(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】光電スイッチ及び光電スイッチの感度調整方法
(51)【国際特許分類】
G01V 8/12 20060101AFI20231208BHJP
H03K 17/78 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
G01V8/12 J
H03K17/78 Q
(21)【出願番号】P 2020047957
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】引地 岳史
(72)【発明者】
【氏名】木村 悟士
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-150158(JP,A)
【文献】特開2019-061888(JP,A)
【文献】実開昭60-135685(JP,U)
【文献】特開平03-060517(JP,A)
【文献】特開平04-204398(JP,A)
【文献】特開平10-209836(JP,A)
【文献】特開平03-223671(JP,A)
【文献】特開平05-312794(JP,A)
【文献】特表2014-528056(JP,A)
【文献】米国特許第05712477(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J20/281-20/292
G01N 1/00- 1/44
30/00- 30/96
G01V 1/00- 99/00
H03K17/00- 17/70
17/74- 17/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出領域に光を投光する投光素子と、
前記投光素子に所定の駆動電流を与え駆動する投光回路と、
前記検出領域からの光を受光する受光素子を備えた受光回路と、
前記受光回路からの受光信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段を含み、
前記増幅手段を介して前記受光素子から送られてくる受光信号により予め設定され
る閾値に基づいて動作する制御部を備えた光電スイッチにおいて、
感度調整手段を備え、
当該感度調整手段は、外部から操作可能な第1調整操作部と、前記第1調整操作部とは別に設けられる外部から操作可能な第2調整操作部とを備え、
前記第1調整操作部の操作により、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を連続的又は段階的に変更するように調整し、
前記第1調整操作部の操作により変更された
前記設定値を
、前記第2調整操作部の操作により予め設定される変化量分だけ増加または減少させて
前記閾値を設定することを特徴とする光電スイッチ。
【請求項2】
前記第1調整操作部は、外部から操作可能に構成され、
当該第1調整操作部の操作を契機に、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を、受光と遮光が切り替わる感度に連続的又は段階的に調整するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の光電スイッチ。
【請求項3】
前記第1調整操作部は、外部からアナログ操作可能に構成され、
前記第1調整操作部のアナログ操作に応じて、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を受光と遮光が切り替わる感度に連続的又は段階的に変更可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の光電スイッチ。
【請求項4】
前記第1調整操作部は、前記投光回路の前記駆動電流を連続的又は段階的に変更可能に構成され、
前記第2調整操作部は、前記投光回路の前記駆動電流を前記予め設定される変化量分だけ増加または減少させることを特徴とする請求項
1に記載の光電スイッチ。
【請求項5】
操作することで、前記設定値を初期値にリセットするリセット操作部を有するリセット手段を備えたことを特徴とする請求項
1に記載の光電スイッチ。
【請求項6】
電源を切断又は入力することで、前記設定値を初期値にリセットするリセット手段を備えたことを特徴とする請求項
1に記載の光電スイッチ。
【請求項7】
前記初期値が、前記設定値の最高値若しくは最低値であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光電スイッチ。
【請求項8】
前記光電スイッチは、制御出力手段を備え、
前記第1調整操作部による設定値の変更が可能で、かつ、制御出力手段から出力をしない調整モードと、
前記第1調整操作部による設定値の変更を禁止し、前記制御出力手段からの出力を許容する検出モードとのモードを切り替えるモード切替手段を備えたことを特徴とする請求項
1に記載の光電スイッチ。
【請求項9】
前記モード切替手段が、前記第2調整操作部であることを特徴とする請求項8に記載の光電スイッチ。
【請求項10】
前記第1調整操作部による設定値の変更後に、前記第2調整操作部を操作したときに、設定値の設定が完了したことを報知する設定完了報知手段を備えたことを特徴とする請求項
1に記載の光電スイッチ。
【請求項11】
前記第2調整操作部を操作したときに、設定値の設定が前記変化量分の余地がないときに、前記設定完了報知手段により、前記設定値の設定が完了したことを示す報知とは、異なる態様で報知することを特徴とする請求項10に記載の光電スイッチ。
【請求項12】
前記光電スイッチに検出対象を装着する装着部を有し、
前記第1調整操作部を操作したときに、前記設定値の変更に伴い、前記受光回路における受光信号の増減が前記設定値の変化と相関性が失われた場合に、前記検出対象が前記装着部に正しく装着されていないと判断して報知する装着エラー報知手段を備えたことを特徴とする請求項
1に記載の光電スイッチ。
【請求項13】
検出対象が、高速液体クロマトグラフィー用の外径が一定で異なる内径の種類を含むチューブ群において、任意に選択されたチューブ内を流れる液体を検出可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の光電スイッチ。
【請求項14】
検出領域に光を投光する投光素子と、
前記投光素子に所定の駆動電流を与え駆動する投光回路と、
前記検出領域からの光を受光する受光素子を備えた受光回路と、
前記受光回路からの受光信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段を含み、
前記増幅手段を介して前記受光素子から送られてくる受光信号により予め設定され
る閾値に基づいて動作する制御部を備えた光電スイッチにおいて、
感度調整手段を備え、
当該感度調整手段は、外部から操作可能な第1調整操作部と、前記第1調整操作部とは別に設けられる外部から操作可能な第2調整操作部とを備え、
前記第1調整操作部の操作により、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を連続的又は段階的に変更するように調整し、
前記第1調整操作部の操作により変更された
前記設定値を
、前記第2調整操作部の操作により予め設定される変化量分だけ増加または減少させて
前記閾値を設定することを特徴とする光電スイッチにおいて、
前記設定値を初期値とする第1のステップと、
前記第1調整操作部により、受光と遮光が切り替わる設定値に調整する第2のステップと、
