(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】システムおよびプログラム等
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20231208BHJP
【FI】
G06F3/16 530
(21)【出願番号】P 2022091967
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2018171305の分割
【原出願日】2018-09-13
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】柏田 春光
(72)【発明者】
【氏名】梶田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-014624(JP,A)
【文献】特開2014-099369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
H04R 1/00-3/14
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペアリングにより予め設定した機器ごとに、
機器に電源が供給されたときから音声の送信が可能となるまでの時間を計測し、
電子機器に電源が供給されたときから前記時間に基づく待機時間の後まで音声の送信を待機させる機能を備えた電子機器。
【請求項2】
前記待機時間を手動で調整する機能を備えること
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記待機時間は、前記計測した
前記時間に所定の時間を加えた時間としたこと
を特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記計測については、前記機器の複数の起動時に行い、当該複数の起動時の計測結果に基づき前記待機時間を決定する機能を備えること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えばシステムおよびプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器において音を,内蔵したスピーカから出力するものがある。例えばキャラクタがセリフをしゃべる音声を内蔵したスピーカから出力するものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器に音を音声信号として外部に出力し、外部の機器からその音声信号に基づく音を出力させようとするとき、外部の機器が例えば起動中・設定中などの状態にあり、音声信号を出力しない状態があるため、その間に電子機器から出力した音声信号に基づく音が出力されず、あるいは、途切れることあるという課題があることを発明者らは発見した。
【0005】
この発明は,たとえば,電子機器から出力した音声信号が音として従来よりも、確実にユーザに到達することができるようにすること等を目的とする。本願の発明の目的はこれに限定されず,本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり,この課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得す
る意思を有する。課題が明細書の記載から黙字的に把握されるものであっても,本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)音声信号を入力する機能と入力された音声信号に基づく信号をスピーカ(以下,第一のスピーカという)側に対して出力する機能とを備える第一のシステムに対して入力する前記音声信号を出力する機能を備える第二のシステムであって,前記第一のシステムは,当該第一のシステムに対して電源の供給が開始されてから所定の時間,前記入力された音声信号に基づく信号の第一のスピーカ側に対する出力が行われない時間(以下,第一システム起動時出力不可時間という)を有するものであって,前記第二のシステムは,当該第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから,所定時間(以下,第二システム起動時出力開始時間という)内に前記第一のシステムに対して音声信号を出力する処理(以下,第一の処理という)を行う機能を備え,前記第一システム起動時出力不可時間を超える時間(以下,第二システム出力待機時間という)の間に,ユーザが当該音声信号に基づく音声を認識可能とするための処理(以下,第二の処理という)を行う機能を備えることを特徴とする。
このようにすれば,第一のシステムに対して音声信号を出力する処理を行う第二のシステムであっても,第一システム起動時出力不可時間の経過後等に音声信号を出力する処理を行うことができ,第二のシステムから出力される音声信号によって表される音声を確実に出力でき,ユーザは,その音声を聞くことができる。
第一のシステムと第二のシステムとは別体とするとよい。第一のシステム内に第二のシステムが組み込まれていたり,第二のシステム内に第一のシステムが組み込まれていたりしない構成とするとよい。
第一のシステムは,例えばナビ,カーナビ装置,オーディオ,オーディオ装置などとするとよい。第一のシステムは車載でなくともよいが,特に車載とするとよい。第一のスピーカは,車載用でなくともよいが,車載用とするとよく,車両に設置可能なもの,車両に持ち込み可能なものとしてもよいが,特に車両に予め搭載されているものとするとよい。
第二のシステムは,レーダ探知機(RD(Radar detector)),ナビ,カーナビ装置,オーディオ,オーディオ装置などとするとよい。第二のシステムは,車両に予め搭載されているものとしてもよいが,特に,車両には予め搭載されていないものとするとよい。車載用でなくてもよいが,車載用とするとよい。特に,車両に持ち込み可能なものとしてもよく,ポータブルなものとするとよいが,最も良いものは車両に設置可能なものである。第二のスピーカは,第二のシステムに外付けのものでもよいが,第二のシステムに内蔵したスピーカとするとよい。
例えば、現在,ナビゲーション装置やレーダ探知機などの機能を備えた電子機器には,工場出荷時に車に備え付けられているインダッシュタイプのものもあるが,車に後付けするオンダッシュタイプのものもある。第二のシステムとしてオンダッシュタイプの電子機器を車のダッシュボード上に配置したときに,この電子機器と第一のシステムである車にインダッシュされている電子機器とを接続し,インダッシュされている電子機器に接続されている車載スピーカなどからオンダッシュタイプの電子機器の音声を出力させると,とくに起動時において車載スピーカから音声が出力されないという問題を解決できる。
第一のシステムと第二のシステムとは,有線または無線によって接続されるとよい。第一のシステムに音声入力端子を備え,第二のシステムに音声出力端子を備え,両者をケーブルで接続するとよい。端子は電気的なコネクタとしてもよいし,光学的なコネクタとしてもよい。ケーブルはその両側に両システム側の各端子にはめ合うケーブル側端子を設けるとよい。音声信号は,アナログ信号としても,デジタル信号としてもよい。無線とする構成では,無線LAN(Local Area Network),Wi-Fi,Bluetooth(登録商標)による通信とするとよい。
第一システム起動時出力不可時間は,第一のシステムの起動が遅いことにより発生する
時間の一例である。
第二の処理は,例えば音声を出せるところから出力する処理とするとよく,第一のスピーカ,第二のスピーカにかかわらず第二のシステムの音声を出力する処理とするとよい。
音声信号は,第二のシステムの起動後に初めて出力する音声の信号とするとよく,第二のシステムの起動音,キャラクタによるセリフなどを表すものとするとよい。
第二のシステムの起動にかかる時間は,第一のシステムの起動にかかる時間よりも短い時間であるものに特に優れた効果を発揮する。
第一のシステムの第一システム起動時出力不可時間よりも,第二のシステムの第二システム起動時出力開始時間が短い時間である第二のシステムで,特に優れた効果を発揮する。
前記第二の処理を行うか否かを予め設定しておき,前記第二システム出力待機時間の間に当該設定に基づき第二の処理を行うか否かを決定する処理を行うとよい。設定はユーザによって行う機能を備えるとよい。
以下,設定を行うと記載した部分は,特にユーザによって設定を行う機能を備え,当該設定内容を不揮発性記憶手段に記憶しておき,第二のシステムの起動時にその記憶された設定内容に基づく処理を行うとよい。
「前記第一システム起動時出力不可時間を超える時間(以下,第二システム出力待機時間という)の間に,ユーザが当該音声信号に基づく音声を認識可能とするための処理(以下,第二の処理という)を行う」の具体例としては,第二システム出力待機時間の間のいずれかの時間に第二の処理を開始すればよく,終了することまでは必須ではない。特に第二のシステムに対して電源が供給されてからできるだけ早い時点で第二の処理を開始するようにするとよい。
前記第二の処理は,前記第一の処理を行わずまたは前記第一の処理を行うとともに,行うとよい。特に「前記第一の処理を行わずまたは第一の処理を行うとともに」の構成は,第一の処理を行わないようにするとよい。あるいは「前記第一の処理を行わずまたは前記第一の処理を行うとともに」の構成は,第一の処理を行うか否かを設定しておき,第二のシステムの起動時にその設定に基づき第一の処理を行わないか,または,行うかを決定するとよい。
なお第二の処理は,例えば第二のシステムに備えるマイコン等に備えるコンピュータが記憶されたプログラム等を実行して実現するようにしてもよいし,例えばコンピュータではない電子回路で実現してもよい。例えばユーザが当該音声信号に基づく音声を認識可能とするための出力先を選択する電子スイッチ等を電源投入時に制御する回路で構成してもよい。例えばコンピュータに外付けないし内蔵された電子回路でコンピュータをコントロールする構成としてもよい。
【0007】
(2)前記第二の処理を行う機能は,前記第二システム出力待機時間の間に前記第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる処理を行う機能,前記第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させる処理を行う機能,または前記第二システムへの電源の供給を遅延させる処理を行う機能の少なくともいずれかであるとよい。
少なくとも次のいずれか1つの効果を奏する。
1.第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させることにより,第一のスピーカ側に対する出力が行われるようになった後に第一の音声信号が出力させることができるので,ユーザは第二のシステムの音声を聞くことができる。
2.第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させることにより第二のスピーカから音声が出力され,ユーザは第二のシステムの音声を聞くことができる。
3.第二システムへの電源の供給を遅延させることにより,第一のスピーカ側に対する出力が行われるようになった後に第一の音声信号が出力させることができるので,ユーザは第二のシステムの音声を聞くことができる。
第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる処理としては,例えば「第二のシステムにおいて,当該第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから,所定
