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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】心電信号検出方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/346 20210101AFI20231208BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
A61B5/346
A61B5/00 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021527834
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2021075375
(87)【国際公開番号】W WO2022121107
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】202011434788.9
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521213820
【氏名又は名称】チンタオ・ダーアイ・マトリックス・ヘルス・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】リー,シャオユウ
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チョン
(72)【発明者】
【氏名】ルゥー,ツーシン
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111107785(CN,A)
【文献】特開2019-098183(JP,A)
【文献】特表2018-519899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心電信号検出装置の作動方法であって
心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定するステップと、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得するステップと、
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得するステップであって、前記分析結果が、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用されるステップと、
を含み、
前記予測モデルは、マスター予測モデルと、少なくとも1つのスレーブ予測モデルを含み、前記マスター予測モデルの精度は、前記スレーブ予測モデルの精度よりも高く、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得する前記ステップは、
前記マスター予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、前記マスター予測モデルによって出力されたマスター信号分析結果を取得するステップと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行うことを禁止するステップと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、少なくとも1つの前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された前記スレーブ予測モデルによって出力されたスレーブ信号分析結果を取得するステップと、
を含むことを特徴とする心電信号検出装置の作動方法
【請求項2】
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得する前記ステップは、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記マスター信号分析結果を前記分析結果として決定するステップと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、前記マスター信号分析結果と前記スレーブ信号分析結果に対する加重処理により、前記分析結果を取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
心電信号が安定状態に達したことを次のように決定し、即ち、
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、
現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、
現在取得されている変動値が前記所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定する前記ステップは、
心電信号からV2リード心電信号乃至V5リード心電信号を抽出するステップと、
前記V2リード心電信号乃至前記V5リード心電信号から、前記ターゲット特徴情報を抽出するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
心電信号検出装置の作動方法であって、
心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定するステップと、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得するステップと、
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得するステップであって、前記分析結果が、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用されるステップと、
を含み、
心電信号が安定状態に達したことを次のように決定し、即ち、
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、
現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、
現在取得されている変動値が前記所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定することを特徴とする心電信号検出装置の作動方法。
【請求項6】
心電信号検出装置であって、
心電信号を取得するための取得モジュールと、
心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定するための決定モジュールと、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得するための呼び出しモジュールと、
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得するための分析モジュールであって、前記分析結果が、少なくとも前記心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される分析モジュールと、
を含み、
前記予測モデルは、マスター予測モデルと、少なくとも1つのスレーブ予測モデルを含み、前記マスター予測モデルの精度は、前記スレーブ予測モデルの精度よりも高く、
前記呼び出しモジュールは、
前記マスター予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、前記マスター予測モデルによって出力されたマスター信号分析結果を取得するための呼び出しユニットと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記呼び出しユニットによって前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行うことを禁止し、前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、前記呼び出しユニットをトリガーして、少なくとも1つの前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された前記スレーブ予測モデルによって出力されたスレーブ信号分析結果を取得するための制御ユニットと、
