(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】自立型包装袋、スパウト付自立型包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 30/16 20060101AFI20231208BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
B65D30/16 B
B65D30/16 F
B65D33/38
(21)【出願番号】P 2019185928
(22)【出願日】2019-10-09
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000143880
【氏名又は名称】株式会社細川洋行
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】釼持 俊和
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-048194(JP,A)
【文献】特開平11-227790(JP,A)
【文献】特開2011-020709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/16
B65D 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材からなり、互いに対向する一対の平面部と互いに対向する一対の側面部とからなる筒状部と、シート材からなり、前記筒状部の一方の開口端を塞ぐ底面部と、前記筒状部および前記底面部を互いに接合する底部接合部と、前記筒状部の他方の開口端を塞ぐ上部接合部とを有し、
前記側面部は幅方向の中央部に最下端まで延びる折り線を有し、扁平状態において前記底面部は前記側面部を挟んで折り畳まれており、
前記筒状部、前記底面部によって区画された、内容物を収容する収容空間が形成され、
前記筒状部には、前記筒状部の一部の内面同士を接合し、前記筒状部の内周長さを減ずる部分接合部を有し、
前記部分接合部は、前記底部接合部と前記上部接合部との間の中間位置よりも前記底部接合部寄りに形成されて
おり、
前記底部接合部において、前記側面部の前記折り線に対応する部分aと、前記平面部における扁平状態に折り畳んだ際に前記部分aと重なる部分bのそれぞれに、ポイントシールを有することを特徴とする自立型包装袋。
【請求項2】
前記筒状部は、前記平面部と、前記側面部とを接合する側部接合部を有し、
前記部分接合部は、前記側部接合部に連なっていることを特徴とする請求項1に記載の自立型包装袋。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自立型包装袋と、前記上部接合部に接合されたスパウトとを有することを特徴とするスパウト付自立型包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立型包装袋、およびスパウト付自立型包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
店頭で販売されている飲食料品には、内容物がペットボトルや、プラスチックフィルム等の軟包材からなる包装袋にスパウトが付いたスパウト付包装袋等の容器に入れられているものがある。例えば、内容物がゼリー飲料の場合、ペットボトルの口部の口径は広く設計されているものが多い。また、ペットボトルは、外部から内容物を手で揉むには硬く、揉むことができず、ゼリー飲料を砕くことができずに塊のまま口の中へ入ってくるため、飲みにくい場合がある。一方、スパウト付包装袋は、内容物がゼリー飲料であっても、外部から手で揉むことができる柔軟性があり、ゼリー飲料を揉んで、塊を細かくすることができ、容易に飲むことができる。
【0003】
このようなスパウト付包装袋としては、一対の平面部と一対の側面部とからなるサイドガゼット形状で、下方で平面部及び側面部が折り曲げられ、内容物の自重がかかることで面状の底部領域が形成され、この底部領域が載置面となって自立する包装袋を採用するものが多い(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、内容物を温めたホット飲食料品は、容器を加温器に載置して、飲食料品入りの容器を下方から加温プレートなどで加温している場合がある。この時、サイドガゼット形状のスパウト付包装袋を加温器に載置すると、加温プレートに面状の底部が直接的に接するため、包装袋は比較的広い面状の領域に熱が加わり続け、耐熱性のある軟包材により形成されていたものであっても、長時間の加熱によって軟包材は劣化してしまい、デラミネーション等が生じる懸念があった。
【0005】
また、スパウト付包装袋は、内容物がゼリー飲料の場合、内容物が半固形状であるため包装袋内で流動しにくく、加温プレートに対して比較的広い面状の領域で接すると、熱が伝わり易い内容物の下方部分と、熱が伝わりにくい上方部分との対流も起こりにくいために、上方の内容物まで温めようとして高温にしたり、長時間の加温を行うと、内容物の下方部分が高温になりすぎるという課題があった。
【0006】
