(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】ダンパ装置
(51)【国際特許分類】
F16F 15/123 20060101AFI20231208BHJP
F16F 15/129 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
F16F15/123 A
F16F15/129 C
(21)【出願番号】P 2020030442
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】上原 宏
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-079333(JP,A)
【文献】特開昭49-112077(JP,A)
【文献】実開昭62-188658(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0192757(US,A1)
【文献】特開2008-196540(JP,A)
【文献】特開昭53-032525(JP,A)
【文献】特開2015-113915(JP,A)
【文献】実開昭63-146250(JP,U)
【文献】実開昭62-098833(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/123
F16F 15/129
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ複数の第1窓部及び第2窓部を有し、複数の前記第1窓部は複数の前記第2窓部よりも径方向外側に配置されている、第1回転体と、
前記第1回転体と相対回転可能に配置され、それぞれ複数の第1窓孔及び第2窓孔を有し、複数の前記第1窓孔は複数の前記第2窓孔よりも径方向外側に配置されている、第2回転体と、
前記第1窓部及び前記第1窓孔と、前記第2窓部及び前記第2窓孔と、に収容され、前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に弾性的に連結する複数の弾性部材と、
前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転角度を所定の角度範囲に規制するストッパ機構と、
を備え、
前記ストッパ機構は、
前記第2回転体の前記第1窓孔の円周方向の
第1側に円周方向に延びるように形成され、前記第1窓孔に近い
円周方向の第2側の端部が前記第1窓孔に連通し、前記第1窓孔から離れた
円周方向の第1側の端部が前記第2窓孔の径方向外側にまで延びる
とともに前記第2窓孔の円周方向の第2側の端部にのみ円周方向位置において重なるように形成された第1ストッパ用孔と、
前記第2回転体の前記第1窓孔の円周方向の
第2側に円周方向に延びるように形成された第2ストッパ用孔と、
前記第1回転体に固定され、前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔を軸方向に貫通するとともに、前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔内において円周方向に移動可能な複数のストップ部材と、
を有する、
ダンパ装置。
【請求項2】
前記第2ストッパ用孔は、前記第1窓孔に近い
円周方向の第1側の端部が前記第1窓孔に連通し、前記第1窓孔から離れた
円周方向の第2側の端部が前記第2窓孔の径方向外側にまで延びる
とともに前記第2窓孔の円周方向の第1側の端部にのみ円周方向位置において重なるように形成されている、請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔は、同じピッチ径を有する円弧状に形成されている、請求項2に記載のダンパ装置。
【請求項4】
複数の第1窓部を有する第1回転体と、
前記第1回転体と相対回転可能に配置され、複数の第1窓孔を有する第2回転体と、
前記第1窓部及び前記第1窓孔に収容され、前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に弾性的に連結する複数の第1弾性部材と、
前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転角度を所定の角度範囲に規制するストッパ機構と、
を備え、
前記ストッパ機構は、
前記第1窓孔の円周方向の一方側に、前記第1窓孔から離れて、第1ピッチ径を有する円弧状に形成された第1ストッパ用孔と、
前記第1窓孔の円周方向の他方側に、前記第1ピッチ径よりも小さい第2ピッチ径を有する円弧状に形成され、前記第1窓孔に近い方の端部が前記第1窓孔に連通する第2ストッパ用孔と、
前記第1回転体に固定され、前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔を軸方向に貫通するとともに、前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔内において円周方向に移動可能な複数のストップ部材と、
