(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231208BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20231208BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/795
(21)【出願番号】P 2019215765
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポー ジハオ
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-187948(JP,A)
【文献】特開2014-079647(JP,A)
【文献】特開2018-183573(JP,A)
【文献】特開2014-184096(JP,A)
【文献】特開2014-140571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが共同して参加可能な抽選ゲームをコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
複数のユーザのそれぞれに選択させた抽選希望条件を取得する処理と、
取得した前記抽選希望条件に基づき、予め定められた抽選設定条件を満たす複数のユーザを決定する処理と、
前記抽選設定条件に基づき、複数のコンテンツを抽選する処理と、
抽選した前記複数のコンテンツを、前記抽選希望条件に基づき、決定した前記複数のユーザに対して配分する処理と、
をコンピュータに実行させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記複数のコンテンツを配分した結果
、決定した前記複数のユーザのそれぞれに配分された前記コンテンツに差がある場合に、前記複数のユーザの少なくともいずれかに所与のコンテンツを付与する処理を含む、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記所与のコンテンツを付与する処理は、
決定した前記複数のユーザのそれぞれに配分する前記複数のコンテンツの価値の合計を比較し、前記複数のコンテンツの価値の合計が相対的に低いユーザに、前記少ない価値の合計に応じたコンテンツを付与する、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記所与のコンテンツを付与する処理は、
決定した前記複数のユーザのそれぞれに配分する前記複数のコンテンツの価値の合計を比較し、前記複数のコンテンツの価値の合計が相対的に低いユーザに、前記少ない価値の合計に予め定められた比率を乗じたコンテンツを付与する、
請求項2又は3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記抽選設定条件を満たす複数のユーザを決定する処理は、
前記抽選希望条件が重複しない複数のユーザを決定する、
請求項1~4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
複数のユーザが共同して参加可能な抽選ゲームをコンピュータに実行させるゲーム処理方法であって、
複数のユーザのそれぞれに選択させた抽選希望条件を取得する処理と、
取得した前記抽選希望条件に基づき、予め定められた抽選設定条件を満たす複数のユーザを決定する処理と、
前記抽選設定条件に基づき、複数のコンテンツを抽選する処理と、
抽選した前記複数のコンテンツを、前記抽選希望条件に基づき、決定した前記複数のユーザに対して配分する処理と、
をコンピュータが実行するゲーム処理方法。
【請求項7】
前記複数のコンテンツを配分した結果
、決定した前記複数のユーザのそれぞれに配分された前記コンテンツに差がある場合に、前記複数のユーザの少なくともいずれかに所与のコンテンツを付与する処理を含む、
請求項6に記載のゲーム処理方法。
【請求項8】
複数のユーザが共同して参加可能な抽選ゲームを実行する情報処理装置であって、
複数のユーザのそれぞれに選択させた抽選希望条件を取得する条件取得部と、
取得した前記抽選希望条件に基づき、予め定められた抽選設定条件を満たす複数のユーザを決定するマッチング部と、
前記抽選設定条件に基づき、複数のコンテンツを抽選する抽選部と、
抽選した前記複数のコンテンツを、前記抽選希望条件に基づき、決定した前記複数のユーザに対して配分し、前記複数のコンテンツを付与するコンテンツ付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項9】