を含むことを特徴とする心電信号検出装置
【請求項7】
前記分析モジュールは、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記マスター信号分析結果を前記分析結果として決定するための第1の分析ユニットと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、前記マスター信号分析結果と前記スレーブ信号分析結果に対する加重処理により、前記分析結果を取得するための第2の分析ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項8】
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、現在取得されている変動値が前記所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定するための安定判定モジュール、
をさらに含むことを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記決定モジュールは、
心電信号からV2リード心電信号乃至V5リード心電信号を抽出するための第1の抽出ユニットと、
前記V2リード心電信号乃至前記V5リード心電信号から、前記ターゲット特徴情報を抽出するための第2の抽出ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【請求項10】
心電信号検出装置であって、
心電信号を取得するための取得モジュールと、
心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定するための決定モジュールと、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得するための呼び出しモジュールと、
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得するための分析モジュールであって、前記分析結果が、少なくとも前記心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される分析モジュールと、
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、現在取得されている変動値が前記所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定するための安定判定モジュールと、
を含むことを特徴とする心電信号検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、信号処理技術分野に関し、特に心電信号検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心電計は、心臓が活動しているときに心筋の活性化によって生成された心電信号を収集して、心電信号を通じて心臓の活動状況を推測することができる。
【0003】
現在、心臓の活動状況を知るためには、通常、心電信号を直接に収集するが、収集プロセス中に、収集電極又は他の理由により、収集された心電信号が不正確になり、心臓の活動への予測が不正確になる。
【0004】
これにより、如何に心電信号検出の正確性を向上させるかは、当業者によって解決されるべき緊急の問題であることがわかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の目的は、心電信号検出の正確性を向上させるための心電信号検出方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的問題を解決するには、本出願は、
心電信号を取得するステップと、
心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定するステップと、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得するステップと、
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得するステップであって、前記分析結果が、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用されるステップと、
を含む心電信号検出方法を提供している。
【0007】
好ましくは、前記予測モデルは、マスター予測モデルと、少なくとも1つのスレーブ予測モデルを含み、前記マスター予測モデルの精度は、前記スレーブ予測モデルの精度よりも高く、
前記少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得する前記ステップは、
前記マスター予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、前記マスター予測モデルによって出力されたマスター信号分析結果を取得するステップと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行うことを禁止するステップと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、少なくとも1つの前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された前記スレーブ予測モデルによって出力されたスレーブ信号分析結果を取得するステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得する前記ステップは、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記マスター信号分析結果を前記分析結果として決定するステップと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、前記マスター信号分析結果と前記スレーブ信号分析結果に対する加重処理により、前記分析結果を取得するステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、心電信号が安定状態に達したことを次のように決定し、即ち、
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、
現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、
現在取得されている変動値が前記所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定する。
【0010】
好ましくは、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定する前記ステップは、
心電信号からV2リード心電信号乃至V5リード心電信号を抽出するステップと、
前記V2リード心電信号乃至前記V5リード心電信号から、前記ターゲット特徴情報を抽出するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記前記V2リード心電信号乃至前記V5リード心電信号から、前記ターゲット特徴情報を抽出するステップは、
前記V2リード心電信号乃至前記V5リード心電信号に含まれる特徴情報を取得するステップと、
前記特徴情報に対応する熱値を取得するステップと、
前記熱値に応じて、前記特徴情報から前記ターゲット特徴情報を選別するステップと、を含み、