このため、例えば特許文献2では、底面部の周縁から下方に延びるように底部接合部を形成することによって、平面に自立させた際の平面との接触部分を長方形の枠状の部分に限定し、底部接合部が起立脚として機能する袋状容器が開示されている。こうした袋状容器では、自立状態での自立型包装袋の平面との直接接触部分が枠状の非常に狭い部分に限られるので、例えば加温プレートに載置したとしても、底部の比較的広い領域に熱が加わり続けることによりその部分のみ加温される続けることを防止できるため、その部分の軟包材の劣化や、下方の内容物の劣化を低減できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5262712号公報
【文献】特開2001-048194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載の袋状容器の側壁部は折り目を有し、底部形成シートは、下端縁が六面体で正面が山形状に折り畳まれた一枚のシートが、側壁部の折り目を挟んで形成されている。特許文献2に記載された袋状容器は、扁平状態に折り畳まれたものに液体、粉体のような流動体を内容物として充填すると、折り畳まれた側壁部と、底部形成シートが広がる。その際に、平面部と側壁部とからなる筒状部の下方に近い中間部が外方に膨らみ、膨らんだ位置から下は下方へ向かって窄まる傾向にある。これは、内容物を充填した際に、底部形成シートが面状に広がらないためである、その場合、側壁部の折り目も下方において広がりにくい。
【0009】
図10(a)は、従来の自立型包装袋の底部を示す要部拡大斜視図、および
図10(b)は、その斜視図である。例えば、従来の自立型包装袋100では、底部形成シートが面状に広がらず、筒状部101が下方へ向かって窄まることで、側壁部102の折り目102aの下方も広がらずに、平面部103の下方の底部接合部104は自立方向に延びずに、底面部105に沿う方向へ折れ曲がってしまう。
【0010】
このように、内容物の充填によって、平面部103の下方の底部接合部104が底面部105に沿う方向へ折れ曲がってしまうと、底部接合部104が袋状容器の起立脚として機能しなくなり、自立性が低下して、対向する平面部のいずれか一方の側に倒れやすいという課題があった。
例えば、店頭で陳列されている際に倒れて見栄えが悪かったり、さらには加温プレートに載置した袋状容器が自立状態から倒れると、平面部が加温プレートに対して広い範囲で面状に接触し、その部分の内容物が過剰に加熱されたり、袋状容器の構成材料の熱劣化を招く懸念がある。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、内容物が充填されて平面に自立させた状態で、平面との接触部分を小さくすることができ、かつ、自立性が良好な自立型包装袋およびスパウト付自立型包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明の自立型包装袋は、シート材からなる筒状部と、該筒状部の一方の開口端を塞ぐシート材からなる底面部と、前記筒状部および前記底面部を互いに接合する底部接合部と、前記筒状部の他方の開口端を塞ぐ上部接合部とを有し、前記筒状部、前記底面部によって区画された、内容物を収容する収容空間が形成され、前記筒状部には、前記筒状部の一部を接合した部分接合部を有し、前記部分接合部は、前記底部接合部と前記上部接合部との間の中間位置よりも前記底部接合部寄りに形成されており、前記底部接合部において、前記側面部の前記折り線に対応する部分aと、前記平面部における扁平状態に折り畳んだ際に前記部分aと重なる部分bのそれぞれに、ポイントシールを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明では、前記筒状部は、互いに対向する一対の平面部と、該平面部に対して側部接合部を介してそれぞれ接合された互いに対向する一対の側面部とを有し、前記部分接合部は、前記側部接合部に連なっていてもよい。
【0014】
また、本発明では、前記部分接合部は、前記底部接合部と前記上部接合部との間で、前記側部接合部の接合幅を局部的に増加させた部分であってもよい。
【0015】
本発明のスパウト付自立型包装袋は、前記各項に記載の自立型包装袋と、前記上部接合部に接合されたスパウトとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内容物が充填されて平面に自立させた状態で、平面との接触部分を小さくすることができ、かつ、自立性が良好な自立型包装袋およびスパウト付自立型包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のスパウト付自立型包装袋の一例を示した扁平状態の正面図である。
【
図2】
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納した様子を示した斜視図である。
【
図3】
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納した様子を示した側面図である。
【
図4】
図2のスパウト付自立型包装袋のI-I断面図である。
【
図5】
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納した様子を示した底面図である。
【
図6】
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納して平面に載置した様子を示した側面図である。
