(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】詰め替え品またはモジュール付きの産物分配デバイス
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20231208BHJP
B05C 17/005 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B05C17/005
(21)【出願番号】P 2019539753
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2018051899
(87)【国際公開番号】W WO2018138231
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-11-30
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515213881
【氏名又は名称】ジェーベー デヴェロップメント
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】ブーレ,ギョーム
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0097386(US,A1)
【文献】特開2015-143122(JP,A)
【文献】登録実用新案第3159981(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第00625376(EP,A1)
【文献】特開2001-063781(JP,A)
【文献】特開2000-255656(JP,A)
【文献】特表2001-501157(JP,A)
【文献】特表平08-510198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B05C 17/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
詰め替え品またはモジュール付きの産物分配デバイスであって、
- ヘッド(2)と分配される産物を収容しているリザーバ(3)とを有し、前記ヘッド(2)が前記リザーバ(3)の内部を前記ヘッド(2)の出口(6)に接続する導管(25)を有するモジュール(1)と、
- 上部品(20)と下部品(8)とを含む少なくとも2つの相互に可動な部品を有し、前記少なくとも2つの部品が前記モジュール(1)を内部に収容して組み立てられるように構成されたハウジング(7)と、を備え、
前記ヘッド(2)は、
- 前記導管(25)が貫通する変形可能なチャンバ(45)と、
- 開状態では前記リザーバ(3)から前記チャンバ(45)の内部への流体の通過を許容し、閉状態では流体の通過を許容しない供給弁(4)と、
- 開状態では前記チャンバ(45)の内部から前記出口(24)への流体の通過を許容し、閉状態では流体の通過を許容しない分配弁(5)と、を備え、
前記ハウジング(7)は、オリフィス(56)を有し、前記オリフィス(56)は前記出口(6)が通るように構成され、
- 前記上部品(20)が前記オリフィス(56)を備えているか、または
- 前記オリフィス(56)が、前記下部品(8)と前記上部品(20)とによってそれぞれ担持された2つの周縁部(56a,56b)によって形成され、
前記ヘッド(2)が少なくとも部分的に前記上部品(20)の内側に挿入され、
前記上部品(20)と前記下部品(8)が組み立てられるとき、前記ヘッド(2)の前記出口(6)が前記オリフィス(56)を通過するように構成されていることを特徴とする。
【請求項2】
前記オリフィス(56)が横方向のオリフィスであることを特徴とする、請求項1に記載の産物分配デバイス。
【請求項3】
前記上部品(20)を前記下部品(8)にねじ止めするためのねじ手段(17)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の産物分配デバイス。
【請求項4】
前記上部品(20)は、挿入方向(27)に沿って前記上部品(20)への前記ヘッド(2)の挿入を案内するように構成された案内手段(81,28,29,88,89)を備え、これらの案内手段は、
- 挿入の第1段階において、前記ヘッドの前記出口(6)を、前記挿入方向(27)に平行な第1の案内面(60)内に保ちながら、前記挿入方向(27)に沿って前記上部品(20)への前記ヘッド(2)の挿入を案内する第1の案内手段(81)と、
- 挿入の第2段階において、前記ヘッドの前記出口(6)を、前記挿入方向(27)に平行な第2の案内面(61)に持って行くように、少なくとも部分的に前記挿入方向(27)に沿って前記上部品(20)への前記ヘッド(2)の挿入を案内する第2の案内手段(28,29,88,89)と、を備え、
前記第2の
案内面(61)は、前記出口(6)が前記オリフィス(56)を通過するように、前記第1の
案内面(60)に対し、前記オリフィス(56)の方向にオフセットされ、
前記第1の案内面(60)と前記第2の案内面(61)の位置は、前記上部品(20)の静止座標系に定義されている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の産物分配デバイス。
【請求項5】
前記ヘッドに備えられ前記ハウジングの前記下部品(8)と前記上部品(20)の間にクランプまたは保持されて前記モジュール(1)を保持するフランジまたは止め具(16)を備えているか、または
前記ハウジングに備えられ前記下部品(8)および/または前記上部品(20)に少なくとも部分的に挿入されて前記モジュール(1)を保持する第3の部品(11)を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の産物分配デバイス。
【請求項6】
前記変形可能なチャンバ(45)は、壁(18)によって少なくとも部分的に区切られ、前記壁の変位が前記変形可能なチャンバ(45)の容積の変化を引き起こすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の産物分配デバイス。
【請求項7】
前記チャンバ(45)の厚さが、前記変形可能なチャンバ(45)の最大幅(d1)よりも少なくとも2倍小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の産物分配デバイス。
【請求項8】
前記ハウジング(7)は、前記少なくとも2つの部品を組み立てるため力を組み立て力として前記ハウジング(7)の外側から受けるように構成され、前記モジュール(1)を内部に収容して組み立てられるとき、前記組み立て力を、前記リザーバ(3)に収容された産物を前記チャンバ(45)に送って前記デバイスを始動させるための力である始動力に変換して前記リザーバ(3)に及ぼすための手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の産物分配デバイス。
【請求項9】
前記上部品(20)または前記下部品(8)は、前記組み立て力に対して前記始動力を増大させるための手段を備えていることを特徴とする請求項
8に記載の産物分配デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産物を分配するためのデバイス、およびそのようなデバイス用のモジュールまたは産物カートリッジに関する。本発明はまた、そのようなデバイスを組み立てる方法に関する。
本発明の分野は、より具体的には、例えば製薬または化粧品または農業食品などの産業における産物である液体、ゲル、またはクリームの分配に係る分野である。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献FR3005459A1に記載されているような、産物を分配するためのデバイスが知られている。そのようなデバイスは、
- ユーザが押すことができるチャンバと、
- リザーバと、
- チャンバからデバイス外に向けて産物を出すための分配弁と、
- リザーバからチャンバへ産物を通過させるための供給弁と、を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このデバイスは、優れているが、まだ技術的な問題があるため、改良の余地がある。
分配弁は、バクテリアと酸素がリザーバに入るための特別なドアとなる。分配弁がきつくなるほど、デバイスが始動することがより困難になり、チャンバ内に最初に存在するガスが分配弁を通って出ることが困難になって、チャンバ内に最初に含まれるガスが、逆に供給弁を通ってリザーバへ移動してしまう。
【0004】
第1の問題は、始動の問題であり、デバイスが新しくてチャンバが空気で満たされているとき、ユーザはリザーバから産物をポンプで汲み出してチャンバを満たそうとしてチャンバを押す。チャンバを押すと、空気は供給弁を通り、分配弁ではなく供給弁を通過することがある。その場合、産物をリザーバからチャンバ内に汲み上げることはできない。
【0005】
この種のデバイスに関する別の問題は、リザーバが空になったとき、リザーバの内容物を汚染する危険をおかすことなくリザーバを簡単に交換することができないことにある。
この種のデバイスがもたらす別の問題は、その使用によって発生する減らすべき廃棄物にある。
本発明の目的は、上記課題の少なくとも一つを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、以下を備える分配デバイスによって達成され、この分配デバイスは、
- ヘッドとリザーバとを有し、リザーバの内部をヘッドの出口に接続する導管をヘッドが有する、モジュールと、