前記コンテンツ付与部は、
前記複数のコンテンツを配分した結果
、決定した前記複数のユーザのそれぞれに配分された前記コンテンツに差がある場合に、前記複数のユーザの少なくともいずれかに所与のコンテンツを付与する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のユーザが共同で抽選を行うゲームであって、抽選されたコンテンツは情報を秘匿して各ユーザに提示され、各ユーザはその中から欲しいコンテンツを選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の手法では各ユーザが欲しいコンテンツを選択するときに、情報が秘匿されている中で選択を行うため、各ユーザが入手したコンテンツの価値に不本意な差が生じ、ユーザ間でトラブルになる場合がある。
【0005】
本開示は、ゲームを行うユーザ間のトラブルを防止することが可能なゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、複数のユーザが共同して参加可能な抽選ゲームをコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、複数のユーザのそれぞれに選択させた抽選希望条件を取得する処理と、取得した前記抽選希望条件に基づき、予め定められた抽選設定条件を満たす複数のユーザを決定する処理と、前記抽選設定条件に基づき、複数のコンテンツを抽選する処理と、抽選した前記複数のコンテンツを、前記抽選希望条件に基づき、決定した前記複数のユーザに対して配分する処理と、をコンピュータに実行させるゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、ゲームを行うユーザ間のトラブルを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実施形態に係るサーバーのハードウェア構成を示す図。
【
図3】実施形態に係る端末装置のハードウェア構成を示す図。
【
図4】実施形態に係るサーバーの機能構成を示す図。
【
図5】実施形態に係るカード購入条件情報の一例を示す図。
【
図7】実施形態に係る当選確率情報の一例を示す図。
【
図9】実施形態に係る端末装置の機能構成を示す図。
【
図10】実施形態に係る抽選処理を示すフローチャート。
【
図11】実施形態に係るカード購入設定画面の一例を示す図。
【
図12】実施形態に係る抽選希望条件設定画面の一例を示す図。
【
図13】実施形態に係るマッチング結果表示画面の一例を示す図。
【
図14】実施形態に係る抽選結果表示画面の一例を示す図。
【
図15】実施形態に係るリソース付与表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0010】
[ゲームシステム]
図1は、実施形態におけるゲームシステム1の構成を示す図である。実施形態のゲームシステム1は、ネットワークN(例えば、インターネット等)を介してゲームに関する各種サービスをプレイヤー(以下、「ユーザ」ともいう。)に提供する。ゲームシステム1は、サーバー10と複数の端末装置30とを有する。サーバー10は、ゲームに関する各種サービスを複数の端末装置30に提供する情報処理装置の一例である。サーバー10は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、クラウドコンピュータ等であってもよい。
【0011】
端末装置30は、ゲームをプレイする際にプレイヤーが使用する情報処理装置の一例である。端末装置30は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム装置、ゲームコントローラ、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、業務用ゲーム装置であってもよい。
【0012】
端末装置30は、サーバー10に対してゲームに関する各種情報(ゲームプログラムやゲーム画面等)の配信要求を行う。サーバー10は、端末装置30から各種情報の配信要求を受け付けると、端末装置30においてプレイするゲームプログラムやゲーム画面のWebページを配信する。
【0013】
端末装置30は、プレイヤーにゲーム画面を表示するWebページを閲覧させるためのWebブラウザ機能を有する。これにより、端末装置30は、サーバー10から配信されたゲーム画面等のWebページを表示することができる。