時間(以下,第二システム起動時出力開始時間という)内に前記第一のシステムに対して音声信号を出力する処理(以下,第一の処理という)を行う」ことが可能となったとしても,第一の処理を開始せずに,第二システム出力待機時間の経過を待ってから,当該音声信号の出力を開始させる処理とするとよい。
第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる処理を行う機能は,特に,あらかじめ定められている複数の時間のうち,いずれかの時間をユーザが設定することにより待機させる機能とするとよい。また,第一システム起動時出力不可時間を検出し,その時間の間待機させる機能とするとよい。
第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させる処理を行う機能は,第一のスピーカには音声信号を出力せずに,第二のスピーカ側に音声信号を出力する機能とするとよいが,特に,第一のスピーカには音声信号を出力し,かつ第二のスピーカ側にも音声信号を出力させる機能とするとよい。
第二のスピーカは,例えば,単なるスピーカとするとよい。第二のスピーカは例えば第二のシステムに備えるスピーカとするとよく,例えば第二のシステムに内蔵するスピーカとするとよい。
第二のスピーカは,特に入力された音声信号に基づく信号の第二のスピーカからの出力が行われない時間を有しないスピーカとするとよく,特に第二のスピーカへの経路における回路等への電源の供給が開始されてから少なくとも第二システム起動時出力開始時間内に音声の出力が可能となるものとするとよく,特に電源の供給が開始されたらすぐに音声の出力が可能となるものとするとよい。
「前記第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させる処理」は,例えば,第二のシステムに音声の出力先を第一のスピーカ側(第一のシステム側)への出力か第二のスピーカ側への出力かを切り替える切替手段(例えば電子スイッチなど)を制御する処理とするとよい。特に予め設定され記憶されているいずれのスピーカ側から出力するかの情報に基づき第二のシステムへの電源投入後の電子スイッチの設定処理(例えば初期化処理)を行うとよい。
第二システムへの電源の供給を遅延させる処理を行う機能は,第二システム自体への電源の供給を遅延させる機能としてもよいが,特に,第二システムの制御装置への電源の供給を遅延させる機能とするとよい。
「前記第二システムへの電源の供給を遅延させる処理」は,例えば,第二のシステムへ電源の供給が開始されたとしても,音声信号を出力する処理を行う制御手段(例えばCPUなど)への電源の供給を開始させず,第二システム出力待機時間の経過を見越したタイミングで電源を投入するタイマー回路と電源制御回路とを備える電子回路等で構成するとよい。あるいは音声信号を出力する処理を行うCPUよりも低消費電力なCPU等によってプログラムを実行することにより,この電子回路の機能を実現するようにしてもよい。第二システム出力待機時間の経過を見越したタイミングとしては,第一のシステムに電源の供給が開始されてから第二システム出力待機時間が経過するまでの時間待ったタイミングで音声信号を出力する処理を行う制御手段(例えばCPUなど)への電源の供給を開始させるようにしてもよいが,第二のシステムの音声信号を出力する処理を行う制御手段が音声信号を出力可能になるまでに所定の時間を有する場合にはその所定の時間を加味して第二システム出力待機時間から所定の時間を例えば差し引いた時間経過したタイミングで第二のシステムの音声信号を出力する処理を行う制御手段の電源を投入するように制御するとよい。
【0008】
(3)前記第二の処理を行う機能は,前記第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる処理を行う機能と,前記第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に出力する処理を行う機能との双方を備え,いずれの機能を実行するかを選択する機能を備えるとよい。
第一のスピーカ側から音声を出力するか,第二のスピーカ側から音声を出力するかを選択できる。
【0009】
(4)前記第二のシステムは前記第一のシステムと共通の電源オンのタイミングで電源の供給が開始される電源ラインに接続する接続手段を備えるとよい。
このような構成において,特に(1)に記載の優れた効果を発揮する。
特に(2)の2.の構成を備えると,第二のシステムの電源の供給の開始が第一のシステムの電源の供給の開始に比べて遅れづらいので,第二のシステムが迅速に起動し,第二のスピーカからの音声をすぐに聞くことができる。
特に(2)の3.の構成よりも,(2)の1.の構成を備えると第二のシステムが迅速に起動するとともに,第一のシステムが起動後に第一のスピーカから音声を出力させることができる。特に、例えば第二のシステムに例えばGPSモジュール等の電源の投入後、データの取得に一定の時間を要する箇所を備えるシステムにおいて、当該箇所には電源を投入した後に、第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる構成とすると、第一のシステムから音声が出力されてから第二のシステムにおいて当該データの取得にかかる時間を短くすることができる。
電源ラインに接続する接続手段は,例えば車両のACCライン(アクセサリー電源ライン)に接続する手段とするとよい。
【0010】
(5)前記第一のスピーカとは別の前記第二のスピーカ側に出力する機能を備えるとき,第二システム出力待機時間の経過後も,前記第二のスピーカ側に出力するとよい。
このようにすれば,第二システム出力待機時間の経過後も第二のスピーカから音声を聞くことができる。
【0011】
(6)前記第一のシステムは,前記第一システム起動時出力不可時間において,当該第一のシステムが有する画面への描画,当該第一のシステムが有する起動音の前記第一のスピーカへの出力,前記第二のシステムの音声信号を入力するための前記第一のシステムとの接続処理の少なくともいずれか一つを行うとよい。
第一システムが起動していることを確認でき,第一システム起動時出力不可時間における有効利用ができる。
第一のシステムが有する画面への描画は,第一のシステムのメーカ名,第一のシステムが車載であれば,その車両のメーカ名,キャラクタなどの描画とするとよい。
第一のシステムが有する起動音は,何等かの音,音声であればよく,とくに,第一のシステムに電源が供給されたことを報知する何等かの音,音声とするとよい。
第二のシステムの音声信号を入力するための第一のシステムとの接続処理は,第二のシステムの音声信号を第一のシステムに入力するための処理とするとよく,とくに,Bluetooth(登録商標)の接続処理とするとよい。特に予めペアリングされているBluetooth機器との接続処理とするとよい。
【0012】
(7)前記第二のシステムは,当該第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから前記第二システム起動時出力開始時間内に前記第一のシステムに対して音声信号を出力する第二システム起動時音声出力機能に加え,当該第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから前記第二システム起動時出力開始時間経過後に前記第一のシステムに対して音声信号を出力する第二システム起動後音声出力機能を備え,前記第二システム起動時音声出力機能は,前記第一のスピーカとは別の前記第二のスピーカ側に出力する一方,前記第二システム起動後音声出力機能は,前記第一のシステムに対する音声信号の出力を行うとよい。
このようにすれば、例えば起動時には,第二スピーカ側から音声が出力されるので,第一スピーカ側から音声が出力されないことがあっても,第二スピーカ側から確実に音声を聞くことができる。
前記第一システム起動時出力不可時間を超える第二システム出力待機時間の間に,当該第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから第二システム出力待機時間内に音声を出せるところから出力する機能は,第二システム出力待機時間の間に前記第一のシステ
ムに対する音声信号の出力の開始を待機させる機能,前記第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させる機能,または前記第二システムへの電源の供給を遅延させる機能の少なくともいずれかに加えて,第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから前記第二システム起動時出力開始時間経過後に前記第一のシステムに対して音声信号を出力する第二システム起動後音声出力機能を備え,これらの機能のうち少なくとも一つの機能を選択する機能を備えるとよい。
【0013】
(8)前記第二のシステムにおいて出力する音声信号は,記録された音声データに基づいて生成する機能を備え,前記音声信号の出力の開始は記録された音声データに基づいて音声信号の出力を開始する処理とするとよい。
このようにすれば,あらかじめ記録されている音声データによって表される音声をより確実に聞くことができる。
音声データは第二のシステムのメモリに記録されているとよい。音声データは,キャラクタのセリフを表すものとするとよい。
音声信号の出力の開始のタイミングをCPU(Central Processing Unit),制御装置などによって制御するとよい。
【0014】
(9)前記第一のシステムに対する音声信号の出力ラインは,前記第一システム起動時出力不可時間が異なる複数の異なる第一のシステムに接続可能な音声信号接続手段を備え,前記第二システム出力待機時間を,所定の範囲内の時間に調整する機能を備えるとよい。
複数の第一のシステムのうち,所望の第一のシステムに適するように第二システム出離良く待機時間を調整でき,所望の第一のシステムの第一スピーカ側から音声を確実に出力できるようになる。
調整は自動でも手動でもよく,手動の場合,いくつかの時間の選択項目から選択を促す構成とするとよい。
例えば、第一のシステムをBluetooth(登録商標、以下同じ)スピーカなど音声信号の入力に第二のシステムとの接続を要する機器とした場合、その機器との接続の確立に要する時間を計測しておき、その計測した時間に基づき待機時間を調整する機能を備えるとよい。ペアリング等で予め設定した機器のIDごとに、音声の送信が可能となるまでの時間を計測し、その時間(望ましくは+αした時間)後まで待機する構成とすると特によい。このようにすれば、手動設定することなく、また第二のシステムの起動音などが途切れることなく、個々の第一のシステムのスピーカから出力させることができる。
また、有線で接続する場合、当該有線における入力信号を受け付けない状態から受け付ける状態になるまでの時間、あるいは、第二のシステムから第二のシステム側のスピーカへの信号出力がされない状態からされる状態になるまでの時間を計測し、その時間(望ましくは+αした時間)後まで待機する構成とすると特によい。例えば、第一のシステムの音声入力端子への経路にある信号入力をオン・オフする電子スイッチの状態をそのインピーダンスや、電子スイッチの状態変化のノイズ等から検出して、当該有線における入力信号を受け付けない状態から受け付ける状態になったか否かを検出するようにするとよい。また、第二のシステムのスピーカへの経路の信号線を第一のシステムに有線で接続したり、第一のシステムにマイクを備え当該マイクで第二のシステムのスピーカからの音の状態を検出することで、第二のシステムから第二のシステム側のスピーカへの信号出力がされない状態からされる状態になるまでの時間を計測するようにするとよい。