- 互いに相対的に移動可能な少なくとも2つの可動部品、すなわち上部品と下部品とを有し、この少なくとも2つの部品が、内側にモジュールを収容するように、組み立てられる構成とされているハウジングと、を備えている。
【0007】
ヘッドは、変形可能なチャンバを有してもよい。この場合、導管は、好ましくは変形可能なチャンバを通り、その変形可能なチャンバの内側は、
- 供給弁によってリザーバから分離され、および/または、
- 分配弁によってヘッドの出口から分離され、および/または、
- 少なくとも部分的に壁によって区画され、その壁の変位は変形可能なチャンバの容積の変化を引き起こし、好ましくは少なくとも変形可能なチャンバが、分配される産物によって(好ましくは完全に)満たされているとき、チャンバの容積の増加は、(実施形態において存在する弁に応じて)分配弁を閉じ、および/または供給弁を開き、好ましくは少なくとも変形可能なチャンバが分配される産物によって(好ましくは完全に)満たされているとき、チャンバの容積の減少は、(実施形態において存在する弁に応じて)供給弁を閉じ、および/または分配弁を開く。
【0008】
変形可能なチャンバは、少なくとも部分的に変形可能な壁(好ましくは柔軟)および/または底壁(好ましくは剛性)によって画定されてもよい。
少なくとも2つの部品が組み立てられてモジュールがハウジングの中に収納されると、上部品はハウジングの外側から押圧力を受けられるように構成されてもよく、その押圧力に基づいて、変形可能なチャンバに分配力を及ぼす手段を備えてもよい。
上部品は、好ましくはてこ作用によって、押圧力を分配力に増加させる手段を有してもよい。
ヘッドはスカートを含んでもよく、リザーバはスカートに溶接され、好ましくはスカートの外周に溶接されてもよい。
【0009】
少なくとも2つの部品は、好ましくは、少なくとも2つの部品を組み立てるためにハウジングの外側から組み立て力を受けるように構成されてもよく、モジュールがハウジング内に収容されて少なくとも2つの部品を組み立てるとき、組み立て力に基づく始動力をリザーバに及ぼすための手段を備えてもよい。
始動力を及ぼすための手段は、リザーバ内に入っている産物が導管を通って(好ましくは少なくとも変形可能なチャンバの中に)出て行くように、リザーバを押しつけるように構成されることが好ましい。
【0010】
始動力を及ぼすための手段は、以下を有してもよい:
- 2つの押圧点であって、モジュールがハウジング内に収容されて少なくとも2つの部品が組み立てられると、リザーバが少なくとも2つの押圧点の間に位置してリザーバと接触するように構成された少なくとも2つの押圧点、および/または、
- ハウジングによって画定された空間の内壁であって、始動力がないときリザーバの容積よりも小さい容積を有する空間の内壁。
- 上部品と一体の上押圧要素および下部品に固定された下押圧要素であり、モジュールがハウジング内に収容されて少なくとも2つの部品が組み立てられると、上押圧要素および下押圧要素はリザーバと接触し、リザーバは上押圧要素と下押圧要素との間に位置するように構成されている。
【0011】
始動力を及ぼすための手段は、
- 下部品と、または、
- 少なくとも部分的に下部品および/または上部品に挿入されているハウジングの第3の部品と、相互依存的であってもよい。
始動力を及ぼすための手段は、モジュールがハウジング内に収容されて少なくとも2つの部品が組み立てられると、モジュールのヘッドよりもリザーバの近くにあるように構成されてもよい。
【0012】
リザーバは、導管に接続された開端部と、閉端部と、を含む2つの対向端部を有してもよい。
始動力を及ぼすための手段は、モジュールがハウジング内に収容されて少なくとも2つの部品が組み立てられると、リザーバの開端部よりもリザーバの閉端部の近くにあるように構成されてもよい。
【0013】
前記少なくとも2つの部品は、組み立て力に対して始動力を増大させる手段を有してもよい。
始動力を増大させる手段は、
- 上部品を下部品にねじ込むためのねじ手段、および/または、
- 上部品と下部品との間の接合点を動かないように保ち、上部品を下部品に対して軸支させて、上部品と下部品とを組み立てるように構成されたレバー手段を有してもよい;接合点は、モジュールがハウジング内に収容されて少なくとも2つの部品を組み立てるときに、モジュールのヘッドよりもリザーバの近くにあるように構成されることが好ましい。
【0014】
モジュールは、導管内または導管に接続されたリザーバの出口に、閉状態または開状態の蓋を有してもよい。
この蓋は、
- その閉状態では、流体(気体および/または液体)および/または産物がリザーバから変形可能チャンバへ、および変形可能チャンバからリザーバへ、のいかなる循環も防止し、そして
- その開状態では、そのような循環を許容する、ように構成されていてもよい。
蓋は、好ましくは、リザーバの出口またはリザーバの出口と供給弁との間の導管内に配置される。
【0015】
蓋は、リザーバへの始動力の作用で開口および/または穿孔および/または破壊されるように、構成されてもよい。
モジュールは、ハウジングの内側にモジュールを収容して少なくとも2つの部品が組み立てられる前において、導管向きに位置する蓋の面とリザーバの内側向きに位置する蓋の面との間の圧力差を有してもよく、蓋は閉状態にあり、圧力はリザーバの内側向きに位置する蓋の面におけるよりも導管向きに位置する蓋の面の方が低く、その圧力差は好ましくは少なくとも0.3バール、好ましくは少なくとも0.5バール、好ましくは少なくとも0.7バールである。
【0016】
モジュールは、ハウジングの内側にモジュールを収容して少なくとも2つの部品を組み立てる前において、ヘッドの出口を閉じるストッパを有してもよい。
モジュールは、始動力の作用下で蓋の方向に移動して蓋を開口および/または穿孔および/または破断するように構成された穿孔要素を、リザーバの内側に備えてもよい。
【0017】
上部品は、少なくとも2つの部品を組み立てるときに、挿入されたモジュールのヘッドを少なくとも部分的に上部品の内側に受け入れるように、構成されていてもよい。
【0018】
上部品はオリフィスを有し、ヘッドが少なくとも部分的に上部品の内側に挿入され、少なくとも2つの部品が組み立てられると、ヘッドの出口がオリフィスを通過するように構成されていてもよい。
上部品が少なくとも部分的に上部品の内側に挿入され、少なくとも2つの部品が組み立てられると、モジュールを構成する様々な要素ののうち、ヘッドの出口および/またはヘッドの出口を担持している(そして好ましくはオリフィスから出ている)注ぎ口だけが見えるように構成されていてもよい。
【0019】
上部品は、挿入方向に沿って上部品へのヘッドの挿入を案内するように構成された案内手段を備えていてもよく、この案内手段は、
- 挿入の第1段階において、ヘッドの出口を、挿入方向に平行な第1の案内面内に保って、挿入方向に沿って上部品へのヘッドの挿入を案内する手段と、
- 挿入の第2段階において、ヘッドの出口を、挿入方向に平行な第2の案内面に持って行くように、少なくとも部分的に挿入方向に沿って上部品へのヘッドの挿入を案内する手段と、を備えており、第2の平面は、第1の面に対し、オリフィスの方向にオフセットされている。
【0020】
ハウジング(好ましくはハウジングの上部品)は、挿入の第2段階の終わりにヘッド2をハウジング内に固定するための手段を有することができ、その結果、ハウジングに押圧力がかかるか、またはヘッドに分配力が作用しても、ヘッドの出口は動かないようにされる。
【0021】
ヘッドは、フランジまたは止め具を有してもよい。ヘッドは、ハウジングの2つの部品の間に、好ましくは一方が他方にねじ止めされるハウジングの2つの部品の間に、好ましくは上部品と下部分との間に、フランジまたは止め具を締め付けまたは保持することによって、上部品に保持することができる。
【0022】
本発明によるデバイスは、ヘッドを、より好ましくは変形可能なチャンバを、押圧するように構成された剛性部分を有してもよい。この剛性部分は、好ましくは、
- ハウジングを貫通するステムであって、その一端がハウジングの内側に位置し、好ましくは変形可能なチャンバに接続されたステム、および/または、
- 注ぎ口、を備えている。
【0023】
本発明によれば、
- ハウジングはライニング壁を有してもよく、ハウジングは、ハウジングの少なくとも2つの部分が組み立てられてモジュールがハウジングの内側に収容されると、リザーバの壁とライニング壁とが閉じられた空間を少なくとも部分的に画定するように構成され、
- 本発明によるデバイスはさらに、ライニング壁をリザーバに押し付けるように構成された手段を有してもよく、好ましくはこの空間の内側に低圧を形成するための、または、この空間からガスを外側に吸引するための手段を有してもよい。
ハウジングは、ハウジングの少なくとも2つの部品に加えられる力を変形可能なチャンバに及ぼすレバー手段を有するクランプを形成してもよい。
【0024】
本発明によるデバイスは、ヘッドを押圧するように構成された剛性部分を有してもよい。この剛性部分には、次のものが含まれる:
- 好ましくはハウジングを貫通するステム。変形可能なチャンバは、少なくともその最大幅の位置において、ステムとチャンバとの接続部における幅よりも少なくとも2倍、幅が広くてもよい。チャンバの厚さは、チャンバの最大幅より少なくとも2倍小さくてもよい。および/または、
- 注ぎ口。変形可能なチャンバは、注ぎ口に押し込まれたかまたは配置されたパイプと一体であってもよく、そのパイプの遠端(すなわちリザーバから最も遠い端)は、分配される産物の通路に対して開くことができる閉じた唇を形成してもよい。
【0025】
本発明に係るデバイスは、注ぎ口および/またはステムを分解するように構成された手段を有してもよい。
【0026】
ハウジングは、ヘッドの容積の少なくとも50%を覆うものであってもよい。
ヘッドは、底壁を備え、モジュールは底壁によってハウジング内に保持され、リザーバは底壁に固定または溶接されてもよい。
