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特許7398633警報制御装置、警報制御方法、プログラム、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】警報制御装置、警報制御方法、プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231208BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 F
G08G1/09 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019233447
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021103369
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 修也
(72)【発明者】
【氏名】矢谷 健一
(72)【発明者】
【氏名】川崎 剛照
(72)【発明者】
【氏名】入江 英二
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102829(JP,A)
【文献】特開2016-224712(JP,A)
【文献】特開2016-224713(JP,A)
【文献】特開2018-94943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
B60R 21/00 - 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される警報制御装置であって、
前記車両が走行している区間が追越し禁止区間であるか否かを判定する区間判定部と、
前記車両が車線変更しようとしている場合であって、追越し対象となる先行車両が存在する場合に前記車両が追越し動作を試みている判定する追越し判定部と、
運転者への警報を行う警報部を制御する警報制御部と、を備え、
前記警報制御部は、前記区間判定部により前記車両が前記追越し禁止区間を走行していると判定され、且つ、前記追越し判定部により前記車両が前記追越し動作を試みていると判定された場合に、
前記車両が運転ルール上追越しを許可されている状況ではないとき、前記警報部が前記運転者への警報を行うよう制御し、
前記車両が前記運転ルール上追越しを許可されている状況であるとき、前記警報部が前記運転者への警報を行わないよう制御する
警報制御装置。
【請求項2】
前記車両の走行している周囲の状況を取得する環境取得部と、
前記環境取得部が取得した前記周囲の状況に基づいて、前記車両が前記運転ルール上追越しを許可されている状況であるか否かを判定し、判定結果を前記警報制御部に出力する追越し許可判定部と、を更に備えた
請求項1に記載の警報制御装置。
【請求項3】
前記車両の前方を走行する前方車両の状態を判定する前方車両判定部を更に備え、
前記追越し許可判定部は、前記前方車両判定部が判定した前記前方車両の状態に基づいて、前記車両が追越しを許可されている状況であるか否かを判定する
請求項2に記載の警報制御装置。
【請求項4】
前記前方車両判定部は、前記前方車両が停止中であるか否かを判定し、
前記追越し許可判定部は、前記前方車両判定部により前記前方車両が停止中であると判定された場合に、前記車両が追越しを許可されている状況であると判定する
請求項3に記載の警報制御装置。
【請求項5】
前記前方車両判定部は、前記前方車両の速度が0であれば、前記前方車両は停止中であると判定する
請求項4に記載の警報制御装置。
【請求項6】
前記前方車両判定部は、レーダセンサの検出結果に基づいて前記前方車両の速度が0であるか否かを判定する
請求項5に記載の警報制御装置。
【請求項7】
前記前方車両判定部は、画像センサにより撮影された画像を認識することによって前記前方車両の速度が0であるか否かを判定する
請求項5に記載の警報制御装置。
【請求項8】
前記前方車両判定部は、前記前方車両との車車間通信によって取得した前記前方車両の状態に基づいて前記前方車両の速度が0であるか否かを判定する
請求項5に記載の警報制御装置。
【請求項9】
前記前方車両判定部は、前記前方車両が事故車両であるか否かを判定し、
前記追越し許可判定部は、前記前方車両判定部により前記前方車両が事故車両であると判定された場合に、前記車両が追越しを許可されている状況であると判定する
請求項3~8のいずれか1項に記載の警報制御装置。
【請求項10】
前記前方車両判定部は、VICSから取得する情報と前記車両の位置情報とに基づいて前記前方車両が事故車両であるか否かを判定する
請求項9に記載の警報制御装置。
【請求項11】
前記追越し判定部は、前記車両が交差点を通過しようとしている場合であって、前記車両が走行している走行レーンから、前記走行レーンに対向する対向レーンを横切って前記交差点を右左折するための右左折レーンへ前記車両が進入する場合に、前記車両が追越しを許可されている状況であると判定する
請求項2~10のいずれか1項に記載の警報制御装置。
【請求項12】
前記警報制御部は、前記運転者に対し警報を行わないように前記警報部を制御する場合、前記運転者に対し注意喚起を行うよう前記警報部を制御する
請求項1~11のいずれか1項に記載の警報制御装置。
【請求項13】
