(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】部品供給装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231208BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2022125436
(22)【出願日】2022-08-05
(62)【分割の表示】P 2020169281の分割
【原出願日】2013-12-10
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】樋口 元寛
(72)【発明者】
【氏名】木谷 実
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-122474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納すると共に複数の送り孔がテープ長手方向に並んで形成されている先行のキャリアテープと後続のキャリアテープを、順次、部品供給位置へ送り、前記部品を部品実装装置の移載ヘッドに供給する部品供給装置において、
本体部と、
前記本体部に形成され、キャリアテープを前記部品供給位置へ案内するテープ経路と、
前記本体部に形成され、前記テープ経路における前記キャリアテープの送り方向上流側の端側に設けられた開口より前記送り方向の上流側に設けられ、前記後続のキャリアテープを、前記テープ経路に存在する前記先行のキャリアテープから上方に離れた位置で保持するテープ保持ユニットと、
前記後続のキャリアテープの送り孔に係合するスプロケットと、を有し、
前記テープ保持ユニットは、前記後続のキャリアテープの一方側の下面を支持する第1のテープガイド部と、前記後続のキャリアテープの他方側の下面を支持する第2のテープガイド部とを有し、
前記第1および前記第2のテープガイドは、前記キャリアテープの送り方向に延在するように構成される、部品供給装置。
【請求項2】
前記第2のテープガイド部は、前記第1のテープガイド部に対して相対的に移動可能に設けられる請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記テープ保持ユニットは、前記開口に投入された前記後続のキャリアテープを、前記テープ経路上に存在する前記先行のキャリアテープから上方に離れた位置で保持する請求項1
または2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記スプロケットは、前記後続のキャリアテープの上方に位置する請求項1
から3のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記スプロケットは、前記テープ保持ユニットに設けられた請求項
4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記第1のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの一方側の側面をさらにガイドし、前記第2のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの他方側の側面をさらにガイドする、請求項1
から5のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記第1のテープガイド部と前記第2のテープガイド部は、前記後続のキャリアテープの幅方向に互いに対向した状態で且つ間隔をあけて設けられた、請求項1
から6のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記第2のテープガイド部は、前記第1のテープガイド部に対して相対的にテープ厚み方向へ移動可能である、請求項1
から7のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記第2のテープガイド部は、キャリアテープの幅方向に延在する回転中心線を中心に旋回可能である、請求項
8に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記第1のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの一方側の側面をさらにガイドし、前記第2のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの他方側の側面をさらにガイドし、
前記スプロケットは、前記第2のテープガイド部に設けられた請求項
5に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記スプロケットは、クラッチ機構を有し、
前記クラッチ機構は、前記後続のキャリアテープを前記部品供給位置へ送る方向にのみ回転を許容する請求項
5または10に記載の部品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアテープの部品収容部に収容された部品を供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板に部品を実装する部品実装装置の移戴ヘッドのノズルに部品を供給するために、キャリアテープが使用されている。キャリアテープは、部品を収容する凹部状またはエンボス状の複数の部品収容部がテープ長手方向に並んで形成された主面を有するベーステープと、部品が収容された状態の複数の部品収容部を覆うようにベーステープの主面に貼り付けられたトップテープとを備える。部品実装装置の移戴ヘッドのノズルがキャリアテープの部品収容部内の部品を吸着できるように、トップテープはベーステープの主面から剥離される。
【0003】
例えば、特許文献1には、刃先を備えるトップテープ剥離部材を用いることによってベーステープからトップテープを剥離することが開示されている。具体的には、テープ長手方向(テープ送り方向)に送られるキャリアテープのテープ経路上にトップテープ剥離部材が配置されている。テープ送り方向に移動中のキャリアテープの前端側からトップテープとベーステープとの間にテープ送り方向にトップテープ剥離部材の刃先が進入することにより、トップテープがベーステープから剥離される。
【0004】
また、例えば特許文献1に記載された部品供給装置は、複数のキャリアテープを順次テープ長手方向に送るように構成されている。具体的には、キャリアテープは、その裏面(主面に対して反対側のベーステープの面)と対向するガイド部材によってガイドされ、部品実装装置に対して部品を供給する位置である部品供給位置に向かってテープ長手方向(テープ送り方向)に送られる。部品供給位置で部品実装装置に対して部品を供給している先のキャリアテープ(先行キャリアテープ)の主面に重なる状態で、先のキャリアテープの次に部品供給位置で部品を供給する予定の後のキャリアテープ(後続キャリアテープ)が待機する。先行キャリアテープの主面に裏面が重なる状態で配置されている後続キャリアテープが先行キャリアテープとともに移動しないように、後続キャリアテープのテープ送り方向の前端にストッパー部材が接触している。なお、先行キャリアテープは、ストッパー部材の下方を通過して部品供給位置に向かって移動している。
【0005】
先行キャリアテープのテープ送り方向の後端が後続キャリアテープのテープ送り方向の前端を通過すると(先行のキャリアテープと後続のキャリアテープの重なりが解消すると)、後続キャリアテープがキャリアテープの裏面をガイドするガイド部材上に配置される。具体的には、待機中の後続キャリアテープが先行キャリアテープ(すなわち先行キャリアテープの裏面をテープ厚み方向にガイドするガイド部材)に向かってテープ付勢部材によってテープ厚み方向に付勢されている(言い換えると、先行キャリアテープと後続キャリアテープがテープ付勢部材とガイド部材との間にテープ厚み方向に挟持されている)。先行キャリアテープのテープ送り方向の後端が後続キャリアテープのテープ送り方向の前端を通過すると、後続キャリアテープがテープ付勢部材にテープ厚み方向に付勢されてガイド部材上に配置される。その結果、後続キャリアテープが、先行キャリアテープに続いて、ガイド部材にガイドされながら部品供給位置に向かって送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された部品供給装置では、テープ付勢部材とガイド部材との間に先行キャリアテープとともに挟持された状態で待機しているので不安定である。