【0027】
本発明のさらに別の態様によれば、産物分配デバイス用、特に本発明による分配デバイス用のモジュールが提供され、前記モジュールはヘッドとリザーバとを有し、ヘッドはリザーバの内部をヘッドの出口に接続する導管を有する。
【0028】
ヘッドは、変形可能なチャンバを有してもよい。この場合、導管は、好ましくは、変形可能なチャンバを通り、その変形可能なチャンバの内側は、
- 供給弁によってリザーバから分離され、および/または、
- 分配弁によってヘッドの出口から分離され、および/または、
- 壁によって少なくとも部分的に画定され、その壁は変位することによって、変形可能なチャンバの容積を変化させ、チャンバの容積の増加は、好ましくは少なくとも変形可能なチャンバが(好ましくは完全に)分配される産物で充填されているとき、分配弁を閉じて供給弁を開き、チャンバの容積の減少は、好ましくは少なくとも変形可能なチャンバが(好ましくは完全に)分配される産物で充填されているとき、供給弁を閉じて分配弁を開く。
【0029】
変形可能なチャンバは、少なくとも部分的に変形可能な壁(好ましくは柔軟性)および/または底壁(好ましくは剛性)によって画定されていてもよい。
リザーバは、導管に接続された開端部(リザーバの出口とも呼ばれる)および閉端部を含む2つの対向端部を有してもよい。これら2つの端部はリザーバの伸長方向によってつながっている。
【0030】
ヘッドは、スカート(好ましくはリザーバの伸長方向と平行に延びる)を有してもよく、リザーバは、好ましくはスカートに溶接され、好ましくはスカートの外周に溶接される。
ヘッドは、フランジまたは止め具を有していてもよく、そのフランジまたは止め具はリザーバの伸長方向に対して垂直にヘッドの外側に向かって延びて、好ましくは案内フィンガを有する。
【0031】
モジュールは、導管内にまたは導管に接続されたリザーバの出口に、閉じた状態の蓋を有してもよい。この蓋は、その閉状態において、リザーバから変形可能なチャンバへの、および変形可能なチャンバからリザーバへの、流体(気体および/または液体)および/または産物の、いかなる流れをも防ぐように構成されている。
蓋は、リザーバの出口、またはリザーバの出口と供給弁との間の導管内に配置されるのが好ましい。
蓋は、リザーバに加えられる始動力の作用下で開口および/または穿孔および/または破断するように構成されていてもよい。
【0032】
モジュールは、導管向きに位置する蓋の面とリザーバの内側向きに位置する蓋の面との間の圧力差を有してもよく、蓋は閉状態にあって、圧力はリザーバの内側向きに位置する蓋の面におけるよりも導管向きに位置する蓋の面の方が低く、その圧力差は好ましくは少なくとも0.3バール、好ましくは少なくとも0.5バール、好ましくは少なくとも0.7バールである。
【0033】
モジュールは、ヘッドの出口を閉じる取り外し可能なストッパを有してもよい。
モジュールは、リザーバに加えられた始動力の作用下で蓋の方向に移動して蓋を開口および/または穿孔および/または破断するように構成された穿孔要素を、リザーバの内側に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の他の利点および詳細は、実施形態および非限定的な実施形態の詳細な説明、ならびに以下の添付の図面を読めば明らかになるであろう。
図1から
図9は、本発明の第1の実施形態に係るデバイス101の図であり、これは本発明の好ましい実施形態である。
【
図1】
図1はデバイス101を構成する様々な要素の分解図である。
【
図4】
図4はデバイス101の変形例の一部の側面断面図である。
【
図5】
図5は組み立て中のデバイス101の一部の側面断面図である。
【
図6】
図6は組み立て終了時におけるデバイス101の一部の側面断面図である。
【
図7】
図7は組み立て終了時のデバイス101の一部の別の側面断面図である。
【
図8】
図8はデバイス101のモジュール1のヘッド2を上から見た図である。
【
図9】
図9はデバイス101の上部を下から見た図である。
【0035】
図10から
図13は本発明の第2の実施形態に係るデバイス102の図である。
【
図10】
図10はデバイスを構成する様々な要素の分解図である。
【
図13】
図13は組み立て中のデバイス102の一部の側面断面図である。
図14から
図22は、本発明の第3の実施形態に係るデバイス103の図である。
【
図14】
図14はデバイス103を構成する様々な要素の分解図である。
【
図17】
図17はその「バッグ」変形形態におけるデバイス103のためのモジュール1の斜視断面図である。
【
図20】
図20はモジュール1の「バッグ」として知られる異なる変形例を有するデバイス103の一部の側面断面図である。
【
図21】
図21はモジュール1の「チューブ」として知られる異なる変形例を有するデバイス103の一部の側面断面図である。
【
図22】
図22はモジュール1の「チューブ」として知られる異なる変形例を有するデバイス103の一部の側面断面図である。
【0036】
【
図23】
図23は説明された実施形態のうちのいずれかに対する、モジュール1のストライカ94の斜視図である。
【
図24】
図24は説明した実施形態のうちのいずれかに対する蓋50の変形例の斜視図である。
【
図25】
図25は説明した実施形態のうちのいずれかに対する蓋50の変形例の斜視図である。
【
図26】
図26は説明した実施形態のうちのいずれかの蓋50の側面断面図である。
図27から
図29は、本発明の第4の実施形態に係るデバイス104の図である。
【
図29】
図29はデバイス104を構成する様々な要素の分解図である。
【0037】
図30から
図34は、本発明の第5の実施形態に係るデバイス105の図である。
【
図30】
図30はデバイスを構成する様々な要素の分解図である。
【0038】
図35から
図38は、本発明の第6の実施形態に係るデバイス106の図である。
【
図35】
図35はデバイス106を構成する様々な要素の分解図であり、この図の上に副部品201のための2つの変形例がある。
【
図36】
図36は始動前のデバイス106の側面断面図である。
【
図37】
図37は始動後のデバイス106の側面断面図である。
【0039】
図39から
図42は、本発明の第7の実施形態に係るデバイス107の図である。
【
図40】
図40はデバイスを構成する様々な要素の分解図である。
【
図42】
図42はデバイス107の変形例の一部の側面断面図である。
【0040】
【
図43】
図43はデバイス101の変形例の一部の側面断面図である。
図44および
図45は本発明の第8の実施形態に係るデバイス108の図である。
【
図46】
図46は本発明の第9の実施形態に係るデバイス109の側面断面図である。
【
図47】
図47は本発明の第10の実施形態に係るデバイス110の変形例の側面断面図である。
【
図48】
図48は本発明の第10の実施形態に係るデバイス110の変形例の側面断面図である。
【0041】
これらの図を軽くするため、これらの図には産物が示されてない。リザーバ3から出口6まで産物が通過する経路67が非常に概略的に示されているだけである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の特徴及び効果は実施形態の詳細な説明を読めば明らかであり、添付図面を参照しつつ説明する。本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特に、以下に記載され図示された複数の特徴から選択され、その他の特徴から孤立した特徴を1つしか備えていない本発明の変形例も、(その選択された特徴がその他の複数の特徴を備えた文の中で孤立していたとしても)、その選択された特徴が、技術的な有利性を議論したり、本発明を従来技術と区別するのに十分であるならば、本発明であると見なすことができる。この選択は、構造的な詳細がなくても、或いは、構造的な詳細の一部分しかなくとも、その一部分だけでも、技術的な有利性を議論したり、本発明を従来技術と区別するのに十分であるならば、少なくとも1つの好ましい機能的な特徴を備えているものとみなすことができる。
【0043】
最初に、
図1から
図9および
図23から
図26を参照して、本発明の実施形態に係るモジュール1、およびそのようなモジュール1を備える本発明の第1の実施形態に係るデバイス101について説明する。
【0044】
分配デバイス101は、
- 取り外し可能なモジュール1(詰め替え品とも呼ばれる)であって、ヘッド2と柔軟性のリザーバ3とを有し、そのリザーバ3の内部をヘッド2の出口6に接続する導管25をヘッド2が有している、モジュール1と、
- ハウジング7(典型的にはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)またはガラスまたは金属)であって、互いに相対的に移動可能な少なくとも2つの可動部分、すなわち上部品20と下部品8を有し、この少なくとも2つの部分が、ハウジング7の内側にモジュール1を収容するように、組み立てられる構成とされている、ハウジング7と、を備えている。
【0045】
リザーバ3は、産物を有するものであり、その産物は好ましくは流体であり、好ましくは液体、クリーム、ペースト、ゲル、またはこれらの混合物である。
モジュール1は、ハウジング7内にあり、取り外し可能かつ交換可能である。
ヘッド2は、出口6を有する注ぎ口13を備える。
モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20が組み立てられた後において、出口6を成す注ぎ口13は、上部品20から突出しているか少なくとも面一である。
注ぎ口13は、好ましくはオリフィス56から出ている。
【0046】
本発明に係るモジュール1の実施形態をより詳細に説明する。
