(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】端末装置、センサおよび空調制御システム
(51)【国際特許分類】
H04W 84/18 20090101AFI20231208BHJP
F24F 11/56 20180101ALI20231208BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20231208BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20231208BHJP
【FI】
H04W84/18
F24F11/56
H04W4/38
H04W24/08
(21)【出願番号】P 2020040020
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】福田 亜実
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/012641(WO,A1)
【文献】特開2010-045701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調制御対象空間の環境状態を計測する複数のセンサがメッシュ状のフラッド型センサネットワークを構築する空調制御システムに接続される端末装置であって、
前記センサで計測された前記環境状態の計測値、前記環境状態を計測し前記計測値を含む無線パケットの送信元である送信元センサの識別情報、および前記無線パケットを中継した中継センサの識別情報が含まれる前記無線パケットを受信する通信部と、
前記通信部で受信された無線パケットに含まれる前記送信元センサおよび前記中継センサの識別情報を用いて、前記無線パケットの通信経路、およびセンサ間の前記無線パケットの中継頻度を演算する演算部と、
前記空調制御対象空間のフロアマップ、および前記センサの設置位置の情報を記憶する記憶部と、
前記フロアマップ上に、前記設置位置、前記通信経路、および前記中継頻度を表示する表示部と、
ユーザから前記無線パケットの受信開始または受信停止の操作を受け付ける操作部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記設置位置の情報を、前記空調制御システムにおいて空気調和機の空調運転を制御するコントローラから取得し、前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記操作部は、前記ユーザから、前記設置位置の情報を受け付け、前記記憶部に記憶させ、
前記通信部は、前記設置位置の情報を、前記空調制御システムにおいて空気調和機の空調運転を制御するコントローラに送信する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記無線パケットには、さらに、前記送信元センサおよび前記中継センサの設置位置の情報が含まれ、
前記通信部は、前記設置位置の情報を、前記無線パケットから取得し、前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記複数のセンサのうちのいずれか1つのセンサと接続し、接続したセンサから前記無線パケットを受信する、
請求項1から4のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項6】
前記演算部は、指定された条件の無線パケットについて、前記通信経路、および前記中継頻度を演算する、
請求項1から5のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記ユーザの選択によって前記計測値を複数の方法で表示する、
請求項1から6のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記操作部が前記ユーザから受け付ける前記無線パケットの受信開始または受信停止の操作部分のうち少なくとも1つについてアニメーション表示を行う、
請求項1から7のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項9】
空調制御対象空間の環境状態を計測する複数のセンサがメッシュ状のフラッド型センサネットワークを構築する空調制御システムにおける前記センサであって、
自センサの識別情報および設置位置の情報を記憶する記憶部と、
前記空調制御システムにおいて空調制御に使用される環境状態を計測する計測部と、
前記計測部で前記環境状態が計測された場合は前記環境状態の計測値、前記識別情報、および前記設置位置の情報を含む無線パケットを生成し、他のセンサから無線パケットが受信された場合は受信した無線パケットに前記識別情報および前記設置位置の情報を追加する制御部と、
前記制御部で生成された無線パケットを送信し、または前記他のセンサから送信された無線パケットを受信して前記制御部で前記識別情報および前記設置位置の情報が追加された無線パケットを送信する通信部と、
を備えるセンサ。
【請求項10】
前記計測部は、前記環境状態として前記空調制御対象空間の温度および湿度のうちの少なくとも1つを計測する、
請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
