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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】埋め込み工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20231208BHJP
   E02D 17/20 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
E02D3/12 101
E02D17/20 104
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023179032
(22)【出願日】2023-10-17
【審査請求日】2023-10-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500088416
【氏名又は名称】有限会社聖工業
(73)【特許権者】
【識別番号】511212608
【氏名又は名称】有限会社南部技工
(73)【特許権者】
【識別番号】522220120
【氏名又は名称】有限会社久保間
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】磯西 洋吾
(72)【発明者】
【氏名】北村 謙吉
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-121441(JP,A)
【文献】特開平07-268877(JP,A)
【文献】実開平02-005431(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
E02D 17/20
E21D 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫孔機を往復作動させることにより、対象場所へ埋め込み孔を形成する第1工程と、
前記第1工程に次いで行われ、前記埋め込み孔へ筒形状の埋め込み部材、及び前記埋め込み部材の内部に配置され、かつ、前記埋め込み部材の長手方向の端部に接続された引っ張り部材を配置する第2工程と、
前記第2工程に次いで行われ、前記埋め込み孔へ配置された前記引っ張り部材を、前記埋め込み孔から抜け出す方向に作動させることにより、前記埋め込み部材に圧縮荷重を加えて、前記埋め込み部材の一部の箇所を半径方向で外側に向けて突出させる第3工程と、
前記第3工程に次いで行われ、前記埋め込み部材の内部へ硬化材を注入し、かつ、前記硬化材を硬化させて、前記埋め込み部材を前記対象場所へ固定する第4工程と、
を行う埋め込み工法。
【請求項2】
請求項1記載の埋め込み工法であって、
前記第3工程は、牽引装置の作動力で前記引っ張り部材を前記埋め込み孔から抜け出す方向に作動させ、
前記第3工程は、前記埋め込み部材の一部の箇所を半径方向で外側に向けて突出させる場合の直径を、前記牽引装置の作動力、及び前記引っ張り部材を前記埋め込み孔から抜け出す方向に作動させる作動量に基づいて調整する、埋め込み工法。
【請求項3】
請求項1または2記載の埋め込み工法であって、
前記第1工程は、前記貫孔機を往復作動させることにより、前記対象場所の表面を覆う保護層へ挿入孔を形成し、かつ、前記対象場所へ前記埋め込み孔を形成し、
前記第4工程は、前記引っ張り部材が前記挿入孔及び前記埋め込み孔に配置された状態で、前記埋め込み部材の内部へ前記硬化材を注入する、埋め込み工法。
【請求項4】
請求項3記載の埋め込み工法であって、
前記第4工程に次いで前記引っ張り部材を前記埋め込み孔から抜け出す方向に引っ張り、かつ、固定要素を前記引っ張り部材に取り付けることにより、前記保護層を前記対象場所の表面へ固定する第5工程を更に行う、埋め込み工法。
【請求項5】
請求項3記載の埋め込み工法であって、
前記第1工程は、前記対象場所の一部を構成する法面に前記埋め込み孔を形成し、
前記第1工程は、前記埋め込み孔の中心線を鉛直線に対して傾斜させる、埋め込み工法。
【請求項6】
請求項1または2記載の埋め込み工法であって、
前記第1工程は、前記埋め込み孔の中心線を鉛直線に沿って配置させ、
前記第4工程は、前記引っ張り部材が前記埋め込み孔から除去された状態で、前記埋め込み部材の内部へ前記硬化材を注入する、埋め込み工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象場所へ埋設物を埋め込むために行われる埋め込み工法に関する。
【背景技術】
【0002】
