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  • 特許-紫外線照射装置およびオゾン生成装置 図1
  • 特許-紫外線照射装置およびオゾン生成装置 図2
  • 特許-紫外線照射装置およびオゾン生成装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】紫外線照射装置およびオゾン生成装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/10 20060101AFI20231208BHJP
   B01J 19/12 20060101ALI20231208BHJP
   H01J 65/00 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
C01B13/10 Z
B01J19/12 C
H01J65/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020056099
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021155247
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000128496
【氏名又は名称】株式会社オーク製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 和泉
(72)【発明者】
【氏名】北澤 成
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-093107(JP,A)
【文献】特開2009-095724(JP,A)
【文献】特開2019-064842(JP,A)
【文献】特開2019-043786(JP,A)
【文献】特開2018-113116(JP,A)
【文献】国際公開第2009/008473(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/131124(WO,A1)
【文献】55章:円管の断面積変化による損失, [online],2012年09月03日,[令和5年7月27日検索], インターネット<URL:http://skomo.o.oo7.jp/f28/hp28_55.htm>
【文献】[機械設計マスターへの道]管路における圧力損失[流体力学の基礎知識4], [online],2019年09月18日,[令和5年7月27日検索], インターネット<URL:https://engineer-education.com/machine-design-25_fluid-dynamics4-pressure-loss/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 10/00 - 12/02
B01J 14/00 - 19/32
H01J 61/50 - 65/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線照射ランプと、
前記紫外線照射ランプを、その端部側から支持する支持部材と、
前記紫外線照射ランプに電力を供給可能な電源部とを備え、
流体が、前記電源部の流路および/またはその周囲と前記紫外線照射ランプの周囲とを一方向に沿って流れる流域を形成し、
前記電源部が、前記流域の前記紫外線照射ランプより上流側に位置し、
前記紫外線照射ランプが、そのランプ軸が前記流体の流れる一方向に沿うように、配置され、
前記流域において、前記電源部と前記紫外線照射ランプとの間に、前記流体の吹き出る吹出口が形成され、
前記紫外線照射ランプが、前記吹出口に対し、所定距離間隔離れてその端部が向かい合うように、配置されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
記紫外線照射ランプの配置される流域が、非一様流であることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記電源部において、前記紫外線照射ランプのランプ軸に沿って点灯回路を設け、前記流域の外周部に制御回路が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記支持部材が、前記流体の流れる一方向に沿って延びることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記流域の前記電源部より上流側に配置される流体供給部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の紫外線照射装置を備え、
