(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】電力変換システム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20231207BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02M7/48 R
(21)【出願番号】P 2022544458
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 JP2021029829
(87)【国際公開番号】W WO2022044854
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2020141598
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】名合 佑介
(72)【発明者】
【氏名】川田 春樹
(72)【発明者】
【氏名】楠瀬 智也
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-101671(JP,A)
【文献】特開2018-068031(JP,A)
【文献】特開2019-180164(JP,A)
【文献】特開2019-004651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02J 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電力変換ユニット
及び第2電力変換ユニットを備える電力変換システムであって、
前記第1電力変換ユニットは、
第1分散電源に接続された第1DC/DCコンバータと、
前記第1DC/DCコンバータに第1DCリンク部を介して接続された第1インバータと、
前記第1DCリンク部に接続された第1コンデンサと、
前記第1DCリンク部に接続された第1端子と、を有しており、
前記第1端子は、前記第1電力変換ユニットの外部に設けられた
前記第2電力変換ユニットと接続可能に構成されており、
前記第2電力変換ユニットは、
第2分散電源に接続された第2DC/DCコンバータと、
前記第2DC/DCコンバータに第2DCリンク部を介して接続された第2インバータと、
前記第2DCリンク部に接続された第2コンデンサと、
前記第2DCリンク部に接続された第2端子と、を有しており、
前記第2端子は、前記第2電力変換ユニットの外部に設けられる前記第1電力変換ユニットと接続可能に構成されており、
前記電力変換システムは、前記電力変換システムが電力系統から解列された自立運転状態において使用可能な端子に電気的に接続されるDCリンク部の電圧を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記自立運転状態において使用可能な端子として、前記電力変換システムの出力電圧が第1出力電圧である第1自立出力が用いられる場合に、前記DCリンク部の電圧を第1中間電圧に制御し、
前記自立運転状態において使用可能な端子として、前記電力変換システムの出力電圧が前記第1出力電圧よりも低い第2出力電圧である第2自立出力が用いられる場合に、前記DCリンク部の電圧を前記第1中間電圧よりも低い第2中間電圧に制御する、電力変換システム。
【請求項2】
前記第1電力変換ユニットは、
前記第2電力変換ユニットと通信を実行する第1通信部と、
前記第2電力変換ユニットと通信を実行した結果に基づいて、前記第1電力変換ユニット及び前記第2電力変換ユニットに関する連携制御を実行する第1制御部と、を有する、請求項
1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記連携制御は、前記第1電力変換ユニットの出力電力及び前記第2電力変換ユニットの出力電力を割り当てる制御を含む、請求項
2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記連携制御は、前記第1DCリンク部の電圧を必要電圧よりも高い電圧に設定する制御を含む、請求項
2又は請求項
3に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記自立運転状態において使用可能な端子として、前記第1自立出力及び前記第2自立出力の双方が用いられる場合に、前記
DCリンク部の電圧を前記第1中間電圧に制御する、請求項
1に記載の電力変換システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記電力変換システムが電力系統に接続された連系状態において、前記第2自立出力の使用を許容せずに、前記第1自立出力の使用を許容する、請求項
1又は請求項
5に記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとを接続する連携リンク部の電流を計測する電流計測部を備える、請求項1乃至請求項
6のいずれか1項に記載の電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1分散電源に接続された第1DC/DCコンバータと、第1DC/DCコンバータに接続された第1インバータと、第2分散電源に接続された第2DC/DCコンバータと、第2DC/DCコンバータに接続された第2インバータと、を備えるパワーコンディショナが知られている。このようなパワーコンディショナにおいては、第1DC/DCコンバータと第2DC/DCコンバータとを接続するDCリンク部を設けることによって、第1分散電源の出力電力をAC電力に変換することなく、第1分散電源(例えば、太陽電池装置)から第2分散電源(例えば、蓄電装置)への電力供給が実現されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、上述したパワーコンディショナにおいて、第1DC/DCコンバータ及び第2DC/DCコンバータに接続された共用コンデンサを設ける技術も提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
ところで、上述したパワーコンディショナは、分散電源の増設を意識することなく設計されたものであり、DCリンク部を含めてパワーコンディショナが1つのユニットとして構成されている。
【0005】
しかしながら、環境配慮に関する考え方の変化、分散電源の技術的な進歩などの理由から、分散電源を増設する利用シーンが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-110635号公報
【文献】特開2016-201966号公報
【発明の概要】
【0007】
開示の一態様は、少なくとも第1電力変換ユニットを備える電力変換システムであって、前記第1電力変換ユニットは、第1分散電源に接続された第1DC/DCコンバータと、前記第1DC/DCコンバータに第1DCリンク部を介して接続された第1インバータと、前記第1DCリンク部に接続された第1コンデンサと、前記第1DCリンク部に接続された第1端子と、を有しており、前記第1端子は、前記第1電力変換ユニットの外部に設けられた第2ユニットと接続可能に構成されており、前記第2ユニットは、少なくとも第2コンデンサを有する、電力変換システムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電力変換システム1を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る電力変換システム1を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る制御例1を示す図である。
【
図4】
図4は、変更例1に係る電力変換システム1を示す図である。
【
図5】
図5は、変更例2に係る電力変換システム1を示す図である。
【
図6】
図6は、変更例2に係る電力変換システム1を示す図である。
【
図7】
図7は、変更例2に係る動作例を示す図である。
【
図8】
図8は、変更例5に係るリレー機構440を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0010】
[実施形態]
(電力変換システム)
以下において、実施形態に係る電力変換システムについて説明する。
図1は、電力変換システム1の全体構成図を示しており、
図2は、電力変換システム1の回路構成図を示している。
図2では、
図1に示す一部の構成(例えば、PV10、BS20など)が省略されている。
図2では、1つのDC/DC110が例示されている。
【0011】
図1及び
図2に示すように、電力変換システム1は、PCS(Power Conditioning System)100及びPCS200を有してもよい。電力変換システム1は、リモートコントローラ300を有してもよい。実施形態では、PCS100は、第1電力変換ユニットの一例であり、PCS200は、PCS100の外部に設けられた第2ユニットの一例である。さらに、PCS200は、第2電力変換ユニットの一例である。
【0012】