対象場所へ埋設物を埋め込むために行われる埋め込み工法の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、例えばグランドアンカー工法、斜面補強工、地中杭工法、橋脚部補強工法、トンネル切羽補強工、パイプルーフ工法、薬液注入工法等の地盤補強工法が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載されている地盤補強工法は、先端部に削孔用ビットを有する削孔ロッドを、削孔機で回転駆動して地山(対象場所)を削孔する。特許文献1に記載されている地盤補強工法は、孔内に開口率20%以上の多孔管よりなる孔壁保持用ケーシング管(棒状埋設物)を挿入し、所定深さの削孔が形成されたところで、削孔内にケーシング管を残して削孔ロッドを削孔内から引き抜き回収する。その後、削孔内に固結材を注入してケーシング管内部及びその周囲の地盤内に浸透固化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-167746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1に記載されている埋め込み工法は、削孔機が大型であるため作業が面倒及び複雑である、という課題を認識した。
【0006】
本開示の目的は、設備を簡素化し、かつ、作業工数の増加を抑制することの可能な埋め込み工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、貫孔機を往復作動させることにより、対象場所へ埋め込み孔を形成する第1工程と、前記第1工程に次いで行われ、前記埋め込み孔へ筒形状の埋め込み部材、及び前記埋め込み部材の内部に配置され、かつ、前記埋め込み部材の長手方向の端部に接続された引っ張り部材を配置する第2工程と、前記第2工程に次いで行われ、前記埋め込み孔へ配置された前記引っ張り部材を、前記埋め込み孔から抜け出す方向に作動させることにより、前記埋め込み部材に圧縮荷重を加えて、前記埋め込み部材の一部の箇所を半径方向で外側に向けて突出させる第3工程と、前記第3工程に次いで行われ、前記埋め込み部材の内部へ硬化材を注入し、かつ、前記硬化材を硬化させて、前記埋め込み部材を前記対象場所へ固定する第4工程と、を行う埋め込み工法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の埋め込み工法によれば、設備を簡素化し、かつ、作業工数の増加を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(A),(B)は、埋め込み工法の第1具体例で行う第1工程を示す断面図である。
図2】(A),(B)は、埋め込み工法で用いる鋼管及び引っ張り部材の構成を示す断面図である。
図3】(A),(B)は、埋め込み工法の第1具体例で行う第2工程を示す断面図である。
図4】埋め込み工法の第1具体例で行う第3工程を示す断面図である。
図5】(A)は、埋め込み工法の第1具体例で行う第4工程を示す断面図、(B)は、埋め込み工法の第1具体例で行う第5工程を示す断面図である。
図6】(A),(B)は、埋め込み工法の第2具体例で行う第11工程を示す断面図である。
図7】(A),(B)は、埋め込み工法の第2具体例で行う第12工程を示す断面図である。
図8】埋め込み工法の第2具体例で行う第13工程を示す断面図である。
図9】埋め込み工法の第2具体例で行う第14工程を示す断面図である。
図10】埋め込み工法の第1具体例及び第2具体例を包括して示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(概要)
本開示の埋め込み工法は、対象場所へ埋設物を埋め込むために行われる。対象場所は、土壌、地山、地盤、盛土、土砂、粘性土、砂質土、シルト、埋戻土である。対象場所の一例である地盤の強度を示す“N値”は、概ね5~15である。礫、岩石は、対象場所から除外される。埋め込み工法の実施形態は、図面に基づいて説明されている。埋め込み工法を説明するための全図では、同一構成及び同一要素に原則として同一の符号が付されている。
【0011】
(第1具体例)
埋め込み工法の第1具体例は、地山の表面に設けられている斜面の安定及び構造物防護を目的として行われる。斜面の安定は、地山の崩壊を防止すること、及び地山の崩落を防止すること、を含む。埋め込み工法の第1具体例は、保護層を対象場所に固定するために、埋設物としてのアンカーを、対象場所へ埋め込むものである。作業者は、図10のフローチャートで示す第1工程S1~第5工程S5を順番に行う。
【0012】
<第1工程>