前記特徴情報は、各ウェーブレットの振幅、振幅変化パラメータ、スペクトルエネルギー、及び最大振幅に対応する時点を含む。
【0012】
上記の技術的問題を解決するには、本出願は、
心電信号を取得するための取得モジュールと、
心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定するための決定モジュールと、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い信号分析結果を取得するための呼び出しモジュールと、
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得するための分析モジュールであって、前記分析結果が、少なくとも前記心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される分析モジュールと、
を含む心電信号検出装置をさらに提供する。
【0013】
好ましくは、前記予測モデルは、マスター予測モデルと、少なくとも1つのスレーブ予測モデルを含み、前記マスター予測モデルの精度は、前記スレーブ予測モデルの精度よりも高く、
前記呼び出しモジュールは、
前記マスター予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、前記マスター予測モデルによって出力されたマスター信号分析結果を取得するための呼び出しユニットと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記呼び出しユニットによって前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行うことを禁止し、前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、前記呼び出しユニットをトリガーして、少なくとも1つの前記スレーブ予測モデルを呼び出して前記ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された前記スレーブ予測モデルによって出力されたスレーブ信号分析結果を取得するための制御ユニットと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記分析モジュールは、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にない場合、前記マスター信号分析結果を前記分析結果として決定するための第1の分析ユニットと、
前記マスター信号分析結果が前記ファジー区間にある場合、前記マスター信号分析結果と前記スレーブ信号分析結果に対する加重処理により、前記分析結果を取得するための第2の分析ユニットと、を含む。
【0015】
好ましくは、前記装置は、
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、現在取得されている変動値が前記所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定するための安定判定モジュール、をさらに含む。
【0016】
好ましくは、前記決定モジュールは、
心電信号からV2リード心電信号乃至V5リード心電信号を抽出するための第1の抽出ユニットと、
前記V2リード心電信号乃至前記V5リード心電信号から、前記ターゲット特徴情報を抽出するための第2の抽出ユニットと、を含む。
【0017】
好ましくは、前記第2の抽出ユニットは、
前記V2リード心電信号乃至前記V5リード心電信号に含まれる特徴情報を取得するための第1の取得サブユニットと、
前記特徴情報に対応する熱値を取得するための第2の取得サブユニットと、
前記熱値に応じて、前記特徴情報から前記ターゲット特徴情報を選別するための選別サブユニットと、を含み、
前記特徴情報は、各ウェーブレットの振幅、振幅変化パラメータ、スペクトルエネルギー、及び最大振幅に対応する時点を含む。
【0018】
上記の技術的問題を解決するには、本出願はまた、
コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行するときに、上記の心電信号検出方法のステップを実現するためのプロセッサーと、
を含む心電信号検出装置を提供する。
【0019】
最後に、上記の技術的問題を解決するには、本出願はまた、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサーによって実行される場合、上記の心電信号検出方法のステップが実現される。
【0020】
本出願によって提供される心電信号検出方法は、心電信号を取得し、心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定し、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、当該信号分析結果が、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用されることを含む。これにより、本技術案によれば、心電信号を実際に予測する前に、安定性の判断が行われることで、信号の不安定性による計算結果の誤差の問題を排除できることが分かる。また、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行う過程では、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴信号に対して信号分析処理を行う。このように、予測モデルの信号分析結果の信頼性が低い場合、少なくとも2つの予測モデルによってターゲット特性情報に対して信号分析処理を行い、分析の正確性を向上させることができる。
【0021】
なお、本出願によって提供される心電信号検出装置は、上記の方法に対応しており、その効果は上記と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の実施例をより明確に説明するために、以下に、実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例にすぎない。当業者にとって、創造的な作業なしで、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0023】
図1】本出願の実施例によって提供される心電信号検出システムの構成アーキテクチャである。
図2】本出願の実施例によって提供される心電信号検出方法のフローチャートである。
図3】本出願の実施例によって提供される他の心電信号検出方法のフローチャートである。
図4】本出願の実施例によって提供される心電信号検出装置の構成図である。
図5】本出願の他の実施例によって提供される心電信号検出装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
心電計は、心電信号を収集できるが、対応する心電信号が正常信号であるかどうかは、専門の技術者が分析する必要があり、人工分析プロセスには主観的な要因が含まれ、特に、結果が正常と異常の間の臨界区間(ファジー区間)にある場合、心電信号の検出の信頼性が低いという問題がある。また、収集された心電信号が不安定な場合、検出結果の精度が低下する。
【0025】
現在存在する上記の問題に鑑みて、本出願は、心電信号検出方法及び装置を提案する。本技術案は、心電信号を収集し、心電信号に対して数学的分析を行って、最終的な検出結果を取得することである。これにより、人間の主観的要因による検出結果の信頼性の低下という問題を回避でき、同時に、分析の前に心電信号の安定性を判断し、得られた検査結果がファジー区間にある場合、複数の予測モデルによってターゲット特徴信号に対して信号分析処理を行うことで、分析結果の正確性を向上させる。
【0026】
理解を容易にするために、以下に、本出願の技術案が適用可能なシステムアーキテクチャを紹介する。図1に示した本出願によって提供される心電信号検出システムの構成アーキテクチャを参照する。
