(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】浴室ユニット
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20231208BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
E04H1/12 301
A47K4/00
(21)【出願番号】P 2019158267
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】安沢 智明
(72)【発明者】
【氏名】原川 敦
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】実公平07-021198(JP,Y2)
【文献】実公平04-030947(JP,Y2)
【文献】特開2002-159413(JP,A)
【文献】特開2000-265692(JP,A)
【文献】特開2006-200155(JP,A)
【文献】特開2013-179987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
A47K 1/00,3/12,4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床ユニットと、
前記床ユニットに立設され、対向する一対の側壁と、
前記一対の側壁の裏面にそれぞれ取り付けられた支持板と、
前記支持板および前記一対の側壁に固定される一対の支持ブラケットと、
前記一対の支持ブラケットに架けられる梁と、
前記梁に支持されるカウンター本体と、
を備え
、
前記支持板が前記床ユニットまたは浴室ユニットが設けられる躯体の床面に当接している浴室ユニット。
【請求項2】
床ユニットと、
前記床ユニットに立設され、対向する一対の側壁と、
前記一対の側壁の裏面にそれぞれ取り付けられた支持板と、
前記支持板および前記一対の側壁に固定される一対の支持ブラケットと、
前記一対の支持ブラケットに架けられる梁と、
前記梁に支持されるカウンター本体と、
を備え
、
前記支持板の後端部の上部が、前記床ユニット上に立設されたコーナー支柱および前記一対の側壁の何れかに当接している浴室ユニット。
【請求項3】
床ユニットと、
前記床ユニットに立設され、対向する一対の側壁と、
前記一対の側壁の裏面にそれぞれ取り付けられた支持板と、
前記支持板および前記一対の側壁に固定される一対の支持ブラケットと、
前記一対の支持ブラケットに架けられる梁と、
前記梁に支持されるカウンター本体と、
を備え
、
前記支持板は、前記一対の側壁の下端部から前記一対の支持ブラケットの設置高さよりも高い位置まで配置されている浴室ユニット。
【請求項4】
床ユニットと、
前記床ユニットに立設され、対向する一対の側壁と、
前記一対の側壁の裏面にそれぞれ取り付けられた支持板と、
前記支持板および前記一対の側壁に固定される一対の支持ブラケットと、
前記一対の支持ブラケットに架けられる梁と、
前記梁に支持されるカウンター本体と、
を備え
、
前記支持板には、リブが上下方向に延びて形成されている浴室ユニット。
【請求項5】
床ユニットと、
前記床ユニットに立設され、対向する一対の側壁と、
前記一対の側壁の裏面にそれぞれ取り付けられた支持板と、
前記支持板および前記一対の側壁に固定される一対の支持ブラケットと、
前記一対の支持ブラケットに架けられる梁と、
前記梁に支持されるカウンター本体と、
を備え
、
前記カウンター本体および前記一対の支持ブラケットは、前記梁を覆うように配置されている浴室ユニット。
【請求項6】
前記支持板の下端部が前記床ユニットに当接している
請求項
1に記載の浴室ユニット。
【請求項7】
前記支持板は、前記支持ブラケットの取付位置よりも高い位置で前記側壁に当接されている
請求項1
から請求項6のいずれか一項に記載の浴室ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室を構成する部品を予め工場で製造して、施工現場で各部品を組み立てて浴室を構築する浴室ユニットは、工期を短縮でき、且つ、品質を一定に保つことができるため、広く普及している。
【0003】
従来、浴室や浴室ユニット内の壁面には、石鹸、洗面器等、浴室で使用する物品を載置するカウンターが取り付けられている。この他、使用者が着座姿勢で髪や身体を洗えるように、浴室内に着座可能なカウンターが設置された浴室がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
着座可能なカウンターを浴室に設ける場合、使用者が座った時にカウンターに係る荷重に耐え得る強度が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、例えば、少人数用の住居、宿泊施設の個室、スポーツジムの個室バスルーム等、狭い空間用の浴室へのニーズが高まっている。この他、狭い空間用の浴室として、浴槽を設けないシャワーブースに対するニーズが高まっている。狭い空間用のシャワーブースは、浴槽が設けられている浴室に比べて洗い場の面積が狭い場合が多い。このような場所に浴室ユニットを取り付ける場合、浴室内の広さを確保するためには、浴室ユニットの外部に施工スペースが狭くなる。
【0007】
特許文献1の浴室ユニットは、床と連結された支持体にカウンターの支柱を取り付けた後、浴槽のエプロンで覆う構成である。したがって、浴槽とエプロンの隙間が必要であり、また、カウンターの取付時はこの隙間において作業を行う。しかし、浴槽を備えないシャワーブースや、狭小な浴室ユニットの場合、支持体と支柱との固定部分を設ける隙間を確保することが難しい。また、狭小な浴室ユニットの場合、施工現場のスペースに制約があり、施工が難しい。