【0008】
そこで、本発明は、部品実装装置に対して先行して部品を供給している先行のキャリアテープに続いて、次に部品を供給する予定の後続のキャリアテープを部品供給位置に向かって送る部品供給装置において後続のキャリアテープを安定した状態で待機させることができる部品供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、部品を収納すると共に複数の送り孔がテープ長手方向に並んで形成されている先行のキャリアテープと後続のキャリアテープを、順次、部品供給位置へ送り、前記部品を部品実装装置の移載ヘッドに供給する部品供給装置において、本体部と、前記本体部に形成され、キャリアテープを前記部品供給位置へ案内するテープ経路と、前記本体部に形成され、前記テープ経路における前記キャリアテープの送り方向上流側の端側に設けられた開口より前記送り方向の上流側に設けられ、前記後続のキャリアテープを、前記テープ経路に存在する前記先行のキャリアテープから上方に離れた位置で保持するテープ保持ユニットと、を有し、前記テープ保持ユニットは、前記後続のキャリアテープの一方側の下面を支持する第1のテープガイド部と、前記後続のキャリアテープの他方側の下面を支持する第2のテープガイド部とを有し、前記第2のテープガイド部は、前記第1のテープガイド部に対して相対的に移動可能に設けられる部品供給装置が提供される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、前記テープ保持ユニットは、前記開口に投入された前記後続のキャリアテープを、前記テープ経路上に存在する前記先行のキャリアテープから上方に離れた位置で保持する第1の態様に記載の部品供給装置が提供される。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、前記後続のキャリアテープの送り孔に係合するスプロケットをさらに有し、前記スプロケットは、前記後続のキャリアテープの上方に位置する、第1または第2の態様に記載の部品供給装置が提供される。
【0012】
本発明の第4の態様によれば、前記スプロケットは、前記テープ保持ユニットに設けられた、第3の態様に記載の部品供給装置が提供される。
【0013】
本発明の第5の態様によれば、前記第1のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの一方側の側面をさらにガイドし、前記第2のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの他方側の側面をさらにガイドする、第1~4の態様のいずれか一つに記載の部品供給装置が提供される。
【0014】
本発明の第6の態様によれば、前記第1のテープガイド部と前記第2のテープガイド部は、前記後続のキャリアテープの幅方向に互いに対向した状態で且つ間隔をあけて設けられた、第1~5の態様のいずれか一つに記載の部品供給装置が提供される。
【0015】
本発明の第7の態様によれば、前記第2のテープガイド部は、前記第1のテープガイド部に対して相対的にテープ厚み方向へ移動可能である、第1~6の態様のいずれか一つに記載の部品供給装置が提供される。
【0016】
本発明の第8の態様によれば、前記第2のテープガイド部は、キャリアテープの幅方向に延在する回転中心線を中心に旋回可能である、第7の態様に記載の部品供給装置が提供される。
【0017】
本発明の第9の態様によれば、前記第1のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの一方側の側面をさらにガイドし、前記第2のテープガイドは、前記後続のキャリアテープの他方側の側面をさらにガイドし、前記スプロケットは、前記第2のテープガイド部に設けられた、第4の態様に記載の部品供給装置が提供される。
【0018】
本発明の第10の態様によれば、前記スプロケットは、クラッチ機構を有し、前記クラッチ機構は、前記後続のキャリアテープを前記部品供給位置へ送る方向にのみ回転を許容する、第3、第4、第9の態様のいずれか一つに記載の部品供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、部品実装装置に対して先行して部品を供給している先行のキャリアテープに続いて、次に部品を供給する予定の後続のキャリアテープを部品実装装置に対して部品を供給する位置である部品供給位置に向かって送ることができるように、部品供給位置に向かうテープ経路上に後続のキャリアテープを確実に待機させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る部品供給装置の概略的構成図
【
図3】部品供給装置の本体部にキャリアテープが投入されていない状態であって、
図1に示す部品供給装置の部品投入口近傍の拡大図
【
図5】一部の図示が省略されたテープ保持ユニットの斜視図
【
図6】一本のキャリアテープが部品供給装置の本体部に投入されている状態を示す、部品供給装置の部品投入口近傍の拡大図
【
図7】テープ厚み方向の上方向に相対的に移動中のキャリアテープの状態を示すテープ保持ユニットの断面図
【
図8】
図7に続く状態であって、第1の副テープ経路から第2の副テープ経路に向かってテープ厚み方向の下方向に移動中のキャリアテープの状態を示すテープ保持ユニットの断面図
【
図9】
図8に続く状態であって、第1の副テープ経路から第2の副テープ経路への移動が完了したキャリアテープの状態を示すテープ保持ユニットの断面図
【
図10】
図9に対応する部品供給装置の部品投入口近傍の拡大図
【
図11】二本のキャリアテープが部品供給装置の本体部に投入されている状態を示す、部品供給装置の部品特入口近傍の拡大図
【
図12】別の実施の形態に係る、一部の図示が省略されたテープ保持ユニットの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態の部品供給装置の構成を概略的に示している。
【0023】
本実施の形態の部品供給装置10は、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102に対して部品を供給するように構成されている。具体的には、部品供給装置10は、
図2に示すキャリアテープ200をその長手方向(テープ送り方向A)に部品供給位置Q1に
向かって送り、その部品供給位置Q1でキャリアテープ200に収容された部品を移戴ヘッド100のノズル102に供給するように構成されている。
【0024】
なお、本実施の形態においては、詳細は後述するが、部品供給位置Q1に向かって送られるキャリアテープ200が移動する複数のテープ経路が存在する。複数のテープ経路それぞれにおけるキャリアテープ200の「テープ送り方向A」は、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102に対して部品を供給する位置である部品供給位置Q1に向かってキャリアテープ200が送られるテープ送り方向を意味する。
【0025】
図2は、キャリアテープ200の前端側部分(テープ送り方向Aへのテープの移動時において前側になる端側部分(前端210))を示している。なお、
図2に示す直交座標系u-v-wにおいて、u軸方向はテープ幅方向に対応し、v軸方向はテープ長手方向に対応し、w軸方向はテープ厚み方向に対応している。
【0026】
図2に示すように、キャリアテープ200は、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102に供給される部品を収容する複数の部品収容部202がテープ長手方向(v軸方向)に並んで形成された主面204aを備えるベーステープ204と、部品を収容した状態の部品収容部202を覆うようにベーステープ204の主面204aに貼り付けられたトップテープ206とを有する。また、キャリアテープ200は、そのベーステープ204にテープ長手方向に並んで形成され、テープ厚み方向(w軸方向)に貫通する複数の送り孔208を有する。
