(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】女性更年期症状改善用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/488 20060101AFI20231208BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20231208BHJP
A61P 5/30 20060101ALI20231208BHJP
A61P 15/12 20060101ALI20231208BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20231208BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
A61K36/488
A23L33/105
A61P5/30
A61P15/12
A61P19/10
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2018518643
(86)(22)【出願日】2017-07-19
(86)【国際出願番号】 KR2017007793
(87)【国際公開番号】W WO2018164325
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2020-05-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】10-2017-0029014
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ボ-ヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ソン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】スン-ラン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン-キョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】チョン-フン・チョン
(72)【発明者】
【氏名】チャン-イル・チェ
(72)【発明者】
【氏名】サン-ファ・イ
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】鈴木 理文
【審判官】吉田 佳代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-132699(JP,A)
【文献】特開2010-275294(JP,A)
【文献】特開2006-241044(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102631363(CN,A)
【文献】特開2009-126853(JP,A)
【文献】特開2007-137861(JP,A)
【文献】J. Nat. Med., 2010, 64(3), pp.313-320
【文献】Pharmacol. Pharm., 2013, Vol.4, pp.255-260
【文献】Phytomedicine, 2004, Vol.11, pp.392-403
【文献】Palliative Care Res., 2009, Vol.4, pp.334-338
【文献】かりや内科クリニック医院報「きずな」、2016年7月、第10号、URL:<https://kariya-cl.com/wp-content/uploads/2016/08/1607.pdf>
【文献】東京医科大学雑誌, 1998, 56(2), pp.143-151
【文献】Journal of Chromatography B, 2012年, 902,p.61-69,DOI: 10.1016/j.jchromb.2012.06.017
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
A61P 1/00-43/00
CAPLUS/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プエラリア・トムソニ(Pueraria thomsonii)
のつぼみを、65~85%エタノールで
70℃にて4時間抽出する工程を含む、前記工程によって得られた抽出物を有効成分として含む女性更年期症状の予防または改善用組成物の製造方法。
【請求項2】
前記女性更年期症状は顔面紅潮であることを特徴とする請求項1に記載の女性更年期症状の予防または改善用組成物の製造方法。
【請求項3】
前記女性更年期症状は骨粗鬆症であることを特徴とする請求項1に記載の女性更年期症状の予防または改善用組成物の製造方法。
【請求項4】
前記女性更年期症状は発汗であることを特徴とする請求項1に記載の女性更年期症状の予防または改善用組成物の製造方法。