【0008】
上記事情を踏まえ、本発明は、耐荷重性に優れた浴室カウンターを容易に省スペースで設置できる浴室ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る浴室ユニットは、床ユニットと、前記床ユニットに立設され、対向する一対の側壁と、前記一対の側壁の裏面にそれぞれ取り付けられた支持板と、前記支持板および前記一対の側壁に固定される一対の支持ブラケットと、前記一対の支持ブラケットに架けられる梁と、前記梁に支持されるカウンター本体と、を備え、前記支持板が前記床ユニットまたは前記浴室ユニットが設けられる躯体の床面に当接している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図7】実施形態に係る浴室カウンターの分解斜視図。
【
図11】実施形態に係る浴室カウンターの施工態様を示す斜視図。
【
図12】実施形態に係る浴室カウンターの施工態様を示す斜視図。
【
図13】実施形態に係る浴室カウンターの使用例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る浴室ユニット100について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、以下の説明では、特に断らない限り、浴室ユニット100が組み立てられた状態における各部材の姿勢について説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る浴室ユニット100の一例を示す斜視図である。実施形態に係る浴室カウンター1(以下、「カウンター1」と記す。)は、浴室ユニット100の対向する一対の壁間に架けられる。カウンター1は、浴室ユニット100の使用者が着座して使用可能に構成されている。
【0013】
浴室ユニット100は、フレームとパネルとを用いて、床、壁、天井および扉等を組み立てて建物の躯体内に設置される。
【0014】
以下の説明において、浴室ユニット100の複数の壁のうち、カウンター1が取り付けられる一対の壁を第一側壁110および第二側壁120と称する。第一側壁110および第二側壁120は一対の側壁に対応する。第一側壁110および第二側壁120に対して交差して配置される壁のうち、一方を後壁130と称し、後壁130に対向する壁を前壁170と称する。また、以下の説明において、一対の側壁110,120に沿う水平方向であり、前壁170と後壁130とを結ぶ方向を前後方向Yと称する。前後方向Yの前壁170側を前側Fと称し、後壁130側を後側Rと称する。また、前後方向Yに直交する水平方向を幅方向Xと称し、前後方向Yおよび幅方向Xに直交する方向を上下方向Zと称して説明する。
【0015】
浴室ユニット100は、建物内に載置される。
図1に示すように、浴室ユニット100は、建物の床上に載置される床ユニット190の矩形の枠部191の隅部に、コーナー支柱192が立設される。第二側壁120側の壁部では、隣り合うコーナー支柱192間に平面支柱193が立設される。コーナー支柱192と平面支柱193との間に壁パネル110,120,130,170が取付けられて浴室ユニット100の壁部が形成される。枠部191上に床パネル161が配置され、浴室の床面160が形成される。コーナー支柱192の上部間には、横フレーム194が水平方向に架けられる。横フレーム194で囲まれたスペースに天井パネル195が取付けられる。
【0016】
図1および
図2に示すように、一対の側壁5,6の浴室外側となる裏面には、支持板9が設けられている。支持板9は、例えば、金属板である。支持板9は、後端部91が後壁130側のコーナー支柱192に当接して配置されている。
【0017】
支持板9の下端部92は枠部191上に配置されている。支持板9の上端93は、カウンター1の支持ブラケット5,6の固定位置よりも上方に位置している。つまり、支持板9の高さは、支持ブラケット5,6の固定位置より高い。
【0018】
支持板9の下端は、浴室ユニット100が設けられる建物の床面および床ユニット190のいずれか一方に当接していてもよい。実施形態では、支持板9の下端部92は、床ユニット190に当接している。具体的には、
図5に示すように、支持板9の下端部92は、側壁110,120と枠部191との間に挿入され、床パネル161に当接している。支持板9の下端部92の床パネル161への当接位置は、後述するネジ907による支持板9の固定箇所よりも前側Fである。
【0019】
床ユニット190の他の例として、
図12に示すように、枠部191に床パネル161の載置部197と水切り縁199との間に側壁110,120の壁載置部198が設けられる場合がある。このような床ユニット190Aの場合、側壁110,120と水切り縁199との間の隙間の壁載置部198に支持板9の下端が当接して支持される構成であってもよい。
【0020】
支持板9の下端部92は、床ユニット190に支持される構成の他、側壁110,120と水切り縁199との間に下端部92が挟持されて固定される構成や、ネジ固定、連結部材を介して床ユニット190に固定される構成であってもよい。支持板9の下端部92が床ユニット190に固定される構成の場合、カウンター1の使用時に側壁110,120および支持板9に力が掛かっても、支持板9が撓み難く、カウンター1を安定的に支持できる。
【0021】
図1から
図3に示すように、支持板9は、前後方向Yの中間部に複数のリブ94が、上下方向Zに沿って形成されている。リブ94は、支持板9が厚さ方向に折り曲げられて形成された突状部である。リブ94は、幅方向Xにおける床ユニット190の端部よりも外方に突出しない突出量で形成されている。リブ94により、支持板9の厚さ方向の曲げ強さが補強されている。リブ94間の平坦部において、支持板9が側壁110,120にネジ907で固定されている。