第1工程S1は、地山に孔を設ける工程を含む。図1(A)には、作業者が第1工程で使用する自走式の地中貫孔機10が示されている。地中貫孔機10は、例えば、グルンドマートである。地中貫孔機10は、エアホース11を介してコンプレッサ12に接続されている。地中貫孔機10は、内部へ作動可能に設けられたピストンと、先端に設けられたヘッド13と、を有する。ピストンは、コンプレッサから供給される圧縮空気により駆動されてヘッド13を打撃する。
【0013】
図1(A)に示された地山14の表面、つまり、法面14Bは、鉛直線A1に対して傾斜している。鉛直線A1は、重力の作用方向を示す仮想線である。また、法面14Bを被覆する保護層15が設けられている。保護層15は、モルタル吹付工法、植生基材吹付工法、吹付法枠工法、等により施されたものを含む。モルタル吹付工法は、モルタルコンクリートを対象場所へ吹き付ける工法である。植生基材吹付工法は、種子・肥料・基盤材・接合材等を混合して、対象場所へ吹き付ける工法である。吹付法枠工法は、変形自在の金網型枠及び鉄筋を法面上で組立て、モルタルまたはコンクリートを吹付け造成する工法である。
【0014】
保護層15は、略一定の厚さで施されている。作業者は、地中貫孔機10のヘッド13で保護層15及び地山14を打撃させ、かつ、削るとともに、地中貫孔機10を中心線B1に沿って前進させる。したがって、図1(B)のように、保護層15の挿入孔15A、及び地山14の埋め込み孔14Aが形成される。保護層15の挿入孔15A、及び地山14の埋め込み孔14Aの中心線B1は、鉛直線A1及び水平方向の仮想線A2に対し傾斜されている。また、鉛直線A1に沿った高さ方向で、埋め込み孔14Aの底部は、挿入孔15Aより下に位置する。作業者は、埋め込み孔14A、及び挿入孔15Aが形成された後、地中貫孔機10を中心線B1に沿って後退させる。つまり、地中貫孔機10は、中心線B1に沿って往復作動される。作業者は、地中貫孔機10を埋め込み孔14A、及び挿入孔15Aから抜き出し、第1工程S1を終了する。作業者は第1工程S1に次いで、第2工程S2を行う。
【0015】
<第2工程>
第2工程S2は、図2(A),(B)に示された鋼管16を、地山14の埋め込み孔14A及び保護層15の挿入孔15Aへ配置する工程を含む。鋼管16は、地山14へ埋め込まれるアンカーであり、鋼管16は、金属製、例えば、鉄製、アルミニウム製である。鋼管16は、中心線B2を中心とする筒形状の部材である。鋼管16は、中心線B2に沿った方向の長さL2を有し、かつ、内径φ1を有する。鋼管16の中心線B2に沿った方向の異なる箇所に、雄ねじ17及び拡径可能部18が設けられている。雄ねじ17は、鋼管16の中心線B2に沿った方向の第1端部の外周面に設けられている。拡径可能部18は、鋼管16の中心線B2に沿った方向の第2端部から所定の長さL1に亘って設けられている。長さL1は、長さL2未満である。拡径可能部18は、中心線B2に沿った方向の圧縮荷重を受けると、半径方向で外側に向けて突出するように変形する構成を有する。つまり、拡径可能部18は、直径を拡大できる構成である。半径方向は、鋼管16の半径方向、つまり、中心線B2を中心とする仮想円の半径方向である。
【0016】
拡径可能部18には、複数の構成片19と、複数の構成片19同士の間に設けられたスリット20と、を有する。スリット20は、中心線B2に沿った方向に延ばされ、かつ、拡径可能部18を半径方向に破断したものである。複数の構成片19及び複数のスリット20は、拡径可能部18の円周方向に交互に配置されている。複数の構成片19は、中心線B2に沿った方向にそれぞれ延ばされている。図2(B)のように、複数の構成片19は、中心線B2に沿った方向の中途位置にそれぞれ切れ目47が設けられている。このため、拡径可能部18は、圧縮荷重を受けると、鋼管16の半径方向で外側に向けて突出するように変形する。
【0017】
更に、鋼管16の長手方向における第2端部にナット21が固定されている。ナット21は、金属製、例えば、鋼製、アルミニウム製である。ナット21は、雌ねじ孔22を有する。雌ねじ孔22は、中心線B2を中心として配置されている。ナット21は厚さL4を有する。
【0018】
更に、引っ張り部材23が設けられている。引っ張り部材23は、鋼管16へ中心線B2に沿った方向の圧縮荷重を加えるための要素である。引っ張り部材23は、例えば、棒部材であり、引っ張り部材23の直径φ2は、鋼管16の内径Φ1未満である。引っ張り部材23は、中心線B2に沿った方向の長さL3を有する。引っ張り部材23の外周面には、雄ねじが設けられている。雄ねじは、引っ張り部材23の中心線B2に沿った方向の全域に亘って設けられている。
【0019】