PCS100は、DC/DC110と、INV120と、リレー130と、コンデンサ140と、制御装置150と、を有する。PCS100は、連系出力161と、自立出力162と、連携端子165と、を有する。
【0013】
DC/DC110は、PV10に接続されたDC/DCコンバータである。実施形態では、PV10は、第1分散電源の一例であり、DC/DC110は、第1DC/DCコンバータの一例である。例えば、PV10は、受光に応じて電力を出力する太陽電池パネルである。DC/DC110は、PV10の出力電力の電圧を変換する。例えば、DC/DC110は、PV10の出力電力の電圧を昇圧する。
【0014】
図1では、PV10として、PV10A~PV10Cが例示されており、DC/DC110として、DC/DC110A~DC/DC110Cが例示されている。PV10の数及びDC/DC110の数は特に限定されるものではなく、1つであっても、2つであっても、4以上であってもよい。
【0015】
INV120は、DC/DC110にDCリンク部171を介して接続されたインバータである。実施形態では、DCリンク部171は、第1DCリンク部の一例である。INV120は、第1インバータの一例である。INV120は、DC/DC110から出力される直流電力(以下、DC電力)を交流電力(以下、AC電力)に変換する。DCリンク部171は、DC/DC110Aと接続点181とを接続する電力ライン171Aと、接続点181とINV120とを接続する電力ライン171Eと、を含む。DCリンク部171は、DC/DC110Bと接続点181とを接続する電力ライン171Bと、接続点181とINV120とを接続する電力ライン171Eと、を含む。DCリンク部171は、DC/DC110Cと接続点182とを接続する電力ライン171Cと、182と接続点181とを接続する電力ライン171Dと、接続点181とINV120とを接続する電力ライン171Eと、を含む。
【0016】
リレー130は、連系出力161と自立出力162との間でINV120が接続される出力を切り替える。すなわち、PCS100の運転状態が連系状態である場合には、リレー130は、INV120を連系出力161に接続し、PCS100の運転状態が自立状態である場合には、リレー130は、INV120を自立出力162に接続する。連系状態とは、PCS100が電力系統と連系された状態であり、自立状態とは、PCS100が電力系統から解列された状態である。
【0017】
コンデンサ140は、DCリンク部171に接続されたコンデンサである。実施形態では、コンデンサ140は、第1コンデンサの一例である。例えば、コンデンサ140は、DC/DC110から出力されるDC電力の平滑化に用いられてもよい。コンデンサ140は、キャパシタと称されてもよい。
【0018】
制御装置150は、PCS100を制御する。制御装置150は、通信モジュールを有していてもよい。通信モジュールは、PCS200と通信を実行する第1通信部の一例であってもよい。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3、RS485などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0019】
例えば、制御装置150は、DC/DC110と信号ラインによって接続されてもよい。制御装置150は、INV120と信号ラインによって接続されてもよい。制御装置150は、リモートコントローラ300と信号ラインによって接続されてもよい。制御装置150は、PCS200(制御装置250)と信号ラインによって接続されてもよい。これらの信号ラインは、有線の信号ラインを含んでもよく、無線の信号ラインを含んでもよい。
【0020】
例えば、
図2に示すように、制御装置150は、PV10の出力電力の電圧(V
PV1)及び電流(I
dc1)を取得する。制御装置150は、DC/DC110の出力電力の電圧(V
dc1)を取得する。制御装置150は、INV120の出力電力の電圧(V
inv1)及び電流(I
u1)を取得する。
【0021】
制御装置150は、少なくとも1つのプロセッサを有してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、PCS100とPCS200との連携制御を実行する第1制御部の一例であってもよい。少なくとも1つのプロセッサは、DCリンク部171の電圧(以下、中間電圧とも称する)を制御する制御部の一例であってもよい。少なくとも1つのプロセッサは、後述する連携制御を実行する制御部の一例であってもよい。
【0022】
連系出力161は、PCS100の運転状態が連系状態である場合に用いられる出力である。連系出力161は、電力系統(U相及びW相)に接続される。例えば、連系出力161の電圧は202Vであってもよい。
【0023】
自立出力162は、PCS100の運転状態が自立状態である場合に用いられる出力である。例えば、自立出力162の電圧は202Vであってもよい。実施形態では、自立出力162は、電力変換システム1(ここでは、PCS100)の出力電圧が第1出力電圧(例えば、202V)である第1自立出力の一例であってもよい。このようなケースにおいて、自立出力162は、電力系統に接続されずに、202Vで動作する負荷機器(例えば、エアーコンディショナ、IHクッキングヒータ、洗濯乾燥機など)に接続される。但し、自立出力162は、電力変換システム1(ここでは、PCS100)の出力電圧が第1出力電圧よりも低い第2出力電圧(例えば、101V)である第2自立出力の一例であってもよい。このようなケースにおいて、自立出力162は、電力系統に接続されずに、101Vで動作する負荷機器(例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータなど)に接続される。
【0024】
連携端子165は、DCリンク部171に接続された端子である。例えば、連携端子165は、DCリンク部171から分岐する連携リンク部175を介して、DCリンク部171に電気的に接続される。連携端子165は、PCS100の外部に設けられたユニット(
図1では、PCS200)と接続可能に構成される。実施形態では、連携端子165は、第1端子の一例である。連携リンク部175は、連携端子165と接続点182とを接続する電力ライン175Aを含む。連携リンク部175は、接続点182と接続点181とを接続する電力ライン171Dを含まない。なお、連携リンク部175は、DCリンク部171から分岐するものに限られるものではない。例えば、DCリンク部171は、連携端子165を通る経路となるように延伸されており、連携リンク部175が存在しない構成が採用されてもよい。連携端子165としては、端子台やレセプタクルやコネクタなど後述の電力ライン410を着脱可能なものを好適に使用することができる。
【0025】
PCS200は、DC/DC210と、INV220と、リレー230と、コンデンサ240と、制御装置250と、を有する。PCS200は、連系出力261と、自立出力262と、連携端子265と、を有する。
【0026】
DC/DC210は、BS20に接続されたDC/DCコンバータである。実施形態では、BS20は、第2分散電源の一例であり、DC/DC210は、第2DC/DCコンバータの一例である。例えば、BS20は、電力を蓄積する蓄電セルである。DC/DC210は、BS20の出力電力の電圧を変換する。例えば、DC/DC210は、BS20の出力電力の電圧を昇圧する。或いは、DC/DC210は、INV220の出力電力の電圧を降圧する。
【0027】
図1では、BS20として、1つのBSが例示されており、DC/DC210として、1つのDC/DC210が例示されている。BS20の数及びDC/DC210の数は特に限定されるものではなく、2以上であってもよい。
【0028】
INV220は、DC/DC210にDCリンク部271を介して接続されたインバータである。実施形態では、DCリンク部271は、第2DCリンク部の一例である。INV220は、第2インバータの一例である。INV220は、DC/DC210から出力されるDC電力をAC電力に変換する。電力系統から入力されるAC電力をDC電力に変換する。DCリンク部271は、DC/DC210Aと接続点281とを接続する電力ライン271Aと、接続点281とINV220とを接続する電力ライン271Bと、を含む。
【0029】
リレー230は、連系出力261と自立出力262との間でINV220が接続される出力を切り替える。すなわち、PCS200の運転状態が連系状態である場合には、リレー230は、INV220を連系出力261に接続し、PCS200の運転状態が自立状態である場合には、リレー230は、INV220を自立出力262に接続する。連系状態とは、PCS200が電力系統と連系された状態であり、自立状態とは、PCS200が電力系統から解列された状態である。
【0030】
コンデンサ240は、DCリンク部271に接続されたコンデンサである。実施形態では、コンデンサ240は、第2コンデンサの一例である。例えば、コンデンサ240は、DC/DC210から出力されるDC電力の平滑化に用いられてもよい。コンデンサ240は、キャパシタと称されてもよい。
