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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20231208BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20231208BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231208BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231208BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20231208BHJP
【FI】
F21V23/00 120
F21V23/00 150
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y103:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019213413
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2021086688
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】安住 まどか
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-188391(JP,A)
【文献】特開2014-154558(JP,A)
【文献】特開2019-153513(JP,A)
【文献】特開2017-201614(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0050999(US,A1)
【文献】特開2013-152901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
F21Y 115/10
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を表側に備えるベース部材に取付部材が取付けられている照明装置において、
前記ベース部材は、前記取付部材の取付部が挿入される挿入溝部と、前記挿入溝部における挿入されている前記取付部に対応する部位に形成されたカシメ部とを有し、
前記光源用の電源回路が前記ベース部材の裏側に取付けられ、
前記ベース部材は、長尺状であり、
前記ベース部材は、前記光源が前記表側に配される平坦部と、前記平坦部の短手方向の両端から裏側に延伸した後に前記ベース部材の中心軸に向かって延伸する裏側L字状部と、を有し、
前記平坦部と裏側L字状部とで前記挿入溝部が形成され、
前記取付部は、前記カシメ部に対応する部位に凹部を有する
照明装置。
【請求項2】
前記凹部を前記挿入溝部のカシメ方向から見たときに、前記凹部は円弧形状をした部分を有する
請求項に記載の照明装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記光源用の電源回路を前記ベース部材に取り付ける部材であり、
前記電源回路は、回路構成するための電子部品を実装する電源基板を前記平坦部と平行に備え、
前記取付部材は、前記平坦部に対して立設する立設板部を有し、
前記立設板部は、前記電源基板の表面に沿って延伸して前記表面を支持する第1支持部分と、前記電源基板の裏面側に延伸して前記裏面を支持する第2支持部分とを有し、
前記第2支持部分は、前記電源基板の表裏方向を前記裏面に近づくにしたがって前記立設板部から離れるように延伸する弾性可能な傾斜片により構成されている
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
光源を表側に備えるベース部材に取付部材が取付けられている照明装置において、
前記ベース部材は、前記取付部材の取付部が挿入される挿入溝部と、前記挿入溝部における挿入されている前記取付部に対応する部位に形成されたカシメ部とを有し、
前記ベース部材は前記光源が配される平坦部を有し、
前記取付部材は、前記光源用の電源回路を前記ベース部材に取り付ける部材であり、
前記電源回路は、回路構成するための電子部品を実装する電源基板を前記平坦部と平行に備え、
前記取付部材は、前記平坦部に対して立設する立設板部を有し、
前記立設板部は、前記電源基板の表面に沿って延伸して前記表面を支持する第1支持部分と、前記電源基板の裏面側に延伸して前記裏面を支持する第2支持部分とを有し、
前記第2支持部分は、前記電源基板の表裏方向を前記裏面に近づくにしたがって前記立設板部から離れるように延伸する弾性可能な傾斜片により構成されている
照明装置。
【請求項5】
前記電源基板を裏側から覆う箱状の絶縁裏ケースと、前記取付部材に取り付けられ且つ前記絶縁裏ケースを裏側から覆う箱状の電源カバーとを備え、
前記電源カバーは、前記電源基板から離れるにしたがって側板部から離れるように延伸する延伸片を前記側板部に有し、
前記絶縁裏ケースは、側板部における前記電源カバーの前記延伸片に対応する部位に前記電源基板側が開口する欠け部を有する
請求項3又は4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記電源カバーは、内部に突出する突起部分を前記側板部に有し、
前記取付部材は、前記突起部分が係合する凹みを前記立設板部に有する
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記電源カバーの前記側板部であって前記取付部材と対向する部位の前記平坦部側の端部は、前記電源カバーの外側へと広がっている
請求項5又は6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記源は、1個又は複数個の貫通孔を有するLED基板に複数個のLED素子が実装されてなり、
前記ベース部材は、前記LED基板を第1方向にスライド可能に支持する光源支持部と、前記平坦部であって前記LED基板の前記1又は複数個の貫通孔に対応する部位に形成された第1貫通孔と、前記平坦部内にであって前記LED基板が配される領域外に形成された1個又は複数個の第2貫通孔とを有し、
前記第1貫通孔から前記平坦部の表側に突出する1個以上の第1凸部と、前記第2貫通孔から前記平坦部の表側に突出する1個以上の第2凸部とを進退可能に一体で有し且つ前記ベース部材の裏側に配される位置決め部材を備える
請求項1~7の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
表カバーと端カバー本体と裏嵌合部とを有する端カバーを備え、
前記表カバーは、前記光源を前記表側から覆い、
前記端カバー本体は、前記ベース部材と前記表カバーとで構成される筒状体の端部開口を塞ぎ、