ヘッド2は、キャップ49とプラグ97(例えばポリプロピレン(PP)製)とを有し、プラグ97はキャップ49に挿入されてヘッド2を形成する。
【0047】
ヘッド2は、
- 変形可能な柔軟部18、後で符号455でも参照される(典型的には、熱可塑性エラストマー(TPE)またはオクテンとエチレンとのコポリマーまたは非常に薄い部分でポリプロピレン)と、
- 硬質材料(例えばポリプロピレン(PP))で成る一部(残りすべて)と、を備え、これら2つの部分は、バイインジェクションまたはオーバーモールドまたは組み立てによって得られる。
ヘッド2は、変形可能なチャンバ45を有し、導管25は変形可能なチャンバ45を貫通する。
【0048】
変形可能なチャンバ45の内側は、
- 柔軟性の供給弁4(典型的には熱可塑性エラストマー(TPE)または75ショアAのオクテンとエチレンのコポリマー製)によってリザーバ3から分離され、
- 柔軟性の分配弁5(典型的には熱可塑性エラストマー(TPE)または75ショアAのオクテンとエチレンのコポリマー製)によってヘッド2の出口6から分離され、
- 少なくとも一部が柔軟壁18によって区切られており、柔軟壁18は、壁18の変位が変形可能なチャンバ45の容積の変化を引き起こし、少なくとも変形可能なチャンバ45が分配される産物で(好ましくは完全に)満たされているるときチャンバの容積の増加が分配弁5を閉じて供給弁4を開き、そして、少なくともチャンバ45が分配されるべき産物で(好ましくは完全に)満たされているときチャンバの容積の減少が供給弁4を閉じて分配弁5を開く、ように構成されている。
【0049】
開いているとき、供給弁4は、典型的にはリザーバ3からチャンバ45へ、流体、ガス、および/または産物の通過を許容する。
閉じているとき、供給弁4は、産物のそのような通過を許容せず、好ましくは、流体、および/または気体のそのような通過を許容しない。
開いているとき、分配弁5は、典型的にはチャンバ45から出口6へ、流体、ガス、および/または産物の通過を許容する。
閉じているとき、分配弁5は、そのような通過を許容せず、好ましくは流体および/または気体のそのような通過を許容しない。
平面62があり、それは、一方の側にリザーバ3、他方の側にチャンバ45、壁18、弁4、弁5、および出口6を分離する。
【0050】
従って、導管25は、次を通過する。
- チャンバ45、
- リザーバ3の出口52からチャンバ45の内部容積に産物を導くように構成された供給導管、
- チャンバ45を供給導管に接続する供給オリフィス、
- 供給弁4、この供給弁4は、開状態(チャンバ45の内部容積を部分的に画定する押圧部18に(ヘッド2の外側から)加えている圧力を解放することによって押圧部18を移動させるとき、または(蓋50が存在しないかまたは開いている場合に)リザーバ3を変形させるに十分な大きさの始動力か圧力をリザーバ3に加えるときに得られる状態)において、供給導管から供給オリフィスを通ってチャンバ45の内部に流体、ガスおよび/または産物が通過するのを許容し、閉状態(チャンバ45の内部容積を部分的に画定する押圧部18に(ヘッド2の外側から)圧力を加えることによって押圧部18を移動させるとき、または何もしていないときに得られる状態)において、その通過を許容せず、供給弁4は、膜を有し、その膜は、この供給弁4の閉状態ではこの供給オリフィスを塞ぐように供給オリフィスに対して押圧され、この供給弁4の開状態ではこの供給オリフィスを開くように供給オリフィスから離れ、供給弁4は、キャップ49とプラグ97(および供給導管)から独立した部品であり、チャンバ45の側に(少なくともその膜が)収容されており、
【0051】
- チャンバ45の内部容積から出口6へ産物を導くように配置された分配導管、
- チャンバ45を分配導管に接続する分配オリフィス、
- 分配弁5、この分配弁5は、開状態(チャンバ45の内部容積を部分的に画定する押圧部18に(ヘッド2の外側から加えられる)圧力を加えることによって押圧部18を移動させるときか、または(蓋50が存在しないかまたは開いている場合に)リザーバ3を変形させるに十分な大きさの始動力か圧力をリザーバ3に加えるとき、に得られる状態)において、チャンバ45の内部から分配オリフィスを通って分配導管に流体、ガスおよび/または産物が通過するのを許容し、閉状態(チャンバ45の内部容積を部分的に画定する押圧部18に(ヘッド2の外側から)加えている圧力を解放することによって押圧部18を移動させるとき、または何もしていないときに得られる状態)において、チャンバ45の内部から分配導管に流体、ガスおよび/または産物が通過するのを許容せず、分配弁5は、キャップ49およびプラグ97(および分配導管)とは独立した部品であり、分配導管内に(完全に)収容されており、分配弁5は、膜を有し、その膜は、この分配弁5の閉状態ではこの分配オリフィスを塞ぐように分配オリフィスに対して押圧され、この分配弁5の開状態ではこの分配オリフィスを開くように分配オリフィスから離れる。
【0052】
分配オリフィスは、分配導管の側壁に位置し、分配オリフィス、分配導管、および分配弁5は、産物がグローバルに(つまり産物微粒子の渦より大きいスケールで)チャンバ45から分配導管へ、すなわち、分配弁5の入口での産物の移動方向と分配弁5の出口での産物の移動方向との間を、直角または実質的に直角に通過して移動するように、配置されている。
【0053】
分配弁5(その閉状態と開状態との間で可動)は、その閉状態において、(例えば特許文献WO2015/155318に記載されているように弁5の戻し手段または戻しばねによって十分にしっかりと)分配導管の内壁の非可動部分(対応する分配オリフィスの周囲を少なくとも部分的に取り囲む分配座と呼ばれる部分)であって「硬質」(すなわち、柔軟材料ではない)である部分に押圧されている。より具体的には、分配弁5は膜を備えており、その膜は、分配弁の閉状態では分配座に押圧されたままであり、その開状態ではこの座から離れている。さらに、分配座は分配導管の側面部分であり、この座は、分配導管の内壁の面、好ましくは平面、に限定されており、また、分配導管の伸長方向に垂直な平面における分配導管の全周ではない。弁5のこの分配座の少なくとも1点は、
- 出口6を通過したヘッド2の外側から、または、
- 出口6から、(直線に沿って)6mm未満(好ましくは3mm未満)の距離にある。
【0054】
供給オリフィスは、供給導管の側壁に位置し、供給オリフィス、供給導管、および供給弁4は、産物がグローバルに供給導管からチャンバ45へ、すなわち、供給弁4の入口での産物の移動方向と供給弁4の出口での産物の移動方向との間を、直角または実質的に直角に通過して移動するように、配置されている。
【0055】
供給弁4と分配弁5とは接続要素によって接続され、この供給弁4、この分配弁5、および接続要素は一体的に構成され、かつ一体部品として(例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)、またはオクテンとエチレンとのコポリマーで製造され)形成されている。このユニークな部品はモノブロックである。この接続要素は、典型的には70から80ショアAの硬度を有する。1つの孔が、チャンバ45を通過することなく、分配導管と供給導管との間に通路を形成する。接続要素は、この孔を塞ぎ、この孔にきつく締め付けられて維持されている。
分配弁5は、出口6を塞ぎ、出口6に向かってまたは出口6を越えて(しかし出口から1mm未満)前進した一端を有する。
【0056】
リザーバ3は、2つの逆向き端部を有し、その端部は、
- 導管25に接続されてリザーバ3の出口52とも呼ばれる開端部52、および、
- 閉溶接部40とも呼ばれる閉端部40、である。
端部40は、2つ以上のジョー(例えば、互いに120°で分布する3つのジョー)によって、またはベローズの形態によって、閉じることができる。
ヘッド2は、リザーバ3の伸長方向27と平行に延びるスカート26を備える。
【0057】
ヘッド2はフランジ16を備え、フランジ16はスカート26の周囲に担持されてヘッド2の外側に向かってリザーバ3の伸長方向27に対して垂直に延びている。変形例において、フランジ16は、スカート26を一周することなく、1つまたは複数の止め具16とされる。今後、止め具16によって置き換え可能なものとして、フランジ16の用語を用いる。
【0058】
フランジ16は案内フィンガ71を支持する。
ヘッド2(より正確にはプラグ97)は底壁65を有する。
ヘッド2(より正確にはプラグ97)はカラー66を備える。カラー66は壁65から出ている。カラー66はリザーバ3の伸長方向27と平行に延びている。
【0059】
本発明に係るモジュール1の考えられる変形を説明する。
- いわゆる「チューブ」変形例では、端部52がカラー66の中または周囲に挿入されている。リザーバ3は、開端部52を有するチューブによって形成され、その開端部52は、
・肩部93と、首部63と、を有し、
・ヘッド2に挿入され、ヘッド2内に機械的手段、例えばクリッピング手段によってヘッド2内に保持される(より正確には首部63は底壁65および/またはカラー66に保持またはクリップ留めされる)。この場合、リザーバ3は、典型的にはポリプロピレンチューブである。
- いわゆる「バッグ」変形例では、リザーバ3は、開端部52がスカート26の外周に溶接されているバッグによって形成されている。この場合、リザーバ3は、典型的にはPET12/AL9/PET12/CPP80によるバッグである。
【0060】
モジュール1は、導管25の内部または(導管25に接続された)リザーバ3の出口52に、蓋50を有する。
この蓋50は、
- 閉状態では、リザーバ3から変形可能なチャンバ45への流体、ガス、および/または産物のいかなる循環も防止し、
- 開状態では、そのような液体、ガス、および/または産物の流れを許容する、ように構成されている。