【請求項5】
前記組成物は
、薬学組成物または食品組成物であることを特徴とする請求項1に記載の女性更年期症状の予防または改善用組成物の製造方法。
【請求項6】
女性更年期症状の治療、予防または改善用組成物を製造するためのプエラリア・トムソニ
のつぼみの、65~85%エタノール
で70℃にて4時間抽出された抽出物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性更年期症状の予防、改善及び/または治療用組成物に関し、より具体的には、女性更年期症状のうち、特に顔面紅潮及び/または骨粗鬆症の予防、改善及び/または治療に効果的な組成物に関する。また、本発明は、更年期症状の予防、改善及び/または治療のための方法、より具体的には、女性更年期症状のうち、特に顔面紅潮及び/または骨粗鬆症の予防、改善及び/または治療方法に関する。
【0002】
本出願は、2017年3月7日出願の韓国特許出願第10-2017-0029014号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
女性の閉経(menopause)とは、遺伝的に決められた、生まれてから約50年という卵巣の寿命が尽きることで現れる月経の中断現象であって、生殖能力の消失を意味し、病的な現象ではなく生理的な変化である。現在、韓国女性の平均寿命は81.2歳(2011年、統計庁)であり、韓国産婦人科学会で規定した韓国女性の平均閉経年齢を50歳と仮定すれば、女性は一生の約1/3以上を女性ホルモンが枯渇した状態で生きていくことを意味する(薬学情報院、キム・ソンチョル)。
【0004】
女性が閉経になれば、女性ホルモンの分泌不均衡及び減少によって、血管系、筋骨格系、泌尿生殖器系及び脳神経など身体全般にわたって変化が起きる。すなわち、血管運動性症状と心理的症状である顔面紅潮、夜間発汗、睡眠障害、疲労感、鬱病、不安感、集中力障害、記憶障害、泌尿生殖系の萎縮による性交痛、頻尿、膠原質減少による皮膚弾力の消失、胸の垂れ、痴ほうなどの多様な疾患などが伴われる。更年期症状には個人差があるが、多くの症状を経験するほど、程度が酷いほど、そして期間が長くなるほど女性の生活の質が低下することが報告されているだけでなく、更年期症状は身体的な老化と共に慢性疾患に進行する可能性が高い。
【0005】
更年期症状の治療にはホルモン療法、薬物療法、運動療法、食事療法を適用できるが、医学的に広く用いられる女性ホルモン治療法は乳房癌などの発病危険を高め、長期間使用すれば、子宮癌、血栓血管疾患、胆嚢疾患、高血圧の発病を増加させる恐れがある。そこで、近年、エストロゲン療法とその他の薬物療法などに代替するため、エストロゲンと類似の機能をすると報告されているフィトエストロゲン(phytoestrogen)に対する研究が活発に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題点を解決するため、本発明は、女性更年期症状を治療、予防または改善するための組成物を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、特に、女性更年期症状のうち、発汗、顔面紅潮及び/または骨粗鬆症の予防、改善または治療に優れた効果を奏する組成物を提供することを目的とする。
【0008】
また、上記問題点を解決するため、本発明は、女性更年期症状を治療、予防または改善するための方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、特に、女性更年期症状のうち、発汗、顔面紅潮及び/または骨粗鬆症の予防、改善または治療に優れた方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例は、女性更年期症状、発汗、顔面紅潮及び/または骨粗鬆症の治療、予防または改善用組成物を製造するためのプエラリア・トムソニ(Pueraria thomsonii)抽出物の用途を提供する。
【0011】
前記組成物は、機能性食品組成物または薬学用組成物に含まれることが望ましい。
【0012】
本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を女性更年期症状の治療が必要な患者に投与して更年期症状を治療または改善する方法を提供する。また、本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を女性更年期症状の予防が必要な個体に投与して更年期症状を予防する方法を提供する。
【0013】
本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を有効成分として含む女性更年期症状の予防または改善用組成物を提供する。
【0014】
より具体的には、本発明は、プエラリア・トムソニの花またはつぼみ抽出物を有効成分として含む女性更年期症状の予防または改善用組成物を提供する。