【
図7】
図2のスパウト付自立型包装袋の底部近傍を拡大して示した斜視図である。
【
図8】部分接合部の他の形状例を示す平面図である。
【
図9】
図1に示す位置C1,C2におけるスパウト付自立型包装袋の模式断面図である。
【
図10】従来の自立型包装袋の底部を示す要部拡大斜視図、および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の自立型包装袋について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0019】
なお、本発明の自立型包装袋及びスパウト付自立型包装袋は、スパウトの有無以外は、同様の形態の自立型包装袋である。以下、本発明の自立型包装袋及びスパウト付自立型包装袋の実施形態として、スパウトを備えるスパウト付自立型包装袋の一例を示して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明のスパウト付自立型包装袋の一例を示した扁平状態の正面図である。
図2は、
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納した様子を示した斜視図である。なお、
図1及び
図2における点線は、自立型包装袋の内部に形成された折り線や接合部を示すものである。
図3は、
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納した様子を示した側面図である。
図4は、
図2のスパウト付自立型包装袋のI-I断面図である。
図5は、
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納した様子を示した底面図である。
図6は、
図1のスパウト付自立型包装袋に内容物を収納して平面に載置した様子を示した側面図である。
図7は、
図2のスパウト付自立型包装袋の底部近傍を拡大して示した斜視図である。
本実施形態のスパウト付自立型包装袋1は、
図1~3に示すように、内容物を収納する自立型包装袋10と、自立型包装袋10の上部に液密に取り付けられたスパウト12と、スパウト12に装着されるキャップ13とを備えている。
【0021】
自立型包装袋10は、
図1~6に示すように、互いに対向する一対の平面部14,14と、互いに対向する一対の側面部16,16とからなる断面が略四角形状の筒状部19と、筒状部19の一方の開口端を塞ぐ底面部18とを備えている。このような筒状部19や底面部18は、後述するシート材によって形成されている。自立型包装袋10は、筒状部19と底面部18によって区画された、内容物を収容する収容空間Rを備えている。
【0022】
自立型包装袋10では、一対の平面部14,14と一対の側面部16,16がそれぞれ対向しており、一対の側面部16,16がそれぞれ収容空間Rに向かってに谷折りに折り込まれる幅方向中央部に最下端まで延びる折り線16aを有し、その側端と平面部14,14の側端同士が接続している。底面部18は、一対の平面部14,14と一対の側面部16,16とで形成された筒状部19の下方の開口端を塞ぐように、水平方向に広がって設けられている。
【0023】
一対の平面部14,14の正面視形状は、矩形状の各角部が円弧状に切り欠かれた略矩形状である。なお、一対の平面部14,14の正面視形状は、このような略矩形状に限定されるものではない。
一対の側面部16,16の正面視形状は、平面部14,14と同様に、矩形状の各角部が円弧状に切り欠かれた略矩形状である。なお、一対の側面部16,16の正面視形状は、このような略矩形状に限定されるものではない。
【0024】
自立型包装袋10には、隣り合う平面部14と側面部16との側端同士がヒートシールにより接合されることで高さ方向に所定の幅で延びる帯状の4つの側部接合部20が形成されている。一対の平面部14,14と一対の側面部16,16とは4つの側部接合部20により接合されて筒状部19を形成している。
【0025】
自立型包装袋10の上端には平面部14の上端と側面部16の上端とがヒートシールにより接合された上部接合部22が形成されている。上部接合部22では、折り線16aにて半折された一対の側面部16,16が一対の平面部14,14で挟持され、かつ、スパウト12が一対の平面部14,14で挟持されて液密に固定されている。また、自立型包装袋10の下端には、水平方向に広がる矩形状の底面部18の周囲4縁がそれぞれ下方に折られて自立方向に沿って延びた状態で、筒状部19を構成する平面部14の下端及び側面部16の下端とヒートシールされたにより接合された底部接合部24が形成されている。
【0026】
この底部接合部24が自立方向に沿って延びた状態となるために、自立型包装袋10は扁平状態において、側面部16の折り線16aは最下端まで延びており、底面部18の両側は、折り線16aにて半折された側面部16を挟んで折り畳まれている。詳細には、底面部18は折り線18aにて半折され、その両側にて、折り線18aが内側に略90°折り込まれて斜辺を有する三角翼が片側に二つずつ形成されており、その二つの三角翼にて側面部16を挟んでいる。この際、側面部16の折り線16aと、三角翼の底面部の折り線18aとは当接している。
【0027】