【0027】
図2に示すように、トップテープ206は、送り孔208が形成された部分を除くベーステープ204の主面204aの部分に貼り付けられている。
【0028】
図1に戻り、部品供給装置10は、本体部12と、本体部12内に形成された主テープ経路P0と、主テープ経路P0に沿ってキャリアテープ200をテープ長手方向のテープ送り方向Aに送るためのテープ送り機構としての複数のスプロケット14~18と、ベーステープ204からトップテープ206を剥離するためのトップテープ剥離部20とを有する。
【0029】
部品供給装置10の本体部12の主テープ経路P0の始端側(テープ送り方向Aの上流側の端側)には、キャリアテープ200を本体部12内に投入するためのテープ投入口12aが設けられている。なお、キャリアテープ200は、トップテープ206が貼り付けられた側であるベーステープ204の主面204aを上方に向けた状態でテープ長手方向(テープ送り方向A)にテープ投入口12aに投入される。
【0030】
また、トップテープ剥離部20によってトップテープ206を剥離されたベーステープ204における部品収容部202内の部品を部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102が上方から吸着できるように、主テープ経路P0の上方に配置された部品取り出し口12bを部品供給装置10は備える。すなわち、部品取り出し口12bが、移戴ヘッド100のノズル102が部品を吸着する位置である部品供給位置Q1に設けられている。
【0031】
複数のスプロケット14~18は、主テープ経路P0に沿ってキャリアテープ200をテープ長手方向であるテープ送り方向Aに送るために、主テープ経路P0に設けられている。複数のスプロケット14~18は、その歯14a~18aがキャリアテープ200の送り孔208に係合した状態で回転することにより、キャリアテープ200を主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向Aに、部品取り出し口12b(部品供給位置Q1)に向かって送る。
【0032】
部品供給装置10のトップテープ剥離部20は、トップテープ206を剥離するためのブレード状部材であって、部品供給位置Q1で移載ヘッド100のノズル102が部品を吸着できるように、部品供給位置Q1に対してテープ送り方向Aの上流側のトップテープ剥離位置Q2でベーステープ204からトップテープ206を順次、剥離する。
【0033】
具体的には、トップテープ剥離部20は、トップテープ剥離位置Q2に配置された刃先20aを備える。トップテープ剥離部20の刃先20aは、スプロケット16によって主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向Aに送られているキャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端210側から、ベーステープ204とトップテープ206との間に進入する。トップテープ剥離部20の刃先20aがベーステープ204とトップテープ206との間に進入した状態で、キャリアテープ200がテープ送り方向Aに送られることにより、トップテープ206がベーステープ204から連続的に剥離される。それにより、部品収容部202に収容されている部品が外部に露出する。その結果、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102が、トップテープ剥離位置Q2に対してテープ送り方向Aの下流側に位置する部品供給位置Q1で、外部に露出した部品を部品取り出し口12bを介して取り出すことができる。
【0034】
なお、トップテープ206は、部品収容部202に収容されている部品が外部に露出するように、そのテープ幅方向全体がベーステープ204から剥離されてもよいし、または、テープ幅方向の一部がベーステープ204から部分的に剥離されてもよい。剥離に代わって、トップテープ206は、切断されて開封されてもよい。すなわち、部品収容部202内から部品を移載ヘッド100のノズル102が取り出すことができるように、部品が収容されている部品収容部202上からトップテープ204を取り除くことができればよい。
【0035】
また、本実施の形態の部品供給装置10は、複数のキャリアテープ200を、順次、部品供給位置Q1に向かってテープ送り方向Aに送るように構成されている。すなわち、部品供給位置Q1で部品を部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102に供給している最中の先行のキャリアテープ(先行キャリアテープ)200に続いて、次に部品を供給する予定の後続のキャリアテープ(後続キャリアテープ)200を送るように、部品供給装置10は構成されている。以下、先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとを区別して説明する必要がある場合、先行のキャリアテープの符号には「A」を付与し、後続のキャリアテープの符号には「B」を付与する。
【0036】
図3は、部品供給装置10の部品投入口12a近傍の拡大図である。なお、
図3は、部品供給装置10の本体部12にキャリアテープが投入されていない状態を示している。
【0037】
複数のキャリアテープ200を、順次、部品供給位置Q1に向かってテープ送り方向Aに送るために、本実施の形態の部品供給装置10は、
図3に示すように、主テープ経路P0のテープ送り方向Aの上流側端にそれぞれ接続された第1および第2の副テープ経路P1およびP2を有する。
【0038】
具体的には、主テープ経路P0は、部品供給装置10の本体12のテープ投入口12a側から部品供給位置Q1に向かってテープ送り方向Aに延在する。第1の副テープ経路P1は、図示しないテープリール(キャリアテープの第1の供給リール)からテープ投入口12aにおける主テープ経路P0のテープ送り方向Aの上流側端P0’に向かって延在する。一方、第2の副テープ経路P2は、図示しない別のテープリール(キャリアテープの第2の供給リール)から主テープ経路P1のテープ送り方向Aの上流側端P0’に向かって延在する。すなわち、第1および第2のテープ経路P1、P2は、主テープ経路P0のテープ送り方向Aの上流側端P0’で合流する。
【0039】
また、テープ投入口12aの近傍において、第1の副テープ経路P1は、第2の副テープ経路P2の上方に位置する。
【0040】
本実施の形態の場合、第1の副テープ経路P1は、主テープ経路P0のテープ送り方向Aの上流側端P0’に対して、例えば水平方向(Y軸方向)に接続する。一方、第2の副テープ経路P2は、第1の副テープ経路P1の下方に位置し、主テープ経路P0のテープ送り方向Aの上流側端P0’に対してテープ送り方向Aで、例えば斜め上方向(鉛直方向であるZ軸方向と水平方向であるY軸方向の間の方向)に接続する。すなわち、第1の副テープ経路P1と第2のテープ経路P2は、テープ厚み方向(Z軸方向)の異なる位置にそれぞれ配置されている。
【0041】
詳細は後述するが、先行キャリアテープ200Aおよび後続キャリアテープ200Bの両方が部品供給装置10の本体部12に配置されている場合、先行キャリアテープ200Aは第2の副テープ経路P2上に配置され、後続キャリアテープ200Bは第1の副テープ経路P1上に配置される。
【0042】
図3に示すように、部品供給装置10は、テープ投入口12aのテープ送り方向Aの上流側に、第1の副テープ経路P1上に配置されたキャリアテープ200をテープ送り方向Aに移動可能に保持するテープ保持ユニット30を有する。
【0043】
図4は、
図3に示すB-B線断面図であって、具体的には、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200のテープ長手方向と直交する(テープ送り方向Aに見た)テープ保持ユニット30の断面を示している。
図5は、一部の図示が省略されたテープ保持ユニット30の斜視図である。
【0044】
テープ保持ユニット30は、第1の副テープ経路P1に沿ってキャリアテープ200が移動するように該キャリアテープ200をガイドする第1および第2のテープガイド部32L、32Rと、第1の副テープ経路P1上にてテープ送り方向Aに移動されるキャリアテープ200を保持するピンローラ34とを有する。