【0022】
支持板9の後端部91は、側壁110,120を支持するコーナー支柱192にネジ909(
図2参照)で固定されている。支持板9の後端部91がコーナー支柱192に固定される位置は、ネジ907による支持板9の固定箇所は後述する支持ブラケット5,6の側壁110,120への固定位置よりも高い。
【0023】
浴室ユニット100は、第二側壁120が設けられている側面に出入口180が形成されている。出入口180は、第二側壁120の前端と前壁170との間に形成される開口である。出入口180は、第二側壁120の前端および前壁170にドア枠141が設けられ、ドア枠141にドア140が設けられている。ドア140は、前壁170側に回点軸中心を有し、浴室側に開く片持ちドアである。ドア140は、片持ちドア、折戸、引き戸等いずれの形態であってもよい。
【0024】
なお、
図1に示す浴室ユニット100は、浴槽を備えないシャワーブースの例を示しているが、浴室ユニットは、浴槽を備えていてもよい。浴槽を備えない浴室ユニット100の場合は、カウンター1は、壁パネルからなる側壁110,120に取り付けられているが、浴槽を備える浴室ユニットの場合、カウンター1は、浴槽の側壁(いわゆる浴槽エプロン)と浴室ユニット空間を形成する壁パネルからなる側壁との間に取り付けられていてもよい。
【0025】
図3は、カウンター1の上面図であり、カウンター1が取り付けられた浴室ユニット100を水平断面で示している。
図4は、カウンター1の幅方向Xに沿う水平断面図である。
図5は、カウンター1の幅方向Xに沿う縦断面図である。
図6は、カウンター1の前後方向Yに沿う縦断面図である。
図7は、カウンター1の分解斜視図である。
図5および
図7に示すように、カウンター1は、一対の支持ブラケット5,6と、梁7A,7Bと、カウンター本体2とを備える。カウンター本体2は、一対の支持ブラケット5,6および梁7A,7Bを介して、一対の側壁110,120のみに固定されて支持される。
【0026】
図3から
図5に示すように、一対の支持ブラケットは、第一支持ブラケット5および第二支持ブラケット6で構成されている。第一支持ブラケット5は、第一側壁110に固定される。第二支持ブラケット6は、第二側壁120に固定される。
【0027】
図8は、第一支持ブラケット5の幅方向Xの内側を示す斜視図である。第一支持ブラケット5は、壁固定部51と、保持部59とを備える。壁固定部51は、第一側壁110に取り付けられる際に、第一側壁110に当接する部分である。
【0028】
図7に示すように、壁固定部51は、固定面511と、複数のネジ孔512とを有する。固定面511は、第一側壁110に取り付けられる際に、第一側壁110に対向配置されて当接する面である。複数のネジ孔512は、壁固定部51に貫通する孔である。複数のネジ孔512は、第一支持ブラケット5を第一側壁110にネジ固定するためのネジ孔である。複数のネジ孔512は離れて形成されている。本実施形態では、ネジ孔512は、例えば、3箇所に設けられているが、ネジ孔512は2以上であれば限定されない。
【0029】
壁固定部51は、後述する下部材4の凹部49と側面視形状と相似形状であり、凹部49より僅かに小さい寸法を有する。
【0030】
図7および
図8に示すように、保持部59は、壁固定部51から幅方向Xに突出して形成され、カウンター本体2内に収容される部分である。第一支持ブラケット5が第一側壁110に取り付けられた状態で、保持部59は、壁固定部51から第二側壁120側に突出する。保持部59は、ベース体55と、梁7A,7Bをベース体55内に挿入する挿入凹部52と、梁7A,7Bを保持する支柱保持部54と、カウンター本体2を固定する下部552と、を備える。
【0031】
ベース体55は、壁固定部51から幅方向Xに突出した立体形状を有する。ベース体55は、固定面511に対して直交する面を有する上部551および下部552を有し、上部551の方が下部552よりも前後方向Yの長さが長い。ベース体55は幅方向Xから見た側面視形状が壁固定部51よりも大きい。
【0032】
挿入凹部52は、前後方向Yにおける上部551の中央部に形成され、固定面511側に窪む切り欠き部である。挿入凹部52は、梁7A,7Bの端部が挿入可能な大きさを有する。
【0033】
支柱保持部54は、ベース体55の内部に前後方向Yに離れて2箇所形成されている。一対の支柱保持部54は、挿入凹部52の前後方向Yの両側に形成されている。支柱保持部54は、梁7A,7Bを支持する支持面53と、梁7A,7Bを第一支持ブラケット5に固定する固定部56とを有する。支持面53は、梁7A,7Bを下方から支持する面である。支持面53は、梁7A,7Bの高さを位置決めするとともに、梁7A,7Bの下面に当接して梁7A,7Bを支持する。
【0034】
固定部56は、支持面53の上方に対向して離れて配置されている。固定部56には、上下方向Zに貫通するネジ挿通孔561が形成されている。ネジ挿通孔561は第一支持ブラケット5の上部に露出している。一対の支柱保持部54は、前側Fまたは後側Rに支持面53から上下方向Zに直交する縦保持部58を有する。支持面53と、固定部56と、縦保持部58とにより、梁7A,7Bの幅方向Xの両端部が挿入可能な空間が形成されている。支柱保持部54は、挿入凹部52側に開口部57が形成されている。
【0035】
下部552には、上下方向Zに貫通するネジ挿通孔553が前後方向Yに離れて2箇所に形成されている。
【0036】
図9は、第二支持ブラケット6の幅方向Xの内側を示す斜視図である。
図10は、第二支持ブラケット6を幅方向Xの内側から見た側面図である。第二支持ブラケット6は、
図9に示すように、固定具61と、外装体62とを備える。外装体62はカバーに相当する。