複数の請求項9または10に記載のセンサと、
空調制御対象空間の環境状態を計測する前記センサからなる複数のセンサがメッシュ状のフラッド型センサネットワークを構築する空調制御システムにおいて空気調和機の空調運転を制御するコントローラであって、前記複数のセンサの設置位置の情報を設定する端末装置から前記複数のセンサの設置位置の情報を受信し、前記複数のセンサから各センサで計測された環境状態の計測値を含む無線パケットを受信する通信部と、前記設置位置および前記計測値を用いて、前記空気調和機の空調運転を制御する制御部と、を備えるコントローラと、
を備える空調制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調制御システムに接続可能な端末装置、センサ、コントローラおよび空調制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メッシュ構成のセンサネットワークシステムにおいて、機器間の通信経路を割り出すことが行われている。特許文献1には、センサネットワークシステムが、送信機から中継機間または中継機から中継機間のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を測定し、送信機の送信開始からタイマを計測し始めて途中でタイマカウント値が更新される受信データを受信することで、通信経路を割り出す技術が開示されている。特許文献1では、センサネットワークシステムが通信経路ごとのRSSI値を表示することで、表示画面を見たユーザは、受信機および中継機の配置位置を評価することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術によれば、システム構成は、1つの送信機、複数の中継機、1つの受信機からなっている。そのため、予め通信経路が決まっていないフラッド型のセンサネットワークシステムに適用した場合、受信機および中継機の配置位置について、直感的に評価することが難しい、という問題があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のセンサを備えるメッシュ構成のフラッド型のセンサネットワークシステムにおいて、各センサの配置を容易に評価できる表示を行う端末装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、空調制御対象空間の環境状態を計測する複数のセンサがメッシュ状のフラッド型センサネットワークを構築する空調制御システムに接続される端末装置である。端末装置は、センサで計測された環境状態の計測値、環境状態を計測し計測値を含む無線パケットの送信元である送信元センサの識別情報、および無線パケットを中継した中継センサの識別情報が含まれる無線パケットを受信する通信部と、通信部で受信された無線パケットに含まれる送信元センサおよび中継センサの識別情報を用いて、無線パケットの通信経路、およびセンサ間の無線パケットの中継頻度を演算する演算部と、空調制御対象空間のフロアマップ、およびセンサの設置位置の情報を記憶する記憶部と、フロアマップ上に、設置位置、通信経路、および中継頻度を表示する表示部と、ユーザから無線パケットの受信開始または受信停止の操作を受け付ける操作部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、端末装置は、複数のセンサを備えるメッシュ構成のフラッド型のセンサネットワークシステムにおいて、各センサの配置を容易に評価できる表示を行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る端末装置が接続可能な空調制御システムの構成例を示す図
【
図2】実施の形態1に係るセンサの構成例を示すブロック図
【
図3】実施の形態1に係るセンサが送受信する無線パケットの例を示す図
【
図4】実施の形態1に係るコントローラの構成例を示すブロック図
【
図5】実施の形態1に係る端末装置の構成例を示すブロック図
【
図6】実施の形態1に係るセンサが環境状態を計測して無線パケットを送信する動作を示すフローチャート
【
図7】実施の形態1に係るセンサが他のセンサから無線パケットを受信したときの動作を示すフローチャート
【
図8】実施の形態1に係るコントローラの動作を示すフローチャート
【
図9】実施の形態1に係る端末装置の動作を示すフローチャート
【
図10】実施の形態1に係る端末装置の表示部で表示される、フロアマップ上の各センサの設置位置、無線パケットの通信経路、および無線パケットの中継頻度の例を示す図
【
図11】実施の形態1に係る端末装置の操作部のスキャン状態切替ボタンの表示例を示す図
【
図12】実施の形態1に係る端末装置が備える処理回路の例を示す図
【
図13】実施の形態2に係るセンサの構成例を示すブロック図
【
図14】実施の形態2に係るセンサが送受信する無線パケットの例を示す図
【
図15】実施の形態3に係る端末装置の動作を示すフローチャート
【
図16】実施の形態3に係る端末装置が計測値を表示する動作を示すフローチャート
【
