であっても良い。
【0039】
また、試料に腸内環境改善候補物質403が処理された培養物と比較するために対照群401が準備される。ここで、対照群401は、腸内環境改善候補物質403の処理による腸内環境の変化と対照できる試料(即ち、何の処理もしていない試料)であっても良い。
【0040】
<第1の実施例>
第1の実施例によると、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、対照群401の培養物に対するポストバイオティクス基盤健康指数を算出し、各腸内環境改善候補物質403を通じて培養された各培養物に対するポストバイオティクス基盤健康指数を算出しても良い。このとき、ポストバイオティクス基盤健康指数は、培養物の短鎖脂肪酸(SCFA、short-chain fatty acid)の割合に基づく指数であっても良い。ここで、短鎖脂肪酸は、炭素数が6以下である短い脂肪酸を意味し、腸内微生物から生成される代表的な代謝産物である。また、短鎖脂肪酸は、免疫力の増加、腸内リンパ球の安定、インシュリン信号低下、交感神経刺激など、体内に有用な機能を有している。係る短鎖脂肪酸は、代表的に酢酸(Acetate)、プロピオン酸(Propionate)、酪酸(Butyrate)があるが、これに限定されるものではない。ここで、ポストバイオティクス基盤健康指数は、プロピオン酸(Propionate)及び酪酸(Butyrate)に対する酢酸(Acetate)の割合に基づく指数であっても良い。
【0041】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、対照群401の培養物を構成する短鎖脂肪酸を測定し、各腸内環境改善候補物質403を処理して培養された各培養物を構成する短鎖脂肪酸を測定しても良い。また、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、対照群401の培養物に対する短鎖脂肪酸からプロピオン酸、酪酸及び酢酸のそれぞれの含量を計算し、各腸内環境改善候補物質403を処理して培養された各培養物に対する短鎖脂肪酸からプロピオン酸、酪酸及び酢酸のそれぞれの含量を計算しても良い。
【0042】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、対照群401の培養物に対する短鎖脂肪酸を構成するプロピオン酸(Propionate)及び酪酸(Butyrate)に対する酢酸(Acetate)の割合を計算し、各腸内環境改善候補物質403を通じて培養された各培養物に対する短鎖脂肪酸を構成するプロピオン酸及び酪酸に対する酢酸の割合を計算しても良い。ここで、酢酸の割合(Aratio)は、[式1]により計算されても良い。
【0043】
【0044】
ここで、Acetic acidは、培養物の短鎖脂肪酸中の酢酸の含量であり、Propionic acidは、培養物の短鎖脂肪酸中のプロピオン酸の含量であり、butyric acidは、培養物の短鎖脂肪酸中の酪酸の含量であり、 Aratioは、プロピオン酸及び酪酸に対する酢酸の割合値である。
【0045】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、対照群401の培養物における酢酸の割合値に基づいて対照群401の培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出し、各腸内環境改善候補物質403を通じて培養された各培養物における酢酸の割合値に基づいて各腸内環境改善候補物質403を通じて培養された各培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出しても良い。ここで、酢酸の割合値を[式2]に代入すればポストバイオティクス基盤健康指数が算出される。
【0046】
【0047】
ここで、 Aratioは、培養物における酢酸の割合値であり、ポストバイオティクス基盤健康指数は、培養物に対するポストバイオティクス基盤健康指数である。
【0048】
[式2]を検討すると、ポストバイオティクス基盤健康指数は、酢酸の割合が58.5%であるときに最も高い点数を有し、58.5%から離れるほど点数が低くなるように構成される。
【0049】
それに関し、本出願人は、大腸内視鏡検査の後に大腸でポリープが発見されたポリープグループとポリープのない正常グループの酢酸、プロピオン酸及び酪酸の割合を追跡検査した。
図4bを参照すると、本出願人は、当該追跡検査によりポリープグループと正常グループの平均を比較した際、酢酸の割合、プロピオン酸の割合、酪酸の割合のうち酢酸の割合に意味ある差(p-value=0.0018)があることを確認し、これにより、正常グループの酢酸の割合の平均値が0.585の際にポストバイオティクス基盤健康指数が適正水準であることを導出した。