を有し、
前記第1回転体は、複数の前記第1窓部よりも径方向内側に形成された複数の第2窓部を有し、
前記第2回転体は、複数の前記第1窓孔よりも径方向内側に形成された複数の第2窓孔を有し、
複数の前記第2窓部及び前記第2窓孔に収容され、前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に弾性的に連結する複数の第2弾性部材をさらに備え、
前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔の前記第1窓孔から離れた側の端部は、前記第2窓孔の径方向外側にまで延びてい
る、
ダンパ装置。
【請求項5】
複数の第1窓部を有する第1回転体と、
前記第1回転体と相対回転可能に配置され、複数の第1窓孔を有する第2回転体と、
前記第1窓部及び前記第1窓孔に収容され、前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に弾性的に連結する複数の第1弾性部材と、
前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転角度を所定の角度範囲に規制するストッパ機構と、
を備え、
前記ストッパ機構は、
前記第1窓孔の円周方向の一方側に、前記第1窓孔から離れて、第1ピッチ径を有する円弧状に形成された第1ストッパ用孔と、
前記第1窓孔の円周方向の他方側に、前記第1ピッチ径よりも小さい第2ピッチ径を有する円弧状に形成され、前記第1窓孔に近い方の端部が前記第1窓孔に連通する第2ストッパ用孔と、
前記第1回転体に固定され、前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔を軸方向に貫通するとともに、前記第1ストッパ用孔及び前記第2ストッパ用孔内において円周方向に移動可能な複数のストップ部材と、
を有し、
前記第1窓孔は、円周方向の両端部に1対の押圧面を有し、前記1対の押圧面のうちの前記第1ストッパ用孔に近い側の押圧面は、対向する押圧面に向かって膨らむように突出する突出部を有し、
前記第1ストッパ用孔の前記第1窓孔に近い側の端部は、前記突出部に向かって延びてい
る、
ダンパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンで発生した動力をトランスミッション側に伝達するとともに、回転変動を減衰するために、車両には、ダンパ装置を有する動力伝達装置が搭載されている。
【0003】
この種のダンパ装置は、入力回転体と、出力回転体と、複数のコイルスプリングと、を有している。コイルスプリングは、入力回転体の窓部及び出力回転体の窓孔に配置され、入力回転体と出力回転体とを回転方向に弾性的に連結している。
【0004】
また、ダンパ装置には、特許文献1に示されるように、入力回転体と出力回転体との互いの相対回転を規制するために、ストッパ機構が設けられている。ストッパ機構は、複数のストップピンと切欠とによって構成されている。ストップピンは、入力回転体に固定され、出力回転体に形成された切欠を通過している。
【0005】
特許文献1では、ストッパ機構を構成する切欠として、外周側に開く切欠が形成されているが、他の構成として、円弧状のストッパ用の孔を形成し、このストッパ用孔にストップピンを通過させたものも提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ダンパ装置の回転変動性能を良好にするためには、入力回転体に対する出力回転体の捩り角度を広くすること(すなわち、広角化すること)が好ましい。この広角化のためには、出力回転体の切欠又はストッパ用孔の円周方向の長さを長く確保する必要がある。
【0008】
しかし、出力回転体において、ストッパ用孔を含む切欠と窓孔とは、径方向において重なる位置に配置される場合が多く、このため、ストッパ用孔を長く形成することができない。
【0009】
本発明の課題は、ダンパ装置において、ストッパ機構を構成するストッパ用孔を円周方向に長く形成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係るダンパ装置は、第1回転体と、第2回転体と、複数の弾性部材と、ストッパ機構と、を備えている。第1回転体は、それぞれ複数の第1窓部及び第2窓部を有し、複数の第1窓部は複数の第2窓部よりも径方向外側に配置されている。第2回転体は、第1回転体と相対回転可能に配置され、それぞれ複数の第1窓孔及び第2窓孔を有し、複数の第1窓孔は複数の第2窓孔よりも径方向外側に配置されている。複数の弾性部材は、第1窓部及び第1窓孔と、第2窓部及び第2窓孔と、に収容され、第1回転体と第2回転体とを回転方向に弾性的に連結する。ストッパ機構は、第1回転体と第2回転体との相対回転角度を所定の角度範囲に規制する。
【0011】