図17】実施の形態3に係る端末装置による計測値の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施の形態に係る端末装置、センサ、コントローラおよび空調制御システムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る端末装置4が接続可能な空調制御システム100の構成例を示す図である。空調制御システム100は、センサ1a~1lと、コントローラ2と、空気調和機3と、を備える。空調制御システム100は、空調制御対象空間の環境状態を計測する複数のセンサ1a~1lがメッシュ状のフラッド型センサネットワークを構築するシステムである。空調制御システム100がフラッド型センサネットワークであるため、センサ1a~1lが送受信する無線パケットについては、通信経路、中継回数などは決められていない。センサ1a~1lは、通信可能なセンサまたはコントローラ2に無線パケットを送信する。
【0011】
センサ1a~1lは、空調制御システム100が空調制御対象空間の環境状態を計測するセンサである。空調制御対象空間の環境状態とは、例えば、空調制御対象空間の温度、湿度などである。本実施の形態では、センサ1a~1lが、空調制御対象空間の温度および湿度を計測する温湿度センサである場合を例にして説明する。なお、センサ1a~1lは、空調制御対象空間の温度および湿度のうちの少なくとも1つを計測するセンサであってもよい。以降の説明において、センサ1a~1lを区別しない場合、センサ1と称する場合がある。センサ1は、空調制御システム100が空調制御対象空間の環境状態を計測すると、計測値および自センサの識別情報を含む無線パケットを生成し、通信可能なセンサ1またはコントローラ2に送信する。また、センサ1は、他のセンサ1から無線パケットを受信すると、無線パケットに自センサの識別情報を追加して、通信可能なセンサ1またはコントローラ2に送信する。なお、センサ1が他のセンサ1から受信した無線パケットを送信、すなわち中継する動作については、無線パケットに有効時間を設ける、無線パケットの中継回数に上限値を設ける、自センサの識別情報が含まれる無線パケットは送信しない、などの方法によって制限を持たせてもよい。
【0012】
コントローラ2は、空調制御システム100において、空気調和機3の空調運転を制御する。具体的には、コントローラ2は、センサ1a~1lで計測された計測値を用いて、空気調和機3の空調運転を制御する。空気調和機3は、コントローラ2の制御によって、空調制御システム100が空調制御対象空間とする領域の空調制御を行う。なお、
図1の例では、空調制御システム100は空気調和機3を1つ備えているが、これに限定されない。空調制御システム100は、複数の空気調和機3を備えていてもよい。端末装置4は、空調制御システム100に接続される。具体的には、端末装置4は、センサ1a~1lのいずれか1つと接続し、接続したセンサ1から無線パケットを受信する。また、端末装置4は、コントローラ2と接続することもできる。端末装置4は、いわゆるエンジニアリングツールと呼ばれる装置である。端末装置4は、例えば、スマートフォン、タブレットなどの携帯端末である。
【0013】
各装置の構成について説明する。まず、センサ1の構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係るセンサ1の構成例を示すブロック図である。センサ1は、記憶部11と、計測部12と、制御部13と、通信部14と、を備える。
【0014】
記憶部11は、プログラム、計測値、識別情報などのデータを記憶している。プログラムは、センサ1において、計測部12が計測を実現するために必要な情報である。計測値は、計測部12で計測された値であり、本実施の形態では、前述のように温度および湿度の値である。識別情報は、空調制御システム100において自センサ、すなわちセンサ1a~1lを識別可能な情報である。識別情報は、空調制御システム100の設置時にユーザによって割り当てられた情報であってもよいし、各センサ1の製造時に割り当てられたアドレスであってもよい。
【0015】
計測部12は、空調制御システム100において空調制御に使用される環境状態を計測する。具体的には、計測部12は、制御部13が記憶部11に記憶されているプログラムを実行することによって、温度および湿度の計測を行う。計測部12は、前述のように、環境状態として空調制御対象空間の温度および湿度のうちの少なくとも1つを計測するものであってもよい。
【0016】
制御部13は、記憶部11に記憶されているプログラムを実行して計測部12による計測を制御し、記憶部11の計測値の読み書きなどを行う。制御部13は、計測部12で環境状態が計測された場合、環境状態の計測値および自センサの識別情報を含む無線パケットを生成する。制御部13は、他のセンサ1から無線パケットが受信された場合、受信した無線パケットに自センサの識別情報を追加する。
【0017】
通信部14は、他のセンサ1と無線パケットを送受信し、コントローラ2および端末装置4に無線パケットを送信する。具体的には、通信部14は、制御部13で生成された無線パケットを送信する。また、通信部14は、他のセンサ1から送信された無線パケットを受信し、制御部13で自センサの識別情報が追加された無線パケットを送信する。
【0018】
ここで、センサ1が送受信する無線パケットの構成について説明する。