【0045】
図4および
図5に示すように、本実施の形態の場合、第1および第2のテープガイド部32L、32Rは、キャリアテープ200の少なくともテープ厚み方向(Z軸方向)のガイドを行うテープガイドとして機能するガイドブロック36L、36Rと、キャリアテープ200のテープ幅方向(X軸方向)のガイドまたは案内を行うテープガイドとして機能する固定ブラケット38および可動ブラケット40(特許請求の範囲の「ピンローラ支持部」に対応)とによって構成されている。
【0046】
ガイドブロック36L、36Rは、ブロック状の部材であって、
図4に示すように、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200におけるベーステープ204の裏面(主面204aと反対側の面)204b側に配置され、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200を下方側よりそれぞれガイドする。具体的には、送り孔208側であるキャリアテープ200のテープ幅方向(x軸方向)の一方側がガイドブロック36L上に載置され、一方、送り孔208側に対して反対側であるテープ幅方向の他方側がガイドブロック36R上に載置される。
【0047】
また、理由は後述するが、第1および第2のテープガイド部32L、32R(ガイドブロック36L、36R)は、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200におけるテープ幅方向(x軸方向)に互いに対向した状態で且つ間隔をあけてテープ保持ユニット30に設けられている。
【0048】
図3~
図5に示すように、第1のテープガイド部32Lとして機能する固定ブラケット38は、プレート状であって、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200の送り孔208側を水平方向(Y軸方向)にテープ送り方向Aに延在するように配置され、部品供給装置10の本体部側12に固定されている、固定ブラケット38はまた、第1の副テープ経路P1に配置されたキャリアテープ200におけるテープ幅方向(X軸方向)の送り孔208側の端面(側面)204cに対向する内側面38aを備える。その固定ブラケット38の内側面38aにガイドブロック36Lは取り付けられている。
【0049】
一方、第2のテープガイド部32Rとして機能する可動ブラケット40は、部品供給装置10の本体部12に対して移動可能に支持されている。具体的には、可動ブラケット40は、
図4に示すように、例えば薄板を折り曲げることによって構成され、それにより、キャリアテープ200のテープ幅方向(X軸方向)に対向する2つの側壁部40a、40bと、側壁部40a、40bを連結する天板部40cとを備える。すなわち、天板部40cのテープ幅方向の両端それぞれから下方に向かって側壁部40a、40bが延在している。
【0050】
可動ブラケット40の側壁部40bは、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200における送り孔208側とは反対側のテープ幅方向(X軸方向)の端面(側面)204dに対向する内側面40dを備える。その可動ブラケット40の側壁部40bの内側面40dにガイドブロック36Rは取り付けられている。
【0051】
また、固定ブラケット38の内側面38aおよび可動ブラケット40における側壁部40bの内側面40dは、キャリアテープ200のテープ幅方向位置(X軸方向位置)を位置決めし、第1の副テープ経路Pに沿ってキャリアテープ200が案内されてテープ送り方向Aに移動するようにガイドする。
【0052】
このような第1および第2のテープガイド部32L、32Rは、テープ幅方向のガイド(固定ブラケット38の内側面38aおよび可動ブラケット40における側壁部40bの内側面40d)とテープ厚さ方向のガイド(ガイドブロック36L、36R)とをすることにより、キャリアテープ200は第1の副テープ経路P1に沿ってテープ送り方向Aに移動することができる。
【0053】
なお、理由は後述するが、ピンローラ34が設けられる可動ブラケット40は、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200におけるテープ幅方向(X軸方向)に延在する回転中心線C1を中心として旋回可能に、部品供給装置10の本体部12のテープ投入口12aのテープ送り方向Aの上流側に支持されている。具体的には、
図3に示すように、可動ブラケット40は、側壁部40aから延在するアーム部40eを備え、このアーム部40eを介して部品供給装置10の本体部12に旋回可能(第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200に対して上方向に離れる方向に移動可能)に支持されている。
【0054】
図3および
図4に示すように、ピンローラ34は、ローラ本体部34aと、ローラ本体部34aの外周部34bに設けられて第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200における送り孔208に係合する複数のピン(歯)34cとを備える。
【0055】
本実施の形態の場合、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200に対してテープ厚み方向の上方向に相対的に移動可能なピンローラ34のローラ本体部34aは、円筒形状であって、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200におけるテープ幅方向(X軸方向)に延在する回転中心線C2を中心として回転する。ピンローラ34のローラ本体部34aはまた、第1のテープ経路P1上のキャリアテープ200におけるベーステープ204の主面204aに対向する外周部34bを備える。その外周部34bと第1および第2のテープガイド部32L、32Rのガイドブロック36L、36Rとの間に予めキャリアテープ200が通過可能な間隙lを形成するように、ピンローラ34はテープ保持ユニット30に配置されている。例えば、部品供給装置10に使用される可能性がある特に薄いキャリアテープ(例えば0.25~0.6mm)が通過可能なテープ厚み方向(Z軸方向)の寸法(例えば、0.15~0.5mm)を備える間隙が形成される。すなわち、ピンローラ34のローラ本体部34aとガイドブロック36L、36Rとの間の間隙は、薄いキャリアテープ200が容易に通過してテープ詰まりが発生しにくいテープ厚み方向の寸法(少なくとも0.15mm以上の相対的な間隔l)を備える。なお、間隙lは少なくともキャリアテープ200の送り孔208側であるテープ幅方向の一方側のガイドブロック36Lとピンローラ本体部34aとの間に形成されればよく、一方、テープ幅方向の他方側のガイドブロック36Rとピンローラ本体部34aとの間の間隙は、間隙l以上の寸法(例えば、間隙lの寸法+0.5mm)であればよい。
【0056】
図4に示すように、ピンローラ34のローラ本体部34aの外周部34bに、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200の送り孔208と係合する複数のピン(歯)34cが設けられている。複数のピン34cは、
図3に示すように、ローラ本体部34aの回転中心線C2に対して放射方向に該ローラ本体部34aから突出している。このピン34cが送り孔208に係合した状態でピンローラ34のローラ本体部34aが回転中心線C2を中心としてキャリアテープ200をテープ送り方向Aへ送るように回転すると、キャリアテープ200が第1の副テープ経路P1に沿って移動する。
【0057】
なお、テープ投入口12aのテープ送り方向Aの上流側に位置するピンローラ34のピン34cにキャリアテープ200の送り孔208が容易に係合するように、第1および第2のテープガイド部32L、32Rは、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200の送り孔208に係合されるピンローラ34のピン34に対してテープ送り方向Aの上流側からキャリアテープ200を案内するようにガイドするのが好ましい。