前記+αについては、例えば数秒とするとよい。
時間の計測については、複数の起動時(望ましくは起動毎)に行い、複数の起動時の計測結果に基づき統計的処理を行って決定するとよく、起動ごとに随時計算して、利用する時間を改定していくようにするとよい。特に、統計的処理としては、平均値や中央値を利用する時間として採用したり、特に長時間かかったケースなどは、除外して計算したりするなどするとよい。
【0015】
(10)前記第二システム出力待機時間を設定する機能をさらに備えるとよい。
適した時間に設定でき,確実に音声を第一のシステムの第一スピーカ側から出力させることができ,ユーザは確実に音声を聞くことができる。
時間の設定は自動でもよいが,とくに手動とするとよい。手動での設定は、例えば秒数の入力をユーザから受け付ける処理とするとよく、例えば秒数自体を入力させるようにしてもよいが、特に、所定の秒数の選択肢を複数出力し、その中からユーザに所望の秒数を選択させる処理とするとよい。この複数の所定の秒数の選択肢は、隣接する選択肢同士の秒数の間隔が異なるものを備えるとよく、特に秒数が小さいもの同士の間隔よりも秒数が長いもの同士の間隔が長くなるよう選択肢を設けるとよく、特に秒数が大きくなればなるほどその間隔が大きくなるように選択肢を設けるとよい。
秒数自体ではなく、「長め」「普通」「短め」のような選択肢としてもよく、各選択肢に対応した秒数を予め定めておき、選択した項目に対応した秒数を利用する時間としてもよい。
手動での設定機能と自動での設定機能の双方を設けるとよく、特に(9)に例示した機能を備えるとよい。自動で設定するか手動で設定するかユーザに選択させる機能を備えるとよい。
【0016】
(11)前記第二システム出力待機時間の間,前記第二のシステムが有する画面への描画を行う機能をさらに備えるとよい。
第二システムが起動していることをユーザが確認できる。
画面への描画は,第二システムのメーカ名,キャラクタなどとするとよい。
【0017】
(12)(1)から(11)のいずれかに記載の第二のシステムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを提供するとよい。
【0018】
上述した(1)から(12)に示した発明は,任意に組み合わせることができる。例えば,(1)に示した発明の全てまたは一部の構成に,(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に,(1)に示した発明に,(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また,(1)から(12)に示した発明から任意の構成を抽出し,抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は,これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0019】
このようにすれば,第一のシステムに対して音声信号を出力する処理を行う第二のシステムであっても,第一システム起動時出力不可時間の経過後等に音声信号を出力する処理を行うことができ第二のシステムから出力される音声信号によって表される音声を確実に出力でき,ユーザは,その音声を聞くことができる。本願の発明の効果はこれに限定されず,本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており,当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり,また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】装置本体の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】(a)は表示部に表示される画面の一例を,(b)は簡易表示と詳細表示との一例を示している。
【
図7】(a)から(c)は,音声出力先切替画面の一例である。
【
図9】携帯型ナビゲーション装置と車載型ナビゲーション装置との関係を示している。
【
図10】(a)から(d)は,携帯型ナビゲーション装置と車載型ナビゲーション装置との制御を示すタイムチャートである。
【
図11】携帯型ナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は,本発明のシステムを構成する電子機器として好適なナビテーション装置の一実施形態の外観図を示しており,
図2は,その機能ブロック図を示しており,
図3及び
図4は表示形態の一例を示している。
図1に示すように,ナビゲーション装置は,持ち運び可能な携帯型の装置本体2と,それを保持する取付部材たるクレードル3とを備える。装置本体2をクレードル3に装着することで,車載用のナビゲーション装置として機能し,クレードル3から取り外すことで携帯型のナビゲーション装置(PND)として機能する。本実施形態は,装置本体2をクレードル3に着脱可能とし,クレードル3と共に車両のダッシュボード上に設置して利用したり,クレードル3から装置本体2を取り外して携帯型(PND)として利用したりすることができるタイプであるが,クレードル3に対して簡単に着脱できず,車載固定タイプでも良いし,携帯型専用のものでもよい。さらには,例えば携帯電話などの携帯端末に所定のアプリケーションプログラムをインストール(プリインストールを含む)して実現されるものでもよい。アプリケーションプログラムは,ナビゲーションを行うためのシステム自身でも良いし,ナビゲーションを行うためのシステムが実装されているサーバにアクセスし,当該システムを利用するためのプログラムでも良い。本発明は,係る各種のタイプのナビゲーションシステムに適用できる。
【0022】
装置本体2は,クレードル3に対して着脱自在に取り付けられる。装置本体2は,扁平な矩形状のケース本体4を備えている。そのケース本体4の前面には,表示部5が配置され,その表示部5上には表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル8を備え,前面の両サイドには警報ランプ9を備えている。クレードル3は,装置本体2を保持するクレードル本体6と,車室内の所定の位置(ダッシュボード等)において,クレードル本体6を任意の姿勢で指示する台座部7と,を備えている。台座部7は,底面に設けた吸盤にて,ダッシュボードなどの上に吸着して固定される。台座部7とクレードル本体6とは,ボールジョイント等の連結機構を介して所定の角度範囲内で回転可能に連結される。ボールジョイントであるため,台座部7とクレードル本体6は,相対的に三次元方向の任意の角度範囲内で回転移動し,ジョイント部分における摩擦抵抗により任意の角度位置でその位置をとどめる。よって,クレードル本体6に取り付けられた装置本体2も,ダッシュボード上において任意の姿勢で配置することができる。
【0023】
さらにケース本体4の一方の側面には,SDメモリカード用スロット部21を備え,そのSDメモリカード用スロット部21に地図データなどが記録されたSDメモリカード22を挿入可能としている。このSDメモリカード用スロット部21は,挿入されたSDメモリカード22に対して情報の読み書きを行うメモリカードリーダライタを含む。また,ケース本体4のSDメモリカード用スロット部21を設けた側面には,DCジャック10を設けている。DCジャック10は,図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので,そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。さらに,ケース本体4のSDメモリカード用スロット部21を設けた側面には,音声出力端子1を設けている。音声出力端子1は,音声信号をインダッシュタイプの車載型ナビゲーション装置(第一のシステムの一例である。) に音声信号を出力するものである。
【0024】
一方,SDメモリカード用スロット部21とは反対側の側面には,電源スイッチや,USB端子23を設けている。このUSB端子23を介してパソコンと接続し,ソフトウェアアプリケーションのバージョンアップなどを行なうことができる。
【0025】
ケース本体4の内部には,以下の各機器・部品を配置している。すなわち,ケース本体4の背面側内部には,マイクロ波受信機11を配置する。マイクロ波受信機11は,所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので,その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に,その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には,その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は,たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。
【0026】
また,ケース本体4の上面側内部には,GPS信号を受信し現在位置を求めるGPS受信機12を配置している。ケース本体4の前面側内部には,赤外線通信機14を配置する。赤外線通信機14は携帯電話機15等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。さらに,ケース本体4内には,スピーカ20も内蔵されている。
【0027】
更に,本実施形態の装置は,無線受信機13とリモコン受信機16を備えている。無線受信機13は,飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信機16は,リモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし,装置に対する各種の設定を行なう。無線受信機13は,飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は,例えば,緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。
【0028】
本実施形態のナビゲーション装置は,ナビゲーション機能に加え,周囲に存在する車両速度測定装置その他の交通監視ポイント等の目標物を報知する目標物報知装置としての目標物報知機能も備えている。これらのナビゲーション機能並びに目標物報知機能は,制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され,これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0029】
すなわち,制御部18は,上記の各種の入力機器(GPS受信機12,マイクロ波受信機11,無線受信機13,タッチパネル8,赤外線通信機14,リモコン受信機16,SDメモリカード用スロット部21,USB端子23等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し,出力機器(表示部5,警報ランプ9,スピーカ20,赤外線通信機14,SDメモリカード用スロット部21,USB端子23等)を利用して所定の情報・警報・メッセージを出力する。この所定の処理が,上記の各機能を実行するためのものであり,必要に応じてデータベース19や,SDメモリカード22にアクセスする。
【0030】