【0031】
制御装置250は、PCS200を制御する。制御装置250は、通信モジュールを有していてもよい。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3、RS485などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0032】
例えば、制御装置250は、DC/DC210と信号ラインによって接続されてもよい。制御装置250は、INV220と信号ラインによって接続されてもよい。制御装置250は、リモートコントローラ300と信号ラインによって接続されてもよい。制御装置250は、PCS100(制御装置150)と信号ラインによって接続されてもよい。これらの信号ラインは、有線の信号ラインを含んでもよく、無線の信号ラインを含んでもよい。
【0033】
例えば、
図2に示すように、制御装置250は、BS20の出力電力の電圧(V
BS2)及び電流(I
dc2)を取得する。制御装置250は、DC/DC210の出力電力の電圧(V
dc2)を取得する。制御装置250は、INV220の出力電力の電圧(V
inv2)及び電流(I
u2)を取得する。
【0034】
制御装置250は、少なくとも1つのプロセッサを有してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、PCS100とPCS200との連携制御を実行してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、DCリンク部271の電圧(以下、中間電圧とも称する)を制御する制御部の一例であってもよい。少なくとも1つのプロセッサは、後述する連携制御を実行する制御部の一例であってもよい。
【0035】
連系出力261は、PCS200の運転状態が連系状態である場合に用いられる出力である。連系出力261は、電力系統(U相及びW相)に接続される。例えば、連系出力261の電圧は202Vであってもよい。
【0036】
自立出力262は、PCS200の運転状態が自立状態である場合に用いられる出力である。例えば、自立出力262の電圧は101Vであってもよい。実施形態では、自立出力262は、電力変換システム1(ここでは、PCS200)の出力電圧が第1出力電圧よりも低い第2出力電圧(例えば、101V)である第2自立出力の一例であってもよい。このようなケースにおいて、自立出力262は、電力系統に接続されずに、101Vで動作する負荷機器(例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータなど)に接続される。但し、自立出力262は、電力変換システム1(ここでは、PCS200)の出力電圧が第1出力電圧(例えば、202V)である第1自立出力の一例であってもよい。このようなケースにおいて、自立出力262は、電力系統に接続されずに、202Vで動作する負荷機器(例えば、エアーコンディショナ、IHクッキングヒータ、洗濯乾燥機など)に接続される。
【0037】
連携端子265は、DCリンク部271に接続された端子である。例えば、連携端子265は、DCリンク部271から分岐する連携リンク部275を介して、DCリンク部271に電気的に接続される。連携端子265は、PCS200の外部に設けられたユニット(
図1では、PCS100)と接続可能に構成される。実施形態では、連携端子265は、第2端子の一例である。連携リンク部275は、連携端子265と接続点281とを接続する電力ライン275Aを含む。なお、連携リンク部275は、DCリンク部271から分岐するものに限られるものではない。例えば、DCリンク部271は、連携端子265を通る経路となるように延伸されており、連携リンク部275が存在しない構成が採用されてもよい。連携端子265としては、端子台やレセプタクルやコネクタなど後述の電力ライン410を着脱可能なものを好適に使用することができる。
【0038】
リモートコントローラ300は、PCS100の制御に用いられる。例えば、リモートコントローラ300へのユーザ入力に応じて、PCS100の電源のオン/オフが切り替えられてもよい。リモートコントローラ300へのユーザ入力に応じて、PCS100の運転状態が切り替えられてもよい。同様に、リモートコントローラ300は、PCS200の制御に用いられてもよい。
【0039】
上述した背景下において、PCS100の連携端子165及びPCS200の連携端子265は電力ライン410によって接続可能である。電力ライン410は、コネクタ接続によって連携端子165に取り付けられてもよい。同様に、電力ライン410は、コネクタ接続によって連携端子265に取り付けられてもよい。但し、電力ライン410と連携端子165(又は連携端子265)との接続方法は任意であってもよい。制御装置150と制御装置250とを接続する信号ラインは信号ライン420と称されてもよい。
【0040】
実施形態では、制御装置150及び制御装置250が信号ライン420で接続されているため、制御装置150は、制御装置250が取得する情報要素(例えば、電圧(VBS2)、電流(Idc2)、電圧(Vdc2)、電圧(Vinv2)及び電流(Iu2))を制御装置250から受信してもよい。制御装置150は、PCS200の運転状態を示す情報要素を制御装置250から受信してもよい。同様に、制御装置250は、制御装置150が取得する情報要素(例えば、電圧(VPV1)、電流(Idc1)、電圧(Vdc1)、電圧(Vinv1)及び電流(Iu1))を制御装置150から受信してもよい。制御装置250は、PCS100の運転状態を示す情報要素を制御装置150から受信してもよい。
【0041】
さらに、電力変換システム1は、電流計400を有してもよい。実施形態では、電流計400は、コンデンサ140とコンデンサ240とを接続する連携リンク部の電流を計測する電流計測部の一例である。連携リンク部は、連携リンク部175を含んでもよく、連携リンク部275を含んでもよく、電力ライン410を含んでもよい。ここで、電流計400は、PCS100からPCS200に流れる電流及びPCS200からPCS100に流れる電流を計測可能な位置に設けられる。従って、DCリンク部171が連携端子165を通る経路となるように延伸されている場合には、連携リンク部は、電力ライン410及び連携リンク部275を含んでもよい。同様に、DCリンク部271が連携端子265を通る経路となるように延伸されている場合には、連携リンク部は、電力ライン410及び連携リンク部175を含んでもよい。例えば、電流計400は、PCS200に設けられてもよい。電流計400は、制御装置250と信号ラインによって接続されてもよい。なお、電流計400は、PCS100に設けられてもよい。このようなケースにおいて、電流計400は、制御装置150と信号ラインによって接続されてもよい。電流計400は、PCS100及びPCS200の外部において電力ライン410の電流を計測可能に設けられてもよい。このようなケースにおいて、電流計400は、制御装置150及び制御装置250の少なくともいずれか1つと信号ラインによって接続されてもよい。
【0042】
(制御例1)
以下において、実施形態に係る制御例1について説明する。制御例1では、自立運転における中間電圧の制御について主として説明する。
図3において、自立出力(PV)は、上述した自立出力162であり、自立出力(BS)は、上述した自立出力262である。中間電圧(PV)は、DCリンク部171(又は、連携リンク部175)の電圧であり、中間電圧(BS)は、DCリンク部271(又は、連携リンク部275)の電圧である。
【0043】
ここで、中間電圧(PV)は、自立出力162の電圧が202Vである場合には、第1中間電圧(例えば、320V)である必要があり、中間電圧(PV)は、自立出力162の電圧が101Vである場合には、第1中間電圧よりも低い第2中間電圧(例えば、240V)である方が効率的である。同様に、中間電圧(BS)は、自立出力262の電圧が202Vである場合には、第1中間電圧(例えば、320V)である必要があり、中間電圧(BS)は、自立出力262の電圧が101Vである場合には、第1中間電圧よりも低い第2中間電圧(例えば、240V)である方が効率的である。
【0044】
従って、
図3に示すように、制御装置150及び制御装置250は、自立出力(PV)及び自立出力(BS)の双方の電圧が202Vである場合に、すなわち、第1自立出力が用いられる場合に、第1自立出力に電気的に接続されるDCリンク部(DCリンク部171及びDCリンク部271)の電圧を第1中間電圧(例えば、320V)に制御する。一方で、制御装置150及び制御装置250は、自立出力(PV)及び自立出力(BS)の双方の電圧が101Vである場合に、すなわち、第2自立出力が用いられる場合に、第2自立出力に電気的に接続されるDCリンク部(DCリンク部171及びDCリンク部271)の電圧を第1中間電圧よりも低い第2中間電圧に(例えば、240V)に制御する。
【0045】
しかしながら、連携端子165及び連携端子265が電力ライン410によって接続されるため、中間電圧(PV)及び中間電圧(BS)を個別に制御することができず、中間電圧(PV)及び中間電圧(BS)が同じである必要がある。
