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  • 特許-替刃ケース 図1
  • 特許-替刃ケース 図2
  • 特許-替刃ケース 図3
  • 特許-替刃ケース 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】替刃ケース
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/02 20060101AFI20231208BHJP
【FI】
B25H3/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019142343
(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公開番号】P2021024013
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390024132
【氏名又は名称】オルファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138874
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 雅晴
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 洋輔
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-162063(JP,A)
【文献】特開2007-175939(JP,A)
【文献】実開昭58-034690(JP,U)
【文献】実開平06-062977(JP,U)
【文献】特開2002-173187(JP,A)
【文献】米国特許第06000590(US,A)
【文献】特開2013-018064(JP,A)
【文献】登録実用新案第3115217(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H1/00-5/00
B65D85/00
B26B1/08
A45C11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
替刃を収容する替刃ケースであって、
四角形状の天面と、前記天面のそれぞれの端辺より延びる4つの側壁と、前記4つの側壁の端辺により画定される四角形状の開口部と、を有するキャップと、
四角形状の底面と、前記底面のそれぞれの端辺より延びる4つの側壁と、前記4つの側壁と前記底面とにより画定される替刃収容空間と、を有するケース本体と、
前記ケース本体の1つの前記側壁に一体的に形成されたクリップと、を備え、
前記ケース本体における前記底面とは反対側の端部には、前記キャップの前記開口部に挿入されて前記キャップにより前記ケース本体の前記替刃収容空間を閉鎖可能とする挿入部が設けられ、
前記キャップは、一定の第1幅寸法と、一定の奥行き寸法とを有し、
前記ケース本体は、前記キャップの前記第1幅寸法よりも小さい第2幅寸法と、前記キャップの前記奥行き寸法と同じ一定の奥行き寸法とを有し、
前記第2幅寸法と前記クリップの厚み寸法との合計寸法が前記第1幅寸法と同じであり、前記クリップの幅寸法は前記キャップの前記奥行き寸法と同じであり、
前記ケース本体の前記挿入部に前記キャップを挿入した状態において、前記キャップの1つの前記側壁の外面と、前記クリップの外面とが面一である、替刃ケース。
【請求項2】
前記キャップの1つの前記側壁に第1係止部が設けられ、前記ケース本体の1つの前記側壁に、前記第1係止部と解除可能に係合する第2係止部が設けられ、
前記第1係止部と前記第2係止部とが係合することにより、前記キャップと前記ケース本体とが連結固定される、請求項1に記載の替刃ケース。
【請求項3】
前記ケース本体において、前記第2係止部が設けられている前記側壁は、前記クリップが形成された前記側壁と対向する側壁である、請求項2に記載の替刃ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の替刃を収容する替刃ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
古くなった刃を新しい刃に交換して使用できるナイフ類が従来から知られており、大工等の職人や、家庭の日曜大工においても、そのようなナイフ類が使用される。交換用の替刃は、複数纏めて替刃ケースに収容されることが一般的である。
例えば、大工等の職人は、刃を交換して使用するタイプのナイフを携帯して作業を行う場合、複数の替刃を収容する替刃ケースも一緒に携行して作業を行うことがある。その場合、替刃ケースは、他の工具類と一緒に、比較的大きなサイズの腰袋等に入れられる。そうすると、歩いたり作業をしている間に、替刃ケースが腰袋の奥の方に入り込んで、必要な時に見つけ出すのに手間取ることがある。
(先行技術文献)
【0003】
釣りに使用する「釣餌を収容するエサ袋」等にクリップが付いているものは従来から存在する。しかし、「替刃ケース」に「クリップ」を設けた従来技術を、本件出願人は知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来技術の課題に鑑みて創案されたものであって、その目的は、袋に入れる等して携行した場合であっても、紛失することや探すのに手間取ることのない替刃ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段および効果】
【0005】
本発明の替刃ケースは、替刃を収容する替刃ケースであって、当該替刃ケースの表面との間に対象物(例えば、ベルト、ポケットの壁面、腰袋の周壁、その他)を挟み込むことで、当該替刃ケースを当該対象物に引っ掛けて固定するクリップを備える。
上記構成を備えた本発明の替刃ケースであれば、例えば腰袋の周壁にクリップを引っ掛けておくことで、替刃ケースは常に所定の位置に存在し、歩いたり作業したりするうちに替刃ケースが腰袋の奥に入り込む、ということがなくなる。つまり、替刃ケースの紛失あるいは、探すのに手間取るといったことを防ぐことができる。
【0006】
本発明の替刃ケースは、替刃を収容するケース本体と、キャップとを備えていて、以下のように構成されることが好ましい。
すなわち、キャップは、「平坦な天面」と「一定の第1幅寸法」と「一定の奥行き寸法」とを有する。一方、ケース本体は、「平坦な底面」と「上記第1幅寸法よりも小さい第2幅寸法」と「上記と同じ一定の奥行き寸法」と、を有する。