更に、図2(A),(B)に示す位置決めプレート24が設けられている。位置決めプレート24は、引っ張り部材23をナット21に対し位置決めする要素である。位置決めプレート24の直径φ4は、鋼管16の直径φ3を超えている。位置決めプレート24は、挿入孔24Aを有し、挿入孔24Aの内径は、引っ張り部材23の直径φ2を超えている。位置決めプレート24は、厚さL5を有する。長さL2は、長さL1を超えている。中心線B2方向で、長さL3は、長さL2、及び厚さL4,L5を合計した全長L6を超える。
【0020】
作業者は、第2工程S2において、地山14の埋め込み孔14A及び保護層15の挿入孔15Aに亘って鋼管16を配置する前に、位置決めプレート24を鋼管16の第1端部へ接触させ、かつ、位置決めプレート24と鋼管16とを中心線B2を中心として同軸上に配置する。作業者は、次に引っ張り部材23を挿入孔24Aへ挿入し、かつ、引っ張り部材23を中心線B2に沿った方向に移動させて、引っ張り部材23を鋼管16の内部16Aへ進入させる。作業者は、引っ張り部材23の先端を、ナット21の雌ねじ孔22へ進入させた後、引っ張り部材23を中心として回転させ、引っ張り部材23とナット21とをねじ結合させる。
更に、作業者は、連結された鋼管16及び引っ張り部材23を中心線B2に沿った方向に移動させて、鋼管16及び引っ張り部材23を保護層15の挿入孔15A、及び地山14の埋め込み孔14Aへ挿入する。作業者は、更に、図3(A)のように、鋼管16及び引っ張り部材23を停止させ、第2工程を終了する。本実施形態では、鋼管16及び引っ張り部材23が停止されると、中心線B1と中心線B2とが同軸上に配置されるものとする。
【0021】
作業者は、挿入方向でナット21を先端に位置させた状態で、鋼管16及び引っ張り部材23を、挿入孔15A及び埋め込み孔14Aへ挿入する。作業者が、鋼管16及び引っ張り部材23を停止させると、雄ねじ17は、地山14及び保護層15の外部C1に位置する。作業者は、第2工程S2に次いで、第3工程S3を行う。
【0022】
<第3工程>
第3工程S3は、鋼管16の拡径可能部18を拡径させる工程を含む。第3工程S3では、図3(B)に示す油圧ジャッキ25が用いられる。油圧ジャッキ25は、油圧シリンダ26、テンションバー27、カプラ28、ラムチェア29、プレート30等を有する。また、第3工程では、油圧ポンプ31、補助プレート32、等が用いられる。油圧ポンプ31は、圧力計33を有し、油圧ポンプ31は、駆動源により駆動される。油圧ポンプ31の吐出圧は、油圧ホース34を介して油圧ジャッキ25へ伝達される。
【0023】
油圧ジャッキ25の油圧シリンダ26は、油圧変化に応じて中心線B2に沿った方向へ作動される。テンションバー27は、油圧シリンダ26と共に中心線B2に沿った方向へ作動される。油圧シリンダ26の作動量を表示する作動量表示計46が設けられている。作業者は、作動量表示計46を目視することにより油圧シリンダ26の作動量を確認できる。油圧シリンダ26の作動量は、引っ張り部材23が、鋼管16の中心線B1に沿って引っ張られる移動量に相当する。
【0024】
カプラ28は、テンションバー27と引っ張り部材23とを接続する器具である。ラムチェア29は、油圧ジャッキ25から突出されたフレームである。ラムチェア29は、金属製である。補助プレート32は、金属製であり、かつ、環状である。プレート30の直径は、保護層15の挿入孔15Aの内径を超えている。プレート30は、ラムチェア29の先端に設けられている。補助プレート32は、金属製であり、かつ、環状である。補助プレート32は、雌ねじ孔を有する。
【0025】
作業者は、補助プレート32の雌ねじ孔へ、鋼管16の雄ねじ17を挿入し、かつ、補助プレート32を回転させて締め付け固定する。作業者は、油圧ジャッキ25を中心線B2に沿った方向に移動させて鋼管16へ近づける。作業者は、プレート30内へ鋼管16の先端を進入させ、かつ、プレート30を補助プレート32へ接触させた後、油圧ジャッキ25を停止させる。作業者は、カプラ28と引っ張り部材23とを接続する。
【0026】
作業者は、プレート30を保護層15の表面へ接触させた状態において、油圧ポンプ31を駆動させ、油圧ジャッキ25に作用する油圧を上昇させる。すると、油圧シリンダ26及びテンションバー27が保護層15から離れる向きで中心線B2に沿って所定量作動し、かつ、停止する。油圧シリンダ26及びテンションバー27が作動する過程で生じる反力は、ラムチェア29、プレート30及び保護層15を介して地山14へ伝達される。このため、引っ張り部材23は、地山14の埋め込み孔14Aから引き出される向きで作動され、かつ、停止される。