【0014】
なお、ゲームシステム1に接続された端末装置30は、3つに限られない。サーバー10は、複数のサーバーが連携してサーバー10の機能を実現してもよい。サーバー10は、ネットワークNに接続された複数の端末装置30が敵及び味方に分かれて対戦するオンラインゲームを提供してもよい。ただし、サーバー10は、これに限られず、バスケットやテニス等のスポーツゲーム、レーシングゲーム、街づくりゲーム等、あらゆるゲームを提供できる。また、サーバー10は、ガチャ等により抽選ゲームを提供できる。サーバー10が提供する抽選ゲームは、複数のユーザが共同して参加する抽選ゲームを含む。
【0015】
[サーバー10のハードウェア構成]
次に、サーバー10のハードウェア構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、実施形態に係るサーバー10のハードウェア構成を示す図である。サーバー10は、CPU(Central Processing Unit)126、メモリ127及び通信装置128を有する。CPU126は、サーバー10を制御する。メモリ127は、例えば、CPU126が直接アクセス可能なサーバー10内のメモリなどの記憶媒体である。通信装置128は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0016】
サーバー10は、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種メモリを搭載してもよい。
【0017】
サーバー10は、演算処理により端末装置30を用いてプレイするために必要な各種ゲームデータを端末装置30に提供し、端末装置30で行われるゲーム処理の実行を制御及び管理するゲーム管理機能を有する。サーバー10は、CPU126が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、抽選ゲーム処理を実行する。なお、サーバー10で実現される処理はこれに限られず、適宜追加及び省略が可能である。
【0018】
[端末装置のハードウェア構成]
次に、端末装置30のハードウェア構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係る端末装置30のハードウェア構成を示す図である。端末装置30は、CPU121、メモリ122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、端末装置30を制御する。メモリ122は、例えば、CPU121が直接アクセス可能な端末装置30内のメモリなどの記憶媒体である。通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、カメラ又はタッチパネルなどの入力デバイスである。表示装置125は、ディスプレイなどの出力デバイスである。
【0019】
端末装置30は、サーバー10が提供するゲームを実行する。実施形態の一例では、プレイヤーは、端末装置30を使用して抽選ゲームを行う。サーバー10は、プレイヤーがプレイするバトルゲーム等の合間に抽選ゲームを提供してもよい。
【0020】
[サーバーの機能構成]
次に、サーバー10の機能構成について
図4を参照して説明する。
図4は、実施形態に係るサーバー10の機能構成を示す図である。サーバー10は、制御部11、記憶部12及び通信部13を有する。
【0021】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うと共にサーバー10全体の制御を行う。制御部11は、CPU126が所定のメモリ127に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0022】
記憶部12は、抽選ゲームやその他のゲームを実行するためのゲームプログラム、各種のデータ及び各種の情報を記憶している。記憶部12は、例えばメモリ127によって実現される。記憶部12は、ゲームプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有している。記憶部12は、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性の記憶装置によって実現される。
【0023】