ケース本体とキャップを組み合わせた状態において、上記クリップを含めた替刃ケース全体が、上記「天面」、「底面」、「第1幅寸法」、「奥行き寸法」で特定される仮想六面体の内方に実質的に収まっている。
【0007】
このように構成された本発明の替刃ケースは、ケースの外形が六面体(上記仮想六面体)に近いものとなる。そのため、個別にパッケージに収容しなくても、店頭での陳列を整然と綺麗に行うことができたり、多数を段ボール詰める場合であっても効率的にスッキリと梱包できる、等の効果が得られる。
【0008】
本発明の替刃ケースは、替刃を収容するケース本体と、キャップとを備えていて、(キャップではなく)ケース本体に上記クリップが設けられている、ことが好ましい。
このように構成された本発明の替刃ケースによれば、携行時において、替刃を収容したケース本体がクリップから脱落して紛失したり、ケースが不用意に開いて替刃が散乱する等の不都合を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る替刃ケースを示す斜視図。
図2図1に示した替刃ケースの六面図(背面図は省略)。
図3図1に示した替刃ケースの全体形状を説明する説明図1
図4図1に示した替刃ケースの全体形状を説明する説明図2
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る替刃ケース10を示す斜視図である。替刃ケース10は、複数の替刃(図示せず)を収容するケース本体11と、本体11の上部開口を閉鎖するキャップ12とを備える。キャップ12は回動式の係止部13を備えていて、これを本体11側に設けた係止突起14と係合させることで、ケース本体11とキャップ12を連結固定することができる(図2参照)。
【0011】
ケース本体11は、クリップ20を一体的に備えている。大工職人が作業時に携行する腰袋の壁部、ズボンや衣類のポケット、あるいはベルト等の対象物にクリップ20を引っ掛けることで、替刃ケース10を所定位置に固定することができる。
クリップ20は、自身と替刃ケースの表面との間に上記対象物を挟み込むことで、替刃ケース10を固定する。したがって、替刃ケース10は、これを携行する職人等が歩いたり作業したりする間においても、常に所定の位置に存在し、紛失したり、腰袋等の奥に入り込んで探すのに手間取る、といったことを防ぐことができる。
【0012】
替刃ケース10はクリップ20を備えることで上記効果を奏し、その場合に、ケース全体の具体的な形状は、特定のものには限定されない。しかし、クリップを含めたケース全体の形状を、以下に説明するような仮想六面体内に収まるように構成することにより、さらに優れた効果が得られる。
【0013】
<陳列や収納等に優れた形状>
図2は、図1に示した替刃ケース10の六面図を示している(ただし、背面図は、正面図と左右対称につき省略している)。図から分かるように、替刃ケース10は、クリップ20を含めた全体形状が、ほぼ六面体形状であると言える。
具体的には、
(ア)キャップ12は、「平坦な天面U」と、「一定の第1幅寸法W1」と、「一定の奥行き寸法N」と、を有している。
(イ)ケース本体11は、「平坦な底面L」と、「上記第1幅寸法よりも小さい第2幅寸法W2」と、「上記と同じ一定の奥行き寸法N」と、を有している。
ここで、「一定の・・・幅寸法」あるいは「一定の奥行き寸法」という場合、図2から分かるように、キャップ12、ケース本体11は、ぞれぞれ表面に細かな凹凸等が存在しており、厳密な意味では「一定」ではないが、実質的には「一定」と呼べる。
【0014】
ケース本体11およびキャップ12が、それぞれ上記寸法を有するが故に、両者を組み合わせた状態においては、「クリップ20を含めた替刃ケース10全体」が、天面U、底面L、第1幅寸法W1、奥行き寸法Nで特定される仮想の六面体(H)の内方に収まっている。図3は、これを概略的に示している。また、図4は、これを正面側から見た図であって、大略的に言うと、「キャップ12の全幅W1」と「ケース本体11の全幅W2」とに差を設けて、この差によって生まれる空間内に、クリップ20を設けたと言うことができる。
なお、図2の平面図からも分かるように、クリップ20の先端部分が極僅かに、第1幅寸法W1からはみ出しているが、この程度であれば「実質的に収まっている」と言える。
【0015】
替刃ケース10の全体が、以上のように仮想六面体に収まる形状であることによって、次のようなメリットが得られる。
すなわち、1つ1つの替刃ケース10を個別に包装(パッケージに収容)しなくても、店頭で複数の替刃ケースを、整然と綺麗に陳列することができる。また、多数の替刃ケースを段ボール箱等に詰める場合であっても、個別に包装せずとも、効率的にスッキリと梱包できる。
【0016】
<ケース本体11にクリップ20を設けることによる利点>
図示した実施形態では、クリップ20は、(キャップ12ではなく)ケース本体11側に設けている。これにより、次のようなメリットが得られる。
すなわち、仮にクリップ20がキャップ12に設けられていたとして、そのような替刃ケースをズボンのベルトに固定した場合を想定する。この場合、ケース本体11がキャップ12から脱落すると、キャップ12だけがベルト上に残り、ケース本体11(および収容された替刃)が落下あるいは、紛失することとなってしまう。
【0017】
これに対して、図示した実施形態のように、クリップ20をケース本体11側に設けることで、携行時において、替刃を収容したケース本体がクリップから脱落して紛失するとか、ケースが不用意に開いて替刃が散乱するといった不都合を、未然に防止することができる。
【0018】
<他の実施形態>
(1)
図示した実施形態では、ケース本体11が有する「第2幅寸法W2」も実質的には一定であると言える。しかし、図4から分かるように、「第2幅寸法W2」は一定でなくても、例えばケース本体11の図4中右サイドが傾斜していても、替刃ケース全体としては、仮想六面体(H)の内方に収めることができ、したがって、そのように構成してもよい。
(2)
図示した実施形態では、クリップ20は、ケース本体11と一体的に形成されている。しかし、別部材であるクリップをネジ等を用いて固定するようにしてもよい。
(3)
図示した実施形態では、替刃ケース10は、ケース本体11とキャップ12を備えて構成されている。しかし、キャップ12を備えないタイプの替刃ケースに対しても本発明を適用することが可能であり、その場合、必然的にクリップ20は、ケース本体側に設けられることとなる。
この場合には、ケース本体11に収容された替刃が、不用意に落下等することが無いように形状等を工夫することが好ましい。
【符号の説明】
【0019】
10 替刃ケース
11 ケース本体
12 キャップ
13 係止部
14 係止突起
20 クリップ
図1
図2
図3
図4