蓋50は、その閉状態からその開状態への遷移が可逆的ではないように、構成されている。
【0061】
好ましくは、蓋50はカラー66の端部に熱溶着される。蓋は防護と衛生性能を向上させ、以下で説明するように始動も改善する。
蓋50は、弱い部分を有する。
蓋は、リザーバ3の出口52、またはリザーバ3の出口52と供給弁4との間、またはリザーバ3の出口52とチャンバ45との間の導管25内に、配置される。
【0062】
少なくとも2つの部品8,20の組み立て、およびハウジング7内へのモジュール1の挿入の前に、蓋50は
図5に示すように導管25に対してリザーバ3を気密に隔離する。
蓋50は、柔軟性のリザーバ3に加えられる始動力の作用で開いて(すなわち破断、穿孔、破砕、または剥離されて)液体、ガス、および/または産物を通すように構成されている。
【0063】
蓋50は、
図3、
図4および
図6にその開いた形態で示されている。
図26を参照すると、蓋50は、例えば、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の層501にメタライズ(金属層502)を施し、次いで厚さ80μmのCPP(キャストポリプロピレンまたは成形ポリプロピレン)層503で覆われているような多層保護フィルムである。メタライズ層はアルミニウムフィルムで置き換えることができる。
【0064】
蓋50は、金属(例えばアルミニウム)またはEVOH(エチレンビニルアルコール)の層のような、ガスおよび/または光遮断層を有するのが好ましい。
蓋50は、底壁65をキャップ49に溶接するための適合層を有することが好ましい。
蓋は、引き裂きを容易にするために少なくとも1つの切開部51を有することが好ましい。
【0065】
モジュール1は、ハウジング7内にモジュール1を収容して少なくとも2つの部品8,20(
図1および
図5)を組み込む前において、導管25に向いている蓋50の面と、リザーバ3の内部に向いている蓋50の面との間に圧力差を有し、導管25に向いている側の蓋50の面における圧力が、リザーバ3の内部に向いている側の蓋50の面における圧力よりも低く、圧力差は、好ましくは少なくとも0.3バール、好ましくは少なくとも0.5バール、好ましくは少なくとも0.7バールである。このとき、圧縮チャンバ45は、ガスで満たされている。この低圧(リザーバ3の典型的なは1.013バールの大気圧に対して)は、例えば、モジュールの製造中に、(好ましくは、蓋50が既に定位置にあってストッパ75を出口6に配置する前に)出口6を介して、または、リザーバ3を閉じる前にリザーバ3を介して、チャンバ45内に含まれるガスを吸引またはポンピングすることにより得られる。
【0066】
従い、これはモジュール始動をかなり改善するものであり、蓋50を破りまたは開けるとき、チャンバ45内の低圧がリザーバ3に収容されている産物をチャンバ45内に持ち上げるのを助け、これにより、特に、例えば密封と細菌の侵入に対する保護のため非常に堅い弁4および/または5を用いることが原因となる始動時の問題を解決することが可能になる。
【0067】
低圧は、モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20が組み込まれた後、チャンバ45の内容積の少なくとも4分の1(好ましくは少なくとも半分)が、もともとリザーバ3内にあった産物で満たされているようにするものである。
【0068】
詰め替え品1の保管中にチャンバ45内の低圧を維持するのを助けるため、モジュール1は、ハウジング7内へのモジュール1の収容と少なくとも2つの部品8,20の組み立ての前に、ヘッド2の出口6を塞ぐ取り外し可能なストッパ75(例えば、薄い封止フィルム)を備える。このストッパ75は、蓋50を破断した後、手で取り外すことができる。このストッパ75は、出口6に押し込まれた塊のストッパ75、または出口6を覆うフィルムまたは蓋75であってもよい。
【0069】
これにより、蓋50が破断されるまでチャンバ45内に低圧を維持することができ、デバイス101の外部から空気がチャンバ45内に吸引されるのを回避できる。
しかし、このストッパ75は任意選択できるオプションであり、なぜならチャンバ45の低圧が弁5を閉じたままに維持できるからである。
ヘッド2は少なくとも1つ(好ましくは少なくとも2つ)の横面凹部98,99を有し、各凹部には摺動面38,39が設けられている。
【0070】
他の実施形態について後に見られるように、モジュール1は、リザーバ3の内部に、蓋50を開くため始動力を加えると、蓋50に向けて移動するように構成された穿孔要素94(ストライカ94とも言う)を任意選択で備える。ストライカ94は、典型的にはポリプロピレンのロッドである。
【0071】
詰め替え品1は、リザーバ3からデバイス101の開口した出口6までの、産物の全経路を交換するものであり、その結果、詰め替え品1の変更で経路が完全に清浄なままである。
【0072】
次に、モジュール1を備えるデバイス101をより詳細に説明する。
少なくとも2つの部品8,20は、ハウジング7の外側から少なくとも2つの部品8,20を組み立てる組み立て力を受けるように構成されており、そしてモジュール1がハウジング内に収容されて少なくとも2つの部品8,20が組み立てられるとき、組み立て力に基づく始動力を柔軟性リザーバ3に及ぼすための手段10を備えている。
手段10は、デバイス101の外側から、使用者が作動させることができる。
手段10はリブ73を有する。
【0073】
始動力を及ぼすための手段10は、(モジュール1がハウジング7の内側に収容され、少なくとも2つの部品8,20の組み立て中に)柔軟なリザーバを押しつけるように構成されており、部品8および20を近づけるにつれて(例えばねじ込んで)柔軟性リザーバ3に収容されている産物が導管25を通ってチャンバ45に入り、好ましくは、モジュール1がハウジング7の内側に収容されて少なくとも2つの部品8,20が組み込まれた後にチャンバ45の内部容積の少なくとも4分の1(好ましくは少なくとも半分)が、もともとリザーバ3内にあった産物で満たされる。
【0074】
始動力を及ぼすための手段は、モジュール1がハウジング7の中に収容され、少なくとも2つの部品が組み込まれるとき、リザーバと接触するように配置された2つの押圧点87を有し、リザーバ3は、少なくとも2つの押圧点87の間に配置される。
【0075】
各押圧点87は、方向27に対して垂直な回転自由度を有するように構成されたローラを備えることができる(方向27は、部品8および/または20におけるモジュール1の挿入方向27であるが、端部40を端部52に接続するリザーバ3の伸長方向27でもある)。そして、リザーバ3が手段10によって締め付けられると、ローラ87は、リザーバ3への始動力を強めながら、リザーバ3上を端部52の方向に転がる。
【0076】
始動力を加えるための手段は、スリーブ11とも呼ばれるハウジング7の第3の部品11と一体であり、少なくとも部分的に下部品8および/または上部品20に挿入される。
始動力を及ぼすための手段10,87は、モジュール1がハウジング7の内側に収容されて少なくとも2つの部品8,20の組み立て中に、モジュール1のヘッド2よりもリザーバ3に近くなるように構成されている。
【0077】
始動力を及ぼすための手段10,87は、モジュール1がハウジング7の内側に収容される間、少なくとも2つの部品8,20の組み立て中に、リザーバ3の開端部52よりもリザーバ3の閉端部40に近づくように構成されている。
モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20を組み立て後、ヘッド2は、ハウジングの2つの部品、この場合、上部品20と第3の部品11との間で、フランジ16を締め付けることによって、少なくとも部分的に上部品20内に保持される。
【0078】
少なくとも2つの部品8,20は、組立力に対して始動力を増強するための手段、すなわち組立力を始動力に変換するための手段を備えており、始動力は組立力より大きく、好ましくは少なくとも10倍大きい(例えばこれらの力をニュートンで表すことにより)。
【0079】
これは、本発明に係るデバイス101の始動を容易にする。
増強手段は、上部品20を下部品8にねじ込むためのねじ手段17を有する。
【0080】
ねじ手段17は、締め付けリングを有し、それが下部品8である。
ねじ手段17は、ねじ山のピッチ間距離よりも長いねじ山の周長(部品20に対し部品8をねじ込む際の360°の1回転におけるねじ山長さ)を有し、好ましくは少なくとも10倍の長さを有する。
この増強手段のおかげで、手段10によって及ぼされるリザーバ3にかかる力は非常に高くでき、リザーバ3内の産物(粘性のものであっても)をチャンバ45に確実に移動させるために十分な押圧を確実に実現でき、また、蓋50の開放をも確実に実現できる。
【0081】
上部品20は、少なくとも2つの部品8,20の組み立て中に、少なくとも部分的に上部品20の内側に挿入されたモジュール1のヘッド2を受けるように構成されている。
上部品20は、オリフィス56を有し、ヘッド2が少なくとも部分的に上部品20の内側に挿入されて少なくとも2つの部品8,20が組み立てられたときに、ヘッド2の出口6がオリフィス56を通過するように構成されている。
【0082】
上部品20は、ヘッド2が少なくとも部分的に上部品20の内側に挿入されて少なくとも2つの部品8,20が組み立てられたとき、モジュール1を構成する様々な構成要素のうち、ヘッド20の出口6および/または注ぎ口13だけが見えるように構成される。
これは、モジュール1を可能な限り未加工で軽量に製造して材料を節約することを可能にする。
【0083】
上部品20は、挿入方向27に沿って上部品20へのヘッド2の挿入を案内するように構成された案内手段81,28,29,88,89を備えており、これらの案内手段は、以下のように構成されている。