【0015】
前記プエラリア・トムソニの花またはつぼみの抽出物は、他の部位に比べて、より優れた発汗、顔面紅潮及び骨粗鬆症の予防または改善効果を奏することができる。
【0016】
本明細書におけるプエラリア・トムソニとは、特に言及しない限り、プエラリア・トムソニの花またはつぼみ抽出物を称すると理解され得る。
【0017】
本発明の他の実施例は、プエラリア・トムソニの花またはつぼみ抽出物を有効成分として含む発汗、顔面紅潮の治療、予防または改善用組成物を提供する。本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を発汗及び/または顔面紅潮の治療が必要な患者に投与して前記症状を治療または改善する方法を提供する。また、本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を発汗及び/または顔面紅潮の予防が必要な個体に投与して前記症状を予防する方法を提供する。
【0018】
望ましくは、前記プエラリア・トムソニ抽出物は、プエラリア・トムソニの花またはつぼみを60~90%エタノールで抽出して収得することができる。
【0019】
本発明のさらに他の実施例は、プエラリア・トムソニの花またはつぼみ抽出物を有効成分として含む骨粗鬆症の治療、予防または改善用組成物を提供する。
【0020】
本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を骨粗鬆症の治療が必要な患者に投与して骨粗鬆症を治療または改善する方法を提供する。また、本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を骨粗鬆症の予防が必要な個体に投与して前記症状を予防する方法を提供する。
【0021】
望ましくは、前記組成物は、プエラリア・トムソニの花またはつぼみを60~90%エタノールで抽出して収得することができる。
【0022】
前記プエラリア・トムソニは、韓国でクズと称される植物の一種であり、他のプエラリア(Pueraria)属の植物に比べて未だ活発な研究が行われていない。
【0023】
本発明者らは、女性更年期症状を予防または改善できる方案について長年研究した結果、今まで研究が不十分であったプエラリア・トムソニ抽出物が更年期症状の緩和に優れた効果を奏することを確認し、本発明の完成に至った。
【0024】
本発明者らは、プエラリア・トムソニ抽出物が他のプエラリア属の植物に比べて更年期症状の緩和に優れた効果を奏することを確認した。
【0025】
プエラリア・トムソニの花またはつぼみ抽出物に含まれた成分の組合せから優れた更年期女性疾患の治療、改善または予防効果を得ることができ、特に発汗、顔面紅潮の治療、改善または予防に優れた効果を期待できる。
【0026】
本発明において「更年期症状」とは、卵巣の老化などによるエストロゲン分泌の減少によって、閉経前後の女性に現れる症状及び疾患を総称する。「更年期症侯群」または「閉経期症状」とも呼ばれる。更年期または閉経期症状には、例えば、顔面紅潮、発汗、神経質、鬱病、めまい症、疲労感、関節痛、筋肉痛、頭痛、胸騒ぎ、蟻走感、睡眠中発汗、睡眠障害、皮膚乾燥、膣乾燥症、膣萎縮、下部尿道萎縮、性交痛、膣炎、膀胱炎、排尿痛、急尿、集中障害、記憶力障害、不安、神経過敏、記憶力減退または骨粗鬆症などがあるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明において「顔面紅潮」とは、閉経女性の75%が経験すると知られている血管運動症状の代表的な症状であり、顔、首、胸部位の肌が急に赤く変わり、全身の不快な熱感と発汗が伴われることを言う。更年期のホルモン変化によって視床下部で熱的中性域(thermoneutral zone)が狭くなることで更年期の血管運動症状が現れ、体温が少し上昇しただけでも熱感を感じるようになる。
【0028】
本発明において「発汗」とは、皮膚の汗腺から汗が分泌される現象であり、急に熱が上昇しながら汗を流す症状を意味する。
【0029】
本発明において「骨粗鬆症」とは、骨の強度が低下して骨折が起きる可能性の高い状態を意味し、遺伝的要因、早期閉経、薬剤または喫煙などが原因になる。したがって、女性の閉経などによってホルモン生産が減少することで現れる「更年期骨粗鬆症」であり得る。「更年期骨粗鬆症」とは、閉経期女性のホルモン生産が減少することで、骨形成に関与する造骨細胞と組織の破壊と吸収に関与する破骨細胞とが不均衡になって発生する骨粗鬆症状を意味する。
【0030】
本発明において「予防」とは、本発明の組成物を投与して目的とする症状を抑制するかまたは遅らせるすべての行為を意味する。
【0031】
本発明において「治療」とは、本発明の組成物を投与して目的とする症状または疾病を好転させるか又は治すすべての行為を意味する。
【0032】
本発明において「改善」とは、本発明の組成物を投与して目的とする症状を投与前より好転させるか又は好ましく変更させるすべての行為を意味する。