また、ストッパ機構は、第1ストッパ用孔と、第2ストッパ用孔と、複数のストップ部材と、を有している。第1ストッパ用孔は、第2回転体の第1窓孔の円周方向の一方側に円周方向に延びるように形成され、第1窓孔に近い方の端部が第1窓孔に連通し、第1窓孔から離れた方の端部が第2窓孔の径方向外側にまで延びている。第2ストッパ用孔は、第2回転体の第1窓孔の円周方向の他方側に円周方向に延びるように形成されている。複数のストップ部材は、第1回転体に固定され、第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔を軸方向に貫通するとともに、第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔内において円周方向に移動可能である。
【0012】
このダンパ装置では、第1ストッパ用孔の一方の端部が第1窓孔に連通し、他方の端部が第2窓孔の径方向外側にまで延びている。このため、第1ストッパ用孔の円周方向の長さを長くすることができる。すなわち、ストッパ機構の作動範囲を広げることができ、第1回転体と第2回転体との互いの一方向への相対回転角度(捩り角度)を広角化できる。
【0013】
(2)好ましくは、第2ストッパ用孔は、第1窓孔に近い方の端部が第1窓孔に連通し、第1窓孔から離れた方の端部が第2窓孔の径方向外側にまで延びている。
【0014】
この場合は、第1ストッパ用孔と同様に、第2ストッパ用孔についても円周方向の長さを長くでき、第1回転体と第2回転体との互いの他方向への捩り角度を広角化できる。
【0015】
(3)好ましくは、第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔は、同じピッチ径を有する円弧状に形成されている。
【0016】
(4)本発明の別の側面に係るダンパ装置は、第1回転体と、第2回転体と、複数の第1弾性部材と、ストッパ機構と、を備えている。第1回転体は複数の第1窓部を有する。第2回転体は、第1回転体と相対回転可能に配置され、複数の第1窓孔を有する。複数の第1弾性部材は、第1窓部及び第1窓孔に収容され、第1回転体と第2回転体とを回転方向に弾性的に連結する。ストッパ機構は、第1回転体と第2回転体との相対回転角度を所定の角度範囲に規制する。
【0017】
また、ストッパ機構は、第1ストッパ用孔と、第2ストッパ用孔と、ストップ部材と、を有している。第1ストッパ用孔は、第1窓孔の円周方向の一方側に、第1窓孔から離れて、第1ピッチ径を有する円弧状に形成されている。第2ストッパ用孔は、第1窓孔の円周方向の他方側に、第1ピッチ径よりも小さい第2ピッチ径を有する円弧状に形成され、第1窓孔に近い方の端部が第1窓孔に連通している。複数のストップ部材は、第1回転体に固定され、第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔を軸方向に貫通するとともに、第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔内において円周方向に移動可能である。
【0018】
ここでは、第1ストッパ用孔は、第1窓孔から離れて形成されている。すなわち、第1ストッパ用孔は第1窓孔に連通していない。このため、第1ストッパ用孔が第1窓孔に連通している構成に比較して、強度の低下を抑えることができる。また、第1ストッパ用孔は比較的大きい第1ピッチ径を有する円弧状に形成されているので、円周方向の長さを長くすることができる。したがって、ストッパ機構の作動範囲を広げることができ、第1回転体と第2回転体との互いの一方向への相対回転角度(捩り角度)を広角化できる。
【0019】
一方、第2ストッパ用孔は、一方の端部が第1窓孔に連通している。このため、第2ストッパ用孔の円周方向の長さを長くすることができ、第1回転体と第2回転体との互いの他方向への相対回転角度(捩り角度)を広角化できる。
【0020】
また、第1ストッパ用孔のピッチ径と第2ストッパ用孔のピッチ径とを変えているので、第1窓孔を挟む両ストッパ用孔を互いに近づけることができる。すなわち、例えば、それぞれ1対の第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔を形成した場合、回転軸と第1窓孔を挟む2つのストップピンによって形成される角度を90°に近づけることができ、第2回転体の強度が不均一になるのを抑えることができる。
【0021】
(5)好ましくは、第1回転体は、複数の第1窓部よりも径方向内側に形成された複数の第2窓部を有している。また、好ましくは、第2回転体は、複数の第1窓孔よりも径方向内側に形成された複数の第2窓孔を有している。この場合、複数の第2窓部及び第2窓孔に収容され、第1回転体と第2回転体とを回転方向に弾性的に連結する複数の第2弾性部材をさらに備えている。そして、第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔の第1窓孔から離れた側の端部は、第2窓孔の径方向外側にまで延びている。
【0022】
この場合は、第2窓部及び第2窓孔が、第1窓部及び第1窓孔と径方向にずれて設けられている。そして、第1ストッパ用孔及び第2ストッパ用孔の一方の端部は、第2窓孔の径方向外側にまで延びているので、両ストッパ用孔の円周方向の長さを長くすることができる。