【0027】
図1に示すように、本出願の心電信号検出システムは、心電計1と、ユーザー端末2と、サーバー3と、ロカール端末4とを含み得る。
【0028】
具体的な実施では、心電計1は、心電信号を収集するために使用され、電極及びホストを含む。電極は通常、被測定体の対応する部位に固定され、主に測定部位の心電信号を収集し、ホストに伝送するために使用される。心臓の脱分極及び再分極プロセス中に生成された心電ベクトルは、体積伝導によって体の各部に伝達され、電位差が生成される。2つの電極を被測定体の任意の2点に配置しホストに接続することで、心電図を追跡することができる。電極を配置してホストに接続する配線は、心電図リードと呼ばれる。本出願で使用されるリードは、2つの肢の間の電位差を反映する、双極肢リードとも呼ばれる規格リードであってもよい。もちろん、規格リードに加えて、非規格リードになることもできる。これは、本出願の技術案の実現に影響を与えない。ホストは、主にAD変換回路、フィルタ回路、及び無線通信モジュールなどを含む。なお、AD変換回路は、マナログ信号を電気信号に変換する。フィルタ回路は、心電信号をフィルタリングして、干渉信号を低減する。無線通信モジュールは、ブルートゥースモジュール及び/又はWi-Fiモジュールなどを含み、処理された心電信号をユーザー端末2又は他の端末に送信するために、ユーザー端末2又は他の端末と無線接続する。
【0029】
ユーザー端末2は、心電計1とサーバー3との間の通信を実現するリンクである。ユーザー端末2は、サーバー3によって認証される必要がある。具体的に、対応するアプリケーションプログラム(APP)をユーザー端末にダウンロードして、ユーザー登録を完了してもよい。使用中、ユーザー端末2は、心電計1の心電信号を取得した後、心電信号をアップロードし、サーバー3は当該信号を受信し、当該信号を分析処理できるようにする。本出願におけるユーザー端末2は、上記のAPPがインストールされたスマートフォン、タブレットコンピューター、デスクトップコンピュータ及びウェアラブルデバイスなどを含むが、これらに限定されないことは理解できる。
【0030】
サーバー3は、ユーザー端末2との無線接続に使用され、具体的に、Wi-Fi、4Gネットワーク、5Gネットワークなどを使用して実現できる。サーバー3は、ユーザー端末2によってアップロードされた心電信号を受信した後、心電信号を分析処理して、対応する心電信号の検出結果を取得する。サーバー3は、分析結果をユーザー端末2に送信して、ユーザーが閲覧できるようにすることができる。
【0031】
ロカール端末4は、サーバー3に接続されて、サーバーから送信された心電信号を取得し、それをスタッフが閲覧及び追跡できるように記憶することができる。
【0032】
なお、上記の心電信号検出システムの構成アーキテクチャは、より良い実現形態に過ぎなく、このような構成アーキテクチャによってのみ実現できるという意味ではない。他の実施例では、検出方法に対応するアプリケーションプログラムを他の電子機器に直接書き込むことで実現することもできる。例えば、心電計1は、ユーザー端末2、サーバー3及びロカール端末4を介せず、心電信号の分析処理を直接完了する。心電計1が心電信号を収集し、ユーザー端末2が心電信号の分析処理を完了し、サーバー3とロカール端末4が必要とされないことも可能である。心電計1が心電信号を収集し、ロカール端末4が心電信号の分析処理を完了し、ユーザー端末2とサーバー3が必要しない。
【0033】
以下、本出願の実施例における技術案について、本出願の実施例における図面と併せて明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、全ての実施例ではなく、本出願の実施例の一部に過ぎない。本出願の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られた全ての他の実施例は、本出願の保護範囲に含まれる。
【0034】
図2は、本出願の実施例によって提供される心電信号検出方法のフローチャートである。図2に示すように、当該方法は、サーバー又は携帯電話など、本スキームを実現するためのプログラムを記憶するデバイスに基づいて実現することができ、以下の説明ではサーバーを例として説明する。なお、以下のステップのシーケンス番号は、説明の便宜上まとめたものであり、この順序でしか実現できないことを意味するものではなく、各ステップの実行回数も同じでも異なってもかまいない。図2に示す方法は、次のステップを含む。
S10:心電信号を取得する。
【0035】
心電信号は、具体的に心電計によって収集される。収集プロセスには一定の時間がかかるため、このステップで取得される心電信号は通常、複数のサイクルを含む信号である。各サイクルの心電信号は同じでも異なってもいいが、それらはすべて同じ被測定体からのものである。
【0036】
心電信号は、リアルタイムで取得することができる。即ち、ユーザー端末が心電計によって収集された心電信号を取得した後、それをリアルタイムでサーバーにアップロードする。また、非リアルタイムで取得してもよく、即ち、ユーザー端末が心電計によって収集された完全な収集サイクルを取得した後、収集サイクルの心電信号を一括でアップロードする。また、サーバーの演算圧力を軽減するために、通常の場合では、サーバーによって取得される心電信号は、ユーザー端末又はホストによって処理された信号である。干渉信号の処理は、ハードウェア回路によって実現できる。例えば、ホストでは、フィルタ回路を介して心電信号をフィルタリングする。具体的に、フィルタ回路は、受信した心電信号に対して、ハイパス、ローパス、及びバンドパスフィルタリングを実行し、あり得る高周波干渉信号と低周波干渉信号をフィルタリングし、50Hz付近の電源周波数干渉信号をフィルタリングする。通過帯域のカットオフ周波数設定は、フィルタリングされた信号が心電信号の適切な特性反射を最大限に保持することを保証する必要があり、例えば、0.1Hz-40Hzの信号を保持する。
【0037】
S11:心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定する。
【0038】
心電信号は、心電信号が正常信号であるかどうかを予測するための特徴情報が大量に含まれる。各特徴情報が後続の分析に関与する場合、計算効率が大幅に低下するため、このステップでは、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定する必要がある。ターゲット特徴情報の種類が限定されないことは理解できる。例えば、取得された心電信号の時間領域と周波数領域を分析し、心電図ウェーブレットを最適に復元する要件に従って、心電信号における各ウェーブレットの振幅、振幅変化パラメータ、スペクトルエネルギー、及び最大振幅に対応する時点を抽出し、上記のパラメータをターゲット特徴情報とする。具体的な実施では、ウェーブレットは、P波、QRS波、T波、U波及びJ波を含む。心電信号における各ウェーブレットのターゲット特徴情報を抽出するときに、同じウェーブレットが異なるリードの対応するタイムノードで完全に一致することを保証する必要がある。
【0039】
ある心電信号のあるウェーブレットの振幅が小さすぎることを考慮すると、振幅が小さすぎるウェーブレットを個別に周波数領域変換し、例えば、ウェーブレット変換を採用して、周波数領域から当該ウェーブレットの振幅を決定する必要がある。ある心電信号のあるウェーブレットの始点及び終点を特定するのが難しいという状況を考慮すると、当該ウェーブレットの左肩勾配と右肩勾配を計算し、左肩の中線からの左肩と同じ勾配の延長線とベースラインとの交点を始点とし、右肩の中線からの右肩と同じ勾配の延長線とベースラインとの交点を終点とする必要がある。
【0040】
また、ターゲット特徴情報を抽出する前に、心電信号に対応するウェーブレットの時間領域が明らかでない場合、フーリエ変換、ウェーブレット変換、ベースラインドリフト補正の少なくとも1つのアルゴリズムによって心電信号を処理し、各ウェーブレットの周波数領域を得ることができる。このようにして、各ウェーブレットの周波数領域の表示を効果的に改善して、ターゲット特徴情報の抽出に役立つことができる。