- 手段81は、挿入の第1段階において、ヘッドの出口6を、挿入方向27に平行な第1の案内面60内に保ちながら、挿入方向27に沿って上部品20へのヘッド2の挿入を案内する。手段81は、溝を有する。
- 手段28,29,88,89は、挿入の第2段階において、ヘッドの出口6を、挿入方向27に平行な第2の案内面61に持って行くように、少なくとも部分的に挿入方向27に沿って上部品20へのヘッド2の挿入を案内し、第2の面61は、出口6がオリフィス56を通過するように、第1の面60に対し、オリフィス56の方向にオフセットされている。これらの手段28,29,88,89は、少なくとも1つの(好ましくは少なくとも2つの)フィンガ88,89を有し、各フィンガ88,89は、摺動面28,29を有する。平面60,61の位置は、上部品20の静止座標系に定義される。
【0084】
下部品8は、第3の部品11に対して回転自在であり、好ましくは、部品8と20が互いに螺合するための回転軸に対応する回転軸の周りに回転自在である。
【0085】
これにより、回転中に、
- モジュール1(より正確にはヘッド2)と上部品20の間を、例えば、オリフィス56に保持された注ぎ口13および/または上部品20の溝81内に維持された、ヘッド2(より正確にはフランジ16)の案内フィンガ71によって固定でき、
- モジュール1(より正確にはリザーバ3)と第3の部品11(より正確にはリザーバ3を支持する手段10)の間を、手段10によってリザーバ3の回転を阻止することによって固定でき、上部品20に対して下部品8を回転させて、これら2つの部品8,20を螺合させることができる。
【0086】
上部品20の各摺動面28,29は、ヘッド2の摺動面38,39と協働するように構成されている。
ヘッド2の各摺動面38,39は、それぞれが接触している上部品20の摺動面28,29の1つに対し、すなわち、挿入方向27に対し、傾斜している。
【0087】
挿入の第2段階において、上部品20の各摺動面28,29が、ヘッド2の摺動面38,39のそれぞれに接触し、案内される。
【0088】
挿入の第2段階において、モジュール1はオリフィス56に向かって押し出され、くぼみ98,99内の各フィンガ88,89の摺動はそれぞれ、モジュール1をオリフィス56に向けて移動させ、注ぎ口13および/または出口6は、上部品20の側面のオリフィス56を通過する。
【0089】
突起69(ヘッド2の上側)および70(上部品20の内側)は、上部品20内、従ってハウジング7内において、モジュール1のヘッド2の位置決めと移動阻止を可能にする。
手段69,70,88,89,98,99,28,29,38,39は、挿入の第2段階の最後に、ハウジング7内に(より正確には上部品20内に)ヘッド2を固定するための手段を構成し、これにより、押圧力がハウジング7に加えられるか、または分配力がヘッド2に加えられても、ヘッドの出口6は動かない。
【0090】
図3を参照すると、モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20が組み立てられた後、ヘッド2と上部品20との間であって、出口6の反対側におけるヘッド2の周りに、自由空間があることに留意されたい。
上部品20は、好ましくは剛性のボタン23を有する。
上部品20は、そのボタン23を介して、ハウジング7の外側から押圧力を受けるように構成されている。
【0091】
上部品20は押圧要素24を有し、押圧要素24は、ボタン23の下に配置され、少なくとも2つの部品8,20が組み立てられてモジュール1がハウジング7内に収容されると、押圧力に基づいて、分配する力を変形可能チャンバ45(より正確には壁18)に及ぼすように構成されている。押圧要素24およびボタン23は、ピボット接続部68を中心にして一緒に動くように構成されている。
【0092】
このように、上部品20は、押圧力に関連して分配する力を強くする手段68,24、すなわち押圧力を分配力に変えて、分配力を押圧力よりも大きく、好ましくは、(例えばこれらの力をニュートンで表して)少なくとも2倍に大きくする手段を有する。これにより、弁5をより堅くすることができる。より正確には、上部品20は、てこの作用によって、分配力を押圧力に較べて強くする手段68,24を有する。
【0093】
一旦、デバイス101が始動されると、表面23および/または18への容易な圧力によって産物が、出口6を通ってリザーバ3から出てくるようになる。
図23を参照すると、ストライカ94は、
- リザーバ3の閉端部40に接触する端部400と、
- リザーバ3の開端部52に面する端部520と、を有する。
端部52は、蓋50を開けるための少なくとも1つの点または山521を有する。
【0094】
端部520は、始動力の作用下で、蓋50に接触するまで移動するように構成されている。
図4を参照すると、変形例において、熱および/または光の絶縁材の層90をハウジング7の壁の表面または中に追加してもよく、および/または第3の部品11が熱および/または光の絶縁材(例えばポリウレタンおよび/またはアルミニウム)であるか、または、これを備えるものであってもよい。
【0095】
次に、本発明の第2の実施形態に係るデバイス102について、
図10から
図13を参照して説明する。この実施形態102では、デバイス101に対する相違点についてのみ説明される。
デバイス102において、オリフィス56は、挿入方向27に沿って細長い形状を有する。
【0096】
この場合、前述の案内手段71、81,88,89,38,39,98,99,28,29は必要ではなく、注ぎ口13は、単に上部品20のヘッド2を傾けることによって、オリフィス56を通過することができる。
デバイス102では、オリフィス56を通して、出口6および/または注ぎ口13よりも広くヘッド2の一部が見える。
【0097】
デバイス102では、ねじ手段17がデバイス101におけるよりも高い位置にある。
デバイス102では、始動力を及ぼすための手段が、ハウジング7の第3の部品11と一体化されており、下部品8に一体的に挿入されている。
【0098】
デバイス102では、モジュール1がハウジング7の内側に収容された、少なくとも2つの部品8,20の組み立ての後、ハウジング7の2つの部分の間に、より正確には互いに螺合するハウジング7の2つの部品の間に、より正確には本実施形態102における上部品20と下部品8との間に、フランジ16を締め付けることによって、ヘッド2が少なくとも部分的に上部品20に保持される。
【0099】
次に、本発明の第3の実施形態に係るデバイス103について、
図14から
図23を参照して説明する。この実施形態103では、デバイス102に体する相違点についてのみ説明される。
図19から
図22のそれぞれは、
- その左半分に、まだ開いていない蓋50を有するリザーバ3、
- その右半分に、始動力の作用下で開かれた蓋50を有するリザーバ3、を示している。
デバイス103は、第3の部品11を備えていない。
始動力を及ぼすための手段は、下部品8と一体である。
【0100】
これは、上部品20が、ヘッド2を回転しないようにロックするための手段(注ぎ口13を収容する小さなオリフィス56)を備える実施形態101,102とは異なり、デバイス103(より正確には上部品20)がヘッド2を回転しないようにロックするための手段を備えていないので、可能である。特に、デバイス103では、オリフィス56は、ヘッド2の上部品20に挿入される部分の直径以上の直径を有する。
【0101】
この実施形態103では、リザーバ3は、
図14から
図16および
図21,22において「チューブ」と呼ばれるその変形例で示されている。
この実施形態103では、リザーバ3は、
図17から
図20において「バッグ」と呼ばれるその変形例で示されており、リザーバ3は、開端部52がスカート26の外周に溶接されているバッグによって形成されている。
図18は、
- リザーバ3をヘッド2に溶接する前、
- リザーバ3の端部40を閉じるため溶接する前、
におけるモジュール1を示す。
【0102】
このいわゆる「パウチ」変形例において、カラー66は、リザーバ3によって囲まれ、ストライカ94の端部520を蓋50に向けて並進移動させて案内するように構成されている。カラー66は二重壁、二重カラー、同心である。ストライカ552の端部520は、カラー66の2つの同心壁の間に挿入されるように構成された並進案内のための手段522を有する。
【0103】
次に、本発明の第4の形態に係るデバイス104について、
図27から
図29を参照して説明する。この実施形態104は、デバイス103に対するその相違点についてのみ説明される。
デバイス104の場合、部品8および20は、ねじ止めされずにクリップ止めされる。
【0104】
始動力を及ぼすための手段は、ハウジング7によって(特に下部品8のリブ73によって)画定された空間であって、始動力の不在下ではリザーバ3の容積よりも小さい容積を有する空間85の内壁を有し、部品8および20を組み立てるときに、この内壁がリザーバ3を押す。
【0105】
この実施形態は、組み立て力に対して始動力を増加させるための手段を含まない。
オリフィス56(そこを、注ぎ口13が突出する)は、部品8および20によってそれぞれ設けられた2つの周縁部56a,56bによって形成されている。
【0106】
次に、本発明の第5の実施形態に係るデバイス105について、
図30から
図34を参照して説明する。この実施形態105は、デバイス102に対するその相違点についてのみ説明される。
デバイス105は、デバイス102の場合に記載されたものと同様の2つのモジュール1を有する。
【0107】
上部品20は、モジュール1毎のオリフィス56と、モジュール毎のボタン23と、モジュール1毎に少なくとも1つの押圧要素24、などを有する。
図32および
