(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】開口部装置
(51)【国際特許分類】
E05C 3/04 20060101AFI20231208BHJP
【FI】
E05C3/04 C
(21)【出願番号】P 2020047745
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】P 2019052281
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川西 和昭
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 哲史
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-290831(JP,A)
【文献】特開2011-014096(JP,A)
【文献】特開2016-051404(JP,A)
【文献】特開2006-316542(JP,A)
【文献】特開2003-027785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 3/04
E05B 1/00-85/28
G08B 23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部建材と、コントローラを備え、
居住者の状態が正常か異常かを判断するものであり、
開口部建材は、錠と施解錠検知部を有し、
コントローラは、制御部と通信部を有し、
施解錠検知部は、錠の施解錠状態を制御部に送信するものであり、
制御部は、錠が所定時間内に操作された回数を所定時間ごとに判断し又は錠が所定時間内に操作された回数の減少を所定時間ごとに判断し、判断結果を通信部から通信端末に送信することを特徴とする開口部装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓やドア等の開口部建材とコントローラを備える開口部装置に関する。
【背景技術】
【0002】
引き違い窓等の開口部建材では、クレセント等の錠で施解錠することが知られており、施解錠を検知できるものが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、開口部建材の施解錠を検知できる開口部装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、開口部建材と、コントローラを備え、居住者の状態が正常か異常かを判断するものであり、開口部建材は、錠と施解錠検知部を有し、コントローラは、制御部と通信部を有し、施解錠検知部は、錠の施解錠状態を制御部に送信するものであり、制御部は、錠が所定時間内に操作された回数を所定時間ごとに判断し又は錠が所定時間内に操作された回数の減少を所定時間ごとに判断し、判断結果を通信部から通信端末に送信することを特徴とする開口部装置である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、錠の施解錠を検知できる。
コントローラは、所定時間内に施解錠操作された回数又は変化の有無を所定時間ごと判断して判断結果を通信端末に送信するので、通信端末保持者は常時正確な施解錠状態や居住者に異常がないか等の状態を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の第1実施形態であって、カバーを台座に取り付けた状態のクレセント(錠)が施錠状態にあるときの図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は取り付け面側から見た底面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態であって、カバーを台座に取り付けた状態であってクレセント(錠)が解錠状態にあるときの図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は取り付け面側から見た底面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態であって、カバーを台座に装着前の状態を示すクレセント(錠)の側面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態であって、窓を室内側から見た正面図であり、(a)はクレセント(錠)の施錠状態、(b)はクレセント(錠)の解錠状態である。
【
図5】本発明の第1実施形態であって、クレセント(錠)の施解錠を管理する管理システムの構成を示すブロックである。
【