車両が走行している区間が追越し禁止区間であるか否かを判定する区間判定ステップと、
前記車両が車線変更しようとしている場合であって、追越し対象となる先行車両が存在する場合に前記車両が追越し動作を試みている判定する追越し判定ステップと、
運転者への警報を行う警報部を制御する警報制御ステップと、を含み、
前記警報制御ステップは、前記区間判定ステップにより前記車両が前記追越し禁止区間を走行していると判定され、且つ、前記追越し判定ステップにより前記車両が前記追越し動作を試みていると判定された場合に、
前記車両が運転ルール上追越しを許可されている状況ではないとき、前記警報部が前記運転者への警報を行うよう制御し、
前記車両が前記運転ルール上追越しを許可されている状況であるとき、前記警報部が前記運転者への警報を行わないよう制御する
警報制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の警報制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムをコンピュータにより読み取り可能に格納した、非一時的な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、警報制御装置、警報制御方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両において運転者による運転を支援する運転支援装置が各種提案されている。例えば、特許文献1に記載された運転支援装置は、自車両が追越し走行することを把握した場合に、警報装置による警報を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-224712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された運転支援装置によれば、警報を実施する必要のない場面においても警報が実施される場合があり、運転者にとって煩わしい。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、警報を実施する必要のない場面における警報の実施を抑制する警報制御装置、警報制御方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の警報制御装置は、車両に搭載される警報制御装置であって、区間判定部と、追越し判定部と、警報制御部と、を備える。区間判定部は、車両が走行している区間が追越し禁止区間であるか否かを判定する。追越し判定部は、車両が車線変更しようとしている場合であって、追越し対象となる先行車両が存在する場合に車両が追越し動作を試みている判定する。警報制御部は、運転者への警報を行う警報部を制御する。警報制御部は、区間判定部により車両が追越し禁止区間を走行していると判定され、且つ、追越し判定部により車両が追越し動作を試みていると判定された場合に、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況ではないとき、警報部が運転者への警報を行うよう制御し、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況であるとき、警報部が運転者への警報を行わないよう制御する。
【0007】
本開示の一態様の警報制御方法は、区間判定ステップと、追越し判定ステップと、警報制御ステップと、を含む。区間判定ステップは、車両が走行している区間が追越し禁止区間であるか否かを判定する。追越し判定ステップは、車両が車線変更しようとしている場合であって、追越し対象となる先行車両が存在する場合に車両が追越し動作を試みている判定する。警報制御ステップは、運転者への警報を行う警報部を制御する。警報制御ステップは、区間判定ステップにより車両が追越し禁止区間を走行していると判定され、且つ、追越し判定ステップにより車両が追越し動作を試みていると判定された場合に、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況ではないとき、警報部が運転者への警報を行うよう制御し、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況であるとき、警報部が運転者への警報を行わないよう制御する。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、上記の警報制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本開示の一態様の記録媒体は、上記のプログラムを、コンピュータにより読み取り可能に格納した、非一時的な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、警報を実施する必要のない場面における警報の実施を抑制する、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施の形態に係る警報システムの一実施の形態を示すブロック図である。
図2図2は、本実施の形態に係る警報制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、警報システムにより実行される追越し許可判定処理を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、追越しが許可されている状況の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態)