【0050】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、各算出された培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づいて短鎖脂肪酸の割合の変化情報を判断し、各腸内環境改善候補物質403の腸内細菌叢(microbiota)改善効能有無を判別しても良い。ここで、腸内細菌叢は、ヒトの免疫、代謝物質などの恒常性の維持に重要な役割をし、腸内細菌叢と宿主とは化学物質信号をやり取りし、腸内細菌叢による兔疫細胞の発現や神経伝達物質の生成、短鎖脂肪酸(SCFA;Short chain fatty acids)などが宿主内の体系に大きな影響を及ぼす。
【0051】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、各腸内環境改善候補物質403が処理された培養物のポストバイオティクス基盤健康指数と対照群401の培養物のポストバイオティクス基盤健康指数との差を[式3]のように計算しても良い。
【0052】
【0053】
ここで、 PBStriは、i番目の腸内環境改善候補物質403が処理された培養物のポストバイオティクス基盤健康指数であり、PBSNCは、対照群401の培養物のポストバイオティクス基盤健康指数である。
【0054】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、試料に腸内環境改善候補物質を処理していない対照群401のポストバイオティクス基盤健康指数と試料に腸内環境改善候補物質403が処理された少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数との差に基づき、少なくとも1つの培養物を選定しても良い。例えば、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、試料に腸内環境改善候補物質を処理していない対照群401のポストバイオティクス基盤健康指数と試料に腸内環境改善候補物質403が処理された少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数との差が最も大きい1つの培養物を選定しても良い。
【0055】
製品推薦部220は、選定された少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦しても良い。ここで、腸内環境改善のための製品は、プロバイオティクス、プレバイオティクス、食品、健康機能性食品及び医薬品のうち少なくとも1つを含んでいても良い。
【0056】
例えば、
図6を参照すると、製品推薦部220は、ユーザの腸内環境改善に効果を現す腸内環境改善候補物質が含まれた推薦製品(例えば、ポストバイオB製品)に関する情報、及び当該推薦製品を服用する場合の腸内環境改善の予想変化率に関する情報601をユーザ端末110に提供しても良い。
【0057】
製品推薦部220は、対照群401のポストバイオティクス基盤健康指数と少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数との差が最も大きい培養物の培養のために処理した腸内環境改善候補物質を含む腸内環境改善のための製品を推薦しても良い。
【0058】
例えば、製品推薦部220は、対照群401のポストバイオティクス基盤健康指数と少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数との差が最も大きい培養物に処理された腸内環境改善候補物質を含む製品を推薦する場合に現れる効果に関する情報603をユーザ端末110に提供しても良い。
【0059】
<第2の実施例>
第2の実施例によると、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物の酢酸及び酪酸のそれぞれの増減及び含量に基づき、ポストバイオティクス基盤健康指数を算出しても良い。
【0060】
図4cを参照すると、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、各腸内環境改善候補物質を処理した試料の酢酸の含量(A
tri)と酪酸の含量(B
tri)と、対照群の酢酸の含量(A
NC)と酪酸の含量(B
NC)との差値を[式4]のように計算しても良い。
【0061】
【0062】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、各腸内環境改善候補物質別に酢酸の差値及び酪酸の差値により構成された座標点(dAtri,dBtri)を座標平面に表示する際、当該座標点の位置によって各腸内環境改善候補物質がどのような効果を現わすかを判断しても良い。
【0063】
腸内SCFA(short chain fatty acid)の割合において、大膓癌やポリープのある人が健康な人に比べて酢酸の割合が高く、酪酸の割合が低く示されると知られている。そこで、本願においては、単に酢酸あるいは酪酸の増減だけでなく、この2つの数値の変化量を共に考慮することとする。例えば、
図4cの図面符号40は、腸内環境改善候補物質を処理した試料と対照群の試料を8つの領域に区分した座標平面を示す図である。
【0064】