【0033】
本発明の組成物に含まれる抽出物の含量は有効量で含むことができる。前記用語「有効量」とは、更年期症状、特に発汗、顔面紅潮または骨粗鬆症を抑制するか、遅らせるか、または、すでに現れた症状を好転させることのできる抽出物の量を意味する。
【0034】
前記組成物に含まれる前記プエラリア・トムソニ抽出物の含量は、特に制限されず、更年期症状または発汗、顔面紅潮または骨粗鬆症を予防、改善または治療できれば、多様な重量%で含むことができる。例えば、全体組成物に対して、プエラリア・トムソニ抽出物は0.001~50重量%で含むことができる。
【0035】
また、本発明の一実施例によって、前記組成物は、組成物1gに対して前記抽出物を1mg~1000mgで含むことができ、5mg~500mgで含むことが望ましい。
【0036】
本明細書で使われる用語「花」は、被子植物の生殖器官であって、めしべ、おしべ、花弁、花房からなる植物の器官を意味する。まだ花が咲き開かず、膨らんでいる状態である「つぼみ」も本発明の花の範囲に含まれる。
【0037】
本発明において「抽出物」は、植物体などを抽出溶媒で抽出するか、又は、抽出溶媒で抽出して製造した抽出物に分画溶媒を加えて分画して製造することができる。
【0038】
抽出物または分画物は、前記抽出物の希釈や濃縮、前記抽出物を乾燥して得られる乾燥物、前記抽出物の粗精製物や精製物、またはこれらの混合物など、抽出物自体と抽出物を用いて形成可能なすべての剤形の抽出物を含む。具体的に、本発明の抽出物は抽出後、乾燥粉末の形態で製造して使用することができる。また、抽出または分画過程を行った後、減圧濾過過程を行うか、濃縮及び/または凍結乾燥をさらに行って濃縮するか又は溶媒を除去することができる。前記収得した抽出物は、使用時まで急速冷凍冷蔵庫(deep freezer)に保管することができる。
【0039】
前記抽出溶媒の種類は、特に制限されず、本発明の目的効果を有する抽出物を収得できれば、当技術分野で公知の任意の溶媒を使用することができる。具体的に、水及び有機溶媒からなる群より選択された1種以上であり得る。前記有機溶媒は、メタノール、エタノールなどの炭素数1~5のアルコール、エチルアセテート、アセトン及びクロロホルムからなる群より選択された1つ以上の溶媒を使用することができる。
【0040】
望ましくは、エタノールを使用することができる。前記エタノールは、35%~95%エタノールを使用することが望ましく、60~90%エタノールを使用することがより望ましい。
【0041】
具体的な実施例において、85%エタノールを使用して抽出したプエラリア・トムソニ抽出物を用いて更年期症状改善の程度を確認した結果、前記抽出物で処理された細胞からエストロゲン受容体の活性度が向上し、人体適用試験で抽出物を摂取した実験群の更年期症状が改善することを確認した。
【0042】
前記分画溶媒は、水、ブタノール、エチルアセテート、クロロホルム、ヘキサンまたはこれらの混合物であり得る。前記分画物は、前記抽出法で製造した抽出物、具体的に粗抽出液に分画過程をさらに実施した分画物であり得る。前記分画溶媒は、エチルアセテート、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン、メチレンクロライド及びこれらの混合溶媒からなる群より選択された溶媒であり得、望ましくはヘキサンであり得る。前記分画過程は、具体的に前記粗抽出液にヘキサン、クロロホルム、エチルアセテート、ブタノール及び水を順に加えた後、層分離したヘキサン分画物、クロロホルム分画物、エチルアセテート分画物、ブタノール分画物及び水分画物を順次収得する方法で行うことができる。
【0043】
本発明において、抽出物の製造方法は特に制限されず、当技術分野で通常使用される方法で抽出することができる。前記抽出方法の非制限的な例としては、熱水抽出法、超音波抽出法、濾過法、還流抽出法などが挙げられ、これらを単独で行うか又は2種以上の方法を共に行うことができる。また、高純度の抽出物を得るため、抽出液を同じ方法で1回以上さらに抽出することもできる。
【0044】
本発明は、プエラリア・トムソニ抽出物を有効成分として含む、女性更年期症状の予防または改善用化粧料組成物、薬学組成物、または食品組成物を提供することができる。
【0045】
前記組成物は、化粧品、医薬品、食品または医薬外品の形態で提供することができる。
【0046】
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量のプエラリア・トムソニ抽出物を単独で含むか、又は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。前記「薬学的に許容可能な」とは、生理学的に許容され、ヒトに投与するとき、活性成分の作用を阻害せず、胃腸障害、めまいのようなアレルギー反応、またはこれと類似の反応を通常起こさない非毒性の組成物を言う。