前記流域を流れる酸素を含む流体が、前記吹出口からの吹出流に誘引される随伴流を形成し、前記流体に紫外線を照射することを特徴とするオゾン生成装置。
【請求項7】
エキシマランプと、
前記エキシマランプに電力を供給可能な電源部を覆う電源収納部と、
酸素を含む流体を供給する流体供給部とを備え
前記流体供給部、前記電源部、そして前記エキシマランプが、ランプ軸に沿って順に並び、
前記電源収納部が、前記電源部の内部および/またはその周囲を流体が流れる流路をランプ軸に沿って形成し、また、その上端部において、前記流体の吹き出る吹出口を形成し、
前記エキシマランプのランプ表面が、前記流体が表面付近に沿って流れていくように、露出し、
前記エキシマランプが、前記吹出口に対し、所定距離間隔離れてその端部が向かい合うように、配置されていることを特徴とするオゾン生成装置。
【請求項8】
前記電源収納部において、前記吹出口が、前記エキシマランプの外径よりも大きい内径を有し、前記エキシマランプと対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のオゾン生成装置。
【請求項9】
エキシマランプと、
前記エキシマランプに電力を供給可能な電源部を覆う電源収納部と、
酸素を含む流体を供給する流体供給部とを備え、
前記流体供給部、前記電源部、そして前記エキシマランプが、ランプ軸に沿って順に並び、
前記電源収納部が、前記電源部の内部および/またはその周囲を流体が流れる流路をランプ軸に沿って形成し、
前記エキシマランプをランプ軸に沿った方向から支持する支持部材をさらに備え、
前記電源収納部の前記流体の吹き出る吹出口が、前記電源収納部と前記支持部材との接続部の周囲で、前記エキシマランプの外周面よりも径方向で外側となる位置に複数設けられていることを特徴とするオゾン生成装置。
【請求項10】
ランプ軸に沿って並ぶエキシマランプと電源部とが、対となって複数設けられ、
各エキシマランプの配置される流域が、非一様流であることを特徴とする請求項7に記載のオゾン生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エキシマランプなどを用いた紫外線照射装置およびオゾン生成装置に関し、特に、電源配置に関する。
【背景技術】
【0002】
エキシマランプなどを用いた紫外線照射装置、オゾン生成装置では、紫外線放射ランプとともに、吸気ファンなどの送風機、ランプ点灯用の電源回路が装備され、筐体内に配置されている。電源回路は吸気ファンなど送風機の比較的近くに配置され、電源の冷却を図っている。(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-103028号公報
【文献】特開2014-226605号公報
【文献】特開2018-24546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定のピーク波長をもつ真空紫外線は大気中で吸収されやすく、進行の過程で減衰し、紫外線強度が低下する。例えば、波長172nmの紫外線の場合、約3mmの進行で紫外線強度比が50%以下まで減衰し、約6mmで20%以下、そして約30mmで紫外線がすべて吸収される。
【0005】
オゾン生成装置の筐体内では、各構成要素の区画域に合わせて区画壁が形成されているため、送風機の流量などを調整しても、ガスが対流、攪拌などして流れが複雑となり、酸素を含むガスなどを効果的にエキシマランプへ供給することが難しい。
【0006】
したがって、電源部を備えた紫外線照射装置、オゾン生成装置において、酸素を含むガスなどをエキシマランプへ効果的に供給することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の紫外線照射装置は、紫外線照射ランプと、紫外線照射ランプに電力を供給可能な電源部とを備え、また、ガスなどの流体が、電源部の流路またはその周囲、あるいはその両方と、紫外線照射ランプの周囲とを一方向に沿って流れる流域を形成している。ここで、「電源部の流路」とは、整流板や邪魔板となるように配置した回路基板や、その回路基板の開口部などによって形成された流体の通過可能な領域を表す。
【0008】
本発明では、電源部が、流域の紫外線照射ランプより上流側に位置する。流体は、電源部の流路および/または周囲、そしてエキシマランプの周囲の順に流れていく。例えば、流域の電源部より上流側に流体供給部を配置可能である。
【0009】
紫外線照射ランプは、そのランプ軸が流体の流れる一方向に沿うように、配置可能であり、紫外線照射ランプの配置される流域を非一様流の流れにすることができる。例えば、吹出口から流体が吹き出るようにし、吹出流によって周囲に流れを誘引することによって非一様流の流れを形成することができる。