○1~○4は、腸内環境改善候補物質を処理した試料の酪酸量が増加する場合であるが、○1は、酢酸量と酪酸量が全て増加し、酢酸の増加幅(|dA|)が酪酸の増加幅(|dB|)よりも大きい場合に当たる。○2は、酢酸量と酪酸量が全て増加し、酪酸の増加幅が酢酸の増加幅よりも大きい場合に当たる。○3は、酢酸量は減少して酪酸量は増加し、酪酸の増加幅が酢酸の減少幅よりも大きい場合に当たる。○4は、酢酸量は減少して酪酸量は増加し、酢酸の減少幅が酪酸の増加幅よりも大きい場合に当たる。
【0065】
○1~○4に当たる場合、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、酪酸の増加幅が酢酸の増加幅(あるいは減少幅)よりも大きい場合を良い状態であると判断し、dB軸に近くなるほど腸内環境改善候補物質の効果が良いと判断しても良い。
【0066】
○5~○8は、腸内環境改善候補物質を処理した試料の酪酸量が減少する場合であるが、○5は、酢酸量と酪酸量が全て減少し、酢酸の減少幅が酪酸の減少幅よりも大きい場合に当たる。○6は、酢酸量と酪酸量が全て減少し、酪酸の減少幅が酢酸の減少幅よりも大きい場合に当たる。○7は、酢酸量は増加して酪酸量は減少し、酪酸の増加幅が酢酸の減少幅よりも大きい場合に当たる。○8は、酢酸量は増加して酪酸量は減少し、酢酸の増加幅が酪酸の減少幅よりも大きい場合に当たる。
【0067】
○5~○8に当たる場合、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、酪酸の減少幅が酢酸の増加幅(あるいは減少幅)よりも小さい場合を悪くなった状態であると判断し、dB軸に近くなるほど腸内環境改善候補物質の効果が悪いと判断しても良い。
【0068】
例えば、酪酸の差値が0よりも大きく、Best軸(dB軸)に近い腸内環境改善候補物質は効果が良く、酪酸の差値が0よりも小さく、Worst軸(dB軸)に近い腸内環境改善候補物質は効果が良くないと判断されても良い。
【0069】
図4cの図面符号42及び44を共に参照すると、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、各腸内環境改善候補物質別の座標点(dA
tri,dB
tri)がx軸となす角をθ
triとすると、θ
triを[式5]により計算しても良い。通常、酪酸の値が酢酸の値よりも1/3ほど小さいため、dB
tri値を3倍数にして計算しても良い。
【0070】
【0071】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、[式5]により計算されたθtri値によりsinθtri値を計算し、sinθtriの値が1に近くなるほど腸内環境改善候補物質の効果が良いと判断し、sinθtriの値が-1に近くなるほど腸内環境改善候補物質の効果が良くないと判断しても良い。
【0072】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、各腸内環境改善候補物質が処理された各培養物に対するsinθtriの値を計算し、sinθtriが最も大きい腸内環境改善候補物質を選定しても良い。
【0073】
製品推薦部220は、sinθtriが最も大きい腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦しても良い。ここで、腸内環境改善のための製品は、プロバイオティクス、プレバイオティクス、食品、健康機能性食品及び医薬品のうち少なくとも1つを含んでいても良い。
【0074】
例えば、
図6を参照すると、製品推薦部220は、sinθ
triが最も大きい腸内環境改善候補物質を含む腸内環境改善のための製品を推薦する場合に現われる効果に関する情報605をユーザ端末110に提供しても良い。
【0075】
本出願人は、64名を対象に簡易臨床を進行することで本発明の効果を検証した。
図4dは、このような簡易臨床の結果を示す。
【0076】
図4dを参照すると、図面符号46は、第1の実施例によって推薦された製品を摂取した後のポストバイオティクス基盤健康指数の点数変化を示し、図面符号48は、第2の実施例によって推薦された製品を摂取した後のポストバイオティクス基盤健康指数の点数変化を示す。
【0077】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、ユーザの試料に含まれた短鎖脂肪酸の割合を計算し、計算された短鎖脂肪酸の割合に酢酸が占める割合を算出しても良い。
【0078】
ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、[式1]乃至[式2]を利用してユーザの試料に含まれた短鎖脂肪酸においてプロピオン酸及び酪酸に対する酢酸の割合を計算し、計算された酢酸の割合に基づいてユーザのポストバイオティクス基盤健康指数を算出しても良い。
【0079】
図5a乃至
図5bを参照すると、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210は、ユーザのポストバイオティクス基盤健康指数を予め設定された複数のグループのうち何れか1つのグループに分類しても良い。腸内結果提供部(未図示)は、確認されたグループに基づいてユーザのポストバイオティクス基盤健康指数に関する情報501を平均ポストバイオティクス基盤健康指数に関する情報503と比較し、ユーザ端末110に提供しても良い。