扁平状態の自立型包装袋10を広げると、一対の平面部14,14と一対の側面部16,16とで形成される筒状部19と、この筒状部19の下端開口部を底部接合部24を介して接合した底面部18とによって、内容物を収容する収容空間Rが区画される。このような収容空間Rによって、自立型包装袋10内に内容物である流動体を収納できるようになっている。
【0028】
図1、2、7に示すように、自立型包装袋10の筒状部19には、4つの側部接合部20からそれぞれ突出する部分接合部27が形成されている。より具体的には、本実施形態では、部分接合部27は、側部接合部20に一体に連なるように形成され、帯状の側部接合部20から、部分的に略半楕円形状に、隣り合う平面部14と側面部16とがヒートシールされたものである。つまり、部分接合部27は筒状部19の一部の内面同士を接合している。
【0029】
本実施形態では、このような4つの部分接合部27は、帯状の側部接合部20の接合幅、即ちヒートシール幅を局部的に増加させた接合部である。
本実施形態では、このような4つの部分接合部27が、側部接合部20の高さ方向における上部接合部22と底部接合部24との中間位置Hよりも下側である底部接合部24寄りの同じ高さ位置に形成されている。なお、この場合、略半楕円形状の部分接合部27の最大幅となる頂部Pの位置が中間位置Hよりも下側にある。また、部分接合部27は、自立型包装袋10が扁平状に折り畳まれた状態で施されるが、扁平状態から広げた際に、底面部18の広がりを妨げない位置である必要がある。そのため、部分接合部27の頂部Pは扁平状に折り畳まれた底面部18より高い位置である。言い換えると、4つの部分接合部27は、側部接合部20の高さ方向における、下方に近い中間部に位置している。
【0030】
図9(
b)は、
図1に示す位置C1、すなわち、部分接合部27の頂部Pにおける広がった自立型包装袋10の模式断面図である。
図9(
a)は、
図1に示す位置C2、すなわち部分接合部27の未形成位置における広がった自立型包装袋10の模式断面図であり、図中の一点鎖線は位置C1における模式断面図である。なお、図中の斜線部C1a,C1bは収容空間Rの断面積を示している。
部分接合部27は、筒状部19の内周長さ、即ち一対の側面部16,16と一対の平面部14,14とで形成される略矩形の内面の周回長さを局所的に減ずる接合部であり、部分接合部27の頂部Pの高さ位置における内周長さが最も短くなる。こうした部分接合部27の形成位置では、自立型包装袋10の収容空間Rの断面積は、部分接合部27の未形成位置、すなわち部分接合部27の上部および下部の位置の斜線部C1bの断面積より小さくなり、部分接合部27の頂部Pの高さ位置における斜線部C1aの断面積が最も小さくなる。
【0031】
こうした部分接合部27によって、扁平状態に折り畳まれた自立型包装袋10の収容空間R内に内容物の一例である流動体を収容した際に、流動体の自重によって流動体が収容空間R内で下方に近い中間部に多く溜まることを抑制し、流動体の収容空間R内における液面位置を高くすることができる。これにより、自立型包装袋10の筒状部19は、部分接合部27の高さ位置において膨らみが抑制され、それより下も下方へ向かって窄まることがなく、底面部18が水平方向に面状に広がるようになる。また、それに伴い、側面部16の下方も広がる。従って、平面部14の下方の底部接合部24は底面部18に沿う方向、すなわち内側へ折れ曲がってしまうことない。さらには底部接合部24はヒートシールがなされていることで強固であるため、製造時の形状を維持して自立型包装袋10の自立方向に沿って延び、底面部18の下方において、平面との接触部分を小さい状態で枠状の起立脚として機能するため、自立型包装袋10の自立性が向上する。
枠状の起立脚として機能する底部接合部24は、より詳しくは以下のようになる。
【0032】
自立型包装袋10では、一対の平面部14,14の下端縁と、底面部18の下方に折られた周囲4縁のうち一対の平面部14,14に対応する2縁とがヒートシールされて形成された2つの底部接合部24a、及び、一対の側面部16,16の下端縁と、底面部18の下方に折られた周囲4縁のうち一対の側面部16,16に対応する2縁とがヒートシールされて形成された2つの底部接合部24bの計4つの底部接合部24が形成されている。すなわち、4つの底部接合部24は、矩形状の底面部18の周囲4縁がそれぞれ下方に自立方向に延びて、一対の平面部14,14の下端縁と一対の側面部16,16の下端縁と接合したものである。
【0033】
また、それぞれ底部接合部24aと底部接合部24bとは、矩形状の底面部18の4つの角部において接している。詳細には、
図2及び
図7に示すように、底部接合部24aは、底部接合部24aの上端の辺24auより底部接合部24aの下端の辺24adが長く、底面部18の角部に位置する底部接合部24aの両端において、上端の辺の端部から下端の辺の端部に斜め線24cが形成された台形状になっている。
【0034】
同様に、
図2、
図3、
図6及び
図7に示すように、底部接合部24bは、底部接合部24bの上端の辺24buより底部接合部24bの下端の辺24bdが長く、底面部18の角部に位置する底部接合部24bの両端において、上端の辺の端部から下端の辺の端部に斜め線24dが形成された台形状になっている。
【0035】