【0047】
前記担体、賦形剤または希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アラビアガム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムフォスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油などが挙げられる。また、前記薬学的組成物は、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤または防腐剤などをさらに含むことができる。
【0048】
前記「薬学的に有効な量」とは、陰性対照群に比べてそれ以上の反応を示す量であり、望ましくは、更年期障害の予防、改善及び/または治療の効果を奏するための十分な量を言う。
【0049】
また、本発明の薬学的組成物は、哺乳動物に投与された後、活性成分の迅速、持続、または遅延した放出を提供できるように、当業界で公知の方法を使用して剤形化することができる。剤形は、粉末、顆粒、錠剤、エマルジョン、シロップ、エアロゾル、軟質または硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射液、滅菌粉末の形態であり得る。
【0050】
本発明の薬学的組成物の投与経路は、これらに限定されないが、経口的または非経口的に投与することができる。非経口的投与経路としては、例えば、経皮、鼻腔、腹腔、筋肉、皮下または静脈などの様々な経路が含まれ得る。
【0051】
また、本発明の薬学的組成物は、更年期障害の予防、改善及び/または治療効果を有する公知の化合物と並行して投与することができる。
【0052】
さらに他の様態として、本発明は、前記組成物のうちいずれか1つの組成物を含む食品組成物を提供する。
【0053】
本発明の食品組成物は、食品、機能性食品、栄養補助剤、健康食品及び食品添加剤などのすべての天然素材の加工形態を含む。かかる類型の食品組成物は当業界で公知の通常の方法によって多様な形態で製造することができる。
【0054】
例えば、健康食品としては、本発明の組成物自体を、茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用するか、又は、顆粒化、カプセル化または粉末化して摂取することができる。また、本発明の食品組成物は、業界で食品組成物に一般に包含できる他の薬効成分及び/または添加剤をさらに含むことができる。
【0055】
例えば、本発明による食品組成物は、水溶性ビタミンとしてチアミン(ビタミンB1)、リボフラビン、アスコルビン酸、ナイアシン及びビタミンB6を含むことができ、脂肪酸としてミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸などを含むことができ、弱酸成分としてグリコール酸及び酢酸を含むことができ、アミノ酸としてトレオニン、バリン、メチオニン、イソルシン、ルシン、フェニルアラニン、トリプトファン及びリシンの必須アミノ酸8種を含めて、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、システイン、チロシン、ヒスチジン、アルギニンなどを含むことができる。
【0056】
さらに他の様態として、本発明は、前記組成物のうちいずれか1つの組成物を含む化粧料組成物を提供する。
【0057】
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、本発明の有効成分の外に、化粧料組成物に通常用いる成分を含み、例えば、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常の補助剤、そして担体を含む。
【0058】
本発明による化粧料は、当業界で通常製造される如何なる剤形としても製造することができる。例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダ、せっけん、界面活性剤を含むクレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション及びスプレーなどに剤形化できるが、これらに限定されることはない。
【0059】
より詳細に、柔軟化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、スプレーまたはパウダの剤形で製造することができる。
【0060】
本発明の剤形が溶液または乳濁液である場合は、担体成分として溶媒、溶解化剤または乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3‐ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルが挙げられる。
【0061】