前記裏嵌合部は、前記端カバー本体の裏側周縁から前記ベース部材の裏面に沿って延伸し、
前記端カバーは、前記裏嵌合部の端部が前記挿入溝部に挿入され、前記ベース部材に取り付けられる
請求項1~8の何れか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を表側に備えるベース部材に取付部材が取付けられている照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
取付部材の一例として電源ユニットがベース部材に取り付けられた照明装置が提案されている(例えば特許文献1)。この照明装置では、ねじを利用して電源ユニットをベース部材に取り付けている(段落0019)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-81641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のねじ止めによる固定では、ねじ孔の加工及びねじ締め等の加工コストやねじの部品コストが必要であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、部品コストや加工コストを抑えることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、光源を表側に備えるベース部材に取付部材が取付けられている照明装置において、前記ベース部材は、前記取付部材の取付部が挿入される挿入溝部と、前記挿入溝部における挿入されている前記取付部に対応する部位に形成されたカシメ部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ねじを用いて固定していないため、部品コストや加工コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の照明システムを示す斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
図2】器具と照明装置とを分離した状態の斜視図である。
図3】照明装置の縦断面の斜視図であり、電源ユニット周辺と端カバーを拡大している。
図4】照明装置の横断面図であり、(a)は電源ユニット近傍であり、(b)は装着具近傍である。
図5】電源ユニットの一部を分解状態を示す斜視図である。
図6】電源ユニットの分解状態を表側から見た斜視図である。
図7】電源ユニットの分解状態を裏側から見た斜視図である。
図8】(a)は電源取付部材を裏側から見た斜視図であり、(b)は電源取付部材の断面を表側から見た斜視図である。
図9】電源回路と光源基板との接続部分の断面拡大図であり、(a)は短手方向から見た図であり、(b)は表側から見た斜視図であり、(c)は裏側から見た斜視図である。
図10】電源回路と光源基板との接続部分の分解図であり、(a)は裏側から見た斜視図であり、(b)は表側から見た斜視図である。
図11】(a)は電源カバーの天板部の表側の断面を裏側から見た斜視図であり、(b)は(a)から絶縁表ケースを取り外した状態の斜視図である。
図12】電源ユニットのアース接続を説明する図であり、(a)は裏側から見た斜視図であり、(b)は変則縦断面を短手方向から見た図である。
図13】(a)は装着具を裏側から見た斜視図であり、(b)は装着具の断面を表側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
一態様に係る照明装置は、光源を表側に備えるベース部材に取付部材が取付けられている照明装置において、前記ベース部材は、前記取付部材の取付部が挿入される挿入溝部と、前記挿入溝部における挿入されている前記取付部に対応する部位に形成されたカシメ部とを有する。
別態様に係る照明装置において、前記取付部は、前記カシメ部に対応する部位に凹部を有する。これにより、強固に取付部材をベース部材に取り付けることができる。
別態様に係る照明装置において、前記凹部を前記挿入溝部のカシメ方向から見たときに、前記凹部は円弧形状をした部分を有する。これにより、凹部とカシメ部との密着性を高めることができる。
別態様に係る照明装置において、前記ベース部材は前記光源が配される平坦部を有し、前記取付部材は、前記光源用の電源回路を前記ベース部材に取り付ける部材であり、前記電源回路は、回路構成するための電子部品を実装する電源基板を前記平坦部と平行に備え、前記取付部材は、前記平坦部に対して立設する立設板部を有し、前記立設板部は、前記電源基板の表面に沿って延伸して前記表面を支持する第1支持部分と、前記電源基板の裏面側に延伸して前記裏面を支持する第2支持部分とを有し、前記第2支持部分は、前記電源基板の表裏方向を前記裏面に近づくにしたがって前記立設板部から離れるように延伸する弾性可能な傾斜片により構成されている。これにより、電源基板を配置してベース部材側に押し込むことにより電源基板を取り付けることができ、電源基板の取り付け作業が簡素化できる。
【0009】
別態様に係る照明装置において、前記電源基板を裏側から覆う箱状の絶縁裏ケースと、前記取付部材に取り付けられ且つ前記絶縁裏ケースを裏側から覆う箱状の電源カバーとを備え、前記電源カバーは、側板部から前記電源基板から離れるにしたがって側板部から離れるように延伸する延伸片を前記側板部に有し、前記絶縁裏ケースは、側板部における前記電源カバーの前記延伸片に対応する部位に前記電源基板側が開口する欠け部を有する。これにより、電源カバーと絶縁裏ケースとを容易に組み立てできる。
別態様に係る照明装置において、前記電源カバーは、内部に突出する突起部分を前記側板部に有し、前記取付部材は、前記突起部分が係合する凹みを前記立設板部に有する。これにより、電源カバーをベース部材に容易に取り付けることができる。電源カバーを専用の部材を用いることなく、ベースに取り付けることができる。
【0010】
別態様に係る照明装置において、前記電源カバーの側板部であって前記取付部材と対向する部位の前記平坦部側の端部は、前記電源カバーの外側へと広がっている。これにより、電源カバーを取付部材に取り付ける際に、電源カバーの端部が取付部材に引っかかることなく、容易に取り付けることができる。
別態様に係る照明装置において、光源ユニットは、1個又は複数個の貫通孔を有するLED基板に複数個のLED素子が実装されてなり、前記ベース部材は、前記LED基板を第1方向にスライド可能に支持する光源支持部と、前記平坦部であって前記LED基板の前記1又は複数個の貫通孔に対応する部位に形成された第1貫通孔と、前記平坦部内にであって前記LED基板が配される領域外に形成された1個又は複数個の第2貫通孔とを有し、前記第1貫通孔から前記平坦部の表側に突出する1個以上の第1凸部と、前記第2貫通孔から前記平坦部の表側に突出する1個以上の第2凸部とを進退可能に一体で有し且つ前記ベース部材の裏側に配される位置決め部材を備える。これにより、LED基板を第1方向に移動するのを規制できる。
【0011】
<実施形態>