図6】本発明の第1実施形態であって、管理システムの制御の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1実施形態であって、制御部において居住者の状態を判断するフローチャートである。
【
図8】本発明の第1実施形態であって、コントローラを配置した家の間取り図である。
【
図9】本発明の第2実施形態であって、ドア錠(錠)の施解錠を管理する管理システムの構成を示すブロックである。
【
図10】本発明の第2実施形態であって、管理システムの制御の流れを示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第2実施形態であって、コントローラを配置した家の間取り図である。
【
図12】本発明の第3実施形態であって、クレセント(錠)及びドア電気錠(錠)の施解錠を管理する管理システムの構成を示すブロックである。
【
図13】本発明の第3実施形態であって、管理システムの制御の流れを示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第3実施形態であって、コントローラを配置した家の間取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、まず、
図1~
図8を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図8に示すように、第1実施の形態にかかる開口部装置1は、窓(開口部建材)1Aとコントローラ53とを備えている。
図1に示すように、窓1Aは、クレセント(錠)3と、カバー6と、コントローラ53(
図8参照)とを備えている。
図4(a)(b)に示すように、開口部建材1は、引き違い窓であり、引き違い窓の内障子2の召合せ框2aの側面にクレセント(錠)3が取り付けてあり、外障子4の召合せ框4aには、クレセント3で施錠するための受け17(後述する)が取り付けてある。
図1に示すように、クレセント(錠)3は、台座11と、操作部13とを備えている。
【0008】
図3に示すように、台座11は、台座本体11aと、一方側ネジ止め部21a及び他方側ネジ止め部21bとを有し、台座本体11aには操作部13が上下に回動自在(矢印E参照)に取り付けてある。一方側ネジ止め部21aは台座本体11aから一方側(下方側)に突出しており、他方側ネジ止め部21bは台座本体11aから他方側(上方側)に突出して台座本体11aに一体に形成されている。一方側ネジ止め部21aは一方側ネジ19aで内召合せ框2aに止めてあり、他方側ネジ止め部21bは他方側ネジ19bで内召合せ框2aに止めてある。一方側ネジ止め部21aと他方側ネジ止め部21bとは、共に略直方体形状を成しており、対応するネジ19a、19bの軸を挿通する長孔23が形成してあると共に対応するネジ19a、19bの頭を収める凹み25が形成されている。
【0009】
操作部13には、先端部にマグネット16が設けてあり、基端部が台座11に回動自在に取り付けてあり、先端部を下に向けた位置(
図2参照)から上に向けた位置(
図1参照)へ180度回動させることで、下に位置する解錠位置から上に位置する施錠位置へ操作するものである。
この操作部13は、下から上に向けて180度回動させることで(矢印E)、掛け金15を外障子4の召合せ框4aに設けてある受け17に掛けて、内障子2と外障子4を締め付けて施錠する。
【0010】
図1に示すように、カバー6は、台座11に取り付けるものであり、マグネットセンサ(施開錠検知部)35と、通信制御部37を備えている。また、カバー6は、一方側カバー5と、他方側カバー7とで構成されている。
一方側カバー5は、台座11を止める一方側ネジ19aを隠している。この一方側カバー5は、上面と右側面が開口した四角筒形状を成しており、左側壁31a、室内側壁31b、室外側壁31c及び下壁31dを有し、これらの各壁が一方側ネジ止め部21aの対応する面に対向することで、一方側ネジ止め部21aの周囲を覆っている。
図1(c)に示すように、一方側カバー5の右側面の開口の周囲には、輪郭部33が設けてあり、輪郭部33に設けた粘着剤で内召合せ框2aに固定してある。粘着剤は例えば、両面テープである。
【0011】
他方側カバー7は、係合部47と、マグネットセンサ(施開錠検知部)35と、通信制御部37とを有しており、この他方側カバー7には、マグネットセンサ収納部41、通信制御部収納部43と、アンテナ収納部45と、係合部47とが一体に形成されている。
各収納部41、43、45及び係合部47は、対応する右側面側を開口41a、43a、45a、47aとした凹みであり、マグネットセンサ収納部41、通信制御部収納部43と、アンテナ収納部45には、各開口41a、43a、45aからそれぞれ対応するマグネットセンサ35、通信制御部37及びアンテナ39が収納してある。互いに隣合う各開口41a、43a、45aは区画壁48により区画されている。