通信部13は、端末装置30及びその他の機器との間で通信を行うための機能を有する。通信部13は、端末装置30から送信される各種データを受信する受信部として機能と、制御部11の指令に応じて各種データを端末装置30へ送信する送信部として機能とを有する。通信部13は、例えば、NIC(Network Interface Card)によって実現される。
【0024】
制御部11は、ゲーム実行処理部14、条件取得部15、マッチング部16、抽選部17、コンテンツ付与部18及び表示部19を有する。ゲーム実行処理部14は、プレイヤーがプレイするゲームに関する処理を実行する機能を有する。実施形態の一例では、ゲーム実行処理部14は、複数のユーザが共同して参加可能な抽選ゲーム処理を、条件取得部15、マッチング部16、抽選部17、コンテンツ付与部18及び表示部19と連携して実行する。
【0025】
条件取得部15は、複数のユーザのそれぞれに選択させた抽選希望条件を取得する。マッチング部16は、取得した抽選希望条件に基づき、予め定められた抽選設定条件を満たす複数のユーザを決定する。条件取得部15は、抽選希望条件が重複しない複数のユーザを、共同して抽選ゲームを行うユーザに決定してもよい。抽選設定条件としては、例えば、
図12に示すように、抽選毎に予め定められた、抽選対象となるカードの属性が一例として挙げられる。ただし、抽選設定条件は、これに限られず、抽選候補となる1種類又は複数種類のコンテンツが予め設定された情報を示す。
【0026】
抽選部17は、抽選設定条件に基づき、複数のコンテンツを抽選する。コンテンツ付与部18は、抽選した複数のコンテンツを、抽選希望条件に基づき、決定した複数のユーザに対して配分する。複数のコンテンツを配分した結果に基づき、複数のユーザの少なくともいずれかに所与のコンテンツを付与してもよい。複数のコンテンツを配分した結果、枚数及びレアリティ等を総合したコンテンツの価値に差がなかった場合は所与のコンテンツを付与せずに処理を終了してもよい。以下では、複数のコンテンツ及び所与のコンテンツの一例として、カードを挙げて説明する。
【0027】
表示部19は、抽選ゲームの画面のWebページを制御する。表示部19が制御するゲーム画面のWebページは、通信部13により端末装置30に送信され、端末装置30の表示部35に表示される。
【0028】
記憶部12は、カード購入条件情報21、カード情報22、当選確率情報23、ユーザ情報24を記憶している。以下、各情報について説明する。
(カード購入条件情報)
カード購入条件情報21は、抽選ゲームで実行されるカード購入条件に関する情報である。
図5は、実施形態に係るカード購入条件情報21の一例を示す図である。カード購入条件情報21は、カード購入方法と購入ポイントの情報を含む。
図5の例では、カード購入方法が「単独」の場合には、一人のユーザが600ポイントを支払うことでカードの抽選ゲームを単独で行うことが可能であることを示す。カード購入方法が「共同」の場合には、二人のユーザが一人300ポイントずつを支払い、合計で600ポイントを支払うことでカードの抽選ゲームを共同で行うことが可能であることを示す。
【0029】
(カード情報)
カード情報22は、抽選ゲームで提供するカードに関する情報である。
図6は、実施形態に係るカード情報22の一例を示す図である。カード情報22は、カードの識別情報であるカードIDとカードの属性とレアリティの情報を含む。
図6の例では、カードID毎に火、水、木、金のいずれかの属性が付与されている。また、レアリティが通常よりも高いカードIDには、中、高等のランクが付与されている。
【0030】
(当選確率情報)
当選確率情報23は、当選確率に関する情報である。
図7は、実施形態に係る当選確率情報23の一例を示す図である。当選確率情報23は、カードIDと当選確率の情報を含む。
図7の例では、カードID毎に当選確率が設定されている。
【0031】
(ユーザ情報)
ユーザ情報24は、ゲームに参加するユーザに関する情報である。
図8は、実施形態に係るユーザ情報24の一例を示す図である。ユーザ情報24は、ユーザの識別情報であるユーザIDと、ユーザ毎に所有するカードIDと、ポイントの残高の情報を含む。
図8の例では、ユーザIDが「A」のユーザは、カードIDが「1、2、3、4、7、10、15、17、20、21・・・・」のカードを所有し、ポイントの残高が570ポイントであることを示す。
【0032】
[端末装置の機能構成]
次に、端末装置30の機能構成について
図9を参照して説明する。