1.照明システム
照明システム1は、例えば天井等の被取付面に取り付けられる長尺状のLEDベースライトである。照明システム1は、図1及び図2に示すように、被取付面に取り付けられる器具3と、器具3に着脱可能に装着される照明装置5とを備える。
照明システム1において光を出射する側を表側とし、単に「表側」とすることもある。照明システム1において被設置面が存在する側を裏側とし、照明装置5において被設置面や器具3が存在する側を裏側とし、単に「裏側」とすることもある。長尺状の照明システム1の長手方向を、単に「長手方向」や「装置の長手方向」とすることもあり、照明システム1の短手方向を、単に「短手方向」や「装置の短手方向」とすることもある。
以下、各部について説明する。
【0012】
2.器具
主に、図1及び図2を用いて説明する。
器具3は例えば吊りボルト21等により被取付面に固定される。
器具3は、照明装置5に商用電源を供給するための端子台31と、照明装置5を着脱自在に装着するための一対の器具側装着具33とを器具本体35に備える。器具本体35には、吊りボルト21用の貫通孔、電源側ケーブル23の貫通孔や、端子台31や器具側装着具33を固定するための貫通孔等が設けられている。
【0013】
3.照明装置5
(1)全体
図2及び図3を用いて説明する。
照明装置5は、少なくとも、長尺状のベース部材50、ベース部材50の表側に設けられる光源ユニット51と、光源ユニット51を表側から覆う表カバー52と、ベース部材50と表カバー52との長手方向の端部に装着される端カバー53と、光源ユニット51に点灯電力を供給する電源ユニット54と、照明装置5を器具3に着脱可能に装着するための装着具57を備える。ここでの照明装置5は、図示しない照明制御装置(コントローラ)と無線通信するための無線通信ユニット58をベース部材50に有する。
ここで、電源ユニット54をベース部材50に取り付ける電源取付部材(540)が本発明の取付部材の一例に相当し、装着具57及び端カバー53は本発明の取付部材の一例に相当する。
以下、各部について説明する。
【0014】
(2)ベース部材
主に図4を用いて説明する。
ベース部材50は、光源ユニット51が表面に配される平坦部501と、光源ユニット51を長手方向にスライド可能に支持する光源支持部502と、表カバー52を支持するための表カバー支持部503と、端カバー53を取り付けるための端カバー取付部504(図示省略)と、電源ユニット54を取り付けるための電源取付部505と、装着具57を取り付けるための装着具取付部506とを有する。なお、ベース部材50は、横断面形状が長手方向に一定であり、アルミニウム製の押出成形品等を利用できる。
【0015】
(2-1)平坦部
平坦部501は、矩形状の板状をし、その長手方向は装置の長手方向と一致する。短手方向の略中央を通り長手方向に延伸する仮想線を中心軸とし、ベース部材50の中心軸又は単に中心軸という。
ベース部材50は、平坦部501の短手方向の両端から裏側に延伸した後に、中心軸に向かって延伸する「L」字状の裏側L字状部507を長手方向の全長に亘って有している。なお、裏側L字状部507であって平坦部501と間隔をおいて中心軸に向かって延伸する部分を裏側延伸部分507aとする。
平坦部501と裏側L字状部507とで、電源ユニット54を取り付けるための電源取付部材540、装着具57及び端カバー53の取付部が挿入される挿入溝部508が形成される。この挿入溝部508を利用して、電源取付部材540、装着具57及び端カバー53が固定される。
【0016】
(2-2)光源支持部
光源支持部502は、平坦部501の表面から表側に延伸した後に中心軸に向かって延伸する表側L字状部分502aを一対で有する。一対の表側L字状部分502aは、光源ユニット51の短手方向の寸法に合わせた2部位に設けられ、長手方向の全長に亘って設けられている。一対の表側L字状部分502aと平坦部501とで、光源ユニット51が長手方向から挿入される光源挿入溝部が構成される。これにより、ねじ等を用いずに光源ユニット51を支持できる。
【0017】
(2-3)表カバー支持部
表カバー支持部503は、平坦部501の表面から表側に延伸した後に、中心軸と反対側に向かって延伸した後に、さらに裏側へと延伸するJ字状部分503aを一対で有する。一対のJ字状部分503aは、表カバー52の短手方向の寸法に合わせた2部位に設けられ、長手方向の全長に亘って設けられている。一対のJ字状部分503aと平坦部501とで、表カバー52の開口側端部523が長手方向から挿入される表カバー挿入溝部が構成される。これにより、ねじ等を用いずに表カバー52を支持できる。
【0018】
(2-4)端カバー取付部
端カバー53は、ベース部材50の挿入溝部508に挿入可能な裏嵌合部532(図3の拡大図)を有している。
端カバー取付部504は、裏嵌合部532の両端部532bが挿入溝部508に挿入・位置決めされた状態で、裏側L字状部507の裏側延伸部分507aにおける裏嵌合部532の両端部532bと対向する部位(図3の拡大図参照)を端部532b側(表側)に凹入させることで、端カバー53を取り付けている(固定している)。つまり、端カバー取付部は、裏側L字状部507の裏側延伸部分507aをカシメることで形成されるカシメ(挟持)部より構成される。
なお、端カバー53がベース部材50に取り付けられることで、表カバー52の長手方向の移動が規制される。つまり、表カバー52がベース部材50側に取り付けられる。
【0019】
(2-5)電源取付部
電源ユニット54は、図4の(a)に示すように、電源取付部材540を介してベース部材50に取り付けられる。つまり、電源取付部材540の対向板部540aの端部540c(図8参照)が、裏側L字状部507と平坦部501との間の挿入溝部508に長手方向の端部から挿入されることで、電源取付部材540は長手方向にのみスライド可能に平坦部501に支持される。
電源取付部505は、ベース部材50に対して電源取付部材540が長手方向に位置決めされた状態で、裏側L字状部507の裏側延伸部分507aにおける電源取付部材540の端部540cと対向する部位を端部540c側(表側)に凹入させることで、電源取付部材540を取り付けている。つまり、変形した裏側L字状部507が電源取付部材540の凹部(欠け部)540dに凹入することで、電源取付部材540の長手方向位置が固定される。電源取付部505は、裏側L字状部507の裏側延伸部分507aをカシメることで形成されるカシメ(挟持)部より構成される。
【0020】
(2-6)装着具取付部
装着具57は、図4の(b)に示すように、ベース部材50に取り付けられる。つまり、装着具57の対向板部572の端部572a(図13参照)が、裏側L字状部507と平坦部501との間の挿入溝部508に長手方向の端部から挿入することで、装着具57は長手方向にのみスライド可能に平坦部501に支持される。