【0023】
(6)好ましくは、第1窓孔は、円周方向の両端部に1対の押圧面を有し、1対の押圧面のうちの第1ストッパ用孔に近い側の押圧面は、対向する押圧面に向かって膨らむように突出する突出部を有している。この場合、第1ストッパ用孔の第1窓孔に近い側の端部は、突出部に向かって延びている。
【0024】
ここでは、第1ストッパ用孔の一方の端部を、第1窓孔の突出部に食い込む程度に延長することができる。したがって、第1ストッパ用孔の円周方向の長さを、さらに長くすることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のような本発明では、ダンパ装置において、ストッパ機構を構成するストッパ用孔を円周方向に長く形成でき、良好な回転変動減衰性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態によるトルクリミッタ付きダンパ装置の断面図。
【
図2】
図1のダンパ装置のダンパユニットの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
-第1実施形態
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態によるトルクリミッタ付きダンパ装置1(以下、単に「ダンパ装置」と記載する)の断面図である。また、
図2はダンパ装置1の正面図であり、一部の部材を取り外して、又は部材の一部を削除して示している。
図1において、O-O線は回転軸である。
図1において、ダンパ装置1の左側にエンジンが配置され、右側に電動機や変速装置等を含む駆動ユニットが配置される。
【0028】
なお、以下の説明において、軸方向とは、ダンパ装置1の回転軸Oが延びる方向である。また、円周方向とは、回転軸Oを中心とした円の円周方向であり、径方向とは、回転軸Oを中心とした円の径方向である。なお、円周方向とは、回転軸Oを中心とした円の円周方向に完全に一致している必要はなく、例えば、
図2の上部に示された窓部及び窓孔を基準とした左右方向も含む概念である。また、径方向とは、回転軸Oを中心とした円の直径方向に完全に一致している必要はなく、例えば、
図2の上部に示された窓部及び窓孔を基準とした上下方向も含む概念である。
【0029】
このダンパ装置1は、図示しないフライホイールと駆動ユニットの入力軸との間に設けられ、エンジンと駆動ユニットとの間で伝達されるトルクを制限するとともに、回転変動を減衰するための装置である。ダンパ装置1は、トルクリミッタユニット10と、ダンパユニット20と、を有している。
【0030】
[トルクリミッタユニット10]
トルクリミッタユニット10は、ダンパユニット20の外周側に配置されている。トルクリミッタユニット10は、フライホイールとダンパユニット20との間で伝達されるトルクを制限する。トルクリミッタユニット10は、第1サイドプレート11及び第2サイドプレート12と、摩擦ディスク13と、プレッシャプレート14と、コーンスプリング15と、を有している。
【0031】
第1サイドプレート11と第2サイドプレート12とは複数のリベットによって互いに固定されている。摩擦ディスク13は、コアプレート131及び1対の摩擦部材132を有している。プレッシャプレート14及びコーンスプリング15は、第1サイドプレート11と摩擦ディスク13との間に配置されている。コーンスプリング15は、プレッシャプレート14を介して摩擦ディスク13を第2サイドプレート12に押圧している。
【0032】
[ダンパユニット20]
ダンパユニット20は、入力側プレート21(第1回転体の一例)と、ハブフランジ22(第2回転体の一例)と、入力側プレート21とハブフランジ22との間に配置されたダンパ部23と、から構成されている。
【0033】
<入力側プレート21>
入力側プレート21は、第1プレート211と第2プレート212とを有している(以下、第1プレート211及び第2プレート212を併せて「入力側プレート21」と記載する場合もある)。第1プレート211及び第2プレート212は、ともに中心孔を有する環状の部材である。第1プレート211と第2プレート212とは、
図2に示すように、4個のストップピン24によって、軸方向に所定の間隔をあけて互いに固定されている。したがって、第1プレート211と第2プレート212とは、軸方向及び回転方向に相対的に移動不能である。また、第1プレート211には、ストップピン24によって摩擦ディスク13のコアプレート131の内周部が固定されている。
【0034】
第1プレート211及び第2プレート212には、それぞれ1対の第1窓部21a及び第2窓部21bが形成されている。1対の第1窓部21aは、回転軸Oを挟んで対向して配置されている。
図2では、第2プレート212の第1窓部21a及び第2窓部21bが示されているが、第1プレート211の第1窓部及び第2窓部も同様の構成である。
【0035】