図9は、実施形態に係る端末装置の機能構成の一例を示す図である。端末装置30は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び表示部35を有する。
【0033】
制御部31は、各部間のデータの受け渡しを行うと共に端末装置30全体の制御を行う。制御部31は、CPU121が所定のメモリ122に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0034】
記憶部32は、バスを介して制御部31に接続され、制御部31からの指令に応じて記憶されているデータを参照、読み出し、書き換える処理が行われる。記憶部32は、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等によって実現される。
【0035】
通信部33は、ネットワークNを介してサーバー10との間で通信を行う。通信部33は、サーバー10から送信される各種データを受信する受信部としての機能と、制御部31の指令に応じて各種データをサーバー10へ送信する送信部として機能とを有する。通信部13は、例えば、NIC(Network Interface Card)によって実現される。
【0036】
入力部34は、プレイヤーが各種操作(ゲーム操作等)を行うためのものであり、例えば、操作ボタン、タッチパネル等によって実現される。表示部35は、制御部31からの指令によりゲーム画面を表示するためのものであり、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。表示部35は、サーバー10が生成し、通信部33により受信したゲーム画面のWebページを端末装置30の画面に表示する。
【0037】
[抽選ゲームの概要]
次に、抽選ゲームの概要について説明する。ユーザが、
図5に示すカード購入方法の「単独」購入を選択した場合(
図11参照)、600ポイントを支払うことで、抽選処理が開始する。サーバー10は、当選確率情報23に基づき予め定められた枚数のカードを抽選し、ユーザに提供する。
【0038】
ユーザは、
図5に示すカード購入方法の「共同」購入を選択した場合、抽選希望条件を選択する(
図12参照)。ユーザが、抽選希望条件の設定とともに一人300ポイントを支払うことで、サーバー10は、抽選ゲームのためのマッチング処理を開始する。マッチング処理は、抽選希望条件を設定した複数のユーザのうち、予め定められた抽選設定条件を満たす複数のユーザをマッチングする。実施形態では、複数のユーザの抽選希望条件が重複しないようにマッチングが行われる。そして、サーバー10は、抽選設定条件を満たす複数のユーザのマッチングが完了した場合、マッチングした複数のユーザが共同して参加する抽選処理を実行する。サーバー10は、当選確率情報23に基づき予め定められた枚数のカードを抽選し、抽選したカードを各ユーザの抽選希望条件に基づき配分し、配分したカードを各ユーザに提供する。
【0039】
抽選によりユーザに提供されるカードには、ランダムに様々な種類のカードが含まれる。しかしながら、抽選希望条件が重複しない複数のユーザが共同して抽選ゲームに参加するため、ランダムに様々な種類のカードを各ユーザに分け合うときにユーザ間でトラブルが生じることがなく、各ユーザは自分が希望した条件のカードのみを入手できる。また、複数のユーザが共同購入できる抽選ゲームを提供することにより、単独購入の抽選ゲームでは支払うことができないより高額な抽選を複数のユーザで支払うことで、ユーザ一人当たりの負担を少なくできる。これにより、ユーザは、少額の抽選よりも好条件に設定された高額の抽選を、気軽に楽しむことができる。
【0040】
以下、実施形態に係る抽選ゲームで行われる抽選処理について、
図10~
図15を参照しながら説明する。
図10は、実施形態に係る抽選処理を示すフローチャートである。
図11は、実施形態に係るカード購入設定画面の一例を示す図である。
図12は、実施形態に係る抽選希望条件設定画面の一例を示す図である。
図13は、実施形態に係るマッチング結果表示画面の一例を示す図である。
図14は、実施形態に係る抽選結果表示画面の一例を示す図である。
図15は、実施形態に係るリソース付与表示画面の一例を示す図である。
【0041】
端末装置30からサーバー10に対して抽選ゲームに関する各種情報(ゲームプログラムやゲーム画面等)の配信要求が行われ、サーバー10から端末装置30へゲームコンテンツの提供が開始される。
図10に示す処理は、ゲーム実行処理部14がこのタイミングで抽選ゲームを実行した際に開始される。
