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特許7398767軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット
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  • 特許-軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット 図1
  • 特許-軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット 図2
  • 特許-軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/681 20160101AFI20231208BHJP
   F16B 13/04 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
E01F9/681
F16B13/04 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023135838
(22)【出願日】2023-08-23
【審査請求日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0106624
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523321327
【氏名又は名称】フォーエイ システムズ カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】523321338
【氏名又は名称】キム、ソ ジュン
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソ ジュン
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0008154(KR,U)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0103904(KR,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0426760(KR,Y1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0114777(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2002-0094351(KR,A)
【文献】実開昭60-159013(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0346704(KR,Y1)
【文献】韓国登録特許第10-2280781(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2496119(KR,B1)
【文献】実開昭59-098910(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟弱建設構造物に形成される穿孔ホールHに被固定物Eを固定するためのものであって、
前記軟弱建設構造物の穿孔ホールHに挿入される円筒胴体10と、
前記円筒胴体10の下端に形成されるものであり、円筒胴体10より大きい外径を有する先端段差20と、
前記先端段差20と離隔した状態で円筒胴体10の上部側に形成される上部ネジ面30と、
前記円筒胴体10に挿入されて前記先端段差20に据置される弾性パッキング管50と、
前記円筒胴体10に嵌合されて弾性パッキング管50の上端に据置される上部ワッシャー60と、
前記上部ネジ面30にねじ結合されて弾性パッキング管50が膨張するように上部ワッシャー60を加圧する圧縮ナット70と、
前記円筒胴体10の内側に形成されて前記圧縮ナット70を貫通して上部側に開口される締結ネジ溝80とを含み、
前記圧縮ナット70は、前記上部ネジ面30に前記円筒胴体10の上端10aと離隔するようにねじ結合されるナットキャップ71と、前記ナットキャップ71の上部側に形成されて前記締結ネジ溝80を露出させるキャップ貫通孔72と、前記ナットキャップ71の上部側に形成されるものであり、前記キャップ貫通孔72を露出させるとともにレンチLが非回転に挟まれるレンチ溝73とを含み、
前記キャップ貫通孔72の内径D6は、前記締結ネジ溝80の内径D5より大きく、前記レンチ溝73の内径D7より小さく、
また、前記被固定物E及び圧縮ナット70を貫通して前記締結ネジ溝80にねじ結合される固定ボルト90をさらに含むことを特徴とする、軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット。