1対の第1窓部21aは、それぞれのプレート211,212を切り起こして形成されており、円周方向の両端面に押圧面21cを有し、外周縁及び内周縁にそれぞれ支持部を有している。また、1対の第2窓部21bは、第1窓部とは90°の間隔をあけて、回転軸Oを挟んで対向して配置されている。1対の第2窓部21bは、軸方向に貫通する矩形の開口であり、円周方向の両端面に押圧面21dを有している。
【0036】
<ハブフランジ22>
ハブフランジ22は、入力側プレート21からのトルクを出力側の装置に伝達するための部材である。ハブフランジ22は、ハブ221とフランジ222とを有している。ハブ221とフランジ222とは、
図2に示すように、複数の歯と、この歯が噛み合う複数の凹部と、によって一体化されている。
【0037】
ハブ221は筒状の部材であり、第1プレート211及び第2プレート212の中心孔内に配置されている。ハブ221の内周部にはスプライン孔が形成されており、このスプライン孔に出力側の部材がスプライン係合可能である。
【0038】
フランジ222は、
図2及び
図3に示すように、円板状に形成され、第1プレート211と第2プレート212との軸方向間に配置されている。フランジ222は、中心孔と、それぞれ1対の第1窓孔22a及び第2窓孔22bと、それぞれ1対の第1ストッパ用孔26a及び第2ストッパ用孔26bと、を有している。
【0039】
第1窓孔22aは、回転軸Oを挟んで対向して配置されており、第1プレート211及び第2プレート212の第1窓部21aと対応する位置に形成されている。第1窓孔22aは、円周方向の両端面に押圧面22dを有している。各押圧面22dは、径方向の内側と外側のみに形成されており、径方向の中間部は、第1ストッパ用孔26a及び第2ストッパ用孔26bの端部と連通している。
【0040】
第2窓孔22bは、第1窓孔22aとは90°の間隔をあけて、回転軸Oを挟んで対向して配置されている。すなわち、第2窓孔22bは、第1プレート211及び第2プレート212の第2窓部21bと対応する位置に形成されている。第2窓孔22bは円弧状に形成されており、第2窓孔22bのピッチ径(孔の径方向の幅の中央位置の半径)は、第1窓孔22aの径方向の中心位置よりも径方向内側に位置している。第2窓孔22bは、円周方向の両端面に押圧面22fを有しており、両押圧面22f間の距離は、入力側プレート21の第2窓部21bの両押圧面21d間の距離より長く設定されている。
【0041】
1対の第1ストッパ用孔26aは、第1窓孔22aの円周方向のR1側(
図2及び
図3参照。以下、「R1側」と記載する)において、円弧状に延びる長孔である。第1ストッパ用孔26aのR1側の端部は、第2窓孔22bの径方向外側にまで延びている。また、第1ストッパ用孔26aのR2側(すなわち、第1窓孔22a側)の端部は、第1窓孔22aの径方向の中間部に連通している。
【0042】
また、1対の第2ストッパ用孔26bは、第1窓孔22aの円周方向のR2側(
図2及び
図3参照。以下、「R2側」と記載する)において、円弧状に延びる長孔である。第2ストッパ用孔26bのR2側の端部は、第2窓孔22bの径方向外側にまで延びている。また、第2ストッパ用孔26bのR1側(すなわち、第1窓孔22a側)の端部は、第1窓孔22aの径方向の中間部に連通している。
【0043】
このような構成では、各ストッパ用孔26a,26bが第1窓孔22aに連通していない場合に比較して、各ストッパ用孔26a,26bの第1窓孔22a側の端部を、より長く延ばして形成することができる。この結果、後述するストッパ機構25の作動範囲を広げることができる。また、第1窓孔22aを挟む1対のストップピン24の間の角度を、90°に近づけることができ、入力側プレート21及びフランジ222の強度が不均一になるのを防止できる。
【0044】
第1ストッパ用孔26a及び第2ストッパ用孔26bには、それぞれストップピン24が軸方向に貫通している。このため、入力側プレート21とハブフランジ22とは、ストップピン24が各ストッパ用孔26a,26b内において移動可能な範囲で相対回転可能である。言い換えれば、ストップピン24と各ストッパ用孔26a,26bとによってストッパ機構25が構成されており、入力側プレート21とハブフランジ22とは、ストップピン24が各ストッパ用孔26a,26bの一方の端面に当接することによって、互いの相対回転が禁止される。
【0045】
<ダンパ部23>
ダンパ部23は、入力側プレート21とハブフランジ22とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、
図1及び
図2に示すように、それぞれ2個のコイルスプリング27及び樹脂部材28と、コイルスプリング27の端面を支持する1対のスプリングシート30と、ヒス発生機構31(
図1参照)と、を有している。
【0046】
コイルスプリング27はフランジ222の第1窓孔22aに収容され、樹脂部材28はフランジ222の第2窓孔22bに収容されている。また、コイルスプリング27及び樹脂部材28は、第1プレート211及び第2プレート212の各窓部21a,21bによって、軸方向及び径方向に支持されている。