この斜め線24cと斜め線24dが一致することで、底部接合部24aと底部接合部24bとが接している。またこの斜め線24c,24dは、側部接合部20の下端とも一致している。このように、底部接合部24は自立型包装袋10の下端を一周するように形成されている。さらに、
図2、
図5に示すように、底部接合部24bは、側面部16の折り線16aにより、自立型包装袋10の収容空間Rに向けられてV字形状にされている。
【0036】
図2~6に示すように、自立型包装袋10が自立した状態では、自立型包装袋10の下方において4つの底部接合部24a,24bが下方に延び、載置する平面200に対して垂直な自立方向に延びて枠状を形成して起立脚として機能し、平面200との接触部分となる。
【0037】
より詳細には、
図2、
図5及び
図7に示すように、底面部18の角部に位置する底部接合部24aの両端は、平面部14の両端に広がる向きに延び、底面部18の角に位置する底部接合部24bの両端は、底部接合部24aの両端に重なるように折られており、4つ底部接合部24a,24bが全て載置する平面200に対して垂直な自立方向に延びた枠状を形成している。
【0038】
部分接合部27の具体的な形状設計としては、例えば、本実施形態の形状の部分接合部27の場合、部分接合部27の頂部Pの位置における筒状部19の内周長さをL1、底部接合部24における筒状部19の内周長さをL2としたときに、L1/L2の値Lmが0.7以上、0.9以下の範囲になるようにする。Lmが0.7以上であれば、自立型包装袋10の外観が劣ることなく、内容積も極端に減少することなく、自立型包装袋10に内容物を充填した際に、底面部18が最大限に広がり、底部接合部24が枠状の起立脚として機能し、自立型包装袋10の自立性は向上する。0.9以下であれば自立型包装袋10に内容物を充填した際に、部分接合部27の高さ位置において膨らみが抑制され、それより下も下方へ向かって窄まることがなく、底面部18が最大限に広がり、底部接合部24が枠状の起立脚として機能し、自立型包装袋10の自立性は向上する。
【0039】
また、自立型包装袋10の下端から部分接合部27の頂部Pまでの高さDは、平面部14の高さの50%以下とすればよく、40%以下であることが好ましい。50%以下であれば、自立型包装袋10の筒状部19の下方に近い中間部が膨らまず、自立型包装袋10に内容物を充填した際に、底面部18が最大限に広がり、底部接合部24が枠状の起立脚として機能し、自立型包装袋10の自立性は向上する。また、自立型包装袋10下端から部分接合部27の頂部Pまでの高さDは、扁平状態において、底面部18の折り線18aの位置より高い位置であれば、自立型包装袋10に内容物を充填した際に、部分接合部27によって阻害されることなく、底面部18は広がる。底面部18の幅にもよるが、下端から部分接合部27の頂部Pまでの高さDは、約20%以上であることが好ましい。例えば、平面部14,14の幅が80mm、側面部16,16、底面部18の幅が50mm、高さ130mm、各接合部の幅5mmの自立型包装袋10の場合には、下端から部分接合部27の頂部Pまでの高さDは、25mm以上、65mm以下の範囲となるようにすればよく、50mm以下であることが好ましい。
【0040】
このように、本実施形態における自立型包装袋10は、内容物を収納した状態で平面200に自立させても、部分接合部27によって、底面部18が面状に広がり、それに伴い、側面部16の下方も広がる。そのため、底部接合部24が底面部18に沿う方向、すなわち内側に折れ曲がらずに下方に向かって自立方向に沿って延びて起立脚として機能する状態を維持でき、自立性が良好である。また、矩形状に広がった底面部18が平面200に直接接することがなく、自立型包装袋10と平面200との接触部分を小さくすることができる。例えば、内容物がホット飲食料品であり、平面200が加温プレートであった場合には、自立型包装袋10と平面200との接触部分が小さいことで、底面部18や、自立型包装袋10内で下方の内容物のみに高すぎる温度の熱や、長時間の熱が加わり続けることによる底面部18を形成するシート材の劣化や、内容物の品質低下が抑制される。
【0041】
また、自立型包装袋10においては、底部接合部24上にポイントシールがなされていてもよい。これにより、底部接合部24が強化される。ここで、ポイントシールとは、部分的に強化するために、ヒートシールされているところに、重ねてされた部分的なヒートシールのことを言う。
【0042】
具体的には、側面部16の下方の底部接合部24bにおける側面部16の折り線16aに対応する部分a(
図3、
図5)にポイントシールがなされていることが好ましい。また、平面部14の下方の底部接合部24aにおける、自立型包装袋10を扁平状態に折り畳んだ際に部分aと重なる部分b(
図1、
図5)においても、ポイントシールがなされていることが好ましい。
【0043】
自立型包装袋10では、部分aと部分bのいずれかのみにポイントシールがなされていてもよいが、部分aと部分bの両方にポイントシールがなされていることが特に好ましい。
【0044】
自立型包装袋10の自立状態では、自立型包装袋10の底面視で、
図5に示すように、矩形状に広がった底面部18の4つの角部分のそれぞれにおいて、角c、部分a、及び部分bが三角形をする。このように配される底部接合部24の部分aと部分bの両方がポイントシールされることで、底面部18の4つの角部分が強化され、より安定した自立性が確保される。