ここでデータベース19は,制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお,データベース19には,出荷時に一定の目標物や地図その他の各機能を実施するために必要な情報が登録されており,その後に追加された目標物についてのデータ等は,所定の処理を経て更新することができる。この更新のための処理は,例えば,追加データが格納されたSDメモリカード22をSDメモリカード用スロット部21に装着すると共に,そのSDメモリカード22からデータベース19に転送することで行うことがある。また,このデータ更新は,赤外線通信機14を用いたり,USB端子23を介して接続されるパソコンその他の外部機器を用いたりすることで行うことができる。
【0031】
目標物報知機能を実現するための制御部18は,以下のような動作をする。すなわち,制御部18は,マイクロ波受信機11が所望のマイクロ波を受信した場合,予め定めた警報を出力する。この警報としては,スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(車
両速度測定装置の検出等)を知らせるための音声の出力や,表示部5を用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。
【0032】
また,制御部18は,無線受信機13が所望の無線を受信した場合,予め定めた警報を出力する。この警報としては,スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(緊急車両の接近等)を知らせるための音声の出力や,表示部5を用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。この無線の受信に伴う警報と,上記のマイクロ波の受信に伴う警報の形態は,異なるようにすると良い。
【0033】
さらに,制御部18は,GPS受信機12によって検出した現在位置と,データベース19に記憶している交通監視ポイント等の目標物の位置が,所定の位置関係にあるとき,所定の警報を出力する。そのため,データベース19には,検出対象の目標物に関する情報(経度・緯度を含む目標物の位置情報や目標物の種別情報等)や,事故多発地帯や交通取締り情報などのより注意を持って安全に運転するための交通安全情報や,ランドマークや運転に有益な各種の情報がある。各情報は,具体的な情報の種類(目標物の種類,交通取り締まりの種類,事故多発地帯,ランドマークの名称等)と位置情報とを関連づけて登録されている。制御部18には,後述する動作を制御するプログラムがプリインストールされている。SDカードなどの他のメモリカード22などの記録媒体に記録されており,そのような記録媒体にプログラムが記録されており,そのプログラムが読みだされて制御部18にインストールしてもよい。
【0034】
警報を発する際の目標物までの距離は,目標物の種類ごとに変えることができる。警報の態様としては,上記と同様に,スピーカ20を用いた音声等による警報と,表示部5を用いた警報等がある。
図3は,表示部5による警報の一例を示している。本実施形態では,装置がナビゲーション装置であるので,後述するように地図データを有していることから,基本画面として,制御部18は,現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し,現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。そして,表示部5に,現在表示中の画面(ここでは現在位置周辺の地図)に重ねて警告画面70を表示する。
図3は,地
図50を表示している際に,現在位置と交通監視ポイントの一つである速度測定装置の一種であるLHシステムとの距離が500mになった場合の警告画面70の表示例を示している。さらに,「500m先LHシステムです」といった警報種類と距離を示す警告音声をスピーカ20から出力する処理を行う。
【0035】
表示部5の左上には「設定」の文字が表示されている設定ボタン60を形成している。この設定ボタン60は,装置本体2の各種の設定を行うときにタッチされる。設定ボタン60がタッチされると,表示部5は設定メニュー画面(
図6参照)を表示する。
【0036】
一方,ナビゲーション機能を実現するための制御部18は,以下のような動作をする。まず,データベース19は,ナビゲーション用の道路ネットワーク情報を記憶している。このデータベース19に格納するナビゲーションのための情報は,出荷時において全国についてのすべての情報を格納しておいても良いし,地図データ等は,地方毎にSDメモリカード22に格納したものを提供するようにし,ユーザは必要な地図データ等が格納されたSDメモリカード22を用意し,それをSDメモリカード用スロット部21に装着して使用するようにしても良い。なお,SDメモリカード22に格納された地図データ等は,データベース19に転送して格納しても良いし,制御部18がSDメモリカード22にアクセスし,そこから読み出して使用するようにしても良い。
【0037】
制御部18は,データベース19から現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し,現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。この制御部18は,この道路ネットワーク情報を利用してある位置から別の位置に至るルート(経路)を検索すること
ができる。また,データベース19は,電話番号とその電話番号の住宅・会社・施設等の位置情報及び名称とを対応づけて記憶した電話番号データベースと,住所とその住所の位置情報とを対応づけて記憶した住所データベースを備える。またデータベース19には,速度測定装置等の交通監視ポイントの位置情報がその種類とともに記憶されている。
【0038】
また,制御部18は,一般的なナビゲーション装置の処理を行う機能を有する。すなわち,表示部5に現在位置周辺の地図を随時表示し,目的地設定ボタンを表示する。制御部18は,タッチパネル8によって,目的地設定ボタンの表示位置に対応する位置のタッチを検出した場合に,目的地設定処理を行う。目的地設定処理では,目的地設定メニューを表示部5に表示し,目的地の設定方法の選択をユーザに促す。目的地設定メニューは,目的地の設定方法の選択をユーザに促す電話番号検索ボタンと住所検索ボタンとを有する。電話番号検索ボタンがタッチされたことを検出した場合には,電話番号の入力画面を表示し,入力された電話番号に対応する位置情報をデータベース19から取得する。住所検索ボタンがタッチされたことを検出した場合には,住所の選択入力画面を表示し,入力された住所に対応する位置情報をデータベース19から取得する。そして,取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し,現在位置から目的地までの推奨経路を,データベース19に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める。この推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いることができる。
【0039】
そして,制御部18は,算出した推奨経路を,周辺の地図とともに表示する。例えば,
図4に示すように,現在位置51から目的地52にいたるルート53を推奨経路として,所定の色(例えば赤色)で表示する。これは,一般的なナビゲーションシステムと同様である。そして本実施形態では,制御部18は,ルート53上の位置情報とデータベース19に記憶された交通監視ポイント等の目標物の位置情報とを比較し,ルート53上に位置する交通監視ポイント等の位置を表示する。なお,ルート53を安全運転で走行するための情報提供としては,データベース19に格納された各種の目標物の内,交通監視ポイントに限るようにしても良い。
【0040】
これにより,例えば,
図4に示すように,道路上の位置から吹き出しを表示し,データベース19に記憶されたその位置の交通監視ポイントの種類を吹き出しの中に表示する。例えば,
図4(a)は,警告ポイント検索画面の表示例であり,交通監視ポイント55aから55fを表示した例を示している。交通監視ポイント55aは,Nシステムを示す「N」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55b,55c,55eは,LHシステムを示す「LH」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55dは,ループコイルを示す「ループ」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55fは,Hシステムを示す「H」の文字を吹き出しの中に表示している。このように,吹き出しの中に文字を表示する簡略表示状態の吹き出し位置へのタッチをタッチパネル8が検知した場合には,
図4(b)に示すように,簡易表示を詳細表示へと切り替える。詳細表示は,
図3に示した警告画面を吹き出しの中に表示するものである。
【0041】
また,
図4(a)に示すように表示部5内の右下側には,交通監視ポイント種別指定部56を表示する。交通監視ポイント種別指定部56は,ルート53上に存在する交通監視ポイントの種別を列挙したボタン表示を行う部分である。
図4(a)の例では,交通監視ポイント55aのNシステムを示す「N」の種別ボタン57aと,交通監視ポイント55b,55c,55eのLHシステムを示す「LH」の種別ボタン57bと,交通監視ポイント55dのループコイルを示す「ループ」の種別ボタン57cと,交通監視ポイント55fのHシステムを示す「H」の種別ボタン57dを表示している。制御部18は,この種別ボタンの表示部へのタッチをタッチパネル8から検出した場合,タッチされた種別ボタンを反転表示するとともに,タッチされた種別ボタンに対応する交通監視ポイントの表示態様を,簡易表示中であれば詳細表示に切り替え,詳細表示中であれば簡易表示中に切
り替える。
【0042】
本実施形態のカーナビゲーション装置は,目的地(以下,経由地も含む)の設定方法として,周辺検索機能を備えている。この周辺検索機能が選択されて起動された場合,制御部18は,指定された条件に合致する施設であって,現在位置から近いものを抽出し,その抽出結果を表示部5に描画する。そして,ユーザは,表示部5に描画された候補の中からいずれかを選択し,確定することで目的地(経由地を含む)に指定することができる。
【0043】
すなわち,係る機能を実現するため,本実施形態のデータベース19は,各施設についての情報を,その位置情報とともに施設の分類に関する情報と関連付けて記憶している。施設の分類に関する情報は,各施設が合致するジャンルの呼び名でまとめられた複数種類の項目である。
【0044】
本実施形態では,いずれかの項目が指定されると,制御部18は,指定された項目に合致する施設であって,現在位置から近いものを抽出し,その抽出結果を目的地の候補として表示部5に描画する。ユーザは,表示部5に描画された候補の中からいずれかを選択することによって,目的地として指定することができる。
【0045】
項目のいずれか選択された場合,制御部18は,データベース19にアクセスし,現在位置を中心として,基準距離(たとえば,10km)以内に存在する施設であって,指定された項目の分類に一致するものを抽出する。そして,近いものから所定数(たとえば10個)の施設を表示部5に描画されている地図上の対応する箇所に,当該施設を示すアイコン(マーク)を重ねて描画する。データベース19に格納した施設の情報として,各施設に対して,それぞれのアイコンを関連づけて登録しておき,描画に際しては,その関連づけられたアイコンを読み出して表示部5の所定位置に描画する。
【0046】