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0013】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0014】
また、以下の説明において、「運転ルール」とは、出願時における日本の交通法規を前提とするものとして記載する。
【0015】
以下、図1~4を用いて、本開示の実施の形態について説明する。
【0016】
まず、本実施の形態に係る警報制御装置を有する警報システムの構成について図1,2を用いて説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る警報システムの一実施の形態を示すブロック図である。本実施の形態における警報システムは、画像センサ21、レーダセンサ22、方向指示器23、車速センサ24、ヨーレートセンサ25、操舵角センサ26、ナビゲーション装置27、通信部28、ECU(Electronic Control Unit)10、警報部31を含むように構成される。
【0018】
なお、以下、警報システムが設けられている車両を自車両と称する。
【0019】
また、本願において「追越し」には、自車両が、自車両の前方を走行する他の車両に追い付いて、その追い付いた車両の側方を通過し、その車両の前方に出ることだけでなく、自車両の前方に停止している他の車両の側方を通過してその前方に出ることも含む。また、交差点において自車両が右折レーンに進入し、直進レーンを走行し又は直進レーンに停止している車両の側方を通過することも「追越し」に含む。このように、本願において「追越し」とは、自車両が走行しているレーンと同じレーンに車両が存在する場合に、その車両の側方を自車両が通過してその車両の前方に出ることを広く意味する。そして、「追い越す」とは、このような追越しを行うことを意味する。
【0020】
図1において、警報制御装置であるECU10には、画像センサ21、レーダセンサ22、方向指示器23、車速センサ24、ヨーレートセンサ25、操舵角センサ26、ナビゲーション装置27、通信部28が接続されており、これらのそれぞれからECU10に検出信号や各種情報が入力される。
【0021】
画像センサ21は車載カメラであり、CCD(Charge-Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ、近赤外線カメラ等で構成されている。画像センサ21は、自車両の走行道路を含む周辺環境を撮影し、その撮影した画像を表す画像データを生成してECU10に逐次出力する。画像センサ21は、例えば自車両のフロントガラスの上端付近に設置されており、自車両前方に向かって所定角度の範囲で広がる領域を撮影する。なお、画像センサ21は、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。
【0022】
レーダセンサ22は、送信波として電磁波を送信し、その反射波を受信することで物体を検出する装置であり、例えばミリ波レーダやレーザレーダ等で構成されている。レーダセンサ22は、自車両の前部に取り付けられており、光軸を中心に自車両前方に向かって所定角度の範囲にわたって広がる領域をレーダ信号により走査する。そして、自車両前方に向けて電磁波を送信してから反射波を受信するまでの時間に基づき測定データを作成し、測定データをECU10に逐次出力する。この測定データには、物体が存在する方位、物体までの距離及び相対速度に関する情報が含まれている。
【0023】
方向指示器23は、自車両の進行方向を車外に表示する装置である。方向指示器23は、運転者によって左指示位置、中立位置及び右指示位置のいずれかに操作される操作レバーを備えており、操作レバーの位置に応じた操作信号であるターン信号をECU10に出力する。
【0024】
車速センサ24は、自車両の車輪に動力を伝達する回転軸に設けられており、車速に応じて検出信号を出力する。ヨーレートセンサ25は、例えば音叉等の振動子を有し、自車両のヨーモーメントに基づいて振動子に生じた歪みを検出することで自車両のヨーレートを検出する。操舵角センサ26は、自車両のハンドルの操作角度、すなわち操舵角を検出する。これらの各センサ24~26により、自車両の走行状態、すなわち挙動が検出される。各センサ24~26は、検出した自車両の走行状態等をECU10に供給する。
【0025】
ナビゲーション装置27は、地形や道路形状等を絶対座標系の座標で表した情報が含まれた地図情報を取得する。ナビゲーション装置27により取得される地図情報は、自車両に搭載された地図情報記憶媒体に記憶されているものであってもよいし、外部装置との通信により取得されるものであってもよい。本実施の形態の場合、ナビゲーション装置27は、現在地から目的地までの経路を取得する。ナビゲーション装置27は、地図情報及び経路情報をECU10に出力する。また、ナビゲーション装置27は、これらの情報を画像としてカーナビやヘッドアップディスプレイ等に表示してもよい。
【0026】
例えば、ナビゲーション装置27は、右折又は左折すべき交差点に対して自車両が所定の距離まで近付いたことを検出した場合、その旨の情報や右折又は左折する方向の情報等をECU10に出力する。
【0027】