【0010】
電源部において、紫外線照射ランプのランプ軸に沿って点灯回路を設け、流域の外周部に制御回路が設けることが可能である。また、流体の流れる一方向に沿って延びる支持部材をさらに設けることが可能であり、支持部材は、紫外線照射ランプをその端部側から支持すればよい。
【0011】
本発明の一態様であるオゾン生成装置は、上記紫外線照射装置を備え、流域を流れる酸素を含む流体が、吹出流と、吹出流に誘引される随伴流を形成し、流体に紫外線を照射する。
【0012】
本発明の一態様であるオゾン生成装置は、エキシマランプと、エキシマランプに電力を供給可能な電源部を覆う電源収納部と、酸素を含む流体を供給する流体供給部とを備え、流体供給部、電源部、そしてエキシマランプが、ランプ軸に沿って順に並び、電源収納部が、電源部の内部および/またはその周囲を流体が流れる流路をランプ軸に沿って形成している。
【0013】
例えば、電源収納部において、流体が吹き出る吹出口が、エキシマランプの外径よりも大きい内径を有し、エキシマランプと対向する位置に設けることが可能である。エキシマランプをランプ軸に沿った方向から支持する支持部材をさらに備えることが可能であって、電源収納部の流体が吹き出る吹出口が、電源収納部と支持部材との接続部の周囲で、エキシマランプの外周面よりも径方向で外側となる位置に複数設けることができる。
【0014】
あるいは、ランプ軸に沿って並ぶエキシマランプと電源部とを、対にして複数設けることが可能であり、各エキシマランプの配置される流域が、非一様流であるように構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電源部を備えた紫外線照射装置、オゾン生成装置において、酸素を含むガスなどをエキシマランプへ効果的に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態である紫外線照射装置の概略的内部構成を示した図である。
図2】第2の実施形態である紫外線照射装置の概略的内部構成を示した図である。
図3】第3の実施形態であるオゾン生成装置の概略的内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、第1の実施形態である紫外線照射装置の概略的内部構成を示した図である。
【0019】
紫外線照射装置1は、オゾン生成装置に組み込むことが可能な光源装置であって、エキシマランプ(紫外線照射ランプ)10、電源収納部20、流体供給部30を備え、電源収納部20には、電源部40が設けられている。エキシマランプ10は、電源収納部20の上方に配置され、ランプ軸Eが鉛直方向に沿うように支持部材(図示せず)によって支持されている。
【0020】
流体供給部30は、電源収納部20の下方側開口端である流入口20A付近に配置され、電源部40の下方に位置する。流体供給部30は、ここでは軸流ファンとして構成され、その軸はエキシマランプ10とランプ軸Eと一致する。流体供給部30が動作することによって、装置周囲のガス(空気などの流体)が電源収納部20に吸入される。
【0021】
電源部40は、回路基板に所定の素子、半導体などを搭載した回路構成であり、点灯回路と制御回路が設けられている。電源部40は、図示しない支持機構によって電源収納部20の所定高さで保持され、給電線(図示せず)を介してエキシマランプ10と接続する。また、電源部40の回路基板には、ガスの通過可能な開口部が部分的に設けられ、効果的に電源冷却するための整流板や邪魔板のように配置して、電源部40にガスが通過する流路が形成されている。
【0022】
電源収納部20は、ここでは筒状に構成され、その軸がエキシマランプ10のランプ軸Eと一致している。したがって、流体供給部30は電源収納部20に対して同軸的に配置されている。また、電源収納部20の上方側端部20Tには、エキシマランプ10の外径よりも大きい内径の開口端となる吹出口20Bが、エキシマランプ10から所定距離間隔だけ離れて向かい合う位置に形成されている。
【0023】
装置周囲の常温ガスは、流体供給部30によって電源収納部20に吸入されると、電源部40内のガスが流れる流路を通過し、あるいは電源部40の周囲に沿って吹出口20B側へ流れていく。ガスは、電源部40を冷却する一方、電源部40からの熱を受けて温度上昇し、高温となって吹出口20Bから吹き出る。
【0024】
ガスが吹出口20Bから吹き出ると、その粘性によって吹出口20B周囲のガスが誘引され、ランプ軸Eに沿った流れ(ここでは、随伴流という)が形成される。随伴流を伴った吹出流は、エキシマランプ10の周囲を流れていく。
【0025】