【0042】
まず、ゲーム実行処理部14は、カードを購入するかを判定する(ステップS1)。ゲーム実行処理部14は、ユーザ操作によりカードを購入しないと判定した場合、本処理を終了する。一方、ゲーム実行処理部14が、ユーザ操作によりカードを購入すると判定した場合、表示部19は、カード購入設定画面を表示する(ステップS3)。
図11は、カード購入設定画面100の一例を示す。カード購入設定画面100は、カード購入方法と購入ポイントを選択可能に表示する。
図11の例では、「単独購入」の表示部品101と、「共同購入」の表示部品102とが選択可能に表示されている。ユーザがこの画面を使用して共同購入の表示部品102を選択し、決定ボタン103を押下したとする。
【0043】
図10では、条件取得部15が、選択が決定されたかを判定する(ステップS5)。所定時間が経過するまでに決定ボタン103が押下されなかった場合、条件取得部15は、選択が決定されなかったと判定し、本処理を終了する。条件取得部15は、所定時間内に決定ボタン103が押下されたとき、選択が決定したと判定し、購入条件を取得する(ステップS7)。
図11に示すように、共同購入の表示部品102が選択された場合、条件取得部15は、購入条件として「共同購入」を取得する。
【0044】
次に、
図10では、条件取得部15は、共同購入のカードを購入するかを判定する(ステップS8)。条件取得部15が、単独購入のカードを購入すると判定した場合、本処理を終了し、共同購入のカードを購入すると判定した場合、表示部19は、抽選希望条件設定画面を表示する(ステップS9)。
図12は、抽選希望条件設定画面110の一例を示す。抽選希望条件設定画面110は、抽選希望条件を選択可能に表示する。
図12の例では、「火属性カード」の表示部品111と「水属性カード」の表示部品112と「木属性カード」の表示部品113と「金属性カード」の表示部品114とが選択可能に表示されている。また、4つの属性のカードから2つを選択するように指示する表示と、4つの属性のカードの隣りに選択ボタン111a、112a、113a、114aが表示されている。
図12の例では、ユーザがこの画面を使用して「火属性カード」の表示部品111と「水属性カード」の表示部品112との選択ボタン111a、112aを選択し、決定ボタン115を押下したとする。
【0045】
次に、
図10では、条件取得部15は、選択が決定されたかを判定する(ステップS11)。所定時間が経過するまでに決定ボタン115が押下されなかった場合、条件取得部15は、選択が決定されなかったと判定し、本処理を終了する。条件取得部15は、所定時間内に決定ボタン115が押下されたとき、選択が決定したと判定し、抽選希望条件を取得する(ステップS13)。
図12に示すように、共同購入の選択ボタン111a、112aが選択された場合、条件取得部15は、抽選希望条件として「火属性カード」と「水属性カード」との2つの条件を取得する。
【0046】
次に、
図10では、マッチング部16は、予め定められた抽選設定条件を満たすユーザをマッチングする(ステップS15)。例えば、
図12の「火属性カード」の表示部品111と「水属性カード」の表示部品112とを選択したユーザが「プレイヤーA」であった場合、マッチング部16は、「木属性カード」の表示部品113と「金属性カード」の表示部品114とを選択したユーザを探索し、マッチングできた場合に抽選設定条件を満たすユーザのマッチングを完了する。例えば、
図12の「木属性カード」の表示部品113と「金属性カード」の表示部品114とを選択したユーザが「プレイヤーB」であった場合、マッチング部16は、マッチングを完了し、表示部19は、マッチング結果の画面を表示する(ステップS17)。
図13は、マッチング結果の画面120の一例を示す。マッチング結果の画面120は、「火属性カード」の表示部品111と「水属性カード」の表示部品112とを選択した「プレイヤーA」と、「木属性カード」の表示部品113と「金属性カード」の表示部品114とを選択した「プレイヤーB」とのマッチング結果を表示する。プレイヤーAとプレイヤーBのそれぞれが、この画面を使用して決定ボタン116を押下した場合、共同して参加可能な抽選ゲームが開始される。
【0047】
次に、