前記第2調整操作部により、前記設定値を予め設定される変化量分だけ増加または減少させる第3のステップとを実施することを特徴とする光電スイッチの感度調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電スイッチ及び光電スイッチの感度調整方法に係り、詳しくは微小流路のチューブの液切れ検出に好適な光電スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より透明な樹脂製のチューブに流れている液体の液切れを検出する光電スイッチが知られている。
例えば、特許文献1では、ティーチングボタンが押されると、CPUは、受光回路から出力される検出信号のレベルに基づき、検出信号のレベルの最大値と最小値の中間の値を演算により求め、かかる値を閾値として設定する。
【0003】
また、特許文献2では、調整用の装置から、出力値が連続的に変化する信号を光電スイッチに入力して、ゲインを連続的に変化させ、オン点あるいはオフ点を検出し、所定値を加算、あるいは減算することにより、オン点あるいはオフ点を設定記憶させるものである。そのため、感度調整が自動的にでき、従来のボリュームにより手動調整する場合に比べて、調整時間を大幅に短縮することができる光電スイッチが開示されている。
【0004】
このような検出センサであれば、閾値を簡単に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-67921号公報
【文献】特開平3-060517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年遺伝子の研究のため遺伝子を組み替えた細胞の培養などが行われている。そのためには、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)が利用されている。HPLCは、液体の移動相をポンプなどによって加圧してカラムを通過させ、分析種を固定相及び移動相との相互作用(吸着、分配、イオン交換、サイズ排除など)の差を利用して高性能に分離して検出する。この場合、微量な培養液を正確な量だけ送出する必要があるためマイクロ流路が使用され、安定した正確な液体の送り出しが要求される。
【0007】
そのため、外形は従来の規格でありながら内径の極めて細いチューブ、例えば、外径が1.6mmで、内径が0.25~1.0mmのようなチューブが用いられるようになった。このようなチューブの液切れを光電スイッチで正確に検出するにはさらに高い精度が要求される。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成で高い精度で検出できる光電スイッチ及び光電スイッチの感度調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の光電スイッチでは、検出領域に光を投光する投光素子と、前記投光素子に所定の駆動電流を与え駆動する投光回路と、前記検出領域からの光を受光する受光素子を備えた受光回路と、前記受光回路からの受光信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段を含み、前記増幅手段を介して前記受光素子から送られてくる受光信号により予め設定される感度の閾値に基づいて動作する制御部を備えた光電スイッチにおいて、感度調整手段を備え、当該感度調整手段は、外部から操作可能な第1調整操作部と、前記第1の調整操作部とは別に設けられる外部から操作可能な第2調整操作部とを備え、前記第1調整操作部の操作により、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を連続的又は段階的に変更するように調整し、前記第2調整操作部の操作により、前記第1調整操作部の操作により変更された設定値を予め設定される変化量分だけ増加または減少させて検出対象を検出する閾値を設定することを特徴とする。
【0010】
また、この場合前記第1調整操作部は、外部から操作可能に構成され、当該第1調整操作部の操作を契機に、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を、受光と遮光が切り替わる感度に連続的又は段階的に調整するように構成されることも好ましい。
【0011】
あるいは、前記第1調整操作部は、外部からアナログ操作可能に構成され、前記第1調整操作部のアナログ操作に応じて、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を受光と遮光が切り替わる感度に連続的又は段階的に変更可能に構成されるようにしてもよい。
【0012】
前記第1調整操作部は、前記投光回路の前記駆動電流を連続的又は段階的に変更可能に構成され、前記第2調整操作部は、前記投光回路の前記駆動電流を前記予め設定される変化量分だけ増加または減少させるようにすることも好ましい。
【0013】
また、操作することで、前記設定値を初期値にリセットするリセット操作部を有するリセット手段や、電源を入力又は切断することで、前記設定値を初期値にリセットするリセット手段を備えることも好ましい。この初期値を、前記設定値の最高値若しくは最低値としてもよい。
【0014】
また、前記光電スイッチは、制御出力手段を備え、前記第1調整操作部による設定値の変更が可能で、かつ、制御出力手段から出力をしない調整モードと、前記第1調整操作部による設定値の変更を禁止し、前記制御出力手段からの出力を許容する検出モードとのモードを切り替えるモード切替手段を備えてもよい。
【0015】
また、前記第1調整操作部による設定値の変更後に、前記第2調整操作部を操作したときに、設定値の設定が完了したことを報知する設定完了報知手段を備えることも好ましい。この場合、前記第2調整操作部を操作したときに、設定値の設定が前記変化量分の余地がないときに、前記設定完了報知手段により、前記設定値の設定が完了したことを示す報知とは、異なる態様で報知してもよい。
【0016】
また、前記光電スイッチに検出対象を装着する装着部を有し、前記第1調整操作部を操作したときに、前記設定値の変更に伴い、前記受光回路における受光信号の増減が前記設定値の変化と相関性が失われた場合に、前記検出対象が前記装着部に正しく装着されていないと判断して報知する装着エラー報知手段を備えることも好ましい。
【0017】
これらの発明は、前記検出対象が、高速液体クロマトグラフィー用の外径が一定で異なる内径の種類を含むチューブ群において、任意に選択されたチューブ内を流れる液体を検出可能に構成することができる。
【0018】
また、検出領域に光を投光する投光素子と、前記投光素子に所定の駆動電流を与え駆動する投光回路と、前記検出領域からの光を受光する受光素子を備えた受光回路と、前記受光回路からの受光信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段を含み、前記増幅手段を介して前記受光素子から送られてくる受光信号により予め設定される感度の閾値に基づいて動作する制御部を備えた光電スイッチにおいて、感度調整手段を備え、当該感度調整手段は、外部から操作可能な第1調整操作部と、前記第1の調整操作部とは別に設けられる外部から操作可能な第2調整操作部とを備え、前記第1調整操作部の操作により、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を連続的又は段階的に変更するように調整し、前記第2調整操作部の操作により、前記第1調整操作部の操作により変更された設定値を予め設定される変化量分だけ増加または減少させて検出対象を検出する閾値を設定することを特徴とする光電スイッチにおいて、前記設定値を初期値とする第1のステップと、前記第1調整操作部により、受光と遮光が切り替わる設定値に調整する第2のステップと、前記第2調整操作部により、前記設定値を予め設定される変化量分だけ増加または減少させる第3のステップとで実施できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡易な構成で高い精度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施形態の光電スイッチの全体を示す斜視図。