【0046】
従って、
図3に示すように、自立出力(PV)及び自立出力(BS)の電圧が異なる場合において、中間電圧(PV)及び中間電圧(BS)を第1中間電圧に揃える制御が実行される。
【0047】
具体的には、制御装置150及び制御装置250は、自立出力(PV)及び自立出力(BS)の電圧が異なる場合に、すなわち、第1自立出力及び第2自立出力の双方が用いられる場合に、第1自立出力及び第2自立出力に接続されるDCリンク部(DCリンク部171及びDCリンク部271)の電圧を第1中間電圧(例えば、320V)に制御する。
【0048】
例えば、自立出力(PV)の電圧が202Vであり、自立出力(BS)の電圧が101Vである場合においては、中間電圧(BS)が第2中間電圧で十分であるにもかかわらず、上述した制御装置250は、中間電圧(BS)を第1中間電圧に制御する。言い換えると、制御装置250は、DCリンク部271の電圧を必要電圧(例えば、240V)よりも高い電圧(例えば、320V)に設定する制御を実行する。
【0049】
同様に、自立出力(PV)の電圧が101Vであり、自立出力(BS)の電圧が202Vである場合においては、中間電圧(PV)が第2中間電圧で十分であるにもかかわらず、上述した制御装置150は、中間電圧(PV)を第1中間電圧に制御する。言い換えると、制御装置150は、DCリンク部171の電圧を必要電圧(例えば、240V)よりも高い電圧(例えば、320V)に設定する制御を実行する。
【0050】
このような制御例1は、PCS100とPCS200との連携によって必要となされる制御であり、PCS100及びPCS200に関する連携制御の一例であると考えてもよい。
【0051】
(制御例2)
以下において、実施形態に係る制御例2について説明する。制御例2は、PCS100の出力電力及びPCS200の出力電力を割り当てる制御である。制御例2は、PCS100とPCS200との連携によって必要となされる制御であり、PCS100及びPCS200に関する連携制御の一例であると考えてもよい。
【0052】
具体的には、制御装置150は、PCS100の出力電力とPCS200の出力電力との比率を決定してもよい。例えば、制御装置150は、PV10の出力電力を100%とした場合に、PV10の出力電力の60%に相当する出力電力をPCS100(具体的には、INV120、以下同様)に割り当て、PV10の出力電力の40%に相当する出力電力をPCS200(具体的には、INV220、以下同様)に割り当ててもよい。制御装置150は、PCS200に割り当てる出力電力の比率(例えば、40%)を示す情報要素を制御装置250に送信する。制御装置150は、PCS100に割り当てられた出力電力の比率に基づいてINV120を制御し、制御装置250は、PCS200に割り当てられた出力電力の比率に基づいてINV120を制御する。
【0053】
或いは、制御装置150は、PCS100の出力電力の大きさ及びPCS200の出力電力の大きさを決定してもよい。制御装置150は、PCS200に割り当てる出力電力の大きさを示す情報要素を制御装置250に送信する。制御装置150は、PCS100に割り当てられた出力電力の大きさに基づいてINV120を制御し、制御装置250は、PCS200に割り当てられた出力電力の大きさに基づいてINV220を制御する。
【0054】
或いは、制御装置150は、PCS200の出力電力の大きさに基づいて、PCS100の出力電力の大きさを決定してもよい。制御装置150は、PCS200の出力電力の大きさを示す情報要素を制御装置250から受信してもよい。例えば、制御装置150は、PV10の出力電力からPCS200の出力電力を除いた出力電力をPCS100の出力電力の大きさとして決定してもよい。
【0055】
上述した説明では、DC電力及びAC電力を区別していないが、PCS100及びPCS200の出力電力がAC電力であるため、制御例2では、PV10の出力電力は、AC電力に換算された電力によって実行されてもよい。
【0056】
上述した説明では、PCS100の出力電力及びPCS200の出力電力の割り当てが制御装置150によって実行されるが、このような割り当ては制御装置250によって実行されてもよい。
【0057】
(制御例3)
以下において、実施形態に係る制御例3について説明する。制御例3では、連系状態における自立出力の使用について説明する。
【0058】
例えば、自立出力162が第1自立出力であり、自立出力262が第2自立出力であるケースについて説明する。このようなケースにおいて、制御装置150は、電力変換システム1(ここでは、PCS100及びPCS200)が電力系統に接続された連系状態において、自立出力262の使用を許容せずに、自立出力162の使用を許容してもよい。制御装置150は、自立出力162にINV120が接続されるようにリレー130を制御してもよく、連系出力161及び自立出力162の電圧が同じであれば、連系出力161及び自立出力162の双方にINV120が接続されるようにリレー130を制御してもよい。さらに、制御装置150は、自立出力262の使用を禁止する旨を示す情報要素を制御装置250に送信してもよい。制御装置250は、連系出力261がINV220に接続され、自立出力262にINV220が接続されないようにリレー230を制御する。
【0059】
或いは、自立出力162が第2自立出力であり、自立出力262が第1自立出力であるケースについて説明する。このようなケースにおいて、制御装置250は、電力変換システム1(ここでは、PCS100及びPCS200)が電力系統に接続された連系状態において、自立出力162の使用を許容せずに、自立出力262の使用を許容してもよい。制御装置250は、自立出力262にINV220が接続されるようにリレー130を制御してもよく、連系出力261及び自立出力262の電圧が同じであれば、連系出力261及び自立出力262の双方にINV220が接続されるようにリレー230を制御してもよい。さらに、制御装置250は、自立出力162の使用を禁止する旨を示す情報要素を制御装置150に送信してもよい。制御装置150は、連系出力161がINV120に接続され、自立出力162にINV120が接続されないようにリレー130を制御する。
【0060】
(制御例4)
以下において、実施形態に係る制御例4について説明する。制御例4では、電流計400の計測結果に基づいて以下の制御が実行されてもよい。ここでは、電流計400の計測結果を制御装置250が受信するケースについて説明する。
【0061】
例えば、
図1に示すように、電流計400は連携リンク部275の電力線に設けられたCT(Current Transformer)である。CTの信号線は制御装置250に接続される。制御装置250は、電流計400の計測結果に基づいて、PCS200からPCS100への電流を特定する。制御装置250は、PCS200からPCS100への電流の大きさを示す情報要素を制御装置150に送信する。制御装置150は、INV120に入力される電流において、PCS200から入力される電流の比率を特定することができる。従って、制御装置150は、PCS100の出力電力において、PV10及びBS20の寄与度を特定することができる。
【0062】
或いは、制御装置250は、電流計400の計測結果に基づいて、PCS100からPCS200への電流を特定する。BS20が充電動作を実行していない場合において、制御装置250は、INV220に入力される電流において、PCS100から入力される電流の比率を特定することができる。従って、制御装置250は、PCS200の出力電力において、PV10及びBS20の寄与度を特定することができる。一方で、BS20が充電動作を実行している場合において、制御装置250は、BS20に入力される電流において、PCS100から入力される電流の比率を特定することができる。従って、制御装置250は、BS20の充電電力においてPV10及び電力系統の寄与度を特定することができる。
【0063】
上述した説明では、電流計400の計測結果を制御装置250が受信するが、電流計400の計測結果は制御装置150によって受信されてもよい。このようなケースにおいて、制御装置150及び制御装置250の役割は入れ替わる。
【0064】
(作用及び効果)
実施形態では、PCS100は、PCS100の外部に設けられるPCS200と接続可能に構成される連携端子165を有する。連携端子165は、DCリンク部171に接続される。このような構成によれば、BS20(及びPCS200)を増設する利用シーンを想定した場合に、DC電力からAC電力への変換ロスを抑制しながら、PCS100及びPCS200をDCリンクによって容易に接続することができる。
【0065】
実施形態では、PCS200のコンデンサ240がDCリンクによってPCS100に接続される。このような構成によれば、PCS100のDCリンク部171に接続されるコンデンサの容量が増大するため、コンデンサ140の負担が軽減し、コンデンサ140の長寿命化を図ることができる。ひいては、PCS100の長寿命化を図ることができる。
【0066】