【0037】
固定具61は、金属製の型材である。
図9に示すように、固定具61は、第一面部613と、第二面部614と、第三面部616と、突出部617とを有する。第一面部613は上下方向Zに沿って形成されている。第二面部614は、第一面部613の上端から幅方向Xの内側に延出している。第三面部616は、第一面部613の下端から幅方向Xの内側に延出している。
【0038】
第一面部613には、幅方向Xに貫通し、第二側壁120に固定する際のネジ挿通孔611が複数形成されている。第二面部614には、梁7A,7Bを固定するためのネジ挿通孔615が上下方向Zに貫通して形成されている。ネジ挿通孔615は、幅方向Xに沿って長い長孔である。
【0039】
突出部617は、第三面部616の幅方向Xの内側の端部から下方に曲折して形成されている。突出部617の下部には、カウンター本体2の下部材4を固定する下固定部618が形成されている。下固定部618には、下部材4を固定するためのネジ挿通孔619が上下方向Zに貫通して形成されている。
【0040】
外装体62は、カウンター本体2と同様の樹脂製の立体部材である。外装体62は、カウンター本体2の色と同じ色の部材である。外装体62は、壁固定面625と、カバー部622と、フランジ部624とを備える。
【0041】
壁固定面625は、第二側壁120に取り付けられる際に、第二側壁120に対向配置されて当接する面である。壁固定面625には、第二支持ブラケット6を第二側壁120にネジ固定するため複数のネジ挿通孔627が形成されている(
図11参照)。複数のネジ挿通孔627は、幅方向Xに貫通して形成されている。複数のネジ挿通孔627は離れて形成されている。本実施形態では、ネジ挿通孔627は、例えば、3箇所に設けられているが、ネジ挿通孔627は2以上であれば限定されない。
【0042】
図7、
図9および
図10に示すように、カバー部622は、固定具61が収容される収容部621を備える筐体である。収容部621は、壁固定面625の外縁から幅方向Xに延びて形成されている凹部である。収容部621は、後述する下部材4の凹部49の側面視形状と相似形状であり、フランジ部624の外周縁は凹部49より僅かに小さい寸法を有する。収容部621の開口縁部には、フランジ部624が形成されている。カバー部622は、平坦な上面623を有する。カバー部622の幅方向Xの長さは、第一支持ブラケット5の壁固定部51の幅方向Xの長さに比べて長い。
【0043】
図7および
図10に示すように、収容部621内に複数の位置決め片63,64が形成されている。各位置決め片63,64は、収容部621の下面626から上方に突出している。複数の位置決め片63,64は、前後方向Yに離れて配置されている。幅方向Xの両端部および中央部に位置する第一位置決め片63の高さが等しく、これらの第一位置決め片63間に配置される第二位置決め片63は第一位置決め片63よりも低い。
【0044】
フランジ部624は、収容部621の開口縁から上下方向Zおよび前後方向Yに延びる板状部である。幅方向Xから見たときに、フランジ部624の外縁部は、下部材4の凹部49の開口およびカバー部622よりも大きい。
図11に示すように、フランジ部624の外縁部は、幅方向Xの外側(第一側壁110側)に曲折して幅方向Xに盛り上がった凸部628が形成されている。
【0045】
収容部621内に固定具61が収容される。壁固定面625の裏面に固定具61の第一面部613が当接し、位置決め片63,64に固定具61の第三面部616が当接する。詳細は後述するが、位置決め片63,64は、外装体62に対する固定具61の位置を決める。収容部621内に固定具61が収容されると、収容部621および固定具61により幅方向Xに開口し、梁7A,7Bが挿入される挿入凹部が形成される。
【0046】
支柱は、2本の梁7A,7Bで構成されている。梁7A,7Bは、それぞれ幅方向Xに沿って配置され、同じ高さで前後に平行に配置される。梁7A,7Bの長手方向の長さは、カウンター本体2の幅方向Xの長さよりも短い。
【0047】
梁7A,7Bは同じ構成を有する共通部品である。梁7A,7Bは、例えば、アルミニウム型材からなる。
図6および
図7に示すように、梁7A,7Bは、角柱形状の梁本体78と、下固定部73と、緩衝材77と、を備える。
【0048】
梁7A,7Bは、一対の支持ブラケット5,6間にそれぞれ架けられる。各梁7A,7Bの長手方向の両端部のうち、第一支持ブラケット5に連結される端部を第一端部71と称し、第二支持ブラケット6に連結される端部を第二端部72と称する。
【0049】
梁本体78は、幅方向Xに沿う長手方向の両端部71,72に支持ブラケット5,6へのネジ孔75が形成されている。梁本体78には、上下方向Zに貫通する上部材固定孔76が形成されている。
図7では、一例として上部材固定孔76が長手方向に間隔を空けて2カ所形成されている例を示している。上部材固定孔76の数は、2つに限定されず、1つ形成される例や、長手方向に間隔を空けて3つ以上形成されていてもよい。
【0050】
梁本体78の上面782には、緩衝材77が設けられている。緩衝材77は、例えば、ゴム、発泡樹脂、発泡ポリエチレン等からなるシート状の部材である。緩衝材77は、梁本体78の上面782に接着剤などを用いて貼り付けられている。
【0051】
下固定部73は、梁本体78の長手方向の中央部に、梁本体78の下面781から下方に突出して設けられている。下固定部73は、幅方向Xから見て略U字形状の支持片である。下固定部73は、梁本体78の下面781と略平行に延びる固定片731を有する。固定片731に、上下方向Zに貫通するネジ挿通孔732が形成されている。
【0052】