【0012】
係合部47は、下面と右側面が開口した略四角筒形状を成しており、左側壁47a、室内側壁47b、室外側壁47c及び上壁47dを有し、これらの各壁47a、47b、47c、47dが他方側ネジ止め部21bに対応する面に対向することで、他方側ネジ止め部21bに係合して、他方側ネジ19bを隠している。
図1(a)に示すように、係合部47を、他方側ネジ止め部21bに係合したときに、操作部13が施錠状態にあるときのマグネット16の位置に対応する位置となるようにマグネットセンサ35の位置が位置決めされる。即ち、係合部47が他方側ネジ止め部21bに係合することで、マグネットセンサ35が操作部13に設けたマグネット16と対向する位置に位置決めされる。
図1(c)に示すように、他方側カバー7は、その右側面の各開口41a、43a、45aの周囲にある面及び係合部47の周囲にある面に設けた粘着剤で内召合せ框2aに固定してある。粘着剤は例えば、両面テープである。
図1(b)及び
図2(b)に符号40で示すのは、太陽電池であり、通信制御部37に接続されて通信制御部37に駆動電流を供給している。
マグネットセンサ35は、操作部13のマグネット16の位置から施解錠状態を検知するものであり、通信制御部37に接続してあると共にアンテナ39に接続してある。
【0013】
通信制御部37は、マグネットセンサ(施解錠検知部)35の検知結果をコントローラ53(
図5参照)に送信するものであり、マグネットセンサ(施解錠検知部)35は、通信制御部37を介して、施解錠状態が変わったとき及び所定時間ごとに施解錠状態を送信している。マグネットセンサ(施解錠検知部)35及び通信制御部37の詳しい制御については後述する。
【0014】
次に、カバー6の取り付けについて説明する。
図1に示すように、操作部13の先端部を他方側にしてクレセント3を施錠状態にして、一方側カバー5の輪郭部33(
図1(c)参照)に粘着剤を付け、一方側カバー5を、一方側ネジ止め部21a(
図3参照)に被せるようにして係合する。
次に、
図2に示すように、操作部13の先端部を一方側にしてクレセント3を解錠状態にして、他方側カバー7の各開口41a、43a、45aの周囲にある面及び係合部47の周囲にある面(
図2(c)参照)に粘着剤を付け、他方側カバー7の係合部47を他方側ネジ止め部21bに被せるようにして係合する。
【0015】
次にクレセント(錠)3の操作について説明する。
図2に示すように、操作部13の先端部が下方にあるときには、クレセント3は解錠状態にあり、内障子2及び外障子4が開閉自在である(
図4(b)参照)。このクレセントの解錠状態ではマグネットセンサ35は、マグネット16を検知しないので通信制御部37では、解錠信号を発信する。
図2に示す操作部13の先端部を下方位置から上方に向けて回動し、
図1に示すように、操作部13の先端部を上方位置にしたときには、クレセント3は施錠状態になり、内障子2及び外障子4を締め付けて施錠する(
図4(a)参照)。このクレセント3の施錠状態ではマグネットセンサ35は、マグネット16を検知するので通信制御部37では、施錠信号を発信する。
【0016】
次に、戸締り管理システム51について説明する。
図5に示すように、戸締り管理システム51は、窓の施解錠検知部(マグネットセンサ)35及び通信制御部37と、コントローラ53と、Wi-Fiルータ55と、管理サーバ57とから構成されている。管理サーバ57は通信回路を介して通信端末59及びサービスサーバ61に通信により接続されている。
コントローラ53は窓の施解錠検知部35と、通信制御部37を介して無線により接続されており、コントローラ53は、Wi-Fiルータ55を介して宅外に設置されている管理サーバ57に通信回線を介して相互に接続されている。
コントローラ53は、クレセント(錠)3が解錠状態にあるのか施錠状態にあるのかを記録する施解錠状態記録部53aと、施解錠状態が変わった回数を記録する施解錠回数記録部53bと、タイマー53cと、制御部53eと、通信部53fを備えている。
制御部53eでは、施解錠状態の変化の有無による居住者の状態を判断する。ここで、
図7を参照して、居住者の状態の判断フローについて説明する。
【0017】
ステップS21で、各部屋のクレセント(錠)3の少なくとも一つ(リビングのテラス窓を含む)について、施錠又は解錠操作されたか否かを判断し、施錠又は解錠操作されると、ステップS22で操作回数に「1」を加算してステップS23へ移行する。一方、ステップS21で、いずれの部屋のクレセント(錠)3も施錠又は解錠操作がされていない場合には、ステップS23に移行する。