【0041】
なお、このステップにおける心電信号が安定状態に達したかどうかの判断は、サーバーによって実現できるが、もちろん、ユーザー端末によっても実現できる。前者の場合、サーバーはまず心電信号を取得し、次に、心電信号が安定状態に達したと判断してから、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定する。後者の場合、ユーザー端末はまず心電信号を取得し、次に心電信号が安定状態に達したと判断してから、心電信号をサーバーにアップロードし、サーバーにとって、サーバーが取得する心電信号は安定状態に達した心電信号であり、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定する。或いは、ユーザー端末は心電信号を取得する度にアップロードし、そして、心電信号が安定状態に達したかどうかを判断し、安定状態に達した場合、サーバーに安定識別子を送信し、サーバーは識別子を受信した後、安定状態に達した心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定してもよい。
【0042】
以上のように、ステップS10及びS11について、両者は厳密な先後順序がなく、心電信号が安定状態に達した後に心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定すればよい。このようにして、検出結果の精度を向上させることができる。
【0043】
S12:少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得する。
【0044】
具体的な実施では、サーバーは予測モデルを記憶する。当該モデルの数は制限されず、通常、少なくとも2つが必要である。予測モデルは、心電信号と対応する臨床検出結果で構成されるトレーニングサンプルからトレーニングして得られる。具体的な実施では、サンプルは、トレーニングサンプル、テストサンプル、及び検証サンプルに分けられる。トレーニングサンプルの数が多いほど、予測モデルの出力結果はより正確になる。予測モデルは、ニューラルネットワークとサポートベクターマシン方式を介して取得できる。具体的に、ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、長短期記憶ネットワーク(LSTM)、ループニューラルネットワーク又はリカレントニューラルネットワーク(RNN)、エクストラツリー分類子(Extra Trees Classifier)、ランダムフォレスト分類子(Random Forest Classifier)、意思決定ツリー(Decision Trees Classifier)などを含む。
【0045】
この実施例では、初めて呼び出される予測モデルの数は制限されず、1つでもよく、複数でもよい。1つある場合、当該モデルによって出力された信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得する。複数ある場合、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果のうち1つがファジー区間にある場合でも、「呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合」と見なされるため、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得する必要がある。
【0046】
本出願で言及されているファジー区間とは、当該区間にある心電信号が正常信号又は異常信号である可能性があることを意味し、さらに決定する必要がある。ファジー区間は、正常信号と異常信号の境界値の±△(例えば、△は5%*5mEq/L)に対応する区間に設定され得る。例えば、心電信号が正常信号であることを表徴する1つの指標である血清カリウムの正常値は5mEq/Lであり、医療基準では、5mEq/Lを超えると高カリウム血症と規定されており、予測モデルの誤差などにより、出力された信号分析結果にも誤差が生じるため、モデルによって出力された信号分析結果が5mEq/L±△区間にある場合、正常又は異常の可能性がある。呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、再びターゲット特徴情報に対して分析処理を行う必要がある。ここでの他の予測モデルは、先に呼び出された予測モデルと異なることは理解できる。つまり、このステップでは、出力された信号分析結果がファジー区間にあるかどうかによって、分析するためにより多くの予測モデルが必要かどうかを決定する。明らかに、呼び出される予測モデルが多いほど、予測モデル自体に起因する誤差の問題をより効果的に回避でき、得られた信号分析結果がより正確になる。
【0047】
S13:呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得する。
【0048】
その中で、分析結果は、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される。
【0049】
ステップS12では、呼び出される予測モデルは、1つ又は複数あるため、得られた信号分析結果の数は少なくとも1つである。このステップでは、各予測モデルによって得られた信号分析結果と最終的な分析結果との関係は制限されない。例えば、ある場合には、ステップS12で呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果がファジー区間にないと、呼び出された予測モデルが1つである場合、当該モデルによって出力された信号分析結果を最終的な分析結果とすることができる。呼び出された予測モデルが複数である場合、呼び出された各予測モデルによって出力された各信号分析結果を平均化又は重み付けして、最終的な分析結果とすることができる。他の場合には、ステップS12で呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果がファジー区間にあると、全ての予測モデルによって出力された信号分析結果を平均化又は重み付けして、最終的な分析結果とすることができる。もちろん、呼び出された予測モデルの数が多い場合、得られた信号分析結果と正常信号又は異常信号との関係によって、一部の異常結果を除去することができる。例えば、合計5つの予測モデルが呼び出され、そのうち4つの予測モデルによって出力された信号分析結果は全て、心電信号が正常信号であることを表徴し、1つの予測モデルによって出力された信号分析結果は、心電信号が異常信号であることを表徴すると、心電信号が異常信号であることを表徴する信号分析結果を除去し、残りの4つの信号分析結果の平均を最終的な分析結果とすることができる。
【0050】
具体的な実施では、最終的な分析結果が得られた後、ユーザーとスタッフが閲覧しやすいために、ターゲット特徴情報に対応する心電信号の波形と分析結果を出力することも含む。これに対応して、ユーザーはユーザー端末を介して分析結果を閲覧でき、スタッフはローカル端末を介して分析結果を閲覧できる。また、この方法は、ターゲット特徴情報に対応する心電信号の生化学的検出結果を取得するステップと、元のトレーニングサンプルを補足するために、生化学的検出結果をテストサンプルとして元のトレーニングサンプルに追加するステップと、新しいトレーニングサンプルを利用してトレーニングすることで、新しい予測モデルを得るステップと、をさらに含む。トレーニングサンプルが増加するため、新しい予測モデルのパラメータが元の予測モデルと比較して調整され、自己学習の目的を達成する。また、新たに追加されたサンプルは、生化学的検出結果であるので、精度が高く、新しい予測モデルの検出結果がより正確になる。
【0051】