実施形態では、PCS100及びPCS200がDCリンクによって接続されるため、PCS100及びPCS200を含むシステム全体として大容量のPCSを実現することができる。このような大容量のPCSを実現するために、PV10及びBS20の双方が接続される1つのマルチPCSを導入するケースと比べて、小型かつ軽量のシステムを構築することができる。
【0067】
実施形態では、自立出力162の電圧が202Vであり、自立出力262の電圧が101Vであるケースにおいて、制御装置250は、DCリンク部271の電圧を必要電圧(例えば、240V)よりも高い電圧(例えば、320V)に設定する制御を実行する。或いは、自立出力262の電圧が202Vであり、自立出力162の電圧が101Vであるケースにおいて、制御装置150は、DCリンク部171の電圧を必要電圧(例えば、240V)よりも高い電圧(例えば、320V)に設定する制御を実行する。このような構成によれば、PCS100及びPCS200をDCリンクによって接続する場合に、PCS100及びPCS200を適切に連携することができる。
【0068】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0069】
実施形態では、PCS100の外部に設けられた第2ユニットの一例としてPCS200について例示した。これに対して、変更例1では、第2ユニットは、
図4に示すように、コンデンサユニット200Xである。
【0070】
図4に示すように、コンデンサユニット200Xは、コンデンサ240X及び連携端子265Xを有する。コンデンサ240Xは、PCS100のコンデンサ140と並列に接続されるコンデンサである。連携端子265は、PCS100の連携端子165と電力ライン410によって接続可能な端子である。
【0071】
(作用及び効果)
変更例1では、分散電源を増設する利用シーンを想定しながらも、連携端子165を用いてコンデンサユニット200XをDCリンクによってPCS100に接続することができる。このような構成によれば、PCS100のDCリンク部171に接続されるコンデンサの容量が増大するため、コンデンサ140の負担が軽減し、コンデンサ140の長寿命化を図ることができる。ひいては、PCS100の長寿命化を図ることができる。
【0072】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
図5は、変更例2に係る電力変換システム1の全体構成図を示しており、
図6は、変更例2に係る電力変換システム1の回路構成図を示している。
図6では、
図5に示す一部の構成(例えば、PV10、BS20など)が省略されている。
図6では、1つのDC/DC110が例示されている。
【0073】
変更例2では、
図5及び
図6に示すように、電力変換システム1は、PCS100のコンデンサ140とPCS200のコンデンサ240との接続を接続状態と非接続状態との間で切り替える連携リンク切替部430を有する。
【0074】
図5及び
図6では、連携リンク切替部430がPCS100の連携リンク部175(電力ライン175A)に設けられるケースについて例示する。しかしながら、変更例2はこれに限定されるものではない。連携リンク切替部430は、PCS200の連携リンク部275(電力ライン275A)に設けられてもよい。連携リンク切替部430は、PCS100及びPCS200の外部において電力ライン410に設けられてもよい。
【0075】
ここで、電力変換システム1の運転状態が自立状態である場合において、自立出力162の電圧が202Vであり、自立出力262の電圧が101Vであるケース、すなわち、自立出力162が第1自立出力であり、自立出力262が第2自立出力であるケースについて考える。
【0076】
このようなケースにおいて、自立出力162が用いられずに、自立出力262が用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替えてもよい。このようなケースにおいて、制御装置150は、DCリンク部171の電圧を第2中間電圧(例えば、240V)に制御してもよい。制御装置250は、自立出力262の電圧に応じて、DCリンク部271の電圧を第2中間電圧に制御する。
【0077】
同様に、自立出力262が用いられずに、自立出力162が用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替えてもよい。このようなケースにおいて、制御装置250は、DCリンク部271の電圧を第1中間電圧(例えば、320V)に制御してもよい。制御装置150は、自立出力162の電圧に応じて、DCリンク部171の電圧を第1中間電圧に制御してもよい。
【0078】
一方で、自立出力162及び自立出力262の双方が用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を非接続状態に切り替えてもよい。このようなケースにおいて、制御装置150は、自立出力162の電圧に応じて、DCリンク部171の電圧を第1中間電圧(例えば、320V)に制御し、制御装置250は、自立出力262の電圧に応じて、DCリンク部271の電圧を第2中間電圧(例えば、240V)に制御してもよい。
【0079】
さらに、電力変換システム1の運転状態が自立状態である場合において、自立出力262の電圧が202Vであり、自立出力162の電圧が101Vであるケース、すなわち、自立出力262が第1自立出力であり、自立出力162が第2自立出力であるケースについて考える。
【0080】
このようなケースにおいて、自立出力262が用いられずに、自立出力162が用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替えてもよい。このようなケースにおいて、制御装置250は、DCリンク部271の電圧を第2中間電圧(例えば、240V)に制御してもよい。制御装置150は、自立出力162の電圧に応じて、DCリンク部171の電圧を第2中間電圧に制御する。
【0081】
同様に、自立出力162が用いられずに、自立出力262が用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替えてもよい。このようなケースにおいて、制御装置150は、DCリンク部171の電圧を第1中間電圧(例えば、320V)に制御してもよい。制御装置250は、自立出力262の電圧に応じて、DCリンク部271の電圧を第1中間電圧に制御してもよい。
【0082】
なお、自立出力162が用いられないケースにおいては、制御装置150は、自立出力162がINV120に接続されていないことを示す情報要素又はINV120の出力がない(例えば、INV120の動作が停止している)ことを示す情報要素に基づいて、連携リンク切替部430を制御してもよい。同様に、自立出力262が用いられないケースにおいては、制御装置250は、自立出力262がINV220に接続されていないことを示す情報要素又はINV220の出力がない(例えば、INV220の動作が停止している)ことを示す情報要素に基づいて、連携リンク切替部430を制御してもよい。なお、連携リンク切替部430が情報処理能力を有している場合には、連携リンク切替部430は、上述した情報要素を制御装置150又は制御装置250から受信してもよい。
【0083】
一方で、自立出力162及び自立出力262の双方が用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を非接続状態に切り替えてもよい。このようなケースにおいて、制御装置150は、DCリンク部171の電圧を第2中間電圧(例えば、240V)に制御し、制御装置250は、DCリンク部271の電圧を第1中間電圧(例えば、320V)に制御してもよい。
【0084】
ところで、コンデンサ140とコンデンサ240との接続が接続状態であるケースは、上述した実施形態と同様である。従って、このようなケースにおいては、実施形態で説明した制御例1~制御例4の少なくとも1以上の制御例が変更例2で実行されてもよい。
【0085】
さらに、変更例2では、制御装置150は、電流計400の計測結果に基づいて、連携リンク切替部430が正常に動作しているか否かを判断してもよい。例えば、制御装置150は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を非接続状態に切り替える信号を連携リンク切替部430に送信した後において、電流計400によって計測される電流が0である場合に、連携リンク切替部430が正常に動作していると判定してもよい。一方で、制御装置150は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を非接続状態に切り替える信号を連携リンク切替部430に送信した後において、電流計400によって計測される電流が0よりも大きい場合に、連携リンク切替部430が正常に動作していないと判定してもよい。このようなケースにおいては、連携リンク切替部430の溶着などが生じていると考えられる。さらに、制御装置150は、連携リンク切替部430の異常、故障又はエラーが生じた旨を出力してもよい。出力は、音の出力であってもよく、リモートコントローラ300への送信であってもよい。リモートコントローラ300は、連携リンク切替部430の異常、故障又はエラーが生じた旨を出力してもよい。出力は、音の出力であってもよく、画像の出力であってもよい。