図3は、実施の形態1に係るセンサ1が送受信する無線パケットの例を示す図である。無線パケットは、送信元ID(IDentification)51と、中継ID52と、パケット識別情報53と、データ54と、から構成される。送信元ID51は、環境状態の計測を行って計測値をデータ54に格納し、無線パケットを生成して送信を行ったセンサ1である送信元センサの識別情報である。中継ID52は、他のセンサ1から無線パケットを受信して送信すなわち中継を行ったセンサ1である中継センサの識別情報である。パケット識別情報53は、各無線パケットを識別するための情報である。パケット識別情報53は、タイムスタンプであってもよいし、無線パケットの送信元である送信元センサが割り当てた無線パケット毎に固有の情報であってもよい。データ54は、無線パケットの送信元センサで計測された計測値を含む。データ54は、センサ1からコントローラ2への制御情報など、他のデータを含んでいてもよい。
【0019】
つぎに、コントローラ2の構成について説明する。
図4は、実施の形態1に係るコントローラ2の構成例を示すブロック図である。コントローラ2は、記憶部21と、制御部22と、通信部23と、を備える。
【0020】
記憶部21は、プログラム、計測値、設置位置情報などのデータを記憶している。プログラムは、コントローラ2において、空気調和機3の空調運転を制御するために必要な情報である。計測値は、センサ1から受信した無線パケットに含まれる計測値である。設置位置情報は、各センサ1が設置されている位置である設置位置を示す情報である。設置位置情報は、各センサ1の設置位置を識別できる情報であれば、3次元座標であってもよいし、空調制御対象空間において固有の表現方法で示される情報であってもよい。センサ1の設置位置情報については、例えば、空調制御システム100の構築時にユーザがコントローラ2に記憶させておく。このとき、ユーザは、コントローラ2にセンサ1の設置位置情報を記憶させる際、端末装置4にセンサ1の設置位置情報を入力し、端末装置4からコントローラ2にセンサ1の設置位置情報を送信してもよい。
【0021】
制御部22は、各センサ1の設置位置、および各センサ1で計測された計測値を用いて、空気調和機3の空調運転を制御する。
【0022】
通信部23は、複数のセンサ1から各センサ1で計測された環境状態の計測値を含む無線パケットを受信する。通信部23は、制御部22を介して、無線パケットに含まれる計測値を記憶部21に記憶させる。なお、コントローラ2では、通信部23が、無線パケットに含まれる計測値を直接記憶部21に記憶させるようにしてもよい。
【0023】
端末装置4の構成について説明する。
図5は、実施の形態1に係る端末装置4の構成例を示すブロック図である。端末装置4は、記憶部41と、操作部42と、演算部43と、通信部44と、表示部45と、を備える。
【0024】
記憶部41は、プログラム、無線パケット、設置位置情報、フロアマップなどのデータを記憶している。プログラムは、端末装置4を動作させるために必要な情報である。無線パケットには、センサ1から受信したものであって、無線パケットの送信元センサで計測された計測値、無線パケットの送信元センサの識別情報、無線パケットを中継した中継センサの識別情報が含まれる。設置位置情報は、各センサ1が設置されている位置を示す情報である。フロアマップは、空調制御対象空間のレイアウトを示す情報である。
【0025】
操作部42は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部42は、例えば、ユーザから無線パケットの受信開始または受信停止の操作を受け付ける。なお、操作部42は、表示部45とともにタッチパネルなどで実現されてもよい。
【0026】
演算部43は、センサ1から受信した無線パケットをフィルタリングし、無線パケットの通信経路、中継頻度などを演算する。具体的には、演算部43は、通信部44で受信された無線パケットに含まれる送信元センサおよび中継センサの識別情報を用いて、無線パケットの通信経路、およびセンサ1間の無線パケットの中継頻度を演算する。
【0027】
通信部44は、複数のセンサ1a~1lのいずれか1つと接続し、接続したセンサ1から無線パケットを受信する。具体的には、通信部44は、無線パケットの送信元センサで計測された環境状態の計測値、環境状態を計測し計測値を含む無線パケットの送信元である送信元センサの識別情報、および無線パケットを中継した中継センサの識別情報が含まれる無線パケットを受信する。
【0028】
表示部45は、演算部43の制御によって、空調制御対象空間のフロアマップ上に、センサ1の設置位置、無線パケットの通信経路、無線パケットの中継頻度を表示する。表示部45は、前述のように、操作部42とともにタッチパネルなどで実現されてもよい。
【0029】
なお、端末装置4は、センサ1の設置位置情報について、コントローラ2から取得することができる。この場合、通信部44は、センサ1の設置位置情報を、空調制御システム100において空気調和機3の空調運転を制御するコントローラ2から取得し、演算部43を介して、記憶部41に記憶させる。また、端末装置4は、ユーザがコントローラ2にセンサ1の設置位置情報を記憶させる際に端末装置4を使用した場合、ユーザから入力されたセンサ1の設置位置情報を記憶してもよい。この場合、操作部42は、ユーザから、センサ1の設置位置情報を受け付け、演算部43を介して、記憶部41に記憶させる。そして、通信部44は、センサ1の設置位置情報を、空調制御システム100において空気調和機3の空調運転を制御するコントローラ2に送信する。コントローラ2において、通信部23は、複数のセンサ1の設置位置の情報を設定する端末装置4から複数のセンサ1の設置位置情報を受信する。通信部23は、制御部22を介して、設置位置情報を記憶部21に記憶させる。