【0027】
引っ張り部材23が作動されると、ナット21が中心線B2に沿い、かつ、保護層15へ近づく向きで移動され、かつ、停止する。このため、拡径可能部18は、中心線B2に沿った方向の圧縮荷重を受ける。すると、複数の構成片19は、鋼管16の半径方向で外側に向けて変形され、図3(B)のように、拡径可能部18の一部が直径φ5となる。直径φ5は、直径φ3を超えている。
【0028】
作業者は、圧力計33を目視して油圧ジャッキ25による引っ張り圧力を確認できる。また、作業者は、作動量表示計46を目視して、油圧シリンダ26の作動量を確認できる。直径φ5は、油圧シリンダ26の作動量、油圧ジャッキ25による引っ張り圧力、拡径可能部18の切れ目47から端部49までの長さL8、等に基づいて定まる。作業者は、直径φ5と、油圧シリンダ26の作動量、油圧ジャッキ25による引っ張り圧力、拡径可能部18の切れ目47から端部49までの長さL8、等との関係を定めた相関情報を取得している。相関情報は、実験及びシミュレーションに基づいて作成されている。作業者は、目標とする直径φ5を得ることができるように、相関情報に基づいて、油圧シリンダ26の作動量、及び油圧ジャッキ25による引っ張り圧力を調整する。
【0029】
作業者は、拡径可能部18が外側へ向けて突出された後、油圧ポンプ31を停止させ、かつ、カプラ28を引っ張り部材23から取り外す。作業者は、更に図4のように、油圧ジャッキ25を地山14の近傍から移動させ、かつ、補助プレート32を雄ねじ17から取り外し、第3工程S3を終了させる。作業者は、第3工程S3に次いで、第4工程S4を行う。
【0030】
<第4工程>
第4工程S4は、地山14の孔A内にセメントミルクを注入させ、かつ、セメントミルクを硬化させる工程を含む。第4工程S4では、図4に示すミキシングタンク35、撹拌機36、グラウドポンプ(モルタルポンプ)37が用いられる。グラウドポンプ37の吸い込み口は、ミキシングタンク35に接続され、グラウドポンプ37の吐出口は、グラウドホース38の第1端部へ接続される。グラウドホース38の第2端部は、鋼管16の内部16Aへ挿入される。
【0031】
作業者は、第4工程S4において、セメント39及び水をミキシングタンク35内へ供給する。作業者は、次に、撹拌機36を駆動させて、セメント39及び水を撹拌し、セメントミルク(モルタル)40を生成する。更に、作業者はグラウドポンプ37を駆動させ、ミキシングタンク35内のセメントミルク40を、グラウドホース38を介して鋼管16の内部16Aへ圧送する。セメントミルク40は、鋼管16の内部16A、拡径可能部18の内部空間に充填される。セメントミルク40の一部は、拡径可能部18のスリット20を通り、鋼管16と埋め込み孔14Aの内面との間に隙間なく充填される。
【0032】
作業者は、セメントミルク40を鋼管16の内部16Aに充填し、かつ、埋め込み孔14Aに充填する作業を行なった後、グラウドポンプ37を停止させ、かつ、グラウドホース38を鋼管16の内部16Aから抜き取る。作業者は、鋼管16の内部16A、及び埋め込み孔14Aに充填されたセメントミルク40が硬化したことを確認し、第4工程S4を終了する。作業者は、第4工程S4に次いで第5工程S5を行う。
【0033】
<第5工程>
第5工程S5は、鋼管16を地山14に定着させる工程を含む。第5工程S5では、第3工程S3と同様に図5(A)に示す油圧ジャッキ25、油圧ポンプ31、等が用いられる。第5工程では、更に、図5(B)に示す受圧板41、定着用ナット42、保護ナット43,44、等が用いられる。受圧板41は、環状であり、受圧板41は、例えば、鋼製、合成樹脂製、コンクリート製である。受圧板41の直径は、鋼管16の直径φ3を超えている。作業者は、図5(A)のように、受圧板41を、鋼管16のうち外部C1に露出している箇所へ取り付ける。また、作業者は、定着用ナット42及び保護ナット43を、鋼管16の雄ねじ17へ取り付ける。
【0034】
更に、作業者は、油圧ジャッキ25のラムチェア29を受圧板41へ接触させ、かつ、カプラ28と引っ張り部材23とを接続する。そして、作業者は油圧ポンプ31を駆動させて油圧ジャッキ25の油圧を上昇させ、引っ張り部材23を外部C1へ向けて引っ張る。引っ張り部材23を引っ張る工程で生じる反力は、受圧板41及び保護層15を介して地山14へ伝達される。作業者は、油圧ジャッキ25で引っ張り部材23を引っ張っている状態で、定着用ナット42及び保護ナット43を締め付ける。作業者が、第5工程で使用する油圧ジャッキ25の圧力は、引っ張り部材23の設計耐力、地山14に対する拡径可能部18の食い込み量、プレート30の沈み込み量、等に応じて調整する。