【0045】
(シート材)
自立型包装袋10の一対の平面部14,14、一対の側面部16,16、及び底面部18はそれぞれシート材で形成されている。シート材としては、例えば、外側から基材層、中間フィルム層、シーラント層をこの順に有する積層体が挙げられる。
【0046】
シーラント層は、合成樹脂の未延伸フィルムや、合成樹脂を層状に押し出した層が好ましい。シーラント層を形成する合成樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合、2種以上の合成樹脂の混合物の単層でもよく、2種以上の合成樹脂の複層でもよく、混合物の層を含む複層であってもよい。
合成樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
例えば、自立型包装袋10の内容物がホット飲食料品である場合、シーラント層は、上記の材料のうち、融点が120℃以上のものを用いることが好ましい。ここで、シーラント層の融点とは、JIS K 7121に準拠し、シーラント層やそのフィルムを切り出し、示差走査型熱量測定(DSC)により測定した融解ピーク温度である。シーラント層の融点が120℃以上であるとは、シーラント層が複数の合成樹脂を混合したものや、複数の層を有しているときなど、多数の融解ピーク温度がある場合には、最も低い融解ピーク温度も120℃以上である。
【0047】
シーラント層の融点が120℃以上であれば、平面200が加温プレートであった場合にも、加温に耐え得る耐熱性が得られる。加温プレートの加温に耐えられる耐熱性とは、加温プレートの加温によりシーラント層を形成する合成樹脂が軟化や劣化することがない程度の耐熱性のことをいい、自立型包装袋が自立状態を維持できることをいう。また、シーラント層の融点は、150℃以下が好ましい。150℃以下であれば、自立型包装袋10を製造する際のヒートシールにて、ヒートシール温度を高くしすぎる必要がなく、短時間でのヒートシールが可能であるため、生産効率が向上する。
【0048】
シーラント層の融点が120℃では、120℃以上の熱を加えるレトルト用途の包装袋として適用することは難しいが、100℃程度の加熱を行う、ホット飲食料品用包装袋としての耐熱性は十分である。
【0049】
シーラント層が複層の場合、共押出し法、ラミネート法等の公知の方法により製造できる。共押出し法の場合、水冷インフレーション法、空冷インフレーション法、Tダイ成形法等が採用できる。特に、薄肉フィルム及び広幅原反の成形が可能である空冷インフレーション法が有利である。
【0050】
シーラント層の総厚みは、30μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましい。シーラント層の総厚みが前記下限値以上あれば、自立型包装袋10を底部接合部24が起立脚となって自立させるのに十分な強度が得られやすい。また、シーラント層が70μm以上であれば、製造時に底面部18、平面部14、側面部16のそれぞれが所定の位置に対してわずかにずれていたとしても、シーラント層を形成している樹脂量が多いため、自立型包装袋10を製造する段階でのヒートシールにおいて、溶融した樹脂が各部材を隙間なく接合し、内容物が漏れることがない自立型包装袋10を製造することができるために好ましい。
【0051】
また、本発明の自立型包装袋と同形状の包装袋は、底面部18の折り線18aと底部接合部24bの内端との交点18b、及び側部接合部20と2辺の底部接合部24a,24bが交わる、底面部18の4つの角cの部分において、底面部18を形成する積層体のデラミネーション、ピンホール、破袋、積層体に金属箔を用いた場合には金属箔の破れ等の問題が生じる恐れがある。これらは、交点18bについては、(i)内容物充填前は、後述するように、底面部18の両側の三角翼において、自立型包装袋の外方向に向かって山折りされている折り線18a上に交点18bが位置しているが、内容物が充填された後は折り線18aが広がり、底面部18と底部接合部24bとの谷折りに折れる線上に交点18bが位置するため、交点18bは内容物充填前後で折り返しが逆になる点であること、(ii)内容物充填前には底面部18の三角翼にて側面部16を挟んだ状態であることで、交点18bは積層体がたるみやすいこと、(iii)内容物の荷重がかかりやすいこと、(iv)底部接合部24を形成する際のシール不良などが起因すると考えられる。角cについては、内容物の荷重がかかりやすいこと、底部接合部24を形成する際のシール不良などが起因すると考えられる。
【0052】
さらには、スパウト付自立型包装袋となった場合には、上部接合部22の内端と側面部16の折り線16aとの交点16bにおいても、側面部16を形成する積層体のデラミネーション、ピンホール、破袋、積層体に金属箔を用いた場合には金属箔の破れ等が生じる恐れがある。交点16bについては、スパウト付自立型包装袋1が落下してしまった場合に、内容物の荷重がかかりやすいことが起因すると考えられる。こうした事項に対し、本発明の自立型包装袋において、耐衝撃性を有するシーラント層を70μm以上とすることで、これらが解決される。
【0053】
シーラント層の総厚みに特に上限はないが、厚くしすぎてもコストが嵩むだけであり、150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