【0080】
図5cを参照すると、腸内結果提供部(未図示)は、ユーザのポストバイオティクス基盤健康指数の算出要因であるユーザの短鎖脂肪酸の割合情報をユーザ端末110に提供しても良い。また、腸内結果提供部(未図示)は、ユーザの短鎖脂肪酸をなす酢酸の割合、プロピオン酸の割合、酪酸の割合のそれぞれに関する指数情報をユーザ端末110に提供しても良い。
【0081】
図5a及び
図5dを共に参照すると、腸内結果提供部(未図示)は、予め設定された複数のグループのうち、ユーザのポストバイオティクス基盤健康指数が属するグループに応じてユーザの食生活ソリューション情報を提供しても良い。例えば、
図5aを参照すると、ユーザのポストバイオティクス基盤健康指数が「中又は下」グループに属する場合、腸内結果提供部(未図示)は、ユーザの腸内に短鎖脂肪酸が不足している状態であるので、短鎖脂肪酸を補充できる食べ物情報(例えば、キャベツ、全粒穀物、さつま芋、リンゴ、カカオニブスなどの摂取を勧告するソリューション)をユーザ端末110に提供しても良い。
【0082】
あるいは、ユーザのポストバイオティクス基盤健康指数が「上」グループに属する場合、腸内結果提供部(未図示)は、ユーザの腸内でラクトバシラス、ビフィドバクテリウムのうち低い数値にあるものに対するソリューション(例えば、ラクトバシラスの数値が低い場合、チーズ、ケフィア、キムチ、ヨーグルトなどの摂取を勧告するラクトバシラスソリューションを提供)を提供し、ラクトバシラス及びビフィドバクテリウムの同一数値にある場合、ビフィドバクテリウムソリューション(例えば、ベリー類、チコリ、たまねぎ、にんじん、ニンニクなどの摂取を勧告するソリューション)を提供しても良い。
【0083】
一方、当業者であれば、キット登録部200、ポストバイオティクス基盤健康指数算出部210及び製品推薦部220のそれぞれが分離して具現されるか、このうち1つ以上が統合されて具現され得ることを十分に理解できるはずである。
【0084】
図7は、本発明の一実施例に係る、腸内環境改善のためのカスタマイズソリューションを提供する方法を示すフローチャートである。
【0085】
図7を参照すると、ステップS701において、ソリューション提供サーバ100は、ユーザ端末110から試料を採取するためのキットの登録を受けても良い。
【0086】
ステップS703において、ソリューション提供サーバ100は、試料に少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を処理した少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数を算出しても良い。ここで、ポストバイオティクス基盤健康指数は、培養物の短鎖脂肪酸の割合に基づいて算出されても良い。また、ポストバイオティクス基盤健康指数は、培養物の短鎖脂肪酸を構成するプロピオン酸及び酪酸に対する酢酸の割合に基づいて算出されても良い。
【0087】
ステップS705において、ソリューション提供サーバ100は、少なくとも1つの培養物のポストバイオティクス基盤健康指数に基づき、少なくとも1つの腸内環境改善候補物質を含む少なくとも1つの腸内環境改善のための製品を推薦しても良い。ここで、腸内環境改善のための製品は、プロバイオティクス、プレバイオティクス、食品、健康機能性食品及び医薬品のうち少なくとも1つを含んでいても良い。
【0088】
上述した説明において、ステップS701乃至S705は、本発明の具現例によって追加のステップにさらに分割されたり、より少ないステップに組み合わせられても良い。また、一部のステップは必要に応じて省略されても良く、ステップ間の順番が変更されても良い。
【0089】
本発明の一実施例は、コンピュータにより実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータにより実行可能な命令語を含む記録媒体の形態に具現されても良い。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の可用媒体であっても良く、揮発性及び不揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体を全て含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ格納媒体を全て含んでいても良い。コンピュータ格納媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータのような情報格納のための任意の方法又は技術で具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型の媒体を全て含む。
【0090】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0091】
本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。