【0030】
つづいて、各装置の動作について説明する。
図6は、実施の形態1に係るセンサ1が環境状態を計測して無線パケットを送信する動作を示すフローチャートである。センサ1において、計測部12は、制御部13の制御によって、規定された周期で環境状態を計測する(ステップS11)。規定された周期、すなわち計測間隔は数秒であってもよいし、数分であってもよい。制御部13は、計測部12の計測によって得られた計測値、および自センサの識別情報を含む無線パケットを生成する(ステップS12)。通信部14は、無線パケットを他のセンサ1、コントローラ2などへ送信する(ステップS13)。
【0031】
図7は、実施の形態1に係るセンサ1が他のセンサ1から無線パケットを受信したときの動作を示すフローチャートである。センサ1において、通信部14は、他のセンサ1から無線パケットを受信する(ステップS21)。制御部13は、無線パケットに、自センサの識別情報を追加する(ステップS22)。通信部14は、無線パケットを他のセンサ1、コントローラ2などへ送信する(ステップS23)。
【0032】
なお、センサ1は、環境状態を計測して無線パケットを送信する動作について、コントローラ2が空気調和機3の空調運転を制御しているときに行っていればよい。そのため、センサ1は、コントローラ2から指示を受けた場合に環境状態を計測して無線パケットを送信する動作を開始してもよい。なお、センサ1は、コントローラ2からの指示の有無に係わらず、環境状態を計測して無線パケットを送信する動作を行っていてもよい。
【0033】
図8は、実施の形態1に係るコントローラ2の動作を示すフローチャートである。コントローラ2において、通信部23は、センサ1から無線パケットを受信する(ステップS31)。制御部22は、記憶部21に記憶されている各センサ1の設置位置情報、無線パケットに含まれる計測値を用いて、空気調和機3の空調運転を制御する(ステップS32)。
【0034】
図9は、実施の形態1に係る端末装置4の動作を示すフローチャートである。端末装置4において、操作部42は、ユーザから無線パケットのスキャン開始、すなわち無線パケットの受信開始を受け付ける(ステップS41)。操作部42は、無線パケットの受信開始または受信停止をユーザから受け付け可能なボタンなどを有しているものとする。操作部42は、ユーザから無線パケットの受信開始の操作を受け付けた旨を演算部43へ通知する。通信部44は、演算部43の制御により、センサ1との通信を開始する(ステップS42)。このとき、端末装置4は、空調制御システム100が備える複数のセンサ1のうち1つのセンサ1と接続して通信を行う。
【0035】
通信部44は、接続したセンサ1から、当該センサ1が送信する無線パケットを受信する(ステップS43)。演算部43は、通信部44で受信された無線パケットに含まれる送信元センサおよび中継センサの識別情報を用いて、無線パケットの通信経路、およびセンサ1間の無線パケットの中継頻度を演算する(ステップS44)。表示部45は、記憶部41に記憶されているフロアマップを用いて、フロアマップ上に、各センサ1の設置位置、無線パケットの通信経路、および無線パケットの中継頻度を表示する(ステップS45)。ユーザから無線パケットのスキャン停止、すなわち無線パケットの受信停止を受け付けていない場合(ステップS46:No)、端末装置4は、ステップS43に戻って上記動作を繰り返し行う。ユーザから無線パケットのスキャン停止、すなわち無線パケットの受信停止を受け付けた場合(ステップS46:Yes)、端末装置4は、動作を終了する。
【0036】
図10は、実施の形態1に係る端末装置4の表示部45で表示される、フロアマップ上の各センサ1の設置位置、無線パケットの通信経路、および無線パケットの中継頻度の例を示す図である。
図10は、
図9に示すフローチャートのステップS45において、表示部45によって表示される表示例を示している。なお、
図10では、記載を簡潔にするため、複数のセンサ1のうち6つのセンサ1を、各センサ1の識別情報であるID0~ID5として表示している。また、
図10は、端末装置4が、ID0の識別情報を持つセンサ1から送信された無線パケットを、ID5の識別情報を持つセンサ1に接続して受信する例を示している。
【0037】
表示部45は、
図10に示すように、フロアマップ上に、センサ1の設置位置を表示する。
図10では無線パケットを中継するセンサ1が四角で表示されているが、形状は問わない。表示部45で表示されるセンサ1は、センサ1の写真であってもよい。
図10では、前述のように、センサ1のアイコン、すなわちセンサアイコンに識別情報であるID番号を表示している。表示部45は、計測を実施したセンサ1の設置位置が分かりやすいようにセンサアイコンの形状、色などを変化させてもよい。表示部45は、