さらに、ナビゲーション装置27は、目的地までの経路における事故等の情報を取得する。例えば、ナビゲーション装置27は、VICS(Vehicle Information and Communication System)により提供される事故、故障車、路上障害物、工事、作業等の情報を取得する。ナビゲーション装置27は、これらの事故等の情報をECU10に出力する。
【0028】
通信部28は、自車両以外の車両に搭載された通信部と通信する。通信部28はビーコン(Beacon)等により構成され、例えばシートの周辺に配設されてもよいし、良好に通信できる位置であればその他の位置に配設されていてもよい。通信部28は、他の車両からの車両情報を受信する受信部と自車両の車両情報(自車情報)を発信する発信部とを有する。通信部28の受信部で受信された車両情報はECU10に送信され、一方、ECU10で取得された自車情報は発信部を介して発信される。ここで、車両情報とは、車両の識別情報及び車両の位置情報等が含まれる。識別情報は車両固有のIDであり、位置情報は車両の現在の位置を示す座標である。また、車両情報には車速等が含まれる。
【0029】
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Randam Access Memory)130、I/O(Input/Output port)140等を備えたコンピュータである。
【0030】
ECU10のI/O140には、画像センサ21、レーダセンサ22、方向指示器23、車速センサ24、ヨーレートセンサ25、操舵角センサ26、ナビゲーション装置27及び通信部28が接続されており、これらのそれぞれから検出信号や各種情報が入力される。I/O140は入力された検出信号や各種情報をCPU110やRAM130に出力する。またI/O140はCPU110から出力される制御信号等を警報部31に出力する。
【0031】
ECU10は、ROM120にインストールされているプログラムをCPU110が実行することにより、警報部31の運転者への警報動作を制御する。ここで、プログラムは、ECU10のROM120にあらかじめ記録されていてもよく、インターネット等の電気通信回線を通じて、又は各種ディスク等の非一時的な記録媒体やメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0032】
図2は、本実施の形態に係る警報制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。ECU10は、機能構成として、環境取得部11、区間判定部12、前方車両判定部13、車両情報取得部14、車両状態判定部15、追越し判定部16、追越し許可判定部17及び警報制御部18を備える。
【0033】
環境取得部11は、自車両の周囲の状況を取得する。具体的には、自車両に設けられている画像センサ21、レーダセンサ22等から供給される情報に基づいて、自車両の周囲の状況を取得する。環境取得部11が取得する自車両の周囲の状況には、自車両以外の車両の有無、位置、移動方向、自車両に対する相対速度、属性等が含まれる。また、ナビゲーション装置27がVICSにより提供される事故等の情報を取得する場合、環境取得部11はナビゲーション装置27から供給される情報に基づいて、目的地までの経路における事故等の情報を取得する。さらに、自車両以外の車両と車車間通信をすることができる状況であれば、環境取得部11は、通信部28を介して他の車両の車両情報を取得する。環境取得部11は、取得した自車両の周囲の状況に関する情報を区間判定部12、前方車両判定部13、追越し許可判定部17に供給する。
【0034】
区間判定部12は、環境取得部11により取得された情報に基づいて、自車両が走行している区間が追越し禁止区間であるか否かを判定する。ここで、追越し禁止区間とは、各国において定められた車両を運転する際のルールである運転ルールにより定められた区間であり、例えば、標識により追越しが禁止されている場所、道路の曲がり角付近、交差点とその手前から30m以内の場所などである。例えば、区間判定部12は、画像センサ21により撮影された道路標識や交差点等の画像データに基づいて、自車両が追越し禁止区間を走行中であるか否かを判定する。なお、ナビゲーション装置27により取得された追越し禁止区間の情報に基づいて、追越し禁止区間を走行中であるかを判定してもよい。区間判定部12は、判定結果を警報制御部18に通知する。
【0035】
前方車両判定部13は、環境取得部11から供給される情報に基づいて、追越し対象となる先行車両の有無を判定する。具体的には、前方車両判定部13は、先行車両の有無、位置、移動方向、属性及び自車両に対する相対速度、並びに、先行車両と自車両との車間距離を判定する。そして、例えば、自車両の速度が所定速度(例えば30km/h)以上であり、先行車両との車間距離が所定距離(例えば70m)以下であり、先行車両に対する自車両の相対速度が所定範囲内である場合に、前方車両判定部13は、追越し対象となる先行車両が存在すると判定する。前方車両判定部13は、判定結果を追越し判定部16、追越し許可判定部17に通知する。
【0036】
車両情報取得部14は、自車両に設けられている方向指示器23、車速センサ24、ヨーレートセンサ25、操舵角センサ26、ナビゲーション装置27等から、自車両の各種の状態を示す車両情報を取得する。具体的には、車両情報取得部14は、方向指示器23から車線変更に関する操作信号を取得し、車速センサ24から自車両の車速に関する信号を取得し、ヨーレートセンサ25及び操舵角センサ26からそれぞれヨー角及び操舵角に関する信号を取得し、ナビゲーション装置27から自車両の現在地に関する情報を取得する。車両情報取得部14は、取得した車両情報を車両状態判定部15に供給する。