【請求項2】
前記弾性パッキング管50の外周面に形成されたものであり、前記穿孔ホールHの内周面との摩擦力を大きくするための多数の摩擦突起51をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット。
【請求項3】
前記円筒胴体10に挟まれて前記先端段差20と弾性パッキング管50の間に位置する下部ワッシャー40をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット。
【請求項4】
前記先端段差20の外径D2は、前記円筒胴体10の外径D1より大きくて前記下部ワッシャー40の外径D3より小さく、前記弾性パッキング管50の外径D4は、前記下部ワッシャー40の外径D3より大きいことを特徴とする、請求項3に記載の軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト道路などの軟弱建設構造物に形成された穿孔ホールに被固定物を固定するためのボルトユニットに関し、より詳しくは、穿孔ホールに防水可能かつ容易な固定設置が可能であり、設置後には離脱が防止できる、軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、道路を走行する車両に境界を知らせるラバーポールや駐車ストッパーなどの被固定物は、アスファルト道路などの軟弱建設構造物を穿孔して形成された穿孔ホールに複数の固定ボルトにより固定設置される。
【0003】
例えば、下部側にアスファルト道路の床に支持されるベース部を有するラバーポールの場合、ベース部に形成された3つの穴をそれぞれ貫通する固定ボルトが道路に形成された3つの穿孔ホールに嵌まれて固定されることにより道路に設置される。この時、固定ボルトを穿孔ホールに固定するために金属類のスクリューネジとプラスチックカールプラグを使用したり、アンカーボルトを使用する。
【0004】
しかしながら、ラバーポールのような被固定物の場合、走行中の車両により衝撃が印加される時にその衝撃は固定ボルトを介して穿孔ホールに直接伝達され、このような衝撃が繰り返して印加されると、穿孔ホールと固定ボルトの間の内周面間が緩むようになり、ラバーポールのような被固定物がアスファルト道路のような軟弱建設構造物から分離されることが頻繁に発生した。
【0005】
また、被固定物が駐車ストッパーである場合、車輪の衝突により駐車ストッパーを固定するアンカーボルトが抜かれる場合が多く、特に、駐車ストッパーが設置される場所が地下駐車場である場合は、アンカーボルトが抜かれて露出する穿孔ホールにより漏水が発生することもあった。
【0006】
また、被固定物を軟弱建設構造物に固定するために多数の穿孔ホールを形成しなければならないが、このような多数の穿孔ホールを形成する過程やそれぞれの穿孔ホールに固定ボルトを嵌め合わせ工法で固定する過程において多くの時間及び努力が必要であったという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような問題点を解決するためのものであり、アスファルト道路、アスコン舗装駐車場、地下駐車場などの軟弱建設構造物に形成された穿孔ホールに被固定物を容易に嵌めて固定できる、軟弱建設構造の水穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、穿孔ホールに一応嵌めて固定されると離脱を防止することができ、穿孔ホールからの漏水を防止することができる、軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するために、本発明による軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットは、軟弱建設構造物に形成される穿孔ホールHに被固定物Eを固定するためのものであって、前記軟弱建設構造物の穿孔ホールHに挿入される円筒胴体10と、前記円筒胴体10の下端に形成されるものであり、前記円筒体体10より大きい外径を有する先端段差20と、前記先端段差20と離隔した状態で円筒胴体10の上部側に形成される上部ネジ面30と、前記円筒胴体10に挿入されて前記先端段差20に据置される弾性パッキング管50と、前記円筒胴体10に嵌まって前記弾性パッキング管50の上端に据置される上部ワッシャー60と、前記上部ネジ面30にねじ結合されて前記弾性パッキング管50が膨張するように前記上部ワッシャー60を加圧する圧縮ナット70と、前記円筒胴体10の内側に形成されて前記圧縮ナット70を貫通して上部側に開口される締結ネジ溝80とを含むことを特徴とする
【0010】