【0086】
(動作例)
以下において、変更例2に係る動作例について説明する。
図7に示すように、動作例は、PCS100及びPCS200の運転状態、連携リンク切替部430の接続切替に関する状態遷移によって定められる。運転状態としては、停止状態、連系状態、自立状態が考えられる。停止状態は、連系状態ではない状態(連系停止状態)を含んでもよく、自立状態ではない状態(自立停止状態)を含んでもよい。停止状態は待機状態と称されてもよい。なお、「開」は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続が非接続状態であることを意味し、「閉」は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続が接続状態であることを意味する。
【0087】
(動作例1)
動作例1は、PCS100及びPCS200の双方が停止状態であり、「開」から「閉」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例1では、制御装置150は、コンデンサ140の電圧を取得し、制御装置250は、コンデンサ240の電圧を取得する。制御装置150は、コンデンサ240の電圧を制御装置250から取得する。制御装置150は、電圧の差異が閾値よりも小さい場合には、「開」から「閉」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。電圧の差異が閾値以上である場合には、電圧の差異が閾値よりも小さくなるまで、コンデンサ140又はコンデンサ240の充電が実行される。
【0088】
ここでは、連携リンク切替部430が制御装置150によって制御されるケースが例示されている。連携リンク切替部430が制御装置250によって制御される場合には、電圧の差異の確認及び切り替え信号の送信は制御装置250によって実行されてもよい。
【0089】
(動作例2)
動作例2は、PCS100及びPCS200の双方が停止状態であり、「閉」から「開」への切り替えが実行されるケースの動作例である。
【0090】
第1に、制御装置150は、「閉」から「開」への切り替え条件が満たされているか否かを判定する。切り替え条件は、上述した電流計400によって計測される電流が閾値未満であることであってもよい。制御装置150は、切り替え条件が満たされている場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。
【0091】
ここでは、連携リンク切替部430が制御装置150によって制御されるケースが例示されている。連携リンク切替部430が制御装置250によって制御される場合には、電流の確認及び切り替え信号の送信は制御装置250によって実行されてもよい。
【0092】
第2に、制御装置150は、PCS100の異常、故障又はエラーが検出された場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。或いは、制御装置150は、PCS200の異常、故障又はエラーが検出された旨を示す情報要素を制御装置250から受信した場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。
【0093】
ここでは、連携リンク切替部430が制御装置150によって制御されるケースが例示されている。連携リンク切替部430が制御装置250によって制御される場合には、異常、故障又はエラーの確認及び切り替え信号の送信は制御装置250によって実行されてもよい。
【0094】
(動作例3)
動作例3は、PCS100及びPCS200の双方が連系状態であり、「開」から「閉」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例3の具体的な内容は動作例1と同様である。
【0095】
(動作例4)
動作例4は、PCS100及びPCS200の双方が連系状態であり、「閉」から「開」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例4の具体的な内容は動作例2と同様であってもよい。動作例4は、動作例2に加えて、以下に示す動作を含んでもよい。
【0096】
制御装置150は、制御装置150と制御装置250との間の信号ライン420の異常を検出した場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。信号ライン420の異常は、制御装置150と制御装置250との間の定期的な通信の途絶によって検出されてもよい。
【0097】
(動作例5)
動作例5は、PCS100及びPCS200のいずれか一方が連系状態であり、PCS100及びPCS200のいずれか他方が停止状態であり、「開」から「閉」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例5の具体的な内容は動作例1と同様である。但し、制御装置150は、PCS200が待機状態である否かを事前に制御装置250に確認してもよい。
【0098】
(動作例6)
動作例6は、PCS100及びPCS200のいずれか一方が連系状態であり、PCS100及びPCS200のいずれか他方が停止状態であり、「閉」から「開」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例6の具体的な内容は動作例2と同様である。
【0099】
(動作例7)
動作例7は、PCS100及びPCS200の双方が自立状態であり、「開」から「閉」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例7の具体的な内容は動作例1と同様であってもよい。動作例7は、動作例1に加えて、以下に示す動作を含んでもよい。
【0100】
制御装置150は、PCS100とPCS200との間で電力融通を実行する条件(以下、融通条件)が満たされるか否かを判定する。融通条件は、自立出力162に接続された負荷機器の消費電力よりもAC電力への換算後のPV10の出力電力が小さいという条件を含んでもよく、自立出力262に接続された負荷機器の予測消費電力量よりもAC電力への換算後のBS20の蓄電残量が小さいという条件を含んでもよい。制御装置150は、融通条件が満たされている場合に、「開」の継続時間が所定時間以上であるか否かを判定する。制御装置150は、「開」の継続時間が所定時間以上である場合に、PV10の出力電力及びBS20の蓄電残量に基づいて、PCS100とPCS200との間で電力融通が可能であるか否かを判定する。制御装置150は、電力融通が可能である場合に、「開」から「閉」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。
【0101】
ここでは、連携リンク切替部430が制御装置150によって制御されるケースが例示されている。連携リンク切替部430が制御装置250によって制御される場合には、制御装置150によって実行される動作は制御装置250によって実行されてもよい。
【0102】
(動作例8)
動作例8は、PCS100及びPCS200の双方が自立状態であり、「閉」から「開」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例8の具体的な内容は動作例2と同様であってもよい。動作例8は、動作例2に加えて、以下に示す動作を含んでもよい。
【0103】
第1に、制御装置150は、自立出力162に接続された負荷機器の消費電力よりもAC電力への換算後のPV10の出力電力が大きいか否かを判定する。制御装置150は、負荷機器の消費電力よりもPV10の出力電力が大きい場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。制御装置150は、自立出力162の電圧が202Vである場合に、DCリンク部171の電圧が第1中間電圧(例えば、320V)であることを確認した上で、202Vの出力をINV120に指示する。一方で、制御装置150は、自立出力162の電圧が101Vである場合に、DCリンク部171の電圧が第1中間電圧(例えば、240V)であることを確認した上で、101Vの出力をINV120に指示する。中間電圧の確認は、自立出力162の電圧に必要な中間電圧が「閉」における中間電圧と異なるケースを想定して、中間電圧の上昇又は下降を待つ処理を含む。
【0104】
第2に、制御装置150は、自立出力262に接続された負荷機器の予測消費電力量よりもAC電力への換算後のBS20の蓄電残量が大きいか否かを判定する。制御装置150は、負荷機器の予測消費電力量よりもBS20の蓄電残量が大きい場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。制御装置250は、自立出力262の電圧が202Vである場合に、DCリンク部271の電圧が第1中間電圧(例えば、320V)であることを確認した上で、202Vの出力をINV220に指示する。一方で、制御装置250は、自立出力262の電圧が101Vである場合に、DCリンク部271の電圧が第2中間電圧(例えば、240V)であることを確認した上で、101Vの出力をINV220に指示する。中間電圧の確認は、自立出力262の電圧に必要な中間電圧が「閉」における中間電圧と異なるケースを想定して、中間電圧の上昇又は下降を待つ処理を含む。