ステップS23では、所定の設定日数を経過したか否かを判断し、設定日数を経過している場合には、ステップS24に移行し、設定日数を経過していない場合には、居住者の状態判断フローを終了する。所定の設定日数は、任意の日数であるが、例えば、居住者に旅行等の宿泊を伴う外出の予定がない場合には、2日や3日である。設定に日数は、掃除や換気のため何日に一度は窓を開閉するか、例えば2日に一度は窓を開閉(クレセントを施解錠)することを確認して、2日に設定する。
【0018】
ステップS24では、施錠又は解錠の操作回数がゼロか否かを判断する。施錠又は解錠の操作が一回でも操作された場合には、操作回数がゼロでないので、ステップS25に移行し、正常通知を通知した後、ステップS26でステップS22の操作回数をリセットする。
一方、ステップS24で、操作回数がゼロの場合には、居住者に異常があることを、施解錠情報(
図13のステップS4)として通知して、終了する。
【0019】
図8に示すように、コントローラ53は屋内に設けてあり、窓(開口部建材)1Aの他に玄関ドアやその他の窓の開閉信号を受けて集中管理するものである。本実施の形態では、コントローラ53は、リビングに設けてあり、本実施の形態にかかるクレセント(錠)3の他に、他の部屋の窓の施解錠検知部54からも施解錠情報を受けて、屋内の集中管理を行っている。
図5に示すように、管理サーバ57は、戸締り管理システム51を管理する管理会社のサーバであり、通信端末59及びサービスサーバ61に通信回路を介して相互に接続されている。
通信端末59は、住宅主等が保持するスマートフォンやモバイルノートパソコン等である。
サービスサーバ61は警備会社等のサーバである。
【0020】
図6を参照して、戸締り管理システム51の制御フローについて説明する。
操作部13の施錠又は解錠操作がされると、マグネットセンサ(施解錠検知部)35はその検知状態が変化するので、ステップS1で、マグネットセンサ(施解錠検知部)35が通信制御部37を介してコントローラ53に施解錠情報発信をする。施解錠情報発信は、施錠信号又は解錠信号の発信である。また、クレセントの通信制御部37は、ステップS2で、状態の定時発信も行う。状態の定時発信は、予め設定された所定時にマグネットセンサ35が受けている施錠信号又は解錠信号の発信である。
定時発信を行う所定時は、家主や家族等からのヒアリングなどにより、通信端末の操作画面などから通知間隔を変更できる。また、家主や家族等が、過去操作状況から月や季節ごとに通知間隔を調整しても良い。更に、各窓1Aの操作履歴を基に、年間や各月、季節毎、および時間毎の生活(操作)リズムを把握し、各窓1A毎に適正な通知間隔を報告し設定間隔などを決定し又は変更しても良い。更に、自動で操作履歴データを分析し、適正な設定間隔に自動で調整するようにしても良い。
【0021】
コントローラ53では、ステップS3で施解錠情報を受信すると、ステップS4でその施解錠情報を管理サーバ57に発信する。ステップS3及びステップS4の施解錠情報は、施解錠状態記録部53a(
図5参照)で記録されている現在の施解錠状態の他に、施解錠回数記録部53b(
図5参照)で記録されている施解錠操作された回数や、施錠から解錠、解錠から施錠への操作があったか否かの情報及び居住者の状態判断結果(
図7参照)の情報も有する。
管理サーバ57では、ステップS5でコントローラ53から施解錠情報を受信すると、ステップS6でその施解錠情報を保存し、ステップS7で保存した施解錠状態の変更がないか否か判断し、変更がなければステップS8で終了し、変更があった場合には、ステップS9で通信端末59及びサービスサーバ61にクレセント3の施解錠に変更があったこと及び居住者の状態判断結果を通知する。
【0022】
一方、ステップT1で、サービスサーバ61からクレセントの施解錠状態の確認通知を受けると、管理サーバ57はステップT2で、保存しているクレセントの施解錠情報(ステップS6参照)に基づいて施解錠状態を発信する。これにより、ステップT3でサービスサーバ61はクレセントの施解錠状態を受信する。
同様に、ステップT4で、通信端末59からクレセントの施解錠状態の確認通知を受けると、管理サーバ57はステップT2で、保存しているクレセントの施解錠情報(ステップS6参照)に基づいて施解錠状態を発信し、ステップT5で通信端末59はその状態を受信する。
【0023】
次に、本実施の形態にかかる窓1及びクレセント(錠)3の作用及び効果について説明する。
図1及び
図2に示すように、クレセント3(錠)は、操作部13に設けたマグネット16を他方側カバー7に設けたマグネットセンサ(施開錠検知部)35で検知することで、クレセントが施錠状態にあるか解錠状態にあるかを検知できる。
図6に示すように、マグネットセンサ(施解錠検知部)35は通信制御部37を介して、施解錠状態が変わったとき(ステップS1)及び所定時間毎(ステップS2)に施解錠状態を送信しており、コントローラ53は、所定時間内に施解錠操作された回数又は変化の有無を所定時間ごとに通信端末59に送信している(ステップS9)から、通信端末保持者59は常時正確な施解錠状態を把握できる。