【0037】
車両状態判定部15は、車両情報取得部14により取得された車両情報に基づいて、自車両の状態を判定する。自車両の状態の判定には、追越しの初期動作の有無の判定を含む。具体的には、車両状態判定部15は、方向指示器23によるターン信号が発生したか否かを判定し、ターン信号が発生したと判定した場合には、追越しの初期動作が生じたと判定する。車両状態判定部15は、判定結果を追越し判定部16に供給する。
【0038】
追越し判定部16は、自車両が追越し動作を試みているか否かを判定する。ここで、追越し動作とは、自車両が先行車両を追い越すことを可能にする動作である。具体的には、前方車両判定部13及び車両状態判定部15により供給、取得された情報に基づいて、自車両が車線変更しようとしており、追越し対象となる先行車両が存在する場合に、追越し判定部16は、自車両が追越し動作を試みていると判定する。追越し判定部16は、判定結果を警報制御部18に通知する。
【0039】
追越し許可判定部17は、環境取得部11及び前方車両判定部13から供給される情報に基づいて、現在自車両が運転ルール上追越しの許可されている状況であるか否かを判定する。区間判定部12により追越し禁止区間であると判定された区間では、原則として追越しは禁止されているが、追越し許可判定部17は、所定の条件を満たした場合に、運転ルール上追越しが許可されている状況であると判定する。この判定の詳細については後述する。追越し許可判定部17は、判定結果を警報制御部18に通知する。
【0040】
警報制御部18は、後述する警報部31を制御する。具体的には、警報制御部18は、区間判定部12により自車両が追越し禁止区間を走行していると判定され、追越し判定部16により自車両が追越し動作を試みていると判定された場合に、追越し禁止区間での追越しが行われている旨を運転者に対して警報するように警報部31を制御する。一方、区間判定部12により自車両が追越し禁止区間を走行していると判定され、追越し判定部16により自車両が追越し動作を試みていると判定された場合であっても、追越し許可判定部17により自車両が運転ルール上追越しの許可されている状況であると判定された場合には、追越し禁止区間での追越しが行われている旨を運転者に対して警報しないように警報部31を制御する。
【0041】
警報部31は、警報制御部18に接続されている。警報部31は、車両において危険を伴う状況が生じたこと、何らかの危険行為が行われたこと等を運転者に対して報知するものである。警報部31は、例えば、スピーカ、アラーム、ベル等の音声出力手段、ディスプレイ、インストルメントパネル、カーナビゲーションシステム等の表示手段、LED(Light Emitting Diode)、ランプ等の発光手段、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、座席、ヘッドレスト及びシートベルト等に設けられたバイブレータ等の振動手段若しくはこれらにより運転操作に対する反力を与える手段のうち少なくとも1つを含む。警報制御部18は運転者への警報を行う場合、少なくとも1つの警報部31を制御する。なお、警報制御部18は複数の警報部31を連携させて警報を行ってもよい。例えば、スピーカに音声を出力させながら、ステアリングホイールを振動させてもよい。
【0042】
次に、図3のフローチャートを参照して、ECU10により実行される追越し許可判定の処理について説明する。図3は、警報システムにより実行される追越し許可判定処理を説明するためのフローチャートである。本処理は、自車両の走行中に、ECU10により所定周期で繰り返し実行される。
【0043】
ステップS1において、区間判定部12は、自車両が追越し禁止区間を走行中であるか否かを判定する。ステップS1でYESである場合、区間判定部12は、自車両が追越し禁止区間を走行中であることを警報制御部18に通知し、処理はステップS2に進む。
【0044】
ステップS2では、車両状態判定部15は、追越しの初期動作の有無を判定する。ステップS2でYESである場合、車両状態判定部15は、追越しの初期動作が生じたことを追越し判定部16に通知し、処理はステップS3に進む。
【0045】
ステップS3では、前方車両判定部13は、追越し対象となる先行車両の有無を判定する。ステップS3でYESである場合、前方車両判定部13は、追越し対象となる先行車両が存在することを追越し判定部16及び追越し許可判定部17に通知し、処理はステップS4に進む。
【0046】
ステップS4では、追越し判定部16は、ステップS2及びステップS3における判定結果に基づいて、自車両が車線変更しようとしており、追越し対象となる先行車両が存在する場合に、自車両が追越し動作を試みていることを判定する。その後、追越し判定部16は、自車両が追越し動作を試みていることを警報制御部18に通知し、処理はステップS5に進む。
【0047】
ステップS5では、追越し許可判定部17は、運転ルール上追越しが許可されている状況であるか否かを判定する。以下に、図4を用いながら、運転ルール上追越しが許可されている状況であることの判定方法を具体的にいくつか説明する。ここで、図中のMは自車両を表し、Pは先行車両を表しており、自車両が走行しているレーンを走行レーンL1と呼ぶ。