なお,表示部5に描画された地図上に,現在位置が存在している場合には,その現在位置に該当する位置に自車を示す自車アイコンを重ねて描画する。さらに,このような施設のアイコンを描画するに際し,自車から近い順に番号を付記して表示する。自車の移動に伴い,随時番号は更新する。
【0047】
そして,ユーザが,所望の施設を選択すると,それを認識した制御部18が,係る施設を目的地とした推奨経路を求め,その結果を表示部5の地図に重ねて描画する。
【0048】
さらに,制御部18は,設定された目的地までのルート案内を行う機能を有する。つまり,制御部18は,ユーザによる案内開始の選択に応じて,GPSや自律航法で自車位置を逐次検出しながら,道路などを表す地図情報を表示部5に描画しつつ,目的地までの道案内を画像や音声を用いて行う。
【0049】
上記のユーザによる指定,選択等の指示入力は,表示部5に項目や機能の名称が表示されたボタン,施設のアイコンをタッチしたり,リモコン操作により選択したり,所定の音声が入力がなされたことを,制御部18が検出することを契機として行うことができる。
【0050】
制御部18はマルチタスクに対応するOSを備え,一の処理中などに他の処理をマルチタスクで実行する。
【0051】
【0052】
図5に示す処理は,設定ボタン60(
図3参照)がタッチされたことにより開始する。
【0053】
設定ボタン60がタッチされると,表示部5には
図6に示す設定メニュー画面90が表示される(ステップ81)。
【0054】
図6は,表示部5に表示される設定メニュー画面90の一例である。
【0055】
設定メニュー画面90には,所定の処理を設定するときにタッチされる設定ボタン91のほかに,「音声出力先切替」の文字が表示されている音声出力先切替ボタン92および「起動待ち時間」の文字が表示されている起動待ち時間設定ボタン93が形成されている。この実施例による装置本体2においては,装置本体2の内蔵スピーカ20からの音声出力と音声出力端子1からの音声信号の出力とを設定でき,その設定画面を表示するためのボタンが音声出力先切替ボタン92である。また,この実施例による装置本体2においては,内蔵スピーカ20からの音声出力および音声出力端子1からの音声信号の出力を,装置本体2の起動時から遅延させることができ,その遅延時間(起動待ち時間)を設定できる。その遅延時間の設定画面を表示するためのボタンが起動待ち時間設定ボタン93である。
【0056】
音声出力先切替ボタン92がタッチされると(ステップ82でYES),表示部5は,
図7(A)に示す音声出力先切替画面100を表示する(ステップ83)。
【0057】
音声出力先切替画面100には,ほぼ中央に内蔵スピーカ設定ボタン101および外部出力設定ボタン102が形成されている。内蔵スピーカ設定ボタン101の左側の部分には点灯時には緑色(緑色でなくともよい)が光る発光部101aが形成されており,外部出力設定ボタン102の左側の部分には点灯時には緑色(緑色でなくともよい)が光る発光部102aが形成されている。音声出力先切替画面100の下部には,「EXIT」の文字が表示されているEXITボタン103,「BACK」の文字が表示されているBACKボタン104,左向きの三角形が表示されている左矢印ボタン105および右向きの三角形が表示されている右矢印ボタン106が形成されている。EXITボタン103がタッチされると,設定ボタン60がタッチされたときに表示部5に表示されていた状態に戻る。BACKボタン104がタッチされると,表示部5には
図6に示すメニュー画面が表示される。左矢印ボタン105がタッチされると,他の設定を行うための画面が表示部5に表示される。右矢印ボタン106がタッチされると,
図8に示す起動待ち時間画面110が表示部5に表示される。表示部5の表示が音声出力先切替画面100に切り替わったときには,表示部5には
図7(a)に示す音声出力先切替画面100が表示されるように装置本体2の工場出荷時に設定されている。
【0058】
図7(a)に示す音声出力先切替画面100の内蔵スピーカ設定ボタン101には「内蔵スピーカーON」の文字が表示されており,発光部101aが点灯している。また,外部出力設定ボタン102には「外部出力ON」の文字が表示されており,発光部102aが点灯している。内蔵スピーカ設定ボタン101に「内蔵スピーカーON」の文字が表示されている状態では,装置本体2に内蔵スピーカ20から音声を出力するように設定されていることとなる。また,外部出力設定ボタン102に「外部出力ON」の文字が表示されている状態では,装置本体2の音声出力端子1から音声信号を外部に出力するように設定されていることとなる。内蔵スピーカ設定ボタン101に「内蔵スピーカーON」の文字が表示されている状態で,内蔵スピーカ設定ボタン101がタッチされると,表示部5には,
図7(b)に示す音声出力先切替画面100が表示される。
【0059】
図7(b)に示す音声出力先切替画面100においては,内蔵スピーカ設定ボタン101には「内蔵スピーカー起動時のみ」の文字が表示されており,発光部101aが点灯している。また,外部出力設定ボタン102には「外部出力ON」の文字が表示されており,発光部102aが点灯している。内蔵スピーカ設定ボタン101に「内蔵スピーカー起
動時のみ」の文字が表示されている状態では,装置本体2の起動時(たとえば,装置本体2に電源が供給されて表示部5にオープニング画面が表示されている間)のみ内蔵スピーカ20から音声を出力するように装置本体2が設定されていることとなる。内蔵スピーカ設定ボタン101に「内蔵スピーカー起動時のみ」の文字が表示されている状態で,内蔵スピーカ設定ボタン101がタッチされると,表示部5には,
図7(c)に示す音声出力先切替画面100が表示される。
【0060】
図7(c)に示す音声出力先切替画面100においては,内蔵スピーカ設定ボタン101には「内蔵スピーカーOFF」の文字が表示されており,発光部101aは消灯している。また,外部出力設定ボタン102には「外部出力ON」の文字が表示されており,発光部102aが点灯している。内蔵スピーカ設定ボタン101に「内蔵スピーカーOFF」の文字が表示されている状態では,内蔵スピーカ20からは音声を出力しないように装置本体2が設定されていることとなる。内蔵スピーカ設定ボタン101に「内蔵スピーカーOFF」の文字が表示されている状態で,内蔵スピーカ設定ボタン101がタッチされると,表示部5には,
図7(a)に示す音声出力先切替画面100が表示される。このように,内蔵スピーカ設定ボタン101がタッチされるごとに,内蔵スピーカ設定ボタン101に表示される文字が「内蔵スピーカーON」→「内蔵スピーカー起動時のみ」→「内蔵スピーカーOFF」→「内蔵スピーカーON」というように切り替わり,装置本体2の設定も内蔵スピーカ設定ボタン101に表示される文字に応じて切り替わる。
【0061】
図7(a)から
図7(c)に示すように外部出力設定ボタン102に「外部出力ON」の文字が表示されている状態で外部出力設定ボタン102がタッチされると,外部出力設定ボタン102には「外部出力OFF」の文字が表示され,かつ発光部102aは消灯する。外部出力設定ボタン102に「外部出力OFF」の文字が表示されている状態では,装置本体2の音声出力端子1からは音声信号は出力されない。外部出力設定ボタン102に「外部出力OFF」の文字が表示されている状態で外部出力設定ボタン102がタッチされると,外部出力設定ボタン102には「外部出力ON」の文字が表示される。このように,外部出力設定ボタン102がタッチされるごとに,外部出力設定ボタン102に表示される文字が「外部出力ON」と「外部出力OFF」との間で切り替わり,装置本体2の設定も外部出力設定ボタン102に表示される文字に応じて切り替わる。
【0062】
ユーザは,表示部5に表示される音声出力先切替画面100に形成される内蔵スピーカ設定ボタン101と外部出力設定ボタン102とをタッチすることにより,内蔵スピーカ20の出力の設定および音声出力端子1からの音声信号の外部出力の設定を行う(ステップ84)(第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる機能と,第一のスピーカとは別に第二のスピーカ側に出力する処理を行う機能との,いずれの機能を実行するかを選択する機能の一例である。)。内蔵スピーカ設定ボタン101または外部出力設定ボタン102がタッチされたタイミングで設定が確定され,内蔵スピーカ20の出力の有無の設定および音声出力端子1からの音声信号の出力の有無が装置本体2に設定される。
【0063】
図6に示す設定メニュー画面90が表示部5に表示されているときに起動待ち時間設定ボタン93がタッチされる(
図5ステップ82でNO),あるいは
図7(a)から
図7(c)のいずれかに示す音声出力先切替画面100が表示部に表示されているときに右矢印ボタン106がタッチされると,
図8に示す起動待ち時間画面110(第二システム出力待機時間を設定する機能の一例である)が表示部5に表示される(ステップ86)。時間の設定は,自動でもよいが,とくに手動とするとよい。手動での設定は、例えば秒数の入力をユーザから受け付ける処理とするとよく、例えば秒数自体を入力させるようにしてもよいが、特に、所定の秒数の選択肢を複数出力し、その中からユーザに所望の秒数を選択させる処理とするとよい。この複数の所定の秒数の選択肢は、隣接する選択肢同士の秒数
の間隔が異なるものを備えるとよく、特に秒数が小さいもの同士の間隔よりも秒数が長いもの同士の間隔が長くなるよう選択肢を設けるとよく、特に秒数が大きくなればなるほどその間隔が大きくなるように選択肢を設けるとよい。秒数自体ではなく、「長め」「普通」「短め」のような選択肢としてもよく、各選択肢に対応した秒数を予め定めておき、選択した項目に対応した秒数を利用する時間としてもよい。手動での設定機能と自動での設定機能の双方を設けるとよい。自動で設定するか手動で設定するかユーザに選択させる機能を備えるとよい。
【0064】
図8を参照して,起動待ち時間画面110には,起動待ち時間設定ボタン111から1188が形成されている。起動待ち時間設定ボタン111,112,113,114,115,116,117および118のそれぞれには「5秒」,「10秒」,「15秒」,「20秒」,「30秒」,「40秒」,「60秒」および「OFF」の文字が表示されている。起動待ち時間画面110にもEXITボタン103,BACKボタン104および左矢印ボタン117が形成されている。左矢印ボタン117がタッチされると,表示部5には音声出力先切替画面100が表示される(内蔵スピーカ設定ボタン101および外部出力設定ボタン102の設定状態に応じて,これらの内蔵スピーカ設定ボタン101および外部出力設定ボタン102に表示される文字の内容は変わる)。
【0065】
起動待ち時間設定ボタン111から118は,音声出力先切替画面100に形成されている外部出力設定ボタン102によって音声出力端子1から音声信号を外部に出力するように設定されているときに,音声信号の出力を開始するタイミングを設定するものである。タッチされたボタンに表示されている時間またはOFF(起動待ち時間0秒)が起動待ち時間として設定される。起動待ち時間設定ボタン111から118のうちのいずれかのボタンがタッチされるとタッチされたボタンが他のボタンに比べて明るく点灯する。工場出荷時の初期状態では起動待ち時間設定ボタン111から118のうち,起動待ち時間設定ボタン118が点灯するように設定されており,起動待ち時間は0秒に設定されている。
【0066】