【0035】
作業者は、定着用ナット42及び保護ナット43を締め付けた後、油圧ポンプ31を停止させ、かつ、カプラ28を引っ張り部材23から取り外す。作業者は、図5(B)のように、油圧ジャッキ25を保護層15の近傍から移動させた後、引っ張り部材23の雄ねじ17へ保護ナット44を取り付けて締め付ける。作業者は、更に、ヘッドキャップ45を受圧板41へ取り付けて、保護ナット43,44及び定着用ナット42を覆い、第5工程が終了する。ヘッドキャップ45内には、防錆油(グリス)が充填されている。第5工程が行われると、保護層15は、地山14と受圧板41とにより挟まれ、保護層15は法面14Bへ固定される。
【0036】
(埋め込み工法の第1具体例の効果)
自走式の地中貫孔機10を用いて、地山14の土を圧密し、かつ、礫等を破砕しながら前進して埋め込み孔14Aを形成する。したがって、地中貫孔機10の前進に伴い、周囲の土砂は圧密され、埋め込み孔14Aの壁(内面)が強固に構築される。また、地中貫孔機10を用いた圧密貫入であるため、排土を伴わず残土処理が不必要である。また、埋め込み孔14Aを形成する工程で、水を供給しない。したがって、排水工程及び排水処理施設は不要である。
【0037】
また、作業者が利用する足場、クレーン、プラントヤード等は不要である。地中貫孔機10は軽量であるため、人力による施工が可能である。自走式の地中貫孔機10を用いるため、図1(B)に示す法面14Bと仮想線A2との間の鋭角側の角度が、70度以上である場合も、圧密貫入により強固な埋め込み孔14Aの壁が構築される。したがって、埋め込み孔14Aの壁崩壊の恐れがない。したがって、鋼管16を埋め込み孔14Aへ挿入する工程をスムースに行える。
【0038】
本実施形態の埋め込み工法では、引っ張り部材23がナット21を引っ張って鋼管16に圧縮荷重を加えて拡径可能部18拡径させている。拡径可能部18が拡径された突出部の直径φ5は、鋼管16のうち、拡径可能部18以外の箇所の直径φ3を超えている。そして、鋼管16の内部、及び拡径可能部18の内部に亘って引っ張り部材23が挿入され、かつ、鋼管16の内部、拡径可能部18の内部、埋め込み孔14Aの内部にセメントミルク40が充填され、かつ、セメントミルク40が硬化(固化)されている。
【0039】
このため、中心線B2に沿った方向で鋼管16を埋め込み孔14Aから抜き出す方向の外力が加わった場合に、拡径可能部18によって受圧面積が拡大されており、鋼管16が地山14から抜け出そうとする力に対する抵抗力が増加する。拡径可能部18の直径φ5が相対的に大きくなるほど、抵抗力が相対的に増加する。したがって、アンカーとしての鋼管16は、保護層15を地山14の法面14Bへ強固に固定する機能を保持する。
【0040】
また、第1具体例では、引っ張り部材23が鋼管16の内部16A、及び拡径可能部18の内部に亘って配置され、かつ、引っ張り部材23がナット21へ固定された状態で、鋼管16の内部16A、拡径可能部18の内部、埋め込み孔14Aの内部にセメントミルク40が充填され、かつ、セメントミルク40が硬化される。このため、中心線B2に沿った方向で鋼管16を埋め込み孔14Aから抜き出す方向の外力が加わり、拡径可能部18を縮径させようとする外力が生じた場合でも、引っ張り部材23が、拡径可能部18の縮径を阻止する。つまり、引っ張り部材23は、拡径可能部18の直径が減少することを阻止する要素として機能する。したがって、アンカーとしての鋼管16が、保護層15を地山14の法面14Bへ固定する機能の低下を抑制できる。
【0041】
更に、引っ張り部材23は、拡径可能部18を拡径させるために鋼管16へ圧縮荷重を与える機能と、セメントミルクの硬化後に、拡径可能部18の直径が減少することを阻止する機能と、を兼ねている。したがって、埋め込み工法に用いる設備を簡素化でき、かつ、作業工数の増加を抑制することができる。
【0042】
本実施形態では、中心線B2に沿った方向において、拡径可能部18に切れ目47を設ける位置を変更することにより、拡径可能部18において突出部が形成される位置を変更できる。拡径可能部18は、長さL7を長さL8より長くすると、拡径可能部18は、コマ形に拡径する。拡径可能部18は、長さL7と長さL8とを略同じにすると、拡径可能部18は、ひし形に拡径する。拡径可能部18がコマ形に拡径した場合の直径は、拡径可能部18がひし形に拡径した場合の直径を超える。長さL7は、切れ目47から、拡径可能部18のうちナット21に近い方の端部48までの距離である。長さL8は、切れ目47から、ナット21とは反対の端部49までの距離である。
【0043】