【
図2】第1の実施形態のセンサヘッドの外観を示す斜視図。
【
図3】第1の実施形態のセンサヘッド2の内部構造を示す分解斜視図。
【
図4】(a)~(d)第1の実施形態の投光部と、受光部と、装着部に装着されたチューブとの位置関係を示す模式図。
【
図5】(a)第1の実施形態の中継ユニットの外観を示す正面図。(b)第2の実施形態の中継ユニットの外観を示す正面図。
【
図6】第1の実施形態の光電スイッチの電気回路を模式的に示す図。
【
図7】第1の実施形態の光電スイッチの対象物の検出の手順を示すフローチャート。
【
図8】第1の実施形態の感度調整の設定値の変化を示すグラフ。
【
図9】第2の実施形態の光電スイッチの対象物の検出の手順を示すフローチャート。
【
図10】第2の実施形態の感度調整の設定値の変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した光電スイッチ及び光電スイッチの感度調整方法の一実施形態を
図1~
図8(
図5(b)を除く)を参照して説明する。
【0022】
(実施形態の構成)
<全体構成>
図1は、光電スイッチ1の全体を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の光電スイッチ1は、センサヘッド2と中継ユニット3が接続ケーブル4で連結される。中継ユニット3からは、制御出力信号を送信する送信ケーブル5により、高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置(図示略)に連結されている。
【0023】
<センサヘッド構成2>
図2は、センサヘッド2の外装を示す斜視図である。
図2に示すように、センサヘッド2の外装は、本体ケース20とカバー部材25とにより構成されている。
【0024】
本体ケース20は、例えば硬質樹脂等からなり、平板部21と、平板部21から突出した筒部22とを有している。平板部21には、その厚み方向に貫通するボルト孔23が二箇所に形成されている。本体ケース20は、これらのボルト孔23に挿通された固定ボルト等(図示略)により、例えば壁面等の対象物Sに固定される。
【0025】
カバー部材25は、本体ケース20の筒部22の開口端に取り付けられている。
<チューブT>
ここで、本実施形態における検出対象である液体Lを搬送するチューブTについて先に説明する。高速液体クロマトグラフィーHPLC(High Performance Liquid Chromatography)では、検査対象の液体Lを安定した速度で、途切れなく高圧で送液する。このため、チューブTの内面が平滑で非粘着で汚れにくく、かつ透明性があり、中の状態が目視できるチューブTの材質が要求される。例えば、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene、ポリテトラフルオロエチレン、例えば商品名テフロン(登録商標))が挙げられる。また、ETFE(ethylene tetrafluoro ethylene、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)も挙げられる。また、PFA(Perfluoro Alkoxyl Alkane、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)も挙げられる。また、FEP(Fluorinated Ethylene Propylene、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂)なども挙げられる。
【0026】
このようなチューブT内を圧送される液体Lに気泡などが混入して途切れると、高速液体クロマトグラフィーHPLCに圧送される液体Lの体積が変わり、正確な結果が出ない。
【0027】
そのため、外形は従来の規格でありながら内径の極細のマイクロ流路を備える。例えば、外径が1.6mmで、内径が0.25、0.50mm、1.00mmのようなチューブTが規格化されている。このチューブTの内径は、極めて細い内径であるので、気泡と液体Lを正確に識別して判断することは高い精度が要求される。
【0028】
<装着部51>
図3は、センサヘッド2の内部構造を示す分解斜視図である。次に、カバー部材25の構成について
図3を参照して詳細に説明する。カバー部材25は、例えば黒色の軟質樹脂等により一体成形されており、略矩形状をなす天面Pの長手方向の中央位置には、天面Pの短手方向の一端から他端に亘って直線状に延びる凹溝50が形成されている。凹溝50の底面には、円弧状に湾曲して凹溝50の長手方向の全域に亘って延びる一対の弾性片51A,51Bが形成されている。一対の弾性片51A,51Bの先端縁は、チューブTが挿抜される開口端を形成している。この一対の弾性片51A,51Bは、チューブTを挟持して保持する装着部51を構成する。この装着部51の一対の弾性片51A,51Bに挟持されたチューブTの領域が検出領域となる。
【0029】
<チューブTの装着>
カバー部材25において、外側に露出する装着部51に、光電スイッチ1の測定対象となる液体Lを搬送する透光性のチューブTが保持される。ここで、装着部51にチューブTを装着する方向をチューブTの装着方向とする。センサヘッド2を対象物Sに取り付ける方向、すなわち対象物Sにおいて本体ケース20を取付ける面に垂直な方向と同じ方向である装着方向からチューブTを装着部51に押し付けて弾性片51A,51Bを撓ませて装着する。
【0030】
<センサヘッド2の内部構成>
図3に示すように、本体ケース20の筒部22には、チューブT内の液体の有無を検知するセンサユニット30が収容されている。センサユニット30は、基板フレーム31と、投光フレーム32と、受光フレーム33とを有している。基板フレーム31は、一方向に細長く延びている。投光フレーム32と受光フレーム33は、基板フレーム31の長手方向の一端及び他端から、それぞれ対向するように垂直に立設されている。
【0031】
基板フレーム31は、ボトムフレーム部31A、サイドフレーム部31B、カバーフレーム部31Cを含む。ボトムフレーム部31Aには液体センサにおける各種の動作を制御する回路素子34が実装されている。サイドフレーム部31Bは四角枠状をなし、回路素子34を囲む。カバーフレーム部31Cは、ボトムフレーム部31Aとサイドフレーム部31Bとにより囲まれた回路素子34の実装空間を閉塞する。なお、カバーフレーム部31Cは、一方向に細長く延びており、その長手方向の一端及び他端には第1の嵌合部35及び第2の嵌合部36がそれぞれ設けられている。第1の嵌合部35及び第2の嵌合部36には、投光フレーム32及び受光フレーム33がそれぞれ嵌合される。これにより、基板フレーム31に投光フレーム32と受光フレーム33が対向する位置で固定される。
【0032】
また、カバー部材25は、本体ケース20の筒部22にセンサユニット30が収容された状態で、本体ケース20の筒部22の開口を閉塞するようにカバー部材25が嵌合されている。このとき、カバー部材25に形成された挿通孔40と本体ケース20に形成された挿通孔41とが重なるように配置される。これら重なり合った挿通孔40,41に対して本体ケース20の外側から位置決めピン43が挿入されている。この位置決めピン43は、センサユニット30における基板フレーム31のカバーフレーム部31Cに対して上方から接触することで、本体ケース20の筒部22内でのセンサユニット30の収容位置を位置決めする役割を果たす。
【0033】
<投光素子12と受光素子14>
図3に示すように対向して設けられた投光フレーム32と受光フレーム33の内部には、投光素子12(
図4、
図6参照)と、受光素子14(
図4、
図6参照)がそれぞれ配置される。