【0105】
第3に、制御装置150は、PCS100とPCS200との間で電力融通を停止する条件(以下、融通停止条件)が満たされるか否かを判定する。融通停止条件は、自立出力162に接続された負荷機器の消費電力よりもAC電力への換算後のPV10の出力電力が大きいという条件を含んでもよく、自立出力262に接続された負荷機器の予測消費電力量よりもAC電力への換算後のBS20の蓄電残量が大きいという条件を含んでもよい。制御装置150は、融通停止条件が満たされている場合に、「閉」の継続時間が所定時間以上であるか否かを判定する。所定時間は、PV10からBS20への充電予定時間であってもよく、自立出力162に接続された負荷機器の消費電力よりもAC電力への換算後のPV10の出力電力が小さいと予測される補助時間であってもよい。制御装置150は、「閉」の継続時間が所定時間以上である場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。
【0106】
ここでは、連携リンク切替部430が制御装置150によって制御されるケースが例示されている。連携リンク切替部430が制御装置250によって制御される場合には、切り替えの判定及び切り替え信号の送信は制御装置250によって実行されてもよい。
【0107】
(動作例9)
動作例9は、PCS100及びPCS200のいずれか一方が自立状態であり、PCS100及びPCS200のいずれか他方が停止状態であり、「開」から「閉」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例9の具体的な内容は動作例1と同様である。但し、制御装置150は、PCS200が待機状態である否かを事前に制御装置250に確認してもよい。さらに、動作例9は、動作例1に加えて、以下に示す動作を含んでもよい。
【0108】
第1に、制御装置150は、自立出力162及び自立出力262のいずれか1つで過負荷が生じた場合に、「開」から「閉」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。過負荷は、自立出力162又は自立出力262に接続された負荷機器の動作開始に伴う起動電流によって生じる過負荷であってもよい。このようなケースにおいて、制御装置150は、以下の条件が満たされた場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。条件は、所定時間が経過することであってもよく、電流計400によって計測される電流が閾値未満であることであってもよく、リモートコントローラ300などを用いたユーザ操作が行われることであってもよい。
【0109】
第2に、制御装置150は、防災アラートを受信した場合に、「開」から「閉」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。防災アラートは、外部サーバ(防災センターなど)から受信されてもよく、リモートコントローラ300から受信されてもよい。防災アラートは、防風、洪水、地震、津波などの災害の発生を通知するアラートであってもよい。制御装置150は、解除条件が満たされるまで「閉」を維持する。解除条件は、防災アラートの解除を示す情報要素を受信することであってもよく、リモートコントローラ300などを用いたユーザ操作が行われることであってもよい。
【0110】
ここでは、連携リンク切替部430が制御装置150によって制御されるケースが例示されている。連携リンク切替部430が制御装置250によって制御される場合には、切り替えの判定及び切り替え信号の送信は制御装置250によって実行されてもよい。
【0111】
(動作例10)
動作例10は、PCS100及びPCS200のいずれか一方が自立状態であり、PCS100及びPCS200のいずれか他方が停止状態であり、「閉」から「開」への切り替えが実行されるケースの動作例である。動作例10の具体的な内容は動作例2と同様であってもよい。
【0112】
(作用及び効果)
変更例2では、電力変換システム1は、PCS100のコンデンサ140とPCS200のコンデンサ240との接続を接続状態と非接続状態との間で切り替える連携リンク切替部430を有する。このような構成によれば、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を切り替えることによって、PCS100及びPCS200を適切に連携することができる。
【0113】
変更例2では、第1自立出力(例えば、自立出力162)及び第2自立出力(例えば、自立出力262)のいずれか一方のみが用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替えてもよい。このような構成によれば、PCS100及びPCS200をDCリンクによって接続する利用シーンにおいて、PCS100及びPCS200を適切に連携することができる。
【0114】
変更例2では、第1自立出力(例えば、自立出力162)及び第2自立出力(例えば、自立出力262)の双方が用いられる場合に、連携リンク切替部430は、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を非接続状態に切り替えてもよい。このような構成によれば、第2自立出力を有するPCS(例えば、PCS200)において、DCリンク部の電圧を必要電圧よりも高い電圧に設定する必要がなく、INVの変換ロスを軽減することができる。
【0115】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、変更例2に対する相違点について主として説明する。
【0116】
変更例2では、PCS100の外部に設けられた第2ユニットの一例としてPCS200について例示した。これに対して、変更例3では、変更例1と同様に、第2ユニットは、
図4に示すコンデンサユニット200Xであってもよい。
【0117】
このようなケースにおいて、連携リンク切替部430は、基本的には、コンデンサ140とコンデンサ240Xとの接続を接続状態で維持してもよい。連携リンク切替部430は、PCS100のメンテナンスを行う場合に、コンデンサ140とコンデンサ240Xとの接続を非接続状態に切り替えてもよい。同様に、連携リンク切替部430は、PCS100の異常、故障又はエラーが検出された場合に、コンデンサ140とコンデンサ240Xとの接続を非接続状態に切り替えてもよい。
【0118】
[変更例4]
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、変更例2に対する相違点について主として説明する。
【0119】
変更例4では、連携リンク切替部430は、PV10の出力電力がないと想定される時間(夜間)において、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を非接続状態に切り替えてもよい。例えば、制御装置150は、PV10の発電が停止する時刻よりも後の時刻(例えば、日の入り以降の時刻)が到来した場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信してもよい。PV10の発電が停止する時刻は、気象情報などによって特定されてもよく、予め定められていてもよい。制御装置150は、PCS100の運転状態が連系状態から停止状態に遷移した場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信してもよい。なお、制御装置150は、DCリンク部171の電圧が第1中間電圧(例えば、320V)に達した場合に、「開」から「閉」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信してもよい。
【0120】
このような構成によれば、コンデンサ140の電圧が高いにもかかわらず、PCS100の動作停止に伴って電力ライン410の取り外しを伴うPCS100のメンテナンスが実行される可能性を軽減することができる。
【0121】
ここで、コンデンサ140の電圧は自己放電によって低下するが、コンデンサ140の電圧の低下を促進するために、制御装置150の電源はオンのまま維持されてもよい。
【0122】