地山14が比較的硬質で強度のある土質(ローム層等)であると、拡径可能部18が、ひし形に拡径される方が適する。地山14が比較的柔らかで強度が低い土質(埋め土、シルト)であると、コマ形に拡径される方が適する。このように、拡径可能部18が拡径される形状を選択することにより、地盤に対する抵抗力増大を図っている。
【0044】
更に、鉛直線A1に沿った高さ方向で、埋め込み孔14Aの底部は、挿入孔15Aより下に位置する。したがって、セメントミルク40を鋼管16の内部16A、拡径可能部18の内部、及び埋め込み孔14Aに亘って注入する工程で、セメントミルク40が、硬化前に挿入孔15Aから自重で外部C1へ流出することは無い。
【0045】
(第2具体例)
埋め込み工法の第2具体例は、構造物の荷重を基礎から地山(支持地盤)に伝達する役割を果たす杭を、図6(A)に示す地山14へ埋め込む例である。作業者は、図10に示す第11工程S11~第14工程S14を順番に行う。埋め込み工法の第2具体例は、埋め込み工法の第1具体例で用いた図を参照することがある。埋め込み工法の第2具体例を説明する各図では、埋め込み工法の第1具体例と同様の符号が付されている。
【0046】
<第11工程>
作業者は、第11工程S11で、図6(A),(B)のように、地中貫孔機10を使用して地山14に埋め込み孔14Aを形成する。地中貫孔機10は、鉛直線A1に沿った方向に前進(下降)及び後退(上昇)される。埋め込み孔14Aの中心線B1と鉛直線A1とが、同軸上に位置する。埋め込み孔14Aは、地山14の表面14Cに開口されている。ここでは、表面14Cが略水平であるものとする。作業者は、埋め込み孔14Aを形成後に地中貫孔機10を後退させて、埋め込み孔14Aから抜き取り、第11工程S11を終了する。作業者は、第11工程S11に次いで、第12工程S12を行う。
【0047】
<第12工程>
第12工程S12は、図2(A),(B)に示された鋼管16及び引っ張り部材23を、地山14の埋め込み孔14Aへ挿入する工程を含む。埋め込み工法の第2具体例では、鋼管16は、地山14へ杭として埋め込まれる。ここでは、便宜上、鋼管16の雄ねじ17が設けられていない例を説明する。作業者は、ナット21が下になる向きで鋼管16を、埋め込み孔14Aに対して位置決めし、鋼管16及び引っ張り部材23を下降させて、図7(A)のように、鋼管16及び引っ張り部材23を埋め込み孔14Aへ挿入する。鋼管16の上端は、地山14の外部C1に位置する。作業者が、鋼管16及び引っ張り部材23埋め込み孔14Aへ挿入すると、第12工程S12を終了する。作業者は、第12工程S12に次いで、第13工程S13を行う。
【0048】
<第13工程>
第13工程S13は、鋼管16の拡径可能部18を拡径させる工程を含む。作業者は、第13工程S13において、図7(B)に示す油圧ジャッキ25及び油圧ポンプ31を使用する。作業者は、引っ張り部材23とカプラ28とを接続した後、プレート30を表面14Cへ接触させた状態において、油圧ポンプ31を駆動させる。すると、第3工程と同様に引っ張り部材23が、外部C1へ向けて引っ張られる。油圧シリンダ26及びテンションバー27が作動する過程で生じる反力は、ラムチェア29、プレート30を介して地山14へ伝達される。そして、油圧ポンプ31が停止されると、引っ張り部材23が停止する。
【0049】
引っ張り部材23が外部C1へ向けて移動してから停止するまでの過程において、第3工程と同様の原理で、拡径可能部18へ圧縮荷重が加えられる。このため、拡径可能部18は、外側へ拡径されて直径φ5まで増加する。作業者は、拡径可能部18の直径φ5を、第3工程と同様に調整できる。作業者は、拡径可能部18が外側へ向けて突出された後、油圧ポンプ31を停止させ、かつ、カプラ28を引っ張り部材23から取り外す。作業者は、油圧ジャッキ25を地山14の近傍から移動させる。作業者は、引っ張り部材23をナット21から取り外し、かつ、引っ張り部材23を埋め込み孔14Aから取り出し、第13工程S13を終了する。作業者は、第13工程S13に次いで、第14工程S14を行う。
【0050】
<第14工程>
第14工程S14は、地山14の孔A内にセメントミルクを注入させ、かつ、セメントミルクを硬化させる工程を含む。第14工程S14では、図8に示すミキシングタンク35、撹拌機36、グラウドポンプ37が用いられる。グラウドポンプ37の吐出口は、グラウドホース38の第1端部へ接続される。グラウドホース38の第2端部は、鋼管16の内部16Aへ挿入される。
【0051】