装着具取付部506は、ベース部材50に対して装着具57が長手方向に位置決めされた状態で、裏側L字状部507の裏側延伸部分507aにおける装着具57の端部572aと対向する部位を端部572a(表側)に凹入させることで、装着具57を取り付けている。つまり、変形した裏側L字状部507が装着具57の貫通孔572bに凹入することで、装着具57の長手方向位置が固定される。装着具取付部506は、裏側L字状部507の裏側延伸部分507aをカシメることで形成されるカシメ(挟持)部より構成される。
【0021】
(3)光源ユニット
主に図4を用いて説明する。
光源ユニット51は、LED基板511と複数個のLED素子513とを備える。なお、ベース部材50は、光源であるLED素子513をLED基板511に実装した状態で、備える。LED基板511はベース部材50の長手方向に細長い矩形状をしている。光源ユニット51は、LED基板511の短手方向の両端部が、ベース部材50の一対の表側L字状部分502aにより支持される。光源ユニット51の位置決め、電源ユニット54との接続については後述する。
【0022】
(4)表カバー
主に図4を用いて説明する。
表カバー52は透光性樹脂材料により構成されている。表カバー52の横断面形状は長手方向に一定である。横断面形状は、裏側が開口する幅広の「U」字状をしている。表カバー52は、その短手方向の開口側端部523が表カバー支持部503により長手方向にスライド可能に支持されている。より具体的には、表カバー52の開口側端部523が、平坦部501とJ字状部分503aとで構成される表カバー挿入溝部に長手方向から挿入されて支持されている。なお、表カバー52の開口側端部523は、表側に屈曲する屈曲部分523aを有し、屈曲部分523aの表裏方向の寸法が、J字状部分503aと平坦部501との隙間の距離よりも大きい。これにより、表カバー52が表カバー支持部503から短手方向に外れるのを防止できる。なお、表カバー52の長手方向の端部は、ベース部材50に取り付けられた端カバー53と当接し、長手方向の移動が規制される。
【0023】
(5)端カバー
主に図3の拡大図を用いて説明する。
端カバー53は、ベース部材50と表カバー52とで構成される筒状体の端部開口を塞ぐ端カバー本体530と、端カバー本体530の表側の周縁から延伸して表カバー52の内面に嵌合する表嵌合部531と、端カバー本体530の裏側周縁からベース部材50の裏面に沿って延伸する裏嵌合部532とを有し、裏嵌合部532の短手方向の両端部532bが挿入溝部508に嵌合(挿入)する。
端カバー53は、裏嵌合部532の端部532bが挿入溝部508に挿入され、裏側L字状部507の裏側延伸部分507aのカシメ部(図示省略)よりベース部材50に取り付けられる。なお、裏嵌合部532の端部は、カシメ部に対応する部位に凹み、貫通孔、欠け部分532aを有しているため、端カバー53がベース部材50から長手方向に容易に外れるのを防止できる。
なお、端カバー53の裏嵌合部532の端部532cは、ベース部材50の挿入溝部508に挿入されて、ベース部材50に取り付けられる取付部である。
【0024】
(6)電源ユニット
電源ユニット54は、点灯電力を生成したり、無線通信ユニット58からの指示にしたがって点灯電力を調整したりする。
電源ユニット54は、図6及び図7に示すように、ベース部材50に取り付けられる電源取付部材540と、複数個の電子部品541が電源基板542に実装されてなる電源回路543と、電源取付部材540に着脱可能に装着され且つ電源回路543を覆う電源カバー544とを備える。
ここでの電源ユニット54は、電源回路543の絶縁性を確保するための絶縁ケース545を備える。なお、絶縁ケース545は、ベース部材50側の絶縁表ケース546と、電源カバー544側の絶縁裏ケース547とからなる。
各部について説明する。
【0025】
(6-1)電源取付部材
主に図8を用いて説明する。
電源取付部材540は金属板をプレス加工してなる。電源取付部材540は、装置の長手方向に間隔をおいて複数個(例えば2個)ある。これにより、電源回路543を安定した状態で支持できる。
電源取付部材540は、ベース部材50の平坦部501と対向する対向板部540aと、対向板部540aから立設する立設板部540bとを有する。ここでは、立設板部540bは装置の短手方向に間隔をおいて一対で設けられている。
対向板部540aは、全体として矩形状をし、その装置の短手方向の寸法は、図4の(a)に示すように、ベース部材50の一対の裏側L字状部507間の距離に対応する。対向板部540aの短手方向の端部540cは、ベース部材50の挿入溝部508に挿入されて、ベース部材50に取り付けられる取付部である。
電源取付部材540は、ベース部材50に取り付ける際の裏側L字状部507の裏側延伸部分507aのカシメ部の位置に対応する部位に凹部(ここでは欠け部である)540dを有する。これにより、電源取付部材540が装置の長手方向に位置決めされる。つまり、ベース部材50に電源取付部材540が取り付けられる。このように、電源取付部材540は、挿入溝部508を構成する裏側延伸部分507aをカシメることで、ねじを用いることなく、ベース部材50に取り付けられる。なお、ここでは、凹部(欠け部)540dは対向板部540aの端部540cにおける装置の長手方向の略中央に設けられている。
【0026】
一対の立設板部540bの間隔は、図5の(b)に示すように、電源基板542の短手方向の寸法に対応する。つまり、一対の立設板部540bの間に電源基板542が配される。
電源取付部材540は、電源基板542における表面に沿って延伸して電源基板542の表面を支持する一対の第1支持部分540eと、電源基板542の裏面側に延伸して電源基板542の裏面を支持する一対の第2支持部分540fとを有する。第1支持部分540e及び第2支持部分540fは、立設板部540bの一部が折り曲げられて構成されている。
第2支持部分540fは、表裏方向を電源基板542の裏面に近づくにしたがって立設板部540bから離れるように傾斜する傾斜片540fにより構成されている。なお、傾斜片の符号も「540f」とする。一対の傾斜片540fの間隔は、傾斜片540f自身の弾性変形及び立設板部540bの弾性変形により、拡大縮小可能に構成されている。これにより、電源基板542を電源取付部材540へ取り付ける際には、電源基板542を一対の立設板部540b間に配し、裏側から電源基板542を表側に押圧することで、電源基板542が傾斜片540fを超えた後に、傾斜片540fが弾性力により元の傾斜状態に戻るため、電源回路543が電源取付部材540に固定される。
【0027】
(6-2)電源回路
電源回路543は、図6及び図7に示すように、電子部品541と電源基板542とを有する。電源基板542は、ベース部材50の平坦部501と平行な状態で、電源取付部材540により支持される。