一般に、自由噴流では、拡散現象によって噴流幅は次第に広がって拡散し、幅方向に一様な速度の流れ(一様流れ)となる。しかしながら、エキシマランプ10がそのランプ軸Eを吹出口20Bの中心軸と一致するように配置されているため、噴流は、圧力勾配によってエキシマランプ10の表面付近に沿って流れていく。そのため、ランプ表面付近の速度が減少せずに維持され、幅方向に沿って速度分布の異なる非一様流が、エキシマランプ10の配置された流域で維持される。
【0026】
エキシマランプ10は、電圧が印加されるとエキシマ放電を形成し、特定のピーク波長(例えば172nm)をもつ紫外線を360度全方位に向けて放射する。酸素を含むガスがエキシマランプ10の表面付近を流れることによって、ガスに紫外線が照射され、オゾンが生成される。
【0027】
このように本実施形態の紫外線照射装置1では、上流側から、流体供給部30、電源部40、エキシマランプ10を順に配置している。すなわち、電源部40が、流体供給部30とエキシマランプ10との間で、流域の中央部に配置されている。そして、電源部40を覆う電源収納部20には、酸素を含むガスがランプ軸Eに沿って(一方向に)流れる流域が形成され、電源収納部20に吸入されたガスが吹出口20Bから吹出し、エキシマランプ10の表面に沿って流れていく。
【0028】
流体供給部30、電源部40、エキシマランプ10をランプ軸Eに沿って上流側から順に配置することによって、電源冷却とエキシマランプ10へのガス供給を同時に実現している。そして、エキシマランプ10を電源収納部20の内部に配置しないことによって、エキシマランプ10から放射される紫外線を、電源収納部20の流体供給部30や電源部40による遮断無く、全方向に照射させることができる。また、エキシマランプ10の周囲にレンズやミラー等の光学部材、透明ガラスなどのランプカバーを自由に配置することができるため、効果的に紫外線照射することができる。
【0029】
一方、ガスがランプ軸Eに沿って流れる流路を電源収納部20内部に形成することにより、電源収納部20内においてガスが対流、攪拌して過剰な乱流状態となるのを抑えて、効果的に電源冷却とエキシマランプ10へのガス供給を可能にしている。
【0030】
さらに、電源収納部20内の流路を鉛直方向に沿って形成し、ランプ軸Eを鉛直方向にしてエキシマランプ10を吹出口20Bの中心軸と同軸配置しているため、エキシマランプ10の表面全周に渡ってガスを供給することが容易となる。そのため、流体供給部30の流量調整などによって、電源部40の冷却やオゾン生成量などを調整することが可能となる。
【0031】
なお、エキシマランプ10と吹出口20Bとの距離間隔を調整し、吹出流がある程度幅広となって周囲ガスに拡散した流域にエキシマランプ10を配置してもよい。これにより、電源部40を通って昇温したガスが冷却され、流体供給部30から電源部40に向けて供給されたガスを直接エキシマランプ10へ供給する場合と同じガス供給を実質的に行うことができる。
【0032】
次に、図2を用いて第2の実施形態である紫外線照射装置について説明する。
【0033】
図2は、第2の実施形態である紫外線照射装置の概略的内部構成を示した図である。同一の構成については第1の実施形態と同じ符号を用いている。
【0034】
紫外線照射装置100は、エキシマランプ10、電源収納部120、流体供給部30を備え、電源収納部120には、電源部140が設けられている。電源部140は、点灯回路142と制御回路144とを含み、異なる高さに設置された回路基板(図示せず)にそれぞれ実装されている。
【0035】
点灯回路142は、電源収納部120の軸、すなわちランプ軸E付近に配置され、点灯回路142の回路基板には、開口部が部分的に形成されている。点灯回路142よりも下方に位置する制御回路144は、点灯回路142の下方から外れた位置に配置され、ランプ軸Eからの距離が点灯回路142と比べて離れている。点灯回路144の回路基板にも、流体供給部30と対向する位置に開口部が部分的に形成されている。この開口部を介して、点灯回路142は流体供給部30に対して露出している。
【0036】
筒状の電源収納部120には、エキシマランプ10を支持する支持部材150が、上方側端部120Tに接続されている。支持部材150は、ランプ軸Eの方向からエキシマランプ10を支持する板状部材であり、電源収納部120の軸に合わせて設置されている。支持部材150と電源収納部120との接続部120Kの周囲には、エキシマランプ10の表面よりも径方向に外側となる位置で、複数の吹出口130が周方向に沿って形成されている。支持部材150は、吹出口130からランプ軸Eに沿って所定距離間隔だけ離れた位置にエキシマランプを支持している。
【0037】