図2に示すようにカバー部材25が本体ケース20に嵌合された状態では、投光素子12と受光素子14とがスリット52を介して互いに対向するように配置される。そして、投光素子12からスリット52の形成方向に照射される検出光SLは、カバー部材25に形成された通過孔から凹溝50内に入射される。また、この検出光SLは、凹溝50内において一対の弾性片51A,51Bの各々に形成されたスリット52を介して一対の弾性片51A,51Bの間の空間に配置されたチューブTとその内部を流れる液体Lを通過する。その後、カバー部材25に形成された通過孔を介して受光素子14に受光される。すなわち、チューブTは、投光素子12と受光素子14との間に形成される検出光SLの光軸AX上に配置されている。
【0034】
<投光素子12と受光素子14とチューブTの位置関係>
図4(a)~(d)は、投光素子12と受光素子14と装着部51に装着されたチューブTの位置関係を示す模式図である。実際には、例えば外径が1.6mm、内径が0.25~1.0mm程度であるが、説明のため、内径に対し、外径が小さく図示(つまり、図面上は内径と外径の比は一致していない)されている。
【0035】
上述のとおり、装着部51に装着されたチューブTは、
図4(a)に示すような投光素子12と受光素子14が対向した位置関係となり、装着部51に装着されたチューブTとその内部を流れる液体Lを検出光SLが透過可能な位置関係になる。
【0036】
<中継ユニット3の外観>
図5(a)は中継ユニット3の外観を示す正面図である。
図5(a)に示すように、中継ユニット3の正面には、操作パネル6が形成されている。操作パネル6には、光電スイッチ1のオン状態/オフ状態の動作状態を表示する動作表示灯7が配設される。また、余裕度を表示する余裕度表示灯8が配設される。動作表示灯7及び余裕度表示灯8は、例えばLEDから構成され、その点灯・消灯の状態で、所定の状態を報知することができる。
【0037】
操作パネル6は、感度調整ボリューム9aを有する。感度調整ボリューム9aは、指先若しくはドライバーなどで回動可能なねじが設けられ、ここに接続された可変抵抗などを変更して感度(設定値)を変更することができる。この感度調整ボリューム9aが本発明の感度調整手段の一例である。
【0038】
また、操作パネル6には、モード切替スイッチ10を有する。モード切替スイッチ10は、手動操作が可能な切り替えスイッチで、モード(光電スイッチの状態)を切り換えるために使用する。本実施形態では、モード切替スイッチ10が、第2調整操作部として機能する。
【0039】
また、中継ユニット3の図において上側には、センサヘッド2との接続ケーブル4と接続可能な接続ケーブルコネクタ(不図示)を有する。また、中継ユニット3の図において下側には、高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置(
図6参照)側に接続する送信ケーブル5を有する。この送信ケーブル5で、制御出力手段である制御部17から高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置への信号を送信する。
【0040】
<電気回路の概要>
図6は、光電スイッチ1の電気回路を模式的に示す図である。制御部17は、光電スイッチ1全体の制御を司る回路である。制御部17は、投光回路13に制御信号を送出し、投光回路13は投光素子12を発光させる。発光した投光素子からの検出光SLは、検出対象であるチューブTで搬送される液体Lを介して、受光素子14に入光する。検出光SLを受光した受光素子14は、受光信号を受光回路15に送出する。受光信号を受信した受光回路は、A/D変換など信号を整えて増幅手段16に送信する。整えられた受光信号を受信した増幅手段16は、設定された増幅率で受光信号を増幅し、増幅された受光信号は制御部17に送信される。
【0041】
感度調整ボリューム9a(
図5(a))は、可変抵抗に接続されており、これを回転させてアナログ的に調整することで、電源(不図示)から投光回路13に印加する電流値を連続的に変化させる。そして、投光素子12からの検出光SLの発光量を連続的に変化させることができる。投光素子12の検出光SLの発光量を変化させて、制御部17が受光素子14が受光する光量に基づいた受光信号を監視し、所定の閾値を超えまたは所定の閾値未満となったか否かを判断する。
【0042】
モード切替スイッチ10をADJ(感度調整モード)に切り替えたときには、感度調整ボリューム9aによる感度調整が行われている間は余裕度表示灯8が消灯している。動作表示灯7が点灯又は消灯して感度調整が完了したときに、モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替えると、検出モードに切り替わるとともに、以下、実施形態で説明する制御動作によって、余裕度表示灯8が点灯する。図示は省略したが、制御部17は、このモード切替スイッチ10のADJ(感度調整モード)又はRUN(検出モード)の状態を検出している。
【0043】
制御部17は、所定の手順で設定された閾値に基づいて、オン状態若しくはオフ状態を示す信号を制御出力信号として高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置に送信する制御出力手段を構成する。
【0044】
(実施形態の作用)
<測定原理>
次に、本実施形態の光電スイッチ1の測定原理について
図4(a)~(d)を参照して説明する。
【0045】
検出光SLは、2つの媒質の境界(界面)を通過するとき、2つの媒質の屈折率の差に応じて屈折する。空気Aから、チューブ外周面Tbに入射するとき、及びチューブ内周面Taからチューブ内の空気Aに入射するときなどは、屈折率が大きく異なることから大きな屈折を生じる。
【0046】
一方、液体LとチューブTの屈折率は略同等に調整されており、その界面であるチューブ内周面から液体Lに入射するとき、及び液体Lからチューブ内周面Taに入射するときにおいて屈折は少なく、ほぼ直進に近い進路をとる。
【0047】
図4(a)において、チューブTの内部は液体Lで満たされている。一方、
図4(b)において、チューブTの内部は気泡等による空気Aで満たされている。
<液体Lが存在する場合>
図4(a)において、投光素子12から射出された検出光SLは、集光しながら、チューブTの中心Oよりやや下向きの方向でチューブ外周面Tbに入射する。入射すると、この界面では、上側に屈折し、屈折した検出光SLは、ほぼ中心Oに向けて進む。このため、液体Lに対する入射角はほぼ0度となり、屈折はほとんどおきない。また、ほぼ中心Oを通過する検出光SLは、液体Lとチューブ内周面Taとの界面でもほぼ屈折しない。なお、多少検出光SLの進路がぶれた場合でも、屈折率が小さいので、チューブ外周面Tbでは概ね直進するように進行する。さらに、チューブ外周面Tbと空気Aとの界面でも検出光SLがほぼ中心Oを通過するため、チューブ外周面Tbから空気Aへの入射角が小さく、屈折率が大きく異なる場合でも屈折は小さい。その結果、検出光SLは受光素子14には入射しない進路をとる。
【0048】
<液体Lが存在しない場合>
一方、
図4(b)に示すようにチューブTの内部に気泡などの存在により液体Lが存在しない場合は、投光素子12から射出された検出光SLは、チューブ内周面Taまでは同じ光跡を辿る。しかし、チューブ内周面Taと空気Aとの界面は、屈折率が大きいため、大きく界面に近づくように(
図4(b)においては下方に)屈折する。このような光路を進む検出光SLは、空気Aからチューブ内周面Taに入射するとき、屈折率の違いが大きいことと、入射角が大きいことから大きく屈折する。また、チューブTの内部から、チューブ外周面Tbと空気Aとの界面でも屈折率の違いが大きいことと、入射角が大きいことから大きく屈折する。その結果、検出光SLは、受光素子14に向かう進路となり、検出光SLは、受光素子14の受光素子14に入射される。