【0048】
図4(a)に示すように、追越し禁止区間において、走行レーンL1にて自車両Mの前方で先行車両Pが停止しており、自車両Mがその先行車両Pを追い越す場合、追越し許可判定部17は運転ルール上追越しが許可されている状況であると判定する。ここで、先行車両Pが停止していることの判定は、レーダセンサ22により測定された自車両Mに対する先行車両Pの相対速度のデータに基づいて、先行車両Pの速度が0であることが認識されることにより行われる。なお、先行車両Pの速度が0であることの認識は、画像センサ21により撮影された先行車両Pの画像データに基づいて行われてもよいし、通信部28により車車間通信によって受信された先行車両Pの速度のデータに基づいて行われてもよい。
【0049】
また、図4(a)に示すような状況であって、追越し禁止区間において、事故により停止中の先行車両Pが存在する場合、或いは、道路工事を行っているため停止中の工事車両である先行車両Pが存在する場合、追越し許可判定部17による先行車両Pが停止していることの判定は、ナビゲーション装置27によりVICSから取得された事故或いは工事等に関する情報に基づいて行われてもよい。あるいは、画像センサ21により撮影された画像データに基づいて、三角表示板や発煙筒、標識を認識することにより行われてもよい。
【0050】
また、図4(b)は、自車両Mが交差点内に進入しようとする状態を示す図である。ここで、右折レーンL2は、自車両Mが走行している走行レーンL1に隣接し、且つ、自車両Mを含む車両が右折可能なレーンであり、対向レーンL3は、走行レーンL1に対向し、且つ、対向車両Cが直進可能なレーンである。
【0051】
図4(b)に示す状態では、自車両Mは、追越し禁止区間の一例である交差点において、破線矢印で示す経路Rに沿って、走行レーンL1に対向する対向レーンL3を横切って右折するために、直進レーンである走行レーンL1から右折レーンL2へ車線変更を行おうとしている。この場合、もとの走行レーンL1(直進レーン)に存在する先行車両Pを自車両Mが追い越そうとする状況となり得るが、追越し許可判定部17は、自車両Mが運転ルール上追越しを許可されている状況であると判定する。ここで、右折レーンへ進入していることの判定は、画像センサ21により撮影された交差点の画像データに基づいて行われる。なお、ナビゲーション装置27により蓄積又は取得されている地図データに基づいて行われてもよい。
【0052】
なお、図4(b)では、左側走行の自車両Mが交差点内を右折する場合について説明したが、上記の判定方法は、右側走行の自車両Mが交差点内を左折する場合にも適用可能である。つまり、自車両が左側走行しているか右側走行しているかにかかわらず、自車両Mが交差点において対向レーンL3を横切って右左折するために、走行レーンL1(直進レーン)から右左折レーンL2へ車線変更を行ったことにより、もとの走行レーンL1に存在する先行車両Pを追い越そうとする状況となった場合、追越し許可判定部17は、自車両Mが運転ルール上追越しを許可されている状況であると判定する。
【0053】
なお、以上に説明した、運転ルール上追越しが許可されている状況であることの判定方法は、その一例であり、上述した情報の一部を用いたり、他の情報を用いたり、別の手法を用いたりして、運転ルール上追越しが許可されている状況であるか否か判定するようにすることも可能である。例えば、道路の道幅や先行車両の走行レーンにおける位置を用いて判定してもよい。例えば、走行中の道路の道幅が広い、または先行車両が道路の端に寄っている場合に、車線をはみ出さずに先行車両を追い越すことが可能であると判定した場合は、運転ルール上追越しが許可されている状態と判定してもよい。ステップS5でYESである場合、追越し許可判定部17は運転ルール上追越しが許可されている状況であることを警報制御部18に通知し、処理はステップS6に進む。
【0054】
ステップS6では、警報制御部18は、運転者への警報を行わないように警報部31を制御する。また、この場合のように、追越し禁止区間において自車両が追越し動作を試みていると判定されたにもかかわらず、警報制御部18が運転者への警報を行わないように警報部31を制御した場合、警報制御部18は、運転者に対して注意喚起するよう警報部31を制御してもよい。ここで、運転者に対する注意喚起とは、警報に比べて弱く運転者に対し通知することを意味する。例えば、音声によって警報が行われる場合、警報よりも小さい音量で音声を出力することにより、又は、音声によらずに、追越し禁止区間において自車両が追越し動作を試みている旨をディスプレイ等へ表示することにより、注意喚起を行う。
【0055】
一方、ステップS5でNOである場合、追越し許可判定部17は、運転ルール上追越しが許可されている状況でないことを警報制御部18に通知し、処理はステップS7に進む。
【0056】
ステップS7では、警報制御部18は、追越し禁止区間での追越しが行われようとしている旨を警報部31により運転者に警報する。
【0057】
ステップS6又はS7の後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
【0058】
一方、区間判定部12は、自車両が追越し禁止区間を走行中でないと判定した場合(ステップS1でNO)、自車両が追越し禁止区間を走行中でないことを警報制御部18に通知する。その後、再びステップS1の処理が実行され、ステップS1以降の処理が実行される。