なお、梁7A,7Bは、一対の支持ブラケット5,6に連結されて、カウンター本体2を支持可能な構成であれば、2本の梁7A,7Bからなる構成に限定されない。例えば、カウンター本体2内の前後方向Yの中央部に配置される直方体形状の1本の支柱や、3本以上の長尺部材からなる支柱であってもよい。
【0053】
カウンター本体2は、
図3から
図6に示すように、平面視略長方形を有し、上面15および下面17が略平坦であり、幅方向Xに直交する縦断面が略台形の立体部材である。カウンター本体2の前後方向Yの長さは、上面15が下面17より長い。カウンター本体2は、前面18が下端に向かって後方に傾斜する傾斜面16を有する。実施形態のカウンター1では、カウンター本体2の外形が前後方向Yの中央を通り幅方向Xに沿う中心線を軸とした線対称形状を有する。したがって、カウンター本体2は、前面18および後面19に、上部の前後方向Yの端部から下面の前後方向Yの端部まで下方に向かって傾斜する傾斜面16を備える。
【0054】
カウンター本体2は、上部材3および下部材4を備える。カウンター本体2は、梁7A,7Bを覆うように配置され、梁7A,7Bに支持される部材である。上部材3は、梁7A,7Bの上方に配置され梁7A,7Bに支持される。下部材4は、梁7A,7Bの下方に配置され上部材3と連結される。上部材3および下部材4は例えば樹脂製である。上部材3および下部材4を同一の材料および色で構成するとカウンター1の外観上、一体感が得られる。
【0055】
上部材3は、
図5から
図7に示すように、略平板状の部材である。上部材3の上面31は、カウンター1の上面15を構成し、使用者が着座可能な平坦面を有する。
図6に示すように、上部材3の下部32の外縁部には、下方に開口する挿入溝33が形成されている。挿入溝33内には不図示のシール材が挿入されている。下部32には、梁7A,7Bの上部材固定孔76に対応する位置にネジ固定孔(不図示)が形成されている。
【0056】
図5及び
図6に示すように、上部材3の下部32の前後方向Yの中央部には位置決め部34が形成されている。位置決め部34は、上部材3が梁7A,7Bに支持されたときに、梁7A,7Bに当接する部分である。位置決め部34は上部材3の梁7A,7Bに対する高さを位置決めできる。上部材3の上面31から位置決め部34の下端までの長さL3は、前後方向Yで異なる。位置決め部34の前側Fの方が後側Rよりも長さL3が長い。そのため、上部材3が梁7A,7Bに支持されたとき、上部材3の上面31を、前側Fから後側Rに向かって僅かに下降するように傾斜させることができる。すなわち、カウンター1の上面15が前側Fから後側Rに向かって僅かに下降するように傾斜する。
【0057】
下部材4は、底部44と、前部45と、後部46と、一対の側部47,48とを有する薄板部材である。
図6および
図7に示すように、下部材4の底部44は平面視略長方形を有する。前部45および後部46は、底部44の前後端からそれぞれ上方に延びる傾斜面を有する。一対の側部47,48は、底部44の幅方向Xの両端部から上方に延びて形成されている。各側部47,48には、支持ブラケット5,6が挿入される凹部49が形成されている。
【0058】
底部44には、幅方向X及び前後方向Yに離れた複数の凸部421,422が形成されている。幅方向Xの中央部に位置する凸部421は、梁7A,7Bの下固定部73に当接する。幅方向Xの両端部に位置する凸部422は、支持ブラケット5,6に当接する。各凸部421,422には、上下方向Zに貫通するネジ挿通孔43が形成されている。ネジ挿通孔43は、幅方向Xに長い長孔形状を有する。
【0059】
カウンター1の支持構造について説明する。
図3から
図6に示すように、一対の支持ブラケット5,6が一対の側壁110,120に取り付けられている。梁本体78は、浴室ユニット100の幅方向Xに沿って配置され、端部71,72が支持ブラケット5,6に固定される。梁7A,7Bは共通の部品を使用し、前側Fに配置される梁7Aと後側Rに配置される梁7Bとは、下固定部73の開口が前後方向Yに互いに異なる向きとなるように配置される。
【0060】
梁7A,7Bの幅方向Xの端部71,72が一対の支持ブラケット5,6に取り付けられることにより、梁7A,7Bが一対の側壁110,120間に架けられている。カウンター本体2が梁7A,7Bを覆うように配置され、梁7A,7Bに支持されている。この構成により、カウンター1が浴室ユニット100に取り付けられている。具体的には、梁7A,7Bの幅方向Xの両端部71,72が支持ブラケット5,6に覆われ、梁7A,7Bの下方が下部材4に覆われ、梁7A,7Bの上方が上部材3に覆われる。
【0061】
第一支持ブラケット5の保持部59の幅方向X外側の面に下部材4の側部47が当接し、下部材4の凹部49内に壁固定部51が配置される。
図5に示すように、壁固定部51の上部が上部材3の幅方向Xの端部で覆われる。保持部59と第一側壁110との間に下部材4の側部47および上部材3の幅方向Xの端部が配置される。
【0062】
図4に示すように、第一支持ブラケット5の壁固定部51は、幅方向Xの長さを短く抑えている。加えて、上部材3が壁固定部51上を覆うため、第一支持ブラケット5は外部に殆ど露出しない。一方、第二ブラケット6の外装体62のカバー部622は、第一支持ブラケット5の壁固定部51に比べて幅方向Xの長さが長い。下部材4の側部48および上部材3の幅方向Xの端部と第二側壁120との間において、カバー部622の一部が外部に露出する。
【0063】
図4および