電源回路543は、器具3の端子台31と接続するためのコネクタ551を電源基板542に有する。なお、端子台31とコネクタ551とはケーブル(図示省略)を介して接続される。コネクタ551は、図7に示すように電源基板542の長手方向の端部に設けられ、図2に示すように、電源カバー544の外部に位置する。これにより、器具3側との電気配線を容易に行うことができる。
電源基板542は、図9に示すように、導電ピン552を介してLED基板511と電気的に接続する。図9及び図10に示すように、導電ピン552は、電源基板542に着脱可能に取り付けられる保持部材554に保持されたピン固定具553に表側から差し込むことで、固定される。
【0028】
(6-2-1)導電ピン
導電ピン552は、1本の導電性材料から線条体(棒状体)の一端側を屈曲させて構成されている。一端側がLED基板511に接続され、他端側が電源基板542に接続される。導電ピン552は、一端側が「U」字状に折り返された後、先端部(一端)が外方へと延伸する。つまり、導電ピン552は、一端側で折り返された折返部552bと、折返部552bの一端側端から外方へ延伸する横延伸部552aと、折返部552bの他端側端から表裏方向に延伸する縦延伸部552cとを有する。なお、折返部552bは、「U」字状をした部分を指す。
導電ピン552に折返部552bが設けられているため、導電ピン552をLED基板511側から電源基板542に差し込む際に、組み立てロボットが折返部552bを把持できる。この際、折返部552bの一端側に横延伸部552aが存在するため、組み立てロボットが折返部552bを把持する部分がLED素子513よりも表側となり、組み立てロボットがLED素子513と接触するのを抑制できる。また、外方に延伸する横延伸部552aは、導電ピン552の差し込む際のストッパーとして機能する。
【0029】
導電ピン552の横延伸部552aは、LED基板511に例えば半田で固定される。この際、導電ピン552の縦延伸部552cはLED基板511の貫通孔511cよりも細く構成されているため、縦延伸部552cとLED基板511とが熱膨張により接触することが少なく、LED基板511と導電ピン552との接続部分に過度な負荷が作用することがない。
【0030】
また、照明装置5が設置された場所の環境温度変化や点灯によるLED基板511等の発熱により、ベース部材50及びLED基板511の温度は、数十度程度変化する。このとき、ベース部材50はアルミニウム等の金属であるのに対し、LED基板511は、ガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂などで構成されているため、熱膨張率が異なる。導電ピン552は、熱膨張率が異なるベース部材50とLED基板511とを間接的に接続することになるため、熱膨張率の差により生じる2つの部材の長手方向の寸法変化による応力を受ける。折返部552bが変形することにより、この応力が吸収される。
【0031】
ここでの横延伸部552aは、導電ピン552の縦延伸部552cから離れる向きに延伸している。ここでは、横延伸部552aは、LED基板511の長手方向に延伸している。これにより、LED基板511に固定される横延伸部552aの長さを確保できる。なお、導電ピン552は、他端部側からLED基板511の貫通孔511a(図10参照)、ベース部材50の平坦部501の貫通孔501a(図6及び図7参照)、保持部材554のピン挿通部554dを表側から挿通する。
導電ピン552の縦延伸部552cが、導電性を有するピン固定具553に固定され、当該ピン固定具553が電源基板542の接続端子に接触するように保持部材554に保持される。
【0032】
(6-2-2)ピン固定具
ピン固定具553は、図9及び図10の拡大図に示すように、挿入された導電ピン552を固定する固定部と、電源基板542の接続端子に接触する接続部とを一体で有する。導電ピン552用の固定部は、弾性変形により遠近可能な一対のピン固定片553aを有する。一対のピン固定片553a間が導電ピン552の挿入により拡がり、拡がったピン固定片553aの復元力で挿入された導電ピン552を固定している。このように一対のピン固定片553aで導電ピンを固定するため、電源基板542の貫通孔542a及びLED基板511の貫通孔511aの位置ずれを吸収できる。一対のピン固定片553aは、導電ピン552の横延伸部552aの延伸方向に隣接する。これにより、導電ピン552の折返部552bと同様に、ベース部材50とLED基板511の熱膨張率の差により生じる影響を効果的に吸収できる。
一対のピン固定片553aは、ベース部553bから導電ピン552の挿入方向に沿ってピン固定片553aの間隔が小さくなるように傾斜している。つまり、一対の固定片553aは、「ハ」字状に構成されている。これにより、導電ピン552をスムーズに一対のピン固定片553a間に受け入れることができる。
【0033】
ベース部553bは、一対のピン固定片553aに対応して2個あり、ピン固定片553aの基部から導電ピン552の横延伸部552a(LED基板511の長手方向)の延伸方向に延伸する。2個のベース部553bは、一対のピン固定片553aが隣接する方向と導電ピン552の挿入方向とに直交する方向(ここでは、装置の短手方向である)の両側で連結部553cにより連結されている。連結部553cは、ピン固定片553aの隣接する方向の中間に電源基板542の貫通孔542a内に入り込むように湾曲する湾曲部553dを有している。これにより、一対のピン固定片553aの間隔を、ピン固定片553aの弾性変形だけでなく、湾曲部553dの弾性変形で拡げることができ、種々の太さの導電ピン552に対応できる。また、湾曲部553dは、図9の(c)に示すように、電源基板542の貫通孔542aを構成する端面に近接又は当接する。これによりピン固定具553が装置の短手方向に位置決めされる。
接続部553fは、ベース部553b又は連結部553cにおける装置の長手方向の端部から長手方向に延伸している。ここでは、接続部553fは連結部553cから延伸し、接続部553fと連結部553cとの間に形成された段差部553gが電源基板542の貫通孔542aに嵌合する。これにより、ピン固定片553a、ベース部553b、連結部553cを貫通孔542a内に配した状態で、ピン固定具553が装置の長手方向に位置決めされる。
【0034】
(6-2-3)保持部材
保持部材554は絶縁性の樹脂材料により構成されている。保持部材554は電源基板542に着脱可能に取り付けられる。保持部材554は、電源基板542の短手方向に延伸し且つ電源基板542の表面と対向するベース部554aと、ベース部554aにおける電源基板542の短手方向の端部から裏側に延伸する延伸部554bと、延伸部554bの先端から他方の延伸部554bに向かって突出する突出部554cとを備え、延伸部554bが電源基板542の欠け部542cに嵌合する状態で、突出部554cが電源基板542の裏面に係合する。