【0059】
また、車両状態判定部15は、自車両のターン信号が発生していないと判定した場合(ステップS2でNO)、自車両のターン信号が発生していないことを追越し判定部16に通知する。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
【0060】
さらに、前方車両判定部13は、追越し対象となる先行車両が存在しないと判定した場合(ステップS3でNO)、追越し対象となる先行車両が存在しないことを追越し判定部16に通知する。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
【0061】
なお、上記実施の形態では、追越しの初期動作の有無を、ターン信号が発生したか否かで判定したが、これに代えて、或いはこれに加えて、操舵角の変化やヨー信号の変化に基づいて、追越しの初期動作の有無を判定してもよい。また、図3のフローチャートにおける各ステップの順序はこの順序に限定するものではない。
【0062】
また、上記実施の形態は出願時の日本の交通法規を前提として記載したが、時代や国によって交通法規等が変わっても、それに適応するように本発明の技術的思想に基づいて種々の変更が可能である。
【0063】
さらに、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0064】
(まとめ)
上記実施の形態から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施の形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0065】
第1の態様の警報制御装置(10)は、車両に搭載される警報制御装置であって、区間判定部(12)と、追越し判定部(16)と、警報制御部(18)と、を備える。区間判定部(12)は、車両が走行している区間が追越し禁止区間であるか否かを判定する。追越し判定部(16)は、車両が追越し動作を試みているか否かを判定する。警報制御部(18)は、運転者への警報を行う警報部(31)を制御する。警報制御部(18)は、区間判定部(12)により車両が追越し禁止区間を走行していると判定され、且つ、追越し判定部(16)により車両が追越し動作を試みていると判定された場合に、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況ではないとき、警報部(31)が運転者への警報を行うよう制御し、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況であるとき、警報部(31)が運転者への警報を行わないよう制御する。第1の態様によれば、警報を実施する必要のない場面における警報の実施を抑制できる。従って、自車両が運転ルール上追越しを許可されている状況にある場合に、警報が実施されて煩わしさを感じることを防止できる。
【0066】
第2の態様の警報制御装置(10)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、警報制御装置(10)は、車両の走行している周囲の状況を取得する環境取得部(11)と、環境取得部(11)が取得した周囲の状況に基づいて、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況であるか否かを判定し、判定結果を警報制御部(18)に出力する追越し許可判定部(17)と、を更に備える。第2の態様によれば、追越しが許可されている状況であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0067】
第3の態様の警報制御装置(10)は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、警報制御装置(10)は、車両の前方を走行する前方車両の状態を判定する前方車両判定部(13)を更に備える。追越し許可判定部(17)は、前方車両判定部(13)が判定した前方車両の状態に基づいて、車両が追越しを許可されている状況であるか否かを判定する。第3の態様によれば、追越しが許可されている状況であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0068】
第4の態様の警報制御装置(10)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前方車両判定部(13)は、前方車両が停止中であるか否かを判定する。追越し許可判定部(17)は、前方車両判定部(13)により前方車両が停止中であると判定された場合に、車両が追越しを許可されている状況であると判定する。第4の態様によれば、追越しが許可されている状況であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0069】
第5の態様の警報制御装置(10)は、第4の態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前方車両判定部(13)は、前方車両の速度が0であれば、前方車両は停止中であると判定する。第5の態様によれば、前方車両が停止中であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0070】