起動待ち時間設定ボタン111,112,113および114には,それぞれ「5秒」,「10秒」,「15秒」および「20秒」の文字が表示されており,5秒おきに起動待ち時間が設定できるように構成されている。これは,たとえば,装置本体から出力される音声信号を車載ナビゲーション装置などのように起動が比較的早い装置に出力するときに,起動が比較的早い装置ごとに最適な時間を設定できるようにするためである。起動待ち時間設定ボタン115,116および117には,それぞれ「30秒」,「40秒」および「60秒」の文字が表示されており,10秒または20秒おきに起動待ち時間が設定できるように孤高性されている。これは,たとえば装置本体から出力される音声信号を、接続処理など比較的起動までに時間が必要なBluetooth(登録商標)装置などの装置に出力するときであっても,そのようなBluetooth(登録商標)装置の起動に合わせた時間に起動待ち時間を設定できるようにするためである。装置本体2以外の外部の装置に音声信号を出力するときに,外部の装置の起動に合わせて起動待ち時間を設定して音声信号を外部の装置に出力できるので,外部の装置から確実に音声を出力させることができる。
【0067】
音声出力端子1から音声信号を外部に出力しないように設定されているとき(外部出力設定ボタン102に「外部出力OFF」の文字が表示されているとき)には,起動待ち時間設定ボタン111から118はグレーアウトされており,起動待ち時間設定ボタン111から118による起動待ち時間の設定はできない。もっとも,起動待ち時間設定ボタン118は,起動待ち時間を無しとする設定であるから,音声出力端子1から音声信号を外部に出力しないように設定されているときであってもグレーアウトせずに設定できるようにするとよい。
【0068】
起動待ち時間設定ボタン111から118のいずれかのボタンがタッチされると,タッチされたボタンに表示された文字によって表される時間が起動待ち時間としてタッチされたタイミングで装置本体2に設定される(ステップ87)。
【0069】
図9は,携帯型ナビゲーション装置として利用可能な装置本体2(第二のシステムの一例である)と車載型ナビゲーション装置120(第一のシステムの一例である)との関係を示している。車載型ナビゲーション装置120は車などの車両に車両の工場出荷時から車両にビルトインされておりインダッシュタイプのものである。これに対して,装置本体2は,車両にビルトインされておらず,車両のダッシユボード上などに後から取り付けられるオンダッシュタイプのものである。車両にインダッシュされている車載型ナビゲーション装置120と区別するために,装置本体を携帯型ナビゲーション装置2とする。もっとも,携帯型ナビゲーション装置2は,車両にビルトインされているものでなければ携帯しないと考えられるようなオンダッシュタイプのものでよいが,とくに,携帯可能なものがよい。
【0070】
車載型ナビゲーション装置120には音声入力端子121が形成されており,この音声入力端子121と携帯型ナビゲーション装置2に形成されている音声出力端子1(第一のシステムに対して音声信号を出力する機能の一例である)との間が音声ケーブル122によって接続される。携帯型ナビゲーション装置2には,上述のように内蔵スピーカ20(第二のスピーカの一例である。内蔵していなくともよい)が含まれており,車載型ナビゲーション装置120にはスピーカ(第一のスピーカの一例である)130が接続されている。スピーカ130は車載型ナビゲーション装置120に外付けされているが,内蔵していてもよい。車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130はビルトインタイプのもので車載型ナビゲーション装置120が搭載されている車両にダッシュボードに内蔵されている。
【0071】
車載型ナビゲーション装置120は,車載型ナビゲーション装置120が搭載されている車両のACC(アクセサリー)ライン131(第一のシステムと第二のシステムとが共通の電源オンのタイミングで電源の供給が開始される電源ラインに接続する接続手段の一例である)に接続されている。このACCライン131は,ACC電源に接続されている。ACCライン131は車両に形成されているシガーソケット132に接続されている。携帯型ナビゲーション装置2は,ケーブル133によってシガーソケット132と接続されている。
【0072】
車両のACC電源がオンされる,あるいは車両のエンジンをかけると,ACCラインにACC電源が供給され,車載型ナビゲーション装置120に電源が供給される。また,シガーソケット132にも電源が供給され,シガーソケット132に接続されている携帯型ナビゲーション装置2にも電源が供給される。特に、例えば携帯型ナビゲーション装置2(第二のシステムの一例である)に例えばGPSモジュール等の電源の投入後、データの取得に一定の時間を要する箇所を備えるシステムにおいて、当該箇所には電源を投入した後に、車載型ナビゲーション装置120(第一のシステムの一例である)に対する音声信号の出力の開始を待機させる構成とすると、第一のシステムから音声が出力されてから第二のシステムにおいて当該データの取得にかかる時間を短くすることができる。
【0073】
図10(a)から
図10(d)は,車載型ナビゲーション装置120と携帯型ナビゲーション装置2との動作を示すタイムチャートである。
【0074】
図7(a)から
図7(c)を参照して説明したように,携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20については,「内蔵スピーカーON」,「内蔵スピーカー起動時のみ」または「内蔵スピーカーOFF」の設定が可能である。また,音声出力端子1から音声信
号を出力する外部出力については「外部ON」または「外部OFF」の設定が可能である。
【0075】
図10(a)は,「内蔵スピーカーON」かつ「外部ON」に設定されているときの車載型ナビゲーション装置120と携帯型ナビゲーション装置2との動作を示している。
【0076】
車載型ナビゲーション装置120に時刻t11に電源の供給が開始されると,起動までの間に時間がかかるので時刻t12(時刻t11から時刻t12が第一システム起動時出力不可時間の一例である)にスピーカ130から音声の出力が可能となる。
【0077】
携帯型ナビゲーション装置2にも車載型ナビゲーション装置120に電源が供給されたタイミングの時刻t11に電源の供給が開始される。携帯型ナビゲーション装置2に電源が供給されたから所定の時間(第二システム起動時出力開始時間の一例である)内に音声信号を車載型ナビゲーション装置120に出力(第一の処理の一例である)すると,その音声信号の出力する時間が時刻t12以前であると車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から音声を出力できない。この実施例では,スピーカ130から音声が出力できる時刻t12以降(第二システム出力待機時間の一例である)に車載型ナビゲーション装置120に音声が出力されるように起動待ち時間を設定する。携帯型ナビゲーション装置2に設定された起動待ち時間が経過し(起動待ち時間は電源の供給が開始されたタイミングで開始する),時刻t22となると,車載型ナビゲーション装置120から制御部18のメモリにあらかじめ記憶されている音声データが音声信号として音声出力端子1から出力され車載型ナビゲーション装置120に入力する(待ち時間経過後に音声信号を音声出力端子1から出力する処理が第二の処理の一例であり,第二システム出力待機時間の間に第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる処理を行う機能の一例である)。車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から,制御部18のメモリにあらかじめ記憶されている音声データによって表される音声(たとえば,キャラクタのセリフ,起動音など)が出力される。時刻t11から時刻t21までの時間が,
図8に示した起動時間待ち時間画面によって設定された起動待ち時間であり,この起動待ち時間を車載型ナビゲーション装置120のスピーカ出力可能な時刻t12以降の時刻t21となるように設定することにより,携帯型ナビゲーション装置2から出力された音声信号によって表される音声が,車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から出力されずにユーザがその音声を聞くことができないということが未然に防止される。また,時刻t22において携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20から,制御部18の不揮発性メモリにあらかじめ記憶されている音声データによって表される音声の出力も開始される(第二のスピーカ側に音声信号を出力させる処理を行う機能の一例であり,第二システム出力待機時間経過後も第二スピーカ側に音声を出力する機能の一例である)。内蔵スピーカ20から出力される音声もユーザは聞くことができる。
【0078】
図10(b)は,「内蔵スピーカーON」かつ「外部出力OFF」に設定されているときの車載型ナビゲーション装置120と携帯型ナビゲーション装置2との動作を示している。
【0079】
「外部出力OFF」に設定されているときには,車載型ナビゲーション装置120には音声信号が出力されないので,時刻t21において携帯型ナビゲーション装置2に電源が供給されると携帯型ナビゲーション装置2が起動後に,制御部18の不揮発性メモリに記憶されている音声データによって表される音声の出力が開始される(第二のスピーカ側に音声信号を出力させる処理を行う機能の一例であり,第二システム起動時音声出力機能の一例である)。
【0080】
図10(c)は,「内蔵スピーカー起動時のみON」かつ「外部出力ON」に設定されているときの車載型ナビゲーション装置120と携帯型ナビゲーション装置2との動作を示している。
【0081】
時刻t21において携帯型ナビゲーション装置2に電源が供給されると,携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20から,制御部18の不揮発性メモリにあらかじめ記憶されている音声データによって表される音声の出力が開始する(第二システム起動時音声出力機能の一例である)。携帯型ナビゲーション装置2に設定された待ち時間が経過し,時刻t22となると,携帯型ナビゲーション装置2の制御部18の不揮発メモリにあらかじめ記憶されている音声データが音声信号として音声出力端子1から出力され車載型ナビゲーション装置120に入力する。車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から,制御部18のメモリにあらかじめ記憶されている音声データによって表される音声(たとえば,キャラクタのセリフ,起動音など)が出力される(第二システム起動後音声出力機能の一例である)。また,携帯型ナビゲーション装置2に設定された待ち時間が経過し,時刻t22となると。携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20からの音声の出力は停止する。携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20からの音声の出力の停止は,携帯型ナビゲーション装置2に設定されている待ち時間とせずに,あらかじめ設定されている携帯型ナビゲーション装置2の起動時の時間(たとえば,車載型ナビゲーション装置120のオープニング画面が表示されている時間であり,1秒から2秒程度)としてもよい。車載型ナビゲーション装置120の起動時のみ内蔵スピーカ20から出力される音声を迅速にユーザは聞くことができる。第一システム起動時出力不可時間を超える第二システム出力待機時間の間に,第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから第二システム出力待機時間内に音声を出せるところから出力する機能は,第二システム出力待機時間の間に前記第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる機能,第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させる機能,または第二システムへの電源の供給を遅延させる機能の少なくともいずれかに加えて,第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから第二システム起動時出力開始時間経過後に第一のシステムに対して音声信号を出力する第二システム起動後音声出力機能を備え,これらの機能のうち少なくとも一つの機能を選択する機能を備えるとよい。