【0049】
検出光SLが受光素子14に入射すると、
図6に示すように受光信号が受光回路15を介して、増幅手段16で増幅され、制御部17に送信される。
<チューブ内周面Taの内径が小さい場合>
なお、高速液体クロマトグラフィーHPLC用のチューブTは、外径が一定(例えば1.6mm)であっても、液体Lの搬送量が異なる場合がある。このため、これに応じて異なる内径(0.25mm~1.00mm)の複数種類を含むチューブ群において、任意に選択される場合がある。本実施形態では、そのような内径が異なった場合でもチューブT内を流れる液体Lを検出可能に構成されている。
【0050】
このような場合を
図4(c)及び(d)を参照して説明する。
図4(c)に示すように、内部に液体Lが存在するが、
図4(a)よりチューブ内周面Taの内径が小さい場合を説明する。投光素子12から射出された検出光SLは、集光しながら、チューブTの中心Oより下向きにチューブ外周面Tbに入射する。入射すると、この界面では、上側に屈折し、屈折した検出光SLは、ほぼ中心Oに向けて進む。ここまでは
図4(a)と同様である。こののち、液体Lに対する入射角はほぼ0度となり、屈折は極めて小さい。なお、多少検出光SLの進路がぶれた場合でも、入射角が小さいので、チューブ外周面Tbでは概ね直進するように進行する。その結果、検出光SLは受光素子14には入射しない進路をとる。
【0051】
また、
図4(d)に示すように、
図4(b)に示すチューブ内周面Taより内径が小さく、内部に液体Lが存在しない場合では、投光素子12から射出された検出光SLは、チューブ内周面Taまでは
図4(b)と同じ光跡を辿る。しかし、チューブ内周面Taと空気Aとの界面は、屈折率が大きいため、大きく界面に近づくように(
図4(b)においては下方に)屈折する。チューブ内周面Taの径が異なる場合では入射角が多少異なり、若干光路がずれるが、そのずれは小さく、検出光SLは、受光素子14に入射する。
【0052】
このように、本実施形態の光電スイッチ1では、規格に基づいたチューブTを正しく装着部51に装着する限り、チューブT内の気泡などによる液切れを正しく検出できる。ただし、内径や、チューブTの透過度などからその閾値は変わってくるため、感度調整が必要となってくる。
【0053】
<受光素子14の配置>
なお、この実施形態では、チューブTに液体Lが存在しないときに受光素子14に検出光SLが入射するように構成されている。あるいは、
図4(a)~(d)に一点鎖線で示す受光素子14´をチューブTに液体Lが存在するときに検出光SLが入射する位置に配置することもできる。この場合は、チューブTをセットする場合に、チューブTに液体Lが充填された状態で感度調整が行われる。
【0054】
<検出信号の生成>
なお、上記受光素子14の配置の他、チューブ内周面Taの内径の差による入射角の差の他、各界面における光線の反射、散乱も素材や表面処理が異なると差ができる。さらに、チューブTの透過率、液体L自体の透過率なども異なるため、検出の対象物である液体Lの検出の閾値は、その都度異なることとなる。そのため、本実施形態でいう感度調整(設定値の設定)が必要となる。
【0055】
また、受光素子14に検出光SLが入光した場合にオン状態となるライトオンのタイプがある。また、受光素子14への検出光SLの入光が遮光された場合にオン状態となるダークオンのタイプがある。これらのタイプにより、制御部17からのオン状態又はオフ状態を判定する出力である検出信号は、それらに応じて異なるものとなる。
【0056】
受光素子14は、受光量に応じたレベルの受光信号を出力し、増幅手段16で増幅する。制御部17では、この受光信号のレベル(たとえば電流値)を所定の閾値と比較し、対象物の有無に応じたレベルの検出信号が生成される。検出信号は、制御出力信号として高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置(図示略)に送信される。
【0057】
<光電スイッチの対象物の検出の手順>
図7は、本実施形態の光電スイッチ1の対象物の検出の手順を示すフローチャートである。
図8は、感度調整の設定値(ここでは投光回路13の駆動電流)を示すグラフである。縦軸が設定値で、Maxが最大出力、Minが最低出力(この場合はゼロ)、Thは、第2のステップにおける感度調整ボリューム9aで設定した対象の有無を検出可能な閾値、Mは予めマージンとして設定される変化量分を示す。
【0058】
このような構成と作用を備えた本実施形態の光電スイッチ1を用いた、対象物であるチューブT内の液体Lの有無の検出の手順について
図7及び
図8を参照して説明する。
この手順は、大きく、3つのステップから構成される。まず、感度調整ボリューム9aにより設定値を最低値若しくは最高値にリセットする第1のステップである。次に、感度調整ボリューム9aにより、受光と遮光が切り替わる設定値に調整する第2のステップである。そして、モード切替スイッチ10により、モードを切り替えるとともに設定値を予め設定される変化量分Mだけ増加または減少させる第3のステップである。
【0059】
<検出の準備>
まず、検出の対象となるチューブTを光電スイッチ1のセンサヘッド2の装着部51に装着する(S1)。このとき、モード切替スイッチ10は、予めADJ(感度調整モード)に切り替えておく。ここでは、チューブTに液体Lがない状態のものをセットする。
【0060】
<第1のステップ>
第1のステップは、感度調整を開始するにあたり、設定値の初期化を行うことを目的とする。光電スイッチ1には、ライトオン(照度が低いときにオフ状態で、照度が閾値を超えるとオン状態になるタイプ)と、ダークオン(照度が高いときにオフ状態で、照度が閾値を下回るオン状態になるタイプ)がある。本実施形態では、ライトオンのタイプの検出を行う。
【0061】
このタイプでは投光回路13の駆動電流を制御することで、感度の調整を行っている。そのため、まず検出光SLの光量を遮断し、完全にオフ状態とする。そのためには、感度調整ボリューム9aの目盛りをMINの方に絞り切って駆動電流の設定値をゼロとする(S2)。そうすると、
図8に示すように、破線から右下がりの設定値(駆動電流)となり、投光素子12から射出される検出光SLの光量はゼロとなる(S3)。そのため、受光素子14で受光する検出光SLの検出は基本的にゼロとなる。「基本的」としたのは、環境からの外乱や、いわゆるホワイトノイズなどの影響が生じうるからである。このときライトオンタイプの光電スイッチ1であるので、動作表示灯7が消灯、すなわち光電スイッチ1はオフ状態となっている。
【0062】
なお、実施形態では、確実にオフ状態とするため、一律に感度調整ボリューム9aの目盛りを完全にMINの方に絞り切って駆動電流の設定値をゼロとした。しかし、例えば、動作表示灯7を監視しながら、
図8の一点鎖線で示す閾値Thより下の設定値でオフ状態となったことを確認したところで調整を止めても第1のステップは実行することができる。
【0063】
<第2のステップ>
第2のステップでは、一旦、第1のステップで感度調整ボリューム9aの目盛りをMINの方に絞り切って設定値をゼロとする。ゼロとした設定値を、逆に感度調整ボリューム9aの目盛りをMAXの方へ徐々に回転してアナログ的に操作していき、設定値を連続的に上げていく(S4)。なお、本実施形態でいう「連続的」とは、典型的には可変抵抗で連続的に上がっていく場合だが、アナログ的な操作により抵抗値が「段階的」に変化するようなものでもよい。回転していくと、
図8に示す右上がりのグラフのように設定値(駆動電流)が次第に大きくなり、投光素子12から検出光SLの照度が高くなって、受光素子14に入射される検出光SLの光量が大きくなる。このように設定値を上げていくと(S5:NO⇒S4)、設定値が