第6の態様の警報制御装置(10)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前方車両判定部(13)は、レーダセンサ(22)の検出結果に基づいて前方車両の速度が0であるか否かを判定する。第6の態様によれば、前方車両が停止中であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0071】
第7の態様の警報制御装置(10)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前方車両判定部(13)は、画像センサ(21)により撮影された画像を認識することによって前方車両の速度が0であるか否かを判定する。第7の態様によれば、前方車両が停止中であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0072】
第8の態様の警報制御装置(10)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前方車両判定部(13)は、前方車両との車車間通信によって前方車両の速度が0であるか否かを判定する。第8の態様によれば、前方車両が停止中であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0073】
第9の態様の警報制御装置(10)は、第3~第8の態様のいずれか1つとの組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前方車両判定部(13)は、前方車両が事故車両であるか否かを判定する。追越し許可判定部(17)は、前方車両判定部(13)により前方車両が事故車両であると判定された場合に、車両が追越しを許可されている状況であると判定する。第9の態様によれば、追越しが許可されている状況であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0074】
第10の態様の警報制御装置(10)は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、前方車両判定部(13)は、VICSから取得する情報と車両の位置情報とに基づいて前方車両が事故車両であるか否かを判定する。第10の態様によれば、前方車両が事故車両であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0075】
第11の態様の警報制御装置(10)は、第2~第10の態様のいずれか1つとの組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、追越し許可判定部(17)は、車両が交差点を通過しようとしている場合であって、車両が走行している走行レーンから、走行レーンに対向する対向レーンを横切って交差点を右左折するための右左折レーンへ車両が進入する場合に、車両が追越しを許可されている状況であると判定する。第11の態様によれば、追越しが許可されている状況であるか否かの判定の精度を向上し得る。
【0076】
第12の態様の警報制御装置(10)は、第1~第11の態様のいずれか1つとの組み合わせにより実現され得る。第12の態様では、警報制御部(18)は、運転者に対し警報を行わないように制御する場合、運転者に対し注意喚起を行いよう制御する。第12の態様によれば、警報を実施しない場面においても適切に運転者に対して通知し得る。
【0077】
第13の態様の警報制御方法は、車両が走行している区間が追越し禁止区間であるか否かを判定する区間判定ステップと、車両が追越し動作を試みているか否かを判定する追越し判定ステップと、運転者への警報を行う警報部を制御する警報制御ステップと、を含み、警報制御ステップは、区間判定ステップにより車両が追越し禁止区間を走行していると判定され、且つ、追越し判定ステップにより車両が追越し動作を試みていると判定された場合に、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況ではないとき、警報部が運転者への警報を行うよう制御し、車両が運転ルール上追越しを許可されている状況であるとき、警報部が運転者に対し警報を行わないよう制御する。第13の態様によれば、警報を実施する必要のない場面における警報の実施を抑制できる。
【0078】
第14の態様のプログラムは、第13の態様の警報制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。第14の態様によれば、警報を実施する必要のない場面における警報の実施を抑制できる。
【0079】
第15の態様の記録媒体は、第14の態様のプログラムをコンピュータにより読み取り可能に格納した、非一時的な記録媒体である。第15の態様によれば、警報を実施する必要のない場面における警報の実施を抑制できる。
【符号の説明】
【0080】
10 ECU(警報制御装置)
11 環境取得部
12 区間判定部
13 前方車両判定部
14 車両情報取得部
15 車両状態判定部
16 追越し判定部
17 追越し許可判定部
18 警報制御部
21 画像センサ
22 レーダセンサ
23 方向指示器
24 車速センサ
25 ヨーレートセンサ
26 操舵角センサ
27 ナビゲーション装置
28 通信部
31 警報部
110 CPU
120 ROM
130 RAM
140 I/O
図1
図2
図3
図4