【0082】
図10(d)は,「内蔵スピーカーOFF」かつ「外部出力ON」に設定されているときの車載型ナビゲーション装置120と携帯型ナビゲーション装置2との動作を示している。
【0083】
携帯型ナビゲーション装置2に設定された待ち時間が経過し,時刻t22となると,車載型ナビゲーション装置120から制御部18のメモリにあらかじめ記憶されている音声データが音声信号として音声出力端子1から出力され車載型ナビゲーション装置120に入力する。車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から,制御部18のメモリにあらかじめ記憶されている音声データによって表される音声(たとえば,キャラクタのセリフ,起動音など)が出力される。「内部スピーカーOFF」なので,携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20からの音声の出力は停止する。ユーザは,車載型ナビゲーション装置120の起動後に車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から,制御部18のメモリにあらかじめ記憶されている音声データによって表される音声を確実に聞くことができる。
【0084】
携帯型ナビゲーション装置2の制御部18のメモリに記憶されている音声データによって表される音声を,ユーザは確実に聞くことができる。携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20から出力される音声とおよび車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から出力される音声とを同期して出力するので,時間的にずれた音声が耳に入ってしまうこともない。
【0085】
図11は,携帯型ナビゲーション装置2の処理手順を示すフローチャートであり,携帯型ナビゲーション装置2に電源が供給されたことにより開始する。
【0086】
「内蔵スピーカーON」に設定されていると(ステップ141でYES),「外部出力ON」に設定されているかどうかが確認される(ステップ142)。「外部出力ON」に設定されていると(ステップ42でYES),
図10(a)に示す制御が行われることとなる。携帯型ナビゲーション装置2への電源の供給の開始(たとえば,時刻t21)から,設定されている起動待ち時間(たとえば,時刻t21から時刻t22)が経過すると(ステップ143でYES),携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20および車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から音声の出力が開始する(ステップ144)。
【0087】
「内蔵スピーカーON」に設定されているが(ステップ141でYES),「外部出力OFF」に設定されているときには(ステップ142でNO),
図10(b)に示す制御が行われることとなる。携帯型ナビゲーション装置2への電源の供給が開始され携帯型ナビゲーション装置2が起動すると(たとえば,時刻t21),携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20から音声の出力が開始する(ステップ145)。音声出力端子1から音声信号は出力されない。
【0088】
「内蔵スピーカーON」に設定されておらず(ステップ141でNO),「内蔵スピーカー起動時のみ」に設定されていると(ステップ146でYES),
図10(c)に示す制御が行われることとなる。携帯型ナビゲーション装置2への電源の供給が開始(たとえば,時刻t21)されると,携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20から音声が出力される(ステップ147)。起動待ち時間が経過(たとえば,時刻t21から時刻t22の経過)すると(ステップ148でYES),携帯型ナビゲーション装置2の内蔵スピーカ20から音声の出力がオフされるとともに,音声信号が車載型ナビゲーション装置120に出力され,スピーカ130から音声が出力される(ステップ149)。車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130からのみ音声が出力される。
【0089】
「内蔵スピーカ起動時のみ」が設定されていないと(ステップ146でNO),「内蔵スピーカOFF」が設定されていることとなる。
図10(d)の制御が行われることとなる。設定されている起動待ち時間が経過すると(たとえば,
図10(d)の時刻t22が経過すると)(ステップ151でYES),音声出力端子1から音声信号が出力され車載型ナビゲーション装置120のスピーカ130から音声が出力される(ステップ152)。
【0090】
上述の実施例においては,
図10(a)に示すように,車載型ナビゲーション装置120に接続されているスピーカ130から音声が出力できる時刻t12以降に,車載型ナビゲーション装置120に音声信号の出力が開始されているが,その時刻t12以降に携帯型ナビゲーション装置2への電源供給の開始をしてもよい(第二システムへの電源の供給を遅延させる処理の一例である)。
図8に示す起動時間設定画面を利用した起動時間の設定と同様に,電源供給の開始を遅延させる時間を設定すればよい。
【0091】
また,車載型ナビゲーション装置120において,
図10(a)の時刻t11から時刻t12の間に,車載型ナビゲーション装置120が有する画面への描画(たとえば,車載型ナビゲーション装置120のメーカ名,車両のメーカ名の描画,その他のオープニング画面)をするとよい。その時刻t11から時刻t12の間に,車載型ナビゲーション装置120が有する起動音のスピーカ130への出力を行ってもよい。
【0092】
また,携帯型ナビゲーション装置2において,
図10(a)の時刻t11から時刻t12の間に,携帯型ナビゲーション装置2が有する画面への描画(たとえば,携帯型ナビゲーション装置2のメーカ名,キャラクタなどの描画)をするとよい。
【0093】
上述では,携帯型ナビゲーション装置2から車載型ナビゲーション装置120に音声信号の出力が制御される実施例について説明したが,車載型ナビゲーション装置120に限らず,様々なタイプのナビゲーション装置その他の異なる複数の電子機器などに音声信号を出力するようにしてもよい。このようなときには,
図8に示した起動待ち時間画面110は,携帯型ナビゲーション装置2(第二のシステムの一例である)は,異なる複数の電子機器からの音声の出力に合わせて,待ち時間を所定の範囲内の時間に調整する機能を持たせるようになる。異なる複数の電子機器に合わせて携帯型ナビゲーション装置2は電子機器に音声信号を出力する接続のやり方(音声信号出力手段)となろう。たとえば,携帯型ナビゲーション装置2からの音声信号を,Bluetooth(登録商標)を利用して電子機器(第一のシステムの一例である)に出力するときには,接続処理に比較的時間がかかるので,比較的長時間の待ち時間が設定できる機能が,携帯型ナビゲーション装置2が有することとなる。このように,車載型ナビゲーション装置120その他の装置から音声が出力される時刻t12までの時間に,Bluetooth(登録商標)の接続処理を行ってもよい。 調整は自動でも手動でもよく,手動の場合,いくつかの時間の選択項目から選択を促す構成とするとよい。例えば、第一のシステムをBluetooth(登録商標)スピーカなど音声信号の入力に第二のシステムとの接続を要する機器とした場合、その機器との接続の確立に要する時間を計測しておき、その計測した時間に基づき待機時間を調整する機能を備えるとよい。ペアリング等で予め設定した機器のIDごとに、音声の送信が可能となるまでの時間を計測し、その時間(望ましくは+αした時間)後まで待機する構成とすると特によい。このようにすれば、手動設定することなく、また第二のシステムの起動音などが途切れることなく、個々の第一のシステムのスピーカから出力させることができる。また、有線で接続する場合、当該有線における入力信号を受け付けない状態から受け付ける状態になるまでの時間、あるいは、第二のシステムから第二のシステム側のスピーカへの信号出力がされない状態からされる状態になるまでの時間を計測し、その時間(望ましくは+αした時間)後まで待機する構成とすると特によい。例えば、第一のシステムの音声入力端子への経路にある信号入力をオン・オフする電子スイッチの状態をそのインピーダンスや、電子スイッチの状態変化のノイズ等から検出して、当該有線における入力信号を受け付けない状態から受け付ける状態になったか否かを検出するようにするとよい。また、第二のシステムのスピーカへの経路の信号線を第一のシステムに有線で接続したり、第一のシステムにマイクを備え当該マイクで第二のシステムのスピーカからの音の状態を検出することで、第二のシステムから第二のシステム側のスピーカへの信号出力がされない状態からされる状態になるまでの時間を計測するようにするとよい。
前記+αについては、例えば数秒とするとよい。時間の計測については、複数の起動時(望ましくは起動毎)に行い、複数の起動時の計測結果に基づき統計的処理を行って決定するとよく、起動ごとに随時計算して、利用する時間を改定していくようにするとよい。特に、統計的処理としては、平均値や中央値を利用する時間として採用したり、特に長時間かかったケースなどは、除外して計算したりするなどするとよい。
【0094】
上述のように,車載型ナビゲーション装置120(第一システム)と携帯型ナビゲーション装置2(第二のシステム)とは別体とするとよい。車載型ナビゲーション装置120(第一システム)内に携帯型ナビゲーション装置2(第二のシステム)が組み込まれていたり,携帯型ナビゲーション装置2(第二のシステム)内に車載型ナビゲーション装置120(第一システム)が組み込まれていたりしない構成とするとよい。車載型ナビゲーション装置120(第一のシステム)のほかには,例えばナビ,カーナビ装置,オーディオ,オーディオ装置などとするとよい。第一のシステムは車載でなくともよいが,特に車載とするとよい。スピーカ130は,車載用でなくともよいが,車載用とするとよく,車両
に設置可能なもの,車両に持ち込み可能なものとしてもよいが,特に車両に予め搭載されているものとするとよい。第二のシステムは,レーダ探知機(RD(Radar detector)),ナビ,カーナビ装置,オーディオ,オーディオ装置などとするとよい。第二のシステムは,車両に予め搭載されているものとしてもよいが,特に,車両には予め搭載されていないものとするとよい。車載用でなくてもよいが,車載用とするとよい。特に,車両に持ち込み可能なものとしてもよく,ポータブルなものとするとよいが,最も良いものは車両に設置可能なものである。第二のスピーカは,第二のシステムに外付けのものでもよいが,第二のシステムに内蔵したスピーカとするとよい。