本発明の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天またはトラガントなどを用いることができる。
【0062】
本発明の剤形が界面活性剤を含むクレンジングである場合は、担体成分として脂肪族アルコールスルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体またはエトキシ化グリセロール脂肪酸エステルなどを用いることができる。
【0063】
本発明の剤形がパウダまたはスプレーである場合は、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダを用いることができ、特に、スプレーである場合は、クロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進体を含むことができる。
【0064】
本発明の剤形がペースト、クリームまたはゲルである場合は、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などを用いることができる。
【発明の効果】
【0065】
本発明による組成物は、女性更年期症状及び/または発汗、顔面紅潮、骨粗鬆症の予防または改善に迅速な効果を奏するため、従来更年期症状の予防または改善に使用されるホルモン補充療法(Hormone replacement therapy;HRT)に有用に使用することができる。
【0066】
また、本発明による組成物は、女性更年期症状または発汗、顔面紅潮、骨粗鬆症に対する従来の治療剤と違って、細胞毒性もなく、食品として使用できるほど副作用が少なく、安全であるため、女性更年期症状及び/または発汗、顔面紅潮、骨粗鬆症に対する治療剤としてその活用度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明の一実施例によるプエラリア・トムソニ抽出物及びプエラリア・ロバタ(Pueraria lobata)抽出物のエストロゲン受容体に対する活性を示したグラフである。
【
図2】本発明の一実施例によるプエラリア・トムソニ抽出物及びプエラリア・ロバタ抽出物の血管運動症状の改善効果を示したグラフである。
【
図3】本発明の一実施例によるプエラリア・トムソニ抽出物及びプエラリア・ロバタ抽出物の骨吸収改善効果を示したグラフである。
【
図4】本発明の一実施例によるプエラリア・トムソニの部位別抽出物の血管運動症状の改善効果を示したグラフである。
【
図5】本発明の一実施例によるプエラリア・トムソニの部位別抽出物の骨吸収改善効果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例及び実験例を挙げて詳細に説明する。しかし、本発明による実施例及び実験例は多くの他の形態で変形でき、本発明の範囲が後述する実施例及び実験例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例及び実験例は当業界で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0069】
<プエラリア(Pueraria)属植物の種別比較分析>
実施例1.プエラリア・トムソニ及びプエラリア・ロバタ抽出物の製造
下記実施例では、プエラリア・トムソニ及びプエラリア・ロバタを使用し、乾燥した前記プエラリア属植物に85%エタノールを溶媒にして70℃で4時間抽出した後、減圧濃縮してそれぞれの抽出物を製造した。
【0070】
実施例2.錠剤の製造
実施例1によって製造したプエラリア・トムソニ抽出物、プエラリア・ロバタ抽出物と、残量の賦形剤(デキストリン)とを用いて、下記表1の比率のようにして300mgの錠剤を製造した。
【0071】
【0072】
実施例3.プエラリア属毎のエストロゲン受容体活性の評価
プエラリア・トムソニ抽出物及びプエラリア・ロバタ抽出物のエストロゲン受容体に対する活性を確認するため、エストロゲン応答配列(Estrogen response element;ERE)レポーターアッセイを行った。
293T細胞を10%FBSが添加されたDMEM培地を使用して24ウェルプレートで24時間培養した後、ウェル当り5% charcoal stripped FBS containing phenol red free medium 500μlで培地を交換して、トランスフェクションを行った。ウェル当りERa 0.1μg、ERE 0.1μg、pRL-Tk 10ngのDNAをLipofectamine(登録商標)試薬(Thermo Fisher Scientific)を使用してトランスフェクションした。トランスフェクション4時間後、前記プエラリア・トムソニ抽出物及びプエラリア・ロバタ抽出物をそれぞれ10ppm(DMSO 0.5μl)で添加し、陽性対照群として17β-エストラジオール(E2)を1ppb(DMSO 0.5μl)、陰性対照群(control、ctrl)として同量のDMSO(0.5μl)を処理した。試料処理の24時間後、Dual-Luciferase(登録商標)レポーターアッセイシステム(Promega)を使用して発光程度(luminescence)を測定し、陰性対照群の測定値を基準(1.0)にして実験結果を