【0058】
すなわち、好ましくは、第1および第2のテープガイド部32L、32Rにおけるガイドブロック36L、36Rと固定ブラケット38の内側面38aおよび可動ブラケット40における側壁部40bの内側面40dとが、ピンローラ34に対してテープ送り方向Aの上流側からテープ送り方向Aに延在するように構成される。
【0059】
特に、第1および第2のテープガイド部32L、32Rは、テープ幅方向のガイドとして機能する固定ブラケット38の内側面38aおよび可動ブラケット40における側壁部40bの内側面40dを、キャリアテープ200の送り孔208と係合されるピンローラ34のピン34cに対してテープ送り方向Aの上流側に少なくとも備えるのが好ましい。これにより、ピンローラ34のピン34cとキャリアテープ200の送り孔208とのテープ幅方向の位置(X軸方向位置)を合わせた(案内させた)状態で該キャリアテープ200をピンローラ34の下方を通過させることができる。その結果、ピンローラ34のピン34cにキャリアテープ200の送り孔208を容易に係合させることができる。
【0060】
また、ピンローラ34は、送り孔208にピン34cが係合しているキャリアテープ200のテープ送り方向Aに対する逆方向の移動を規制するように構成されている。具体的には、送り孔208にピン34cが係合しているキャリアテープ200のテープ送り方向Aへの移動によって回転するピンローラ34のローラ本体部34aの回転方向(
図3において反時計回り方向)に対する逆方向に、ピンローラ34のローラ本体部34は回転不可能に構成されている。
【0061】
本実施の形態の場合、ピンローラ34のローラ本体部34aは、その内部に収容された
クラッチ機構(ワンウェイクラッチ)42を介して支持シャフト44に支持されている。支持シャフト44は、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200におけるテープ幅方向(X軸方向)に延在する。また、シャフト44の両端はそれぞれ、
図4に示すように可動ブラケット40の側壁部40a、40bに支持されている。
【0062】
クラッチ機構42は、支持シャフト44に対するピンローラ34のローラ本体部34aの回転方向を一方向に制限するように構成されている。すなわち、送り孔208にピン34cが係合しているキャリアテープ200がテープ送り方向Aに移動することができる方向のローラ本体部34aの回転のみ許容するようにクラッチ機構42は構成されている。
【0063】
このようなピンローラ34により、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200は、テープ送り方向Aに対する逆方向への移動が規制される。すなわち、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200が、テープ送り方向Aに対する逆方向に移動することにより、部品供給装置10の本体部12から意図せず抜けることが抑制される。その結果、キャリアテープ200を第1の副テープ経路P1上に確実に待機させることができる。なお、キャリアテープ200を意図して抜きたい場合、ピンローラ34が設けられている可動ブラケット40をテープ厚み方向に相対的に移動させて、キャリアテープ200の上方へ離間させるように移動させることにより、ピン34cとキャリアテープ200の送り孔208の係合がはずれ、それによりキャリアテープ200を意図して容易に抜くことができる。
【0064】
また、
図4に示すように、ピンローラ34のローラ本体部34は、第1の副テープ経路上のキャリアテープ200の概ねテープ幅方向(X軸方向)全体にわたってそのベーステープ204の主面204aと対向する外周部34bを備えるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、ローラ本体部34の外周部34bは、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200における送り孔208のみに対向するように構成してもよい。例えばスプロケットのように、ローラ本体部34aは、複数のピン34cを形成することが可能な最小限のテープ幅方向(X軸方向)の大きさを備えてもよい。
【0065】
上述したような第1および第2の副テープ経路P1およびP2を用いて、複数のキャリアテープ200を、順次、部品供給位置Q1に向かってテープ送り方向Aに送る方法について説明する。
【0066】
前提として、本実施の形態の部品供給装置10は、部品供給装置10の本体部12にキャリアテープ200を投入するとき、第1の副テープ経路P1を使用するように構成されている。例えば、
図3に示すように、キャリアテープ200が投入されていない状態の部品供給装置10の本体部12に対してキャリアテープ200(すなわち先行キャリアテープ200A)を投入するときに、第1の副テープ経路P1が使用される。また例えば、部品供給装置10の本体部12に既に投入されているキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)に続くキャリアテープ200(後続キャリアテープ200B)を部品供給装置10の本体部12に投入するときに、第1の副テープ経路P1が使用される。
【0067】
図3に示すように、例えば作業者の手作業により、キャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)が第1の副テープ経路P1上に配置される。具体的には、まず、キャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)のテープ送り方向Aの前端部が、テープ保持ユニット30の第1および第2のテープガイド部32L、32Rのガイドブロック36L、36R上に配置される。
【0068】
テープ保持ユニット30の第1および第2のテープガイド部32L、32Rのガイドブロック36L、36R上に配置されたキャリアテープ200(先行キャリアテープ200
A)が、作業者の手作業によってテープ送り方向Aに送られる。作業者によってテープ送り方向Aに送られたキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)は、テープガイド36L、36Rとピンローラ34との間(間隙l)に進入し、その送り孔208がピンローラ34のピン34cに係合する。送り孔208がピンローラ34のピン34cに係合すると、キャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)は、部品供給装置10から意図せず抜けることがなくなる。
【0069】
送り孔208にピン34cが係合した状態のピンローラ34を作業者がキャリアテープ200をテープ送り方向Aに送るように回転させると、キャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)が第1の副テープ経路P1に沿ってテープ送り方向Aに部品供給装置10の本体部12の投入口12a内に向かって送られる。
【0070】
投入口12aを通過したキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)は、作業者の手作業によるピンローラ34の回転により、薄いキャリアテープであっても、テープ送り方向Aに向かって確実に送られ、主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向Aの最も上流側に位置するスプロケット14に向かう。
【0071】
図6に示すように、スプロケット14の歯14aにキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の送り孔208が係合すると、ピンローラ34によるテープ送りが完了する。例えば作業者が「テープセット完了ボタン」等のボタンを押すことにより、また例えば送り孔208がスプロケット14の歯14aに係合する主テープ経路P0上の位置にキャリアテープ200が到達したことをセンサ(図示せず)が検出することにより、さらに例えば、ピンローラ34の回転によって移動中のキャリアテープ200によるスプロケット14の回転の開始を検出することにより、歯14aにキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の送り孔208に係合した状態のスプロケット14が回転し始める。