保持部材554は、導電ピン552を挿通させるためのピン挿通部554dを一対で有する。ピン挿通部554dは、ベース部554aに対してLED基板511の長手方向の両側に設けられている。ピン挿通部554dは裏側が細い錐台状をしている。ここでの錐台状は四角錐台状をし、天壁であってピン固定具553の一対のピン固定片553a間に対応する部位に導電ピン552用の貫通孔を有する。これにより、導電ピン552の他端部をスムーズにピン固定片553aへ案内できる。
保持部材554は、ベース部554a、一対のピン挿通部554dを補強するリブ554fを有する。リブ554fは、一対あり、LED基板511の長手方向を、ベース部554aとその両側のピン挿通部554dとに連続するように設けられている。リブ554fは、裏側に突出するように設けられ、電源基板542の貫通孔542bに嵌合する凸部554gを裏面に有する。これにより、保持部材554が電源基板542に対して位置決めされる。
【0035】
保持部材554は、ピン固定具553を保持する機能以外に、ベース部材50に対してスライド可能に支持されているLED基板511を長手方向に位置決めする機能を有する。つまり、保持部材554は、本発明の位置決め部材の一例に相当する。ここでの位置決め部材は、ピン固定具553を保持する機能を有しているが、位置決め機能のみ有してもよい。
保持部材554は、ベース部材50の平坦部501の第1貫通孔501b(図6及び図7参照)を挿通してLED基板511の凹み又は貫通孔511bに嵌合する第1凸部554hと、第1凸部554hを支持し且つ平坦部501やLED基板511の厚み方向に弾性変形可能な凸支持部554jとを有する。これにより、LED基板511を長手方向にスライドさせている場合は、凸支持部554jが裏側に弾性変形することでLED基板511の裏面に第1凸部554hが当接し、LED基板511がスライドしてLED基板511の貫通孔511bが第1凸部554hに対応する部位に位置すると、凸支持部554jが表側に復元して第1凸部554hが貫通孔511bに嵌合する。これにより、ねじ等を利用することなく、LED基板511を位置決めできる。
ここでは、LED基板511の貫通孔511b、第1凸部554h及び凸支持部554jは、LED基板511の短手方向に複数個(2個)あり、凸支持部554jはベース部554aからLED基板511の長手方向に沿って延伸する。
【0036】
保持部材554は、ベース部材50の平坦部501の第2貫通孔501cから平坦部501の表側に突出する第2凸部554kを、第1凸部554h及び凸支持部554jと一体で有する。ここでの第2凸部554kは、第1凸部554hに対してLED基板511の外側であって短手方向の両側に設けられている。つまり、短手方向に間隔をおいて2個の第1凸部554hと、2個の第1凸部554hに対して短手方向の外方側に2個の第2凸部554kとを有している。第1凸部554hと第2凸部554kとは凸部形成部554nにより連結され、凸部形成部554nにおけるLED基板511の短手方向の両端部が凸支持部554jに連結されている。これにより、組み立ての際に、LED基板511をベース部材50の長手方向の端部からスライドさせ、LED基板511の端面と第1凸部554hとが接触した時点で、ベース部材50の第2貫通孔501cから突出している第2凸部554kを裏側に押し込むことにより、第1凸部554hを裏側に移動させることができ、LED基板511を所定位置までスライドさせることが可能となる。
なお、第1凸部554h用の第1貫通孔501bは、ベース部材50における平坦部501のLED基板511が配される領域内に設けられ、第2凸部554kの第2貫通孔501cはベース部材50における平坦部501のLED基板511が配される領域外に設けられている。
【0037】
(6-3)絶縁ケース
主に図6及び図7を用いて説明する。
絶縁ケース545は、金属製のベース部材50と電源回路543との絶縁性を確保するためのものであり、樹脂材料等の絶縁材料により構成されている。
絶縁表ケース546は、電源基板542と対向する底板部546aと、底板部546aにおける短手方向の端縁(長尺状の電源基板542の長手方向と平行な端縁)から裏側に延伸する長側板部546bとを有する。絶縁表ケース546は、図5の(c)に示すように、電源基板542とベース部材50との間又は電源基板542と電源取付部材540との間に配される。
底板部546aには、導電ピン552用の貫通孔546c、保持部材554の第1凸部554h用の貫通孔546d、保持部材554の第2凸部554k用の貫通孔546e等が設けられている。
底板部546aと長側板部546bとの連結部分には、電源基板542を表側から支持する第1支持部分540e用の貫通孔546fが設けられている。長側板部546bには、電源基板542を裏側から押さえる第2支持部分540f用の貫通孔546gが設けられている。
【0038】
絶縁裏ケース547は表側が開放する箱状をしている。絶縁裏ケース547は、電源基板542と対向する天板部547aと、天板部547aにおける短手方向の端縁(長尺状の電源基板542の長手方向と平行な端縁)から表側に延伸する長側板部547bと、天板部547aにおける長手方向の端縁(長尺状の電源基板542の短手方向と平行な端縁)から表側に延伸する短側板部547cとを有する。絶縁裏ケース547は、図5の(a)に示すように、電源基板542と電源カバー544との間に配される。
長側板部547bには、電源取付部材540の立設板部540bとの干渉を避ける(図5の(a)参照)ための欠け部547d等が設けられている。
絶縁裏ケース547は、組み立て時には、電源カバー544と一体化されて、電源回路543を覆う。このため、電源カバー544の長側板部544bの保持部分(延伸片)544gに係合するための欠け部547fを長側板部547bに有する。なお、電源基板542のコネクタ551は絶縁裏ケース547の短側板部547cの外側に位置する。
【0039】
(6-4)電源カバー
主に図6及び図7を用いて説明する。
電源カバー544は、表側が開口する箱状をし、電源回路543を裏側から覆う絶縁裏ケース547と共に電源回路543を裏側から覆う。電源カバー544は、電源基板542等と対向する天板部544aと、天板部544aにおける短手方向の端縁(長尺状の電源基板542の長手方向と平行な端縁)から表側に延伸する長側板部544bと、天板部544aにおける長手方向の端縁(長尺状の電源基板542の短手方向と平行な端縁)から表側に延伸する短側板部544c,544dとを有する。長側板部544b及び短側板部544cはベース部材50の平坦部501近傍まで延伸する。短側板部544dは、コネクタ551に近い側の短側板部であり、電源基板542近傍まで延伸する。
【0040】
長側板部544bは、電源取付部材540に着脱可能に取り付けるための取付部分544fを電源取付部材540の位置に対応して有している。取付部分544fは、電源カバー544内へと突出する突起部分544fにより構成される。なお、突起部分の符号も「544f」とする。突起部分544fは、図11の(b)に示すように、電源取付部材540の立設板部540bの凹みに係合する。ここでの凹みは開口(貫通孔)540gである。なお、開口540gは、第1支持部分540eを形成した際の貫通孔である。これにより、電源取付部材540に電源カバー544を取り付けるための専用の開口を設ける必要がなくなる。