図10では、条件取得部15は、抽選が決定されたかを判定する(ステップS19)。所定時間が経過するまでにマッチングしたいずれかのユーザが決定ボタン116を押さなかった場合、条件取得部15は、抽選が決定されなかったと判定し、本処理を終了する。条件取得部15は、マッチングしたすべてのユーザが決定ボタン116を押したとき、抽選が決定したと判定し、抽選部17は当選確率情報23に基づき抽選を実行する(ステップS21)。次に、表示部19は、抽選結果の画面を表示する(ステップS23)。
図14に、抽選結果の画面130の一例を示す。
図14の例では、「カード2」、「カード7」、「カード10」の3枚のカードが、火のカードの表示部品132、137、140として表示されている。また、「カード1」、「カード3」、「カード4」の3枚のカードが、水のカードの表示部品131、133、134として表示されている。また、「カード5」、「カード8」の2枚のカードが、木のカードの表示部品135、138として表示されている。また、「カード6」、「カード9」の2枚のカードが、金のカードの表示部品136、139として表示されている。さらに、「カード10」の表示部品140はレアリティのランクが「高」であり、「カード6」の表示部品136はレアリティのランクが「中」であることが表示されている。
【0048】
実施形態に係る抽選処理では、共同購入する複数のユーザの抽選希望条件が重複していない。よって、抽選されたカードのうち、複数のユーザのいずれもが希望した条件のカードは発生しない。これにより、ゲームを行うユーザ間のトラブルを防止することができる。例えば、
図13及び
図14の抽選結果では、3枚の火属性カードと3枚の水属性カードは、プレイヤーAに配分され、2枚の木属性カードと2枚の金属性カードは、プレイヤーBに配分される。
【0049】
次に、
図10では、コンテンツ付与部18は、ユーザ間で抽選結果、つまり、複数のユーザへの複数のカードの配分に差があるかを判定する(ステップS24)。コンテンツ付与部18は、ユーザ間で抽選結果に差がないと判定した場合、本処理を終了する。一方、コンテンツ付与部18は、ユーザ間で抽選結果に差があると判定した場合、複数のユーザの少なくともいずれかにリソースのコンテンツを付与する(ステップS25)。例えば、
図14の抽選結果では、プレイヤーAが6枚のカードを取得し、プレイヤーBが4枚のカードを取得した。これに対して、プレイヤーA、Bが支払ったポイントは同額である。よって、実施形態では、例えば配分されたカードの差分に応じたリソースをカードの枚数が少なく配分されたユーザに付与する。例えば、コンテンツ付与部18は、プレイヤーBに、プレイヤーAが所持したカードの枚数との差分枚数「2枚」だけ抽選希望条件に合致した属性のカードである、木属性カード及び/又は金属性カードを付与する。なお、配分されたカードの枚数に差があるか否かの判定は、コンテンツの価値に差があるか否かの判定の一例である。すなわち、コンテンツの価値に差がある場合には所与のコンテンツを付与し、そうでなければリソースを付与せずに処理を終了する。
【0050】
次に、表示部19は、リソース付与画面を表示し(ステップS27)、本処理を終了する。
図15に、リソース付与の画面150の一例を示す。
図15の例では、抽選希望条件に合致した木属性の「カード11」の表示部品151及び金属性の「カード12」の表示部品152に示される2枚のカードがプレイヤーBに付与されている。これにより、各ユーザが入手したコンテンツの価値に不本意な差が生じないようにリソースのコンテンツを付与することでユーザ間のトラブルを防止することができる。
【0051】
[変形例]
実施形態では、リソースのコンテンツの一例として、共同購入したユーザのカードの枚数の差分と同数のカードであって抽選希望条件に合致したカードを、カードの枚数が少なく配分されたユーザに付与した。
【0052】
ただし、リソースのコンテンツの付与は、これに限られない。例えば、リソースのコンテンツは、所定数集めると好きなカードが一枚作成できるようなポイント又は仮想通貨であってもよい。リソースのコンテンツを付与する際の倍率を変化させても良い。例えば、倍率を差分の2倍とし、2倍のリソースのコンテンツを付与してもよい。また、共同購入したユーザのカードの価値の差分の算出は、カードの枚数だけでなくレアリティを比較しても良い。例えば、共同購入したユーザのカードの枚数が同数であっても、レアリティの高いカードの割合が低いプレイヤーに、その価値の差分に応じたリソースのコンテンツを付与してもよい。つまり、コンテンツの価値をコンテンツの枚数やランク(レベル)で評価し、コンテンツの価値に応じたリソースのコンテンツを付与してもよい。
【0053】