【0072】
スプロケット14の回転により、
図6に示すように、キャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)は主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向Aにさらに下流側に位置するスプロケット16に向かって送られる。スプロケット16の歯16aにキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の送り孔208が係合すると、スプロケット14は回転を停止し、自由に回転可能な自由回転状態(スプロケット14を駆動するモータ(図示せず)の励磁が解除された状態)に移行する。
【0073】
スプロケット16によってテープ送り方向Aに送られるキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)は、
図1に示すように、トップテープ剥離位置Q1でトップテープ剥離部20の刃先20aによってそのトップテープ206が剥離され、続いてトップテープ剥離部20と部品供給位置Q1との間に位置するスプロケット18の歯18aにその送り孔208が係合する。そして、2つのスプロケット16、18によってキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)はテープ送り方向Aに部品供給位置Q1に向かって送られる。
【0074】
2つのスプロケット16、18によってテープ送り方向Aに送られるキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)は、
図1に示すように、部品供給位置Q1で部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102に対してトップテープ206の剥離によって外部に露出した部品を供給する。
【0075】
先行キャリアテープ200が部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102に対して部品を供給している最中の任意のタイミングに、先行キャリアテープ200Aに続いて次に部品を供給する予定の後続キャリアテープ200Bが本体部12に配置される。具体的
には、
図6に示すように第1の副テープ経路P1上を移動する先行キャリアテープ200Aが第2の副テープ経路P2に移動され、それにより空いた第1の副テープ経路P1に後続キャリアテープ200Bが配置される。このことについて説明する。
【0076】
先行キャリアテープ200Aの第1の副テープ経路P1から第2の副テープ経路P2への移動は、テープ保持ユニット30の可動ブラケット40を回転中心線C1を中心として旋回させることによって実行される。
【0077】
図6に示すように先行キャリアテープ200Aが第1の副テープ経路P1上をテープ送り方向Aに移動している状態から、作業者がテープ保持ユニット30の可動ブラケット40を回転中心線C1を中心として旋回させる。
【0078】
先行キャリアテープ200Aの主面204a側に配置されたテープ保持ユニット30の可動ブラケット40の旋回により、
図7に示すように、可動ブラケット40に支持されているピンローラ34および第2のテープガイド部32Rが上昇する、すなわち第1の副テープ経路P1上の先行キャリアテープ200Aの主面204a側から離間する方向に移動する。
【0079】
テープ保持ユニット30の可動ブラケット40の旋回によってピンローラ34が上昇すると、固定ブラケット38の第1のテープガイド部32L(ガイドブロック36L)がピンローラ34に対して相対的にテープ厚み方向(Z軸方向)に離間する方向に移動する。それにより、先行キャリアテープ200Aの送り孔208に係合しているピンローラ34のピン34cが(
図4参照)、
図7に示すように第1の副テープ経路P1上の先行キャリアテープ200Aの送り孔208内から相対的に退避する。その結果、先行キャリテープ200Aは、送り孔208側の第1のテープガイド部32L(ガイドブロック36L)とピンローラ34のローラ本体部34aとの間からテープ幅方向(X軸方向)に移動可能な状態にされる。
【0080】
また、テープ保持ユニット30の可動ブラケット40の旋回によって第2のテープガイド部32R(ガイドブロック36R)が先行キャリアテープ200Aの主面204a側から離間する方向に上昇すると、ガイドブロック36R上に載置されている先行キャリアテープ200Aのテープ幅方向の他方側(送り孔208側の反対側)が持ち上げられる。これにより、先行キャリアテープ200Aは部分的にねじれる(
図7において、点線はねじれる前の先行キャリアテープ200Aを示す)。具体的には、先行キャリアテープ200Aは、第2のテープガイド部32R近傍を中心として旋回し、第2のテープガイド部32R(ガイドブロック36R)近傍の部分が他の部分に比べてねじれる。
【0081】
図7に示すように送り孔208側とは反対側であるテープ幅方向の他方側が持ち上がるように先行キャリアテープ200Aがねじれた状態からさらに可動ブラケット40の第2のテープガイド部32R(ガイドブロック36R)が上昇すると、
図8に示すように、先行キャリアテープ200Aのテープ幅方向の他方側が、ガイドブロック36R上からすべり落ち、ねじれを解消しつつガイドブロック36Rの下方に移動する。
【0082】
図8に示すように、第2のテープガイド部32Rが先行キャリアテープ200Aより上に相対的に上昇し、送り孔208側とは反対側である先行キャリアテープ200Aのテープ幅方向の他方側が第2のテープガイド部32R(ガイドブロック36R)の支持を失うと、先行キャリアテープ200Aは下方に落下する。すなわち、第1の副テープ経路P1上の先行キャリアテープ200Aは、第1および第2のテープガイド部32L、32Rの間を通過し、第1の副テープ経路P1の下方に存在する第2の副テープ経路P2に向かって移動する。これにより、
図9および
図10に示すように、先行キャリアテープ200A
は、第1の副テープ経路P1から第2の副テープ経路P2に移動される。
【0083】
ここで、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200を下方側よりガイド(支持)するためのガイド部材が、テープ保持ユニット30の第1および第2のテープガイド部32L、32R(ガイドブロック36L、36R)とに分かれている理由について説明する。
【0084】
例えば、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200を下方側より1つのガイド部材がガイド(支持)する場合を考える。この場合、第1の副テープ経路P1上からその下方に位置する第2の副テープ経路P2上にキャリアテープ200を移動させるとき、第1および第2の副テープ経路P1、P2の間に位置する1つのガイド部材を迂回するようにキャリアテープ200を移動させる必要がある。すなわち、キャリアテープ200のテープ幅方向位置(X軸方向位置)を大きく変える必要がある。そのために、1つのガイド部材をキャリアテープ200が迂回するためのスペースを確保する必要がある。
【0085】
このような1つのガイド部材をキャリアテープ200が迂回するためのスペースを設けると、部品供給装置10のテープ幅方向(X軸方向)のサイズを必然的に大きくする必要がある。その結果、1台の部品実装装置に対してテープ幅方向(X軸方向)に密に並べた状態で搭載される部品供給装置10の搭載数は減少する。
【0086】
一方、
図4に示すように、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200をテープ幅方向(X軸方向)に分かれた第1および第2のテープガイド部32L、32R(ガイドブロック36L、36R)がテープ幅方向の両端側の下方からガイド(支持)する場合、第1の副テープ経路P1上からその下方に位置する第2の副テープ経路P2上にキャリアテープ200を移動させるとき、そのキャリアテープ200は、第1および第2のテープガイド部32L、32Rの間を通るように容易に通過することができる。すなわち、キャリアテープ200は、テープ幅方向位置(X軸方向位置)を大きく変えることなく、第1の副テープ経路P1上からその下方の第2の副テープ経路P2上に移動することができる。したがって、部品供給装置10のテープ幅方向(X軸方向)のサイズを小さくすることができる。