図33に示す変形例では、デバイス105の上部品20は、いくつかのモジュール1の出口6用の単一の共有オリフィス56を備える。
【0108】
各モジュール1について、始動力を及ぼすための手段は、ハウジング7によって(より正確には第3の部品11によって)画定されて始動力の不在下ではリザーバ3の容積よりも小さい容積を有する空間85の、内壁を有して成り、これは、部品8および20を組み立てるときにリザーバ3を押す。
【0109】
次に、本発明の第6の実施形態に係るデバイス106について、
図35から
図38を参照して説明する。この実施形態106は、デバイス101に対するその相違点についてのみ説明される。
デバイス106は2つのモジュール1を有する。
上部品20は、モジュール毎にボタン23、モジュール毎に少なくとも1つの押圧要素24、などを備える。
図35の上左に示す変形例では、上部品20はモジュール1毎のオリフィス56を有する。
図35の上右に示す変形例では、上部品20は、いくつかのモジュール1の出口6のための共有オリフィス56を有する。
【0110】
各出口6は、横方向ではなく上方向の出口である。
上部品20は、例えばねじ止めされる2つの副部品201,202から形成されている。
各フランジ16は、これら2つの副部品201,202によってしっかりと保持される。
始動力を及ぼすための手段は、下部品8に一体的に挿入される、ハウジング7の第3の部品11と一体である。
【0111】
始動力を及ぼすための手段は、各モジュール1に対して、第3の部品11に固定されたピストン86を有する。
部品11は一組の突起78を有する。
上部品20(より正確にはオリフィス56を有さない副部品202)は、ハウジング7およびリザーバ3の伸長方向27に直線的なスロット79を有する。
部品8および20の組み立て、またはねじ込みの間、各ピストン86は、一組のスロット79に係合するように構成された突起78のおかげで、回転することなくリザーバ3に向かって並進移動する。
突起78はまた部品8のねじ17のねじ山間にも入る。
【0112】
下部品8を上部品20の丸ひだ80にクリップすることによって下部品8は上部品20に対して自在に回転する。
図36は、部品8,20のねじ止め終了前、すなわち始動前のデバイス105を示す。
図37は、部品8,20のねじ止め終了後、すなわち始動後のデバイス105を示す。
各ピストン86は、1つのリザーバ3の凸状底部を変形させるように構成されている。
好ましくは、各リザーバ3の外壁は、リザーバ3の残りの部分に対し、それらの凸状底部において、より薄い。
デバイス105の変形例は、モジュール1を1つだけ有するものである。
【0113】
次に、本発明の第7の実施形態に係るデバイス107について、
図39から
図42を参照して説明する。この実施形態107は、デバイス101に対するその相違点についてのみ説明される。
オリフィス56は、部品8および20によってそれぞれ担持された2つの周縁部56a,56bによって形成されている。
【0114】
始動力を及ぼすための手段10は、
- 上部品20に固定されている上押圧要素34aと、
- 下部品8に固定されている下押圧要素34bと、を有し、モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20が組み立てられるとき、上押圧要素34aと下押圧要素34bとがリザーバ3に接触し、リザーバ3は、上押圧要素34aと下押圧要素34bとの間に位置するように配置されている。
【0115】
組み立て力に対して始動力を増加させる手段は、レバー手段を有して成り、そのレバー手段は、上部品20と下部品8との間のヒンジ軸または接合点31を動かないように維持し、上部品20を下部品8に対して回動させることによって、上部品20と下部品8とを組み立てるように構成されている。
【0116】
部品8,20はクリッピングによって固定されている。
接合点31は、モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20を組み立てる際に、ヘッド2よりもリザーバ3に近くなるように構成される。
接合点31は、モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20を組み立てる際に、リザーバ3の開端部52よりもリザーバ3の閉端部40に近くなるように構成されている。
【0117】
2つの部品8,20は、リザーバ3を収容するために閉鎖面で閉鎖される。
ボタン23は押圧要素24を有さない柔軟性ボタンであり得る。
リブ34aは、部品8および20を組み立てるときに、リザーバ3の端部40を圧縮するためリブ34bに接近するように、構成されている。
このようにして押圧される面は、始動中にチャンバ45に入る産物の量を決定する。
【0118】
押圧領域40近くのヒンジ軸31は、組み立てるために部品8,20を押すユーザ(てこの腕)の作用力を増加できる。
図42を参照すると、変形例において、断熱層90をハウジング7の壁の上またはその中に追加できる。
変形例において、デバイス107は要素34aのみ、または要素34bのみを有する。
【0119】
次に、本発明の第8の実施形態に係るデバイス108について、
図44、
図45を参照して説明する。この実施形態108は、デバイス101に対するその相違点についてのみ説明される。
図44を参照すると、この実施形態では、ハウジング7はライニング壁33を備える。
【0120】
この壁33は、柔軟性壁であり、この壁33の2つの面間の圧力差の影響下で変形するように構成されている。
ハウジング7は、少なくとも2つの部品20,8が組み立てられてモジュール1がハウジング7内に収容されると、リザーバ3の壁と壁33とが閉じた空間332を少なくとも部分的に画定するように、構成されている。
【0121】
デバイス108(より正確にはハウジング7、より正確には下部品8)は、壁33をリザーバ3に、少なくとも部分的に押し付けるように、好ましくは、少なくともリザーバ3の壁の外面の80%(好ましくは少なくとも90%)に押し付けるように、構成された手段331をさらに有する。
これらの手段331は、空間332内に真空を作り出すため、または気体を空間332の外側に引き出すための手段である。
【0122】
通常、これらの手段331は、下記を備える:
- アクセス弁であって、空間332と連通し、ガスポンピング手段と接続され、ポンピング手段が接続されていないときに閉じるように構成されたアクセス弁。このアクセス弁は、(排気中の動きに適応するために)並進運動可能な弁であることが好ましい。アクセス弁は、空間332内に作り出された真空によって閉じられたままであるが、空間332を出るガスを吸引する動作の影響下で開く;および/または、
- 手動式ポンプおよび/または動力式ポンプであって、ハウジング7に一体化され、空間332内に低圧を作り出すように、または空間332からガスを引き出すように構成されたポンプ。
【0123】
壁33は、好ましくは少なくとも1層の金属化層および/または少なくとも1層のアルミニウムおよび/または少なくとも1層のEVOH(エチレンビニルアルコール)の層を有する、単層または多層の保護壁である。
有利には、壁33は、
- リザーバ3の内容物を、光および/またはリザーバ3の壁を通るガス通過から、保護し、
- きちんと正規に廃棄されるものとして消費できるように、ガス透過性および/または光透過性および/または非常に薄くおよび/または低汚染のリザーバ壁を使用する、ことを、同時に可能にする。
【0124】
リザーバ3の柔軟性壁はプラグ97と、より正確にはスカートまたはカラー66と一体(好ましくは溶接)である。
フィルム33は、手段331と一体である。より正確には、フィルム33は可動端部片に溶接される(並進運動可能な弁と一体であるため)。
フィルム33は、その一方の端部で、要素またはリング334と一体である。
【0125】
少なくとも2つの部品20,8が組み立てられ、モジュール1がハウジング7の内側に収容されると、要素334はヘッド2と接触する。
要素334は空間332を密封する。
図45を参照すると、リザーバ3の柔軟性壁が溶接されるキャップ49および/またはプラグ97の部分(好ましくはカラー66の部分)の周縁は、この周縁に沿って少なくとも2つの(180°で)対向するフィン72を有し、それはこの周縁の外方に向かって突出している。
【0126】
リザーバ3の柔軟性壁は、溶接線が少なくとも1つの(または各)フィン72から始まるように少なくとも1つの溶接線に沿って接合することによって得られる。
従って、これらのフィン72は、圧力がより低いおよび/または折り目ができる可能性がある溶接ジョーの閉鎖領域に対応し、従ってフィン72は漏れ発生を限定することを可能にする。
【0127】
オリフィス56は、注ぎ口13への外側ライニングを形成するように構成された第2のノズル130を備えていてもよい。これら2つの注ぎ口13および130の端部は、4mm未満、好ましくは2mm未満の距離にある。
【0128】
次に、本発明の第9の実施形態のデバイス109について、
図46を参照して説明する。この実施形態109は、デバイス101に対するその相違点についてのみ説明される。
図46では、モジュール1の描写は非常に概略的である。特に、弁4,5または蓋50の位置の詳細は示されない。
【0129】
この実施形態では、ハウジング7はライニング壁33を備える。
この壁33は柔軟性壁である。
ハウジング7は、少なくとも2つの部品20,8が組み立てられてモジュール1がハウジング7内に収容されると、リザーバ3の壁と壁33とが閉じた空間332を少なくとも部分的に画定するように、構成されている。
【0130】
デバイス109(より正確にはハウジング7、より正確には下部品8)は、リザーバ3を保持するためにリザーバ3の少なくとも一部を締め付けるように、構成された手段331をさらに有する。