図1に示した。該当測定値はホタルルシフェラーゼ数値をウミシイタケルシフェラーゼ数値に補正した。
図1に示されたように、プエラリア・トムソニ抽出物はプエラリア・ロバタ抽出物に比べてエストロゲン受容体の活性が優れたことが確認できた。
【0073】
実施例4.溶媒(エタノール:水)比率毎のプエラリア・トムソニ抽出物の活性
プエラリア・トムソニを乾燥し、下記表2のような溶媒(エタノール:水)で70℃で4時間抽出した後、減圧濃縮して抽出物を製造して、エストロゲン受容体に対する活性を確認するため、EREレポーターアッセイを行った。実験方法は実施例3と同一に行い、前記抽出物はそれぞれ10ppmで添加した。陰性対照群の測定値を基準(1.0)にして実験結果を表2に示した。
表2に示されたように、35%~95%エタノール溶媒でエストロゲン受容体の活性が優れ、60~90%エタノール溶媒で最も優れた活性を見せた。
【0074】
【0075】
実施例5.プエラリア・トムソニ抽出物の更年期症状の緩和効果
更年期症状を経験している40代後半から50代の女性60名を無作為に分けて、製造例1~3によって製作した錠剤を一日3錠ずつ摂取するようにした。2週、4週間の服用後、更年期症状の改善程度を評価した。
【0076】
摂取2週、4週後の更年期症状の改善程度は、クッパーマン指数(Kupperman index)で測定し、摂取前の数値を100としたとき、摂取後の減少率(%)を下記表3に示した。
【0077】
本発明で使用したクッパーマン指数(KI)は、学界で使用される更年期指数として更年期女性から現れる11種の症状(顔面紅潮、発汗、不眠症、神経質、鬱病、めまい症、疲労感、関節痛及び筋肉痛、頭痛、胸騒ぎ、膣乾燥)を点数化したものであって、各項目の点数に加重値を掛けて点数をつけ、それを全部合算した点数が更年期点数である。
【0078】
【0079】
表3に示されたように、プエラリア・トムソニ抽出物を混合した製造例2の組成物は偽薬群である製造例1とプエラリア・ロバタ抽出物を混合した製造例3の組成物より更年期症状の緩和効果が著しく優れたことが確認できる。
【0080】
特に、更年期症状のうち「顔面紅潮」の減少率を確認した結果、下記表4から確認できるように、製造例2で最も減少率が大きいことが分かる。
【0081】
表4の結果から、本発明のプエラリア・トムソニ抽出物は優れた顔面紅潮症状の減少及び治療効果があることが分かる。
【0082】
【0083】
実施例6.血管運動症状の改善効果
血管運動症状は、閉経女性の75%が経験すると知られており、顔面紅潮が代表症状であって、顔、首、頭、胸部位の肌が急に赤く変わり、不快な熱感が伴われることを言う。血管運動症状の変化を確認するため、皮膚温度の変化を指標として評価することができ、動物実験ではラットのしっぽ皮膚の表面温度を測定できる(健康機能食品機能性評価ガイド、「更年期女性の健康に役立つ」編、食品医薬品安全評価院)。
【0084】
11~12週齢の雌Sprague-Dawleyラットを用いて1群10匹は偽手術(sham operation)、2~5群40匹(群当りn=10)は卵巣摘出術(ovariectomy、OVX)を行った。表5のように、群を分けて手術一週間後から各ラットに体重g当り0.01mlずつ毎日、4週間にわたって薬物を経口投与した。陽性対照群として17β-エストラジオール(E2)を投与し、試験群としてはプエラリア・トムソニ抽出物またはプエラリア・ロバタ抽出物を投与した。投与4週後、赤外線体温測定機を使用してしっぽの付け根から2cm地点で温度を測定し、測定結果を
図2に示した。
【0085】
【0086】
図2に示されたように、プエラリア・トムソニ抽出物を投与した群からエストロゲン欠乏によるしっぽ温度の上昇作用が抑制されることを確認できた。
【0087】
実施例7.骨吸収の改善効果
骨吸収関連指標であるCTX(C-terminal telopeptide of type I collagen)測定のため、実施例6と同じラットに試料を8週間経口投与した後、血清を採取した。血清におけるCTX濃度はRat C-telopeptide of type I collagen ELISA Kit(MyBioSource)を使用してメーカーから提供した方法で測定し、その結果を
図3に示した。
【0088】
図3に示されたように、プエラリア・トムソニ抽出物を投与した群の場合、OVX群に対比してCTXの濃度が有意に低下したことが確認でき、骨の吸収が減少したことを類推することができる。
【0089】
プエラリア・トムソニ抽出物のエストロゲン受容体活性がプエラリア・ロバタ抽出物のエストロゲン受容体活性より著しく優れることを確認した(実施例3)。
【0090】