作業者が行う第14工程S14は、第4工程S4と略同じである。作業者はグラウドポンプ37を駆動させ、ミキシングタンク35内のセメントミルク40を、グラウドホース38を介して鋼管16の内部16Aへ圧送する。セメントミルク40は、鋼管16の内部16A、拡径可能部18の内部空間に充填される。セメントミルク40の一部は、拡径可能部18のスリット20を通り、鋼管16と埋め込み孔14Aの内面との間に隙間なく充填される。
【0052】
作業者は、その後にグラウドポンプ37を停止させ、かつ、グラウドホース38を鋼管16の内部16Aから抜き取る。作業者は、鋼管16の内部16A、及び埋め込み孔14Aに充填されたセメントミルク40が硬化したことを確認し、キャップを鋼管16へ被せ、第14工程S14を終了する。第2具体例では、第5工程を行なわない。第2具体例は、第1具体例と同様の効果を得られる。
【0053】
なお、作業者は、第2具体例の第13工程S13において、第1具体例の第3工程度と同様に、引っ張り部材23を鋼管16の内部16Aへ残してもよい。そして、作業者は、第14工程S14において、第4工程と同様に、引っ張り部材23が鋼管16の内部16Aに配置されている状態で、セメントミルク40を鋼管16の内部16Aへ充填し、かつ、セメントミルク40を硬化させる。
【0054】
(他の説明)
本実施形態で開示された事項の技術的意味の一例は、次の通りである。地中貫孔機10は、貫孔機の一例である。地山14は、対象場所の一例である。埋め込み孔14Aは、埋め込み孔の一例である。第1工程S1及び第11工程S11は、第1工程の一例である。第2工程S2及び第12工程S12は、第2工程の一例である。第3工程S3及び第13工程S13は、第3工程の一例である。第4工程S4及び第14工程S14は、第4工程の一例である。第5工程S5は、第5工程の一例である。鋼管16は、埋め込み部材の一例である。引っ張り部材23は、引っ張り部材の一例である。
【0055】
セメントミルク40は、硬化材の一例である。油圧ジャッキ25及び油圧ポンプ31は、牽引装置の一例である。油圧ジャッキ25の油圧は、牽引装置の作動力の一例である。拡径可能部18は、“埋め込み部材の一部の箇所”の一例である。直径φ5は、直径の一例である。定着用ナット42、保護ナット43,44は、固定要素の一例である。法面14Bは、対象場所の表面の一例である。保護層15は、保護層の一例である。挿入孔15Aは、挿入孔の一例である。中心線B1は、埋め込み孔の中心線の一例である。鉛直線A1は、鉛直線の一例である。
【0056】
本実施形態は、図面を用いて開示されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、鋼管の長さ(全長)、及び引っ張り部材の長さ(全長)は、対象場所へ形成する埋め込み孔の深さに応じて決定される。また、複数の鋼管を、中心線に沿った方向へ継ぎ足して(連結して)使用することもできる。更に、牽引装置は、空気圧ジャッキ、電動モータ形アクチュエータでもよい。空気圧ジャッキの作動力は、空気圧である。電動モータ形アクチュエータの作動力は、電動モータの回転力である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本実施形態の埋め込み工法は、対象場所へ埋め込み孔を形成し、かつ、埋め込み部材を埋め込み孔へ埋め込む場合に利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
10…地中貫孔機、14…地山、14A…埋め込み孔、14B…法面、15…保護層、15A…挿入孔、16…鋼管、18…拡径可能部、23…引っ張り部材、25…油圧ジャッキ、31…油圧ポンプ、40…セメントミルク、42…定着用ナット、43,44…保護ナット、A1…鉛直線、B1…中心線、φ5…直径
【要約】
【課題】設備を簡素化し、かつ、作業工数の増加を抑制することの可能な埋め込み工法を提供する。
【解決手段】対象場所へ埋め込み孔を形成する第1工程S1と、第1工程S1で対象場所に形成された埋め込み孔へ、筒形状の埋め込み部材、及び埋め込み部材の内部に配置され、かつ、埋め込み部材の長手方向の端部に接続された引っ張り部材を配置する第2工程S2と、第2工程S2で埋め込み孔へ配置された引っ張り部材を、埋め込み孔から抜け出す方向に作動させることにより、埋め込み部材に圧縮荷重を加えて、埋め込み部材の一部の箇所を半径方向で外側に向けて突出させる第3工程S3と、埋め込み部材の内部へ硬化材を注入し、かつ、硬化材を硬化させて、埋め込み部材を対象場所へ固定する第4工程S4と、を行う埋め込み工法を構成した。
【選択図】図10
図1
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図10