【0095】
第一のシステムと第二のシステムとは,有線または無線によって接続されるとよい。第一のシステムに音声入力端子を備え,第二のシステムに音声出力端子を備え,両者をケーブルで接続するとよい。端子は電気的なコネクタとしてもよいし,光学的なコネクタとしてもよい。ケーブルはその両側に両システム側の各端子にはめ合うケーブル側端子を設けるとよい。音声信号は,アナログ信号としても,デジタル信号としてもよい。無線とする構成では,無線LAN(Local Area Network),Wi-Fi,Bluetooth(登録商標)による通信とするとよい。第一システム起動時出力不可時間は,第一のシステムの起動が遅いことにより発生する時間の一例である。第二の処理は,例えば音声を出せるところから出力する処理とするとよく,第一のスピーカ,第二のスピーカにかかわらず第二のシステムの音声を出力する処理とするとよい。音声信号は,第二のシステムの起動後に初めて出力する音声の信号とするとよく,第二のシステムの起動音,キャラクタによるセリフなどを表すものとするとよい。第二のシステムの起動にかかる時間は,第一のシステムの起動にかかる時間よりも短い時間であるものに特に優れた効果を発揮する。第一のシステムの第一システム起動時出力不可時間よりも,第二のシステムの第二システム起動時出力開始時間が短い時間である第二のシステムで,特に優れた効果を発揮する。前記第二の処理を行うか否かを予め設定しておき,前記第二システム出力待機時間の間に当該設定に基づき第二の処理を行うか否かを決定する処理を行うとよい。設定はユーザによって行う機能を備えるとよい。
【0096】
以下,設定を行うと記載した部分は,特にユーザによって設定を行う機能を備え,当該設定内容を不揮発性記憶手段に記憶しておき,第二のシステムの起動時にその記憶された設定内容に基づく処理を行うとよい。「前記第一システム起動時出力不可時間を超える時間(以下,第二システム出力待機時間という)の間に,ユーザが当該音声信号に基づく音声を認識可能とするための処理(以下,第二の処理という)を行う」の具体例としては,第二システム出力待機時間の間のいずれかの時間に第二の処理を開始すればよく,終了することまでは必須ではない。特に第二のシステムに対して電源が供給されてからできるだけ早い時点で第二の処理を開始するようにするとよい。前記第二の処理は,前記第一の処理を行わずまたは前記第一の処理を行うとともに,行うとよい。特に「前記第一の処理を行わずまたは第一の処理を行うとともに」の構成は,第一の処理を行わないようにするとよい。あるいは「前記第一の処理を行わずまたは前記第一の処理を行うとともに」の構成は,第一の処理を行うか否かを設定しておき,第二のシステムの起動時にその設定に基づき第一の処理を行わないか,または,行うかを決定するとよい。なお第二の処理は,例えば第二のシステムに備えるマイコン等に備えるコンピュータが記憶されたプログラム等を実行して実現するようにしてもよいし,例えばコンピュータではない電子回路で実現してもよい。例えばユーザが当該音声信号に基づく音声を認識可能とするための出力先を選択する電子スイッチ等を電源投入時に制御する回路で構成してもよい。例えばコンピュータに外付けないし内蔵された電子回路でコンピュータをコントロールする構成としてもよい。
【0097】
第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる処理としては,例えば「第二のシステムにおいて,当該第二のシステムに対して電源の供給が開始されてから,所定
時間(以下,第二システム起動時出力開始時間という)内に前記第一のシステムに対して音声信号を出力する処理(以下,第一の処理という)を行う」ことが可能となったとしても,第一の処理を開始せずに,第二システム出力待機時間の経過を待ってから,当該音声信号の出力を開始させる処理とするとよい。第一のシステムに対する音声信号の出力の開始を待機させる処理を行う機能は,特に,あらかじめ定められている複数の時間のうち,いずれかの時間をユーザが設定することにより待機させる機能とするとよい。また,第一システム起動時出力不可時間を検出し,その時間の間待機させる機能とするとよい。第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させる処理を行う機能は,第一のスピーカには音声信号を出力せずに,第二のスピーカ側に音声信号を出力する機能とするとよいが,特に,第一のスピーカには音声信号を出力し,かつ第二のスピーカ側にも音声信号を出力させる機能とするとよい。第二のスピーカは,例えば,単なるスピーカとするとよい。第二のスピーカは例えば第二のシステムに備えるスピーカとするとよく,例えば第二のシステムに内蔵するスピーカとするとよい。第二のスピーカは,特に入力された音声信号に基づく信号の第二のスピーカからの出力が行われない時間を有しないスピーカとするとよく,特に第二のスピーカへの経路における回路等への電源の供給が開始されてから少なくとも第二システム起動時出力開始時間内に音声の出力が可能となるものとするとよく,特に電源の供給が開始されたらすぐに音声の出力が可能となるものとするとよい。「前記第一のスピーカとは別の第二のスピーカ側に音声信号を出力させる処理」は,例えば,第二のシステムに音声の出力先を第一のスピーカ側(第一のシステム側)への出力か第二のスピーカ側への出力かを切り替える切替手段(例えば電子スイッチなど)を制御する処理とするとよい。特に予め設定され記憶されているいずれのスピーカ側から出力するかの情報に基づき第二のシステムへの電源投入後の電子スイッチの設定処理(例えば初期化処理)を行うとよい。第二システムへの電源の供給を遅延させる処理を行う機能は,第二システム自体への電源の供給を遅延させる機能としてもよいが,特に,第二システムの制御装置への電源の供給を遅延させる機能とするとよい。
【0098】
「前記第二システムへの電源の供給を遅延させる処理」は,例えば,第二のシステムへ電源の供給が開始されたとしても,音声信号を出力する処理を行う制御手段(例えばCPUなど)への電源の供給を開始させず,第二システム出力待機時間の経過を見越したタイミングで電源を投入するタイマー回路と電源制御回路とを備える電子回路等で構成するとよい。あるいは音声信号を出力する処理を行うCPUよりも低消費電力なCPU等によってプログラムを実行することにより,この電子回路の機能を実現するようにしてもよい。第二システム出力待機時間の経過を見越したタイミングとしては,第一のシステムに電源の供給が開始されてから第二システム出力待機時間が経過するまでの時間待ったタイミングで音声信号を出力する処理を行う制御手段(例えばCPUなど)への電源の供給を開始させるようにしてもよいが,第二のシステムの音声信号を出力する処理を行う制御手段が音声信号を出力可能になるまでに所定の時間を有する場合にはその所定の時間を加味して第二システム出力待機時間から所定の時間を例えば差し引いた時間経過したタイミングで第二のシステムの音声信号を出力する処理を行う制御手段の電源を投入するように制御するとよい。
【0099】
第一のシステムが有する画面への描画は,第一のシステムのメーカ名,第一のシステムが車載であれば,その車両のメーカ名,キャラクタなどの描画とするとよい。第一のシステムが有する起動音は,何等かの音,音声であればよく,とくに,第一のシステムに電源が供給されたことを報知する何等かの音,音声とするとよい。第二のシステムの音声信号を入力するための第一のシステムとの接続処理は,第二のシステムの音声信号を第一のシステムに入力するための処理とするとよく,とくに,Bluetooth(登録商標)の接続処理とするとよい。特に予めペアリングされているBluetooth機器との接続処理とするとよい。
【0100】
音声データは第二のシステムの不揮発性メモリに記録されているとよい。音声データは,キャラクタのセリフを表すものとするとよい。音声信号の出力の開始のタイミングをC
PU(Central Processing Unit),制御装置などによって制御するとよい。
【0101】
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく,本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち,特許を受けようとする構成を,添付の特許請求の範囲に特定したが,現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を,将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0102】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と,発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【0103】
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく,本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち,特許を受けようとする構成を,添付の特許請求の範囲に特定したが,現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を,将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と,発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また,意匠出願への変更出願により,全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが,全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと,部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては,装置の一部の部材としても良いし,その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと,図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を,権利化する意思を有する。
【符号の説明】
【0104】
1:音声出力端子,2:携帯型ナビゲーション装置,装置本体,3:クレードル,4:ケース本体,5:表示部,6:クレードル本体,7:台座部,8:タッチパネル,9:警報ランプ,10:DCジャック,11:マイクロ波受信機,12:GPS受信機,13:無線受信機,14:赤外線通信機,15:携帯電話機,16:リモコン受信機,18:制御部,19:データベース,20:内蔵スピーカ,21:SDメモリカード用スロット部,22:SDメモリカード,23:USB端子,50:地図,51:現在位置,52:目的地,53:ルート,55a-55f:交通監視ポイント,56:交通監視ポイント種別指定部,57a-57d:種別ボタン,60:設定ボタン,70:警告画面,90:設定メニュー画面,91:設定ボタン,92:音声出力先切替ボタン,93:時間設定ボタン,100:音声出力先切替画面,101:内蔵スピーカ設定ボタン,101a:発光部,102::外部出力設定ボタン,102a:発光部,103:EXITボタン,104:BACKボタン,105:左矢印ボタン,106:右矢印ボタン,110:時間画面,111:時間設定ボタン,112-118:時間設定ボタン,120:車載型ナビゲーション装置,121:音声入力端子,122:音声ケーブル,130:スピーカ,131:ACCライン,132:シガーソケット,133:ケーブル