コントローラ53は、クレセントの施解錠状態に変化があったときに通信端末59に送信している(ステップS9)から、通信端末保持者59はクレセントの施解錠状態の変化を把握できるので、戸締り管理が安心である。
【0024】
コントローラ53の制御部53eは、クレセントの施解錠状態に変化があったときに、
図7に示すように居住者の状態が正常か異常かを判断し、その結果を通信端末59(
図5参照)に通知するので、通信端末59を保有している家族や家主が、離れて暮らす祖父母や父母が日々変わりなく暮らしていることを、遠隔地に居ても確認でき、安心であると共にいわゆる見守り介護ができる。
窓(開口部建材)1Aは、例えば、掃除や換気のため2日に一度は開閉していたが、3日経っても操作されず、旅行など長期不在の予定も聞いていない場合には、体調不良で寝込んでいるか、倒れて動けない状態が予想されるので、異常と判断することができる。
更に、通信端末59を保有している家族や家主は、離れて暮らす祖父母や父母が、窓(開口部建材)1のクレセント3(錠)を1日又は2日たっても操作しないという、日常の生活リズムから逸脱した大きな変化を確認でき、電話連絡などの手段により早期に安否を確認でき、安全である。
サービスサーバ61が、役所担当者や民生委員、地域包括センター職員等の場合には、地域に住む高齢者が日々変わりなく暮らしていることを、各家を訪問しなくても確認でき、役所担当者等の負担軽減を図ることができる。特に、役所担当者や民生委員、地域包括センター職員等は、日常の生活リズムから逸脱した大きな変化を異常と認知し、早期に訪問確認でき、早期対応を図ることができる。
【0025】
図7に示すように、コントローラ53は屋内に設けてあり、通信制御部37から受けた施解錠信号を通信端末59に送信するので、通信端末59を保持する家主等は自宅にいなくても施解錠状態の変化を通信端末59で容易に確認できる。
通信制御部37の電力源は、太陽電池40なので、電池交換がなくメンテナンス性に優れている。
サービスサーバ61では、管理サーバ57を通じて、クレセント3の施解錠状態を確認できるので、サービスサーバ61を保持する警備会社や住宅管理会社等は、遠隔であっても戸締り管理が容易にできる。
【0026】
クレセント3は、他方側カバー7にマグネットセンサ35が設けてあり、係合部47を台座11に係合するだけでマグネットセンサ35を容易に位置決めできるので、取り付け作業が容易である。
一方側カバー5で、台座11の一方側ネジ19aを隠し、他方側カバー7の係合部47で台座11の他方側ネジ19bを隠しているので、クレセント3の外観が良い。
【0027】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図9~
図11及び
図7を参照して本発明の第2実施の形態を説明する。第2実施の形態にかかる開口部装置1は、開口部建材1Bがドアであり(
図11参照)、錠3は電気錠であり、施解錠検知部63はドア電気錠63に有線で接続されており(
図9参照)、ドアの施錠及び解錠を検知する。尚、
図7において、ステップS1で施解錠操作されたか否かの判断は、ドアの施解錠操作である。また、第2実施の形態では、ドアは玄関ドアである。また、
図7において、ステップS23の設定日数は、居住者の日常生活において、ドアを開ける頻度であり、例えば、買い物やゴミ出しのため1日1回は玄関ドアから出入りすることをヒアリング等で確認して、設定日数を1日に設定する。
【0028】
図10に示すように、戸締り管理システム51の制御フローでは、ステップS0―1でドアの施解施検知部64(
図12参照)で状態変化を検知すると、ステップS1-1で施解錠情報信号をコントローラ53(
図12参照)に発信する。また、ステップS2-1で施解錠検知部64では、施錠状態にあるか解錠状態にあるかを状態変化の有無にかかわらず、定時発信する。
そして、コントローラ53、管理サーバ57、通信端末59及びサービスサーバ61(
図12参照)では、第1実施形態と同様に、ステップS3~ステップS9、ステップT1~ステップT5の制御フローを行う。
【0029】
この第2実施の形態では、ドア(開口部建材)1Bについて、その施解錠の状態及び開閉の有無を検知できる。
図10に示すように、ドアの施解錠検知部64は、施解錠状態が変わったとき(ステップS0、ステップS1)及び所定時間毎(ステップS2)に施解錠状態を送信しており、コントローラ53は、所定時間内に施解錠操作された回数又は変化の有無を所定時間ごとに通信端末59(
図12参照)に送信している(ステップS9)から、ドア1Bについて、通信端末保持者59は常時正確な施解錠状態を把握できる。