本発明において、前記被固定物E及び圧縮ナット70を貫通して前記締結ネジ溝80にねじ結合される固定ボルト90をさらに含む。
【0011】
本発明において、前記弾性パッキング管50の外周面に形成されたものであり、前記穿孔ホールHの内周面との摩擦力を大きくするための多数の摩擦突起51をさらに含む。
【0012】
本発明において、前記圧縮ナット70は、前記上部ネジ面30に前記円筒胴体10の上端10aと離隔するようにねじ結合されるナットキャップ71と、前記ナットキャップ71の上部側に形成されて締結ネジ溝80を露出させるキャップ貫通孔72と、前記ナットキャップ71の上部側に形成されたものであり、前記キャップ貫通孔72を露出させるとともにレンチLが非回転するように嵌合するレンチ溝73とを含む。
【0013】
本発明において、前記キャップ貫通孔72の内径D6は前記締結ネジ溝80の内径D5より大きく、前記レンチ溝73の内径D7より小さい。
【0014】
本発明において、前記円筒胴体10に嵌まれて前記先端段差20と弾性パッキング管50の間に位置する下部ワッシャー40をさらに含む。
【0015】
本発明において、前記先端段差20の外径D2は前記円筒胴体10の外径D1より大きく、前記下部ワッシャー40の外径D3より小さく、前記弾性パッキング管50の外径D4は下部ワッシャー40の外径D3より大きい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、穿孔ホールHに挿入される円筒胴体10の下端に形成された先端段差20、円筒胴体10の上部側に形成される上部ネジ面30、先端段差20と上部ネジ面30との間の円筒胴体10に嵌まれる下部ワッシャー40、弾性パッキング管50及び上部ワッシャー60、上部ネジ面30にねじ結合される圧縮ナット70を含むことにより、圧縮ナット70を回転させて弾性パッキング管50を側方に膨張させた時、弾性パッキング管50は穿孔ホールHの内周面と面接触した状態を維持するするようになり、膨張した弾性パッキング管50は穿孔ホールHの内周面にしっかり密着して完璧な水密を可能にするとともに、膨張した弾性パッキング管50が弾性を有することにより外部から振動や反復的な衝撃が印加されても穿孔ホールHから離脱しない。
【0017】
また、円筒胴体10の内側に圧縮ナット70を貫通して上部側に開口する締結ネジ溝80が形成されることにより、ラバーポールのような被固定物Eを貫通する固定ボルト90を締結ネジ溝80に締結固定することができ、これにより、被固定物Eを軟弱建設構造物に容易に設置することができる。
【0018】
そして、下部ワッシャー40、上部ワッシャー60及び弾性パッキング管50は円筒胴体10に嵌合されて組み立てられる構造であるので、設置しようとする穿孔ホールの内径が他の穿孔ホールの内径に比べて著しく大きい場合、相対的に大きい外径の下部ワッシャー、上部ワッシャー及び弾性パッキング管に取り替えた後に穿孔ホールに挟んで固定することができ、これにより、穿孔ホールHの直径が多様であっても汎用的な適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットの斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う多目的ボルトユニットの断面図である。
図3図2の多目的ボルトユニットの分解断面図である。
図4図2の多目的ボルトユニットにおいて、円筒胴体、先端段差、下部ワッシャー、上部ワッシャー、弾性パッキング管及びキャップ貫通孔の相対的な直径サイズを説明するための断面図である。
図5図1の多目的ボルトユニットが穿孔ホールに挟まれて固定設置される過程を説明するための図である。
図6図1の多目的ボルトユニットが穿孔ホールに挟まれて固定設置される過程を説明するための図である。
図7図1の多目的ボルトユニットが穿孔ホールに挟まれて固定設置される過程を説明するための図である。
図8図7の多目的ボルトユニットにより被固定物が固定されることを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明による軟弱建設構造物のホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットを添付の図を参照して詳しく説明する。
【0021】
以下において、「上部」又は「上」という記載は、接触して真上にあるものだけでなく、非接触で上にあるものも含んでもよい。第1、第2などの用語は様々な構成要素の説明のために使用できるが、構成要素は用語により限定されてはならない。用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ使用される。単数の表現は文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。また、ある部分が他の構成要素を「含む」という時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書に記載された「~部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味する。