また、他の実施例では、心電信号検出方法は、分析結果に対応する注意事項情報を決定し、ユーザーやスタッフが閲覧できるように注意事項情報を出力するステップをさらに含む。
【0052】
本実施例によって提供される心電信号検出方法は、心電信号を取得し、心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定し、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して分析処理を行うことで、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、当該信号分析結果は、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される。これにより、本技術案によれば、心電信号を実際に予測する前に、安定性の判断が行われることで、信号の不安定性による計算結果の誤差の問題を排除できる。また、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行うプロセス中に、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴信号に対して信号分析処理を行う。このように、予測モデルの信号分析結果の信頼性が低い場合、少なくとも2つの予測モデルによってターゲット特性情報に対して信号分析処理を行い、分析の正確性を向上させることができる。
【0053】
図3は、本出願の実施例によって提供される他の心電信号検出方法のフローチャートである。予測モデルの精度が高いほど、得られる信号分析結果の信頼性が高くなることは理解できる。そこで、この実施例では、上記の実施例に基づいて、予測モデルは、マスター予測モデルと、少なくとも1つのスレーブ予測モデルを含み、マスター予測モデルの精度はスレーブ予測モデルの精度よりも高い。これに基づいて、S12は、次のステップを含む。
【0054】
S120:マスター予測モデルを呼び出してターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、マスター予測モデルによって出力されたマスター信号分析結果を行う。
【0055】
S121:マスター信号分析結果がファジー区間にあるかどうかを判断し、「NO」であると、S122に進み、「YES」であると、S123に進む。
【0056】
S122:スレーブ予測モデルを呼び出してターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行うことを禁止し、S13に進む。
【0057】
S123:少なくとも1つのスレーブ予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出されたスレーブ予測モデルによって出力されたスレーブ信号分析結果を取得する。
【0058】
明らかに、マスター予測モデルの精度はスレーブ予測モデルの精度よりも高いので、マスター信号分析結果の信頼性は高く、当該結果がファジー区間にない場合、当該結果が最終的な分析結果として単独で使用できることを示し、他のスレーブ予測モデルで分析する必要がないため、予測効率を向上させることができる。同様に、当該結果がファジー区間にある場合、当該結果が最終的な分析結果として単独で使用できないことを示し、他のスレーブ予測モデルで分析する必要があるため、分析結果の正確性を向上させることができる。
【0059】
S123のスレーブ予測モデルの数は制限されず、通常、2つよりも多いことは理解できる。
【0060】
信号分析結果がファジー区間にあることによって引き起こされる影響を減らすために、好ましい実施形態として、マスター信号分析結果がファジー区間にある場合、以下のことも含む。即ち、分析結果がまだファジー区間にある場合、マスター予測モデルの目標関数を調整して、S12に進む。
【0061】
信号分析結果がファジー区間にあることによって引き起こされる影響を減らすために、他の好ましい実施形態として、マスター信号分析結果がファジー区間にある場合、以下のことも含む。即ち、分析結果がまだファジー区間にある場合、呼び出されるスレーブ予測モデルの数を増加して、S13に進む。
【0062】
さらに、S13は、次のステップを含む。
【0063】
S130:マスター信号分析結果がファジー区間にない場合、マスター信号分析結果を分析結果として決定する。
【0064】
S131:マスター信号分析結果がファジー区間にある場合、マスター信号分析結果とスレーブ信号分析結果に対する加重処理により、分析結果を取得する。
【0065】
マスター予測モデルの精度が高いため、マスター信号分析結果がファジー区間にない場合、それを分析結果とすることで、分析結果の精度を保証するだけでなく、計算量を削減することができる。同様に、マスター信号分析結果がファジー区間にある場合、スレーブ信号分析結果に依存する必要がある。マスター信号分析結果とスレーブ信号分析結果を重み付けすることで、単一モデルによる誤差を防ぐことができ、分析結果の精度を保証できる。
【0066】
上記の実施例では、心電信号が安定状態に達したかどうかを決定する方法は限定されない。この実施例では、心電信号が安定状態に達したことを次のように決定する。即ち、
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、
現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、
現在取得されている変動値が所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定する。
【0067】
具体的に、Nは5-10にすることができる。また、この実施例では、所定の条件は現在取得されている変動値の種類に応じて決定される。具体的に、
1)現在取得されている変動値が、心電信号から取得された同じタイプのウェーブレットのN個のサイクルにおける各波山の間の波山変動値である場合、所定の条件は、任意の波山変動値が第1のプリセット値よりも小さいことである。
【0068】
2)現在取得されている変動値が、心電信号から取得された同じタイプのウェーブレットのN個のサイクルにおける各波谷の間の波谷変動値である場合、所定の条件は、任意の波谷変動値が第2のプリセット値よりも小さいことである。
【0069】
3)現在取得されている変動値が、心電信号から取得された同じタイプのウェーブレットのN個のサイクルにおける各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値である場合、所定の条件は、任意の波山変動値が第1のプリセット値よりも小さく、任意の波谷変動値が第2のプリセット値よりも小さいことである。
【0070】
なお、上記の第1のプリセット値と第2のプリセット値は、同じでもよく、異なってもよい。好ましい実施形態として、現在取得されている変動値は、通常、波山変動値と波谷変動値の2種類であり、これにより、安定性判定の精度を向上させることができる。
【0071】
具体的な実施では、心電信号が安定状態に達したことを判断するプロセスは、ユーザー端末によって実現することができる。このようにして、サーバーの計算圧力が軽減され、不要な信号の伝送も削減される。ユーザー端末には、得られた心電信号をバッファリングするためのバッファモジュールがある。具体的に、サンプリング周波数は200/秒から2000/秒に設定できる。心電信号が安定状態に達したら、安定状態に達した心電信号をサーバーにアップロードし、心電信号が安定状態に達していない場合、アップロードしない。バッファリングプロセスでは、循環ストレージ、先入れ先出し(FIFO)を採用して、バッファ内の信号が常に最後に収集された信号であることを確保する。
【0072】