【0087】
なお、テープ保持ユニット30の可動ブラケット40の旋回によってピンローラ34が上昇するときに、そのピン34cが第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の送り孔208内からテープ厚み方向(Z軸方向)に確実に退避できる(係合が解除される)ようにするのが好ましい。
【0088】
本実施の形態の場合、
図7に示すように、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の送り孔208内からテープ厚み方向(Z軸方向)にピンローラ34のピン34cが上昇して退避するときに、ピン34cの退避方向(すなわちテープ厚み方向)側のキャリアテープ200Aの主面204a側で、送り孔208側であるキャリテープのテープ幅方向(X軸方向)の一方側を押さえるテープ押さえ部46を有する。
【0089】
テープ押さえ部46は、
図4に示すように、テープ保持ユニット30の固定ブラケット38の内側面38aから、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200の送り孔208の上方に向かって延在する部材(または固定ブラケット38の部分)である。テープ押さえ部46はまた、本実施の形態の場合、
図3に示すように、第1のテープ押さえ部32Lに対してテープ送り方向Aの下流側に位置する。
【0090】
テープ保持ユニット30の可動ブラケット40の旋回によってピンローラ34および第2のテープガイド部32Rが上昇するときに、テープ押さえ部46がキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)をその上方から押さえることにより、ピンローラ34のピン34cがキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の送り孔208から確実に退避することができる。すなわち、ピンローラ34および第2のテープガイド部32Rとともに、キャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)が第1の副テープ経路P1から上方に移動することが抑制される。
【0091】
また、
図8に示すようにテープ保持ユニット30の可動ブラケット40の旋回によって第2のテープガイド部32Rがキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の下方側から上方側に移動した後、可動ブラケット40を逆方向に旋回させることにより、第2のテープガイド部32Rによってキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)を下方の第2の副テープ経路P2に向かって押し下げてもよい。これは、例えば、第2のテープガイド部32Rがキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)の下方側から上方側に移動した後に、そのキャリアテープ200(先行キャリアテープ200A)が自然落下しにくい場合に(例えば大きいテープ厚さを備えるキャリアテープの場合に)有効である。
【0092】
図9および
図10に示すように、先行キャリアテープ200Aが第1の副テープ経路P1から第2の副テープ経路P2上に移動すると、空いた第1の副テープ経路P1に後続キャリアテープ200Bを配置することが可能になる。
【0093】
後続キャリアテープ200Bは、先行キャリアテープ200Aと同様に、作業者の手作業により、そのテープ送り方向前端部が、テープ保持ユニット30の第1および第2のテープガイド部32L、32Rのガイドブロック36L、36R上に載置される。ガイドブロック36L、36Rに載置された後続キャリアテープ200Bは、作業者の手作業によるテープ送り方向Aへのテープ送りにより、ピンローラ34の下方を通過し、その送り孔208にピンローラ34のピン34cが係合する。これにより、後続キャリアテープ200Bは、意図せず抜けることなく第1の副テープ経路P1上で確実に待機可能である。
【0094】
なお、本実施の形態の部品供給装置10は、第2の副テープ経路P2および主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向Aに送られている先行キャリアテープ200Aに続いて、第1の副テープ経路P1上で待機する後続キャリアテープ200Bを自動的に送り始める自動テープ送り機構50を有する。
【0095】
まず、後続キャリアテープ200Bの送りを自動テープ送り機構50によって自動的に開始するために、
図11に示すように、後続キャリアテープ200Bのテープ送り方向Aの前端210Bが第1の副テープ経路P1から主テープ経路P0に入った状態で、後続キャリアテープ200Bは待機する。具体的には、作業者がピンローラ34を回転させることにより、後続キャリアテープ200Bのテープ送り方向Aの前端210Bが第1の副テープ経路P1から主テープ経路P0に入れられる。
【0096】
また、主テープ経路P0に入った後続キャリアテープ200Bのテープ送り方向Aの前端210Bが第2の副テープ経路P2および第1の副テープ経路P1に沿ってテープ送り方向Aに送られている先行キャリアテープ200Aに重なった状態で、後続キャリアテープ200Bは待機する。
【0097】
そのために、主テープ経路P0上のキャリアテープ200に対して上方に配置されて対向する本体部12の上側ガイド面12cおよび該キャリアテープ200に対して下方に配置されて対向する下側ガイド面12dは、テープ投入口12aの近傍において、テープ厚み方向に重なり合う二本のキャリアテープ200が通過可能な間隙をあけている。
【0098】
図11に示すように、自動テープ送り機構50は、テープ送り方向Aの最も上流側に配置されたスプロケット14と、主テープ経路P0上のキャリアテープ200をスプロケット14に向かって付勢する付勢ブロック52と、後続キャリアテープ200Bを待機させるストッパー54とを有する。
【0099】
自動テープ送り機構50の付勢ブロック52は、主テープ経路P0を挟んでスプロケット14に対向するように配置され、主テープ経路P0上(すなわち本体部12の上側ガイド面12cと下側ガイド面12dとの間に配置された)キャリアテープ200をスプロケット14に向かって付勢するように構成されている。具体的には、
図3に示すように、付勢ブロック52は、下側ガイド面12dからスプロケット14に向かって進退可能であって、図示しない付勢部材(例えばバネ)によってスプロケット14に向かって付勢されている。
図3の二点鎖線は、下側ガイド面12dから後退した状態の付勢ブロック52を示している。
【0100】
一方、付勢ブロック52に対向するスプロケット14の歯14aは、
図3に示すように、上側ガイド面12cから付勢ブロック52に向かって突出している。
【0101】
上側ガイド面12cと下側ガイド面12dとの間に配置されたキャリアテープ200は、付勢ブロック52に付勢されて上側ガイド面12cに当接し、その送り孔208がスプロケット14の歯14aに係合する。
【0102】
なお、付勢ブロック52とスプロケット14との間に、先行キャリアテープ200Aと後続キャリアテープ200Bとが重なり合う状態で存在する場合、上側の後続キャリアテープ200Bの送り孔208にスプロケット14の歯14aが係合する。
【0103】
自動テープ送り機構50のストッパー54は、本体部12の上側ガイド面12cから下側ガイド面12dに向かって進退可能なテープ係止部54aを備える。
【0104】
図11に示すように、第2の副テープ経路P2および主テープ経路P0に沿ってスプロケット16(またはスプロケット16、18)(
図1参照)によってテープ送り方向Aに送られている先行キャリアテープ200A上に重なる後続キャリアテープ200Bのテープ送り方向Aの前端210Bに、ストッパー54のテープ係止部54aが接触する。その結果、先行キャリアテープ200Aのテープ送り方向Aへの移動とともに、後続キャリアテープ200Bが部品供給位置Q1に向かって移動することが抑制される。