図5に示すように、第一支持ブラケット5の支柱保持部54および第二支持ブラケット6の第三面部616は、それぞれ幅方向Xの中央側に向かって突出している。幅方向Xにおいて、カウンター本体2の第一端部12は、第一支持ブラケット5の保持部59より第一側壁110側に配置され、カウンター本体2の第二端部12は、第二支持ブラケット6のフランジ部624よりも第二側壁120側に配置される。支柱保持部54および第三面部616は、上部材3の幅方向Xの両端部よりも内側に配置される。梁7A,7Bの両端部71,72は、上部材3の幅方向Xの両端部よりも内側に配置される。梁7A,7Bは、一対の側壁110,120間の距離よりも短く、端部71,72が支持ブラケット5,6内に収容されて固定される構成を有する。この構成により、カウンター本体2を支持する梁7A,7Bを設置する作業が浴室ユニット100内で行える。梁7A,7Bは、支持ブラケット5,6を介して側壁110,120間に強固に固定できる。
【0064】
浴室カウンター1の後端14は、後壁130から離れている。つまり、カウンター本体2は、一対の支持ブラケット5,6および梁7A,7Bを介して、一対の側壁110,120のみに固定されて支持されている。なお、浴室カウンター1は、後壁130の近傍に設けられる。
【0065】
次に、浴室ユニット100へのカウンター1の取付方法について説明する。まず、第一支持ブラケット5を第一側壁110に固定し、第二支持ブラケット6を第二側壁120に固定する。
【0066】
第一支持ブラケット5の固定面511を第一側壁110に当接させ、ネジ903で第一支持ブラケット5を第一側壁110に固定する。
図5に示すように、第一側壁110の裏面には支持板9が設けられている。第一側壁110には予めネジ孔が形成されており、このネジ孔に固定面511のネジ孔512の位置を合わせてネジ903で固定する。
【0067】
第二支持ブラケット6の収容部621内に固定具61を挿入した状態で、外装体62の壁固定面625を第二側壁120に当接させ、ネジ904で第二側壁120に第二支持ブラケット6を固定する。第二側壁120の裏面には支持板9が設けられている。第二側壁120には予めネジ孔が形成されており、このネジ孔に壁固定面625のネジ挿通孔627および固定具61のネジ挿通孔611の位置を合わせてネジ904で固定する。
【0068】
第一側壁110および第二側壁120のネジ孔は、支持板9のリブ94間に対応する位置に設けられている。支持板9と側壁110,120とが密着した位置で、したがって、浴室内からネジ904で第二支持ブラケット6を固定できる。
【0069】
このとき、固定具61は第二面部614が水平となるように配置し、位置決め片63,64と、固定具61の第三面部616との当接状態により外装体62を固定具61に対して傾斜して取り付け、かつ、カウンター本体2の上部材3の位置決め部34でカウンター本体2の上面15を傾斜して設ける。具体的には、固定具61のネジ挿通孔611を第二側壁120のネジ孔(不図示)に位置合わせすると、第二面部614が水平となるように、固定具61のネジ挿通孔611が形成されている。
図10に示すように、固定具61の第三面部616の前側Fの端部を、外装体62の前側Fの位置決め片63の側面に当接させ、第三面部616の後側Rの端部は後側Rの位置決め片63の上部に当接させると、水平方向において、外装体62は、固定具61に対して傾斜して第二側壁120に固定される。
【0070】
第一支持ブラケット5および第二支持ブラケット6を側壁110,120に取り付ける順序は特に限定されない。
【0071】
次に、第二支持ブラケット6に梁7A,7Bを固定する。第二支持ブラケット6の固定具61の第二面部614と第三面部616との間に後側Rの梁7Bの第二端部72を幅方向Xの内側から第二側壁120側に向かって挿入する。第二面部614と第三面部616との対向面間の距離は、梁7A,7Bの高さより僅かに長い。そのため、梁7Bを挿入すると固定具61と梁7Bとの間に隙間が生じる。梁7Bを挿入し、梁7Bの上面79が第二面部614に当接させる。梁7Bのネジ孔75と第二面部614のネジ挿通孔615とが重なる位置で、ネジ挿通孔615およびネジ孔75に上方からネジ902を挿入し、固定具61と梁7Bの第二端部72とを連結する。梁7Bの第二端部72と第二支持ブラケット6とを固定するネジ902は、仮固定状態としておく。
【0072】
続いて、第一支持ブラケット5に後側Rの梁7Bを固定する。梁7Bの第一端部71を第一支持ブラケット5の挿入凹部52に上方から挿入し、梁7Bを後壁130側にずらし、開口部57を経由して支柱保持部54内に挿入する。支柱保持部54内に挿入された梁7Bの第一端部71の下面781が支持面53に支持され、上面782が固定部56に近接配置される。この状態で、梁7Bの第一端部71のネジ孔75が、第二支持ブラケット6のネジ挿通孔561と位置合わせされる。ネジ901で梁7Bの第一端部71を固定部56に固定する。この時、梁7Bの第二端部72は、第二支持ブラケット6に対して仮固定状態であるため、梁7Bの第二支持ブラケット6に対する幅方向Xの位置を微調整できる。この他、第二端部72が仮固定状態であるため、梁7Bの上面79が水平を微調整可能である。梁7Bの幅方向Xの位置及び上面79の水平位置を調整した後、第二支持ブラケット6に梁7Bを固定する。なお、固定具61と梁7Bの第二端部72との間の隙間にスペーサを挿入して梁7Bの上面79が水平となるように微調整してもよい。
【0073】
前側Fの梁7Aも後側Rの梁7Bと同様の方法で第二支持ブラケット6および第一支持ブラケット5に固定する。なお、前側Fの梁7Aを第一支持ブラケット5に取り付ける際は、挿入凹部52に挿入後、前側Fにずらして支柱保持部54に収容し、上記と同様の方法で固定される。
【0074】
梁7A,7Bは、一対の支持ブラケット5,6に固定された状態で、上面79が水平に配置される。
【0075】
次に、上部材3を固定する。上部材3を梁7A,7Bの上方から近付けて、梁7A,7B上に載置する。上部材3の下部32を、緩衝材77に当接させる。続いて、梁7A,7Bの下方からネジ906を上部材固定孔76に挿入し、上部材3のネジ固定孔に挿通し、梁7A,7Bと上部材3とを固定する。
【0076】