また、心電信号の継続的な不安定性による長期間の無効な収集を回避するために、他の実施例では、収集期間閾値を設定してもよい。実際の収集期間が収集期間閾値を超え、心電信号が安定状態に達していない場合、信号不安定情報を出力して、被測定体の連続的な動きや電極の落下など、具体的な理由を閲覧するようにスタッフに注意を促す。好ましい実施形態として、収集期間閾値は30秒である。さらに、現在収集されている心電信号に従って、対応する解決策を決定する。例えば、心電信号の全てのウェーブレットが不連続である場合、対応する解決策は、被測定体を固定することである。具体的な実施では、信号不安定情報の出力方法は制限されず、ロカール端末とユーザー端末の表示インターフェースに表示したり、心電計のインジケータライトを点灯するように制御したりすることができる。
【0073】
具体的な実施では、心電信号に含まれる特徴情報が多いので、全ての特徴情報が後続の分析プロセスに関与している場合、間違いなく計算量を増加させる。この問題を考慮して、この実施例では、ターゲット特徴情報を選別する。表1は、異なるリードデータの組み合わせ(血清カリウムを例とする)の対応するリコール率を比較する。表1から、4リードの組み合わせのリコール率が最良の組み合わせであることが分かる。実験により、12リード心電信号におけるV2乃至V5リードを選択し、V2リード心電信号乃至V5リード心電信号からターゲット特徴情報を抽出することが決定される。
【0074】
【表1】
【0075】
12リード心電信号からV2リード心電信号乃至V5リード心電信号を選択したが、それにはまだ多くの特徴情報が含まれる。特徴情報は、各ウェーブレットの振幅、振幅変化パラメータ、スペクトルエネルギー、及び最大振幅に対応する時点などを含む。各リード心電信号には、少なくとも16個の特徴情報が含まれ、それぞれは、T波右肩勾配、T波振幅、T波左肩勾配、S-Tセグメント勾配、R波振幅、P波振幅、S波振幅、T波面積、P波面積、S波面積、QT時間、QRS時間、PR時間、T波単位面積の1秒あたりの変化速度、R波単位面積の1秒あたりの変化速度、S波単位面積の1秒あたりの変化速度である。計算量を減らすために、V2リード心電信号乃至V5リード心電信号からターゲット特徴情報を抽出するステップは、
V2リード心電信号乃至V5リード心電信号に含まれる特徴情報を取得するステップと、
特徴情報に対応する熱値を取得するステップと、
熱値に応じて、特徴情報からターゲット特徴情報を選別するステップと、を含む。
【0076】
具体的な実施では、熱値に応じて特徴情報からターゲット特徴情報を選別する方法は、2つある。1つの方法は、トップMにソートしている熱値に対応するターゲット特徴情報を選別することであり、もう1つの方法は、全ての熱値を熱閾値と比較し、熱閾値よりも大きい熱値に対応するターゲット特徴情報を選別することである。
【0077】
なお、各ウェーブレットの特徴情報抽出は、特定のリードではなく、複数のリードに対して行われるが、異なるリードの同じ波形は、時間点特徴でマルチリードの統一性を持ち、例えば、R波の開始点はは、複数のリードで一致する。複数のリードのR波の開始点が異なる場合、補間、値間、シフトなどの修復手法を使用して元の位置に戻すことができる。
【0078】
上記の実施例では、心電信号検出方法が詳細に説明されており、本出願はまた、心電信号検出装置に対応する実施例を提供する。なお、本出願は、2つの観点から装置の実施例を説明する。一方は、機能モジュールの観点に基づいており、他方はハードウェア構造の観点に基づいている。
【0079】
図4は、本出願の実施例によって提供される心電信号検出装置の構成図である。図4に示すように、当該装置は、
心電信号を取得するための取得モジュール10と、
心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定するための決定モジュール11と、
少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、信号分析結果を取得するための呼び出しモジュール12と、
呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果に基づいて、心電信号の分析結果を取得するための分析モジュール13であって、分析結果は、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される分析モジュール13と、
を含む。
【0080】
好ましい実施形態として、予測モデルは、マスター予測モデルと、少なくとも1つのスレーブ予測モデルを含み、マスター予測モデルの精度は、スレーブ予測モデルの精度よりも高く、
呼び出しモジュール12は、
マスター予測モデルを呼び出してターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、マスター予測モデルによって出力されたマスター信号分析結果を取得するための呼び出しユニットと、
マスター信号分析結果がファジー区間にない場合、呼び出しユニットによってスレーブ予測モデルを呼び出してターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行うことを禁止し、マスター信号分析結果がファジー区間にある場合、呼び出しユニットをトリガーして、少なくとも1つのスレーブ予測モデルを呼び出してターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行い、呼び出されたスレーブ予測モデルによって出力されたスレーブ信号分析結果を取得するための制御ユニットと、を含む。
【0081】
好ましい実施形態として、分析モジュール13は、
マスター信号分析結果がファジー区間にない場合、マスター信号分析結果を分析結果として決定するための第1の分析ユニットと、
マスター信号分析結果がファジー区間にある場合、マスター信号分析結果とスレーブ信号分析結果に対する加重処理により、分析結果を取得するための第2の分析ユニットと、を含む。
【0082】
好ましい実施形態として、当該装置は、
N個のサイクルにおける同一タイプのウェーブレットの各波山の間の波山変動値及び各波谷の間の波谷変動値の少なくとも1つを心電信号から取得し、Nは正の整数であり、現在取得されている変動値が所定の条件を満たす場合、心電信号が安定状態に達したと決定し、現在取得されている変動値が所定の条件を満たしていない場合、心電信号が安定状態に達していないと決定するための安定判定モジュールを、さらに含む。
【0083】
好ましい実施形態として、決定モジュール11は、
心電信号からV2リード心電信号乃至V5リード心電信号を抽出するための第1の抽出ユニットと、
V2リード心電信号乃至V5リード心電信号からターゲット特徴情報を抽出するための第2の抽出ユニットと、を含む。
【0084】
好ましい実施形態として、第2の抽出ユニットは、
V2リード心電信号乃至V5リード心電信号に含まれる特徴情報を取得するための第1の取得サブユニットと、
特徴情報に対応する熱値を取得するための第2の取得サブユニットと、
熱値に応じて、特徴情報からターゲット特徴情報を選別するための選別サブユニットと、
を含み、
特徴情報は、各ウェーブレットの振幅、振幅変化パラメータ、スペクトルエネルギー、及び最大振幅に対応する時点を含む。
【0085】
装置の実施例と方法の実施例は互いに対応しているので、装置の実施例については、ここで繰り返さない方法の実施例の説明を参照してください。
【0086】
本実施例によって提供される心電信号検出装置は、心電信号を取得し、心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定し、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、当該信号分析結果は、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される。これにより、本技術案によれば、心電信号を実際に予測する前に、安定性の判断が行われることで、信号の不安定性による計算結果の誤差の問題を排除できる。また、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行う過程では、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴信号に対して信号分析処理を行う。このように、予測モデルの信号分析結果の信頼性が低い場合、少なくとも2つの予測モデルによってターゲット特性情報に対して信号分析処理を行い、分析の正確性を向上させることができる。