【0022】
図1は、本発明による軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットの斜視図であり、図2は、図1のII-II線に沿う多目的ボルトユニットの断面図であり、図3は、図2の多目的ボルトユニットの分解断面図である。
【0023】
図示のとおり、本発明による軟弱建設構造物の穿孔ホールに被固定物を固定するためのボルトユニット100は、軟弱建設構造物を穿孔して形成される穿孔ホールHに被固定物E、例えば、ラバーポールのような被固定物Eを固定するためのものである。このようなボルトユニット100は、軟弱建設構造物の穿孔ホールHに挿入される円筒胴体10と、円筒胴体10の下端に形成されるものであり、円筒胴体10より大きい外径を有する先端段差20と、先端段差20と離隔した状態で円筒胴体10の上部側に形成される上部ネジ面30と、円筒胴体10に挿入されて先端段差20に据置される弾性パッキング管50と、円筒胴体10に嵌まれて前記弾性パッキング管50の上端に据置される上部ワッシャー60と、上部ネジ面30にねじ結合して弾性パッキング管50が膨張するように前記上部ワッシャー60を加圧する圧縮ナット70と、円筒胴体10の内側に形成されて前記圧縮ナット70を貫通して上部側に開口される締結ネジ溝80とを含むことを特徴とする。
【0024】
軟弱建設構造物は、アスファルト道路、地下駐車場、橋梁、トンネル、ダムなどで多様であり、本実施例ではアスファルト道路を例示して説明し、被固定物Eはラバーポールを例示して説明する。
【0025】
穿孔ホールHは、軟弱建設構造物を穿孔して形成され、内径は16mm内外である。穿孔ホールHはドリルなどで形成できるが、軟弱建設構造物を施工する時に鋳型により形成されてもよい。
【0026】
円筒胴体10、先端段差20、上部ネジ面30及び締結ネジ溝80は一体をなし、円筒胴体をNC加工することにより製造される。
【0027】
先端段差20は円筒胴体10より大きい外径を有することにより、円筒胴体10の下端に段差を形成する。このような先端段差20は円筒胴体10に嵌まれる後述する弾性パッキング管50が離脱しないように据置する。
【0028】
上部ネジ面30は円筒胴体10の上部側に形成されて圧縮ナット70をねじ結合させる。上部ネジ面30は圧縮ナット70が正逆回転する時に上部ワッシャー60側に前後進させる。
【0029】
先端段差20と上部ネジ面30の間の円筒胴体10には弾性パッキング管50及び上部ワッシャー60が挟まれ、弾性パッキング管50は先端段差20に据置され、上部ワッシャー60は弾性パッキング管50に据置される。
【0030】
一方、ボルトユニット100は、円筒胴体10に挟まれて先端段差20と弾性パッキング管50との間に位置する下部ワッシャー40をさらに含む。この場合、下部ワッシャー40は先端段差20に据置された状態で弾性パッキング管50の下端を据置する。
【0031】
前記弾性パッキング管50はゴム材質で形成され、弾性パッキング管50の両側に位置する下部ワッシャー40及び上部ワッシャー60は金属材質で形成され、これにより、弾性パッキング管50は金属材質の下部ワッシャー40と上部ワッシャー60との間が狭くなる時に圧着される。
【0032】
弾性パッキング管50は、図7に示すように、上部ワッシャー60により押される時に側方に膨張しながら穿孔ホールHの内周面に面接触して密着する。弾性パッキング管50は、上部ワッシャー60により強く押されれば弾性的に圧縮されて穿孔ホールHの内周面にさらに強く密着する。これにより、本発明の多目的ボルトユニット100に反復的な衝撃が印加されても、弾性パッキング管50は穿孔ホールHの内周面に弾性的に面接触された状態を維持することができ、結果的に多目的ボルトユニット100は堅固に固定された状態を維持することができる。
【0033】
弾性パッキング管50の外周面には、本発明の多目的ボルトユニット100が穿孔ホールHに挿入される時に穿孔ホールHの内周面との摩擦力を大きくするための多数の摩擦突起51が形成される。摩擦突起51は弾性パッキング管50の表面から1mm前後の高さを有する。摩擦突起51は弾性パッキング管50の外周面から突出する突起形状であってもよく、リング形状であってもよく、本実施例においては5つのリング形状を有するものと例示している。
【0034】