また、共同購入したユーザのカードの価値の差分の算出は、カードの枚数の差分又はレアリティの違いを、リソースのポイントに換算して比較しても良い。例えば、配分されたすべてのカードについて、通常カードを10ポイント相当、レアリティが「高」のカードを100ポイントと相当、レアリティが「中」のカードを50ポイントと相当して換算し、そのポイントを比較してポイントの差分に応じたリソースのコンテンツを付与してもよい。
【0054】
以上のように、リソースのコンテンツは、共同購入する複数のユーザのうち複数のコンテンツの配分が少ないユーザに、少ない配分の価値に応じて付与してもよい。また、リソースのコンテンツは、共同購入する複数のユーザのうち複数のコンテンツの配分が少ないユーザに、前記少ない配分に所定の比率を乗じたリソースのコンテンツを付与してもよい。
【0055】
なお、実施形態で例示したカードは、抽選対象となるコンテンツの一例であり、これに限られない。抽選対象となるコンテンツの他の例としては、キャラクタ、アイテム、スキル等が挙げられる。また、カードの属性の一例として、火、水、木、金の属性を例示したが、これに限られない。例えば、コンテンツの属性は、剣、弓、馬等の武器の種類であってもよい。
【0056】
また、実施形態では、抽選希望条件の一例としてカードの属性を挙げたが、これに限られない。抽選希望条件の他の例としては、レアリティの高いコンテンツ以外は不要という条件であってもよい。これにより、レアリティの低いコンテンツを抽選希望条件としているユーザとのマッチングをしてもよい。抽選希望条件の他の例としては、自分の持っているコンテンツは不要という条件、又はその他の条件を指定してもよい。
【0057】
また、実施形態では、共同購入するユーザの数を複数であって予め定められた数としたが、これに限られない。例えば、ゲームを実行しているプレイヤーの数に基づき、共同購入するユーザの数を決定してもよい。
【0058】
さらに、変形例に係る抽選ゲームでは、例えば、レアリティの高い所定枚数のコンテンツを事前に選んでおいて、それ以外のコンテンツは等分に配分するようにしてもよい。つまり、コンテンツの全部を指定するのではなく、その一部を抽選希望条件に従い指定して購入する購入方法であってもよい。この場合、抽選希望条件の指定は、抽選対象となるコンテンツの一部に対して機能し、その他のコンテンツは等分に配分できる等を設定することで、抽選ゲームの自由度を高め、抽選ゲームの趣向性を高めることができる。
【0059】
以上に説明したように、実施形態及び変形例に係る抽選ゲームによれば、ゲームを行うユーザ間のトラブルを防止することができる。また、共同購入する複数のユーザのそれぞれが入手したコンテンツの価値に不本意な差が生じないようにリソースのコンテンツを付与することでユーザ間のトラブルを防止することができる。
【0060】
更に、個々のユーザが単独で抽選ゲームに投入する課金単価を引き上げるには限界があるが、他のユーザと共同購入することにより課金単価を引き上げることができる。これにより、複数のユーザによる高額課金によって、各ユーザは、低額の抽選よりも魅力のある抽選や多彩な抽選を行うことができ、実行できる抽選の幅を広げることができる。魅力のある抽選の一例としては、高額課金の抽選では低額課金にはない特典が付与される場合がある。例えば、1回のガチャではどのコンテンツが当たるかわからない。この場合、共同購入により10回連続したガチャを実行すると、10回のガチャに、確実にレアコンテンツが含まれるようにする等の特典をつけることができる。このように高額課金によって、レアコンテンツが当たる確率が上がったり、別のコンテンツを取得できるなどの特典の幅を広げることができる。これにより、抽選ゲームのサービスを提供するサーバー10の提供者と、サービス利用側である端末装置30を使用して抽選ゲームを行うユーザの両方が利益を得られる仕組みを提供できる。
【0061】
今回開示された実施形態に係るゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ゲームシステム
10 サーバー
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 ゲーム実行処理部
15 条件取得部
16 マッチング部
17 抽選部
18 コンテンツ付与部
19 表示部
21 カード購入条件情報
22 カード情報
23 当選確率情報
24 ユーザ情報
30 端末装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部