同様に、連携リンク切替部430は、BS20の出力電力がないと想定される時間において、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替えてもよい。例えば、制御装置150は、BS20の放電(又は充電)が停止する時刻よりも後の時刻が到来した場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信してもよい。BS20の放電(又は充電)が停止する時刻は、BS20の充放電スケジュールによって特定されてもよい。制御装置150は、PCS200の運転状態が連系状態から停止状態に遷移した場合に、「閉」から「開」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信してもよい。なお、制御装置150は、DCリンク部271の電圧が第1中間電圧(例えば、320V)に達した場合に、「開」から「閉」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信してもよい。
【0123】
但し、連携リンク切替部430は、所定条件が満たされている場合には、PV10の出力電力がないと想定される時間(夜間)において、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替えてもよい。所定条件は、コンデンサ240の劣化度合いが所定劣化度合いよりも大きいことであってもよい。コンデンサ240の劣化度合いは、コンデンサ240の稼働時間に基づいて推定されてもよい。接続状態への切り替えは、接続状態を維持することを含んでもよい。
【0124】
このような構成によれば、PCS100の動作停止中であっても、コンデンサ140を利用可能とすることによって、DCリンク部271に接続されたコンデンサの容量が増大するため、コンデンサ240の負担が軽減し、コンデンサ240の長寿命化を図ることができる。
【0125】
同様に、連携リンク切替部430は、所定条件が満たされている場合には、BS20の出力電力がないと想定される時間において、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を非接続状態に切り替えてもよい。所定条件は、コンデンサ140の劣化度合いが所定劣化度合いよりも大きいことであってもよい。
【0126】
[変更例5]
以下において、実施形態の変更例5について説明する。以下においては、変更例2に対する相違点について主として説明する。
【0127】
変更例5では、電力変換システム1は、
図8に示すように、連携リンク切替部430と電気的に並列に設けられたリレー機構440を有する。リレー機構440は、コンデンサ140とコンデンサ240との間の突入電流を抑制する機構である。
図8に示すように、リレー機構440は、接点441及び抵抗442を有する。
【0128】
具体的には、コンデンサ140とコンデンサ240との接続を接続状態に切り替える場合に、制御装置150は以下の動作を実行してもよい。具体的には、制御装置150は、接点441を接続状態に変更して所定時間(例えば、5秒)が経過した場合に、「開」から「閉」への切り替え信号を連携リンク切替部430に送信する。制御装置150は、切り替え信号を送信してから所定時間(例えば、3秒)が経過した後に、接点441を非接続状態に変更する。
【0129】
ここで、制御装置150は、接点441を非接続状態に変更する処理を省略してもよい。すなわち、連携リンク切替部430の状態によらずに、接点441が接続状態で維持されてもよい。このような構成によれば、連携リンク切替部430が非接続状態であっても、リレー機構440を介して電流が流れるため、コンデンサ140の電圧とコンデンサ240の電圧の差異の拡大が抑制される。
【0130】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0131】
実施形態では、電力変換システム1がPCS100及びPCS200を有するケースについて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。電力変換システム1は、PCS100及びPCS200のいずれか1つのPCSを含んでもよい。1つのPCSは第1電力変換ユニットと称されてもよい。
【0132】
実施形態では、PCS100が第1電力変換ユニットであるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。第1電力変換ユニットはPCS200であってもよい。このようなケースにおいて、第2ユニットは、PCS100であってもよく、コンデンサユニット200Xであってもよい。“第1”及び“第2”の用語については入れ替えられてもよい。
【0133】
実施形態では、PCS100が第1電力変換ユニットであるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。第1電力変換ユニットは、PV10(又はBS20)以外の分散電源に接続されるPCSであってもよい。分散電源は、燃料電池であってもよい。燃料電池は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。分散電源は、風力発電装置、地熱発電装置などであってもよい。なお、実施形態において、分散電源という用語は、PCSを含まないことに留意すべきである。
【0134】
実施形態では、中間電圧を制御する制御部は、制御装置150であってもよく、制御装置250であってもよい。制御装置150及び制御装置250は信号ライン420によって接続されているため、中間電圧を制御する制御部は、制御装置150及び制御装置250によって構成されると考えてもよい。
【0135】
実施形態では、連携制御を実行する制御部は、制御装置150であってもよく、制御装置250であってもよい。制御装置150及び制御装置250は信号ライン420によって接続されているため、連携制御を実行する制御部は、制御装置150及び制御装置250によって構成されると考えてもよい。
【0136】
実施形態では、PCS100は、1つの第2ユニット(例えば、PCS200又はコンデンサユニット200X)と接続可能に構成される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。PCS100は、2以上の第2ユニットと接続可能に構成されてもよい。このようなケースにおいて、連携端子165は、異なる第2ユニットと接続可能に構成された2以上の連携端子を含む。
【0137】
実施形態では、2つのユニット(電力変換ユニット又はコンデンサユニット)がDCリンク部において並列に接続されるケースを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。3つ以上のユニットがDCリンク部において並列に接続されてもよい。このようなケースにおいて、2以上のユニットに接続されるユニットは、異なるユニットと接続可能に構成された2以上の連携端子を有してもよい。
【0138】
実施形態では、PCS100の自立出力162は、第1自立出力(202V)及び第2自立出力(101V)のいずれか一方であるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。PCS100の自立出力162は、第1自立出力(202V)及び第2自立出力(101V)の双方を含んでもよい。同様に、PCS200の自立出力262は、第1自立出力(202V)及び第2自立出力(101V)のいずれか一方であるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。PCS200の自立出力262は、第1自立出力(202V)及び第2自立出力(101V)の双方を含んでもよい。
【0139】
実施形態では、連携リンク部の電流を計測する電流計測部として電流計400を例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定さえるものではない。電流計測部は、電流計400及び制御装置150であると考えてもよく、電流計400及び制御装置250であると考えてもよい。
【0140】
実施形態では、電力変換システム1が第1自立出力(202V)及び第2自立出力(101V)の双方を有するケースについて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。電力変換システム1が第1自立出力(202V)及び第2自立出力(101V)のいずれか一方を有していてもよい。例えば、自立出力162及び自立出力262の双方が第1自立出力(202V)であってもよく、自立出力162及び自立出力262の双方が第2自立出力(101V)であってもよい。
【0141】
実施形態では特に触れていないが、自立出力162が第1自立出力及び第2自立出力のいずれで用いられるのかを電力変換システム1の設定段階において任意に設定することができてもよい。このようなケースにおいて、制御装置150は、自立出力162が第1自立出力及び第2自立出力のいずれで用いられるのかを示す情報要素を制御装置250に送信してもよい。同様に、自立出力262が第1自立出力及び第2自立出力のいずれで用いられるのかを電力変換システム1の設定段階において任意に設定することができてもよい。このようなケースにおいて、制御装置250は、自立出力262が第1自立出力及び第2自立出力のいずれで用いられるのかを示す情報要素を制御装置150に送信してもよい。このような構成によれば、電力変換システム1の運転中において、誤った制御や設定変更の実行により生じるトラブルを抑制することができる。