壁33は、少なくとも1層の金属化層および/または少なくとも1層のアルミニウムおよび/または少なくとも1層のEVOH(エチレンビニルアルコール)の層を有する、単層または多層の保護壁である。
【0131】
有利には、壁33は、
- リザーバ3の内容物を光から保護し、
- 可能な限り小さい空間332を形成することにより、リザーバ3の外壁に接触するガスの量を制限し、
- きちんと正規に廃棄されるものとして消費できるように、ガス透過性および/または光透過性および/または非常に薄くおよび/または低汚染のリザーバ壁を使用する、ことを、同時に可能にする。
【0132】
フィルム33は、その端部の一方において、手段331に固定されている。
フィルム33は、その端部の他方において、要素またはリング334と一体である。
少なくとも2つの部品20,8が組み立てられてモジュール1がハウジング7内に収容されると、要素334はヘッド2と接触する。
【0133】
要素334は、間隙332を密封する。
手段331は、
- ハウジング7の部品20と一体の部分、より正確にはフレーム311、および、
- ハウジング7の部品8と一体の別の部分、より正確にはフレーム312、の2つの部分に分けられる。
手段334は、
- ハウジング7の部品20と一体の部分、より正確にはフレーム311、および、
- ハウジング7の部品8と一体の別の部分、より正確にはフレーム312、の2つの部分に分けられる。
壁33は、
- ハウジング7の部品20と一体で、フレーム311によって担持された部分、および
- ハウジング7の部品8と一体で、フレーム312によって担持された別の部分、の2つの部分に分けられる。
2つのフレーム311と312は、気密的に組み立てられる。
【0134】
レバー手段は、上部品20と下部品8との間のヒンジ軸または接合点31を動かないように維持し、上部品20を下部品8に対して回動させることによって、上部品20と下部品8とを組み立てるように構成されている。
これらのレバー手段は、ハウジング7の少なくとも2つの部品8,20に及ぼされる力を変形可能なチャンバ45上で増大させる。
【0135】
接合点31は、モジュール1がハウジング7内に収容されて少なくとも2つの部品8,20の組み立て中に、リザーバ3よりもヘッド2に近くなるように構成されている。
2つの部品8,20は、リザーバ3を収容するために閉鎖面で閉鎖される。
従って、ハウジング7はクランプを形成する。
【0136】
ハウジング7の少なくとも1つ(好ましくはそれぞれ)の部品8,20は、変形可能なチャンバ45を押圧するように構成された突起74を有する。
従って、モジュール1はクランプ7内に配置され、クランプ7に横方向から支持される。
産物の出口6も横方向にある。
産物の出口6は注ぎ口13の端部に位置している。
【0137】
デバイス109は、リザーバ3の変形可能な壁への押圧力を増加させることを可能にする。これは、より堅いまたは丈夫なな弁4,5を備えることを可能とし、従ってリザーバ3に収容される産物において防腐剤をより少なくできる。
クランプ7は、注ぎ口13が通過できるオリフィス56を有する。
注ぎ口13は壁33を貫通する。
注ぎ口13と壁33との間の接合部はシール333によってシールされている。
ハウジング7は、モジュールをハウジング7内に固定するための少なくとも1つの窪みおよび/またはこぶ335を有する。
【0138】
任意選択で、手段331は、
- 壁33をリザーバ3に、少なくとも部分的に押し付けるように、好ましくは、少なくともリザーバ3の壁の外面の80%(好ましくは少なくとも90%)に押し付けるように、構成された手段、および/または
- 空間332内に低圧を作り出す、または空間332からガスを引き出すための手段、であり、
図44および
図45を参照して前述したものと同様である。
【0139】
ここで、本発明の第10の実施形態に係るデバイス110の2つの変形例について、
図47および
図48を参照して説明する。この実施形態110は、デバイス101に対するその相違点についてのみ説明される。
この実施形態110では、チャンバ45の変形可能な壁18,455がハウジング7内を横方向に延びている。
【0140】
デバイス110は、ヘッド2、より正確にはチャンバ45を押圧するように構成された剛性部分を有する。
この剛性部分は、好ましくはハウジング7を貫通するステム336を構成する。
この剛性部分は分配注ぎ口13を有する。
【0141】
チャンバ45または変形可能な壁455は、少なくとも1つの箇所(最大幅d1)において、ステム336と壁455との接続部(幅d2)の少なくとも2倍広い、d1>2d2。
チャンバ45の厚さ(幅d1およびd2に対して垂直に測定される)は最大幅d1より少なくとも2倍小さい。
ステム336はハウジング7(より正確には上部品20)を貫通してこの壁455を押す。
【0142】
変形例について:
-
図48において: このステム336は、モジュール1の一部ではないが壁455に嵌合する。ステム336はガラス製であってもよく、それは通路および注ぎ口13を有する。ステム336のこの通路は、チャンバ45と一体でステム336の内側に挿入されたパイプ337(図示せず)を有することができる。ハウジングの内側に位置するステム336の端部は、好ましくはインターロックおよび/またはねじ込みおよび/またはクリッピングによって、変形可能なチャンバ45に(好ましくは、パイプ337が存在しない場合には密封された方法で)接続される。注ぎ口13とステム336とによって形成されたアセンブリは弁を含まない。
-
図47において: ステム336は、モジュール1の一部であり、変形可能な壁455の延長部にあり、ガラス(衛生上の理由で)から成る注ぎ口13に挿入することができるパイプ337(柔軟性)を有する。従って、チャンバ45は、分配注ぎ口13内に押し込まれたまたは配置されたパイプ337と一体である。
注ぎ口13は、注ぎ口13へのパイプ337の挿入を容易にするように、パイプ337を囲むように組み立てられる少なくとも2つの部品から形成されてもよい。
【0143】
図47および
図48のこれらの変形例のそれぞれにおいて、パイプ337の遠端(すなわちリザーバ3から最も遠い端)には、
- (
図47に示されるように)分配される産物の通路に開くことができる閉リップ338を形成してもよく、または、
- 弁を備えてもよい。
リザーバ3の壁は、ヘッド2(より正確にはスカート26またはチャンバ45の剛性底壁)に溶接されて「管」を形成する。
【0144】
チャンバ45の剛性底壁65は、(
図47および
図48に示すように)超音波溶接または挿入もしくは挟み込みなどによって壁455に接続されている。
カートリッジ1は、ロックされて、上述したスリーブ11内に配置され、保護フィルム90が備えられている。
スリーブ11が取り除かれる変形例(図示せず)では、チャンバ45の縁部は、ハウジング7への固定手段(例えばクリップ手段)を備える。
ハウジング7は、ヘッド2の少なくとも50%(
図47)、好ましくは80%、さらには100%(
図48)を覆う。
注ぎ口13による分配方向は横方向である。
【0145】
変形可能なチャンバ45は、
- 変形可能な(好ましくは柔軟性の)壁18,455、および
- 底壁65(好ましくは剛性)によって、少なくとも部分的に画定されている。
モジュール1は、底壁65によってハウジング2内に保持されている。
リザーバ3は、底壁65に固定または溶接されている。
図48を参照すると、手段339が、注ぎ口13および/またはステム336(この実施形態では両方)を取り外せるように構成されている。
【0146】
これらの手段339は例えばステム336と一体のリングを有し、このリングは、
- ハウジング7に螺合された状態では、ステム336の並進を可能にしながら、デバイス110の他の部分からのステム336の分離を阻止するように、構成され、
- ハウジング7に螺合されてない状態では、デバイス110の他の部分からステム336を分離する。
ステム336は突起340を有し、この突起は、
- デバイス110のロック解除状態では、スロット341内をスライドするように、構成され、
- デバイス110の固定状態(デバイス110の非固定位置に対するステム336の並進軸周りの回転によって得られる)では、スロット341内をスライドするようには、構成されていない。
【0147】
モジュール1は、ハウジング7の部品8と部品20との間の分離17の位置17a,17bに応じて、デバイス110の上からまたは下から挿入することができる(この分離の2つの変形例を
図48に示す)。
デバイス110は、モジュール1の保持手段342を部品11に有する。
【0148】
本発明は、今説明した例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなくこれらの例に多くの調整を加えることができる。
【0149】
前述の各実施形態において、
- モジュール1は詰め替え品ではなくてもよく、取り外し可能でなくてもよい。例えば、デバイス101,102,103,105および106では、部品20を有する部品8のねじ手段17は、逆止め歯のような緩み防止システムを有してもよい。
- フィンガ71はくぼみに置き換えられてもよく、溝81は突出エッジに置き換えてもよい。
- ハウジング7内のモジュール1の数は、1から数個のモジュール1まで変えてもよい。
- 供給弁4は、例えば
図43に示すように、底壁65上(平面62の上方)に移動させてもよい。この場合、もはや供給導管は存在せず、導管25は、供給弁4を通り、次にチャンバ45、分配弁5、そして分配導管を通る。
【0150】
本発明の様々な特徴、形状、変形、および実施形態は、それらが互いに不適合または排他的ではない限り、様々な組み合わせで互いに結合することができる。特に、上記の全ての変形例および実施形態は互いに組み合わせることができる。