このような摩擦突起51を採用することにより、図6に示すように、穿孔ホールHの内径が弾性パッキング管50の外径より大きくても、弾性パッキング管50の穿孔ホールHに直接間接的に非回転に位置固定することができ、これによりレンチLを利用して圧縮ナット70を回転させることができる。
【0035】
ここで、下部ワッシャー40、上部ワッシャー60及び弾性パッキング管50は円筒胴体10に嵌合されて組み立てられる構造であるので、直径が異なる下部ワッシャー、上部ワッシャー及び弾性パッキング管に取り替えることができる。これにより、設置しようとする穿孔ホールの内径が他の穿孔ホールの内径に比べて著しく大きい場合、相対的に大きい外径の下部ワッシャー、上部ワッシャー及び弾性パッキング管に取り替えて穿孔ホールに挟んで固定することができる。従って、本発明の多目的ボルトユニット100は穿孔ホールHの直径が多様であっても汎用的な適用が可能である。
【0036】
圧縮ナット70は、上部ネジ面30にねじ結合されて弾性パッキング管50が膨張するように上部ワッシャー60を加圧する。このような圧縮ナット70は、上部ネジ面30に円筒胴体10の上端10aと離隔するようにねじ結合されるナットキャップ71と、ナットキャップ71の上部側に形成されて締結ネジ溝80を露出させるキャップ貫通孔72と、ナットキャップ71の上部側に形成されることによりキャップ貫通孔72を露出させるとともに、レンチLが非回転に挟まれるレンチ溝73とを含む。
【0037】
ナットキャップ71は円筒胴体10の上端10aと離隔するように上部ネジ面30に締結され、これにより、圧縮ナット70を回転させる時に下部側に移動できる。
【0038】
キャップ貫通孔72はナットキャップ71の上部側に形成されて被固定物Eを固定させるための固定ボルト90が締結ネジ溝80に締結できるように通路を提供する。
【0039】
レンチ溝73は上部側に開口され、レンチLが非回転に挟まれるように六角形の溝やドライバー形状レンチが挟まれるように+字状の溝からなる。
【0040】
固定ボルト90は、例えば、ラバーポールのような被固定物Eを軟弱建設構造物に形成された穿孔ホールHに固定するためのものである。固定ボルト90は、被固定物E及び圧縮ナット70のキャップ貫通孔72を貫通して締結ネジ溝80にねじ結合されることにより被固定物Eを固定する。
【0041】
図4は、図2の多目的ボルトユニットにおいて、円筒胴体、先端段差、下部ワッシャー、上部ワッシャー、弾性パッキング管及びキャップ貫通孔の相対的な直径サイズを説明するための断面図である。
【0042】
先端段差20の外径D2は円筒胴体10の外径D1より大きくて下部ワッシャー40の外径D3より小さく、弾性パッキング管50の外径D4は下部ワッシャー40の外径D3より大きい。すなわち、弾性パッキング管50外径D4>下部ワッシャー40の外径>先端段差の外径D2>円筒胴体10の外径D1の関係を有する。
【0043】
これにより、先端段差20の外径D2より著しく大きい弾性パッキング管50を下部ワッシャー40を媒介として先端段差20から離脱しないように据置させることができ、弾性パッキング管50が穿孔ホールHに挟まれる時に穿孔ホールHの内周面は下部ブワッシャー40と接触しなくなる。
【0044】
円筒胴体10と一体を成す先端段差20は、円筒胴体の外周面を切削することにより形成される。この時、円筒胴体10の外径D1より著しく大きい外径の先端段差20を形成する場合、大きい外径の円筒胴体を利用して先端段差を除いた残りの部分を切削しなければならず、この過程で多くの加工努力及び費用が発生して生産性が低下する。従って、生産性を高めるために、円筒胴体10に比べて先端段差20の外径D2が過度に大きくないことが有利である。しかしながら、弾性パッキング管50の外径が先端段差20の外径D2に比べて著しく大きい場合、弾性パッキング管50は先端段差20から外れる可能性がある。
【0045】
このような理由から、本発明は、先端段差20の外径D2より大きい下部ワッシャー40を採用し、これにより、弾性パッキング管50の外径D4が先端段差20の外径D2より著しく大きくても下部ワッシャー40を媒介として先端段差20に据置させることができる。
【0046】
また、弾性パッキング管50の外径D4は下部ワッシャー40の外径D3より小さいため、弾性パッキング管50が穿孔ホールHに挟まれる過程で金属材質の下部ワッシャー40が穿孔ホールHの内周面を破損することを防止できる。
【0047】
また、圧縮ナット70を構成するキャップ貫通孔72の内径D6は、締結ネジ溝80の内径D5より大きく、レンチ溝73の内径D7より小さい。これにより、レンチLをレンチ溝73に挟み込んで圧縮ナット70を回転させる機能と、被固定物Eを固定するための固定ボルト90をキャップ貫通孔72を貫通した後に締結ネジ溝80に締結する機能とを行うことができる。
【0048】
図5ないし図7は、図1の多目的ボルトユニットが穿孔ホールに挟まれて固定設置される過程を説明するための図である。