続いて、下部材4を固定する。
図12に示すように、下部材4を梁7A,7Bの下方から上方に持ち上げ、下部材4の上端部を上部材3の挿入溝33に挿入する。このとき、下部材4の幅方向Xの両側の凹部49内に各支持ブラケット5,6の壁固定部51および収容部621が配置される。下部材4の幅方向Xの両側の各凸部422が第一支持ブラケット5の下部552と第二支持ブラケット6の固定具61の下固定部618に当接し、幅方向Xの中央部の各凸部421が梁7A,7Bの下固定部73に当接する。下方からネジ905を、下部材4のネジ挿通孔43、第一支持ブラケット5のネジ挿通孔553に挿通し、下部材4を第一支持ブラケット5に固定する。下方からネジ905を、下部材4のネジ挿通孔43、第二支持ブラケット6の下固定部73のネジ挿通孔619に挿通し、下部材4を第二支持ブラケット6に固定する。下方からネジ905を、中央の凸部421のネジ挿通孔43、梁7A,7Bの下固定部73のネジ挿通孔732に挿通し、下部材4を梁7A,7Bに固定する。この結果、下部材4が支持ブラケット5,6および梁7A,7Bに固定され、カウンター1の取付が終了する。
【0077】
カウンター1が取り付けられると、
図4に示すように、浴室カウンター1の後端14が後壁130から離れるようにカウンター本体2が配置される。
【0078】
カウンター1は、一対の側壁110,120に取り付けられると、第二支持ブラケット6の外装体62のカバー部622の外周面の一部が露出する。外装体62はカウンター本体2と同様の材料で形成されているため、外装体62が露出しても、外観上、カウンター本体2と第二支持ブラケットとの一体感が得られる。
【0079】
上部材3の位置決め部34は、前側Fの方が後側Rよりも長さL3が長い。そのため、
図13に示すように、上部材3が梁7A,7Bに支持されたとき、上部材3の上面31、すなわちカウンター本体2の上面15が前側Fから後側Rに向かって僅かに下降するように傾斜する。
【0080】
図13に示すように、カウンター1の前面18に傾斜面16を有するため、カウンター1に着座した使用者の脹脛がカウンター1に接触し難い。使用者がカウンター1に座るとき及び立つときの動作が行いやすい。この他、カウンター1の厚さを視覚的に薄く見せる効果が得られるため、狭い洗い場であってもカウンター1による閉塞感を感じ難い。
【0081】
カウンター1が後壁130から離れて設けられているため、シャワー等により使用者が身体に掛けた水や、洗髪、洗体用の洗浄剤はカウンター本体2上を流れてカウンター1の後端14から下方に流れる。カウンター本体2上を流れた水が、カウンター1と後壁130との間に溜まることがない。その結果、使用者が身体を洗い流すために掛けた水が再度使用者に掛かることがない。したがって、使用者が快適に使用できる上に清掃性に優れる。
【0082】
カウンター1と後壁130との間に空間が形成されるため、狭小な設置面積であることにより、カウンター1の前後方向Yの長さを最小限に抑えた場合でも、使用者がカウンター1の座面を最大限使用可能であり、カウンター1の後端14が後壁130と接続されている場合に比べて、カウンター1に使用者が座りやすい。したがって、狭小スペース用の浴室ユニット100であっても、快適に着座可能なカウンター1を設けることができる。さらに、使用者の背中が後壁130に接触し難い。
【0083】
実施形態に係る浴室ユニット100によれば、カウンター本体2の両端部のみを一対の支持ブラケット5,6で支持する構成であるため、シンプルな外観のカウンター1を浴室内に設けることができる。このように、幅方向Xの2箇所で支持するカウンター1を、使用者が着座してベンチとして使用する場合、支持ブラケット5,6が取り付けられた2箇所に荷重が掛かる。これに対し、側壁110,120の裏面に支持板9を取り付けているため、カウンター1を強固に支持できる。
【0084】
一対の側壁110,120に予め支持板9を設けておけば、浴室内でカウンター1の取付作業が行える。
【0085】
上記実施形態では、支持板9により、使用者がカウンター1に座った時に側壁110,120に伝わる回転力の作用を規制できる。例えば、カウンター本体2の前端10寄りに使用者が座った場合、カウンター1には、前側Fかつ下方への力が加わり、支持ブラケット5,6には、前側Fへの回転力が作用する。支持ブラケット5,6に作用した回転力が、支持ブラケット5,6を側壁110,120に固定しているネジ903を介して側壁110,120および支持板9に伝わる。しかし、支持板9の下端部92の床パネル161への当接位置は、ネジ907による支持板9の固定箇所よりも前側Fであるため、支持板9に伝わる回転方向の力が、支持板9と床パネル161との当接位置により規制される。支持板9の下端部92は、少なくとも、ネジ903よりも前側Fが床パネル161に当接していれば上記効果を奏する。しかし、支持板9の下端部92の前後方向Yにおける全域が床パネル161に当接していてもよい。
【0086】
上述の実施形態では、支持板9により、使用者がカウンター1に座った時に側壁110,120に伝わる回転力の作用を規制できる。例えば、カウンター本体2の後端14寄りに使用者が座った場合、カウンター1には、後側Rかつ下方への力が加わり、支持ブラケット5,6には、後側Rへの回転力が作用する。支持ブラケット5,6に作用した回転力が、支持ブラケット5,6を側壁110,120に固定しているネジ903を介して側壁110,120および支持板9に伝わる。しかし、支持板9の後端部91のコーナー支柱192への当接位置は、ネジ907による支持板9の固定箇所よりも後側Rであるため、支持板9に伝わる回転方向の力が、支持板9とコーナー支柱192との当接位置により規制される。支持板9の後端部91は、少なくとも、ネジ903よりも後側Rがコーナー支柱192に当接していれば上記効果を奏する。しかし、支持板9の後端部91の上下方向Zにおける全域がコーナー支柱192に当接していてもよい。