長側板部544bは、図11の(b)に示すように、絶縁裏ケース547を保持するための保持部分544gを絶縁裏ケース547の欠け部547fの位置に対応して有している。保持部分544gは、長側板部544bから、電源カバー544内であって裏側へと傾斜して延伸する延伸片544gにより構成される。これにより、絶縁裏ケース547を表側から支持(保持)できる。なお、延伸片の符号も「544g」とする。
【0041】
長側板部544bにおいて、図11に示すように、表側端部であって電源取付部材540に対応する部分544hは、短手方向の外方に湾曲する湾曲部分544hとなっている。長側板部544bは電源取付部材540の立設板部540bの外側に位置している。これにより、電源カバー544をベース部材50に取り付ける際に、電源カバー544の長側板部544bの湾曲部分544hが電源取付部材540の立設板部540bに引っかかることなく、容易に行える。なお、湾曲部分の符号も「544h」とする。
長側板部544bは、図11に示すように、表側端部であって電源取付部材540に対応する部分に、電源カバー544内であって裏側へと傾斜して張り出す張出片544jを有している。張出片544jは、絶縁裏ケース547の長側板部547bよりも表側に位置する。ベース部材50は、図12に示すように、アース接続されており、電源カバー544を電源取付部材540に取り付けることにより、電源カバー544の張出片544jが、ベース部材50に取り付けられた電源取付部材540と接触することとなり、アース接続される。
【0042】
長側板部544bにおける短側板部544d側の端部544kは、図12に示すように、短側板部544dよりも長手方向に張り出す張出部分544kとなっている。なお、この張出部分の符号も「544k」とする。長側板部544bには電源取付部材540と係合する突起部分544fが設けられており、張出部分544kを長側板部544bと直交する短手方向に広げることで、電源カバー544の突起部分554fと電源取付部材540の開口540gとの係合が解除され、工具等を用いなくても、電源カバー544を電源取付部材540から取り外すことができる。
長側板部544bにおける電源取付部材540と対向しない部分であって電源取付部材540に近い部位に、図6及び図7に示すように、ドライバ等を挿入できる開口544nを有している。これにより、開口544nからドライバを挿入して、電源カバー544の長側板部544bを装置の短手方向に広げることができ、電源カバー544を電源取付部材540から取り外すことができる。
【0043】
短側板部544dは、図12に示すように、表側端から電源基板542に沿って外方(ここでは、長手方向の外方である)に延伸する延伸片544eを有している。延伸片544eは、電源基板542に接触状態でねじ558により固定され、アース接続される。なお、延伸片544eは導電板509を介してベース部材50と接続している。導電板509は、ねじ558,559を利用して、ベース部材50と延伸片544eに固定される。これにより、ベース部材50もアース接続される。
【0044】
(7)装着具
主に図13を用いて説明する。
装着具57は金属板をプレス加工してなる。装着具57は、図2に示すように、器具3の器具側装着具33に対応して部位に設けられ、長手方向に間隔をいて2個ある。これにより、照明装置5を器具3に安定した状態で装着できる。
装着具57は、図13に示すように、装置の長手方向と直交する断面形状が、表側が開口する「コ」字状であるコ字状部571と、コ字状部571の開口側端から装置の短手方向の外方へ延伸し且つベース部材50の平坦部501と対向する対向板部572とを有する。
コ字状部571は、一対の対向板部572の装置の短手方向の内側端から隣接する立設板部573と、立設板部573の裏側端同士を連結する連結板部574を有し、連結板部574に、器具3の器具側装着具33である「U」字状の係止ばね331が係合する。なお、連結板部574には、器具3に照明装置5を装着する(係止ばね331を連結板部574に係止する)際に、係止ばね331が係止する屈曲片574aや、係止ばね331を位置決めするための溝574b等が設けられている。
【0045】
対向板部572における装置の短手方向の端部572a同士の間隔、つまり、装着具57における短手方向の寸法は、図4の(b)に示すように、ベース部材50の一対の裏側L字状部507間の距離に対応する。対向板部572の端部572aは、ベース部材50の挿入溝部508に挿入される。
装着具57は、ベース部材50に取り付ける際の裏側L字状部507の裏側延伸部分507aのカシメ部の位置に対応する部位に凹部(ここでは貫通孔である)572bを有する。これにより、装着具57が装置の長手方向に位置決めされる。つまり、ベース部材50に装着具57が取付けられる。このように、装着具57は、ベース部材50の挿入溝部508(裏側延伸部分507a)をカシメることで、ねじを用いることなく、ベース部材50に取り付けられる。
貫通孔572bは、裏側から見ると矩形状をし、挿入溝部508の奥側(短手方向の外方側)の角部分に円弧状をした部分572cを有している。ベース部材50の挿入溝部508をカシメる際に正方形のポンチを用いたとしても、裏側延伸部分507aは一定の厚みがあるため、カシメ部の角部は丸みを有する。円弧状をした部分572cを有することにより、丸みを有するカシメ部と嵌合しやすくなり、カシメ部との密着性を高めることができる。なお、密着性が高まることで、ガタツキ等を防止できる。なお、対向板部572の短手方向の端部572aは、ベース部材50の挿入溝部508に挿入されて、ベース部材50に取り付けられる取付部である。
【0046】
(8)無線通信ユニット
無線通信ユニット58は、図2に示すように、ベース部材50の平坦部501の裏面であって電源ユニット54の近傍に取り付けられている。
無線通信ユニット58は、図外のコントローラから点灯信号を受信して電源回路543に点灯条件を出力したり、複数の照明システム1が1つのコントローラにより制御されている場合に受信した受信信号が自装置に関するか否か等を判断したりする無線モジュールを通信ケース581内に収容する。
【0047】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0048】
<変形例>
1.取付部の凹部
実施形態の凹部は、取付部材が電源取付部材540及び端カバー53の場合は欠け部(部分)540d,532aであり、取付部材が装着具57の場合は貫通孔572bである。しかしながら、凹部は、カシメ部が嵌合できればよく、例えば、貫通しない穴であってもよいし、カシメ部と反対側が塞がれたような底のある欠け部であってもよい。