【0047】
なお、樹脂部材28は、入力側プレート21の第2窓部21bに対して、円周方向に隙間なく配置されている。一方、樹脂部材28は、フランジ222の第2窓孔22bの円周方向の幅よりも短い。すなわち、入力側プレート21とハブフランジ22とが相対回転していない(捩り角度「0」)の中立時においては、樹脂部材28の両端部と、フランジ222の第2窓孔22bの押圧面22fと、の間には、隙間(隙間の詳細については後述)が形成されている。
【0048】
スプリングシート30は、フランジ222の第1窓孔22aの円周方向の両端部に配置されている。スプリングシート30は、コイルスプリング27の端面を支持するとともに、コイルスプリング27の外周部の一部(円周方向の両端部)を支持する。このため、コイルスプリング27は、第1プレート211及び第2プレート212の第1窓部21aと、フランジ222の第1窓孔22aと、にスプリングシート30を介して円周方向に隙間なく収容されている。
【0049】
ヒス発生機構31は、第1プレート211及び第2プレート212と、ハブフランジ22と、の軸方向間に配置されている。ヒス発生機構31は、
図1に示すように、第1ブッシュ41と、第2ブッシュ42と、第3ブッシュ43と、コーンスプリング44と、を有している。
【0050】
第1ブッシュ41及び第2ブッシュ42は、ハブ221の外周面において、第1プレート211の内周端部とフランジ222との軸方向間に配置されている。第2ブッシュ42は、ハブ221と相対回転不能に係合しており、第1ブッシュ41との間で摩擦接触する。第3ブッシュ43は、第2プレート212の内周端部とフランジ222との軸方向間に配置されている。第3ブッシュ43は第2プレート212と相対回転不能に係合しており、フランジ222と摩擦接触する。コーンスプリング44は、第3ブッシュ43と第2プレート212との間に圧縮された状態で配置されている。
【0051】
以上のような構成によって、第1プレート211及び第2プレート212と、ハブフランジ22と、が相対回転した際に、ヒステリシストルクが発生する。
【0052】
[動作]
エンジンからフライホイールに伝達されたトルクは、トルクリミッタユニット10を介してダンパユニット20に入力される。ダンパユニット20では、トルクリミッタユニット10の摩擦ディスク13が固定されている入力側プレート21にトルクが入力され、このトルクは、コイルスプリング27及び樹脂部材28を介してハブフランジ22に伝達される。そして、ハブフランジ22から、出力側の電動機、発電機、変速機等に動力が伝達される。
【0053】
また、例えば、エンジン始動時においては、出力側の慣性量が大きいために、出力側からエンジンに過大なトルクが伝達される場合がある。このような場合は、トルクリミッタユニット10によってエンジン側に伝達されるトルクが所定値以下に制限される。
【0054】
<正側捩り特性>
ダンパユニット20における正側の捩り特性、すなわち、エンジンからトルクが入力された場合(正側トルクの入力)の特性について説明する。
【0055】
正側トルクが入力されると、
図2において、入力側プレート21はR1方向に回転する。このため、2つのコイルスプリング27は、入力側プレート21の第1窓部21aのR2側の押圧面21cに支持されているスプリングシート30と、フランジ222の第1窓孔22aのR1側の押圧面22dに支持されているスプリングシート30と、の間で圧縮される。
【0056】
なお、樹脂部材28は、中立時において、入力側プレート21の第2窓部21bに隙間なく支持されているが、フランジ222の第2窓孔22bにおいては、R1側及びR2側にそれぞれθ1の円周方向隙間が存在している。また、ストップピン24と各ストッパ用孔26a,26bとの間には、R1側又はR2側にθ2の円周方向隙間が存在している。ここで、各円周方向隙間(以下、単に「隙間」と記載する)の関係は、以下のように設定されている。
【0057】
θ1<θ2
以上のような隙間の設定により、入力側プレート21とハブフランジ22との捩り角度(以下、「捩り角度」と記載した場合、入力側プレートとハブフランジとの捩り角度である)がθ1になるまでは、樹脂部材28は圧縮されない。そして、捩り角度がθ1を超えると、樹脂部材28も圧縮される。このため、正側の捩り特性は、
図4で示すように、捩り角度がθ1までは特性C1となり、捩り角度がθ1を超えると特性C2となる。
【0058】
また、捩り角度がθ2になると、第1ストッパ用孔26aのR1側の端面にストップピン24が当接し、入力側プレート21とハブフランジ22との互いの相対回転が禁止される。
【0059】
<負側捩り特性>
ダンパユニット20における負側の捩り特性、すなわち、駆動ユニット側から逆にトルクが入力された場合(負側トルクの入力)の特性について説明する。
【0060】
負側トルクが入力されると、
図2において、ハブフランジ22は入力側プレート21に対してR1方向に回転する。このため、2つのコイルスプリング27は、ハブフランジ22の第1窓孔22aのR2側押圧面22dに装着されたスプリングシート30と、入力側プレート21の第1窓部21aのR1側押圧面21cに装着されたスプリングシート30と、の間で圧縮される。