図10の例では、ID0のセンサ1が計測を実施したセンサ1として、ID1~ID5のセンサ1とは形状を変えている。また、表示部45は、接続しているセンサ1の位置が分かりやすいように、センサアイコンの形状、色などを変化させてもよい。表示部45は、
図10の例では、ID5のセンサ1が接続しているセンサ1として、ID1~ID4のセンサ1とは形状を変えている。
【0038】
表示部45は、通信経路について、無線パケットの送信方向が分かりやすいように、センサアイコン間を繋いだ線を矢印で表現してもよいし、アニメーションで表現してもよい。また、表示部45は、
図10に示すように、矢印の線の太さ、色の違いなどによって通信経路の使用頻度、すなわち中継頻度を表示することもできる。表示部45は、無線パケットの中継頻度について、センサアイコンの色、大きさなどの違いで表示してもよい。
【0039】
ここで、ID3のセンサ1とID5のセンサ1との間で通信障害が発生した場合を想定する。ID3のセンサ1とID5のセンサ1との間で通信障害が発生した場合とは、例えば、ID3のセンサ1の通信部14のうち送信機能が故障した場合、ID3のセンサ1とID5のセンサ1との間に障害物があって通信経路が途絶えた場合などである。この場合、表示部45は、
図10に示す表示において、ID3のセンサ1からID5のセンサ1に向けての矢印を表示しないことになる。これにより、ユーザは、表示部45においてID4のセンサ1からID5のセンサ1への矢印が表示されている場合、ID3のセンサ1の通信部14の送信機能が故障した、ID3のセンサ1とID5のセンサ1との間に障害物がある、などと推定することができる。この場合、ユーザは、端末装置4の位置をID3のセンサ1の方に移動し、端末装置4とID3のセンサ1とが接続可能か否かを確認することで、通信障害の原因を特定することができる。
【0040】
また、ユーザは、
図10に示す表示内容を確認することによって、ID1のセンサ1からID3のセンサ1への中継頻度に対して、ID1のセンサ1からID2のセンサ1への中継頻度が低いことが分かる。そのため、ユーザは、ID1のセンサ1からID3のセンサ1への中継頻度とID1のセンサ1からID2のセンサ1への中継頻度とを同様の中継頻度にしたい場合、ID2のセンサ1の設置位置を、ID1のセンサ1に近付けるように変更することができる。
【0041】
なお、端末装置4では、演算部43は、操作部42でユーザから指定された条件の無線パケットについて、通信経路、および中継頻度を演算してもよい。すなわち、演算部43は、受信した無線パケットをフィルタリングしてもよい。この場合、表示部45は、演算部43で演算された通信経路、および中継頻度のみを表示する。操作部42でユーザから指定された条件とは、例えば、ID0のセンサ1から送信された無線パケットのうち、最初にID5のセンサ1が受信した無線パケットのみを表示対象にする場合である。また、操作部42でユーザから指定された条件について、特定のセンサ1を指定してもよい。この場合、端末装置4は、指定されたセンサ1から送信された無線パケットのみを表示対象にする。
【0042】
また、表示部45は、端末装置4の状態が無線パケット受信状態の場合、操作部42のスキャン状態切替ボタンの中心部から同心円状に円が広がるようなアニメーション表示を行ってもよい。
図11は、実施の形態1に係る端末装置4の操作部42のスキャン状態切替ボタンの表示例を示す図である。なお、ここでは、操作部42および表示部45がタッチパネルで構成されていることを想定している。スキャン状態切替ボタンは、操作部42において、ユーザから無線パケットの受信開始または受信停止の操作を受け付けるためのボタンである。表示部45は、操作部42のスキャン状態切替ボタンについて、無線パケットを受信していない未通信の場合はアニメーション表示を行わず、無線パケットを受信している通信中の場合はアニメーション表示を行う。
図11では、無線パケット受信状態を切り替える操作部42のボタンが1つの場合を示しているが、無線パケット受信状態を切り替える操作部42のボタンが2つ、例えば、受信開始および停止の2つのボタンが有る場合にも適用可能である。すなわち、表示部45は、操作部42がユーザから受け付ける無線パケットの受信開始または受信停止の操作部分のうち少なくとも1つについてアニメーション表示を行う。
【0043】
また、端末装置4において、演算部43は、通信部44で無線パケットが受信された場合、音を鳴らす、LED(Light Emitting Diode)を光らせるなどによって、無線パケットを受信したことをユーザに通知してもよい。
【0044】
つづいて、端末装置4のハードウェア構成について説明する。
図12は、実施の形態1に係る端末装置4が備える処理回路の例を示す図である。端末装置4において、記憶部41はメモリである。操作部42および表示部45はタッチパネルである。通信部44はセンサ1との間で通信を行うインターフェイスである。演算部43は処理回路により実現される。処理回路は、例えば、メモリ92に格納されるプログラムを実行するプロセッサ91、およびメモリ92である。
【0045】
処理回路がプロセッサ91およびメモリ92で構成される場合、処理回路の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路では、メモリ92に記憶されたプログラムをプロセッサ91が読み出して実行することにより、各機能を実現する。また、これらのプログラムは、端末装置4の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0046】