図8のThに達した位置で、動作表示灯7がオン状態を示すように点灯する(S5:YES)。このとき制御部17は、受光信号を閾値と比較して、閾値を超えたライトオンの状態と判断したことになる。ここで、感度調整ボリューム9aによる調整を止める(S6)。この時の設定値(駆動電流)は、
図8に示す水平部分のThである。
【0064】
このとき、モード切替スイッチ10は、予めADJ(感度調整モード)に切り替えてあるので、光電スイッチ1の制御出力信号が高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置に不用意に送信されることはない。
【0065】
<第3のステップ>
次に、モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替える(S7)。モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替えると、制御部17はモードがRUN(検出モード)に切り替わったことを検出する。制御部17は、感度調整ボリューム9aにより設定された設定値に対して、予め設定される変化量分Mだけ設定値を一気に増加させて検出対象を検出する閾値を設定する。この時の設定値(駆動電流)は、
図8に示すようにTh+Mとなる。
【0066】
なお、モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替えた場合には、感度調整ボリューム9aを回転させても設定値は変更できなくなるような構成としてもよい。
さらに、モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替えた場合に初めて、光電スイッチ1の制御出力信号が高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置に送信されるような構成としてもよい。
【0067】
<制御部17での設定>
モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替えると、制御部17はモードがRUN(検出モード)に切り替わったことを検出し、余裕度表示灯8を点灯させて、光電スイッチ1がRUN(検出モード)であることを報知する(S8:点灯⇒終了)。
【0068】
この場合、制御部17は、感度調整ボリューム9aにより設定された設定値に対して、予め設定される変化量分Mだけ駆動電流を増加させた設定値を設定する。そしてこの設定値に基づく駆動電流で投光素子12により検出光SLを射出する。そして、制御部17は、受光素子14が受光した時の受光信号に基づいて検出対象を検出する閾値を設定する。
【0069】
<余裕度の可否の判定と表示>
このとき制御部17では、この設定された閾値が、投光回路13への駆動電流の調整では調整しきれない範囲となった場合がある。この場合、以下のような構成とすることもできる。つまり
図8において示す一点鎖線の部分のように設定された設定値TH+M´がTh+M´>Maxの関係になったような場合は、予め設定される変化量分M´だけの余裕度が確保されないと判断する。
【0070】
この場合、制御部17では、余裕度表示灯8を点灯させる替わりに、余裕度表示灯8を点滅させて適切な閾値の設定ができなかったことをユーザに報知する(S8:点滅)。
この場合は設定が失敗であったとして、この光電スイッチ1では、対象となるチューブT内の液体を検知できない(S9)。その理由としては、チューブTの透明度が低く、この光電スイッチ1の駆動電流をMaxにして検出光SLを最大照度とした場合でも受光素子14に入光する検出光SLの照度が不足する場合などが考えられる。この場合は、チューブTを適切な透明度のものに交換するなどする必要がある。
【0071】
<設定後の光電スイッチ1の作用>
本実施形態では、
図4(b)の状態となったときに、空気混入で液切れと判断して、制御出力信号を光電スイッチ1から高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置の制御装置(図示略)に発信する。つまり、受光素子14に閾値以上の検出光SLが入力された場合にエラーとして検出するのが基本動作である。
【0072】
この場合、仮にライトオンした時点の第2のステップにおける設定値を最終的な設定値とすると、誤検出をする場合がある。例えば、部からの光線の入射や、光電スイッチ1自体のホワイトノイズや、外部からの電磁的ノイズなどの外乱である。このため、閾値よりわずかに大きい受光信号を受信すると、検出対象であるチューブT内の気泡による空気Aが存在すると誤検出をしてしまうおそれが大きい。しかし、第3のステップで予め設定される変化量分Mだけ設定値を増加させて検出対象を検出する閾値を設定しているので、そのような誤検出を抑制することができる。
【0073】
また、モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替えると、制御部17はモードがRUN(検出モード)に切り替わったことを検出し、設定値の変更を規制するようにしてもよい。そうすれば、RUN(検出モード)において設定値が不用意に変わってしまうことが防止できる。
【0074】
光電スイッチ1の作業が完了したら、電源を落とし、次の作業では、再び第1のステップから、設定を行う。
(実施形態の効果)
本実施形態は、このような構成を備えるため、以下のような効果を奏する。
【0075】
(1)本実施形態の光電スイッチ1では、適切な閾値を設定できる。このため、対象物の検出、特に高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置に用いる極細のチューブT内に流れる液体Lに含まれる微小な気泡などに由来する液体の途切れを正確に検出することができる。
【0076】
(2)特に閾値は、予め設定される変化量分Mだけ設定値を増加させているので、誤検出を抑制できる。例えば、実際にはチューブT内に液体Lが存在していても、光電スイッチ1自体のホワイトノイズや、環境からの電磁的ノイズなどの外乱があったときに、誤検出が起きる場合である。このような場合に、変化量分Mがマージンとして誤検出を抑制する。
【0077】
(3)設定値の設定は、実際にチューブTをセンサヘッド2に装着して行うので、そのチューブTに応じた設定値とすることができる。
(4)設定は、第1のステップから、第3のステップの簡単な作業であるので、熟練を有していない者でも短時間に間違いなくできる。
【0078】
(5)モード切替スイッチ10によりADJ(調整モード)と、RUN(検出モード)に切り替えることができる。ADJ(調整モード)では、設定値が調整可能である。このとき、RUN(検出モード)のみで制御出力信号の送出が可能となるようにする。そうすれば、ADJ(調整モード)では不用意に高速液体クロマトグラフィーHPLCの制御装置に制御出力信号の送出を規制することができ、設定前の制御出力信号を誤送付しないようにすることができる。
【0079】
(6)また、RUN(検出モード)では、設定値の調整を禁止するようにした場合は、不用意に設定値が変更されないようになる。
(7)なお、チューブTの装着は、弾性片51A、51Bを弾性変形させて装着部51に挟持させるだけで、簡単に正確な位置に装着することができる。
【0080】
(8)光電スイッチ1のオン状態とオフ状態は、動作表示灯7で一見して判断できるため、第1のステップでの感度調整も、この動作表示灯7の点灯・消灯を見れば簡単に調整できる。
【0081】
(9)適切な閾値の設定ができなかったときには、余裕度表示灯8を点滅させてユーザに報知するようにした場合は、不適当な設定値を設定することを回避することができる。
(10)感度調整のための設定値は、投光回路13の投光素子12への駆動電流であるので、S/N比(信号対ノイズ比)の影響を受けにくい。例えば、チューブTのチューブ内周面Taの径が変わって感度調整が必要となる場合、受光素子14に対して入射する検出光SLの絶対光量が大きい方が検出が安定する。