カシメ方向から凹部を見た形状は、方形状、矩形状、円形状、楕円形状であってもよい。但し、カシメ部との密着性を高めたい場合は、カシメ部の形状に合わせるのが好ましい。
【0049】
2.取付部材
取付部材53,57,540は、一対の挿入溝部508に挿入される一対の取付部532b,572a,540cを一体で有していたが、取付部材は1個の取付部を有する構造であってもよい。但し、一対の取付部を一体で有する場合、挿入溝部508が対向する方向(装置の短手方向である)のガタ付きを小さくできる。
【0050】
3.電源取付部材
電源取付部材540は、矩形状の電源基板542の長辺となる端縁側を支持するように一対の立設板部540bを有しているが、例えば、少なくとも2個の電源取付部材を電源基板542の長手方向に両端に配置し、電源基板の短辺となる端縁に沿って立設する立設板部を設け、当該立設板部に第1支持部分と第2支持部分を設けてもよい。この場合、第1支持部分と第2支持部分とを1組として短手方向に間隔をおいて2組以上有してもよい。
電源取付部材540は、長手方向に間隔をおいて2個設けられていたが、長手方向に3個設けられてもよいし、1個でもよい。
1個の場合、例えば、ベース部材と対向し電源基板の長手方向に長い矩形状の対向板部と、対向板部の長辺に相当する端縁であって長手方向に間隔をおいた2部位から立設する立設板部を少なくとも両端縁で合わせて4個有し、各立設板部に第1支持部分と第2支持部分を設けてもよい。また、ベース部材と対向し電源基板の長手方向に長い矩形状の対向板部と、対向板部の長辺に相当する両端縁から立設する2個の立設板部を有し、第1支持部分と第2支持部分とを1組として各立設板部に複数組設けてもよい。また、ベース部材と対向し電源基板の長手方向に長い矩形状の対向板部と、対向板部の短辺に相当する両端縁から立設する2個の立設板部を有し、第1支持部分と第2支持部分とを1組として各立設板部に1組又は複数組設けてもよい。
【0051】
電源カバー544の取付部分(突起部分)544fが取り付けられる電源取付部材の凹みは、実施形態のように貫通孔により構成される開口540gであってもよいし、板部分を凹入させた凹みであってもよい。また、凹みの一例である開口540gは、第1支持部分540e用の貫通孔を利用しているが、第1支持部分と別に形成された凹みであってもよい。凹みは、例えば、立設板部の端部分に設ける場合、端縁側が開口する欠け部により構成してもよい。
【0052】
4.電源カバー
(1)電源取付部材との関係
実施形態の電源カバー544では、電源取付部材540の凹みの一例である開口540gに係合する突起部分(取付部分)544fが長側板部544bに設けられていたが、上記の「3.電源取付部材」で説明したように、例えば、電源基板542の短辺に相当する側に電源取付部材の立設板部が存在する場合、突起部分(取付部分)は短側板部に設けてもよい。つまり、本発明において、突起部分(取付部分)が設けられる側板部は、電源取付部材の立設板部との関係で、長側板部、短側板部、両側板部であってもよく、電源カバーを裏側から見たときの形状が円形状、楕円形状又は長円形状、さらには、5角形等の多角形の場合、側板部は周板部に相当する。
実施形態の電源カバー544では、電源取付部材540と対向する部位の平坦部側の端部の湾曲部分544hは、長側板部544bに設けられていたが、上記の「3.電源取付部材」で説明したように、例えば、電源基板542の短辺に相当する側に電源取付部材の立設板部が存在する場合、湾曲部分は短側板部の端部に設けてもよい。つまり、本発明において、湾曲部分が設けられる側板部は、電源取付部材の立設板部との関係で、長側板部、短側板部、両側板部であってもよく、電源カバーを裏側から見たときの形状が円形状、楕円形状又は長円形状、さらには、5角形等の多角形の場合、側板部は周板部に相当する。
【0053】
(2)絶縁裏ケースとの関係
実施形態では、電源カバー544の長側板部544bに絶縁裏ケース547用の保持部分(延伸片)544gを有していたが、短側板部544c,544dに保持部分(延伸片)を設け、絶縁裏ケース547の短側板部547cに欠け部を設けてもよいし、長側板部544bと短側板部544c,544dの両側板部に保持部分(延伸片)を設け、絶縁裏ケース547の長側板部547bと短側板部547cの両側板部に欠け部を設けてもよい。つまり、本発明の電源カバーの側板部は、長側板部、短側板部、両側板部であってもよく、本発明の絶縁裏カバーの側板部は、長側板部、短側板部、両側板部であってもよい。また、電源カバー及び絶縁裏ケースを裏側から見たときの形状が円形状、楕円形状又は長円形状、さらには、5角形等の多角形の場合、側板部は周板部に相当する。
【0054】
5.位置決め部材(保持部材)
(1)位置決め部材
実施形態では、位置決め部材は導電ピン552を保持する機能も有しているが、保持機能を有しなくてもよい。この場合、位置決め部材は、電源基板に取り付けてもよいし、ベース部材に取り付けてもよいし、絶縁表ケースに取り付けてもよい。なお、部品点数、位置決め部品の取り付け作業等を考慮すると、導電ピン552を保持する機能を有している方が好ましい。
また、位置決め機能と保持機能の両機能を有する位置決め部材(保持部材)と、位置決め機能のみを有する1個以上の位置決め部材を備えてもよい。複数個設ける場合はLED基板の長手方向に間隔をおいて設けるのが好ましい。
【0055】
(2)凸部
第1凸部は、第1方向(長手方向)にスライド可能なLED基板511を位置決めできればよく、第1凸部の個数は特に限定するものではなく、例えば、1個でもよいし、3個以上であってもよい。複数個の第1凸部554hはLED基板511の短手方向に一列に設けられてもよいし、複数列に設けられてもよい。複数個の第1凸部554hをLED基板511の貫通孔511aに対して没入可能に支持するためには、LED基板511の長手方向に延伸する凸支持部544jを用いる場合、回転中心と凸部までの距離が一定となる一列の方が好ましい。
第2凸部554kは、なくてもよい。但し、第1凸部554hとLED基板511とが近接した際に、第1凸部554hを没入させる作業を考慮すると、第2凸部554kがある方が好ましい。第2凸部554kは1個でもよいが、第1凸部554hが配されている方向であって第1凸部554h(複数個の場合は第1凸部群である)の両側にあるのが好ましい。これにより、第1凸部554hとLED基板511とが近接した際に、第1凸部554hを没入させる作業効率が高まる。
【符号の説明】
【0056】
1 照明システム
3 器具
5 照明装置
50 ベース部材
51 光源ユニット
53 端カバー(取付部材)
57 装着具(取付部材)
508 挿入溝部
540 電源取付部材(取付部材)
532b 端部(取付部)
540c 端部(取付部)
572a 端部(取付部)
図1
図2
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