ここで、プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。また、メモリ92には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0047】
処理回路については、専用のハードウェアであってもよい。処理回路が専用のハードウェアで構成される場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。端末装置4の各機能を機能別に処理回路で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
【0048】
なお、端末装置4の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0049】
なお、センサ1およびコントローラ2のハードウェア構成についても同様である。センサ1において、記憶部11はメモリである。計測部12は前述のように温度および湿度を計測可能なセンサである。通信部14は他のセンサ1などとの間で通信を行うインターフェイスである。制御部13は処理回路により実現される。また、コントローラ2において、記憶部21はメモリである。通信部23はセンサ1などとの間で通信を行うインターフェイスである。制御部22は処理回路により実現される。処理回路は、プロセッサ91およびメモリ92で構成されてもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、端末装置4は、空調制御対象空間の環境状態を計測する複数のセンサ1a~1lがメッシュ状のフラッド型センサネットワークを構築する空調制御システム100において、システムの施工、メンテナンスなどにおいて必要な情報、すなわちセンサ1の設定位置、通信経路、センサ1間の中継頻度などの情報を、フロアマップ上に直感的に分かるように表示することとした。これにより、端末装置4の表示部45に表示される内容を確認したユーザは、システムの施工、メンテナンスなどにおいて、センサ1の適切な配置を直感的に確認、および検討することができ、作業時間を短縮することができる。端末装置4は、複数のセンサ1を備えるメッシュ構成のフラッド型のセンサネットワークシステムにおいて、各センサ1の配置を容易に評価できる表示を行うことができる。
【0051】
実施の形態2.
実施の形態1では、端末装置4およびコントローラ2がセンサ1の設置位置情報を記憶していた。実施の形態2では、センサ1の設置位置情報を、無線パケットを受信する都度、センサ1から取得する場合について説明する。
【0052】
図13は、実施の形態2に係るセンサ1の構成例を示すブロック図である。
図13に示す実施の形態2のセンサ1は、
図2に示す実施の形態1のセンサ1に対して、記憶部11において、自センサの設置位置情報を記憶している点が異なる。センサ1は、自センサの設置位置情報について、自センサが備える図示しないGPS(Global Positioning System)を用いて取得してもよいし、空調制御システム100の設置時にユーザが各センサ1に設置位置情報を登録することで取得してもよい。センサ1において、制御部13は、自センサで無線パケットを生成する場合、送信元IDとして自センサの識別情報を無線パケットに含めるとともに、自センサの設置位置情報を無線パケットに含める。また、制御部13は、他のセンサ1から無線パケットを受信した場合、無線パケットに、中継IDとして自センサの識別情報を無線パケットに追加するとともに、自センサの設置位置情報を無線パケットに追加する。通信部14は、制御部13で生成された無線パケットを送信する。または、通信部14は、他のセンサ1から送信された無線パケットを受信して制御部13で識別情報および設置位置の情報が追加された無線パケットを送信する。
【0053】
具体的には、センサ1は、
図6に示すフローチャートのステップS12の動作において、さらに自センサの設置位置情報を含む無線パケットを生成する。また、センサ1は、
図7に示すフローチャートのステップS22の動作において、さらに自センサの設置位置情報を追加する。
【0054】
図14は、実施の形態2に係るセンサ1が送受信する無線パケットの例を示す図である。
図14に示す実施の形態2の無線パケットは、
図3に示す実施の形態1の無線パケットに対して、送信元センサの設置位置情報55、および中継センサの設置位置情報56が追加されている。
【0055】
各センサ1が自センサの設置位置情報を記憶しておくことで、端末装置4は、予め各センサ1の設置位置情報を取得していなくても、各センサ1からの無線パケットを受信することで、
図10に示すように、フロアマップ上に各センサ1の設置位置、無線パケットの通信経路、および無線パケットの中継頻度を表示することができる。
【0056】