【0049】
本発明の多目的ボルトユニット100を軟弱建設構造物の穿孔ホールHに挟んで固定するために、まず穿孔ホールHの上部側に挿入する。
【0050】
次に、図6に示すように、レンチLを圧縮ナット70のレンチ溝73に挟み込み、レンチLを用いて圧縮ナット70を回転させてナットキャップ71の下端が上部ワッシャー60を下部側に加圧する。
【0051】
そうすると、図7に示すように、加圧された上部ワッシャー60が下部側に移動しながら弾性パッキング管50を圧縮し、圧縮された弾性パッキング管50は外側に膨張しながら穿孔ホールHの内周面に密着する。この時、弾性パッキング管50は穿孔ホールHの内周面に面接触して密着するため、多目的ボルトユニット100に繰り返して衝撃が印加されても面接触された状態を維持できるので、強い固定状態を維持することができる。
【0052】
図8は、図7の多目的ボルトユニットにより被固定物が固定されることを説明するための図である。
【0053】
ラバーポールのような被固定物Eを多目的ボルトユニット100に固定するために、被固定物Eを軟弱建設構造物の穿孔ホールHに固定された多目的ボルトユニット100の上部側に位置させる。以後、被固定物Eを貫通した固定ボルト90をキャップ貫通孔72を貫通して締結ネジ溝80にねじ結合させると、被固定物Eは多目的ボルトユニット100に固定される。
【0054】
このように、本発明によれば、穿孔ホールHに挿入される円筒胴体10の下端に形成された先端段差20、円筒胴体10の上部側に形成される上部ネジ面30、先端段差20と上部ネジ面30の間の円筒胴体10に挟まれる下部ワッシャー、弾性パッキング管50及び上部ワッシャー60、上部ネジ面30にねじ結合される圧縮ナット70を含むことにより、圧縮ナット70を回転させて弾性パッキング管50を側方に膨張させた時、弾性パッキング管50は穿孔ホールHの内周面と面接触した状態を維持することになる。このように膨張した弾性パッキング管50は、穿孔ホールHの内周面にしっかりと密着して完璧な水密を可能とし、膨張した弾性パッキング管50は弾性を有しているため、外部からの振動や反復的な衝撃が印加されても穿孔ホールHから離脱しない。すなわち、多目的ボルトユニット100は、外部から印加されるいかなる振動や衝撃でも穿孔ホールHに堅固に固定された状態を維持できる。
【0055】
また、円筒胴体10の内側に圧縮ナット70を貫通して上部側に開口する締結ネジ溝80が形成されることにより、ラバーポールのような被固定物Eを貫通する固定ボルト90を締結ネジ溝80に締結固定することができ、これにより、被固定物Eを軟弱建設構造物に容易に設置することができる。
【0056】
そして、下部ワッシャー40、上部ワッシャー60及び弾性パッキング管50は円筒胴体10に嵌合されて組み立てられる構造であるので、設置しようとする穿孔ホールの内径が他の穿孔ホールの内径に比べて著しく大きい場合、相対的に大きい外径の下部ワッシャー、上部ワッシャー及び弾性パッキング管に取り替えた後に穿孔ホールに挟んで固定することができ、これにより穿孔ホールHの直径が多様であっても汎用的な適用が可能である。
【0057】
本発明は、図面に示された一実施例を参考に説明されているが、これは例示的なものに過ぎず、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解できるであろう。
【符号の説明】
【0058】
E:被固定物
L:レンチ
100:多目的ボルトユニット
10:円筒胴体
20:先端段差
30:上部ネジ面
40:下部ワッシャー
50:弾性パッキング管
51:摩擦突起
60:上部ワッシャー
70:圧縮ナット
71:ナットキャップ
72:キャップ貫通孔
73:レンチ溝
80:締結ネジ溝
90:固定ボルト
【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、軟弱建設構造物に形成される穿孔ホールに被固定物を固定するための多目的ボルトユニットに関する。
【解決手段】軟弱建設構造物の穿孔ホールに挿入される円筒胴体10と、円筒胴体10より大きい外径を有する先端段差20と、先端段差20と離隔した状態で円筒胴体10の上部側に形成される上部ネジ面30と、円筒胴体10に挿入されて前記先端段差20に据置される弾性パッキング管50と、円筒胴体10に挟まれて弾性パッキング管50の上端に据置される上部ワッシャー60と、上部ネジ面30にねじ結合されて弾性パッキング管50が膨張するように上部ワッシャー60を加圧する圧縮ナット70と、円筒胴体10の内側に形成されて圧縮ナット70を貫通して上部側に開口される締結ネジ溝80とを含む。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8