【0061】
樹脂部材28の作動については、正側トルクが入力された場合と同様である。すなわち、捩り角度が-θ1になるまでは圧縮されず、捩り角度が-θ1以下では、
図4に示すように、低剛性の捩り特性C1となる。また、捩り角度が-θ1になると、樹脂部材28は、ハブフランジ22の第2窓孔22bのR2側押圧面22fと、入力側プレート21の第2窓部21bのR1側押圧面21dと、の間で圧縮され始める。このため、捩り角度が-θ1を超えると、
図4に示すように、高剛性の捩り特性C2となる。
【0062】
捩り角度が-θ2になると、ストップピン24がストッパ用孔26bのR2側端面に当接し、入力側プレート21とハブフランジ22との互いの相対回転が禁止される。
【0063】
このような実施形態では、第1ストッパ用孔26a及び第2ストッパ用孔26bの第1窓孔22a側の端部が、第1窓孔22aに連通している。また、第1ストッパ用孔26a及び第2ストッパ用孔26bの第1窓孔22aから離れた側の端部が、第2窓孔22bの径方向外側にまで延びて形成されている。このため、各ストッパ用孔26a,26bの円周方向の長さを長くすることができ、入力側プレート21とハブフランジ22との捩り角度を大きくすること(すなわち、広角化)が可能になる。
【0064】
また、同様の理由により、フランジ222の第1窓孔22aの両側のストッパ用孔26a,26bを互いに近づけることができる。この結果、第1窓孔22aの両側のストップピン24の間の角度を90°に近づけることができ、入力側プレート21及びハブフランジ22の強度の不均一性を抑えることができる。
【0065】
-第2実施形態-
図5及び
図6に本発明の第2実施形態によるダンパユニット20’及びフランジ40を示している。第2実施形態において、フランジ40以外の構成は、第1実施形態と同様である。また、フランジ40において、第1窓孔及びストッパ用孔の構成以外は第1実施形態のフランジ222と同様である。
【0066】
フランジ40は、中心孔と、それぞれ1対の第1窓孔41a及び第2窓孔41bと、それぞれ1対の第1ストッパ用孔42a及び第2ストッパ用孔42bと、を有している。各窓孔41a,41bの配置は、第1実施形態と同様である。
【0067】
1対の第1ストッパ用孔42aは、第1窓孔41aの円周方向のR1側において、円弧状に延びる長孔である。第1ストッパ用孔42aは、第1窓孔41aとは離れて形成されている。すなわち、第1実施形態とは異なり、第1ストッパ用孔42aのR2側の端部は、第1窓孔41aに連通していない。また、第1ストッパ用孔42aのR1側の端部は、第2窓孔41bの径方向外側にまで延びている。
【0068】
また、1対の第2ストッパ用孔42bは、第1窓孔41aの円周方向のR2側において、円弧状に延びる長孔である。第2ストッパ用孔42bのR2側の端部は、第2窓孔41bの径方向外側にまで延び、第2ストッパ用孔42bのR1側の端部は、第1窓孔41aの径方向の中間部に連通している。
【0069】
第2実施形態の捩り特性は第1実施形態と同様であり、このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0070】
ここで、第2実施形態では、1対の第1窓孔41aの径方向位置は同じであるが、第1ストッパ用孔42aのピッチ半径P1(第1ストッパ用孔42aの径方向中央部の半径)は、第2ストッパ用孔42bのピッチ半径P2よりも大きい。すなわち、第1ストッパ用孔42aと第2ストッパ用孔42bとは、径方向にずれた位置に形成されている。
【0071】
このような構成では、第1窓孔41aに連通していない第1ストッパ用孔42aをより外周側に形成でき、ストッパ機構の作動角度を広くすることができる。一方、第2ストッパ用孔42bを、第1窓孔41aの径方向のほぼ中央部に連通させることができる。
【0072】
-第3実施形態-
図7~
図10に本発明の第3実施形態を示している。第3実施形態において、フランジ50及び一方のスプリングシート55以外の構成は、第2実施形態と同様である。また、フランジ50において、第1窓孔及びストッパ用孔の構成以外は第2実施形態のフランジ40と同様である。
【0073】
フランジ50は、中心孔と、それぞれ1対の第1窓孔51a及び第2窓孔51bと、それぞれ1対の第1ストッパ用孔52a及び第2ストッパ用孔52bと、を有している。各窓孔51a,51bの配置は、第1実施形態と同様である。
【0074】
第1窓孔51aは、R1側の押圧面51dに突出部51eを有している。突出部51eは、押圧面51dの径方向の中心部に、R2側に向かって膨らむように突出している。第2窓孔51bは、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
【0075】