このように、本実施の形態では、無線パケットには、さらに、送信元センサおよび中継センサの設置位置情報が含まれている。そのため、端末装置4において、通信部44は、設置位置情報を、無線パケットから取得し、記憶部41に記憶させることができる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、端末装置4は、各センサ1の設置位置の情報を、各センサ1から取得することとした。この場合においても、端末装置4は、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0058】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2において、端末装置4は、センサ1から無線パケットを受信し、記憶している。そのため、端末装置4は、センサ1で計測された計測値を表示することも可能である。実施の形態3では、端末装置4が、センサ1で計測された計測値を表示する動作について説明する。なお、実施の形態1を例にして説明するが、実施の形態2にも適用可能である。
【0059】
図15は、実施の形態3に係る端末装置4の動作を示すフローチャートである。なお、
図15において、ステップS41からステップS45までの動作、およびステップS46の動作は、
図9に示す実施の形態1のときのフローチャートの動作と同様である。端末装置4において、表示部45は、センサ1で計測された結果であって、無線パケットに含まれる計測値を表示する(ステップS51)。表示部45は、ステップS45に示す表示を行い、規定された時間経過後にステップS46に示す表示を行ってもよいし、ステップS45に示す表示中、操作部42の表示切替ボタンがユーザによって操作されたときにステップS46に示す表示を行ってもよい。
【0060】
図16は、実施の形態3に係る端末装置4が計測値を表示する動作を示すフローチャートである。
図17は、実施の形態3に係る端末装置4による計測値の表示例を示す図である。表示部45は、演算部43の制御によって、無線パケットに含まれる計測値をテキスト表示する(ステップS61)。表示部45は、計測値の値に応じて表示する文字の色、大きさなどを変化させてもよい。演算部43は、ユーザからのアクションが無い場合(ステップS62:No)、表示部45にテキスト表示を継続させる。ユーザからのアクションとは、例えば、ユーザが端末装置4を振る行為、表示部45に表示されている画面を回転させる行為などである。演算部43は、ユーザからのアクションが有った場合(ステップS62:Yes)、表示部45を制御して、表示部45に計器表示をさせる。表示部45は、演算部43の制御によって、無線パケットに含まれる計測値を計器表示する(ステップS63)。表示部45は、計測値の値に応じて円盤、針などの色を変化させてもよい。演算部43は、ユーザからのアクションが無い場合(ステップS64:No)、表示部45に計器表示を継続させる。
【0061】
演算部43は、ユーザからのアクションが有った場合(ステップS64:Yes)、表示部45を制御して、表示部45にグラフ表示をさせる。表示部45は、演算部43の制御によって、無線パケットに含まれる計測値をグラフ表示する(ステップS65)。表示部45は、計測値の値に応じて線の色、太さなどを変化させてもよい。演算部43は、ユーザからのアクションが無い場合(ステップS66:No)、表示部45にグラフ表示を継続させる。演算部43は、ユーザからのアクションが有った場合(ステップS66:Yes)、表示部45を制御して、表示部45にテキスト表示をさせる。表示部45は、演算部43の制御によって、無線パケットに含まれる計測値をテキスト表示する(ステップS61)。以降の動作は、前述の通りである。なお、
図16および
図17では、表示部45が、演算部43の制御によって3つの表示パターンを切り替える例を示したが、表示パターンはこれらに限定されない。表示部45が、演算部43の制御によって2つの表示パターンを切り替えてもよいし、4つ以上の表示パターンを切り替えてもよい。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態によれば、端末装置4は、ユーザがシステムの施工、メンテナンスなどの際に端末装置4を使用する場合において、端末装置4に対するユーザからの簡単な動作によって、計測値の表示方法を切り替えることとした。具体的には、表示部45は、ユーザの選択によって計測値を複数の方法で表示する。これにより、端末装置4は、ユーザの片手が塞がっている、ユーザが手袋をしているなどの場合においても、ユーザからの操作を簡単に受け付けることができる。
【0063】
ユーザは、テキスト表示によって、センサ1の計測値を正確に知ることができる。また、ユーザは、計器表示によって、計測値を直感的に把握することができる。また、ユーザは、グラフ表示によって、計測値のトレンドを把握することができる。このように、ユーザは、端末装置4における計測値の表示方法を切り替えることによって、センサ1で計測された計測値を、手元でリアルタイムかつ直感的に確認することができるため、データ収集の手間を削減することができる。
【0064】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0065】
1,1a~1l センサ、2 コントローラ、3 空気調和機、4 端末装置、11,21,41 記憶部、12 計測部、13,22 制御部、14,23,44 通信部、42 操作部、43 演算部、45 表示部、100 空調制御システム。