第2の実施形態では、流体供給部30の上方(流体供給部30により形成される流域の中央部)に、電源部140の点灯回路142を配置して、制御回路144の回路基板の開口部を介して露出している。点灯時に高電圧となって高温になりやすい点灯回路142へ向けてガスをできるだけ多く流すことにより、効果的な電源冷却を行うことができる。また、積極的な冷却の必要がない低電圧の制御回路144を点灯回路142とは異なる高さであって、流体供給部30の上方から外れた位置(流体供給部30により形成される流域の外周部)に配置することによって、高温となった点灯回路142からの熱影響(熱伝導や熱放射による昇温)を抑制するとともに、制御回路144によって過剰な乱流状態となることなく、電源収納部120のランプ軸Eに沿った流れの流域を安定して作り出すことができる。
【0038】
エキシマランプ10を電源収納部120の上面側で保持する構成によって、紫外線照射装置を様々な配光特性に設計することが容易となる。そして、支持部材150の接続部120Kの周囲に吹出口130を形成して、吹出口130から所定距離間隔だけ離れた位置にエキシマランプを配置することによって、エキシマランプ10の表面付近へ安定してガスを供給することができる。なお、第1の実施形態と同様、電源収納部120とエキシマランプ10との距離間隔を調整し、吹出流が周囲ガスに拡散した流域にエキシマランプ10を配置してもよい。また、ランプカバーを設けてもよい。
【0039】
次に、図3を用いて第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、エキシマランプと電源部とからなる対が複数配置されている。
【0040】
図3は、第3の実施形態であるオゾン生成装置の概略的内部構成図である。
【0041】
オゾン生成装置200は、エキシマランプ210A、210Bと、電源収納部220と、流体供給部30とを備え、酸素を含むガスに対して紫外線を照射し、オゾンを生成する。エキシマランプ210A、210Bは、流路管250内で所定間隔離れて配置されている。流路管250は、ここでは流路管250と繋がる管状電源収納部220と同軸的に配置されたランプカバーであり、電源収納部220の吹出口230は、流路管250の流入口と同じ内径を有する。
【0042】
電源部収納部220では、電源部240A、240Bが、エキシマランプ210A、210Bと対向するように配置されている。電源部240A、240Bは、図示しない給電線を介してエキシマランプ210A、210Bとそれぞれ接続している。
【0043】
第3の実施形態では、オゾン生成量を増加させるため、2つのエキシマランプ210A、210Bが配置されるとともに、各ランプに電源部240A、240Bが用意されるとともに、エキシマランプ210A、210Bに対して対向配置されている。
【0044】
電源部収納部220と流路管250とにより形成された流域において、流体供給部および流路の少なくとも一方の特性に従って、場所によって流速(方向および速さ)が異なる非一様流(非一様乱流)となる流れが生じる。このような流れにおいては、全体的な流体の移動方向、すなわち流路の方向に関し、流れの状態を一様な流れとして捉えることができず、時間平均で流路方向の速度を表すことができない複雑な流れの状態を意味する。例えば、非一様乱流状態であらわされる流れ、あるいは旋回流などの流れが電源部とエキシマランプの周囲に形成される。
【0045】
電源部とエキシマランプとを対にして対向配置することにより、電源収納部220内にランプ軸Eに沿った流れを形成することを可能とし、エキシマランプ210A,210Bの表面付近に沿って安定したガスの流れを作り出すことができる。さらに、エキシマランプから放射される紫外線が届かない領域を通過するガスが少なくなり、エキシマランプの表面近くをガスが通過することで、効果的にオゾン生成することができる。また、電源部240A、240Bとエキシマランプ210A、210Bとの電気的接続、取り外しなどが容易となり、メンテナンス性、利便性が増す。なお、第1~第2の実施形態のように、流路管250(ランプカバー)を設けない構成にしてもよい。
【0046】
第1~第3の実施形態では、エキシマランプを使用しているが、エキシマランプ以外の紫外線照射ランプを使用してもよい。また、電源部などを防水構造にすることによって、ガスの代わりに液体を流すことも可能である。さらに、ガスなどの流体の流れを鉛直下方から上方に向けた流れに限定されず、流体の流れる領域(流域)が一方向に向けて流体が流れる流域であればよく、電源収納部はその内部において流れの方向に沿った流路を形成する構成にすればよい。
【符号の説明】
【0047】
1 紫外線照射装置
10 エキシマランプ
20 電源収納部
30 流体供給部
40 電源部
200 オゾン生成装置
図1
図2
図3