1対の第1ストッパ用孔52aは、第1窓孔51aの円周方向のR1側において、円弧状に延びる長孔である。第1ストッパ用孔52aは、第1窓孔51aとは離れて形成されている。すなわち、第1実施形態とは異なり、第1ストッパ用孔52aのR2側の端部は、第1窓孔51aに連通していない。また、第1ストッパ用孔52aのR1側の端部は、第2窓孔51bの径方向外側にまで延びている。
【0076】
そして、第1ストッパ用孔52aのR2側の端部は、第1窓孔51aの突出部51eに向かって延びている。具体的には、第1ストッパ用孔52aのR2側の端部は、直線Lに到達している。ここで、直線Lは、第1窓孔51aの突出部51eが形成されていない外周側の押圧面と内周側の押圧面とをつなぐ直線である。
【0077】
このような構成では、第1窓孔51aに突出部51eが形成されていない場合に比較して、第1ストッパ用孔52aのR2側の端部を、より長く延ばして形成することができる。また、第2ストッパ用孔52bは第1窓孔51aに連通しているので、第1窓孔51aを挟む1対のストップピン24の間の角度を、90°に近づけることができる。
【0078】
また、第1窓孔51aの一方の端部は第1ストッパ用孔52aと連通していないので、フランジ50の強度の低下を抑えることができる。
【0079】
また、この第3実施形態では、第2実施形態と同様に、第1ストッパ用孔52aのピッチ半径P1(第1ストッパ用孔52aの径方向中央部の半径)は、第2ストッパ用孔52bのピッチ半径P2よりも大きい。すなわち、第1ストッパ用孔52aと第2ストッパ用孔52bとは、径方向にずれた位置に形成されている。
【0080】
このため、第1ストッパ用孔52aのR2側の端部を、第1窓孔51aの径方向の中央部(すなわち突出部51e)に向かって延ばすことができる。また、第2ストッパ用孔52bのR1側の端部を、第1窓孔51aの径方向の中心部に連通させることができる。
【0081】
第3実施形態に用いられるスプリングシート55を
図9及び
図10に示している。スプリングシート55は、フランジ50の第1窓孔51aのR1側の端部に配置されている。スプリングシート55は、コイルスプリング27の端面を支持するとともに、コイルスプリング27の外周部の一部(円周方向の
一端部)を支持する。
【0082】
図9及び
図10に示すように、スプリングシート55は、端面支持部551と、外周支持部552と、を有している。なお、
図9はスプリングシート55の側面図(円周方向の一方側から視た図)であり、
図10は
図9のX-X線断面図である。
【0083】
端面支持部551は、コイルスプリング27の端面を支持するとともに、入力側プレート21の第1窓部21aの押圧面21c及びフランジ50の第1窓孔51aの押圧面51dに支持されている。端面支持部551の、第1窓孔51aの押圧面51dに支持されている面には、
図10に示すように、円弧状に凹む凹部551aが形成されている。また、この凹部551aの中央部、すなわち、径方向の中央部でかつ軸方向の中央部に、円周方向に貫通する孔551bを有している。そして、フランジ50の第1窓孔51aの突出部51eが、この凹部551aに嵌まり込んでいる。
【0084】
外周支持部552は、端面支持部551の外周端部から円周方向に延びて形成されている。この外周支持部552は、コイルスプリング27の一端部の外周部と、第1窓部21a及び第1窓孔51aの内周面と、の間に配置されている。このため、コイルスプリング27が遠心力によって、あるいは圧縮された状態で、外周側に移動しても、コイルスプリング27と第1窓部21a及び第1窓孔51aとの接触を避けることができる。
【0085】
なお、第1窓孔51aのR2側の押圧面に配置されているスプリングシート30は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、従来周知のスプリングシートであるので、説明は省略する。
【0086】
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
【0087】
(a)前記各実施形態では、ハブフランジの第1窓孔にスプリングシートを配置したが、このスプリングシートは必ずしも必要でない。すなわち、コイルスプリングの端面と、入力側プレート及びフランジの押圧面と、を直接接触させるようにしてもよい。
【0088】
(b)前記第2実施形態及び第3実施形態では、第1ストッパ用孔と第2ストッパ用孔のピッチ径を変えたが、これらの孔のピッチ径を同じにしてもよい。
【0089】
(c)前記各実施形態では、第2窓部及び第2窓孔に、樹脂部材を装着したが、コイルスプリングを装着してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 ダンパ装置
21 入力側プレート(第1回転体)
21a 第1窓部
21b 第2窓部
22 ハブフランジ(第2回転体)
222,40,50 フランジ
22a,41a,51a 第1窓孔
22b,41b,51b 第2窓孔
24 ストップピン
25 ストッパ機構
26a,26b,42a,42b,52a,52b ストッパ用孔
27 コイルスプリング(弾性部材)
28 樹脂部材(弾性部材)
51e 突出部