【0082】
一方、受光回路15の受光感度や、増幅手段16の増幅率により、感度調整をすることもできる。しかしながら、この場合、信号Sに連動しノイズNも変わるため、S/N比としては変化がない。閾値も投光素子12の光量が厳しくなると閾値を調整する事には限界があります。この点、駆動電流により調整する場合は、受光素子14に定常状態で入射する受光量を適切にすることができるため有効である。
【0083】
(別例)本実施形態は、以下のように実施することができる。
〇本実施形態の光電スイッチ1では、ライトオンのタイプの光電スイッチ1で説明したが、ダークオンのタイプの光電スイッチ1でも、同じ技術的思想で実施することができる。この場合は、ライトオンのタイプの場合、第2のステップで、非入光(遮光)状態から入光(受光)状態で、第3のステップに移行する。一方、ダークオンのタイプの場合は、入光(受光)状態から非入光(遮光)状態になった時、つまり消灯していた動作表示灯7が点灯するタイミングとなる。
【0084】
〇本実施形態の光電スイッチ1では、チューブT内に液体Lがない場合に、検出光SLが受光素子14に入射する構成となっているが、これに替えてチューブT内に液体Lがある場合に、検出光SLが受光素子14´に入射するような位置の構成とすることもできる。この場合は、
図4(a)~(d)に示す受光素子14の位置を受光素子14´の位置とする。
【0085】
○本実施形態では、第1のステップで設定値をいったんMin(ゼロ)とした。しかし、最初にMax(最大値)として、第2のステップで、Max(最大値)から設定値を下げることで、オン状態からオフ状態に変わる点、若しくはオフ状態からオン状態に変わる点を検出するような構成とすることもできる。
【0086】
(第2の実施形態)
図5(b)は、第2の実施形態の中継ユニット3を示す正面図である。
図9は、第2の実施形態の光電スイッチの対象物の検出の手順を示すフローチャートである。
図10は、第2の実施形態の感度調整の設定値を示すグラフである。
【0087】
以下、第1のステップと第2のステップを自動化した光電スイッチ1の第2の実施形態を
図5(b)、
図9、
図10を参照して説明する。第2の実施形態の構成は、第1の実施形態の感度調整ボリューム9aを感度調整ボタン9bとし、ワンタッチのボタン操作により感度調整を行う。また、リセット操作部であるリセットボタン11を備えたリセット手段により、第1のステップも、ワンタッチのボタン操作によりリセットを行う。
【0088】
<第2の実施形態の具体的構成>
図5(b)に示すように、中継ユニット3の操作パネル6には、第1の実施形態の感度調整ボリューム9aに替えて、感度調整ボタン9bを備えている。また、第1の実施形態にはないリセットボタン11を備えている。
【0089】
モード切替スイッチ10がADJ(調整モード)に切り替えられているときにリセットボタン11を操作すると、制御部17は、設定値を初期値にリセットする。
また、感度調整ボタン9bを操作すると、制御部17は、リセットされた設定値をアナログ的に増加させていく。この場合、厳密に連続的な増加でなくても、段階的に増加させるディジタル処理でもよいことは言うまでもない。そして、オフ状態からオン状態になったら、制御部17は、設定値の増加をやめる。
【0090】
<光電スイッチの対象物の検出の手順>
図9は、本実施形態の光電スイッチの対象物の検出の手順を示すフローチャートである。
図10は、感度調整の設定値(ここでは投光回路13の駆動電流)を示すグラフである。縦軸が設定値で、Maxが最大出力、Minが最低出力(この場合はゼロ)、Thは、感度調整ボリューム9aで設定した対象の有無を検出可能な閾値、Mは予めマージンとして設定される変化量分を示す。
【0091】
第1の実施形態と同じ部分は説明を省略する。
まず、モード切替スイッチ10をADJ(調整モード)して、チューブTをセットする(S11)。次にリセットボタン11を操作する(S12)。リセットボタン11を操作すると、
図10に示すように、制御部17がそれまで設定値(投光回路13へ駆動電流)がいくつであっても設定値をオフ状態となる初期値にリセットする。第2の実施形態では、初期値はMin(ゼロ)になるようにリセットする。そうすると投光素子12から検出光SLは遮光状態となる(S13)。ここまでが第1のステップに相当する。
【0092】
次に、感度調整ボタン9bを操作する(S14)。そうすると、制御部17は、
図10に示す右上がりのグラフのようにゼロリセットされた設定値を自動的に増加させる。制御部17は、受光回路15からの受光信号を監視する。
【0093】
ここで、
図10の右上がりの破線で示すように、設定値の増加と、受光量の増加を比較して、リニアな増大ではなく、受光信号が不安定で設定値(駆動電流)との相関関係が崩れたと判断した場合は、正常に検出が行われていないものと判断する(S15:NO)。その場合は、設定が失敗と判断して例えば、余裕度表示灯8を点滅するなどして報知する(S16)。この場合は、余裕度表示灯8が装着エラー報知手段を構成する。
【0094】
一方、
図10に示す右上がりの実線で示すように、設定値の増加と、受光量の増加を比較して、受光信号の増大が設定値(駆動電流)の増加と安定した相関関係が保たれ、リニアに増大した場合は、正常に検出したとする。そして、オフ状態からオン状態になるように設定値の増加を続ける(S15:YES)。
【0095】
制御部17は、Thの設定値で光電スイッチ1がオフ状態からオン状態になったことを検出したら、設定値の増加を止め、感度調整を完了する。ここまでが、第2のステップに相当する。
【0096】
続いて、モード切替スイッチ10をRUN(検出モード)に切り替えると、制御部17はモードがRUN(検出モード)に切り替わったことを検出する。そして、制御部17は、余裕度表示灯8を点灯させて、光電スイッチ1がRUN(検出モード)であることを報知する(S8:点灯⇒終了)。このとき、設定値はTh+Mとなっている。
(実施形態の効果)
第2の実施形態は、このような構成を備えるため、第1の実施形態の効果以外の以下のような効果を奏する。
【0097】
(11)リセットボタン11を設けたため、第1のステップにおける設定値のリセットを簡単にすることができる。
(12)また、感度調整ボタン9bの操作で制御部17が自動的に光電スイッチ1がオフ状態からオン状態に変わる設定値とするため、第2のステップにおける設定値の調整が簡単に行うことができる。
【0098】
(13)第2のステップにおける設定値の調整において、受光回路15からの受光信号が不安定な場合をエラーとして検出することができる。受光信号が不安定な場合は、例えば、チューブTの装着部51への装着が不安定になっている場合が原因として挙げられ、このような状態を未然に発見することで、その後の対象物の検出における誤動作を未然に防止することができる。また、近接した電磁ノイズの発生源なども回避することができる。
【0099】
(別例)本実施形態は、以下のように実施することができる。
○設定値のリセットは、投光回路13への駆動電流をMin(ゼロ)にするリセットを例示したが、リセットは、設定値をMax(最大値)とするものでもよい。また、リセットは、最大値又は最小値でなく、中間値に設定するようにしてもよい。
【0100】
第1の実施形態に示したように、ライトオン/ダークオン、受光素子14、14´の位置などにより選択される。また、設定値を、投光回路13への駆動電流/受光回路15の受光感度/増幅手段16の増幅率のいずれにするかなどにより選択する。
【0101】
○設定値のリセットは、リセットボタン11を操作することで行われたが、電源の入り切りした時の制御部17の処理のルーチンに組み込んでもよい。あるいは、モード切替スイッチ10をリセット操作部としてRUN(検出モード)からADJ(調整モード)に切り替えた時などを契機に、リセットするようにしてもよい。