【0105】
付勢ブロック52とスプロケット14との間にキャリアテープ200が存在しない場合または一本のキャリアテープ200のみ存在する場合、ストッパー54のテープ係止部54aは、
図3および
図6に示すように、上側ガイド面12cから後退している。
【0106】
なお、例えば、ストッパー54のテープ係止部54aの進退は、付勢ブロック52の進退に連動して実行される。例えば、付勢ブロック54とスプロケット14との間に二本のキャリアテープ200が存在するときの位置に付勢ブロック52が下がり、それによりストッパー54のテープ係止部54aは上側ガイド面12cから下方に突出する。
【0107】
このような自動テープ送り機構50を部品供給装置10が有することにより、第1の副テープ経路P1上で待機している後続キャリアテープ200Bを、第2の副テープ経路P2および主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向Aに送られている先行キャリアテープ200Aに続いて自動的に送ることができる。
【0108】
以上、本実施の形態によれば、部品実装装置の移載ヘッド100のノズル102に対して先行して部品を供給している先行のキャリアテープ200Aに続いて、次に部品を供給する予定の後続のキャリアテープ200Bを部品供給位置にQ1に向かって送ることができるように、キャリアテープ200が薄い場合であっても、部品供給位置Q1に向かう第1の副テープ経路P1上に後続のキャリアテープ200Bを確実に待機させることができる。
【0109】
上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
【0110】
例えば、上述の実施の形態の部品供給装置10の場合、
図5に示すように、テープ保持ユニット30の第1および第2のテープガイド部32L、32Rは、テープ幅方向(X軸方向)に対向するが、本発明の実施の形態はこれに限らない。
【0111】
例えば別の実施の形態に係る部品供給装置のテープ保持部130の場合、
図12に示すように、第2のテープガイド部132R(それに支持されたガイドブロック36R)のテープ送り方向Aの上流側端が、第1のテープガイド部132L(それに支持されたガイドブロック36L)のテープ送り方向Aの上流側端に比べてテープ送り方向Aの下流側にずれて配置される。これにより、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200は、第1および第2のテープガイド部132L、132Rの間をテープ厚み方向(上下方向)に通過しやすくなり、第1の副テープ経路P1の下方に位置する第2の副テープ経路P2に落ちやすく(移動しやすく)なる(第1および第2のテープガイド部がテープ幅方向に対向する場合に比べて)。
【0112】
また、テープ保持ユニット30の第1および第2のテープガイド部32L、32Rの間を、第1の副テープ経路P1上のキャリアテープ200が第2の副テープ経路P2に向かって容易に通過できるように、第1および第2のテープガイド部32L、32Rの少なくとも一方を、テープ幅方向(X軸方向)に弾性変形可能な材料を用いて作製してもよい。例えば、上述の実施の形態の場合、テープ保持ユニット30の固定ブラケット38および可動ブラケット40の少なくとも一方が、樹脂材料から作製されてもよい。
【0113】
さらに、第1の副テープ経路P1上に待機する後続キャリアテープ200Bを、第2の副テープ経路P2および主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向Aに送られている先行キャリアテープ200Aに続いて自動的に送る自動テープ送り機構は、上述の実施の形態の自動テープ送り機構に限らない。
【0114】
例えば、別の形態の自動テープ送り機構は、第2の副テープ経路P2および主テープ経路P0に沿ってテープ送り方向に送られている先行キャリアテープ200Aのテープ送り方向Aの後端を検出し、部品供給装置10の本体部12のテープ投入口12aに設けられたセンサ(図示せず)と、テープ保持ユニット30のピンローラ34を回転させるためのモータ(図示せず)とを有する。
【0115】
テープ投入口12aに設けられたセンサが先行キャリアテープ200Aの後端を検出すると、モータがピンローラ34を回転させる。これにより、第1の副テープ経路P1上に待機する後続キャリアテープ200Bが、先行キャリアテープ200Aに続いて部品供給位置Q1に向かって送られる。
【0116】
さらに上述の実施の形態の部品供給装置10の場合、第1の副テープ経路P1上からその下方の第2の副テープ経路P2上への先行キャリアテープ200Aの移動は、テープ保持ユニット30の可動ブラケット40を手作業で旋回させることによって実行される。これに代わって、モータなどの駆動源が可動ブラケット40を旋回させてもよい。
【0117】
加えて、上述の実施の形態の場合、テープ保持ユニット30の可動ブラケット40の旋回により、
図7に示すように、第1の副テープ経路P1上の先行キャリアテープ200Aの送り孔208にピン34cが係合しているピンローラ34とともに、送り孔208とは反対側の先行キャリアテープ200Aのテープ幅方向(X軸方向)の他方側を下方からガイドする第2のテープガイド部32R(ガイドブロック36R)が上昇する。しかし、本発明の実施の形態は、これに限らない。
【0118】
別の実施の形態の部品供給装置は、ピンローラ34のみが第1の副テープ経路P1上の先行キャリアテープ200Aから上方向に離間するように構成されている。例えば、作業者は、ピンローラ34を移動させることにより、ピンローラ34のピン34cを先行キャリアテープ200Aの送り孔208内から退避させる。次に、作業者は、先行キャリアテープ200Aをつかみ、つかんだ先行キャリアテープ200Aを第1および第2のテープガイド部32L、32Rの間を通過させ、第2の副テープ経路P2上に配置する。これにより、第1の副テープ経路P1からその下方に位置する第2の副テープ経路P2への先行キャリアテープ200Aの移動が完了する。
【0119】
すなわち、本発明は、広義には、部品を収納すると共に複数の送り孔がテープ長手方向に並んで形成されている先行のキャリアテープと後続のキャリアテープを、順次、部品供給位置へ送り、前記部品を部品実装装置の移載ヘッドに供給する部品供給装置において、本体部と、前記本体部に形成され、キャリアテープを前記部品供給位置へ案内するテープ経路と、前記本体部に形成され、前記テープ経路における前記キャリアテープの送り方向上流側の端側に設けられた開口より前記送り方向の上流側に設けられ、前記後続のキャリアテープを、前記テープ経路に存在する前記先行のキャリアテープから上方に離れた位置で保持するテープ保持ユニットと、を有し、前記テープ保持ユニットは、前記後続のキャリアテープの一方側の下面を支持する第1のテープガイド部と、前記後続のキャリアテープの他方側の下面を支持する第2のテープガイド部とを有し、前記第2のテープガイド部は、前記第1のテープガイド部に対して相対的に移動可能に設けられる、部品供給装置である。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、キャリアテープをテープ経路に沿って送りつつ、テープ経路上に配置されたトップテープ剥離部の刃先がキャリアテープのテープ送り方向の前端側からベーステープとトップテープとの間に進入することによってベーステープからトップテープを少なくとも部分的に剥離する部品供給装置であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0121】
10 部品供給装置
32L 第1のテープガイド部
32R 第2のテープガイド部
34 ピンローラ
34a ローラ本体部
34b 外周部
34c ピン
38a テープ幅方向ガイド部(固定ブラケットの内側面)
40 ピンローラ支持部(可動ブラケット)
40a テープ幅方向ガイド部(可動ブラケットの内側面)
200 キャリアテープ
208 送り孔
A テープ送り方向
P0 主テープ経路
P1 副テープ経路
P2 副テープ経路