【0087】
図5は、本出願の他の実施例によって提供される心電信号検出装置の構成図である。図5に示すように、心電信号検出装置は、
コンピュータプログラムを記憶するためのメモリ20と、
コンピュータプログラムを実行するときに、上記の実施例によって提供される心電信号検出方法のステップを実現するためのプロセッサー21と、を含む。
【0088】
本実施例によって提供される心電信号検出装置は、スマートフォン、タブレットコンピューター、ノートパソコン又はデスクトップコンピューターなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0089】
なお、プロセッサー21は、1つ又は複数の処理コアを含み得、例えば、4コアプロセッサー、8コアプロセッサーなどである。プロセッサー21は、DSP(Digital Signal Processing、デジタル信号処理)、FPGA(Field-Programmable Gate Array、フィールドプログラムゲートアレイ)、PLA(Programmable Logic Array、プログラマブルロジックアレイ)の少なくとも1つのハードウェア形態で実現され得る。プロセッサー21は、メインプロセッサーとコプロセッサーを含み得る。メインプロセッサーは、アウェイク状態のデータを処理するためのプロセッサーであり、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)とも呼ばれる。コプロセッサーは、スタンバイ状態のデータを処理するための低電力プロセッサーである。いくつかの実施例では、プロセッサー21は、GPU(Graphics Processing Unit、イメージプロセッサー)と統合され得、GPUは、表示画面に表示する必要があるコンテンツをレンダリング及び描画するために使用される。いくつかの実施例では、プロセッサー21は、AI(Artificial Intelligence、人工知能)プロセッサーを含み得、当該AIプロセッサーは、機械学習に関連する計算操作を処理するために使用される。
【0090】
メモリ20は、非一時的であり得る1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。メモリ20は、高速ランダムアクセスメモリ及び不揮発性メモリ、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリ記憶デバイスも含み得る。この実施例では、メモリ20は、少なくとも以下のコンピュータプログラム201を記憶するために使用され、当該コンピュータプログラムがプロセッサー21によってロード及び実行された後、前述の実施形態のいずれかに開示された心電信号検出方法の関連するステップを実現することができる。また、メモリ20に記憶されるリソースは、オペレーティングシステム202及びデータ203などを含み得、記憶方式は、短期記憶又は永久記憶であり得る。さらに、オペレーティングシステム202はWindows、Unix、Linuxなどを含み得る。データ203は、心電信号などを含み得るが、これらに限定されない。
【0091】
いくつかの実施例では、心電信号検出装置は、表示画面22、入出力インターフェース23、通信インターフェース24、電源25、及び通信バス26をさらに含んでもよい。
【0092】
当業者は、図5に示した構成が心電信号検出装置に対する制限を構成せず、図面に示した構成よりも多い又は少ないコンポーネントを含み得ることを理解することができる。
【0093】
本出願の実施例によって提供される心電信号検出装置は、メモリとプロセッサーを含む。プロセッサーは、メモリに記憶されたプログラムを実行する場合、以下の方法を実現することができる。即ち、心電信号を取得し、心電信号が安定状態に達した場合、心電信号に対応するターゲット特徴情報を決定し、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して分析処理を行い、呼び出された予測モデルによって出力された信号分析結果を取得し、当該信号分析結果は、少なくとも心電信号が正常信号又は異常信号であることを示すために使用される。これにより、本技術案によれば、心電信号を実際に予測する前に、安定性の判断が行われることで、信号の不安定性による計算結果の誤差の問題を排除できる。また、少なくとも1つの予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴情報に対して信号分析処理を行う過程では、呼び出された予測モデルの信号分析結果がファジー区間にある場合、他の予測モデルを呼び出して、ターゲット特徴信号に対して信号分析処理を行う。このように、予測モデルの信号分析結果の信頼性が低い場合、少なくとも1つの予測モデルによってターゲット特性情報に対して信号分析処理を行い、分析の正確性を向上させることができる。
【0094】
最後に、本出願はまた、コンピュータ可読記憶媒体に対応する実施例を提供する。コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサーによって実行されるときに、上記の方法実施例に記載されたステップが実現される。
【0095】
上記の実施例における方法がソフトウェア機能ユニットの形態で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ可読取記憶媒体に記憶され得ることが理解され得る。このような理解に基づいて、本出願の技術案は、本質的に、又は既存の技術に寄与する部分、又は当該技術案の全て又は一部を、ソフトウェア製品の形態で具現化することができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、本出願の各実施例に記載された方法のステップの全て又は一部を実行する。前述の記憶媒体には、Uディスク、移動ハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスク、及びプログラムコードを記憶できるその他の媒体を含む。
【0096】
以上、本出願によって提供される心電信号検出方法及び装置について詳細に説明した。明細書の各実施例は漸進的に説明され、各実施例は他の実施例との違いを中心に説明しており、各実施例間の同じ又は類似の部分について、互いに参照すればよい。実施例に開示された装置について、実施例に開示された方法に対応するため、説明は比較的簡単であり、関連部分は、方法部分の説明を参照すればよい。なお、当業者にとって、本出願の原理から逸脱することなく、本出願にいくつかの改良及び変更を加えることができ、これらの改良及び変更も、本出願の請求項の保護範囲に含まれる。
【0097】
なお、本明細書において、例えば第1及び第2などの関係用語は、あるエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作から区別するためにのみ使用され、これらのエンティティ又は操作間にそのような実際の関係又は順序を必ず要求又は暗示するものではない。また、「包括する」、「含む」又はそれらの他の変形という用語は、非排他的な包含をカバーすることを意図しているので、一連の要素を含む手順、方法、製品又はデバイスには、それらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素も含まれるか、又はこの手順、方法、製品又はデバイスに固有の要素も含まれる。これ以上の制限がない場合、「1つの…を含む」という文で定義された要素は、前記要素を含む手順、方法、製品又はデバイスに他の同じ要素があることを除外しない。
図1
図2
図3
図4
図5