シーラント層の総厚みは、70μm~100μmがより好ましい。
【0054】
ここでシーラント層の総厚みとは、自立型包装袋を形成する前の厚みである。自立型包装袋を形成後も各接合部以外においてはこの厚みをほぼ維持しているが、各接合部においては、各面部を構成するシート材のシーラント層を対向させてヒートシールにより溶融して接合されているため、総厚みの2倍の厚みよりは薄くなっている。
【0055】
基材層としては、印刷適性に優れ、さらに耐熱性、突き刺し強度、引っ張り強度、耐衝撃性等を備えたフィルムが好ましい。基材層の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体等が挙げられ、これらの二軸延伸フィルム又は一軸延伸フィルムが好ましい。
【0056】
また、これらのフィルムに、酸素や水蒸気に対するバリア性を付与するために、アルミニウム、マグネシウム等の金属、又は酸化珪素、酸化アルミニウム等の酸化物を蒸着させた蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデン等のバリア性コート剤等をコートしたコートフィルム等を用いてもよい。基材層は、前記したフィルムの単体であってもよく、積層フィルムであってもよい。
【0057】
中間層としては、例えば、酸素バリア性、水蒸気バリア性、引裂き性、耐衝撃性等の機能性を備えたフィルムが挙げられる。中間フィルム層の具体例としては、基材層に挙げたフィルムの他、酸素バリア性、水蒸気バリア性に優れるアルミニウム等の金属箔等が挙げられる。これらは1種でもよく2種以上を用いてもよい。中間層として、例えば、金属箔を用いるのが好ましい。
【0058】
中間層に金属箔を有していることで、金属箔の腰の強さとデッドホールド性により、内容物の重量が大きくとも、底部接合部24a,24bは、自立方向への延びを維持し、より確実に底面部18の下方において起立脚として働くため好ましい。このように、中間層に金属箔を有する態様は、内容物が液体などの重量が大きい場合でも、底面部18が平面200に着地して、底部接合部24a,24bが、自立型包装袋10の外側へ底面部18の広がる方向と同じ方向に広がったり、自立型包装袋10の内側へ底面部18に沿う方向へ折れ曲がり、起立脚として機能しないことを防止できるため好ましい。
【0059】
シート材を構成する積層体は、基材層を形成するフィルム、シーラント層を形成するフィルム、及び必要に応じて使用する中間層を形成するフィルムを、ドライラミネート法、押出しラミネート法等の公知の方法によって貼り合せることで製造できる。自立型包装袋に収納する内容物がホット飲食料品である場合、接着剤の選定によって耐熱性に優れた積層体を形成できる点から、ドライラミネート法が好ましい。積層体の総厚みは特に制限はないが、50μm以上200μm以下が好ましい。積層体の総厚みのうちシーラント層の厚みの割合が高く、積層体の総厚みはシーラント層の厚みに影響する。
【0060】
ドライラミネート法に用いる接着剤としては、1液又は2液硬化型のドライラミネート用接着剤が挙げられ、ホット飲食料品である場合、それに適した十分な耐熱性が得られやすい点から、耐熱性の高いドライラミネート用接着剤が好ましい。特に、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールを主成分とするポリウレタン系2液硬化型接着剤が好ましい。
【0061】
スパウト付自立型包装袋1においては、自立型包装袋10の上部接合部22に、自立型包装袋10の内部に収納された内容物を外部に注出するため、又は内容物を飲むためのスパウト12が設けられている。スパウト12の上端部には、スパウト12に螺合させてスパウト12の開口を閉鎖するキャップ13が設けられている。本実施形態においては、スパウト12の外周面に雄ネジを有し、キャップ13の内周面には、それに螺合する雌ネジを有している。
【0062】
なお、スパウトおよびキャップは、本実施形態のように、雄ネジや雌ネジを有して再封止可能なネジ式にする以外にも、例えば、キャップにプルリングなどを形成して、キャップをスパウト引き上げることによって、スパウトの封止膜を除去して開封するプルタブ式など、各種形状のものを用いることができる。
【0063】
スパウト12のうち、少なくとも自立型包装袋10の平面部14の内面と接合される部分は、例えば合成樹脂で形成されていればよい。
スパウト12を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン-ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。なかでも、加工性に優れ、低コストである点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0064】
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂、エチレン-α-オレフィン共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダム共重合体、α-オレフィン-プロピレンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、性能向上のためにブレンドされていてもよく、耐熱性向上等を目的として一部架橋されていてもよい。