【0087】
支持板9は、支持ブラケット5,6の取付位置よりも高い位置で側壁110,120に当接しているため、使用者がカウンター1に座った場合に、側壁110,120に掛かる荷重を、支持板9により支持ブラケット5,6よりも上方で補強できる。したがって、カウンター1に使用者が座った場合に、側壁110,120に対して、浴室の幅方向Xの内側かつ下方に荷重が掛かっても、支持板9により側壁110,120を補強し、カウンター1を安定的に支持できる。なお、支持板9は、支持ブラケット5,6の固定位置の上方に加えて支持板9の下部においても側壁110,120に当接する構成であってもよい。
【0088】
支持板9の後端部91が後壁130側のコーナー支柱192に当接して配置されるため、カウンター1に使用者が着座して使用する時、側壁110,120に掛かる荷重を支持板9により補強できる。
図13に示すように、カウンター1に使用者が着座すると、カウンター1の後端部14側に荷重が掛かる。特に、カウンター1の上面15が後側Rに下降するように傾斜している場合、使用者の体重がカウンター1の後端部14側に掛かりやすい。カウンター1は、前後方向Yの3か所で側壁110,120に固定されているため、支持板9にも後端部91側へ力が掛かる。これに対し、支持板9の後端部91がコーナー支柱192または側壁110,120に当接すると、支持板9に対して前後方向Yの後側Rに掛かる力を受けることができる。この結果、ネジ907による支持板9と側壁110,120との固定部分に荷重が集中することを防ぎ、カウンター1を安定的に支持できる。
【0089】
なお、上記実施形態では、支持板9の後端部91が後壁130側のコーナー支柱192に当接して配置されている例を示したが、支持板9の後端部91の当接位置はこれに限定されない。例えば、側壁110,120の裏面に突起等を設け、支持板9の後端部91が側壁110、120の突起等に当接する構成であってもよい。
【0090】
支持板9の後端部91および下端部92が、コーナー支柱192あるいは床ユニット190に当接する構成により、支持板9は、ネジ907による側壁110,120との固定部に加えて支持板9の端部でコーナー支柱192あるいは床ユニット190に支持される。この結果、カウンター1の使用時に側壁110,120側に係る荷重が、側壁110,120と支持板9との固定部に集中することがなく、カウンター1を安定的に支持できる。
【0091】
支持板9は、下端部92が床ユニット190に当接し、上端93は、支持ブラケット5,6よりも高い位置まで設けられているため、カウンター1を安定支持できる。なお、浴室ユニット100の側壁110,120の上部まで支持板9を設ける必要はなく、支持板9の設置高さは、側壁110,120の高さよりも低い支持板9でも上記構成により側壁110,120の耐荷重を補強できる。
【0092】
上記実施形態では、支持板9の後端部91がコーナー支柱192にネジ909で固定される例を示したが、この構成は必須の構成ではない。例えば、支持板9の後端部91がコーナー支柱192に当接する構成、支持板9の後端部91がコーナー支柱192に係合する構成、支持板9の後端部91が建物の躯体に当接する構成、側壁110,120の裏面に外方への突出部分を設け、支持板9の後端部91が突出部分に当接する構成等であってもよい。
【0093】
上記実施形態では、第二支持ブラケット6は、固定具61は第二面部614が水平となるように配置し、位置決め片63,64と、固定具61の第三面部616との当接状態により外装体62を固定具61に対して傾斜して取り付け、かつ、カウンター本体2の上部材3の位置決め部34でカウンター本体2の上面15を傾斜して設ける構成を例として示したが、この構成は必須ではない。例えば、固定具61及び外装体62を水平に取り付け、上部材3の位置決め部34のみでカウンター本体2の上面15を傾斜させる例であってもよい。固定具61は第二面部614が水平となるように配置し、外装体62を傾斜させて取り付ける構成のみで、62を固定具61に対して傾斜して取り付け、カウンター本体2の上面15を傾斜させる例であってもよい。
【0094】
上記実施形態では、カウンター本体2の上面15を後方に傾斜させる例を示したが、カウンター1は、梁7A,7Bがカウンター本体2で覆われる構成であればよく、上面15の傾斜は必須の構成ではない。同様に、カウンター本体2の前面18が傾斜面16を有する例を示したが、この構成は必須の構成ではない。
【0095】
上記実施形態では、上部材3および下部材4を梁7A,7Bに対してネジで固定する例を示したが、カウンター本体2と梁7A,7Bとの固定手段はこの例に限定されない。例えば、樹脂製のクリップを挿入しカウンター本体2と梁7A,7Bとを係合させて固定する構成であってもよい。
【0096】
上記実施形態では、第二側壁120に、ドア140を設ける例を示したが、ドア140の設置位置は第二側壁120に限定されない。例えば、第一側壁110、前壁170にドアが設置されてもよい。
【0097】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。上述の実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【符号の説明】
【0098】
1…浴室カウンター、2…カウンター本体、3…上部材、4…下部材、5…第一支持ブラケット(支持ブラケット)、6…第二支持ブラケット(支持ブラケット)、9…支持板、91…後端部、92…下端部、14…後端、7A,7B…梁、71…第一端部、72…第二端部、100…浴室ユニット、110…第一側壁(側壁)、120…第二側壁(側壁)、190…床ユニット、192…コーナー支柱