女性更年期症状の緩和効果もプエラリア・トムソニ抽出物が優れることを確認した(実施例5、実施例6、実施例7)。
【0091】
したがって、エストロゲン受容体活性が優れたプエラリア・トムソニ抽出物は、女性更年期症状、特に顔面紅潮、骨粗鬆症の予防、治療または改善に効果的に使用することができる。
【0092】
<プエラリア・トムソニの部位別比較分析>
実施例8.プエラリア・トムソニの部位別抽出物の製造
プエラリア・トムソニのつぼみ、根、葉をそれぞれ採集し、乾燥してから粉砕して使用し、85%エタノールを溶媒にして70℃で4時間抽出した後、減圧濃縮してそれぞれの抽出物を製造した。
【0093】
実施例9.錠剤の製造
プエラリア・トムソニの部位別抽出物と残量の賦形剤(デキストリン)とを用いて下記表6の比率のようにして300mgの錠剤を製造した。
【0094】
【0095】
実施例10.プエラリア・トムソニの部位別抽出物の更年期症状の緩和効果
更年期症状を経験している40代後半から50代の女性60名を無作為に分けて、製造例4~7によって製作した錠剤を一日3錠ずつ摂取するようにした。2週、4週間の服用後、更年期症状の改善程度を評価した。
摂取2週、4週後の更年期症状の改善程度は、クッパーマン指数で測定し、摂取前の数値を100としたとき、摂取後の減少率(%)を下記表7に示した。
【0096】
本発明で使用したクッパーマン指数(KI)は、学界で使用される更年期指数として更年期女性から現れる11種の症状(顔面紅潮、発汗、不眠症、神経質、鬱病、めまい症、疲労感、関節痛及び筋肉痛、頭痛、胸騒ぎ、膣乾燥)を点数化したものであって、各項目の点数に加重値を掛けて点数をつけ、それを全部合算した点数が更年期点数である。
【0097】
【0098】
表7に示されたように、つぼみ抽出物を混合した製造例5の組成物は、偽薬群である製造例4、根または葉抽出物を混合した製造例6、製造例7より更年期症状の緩和効果が著しく優れたことが確認できる。
【0099】
特に、更年期症状のうち「顔面紅潮」の減少率を確認した結果、下記表8から確認できるように、製造例5で最も減少率が大きいことが分かる。
表8の結果から、本発明のプエラリア・トムソニのつぼみ抽出物は優れた顔面紅潮症状の減少及び治療効果があることが分かる。
【0100】
【0101】
実施例11.血管運動症状の改善効果
血管運動症状は、閉経女性の75%が経験すると知られており、顔面紅潮が代表症状であって、顔、首、頭、胸部位の肌が急に赤く変わり、不快な熱感が伴われることを言う。血管運動症状の変化を確認するため、皮膚温度の変化を指標として評価することができ、動物実験ではラットのしっぽ皮膚の表面温度を測定できる(健康機能食品機能性評価ガイド、「更年期女性の健康に役立つ」編、食品医薬品安全評価院)。
【0102】
11~12週齢の雌Sprague-Dawleyラットを用いて1群10匹は偽手術、2~6群50匹(群当りn=10)は卵巣摘出術(OVX)を行った。表5のように、群を分けて手術一週間後から各ラットに体重g当り0.01mlずつ毎日、4週間にわたって薬物を経口投与した。陽性対照群として17β-エストラジオール(E2)を投与し、試験群としてはプエラリア・トムソニの部位別抽出物を投与した。投与4週後、赤外線体温測定機を使用してしっぽの付け根から2cm地点で温度を測定し、測定結果を
図4に示した。
【0103】
【0104】
図4に示されたように、プエラリア・トムソニのつぼみ抽出物を投与した群からエストロゲン欠乏によるしっぽ温度の上昇作用が抑制されることを確認できた。
【0105】
実施例12.骨吸収の改善効果
骨吸収関連指標であるCTX(C-terminal telopeptide of type I collagen)測定のため、実施例8と同じラットに試料を8週間経口投与した後、血清を採取した。血清におけるCTX濃度はRat C-telopeptide of type I collagen ELISA Kit(MyBioSource)を使用してメーカーから提供した方法で測定し、その結果を
図5に示した。
【0106】
図5に示されたように、プエラリア・トムソニのつぼみ抽出物を投与した群の場合、OVX群に対比してCTXの濃度が有意に低下したことが確認でき、骨の吸収が減少したことを類推することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、女性更年期症状及び/または発汗、顔面紅潮、骨粗鬆症の予防または改善に効果的な薬学組成物及び/または食品組成物を提供することができる。
【0108】
従来更年期症状の予防または改善に使用されるホルモン補充療法(HRT)に有用に使用することができる。
【0109】
また、本発明による組成物は、女性更年期症状、または、発汗、顔面紅潮、骨粗鬆症に対する従来の治療剤と違って、細胞毒性もなく、食品として使用できるほど副作用が少なく、安全であるため、女性更年期症状及び/または発汗、顔面紅潮、骨粗鬆症に対する治療剤として活用することができる。