【0065】
スパウト12は単一の材料から形成されていてもよく、あるいは種々の樹脂層からなる多層構造が形成されていてもよい。
スパウト12のうち、少なくとも自立型包装袋10の平面部14と接合される部分を形成する樹脂は、ヒートシールによる接合が可能である点から、平面部14の最内層を形成する樹脂と同種の樹脂で形成されていることが好ましい。
【0066】
キャップ13の材質としては、特に限定されず、例えば、スパウト12の材質として挙げた合成樹脂が挙げられる。
【0067】
スパウト付自立型包装袋1の製造方法は、特に限定されない。一対の平面部14,14、一対の側面部16,16、及び底面部18の構成部材として上述したシート材を用い、ヒートシールによって、部分接合部27を含む側部接合部20、上部接合部22及び底部接合部24を形成することで自立型包装袋10を形成できる。
また、上部接合部22を形成する際に一対の平面部14,14でスパウト12を挟持することで、スパウト12を自立型包装袋10に液密に固定し、スパウト付自立型包装袋1を形成できる。
【0068】
スパウト付自立型包装袋1の製造方法としては、例えば、一対の側面部16、16を構成するシート材をそれぞれ折り線16aにてシーラント層を外側にして半折して、折り線16aが向き合うように配置する。一方、底面部18を構成するシート材を折り線18aにてシーラント層を外側にして半折し、その両側にて、折り線18aを内側に略90°折り込んで斜辺を有する三角翼を片側に二つずつ形成する。底面部18の両側の二つずつの三角翼にて半折した一対の側面部16、16を挟むように配置する。その後、一対の平面部14,14で、シーラント層を内側にして一対の側面部16,16と底面部18を挟み、部分接合部27を含む側部接合部20、底部接合部24を形成する。その後、上端の開口にてスパウト12を狭持し、上部接合部22を形成する方法を用いることができる。
【0069】
内容物は特に限定されず、例えば飲食料品としては、液体飲料、ゼリー、スープ等の流動体が挙げられる。内容物がホット飲食料品である場合の温度は、例えば、60~70℃程度とすることができる。
【0070】
以上説明したように、本発明の自立型包装袋は、部分接合部を形成することによって、内容物の自重によって内容物が収容空間R内で下方に近い中間部に多く溜まることなく、筒状部下方に近い中間部の膨らみを抑制され、それより下も下方へ向かって窄まることがなく、底面部が自立方向に対して水平方向に面状に広がるようになる。従って、底面部に沿う方向へ底部接合部が内側に折り曲がることを防止する。よって、自立させた際には、平面との接触部分を小さい状態で底部接合部が下方に向けて自立方向に延びた起立脚となり、自立型包装袋の自立性が向上する。
【0071】
なお、本発明の自立型包装袋は、スパウトの位置は上部接合部に限定されない。また、スパウトを備えないものであってもよい。また、本発明の自立型包装袋は、平面部、側面部及び底面部がそれぞれ別部材として形成されるものに限定されず、平面部と側面部が一枚の矩形状の部材から筒状に形成されたものや、平面部と底面部または側面部と底面部が一枚の矩形状の部材から形成されたもの、全ての面部が一枚の部材から形成されたものであってもよい。
【0072】
また、本発明の自立型包装袋は、側部接合部を有することで、自立性は向上するが、側部接合部を有していないものでもよい。平面部と側面部が同じ部材からなり、筒状部に側部接合部が存在しない自立型包装袋の場合、部分接合部は、筒状部の任意の位置において、筒状部の内周長を減ずるような、筒状部が部分的につまむように内面同士をヒートシールされた部分である。ここで筒状部の任意の位置とは、高さ方向においては上記実施形態の部分接合部の高さ方向の位置と同様である。高さ方向の同じ位置に4個有していると好ましい。
さらに、上記実施形態の部分接合部は、帯状の側部接合部の接合幅を局部的に増加させた接合部であったが、部分接合部の突出形状に沿って側部接合部がカットされていてもよい。
また、部分接合部の頂部Pは複数であってもよいし、頂部Pと同じ幅の直線部を有していてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、部分接合部27は、略半楕円形状に形成しているが、部分接合部の形状はこれに限定されるものではなく、筒状部の高さ方向の一部において、収容空間の内周長さを狭めることができる形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0074】
図8は、部分接合部の他の形状例を示す平面図である。
図8(a)の部分接合部37の形状は、直角三角形状である。
また、
図8(b)の部分接合部47の形状は、二等辺三角形状である。
更に、
図8(c)の部分接合部57の形状は、半円形状である。
【0075】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0076】
1…スパウト付自立型包装袋
10…自立型包装袋
12…スパウト
13…キャップ
14…平面部
16…側面部
18…底面部
19…筒状部
20…側部接合部
22…上部接合部
24…底部接合部
27…部分接合部
R…収容空間