【0102】
○第1の実施形態のように、手動でアナログ操作を行う感度調整ボリューム9aを備えた態様では、リセットボタン11を操作すると、感度調整ボリューム9aの目盛りと設定値に齟齬が生じる。そのため、感度調整ボリューム9aは、無限回転のロータリー式ポテンショメータとして、操作位置に関係なくロータリーエンコーダで回転量を検出して感度調整ができるものとすれば、リセット手段を設けてもそのような齟齬が生じない。
【0103】
○受光信号の不安定さを検出するのは、RUN(検出モード)に行うようにしてもよい。この場合は、通常の受光信号から一定の幅を超えた変化があったような場合に、異常と判断する。
【0104】
○感度調整ボリューム9a、感度調整ボタン9b、モード切替スイッチ10、リセットボタン11などは、実施形態の態様に限定されず、例えば、接続したPCによる操作、タッチパネルによる操作など、操作が可能であればその態様は限定されない。
【0105】
(その他の変形例)
○本発明は、上記した実施形態には限定して解釈されない。特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で、当業者により構成を付加、削除あるいは変更して実施できることは言うまでもない。
【0106】
○記載したフローチャートは一例であり、その順序を変えたり、手順を付加、削除したり、あるいは変更して実施できることは言うまでもない。
○各実施形態に例示した構成は、相互に組み合わせを変えて実施できる。
(付記)
本発明は、以下のように組み合わせても実施することができる。
(付記1)
検出領域に光を投光する投光素子と、
前記投光素子に所定の駆動電流を与え駆動する投光回路と、
前記検出領域からの光を受光する受光素子を備えた受光回路と、
前記受光回路からの受光信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段を含み、
前記増幅手段を介して前記受光素子から送られてくる受光信号により予め設定される感度の閾値に基づいて動作する制御部を備えた光電スイッチにおいて、
感度調整手段を備え、
当該感度調整手段は、外部から操作可能な第1調整操作部と、前記第1調整操作部とは別に設けられる外部から操作可能な第2調整操作部とを備え、
前記第1調整操作部の操作により、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を連続的又は段階的に変更するように調整し、
前記第2調整操作部の操作により、前記第1調整操作部の操作により変更された設定値を予め設定される変化量分だけ増加または減少させて検出対象を検出する閾値を設定することを特徴とする光電スイッチ。
(付記2)
前記第1調整操作部は、外部から操作可能に構成され、
当該第1調整操作部の操作を契機に、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を、受光と遮光が切り替わる感度に連続的又は段階的に調整するように構成されたことを特徴とする付記1に記載の光電スイッチ。
(付記3)
前記第1調整操作部は、外部からアナログ操作可能に構成され、
前記第1調整操作部のアナログ操作に応じて、前記投光回路の前記駆動電流、前記増幅手段の前記増幅率、前記受光回路の受光感度のうち、少なくとも1種類の設定値を受光と遮光が切り替わる感度に連続的又は段階的に変更可能に構成されたことを特徴とする付記1に記載の光電スイッチ。
(付記4)
前記第1調整操作部は、前記投光回路の前記駆動電流を連続的又は段階的に変更可能に構成され、
前記第2調整操作部は、前記投光回路の前記駆動電流を前記予め設定される変化量分だけ増加または減少させることを特徴とする付記1~3のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
(付記5)
操作することで、前記設定値を初期値にリセットするリセット操作部を有するリセット手段を備えたことを特徴とする付記1~4のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
(付記6)
電源を切断又は入力することで、前記設定値を初期値にリセットするリセット手段を備えたことを特徴とする付記1~5のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
(付記7)
前記初期値が、前記設定値の最高値若しくは最低値であることを特徴とする付記5又は6に記載の光電スイッチ。
(付記8)
前記光電スイッチは、制御出力手段を備え、
前記第1調整操作部による設定値の変更が可能で、かつ、制御出力手段から出力をしない調整モードと、
前記第1調整操作部による設定値の変更を禁止し、前記制御出力手段からの出力を許容する検出モードとのモードを切り替えるモード切替手段を備えたことを特徴とする付記1~7のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
(付記9)
前記モード切替手段が、前記第2調整操作部であることを特徴とする付記8に記載の光電スイッチ。
(付記10)
前記第1調整操作部による設定値の変更後に、前記第2調整操作部を操作したときに、設定値の設定が完了したことを報知する設定完了報知手段を備えたことを特徴とする付記1~9のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
(付記11)
前記第2調整操作部を操作したときに、設定値の設定が前記変化量分の余地がないときに、前記設定完了報知手段により、前記設定値の設定が完了したことを示す報知とは、異なる態様で報知することを特徴とする付記10に記載の光電スイッチ。
(付記12)
前記光電スイッチに検出対象を装着する装着部を有し、前記第1調整操作部を操作したときに、前記設定値の変更に伴い、前記受光回路における受光信号の増減が前記設定値の変化と相関性が失われた場合に、前記検出対象が前記装着部に正しく装着されていないと判断して報知する装着エラー報知手段を備えたことを特徴とする付記1~9のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
(付記13)
前記検出対象が、高速液体クロマトグラフィー用の外径が一定で異なる内径の種類を含むチューブ群において、任意に選択されたチューブ内を流れる液体を検出可能に構成されたことを特徴とする付記1~12のいずれか一項に記載の光電スイッチ。
【符号の説明】
【0107】
1…光電スイッチ
2…センサヘッド(検出部)
3…中継ユニット
4…接続ケーブル
5…送信ケーブル
6…操作パネル
7…動作表示灯
8…余裕度表示灯(設定完了報知手段・装着エラー報知手段)
9a…感度調整ボリューム(第1調整操作部)
9b…感度調整ボタン(第1調整操作部)
10…モード切替スイッチ(第2調整操作部)
11…リセットボタン(リセット操作部)
12…投光素子
13…投光回路(駆動電流)
14、14´…受光素子
15…受光回路(受光感度)
16…増幅手段(増幅率)
17…制御部
20…本体ケース
21…平板部
22…筒部
23…ボルト孔(取付部)
25…カバー部材(保持部材)
30…センサユニット
31…基板フレーム
31A…ボトムフレーム部
31B…サイドフレーム部
31C…カバーフレーム部
32…投光フレーム
33…受光フレーム
34…回路素子
35…第1の篏合部
36…第2の篏合部
40,41…挿通孔
43…ピン
50…凹溝
51…装着部
51A,51B…弾性片
P…天面
S…対象物
T…チューブ
Ta…チューブ内周面
Tb…チューブ外周面
O…(チューブTの)中心
SL…検出光
AX…光軸
L…液体
A…空気
ADJ…調整モード
RUN…検出モード
Max…設定値の最大値
Min…設定値の最小値
Th…(第2のステップにおける)閾値
M、M´…変化量分
HPLC…高速液体クロマトグラフィー