コントローラ53は、玄関ドア1Bの施解錠状態に変化があったときに通信端末59に送信している(ステップS9)から、通信端末保持者59は玄関ドア1Bの施解錠状態の変化を把握できるので、戸締り管理が安心である。
【0030】
制御部53e(
図12参照)において判断する居住者の状態判断フロー(
図7参照)では、買い物やゴミ出しのため1日1回は開閉されていた玄関ドア1Bが、昨日から1度も操作が無く、旅行など長期不在の予定も聞いていないので、体調不良で寝込んでいるか、倒れて動けない状態が予想され、異常と判断することができる。
更に、通信端末59を保有している家族や家主は、離れて暮らす祖父母や父母が、窓(開口部建材)1のドア1Bを1日又は2日たっても開閉操作しないという、日常の生活リズムから逸脱した大きな変化を確認でき、電話連絡などの手段により早期に安否を確認でき、安全である。
サービスサーバ61が、役所担当者や民生委員、地域包括センター職員等の場合には、地域に住む高齢者が日々変わりなく暮らしていることを、各家を訪問しなくても確認でき、役所担当者等の負担軽減を図ることができる。特に、役所担当者や民生委員、地域包括センター職員等は、日常の生活リズムから逸脱した大きな変化を異常と認知し、早期に訪問確認でき、早期対応を図ることができる。
図9に示すように、コントローラ53は屋内に設けてあり、通信制御部37から受けた施解錠信号を通信端末59に送信するので、通信端末59を保持する家主等は自宅にいなくても施解錠状態の変化を通信端末59で容易に確認できる。
【0031】
図12~
図14及び
図7を参照して、本発明の第3実施の形態を説明する。この第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態を合わせた実施形態である。即ち、第3実施の形態にかかる開口部装置1は、第1実施の形態と同様に、開口部建材1Aが窓であり(
図14参照)、窓の錠はクレセント3であり、第2実施の形態と同様に開口部建材1Bはドアであり(
図14参照)、ドアの錠3は電気錠であり、施解錠検知部63はドア電気錠63に有線で接続されており(
図12参照)、コントローラ53は、全ての窓1A及びドア1Bの施錠及び解錠を検知している。
図13に示すように、戸締り管理システム51の制御フローでは、いずれかの窓1Aにおいて、ステップS1で窓の施解施検知部35で状態変化を検知すると、ステップS1で施解錠情報信号をコントローラ53に発信する。また、ステップS2で全ての窓1Aについて、施解錠検知部35では、施錠状態にあるか解錠状態にあるかを状態変化の有無にかかわらず、コントローラ53に定時発信する。
【0032】
また、ドアの施解錠検知部64では、ステップS0-1でドアの施解施状態の変化を検知すると、ステップS1-1で施解錠情報信号をコントローラ53に発信する。また、ステップS2-1で施解錠検知部64では、施錠状態にあるか解錠状態にあるかを状態変化の有無にかかわらず、コントローラ53に定時発信する。
そして、コントローラ53、管理サーバ57、通信端末59及びサービスサーバでは、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、ステップS3~ステップS9、ステップT1~ステップT5の制御フローを行う。
【0033】
尚、
図7に示す居住者の状態の判断フローにおいて、ステップS1で施解錠操作されたか否かの判断は、窓1Aのクレセント(錠)3の施解錠操作及びドア1Bの電気錠(錠)63の施解錠操作の少なくとも一つの錠の施解錠操作がされたか否かを判断する。
【0034】
この第3実施形態は、上述した第1実施形態に係る窓(開口部建材)の施解錠状態と、第2実施形態に係るドア(開口部建材)の施解錠状態の両方を検知して、各施解錠情報に基づく制御をするので、上述した第1実施形態と第2実施形態の両方の効果を奏することができる。
【0035】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、クレセント3は、一方側カバー5を台座11の上に配置して、他方側カバー7を台座11の下側に配置して、操作部13が解錠位置にあることを検知しても良い。
一方側カバー5と他方側カバー7とは、台座11の上下に配置することに限らず、例えば台座11が左右にネジ止め部21a、21bを有する上げ下げ窓のような場合には、左右に配置するものであっても良い。
窓1Aは、引き違い窓に限らず、片引き窓であっても良い。
ドア1Bは、玄関ドアに限らず、勝手口ドアや部屋を仕切るドアであっても良い。
【符号の説明】
【0036】
1A 窓(開口部建材)
1B ドア(開口部建材)
3 クレセント(錠)
35 マグネットセンサ(施解錠検知部)
53 コントローラ
53e 制御部
53f 通信部
59 通信端末
63 ドア電気錠(錠)