(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】インターロック装置および遮断器ユニット
(51)【国際特許分類】
H01H 73/02 20060101AFI20231208BHJP
H01H 33/46 20060101ALI20231208BHJP
H01H 3/20 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
H01H73/02 A
H01H33/46 A
H01H3/20 A
(21)【出願番号】P 2020095021
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 俊介
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-319369(JP,A)
【文献】特開2002-313207(JP,A)
【文献】特開2004-014288(JP,A)
【文献】特開昭48-054475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/00 - 9/28
H01H 33/28 - 33/59
H01H 69/00 - 69/01
H01H 71/00 - 83/22
H01H 89/00 - 89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と平行な第1の方向に沿って往復移動さ
れ、前記第1の方向に沿った第1の位置のときONとなり、前記第1の方向に沿った第2の位置のときOFFとなって第1の遮断器のONとOFFとを切り替えるとともに
、前記第1面と平行かつ前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿って貫通する第1のレバー孔が形成され、前記第1面に設けられた第1のレバーと、
前記第2の方向に沿って貫通する第2のレバー孔が形成され、前記第1の方向に沿って往復移動さ
れ、前記第1の方向に沿った前記第1の位置のときONとなり、前記第1の方向に沿った前記第2の位置のときOFFとなって、前記第1の遮断器に対して前記第2の方向に沿って並べて設けられた第2の遮断器のONとOFFとを切り替える第2のレバーの一方をONまたはOFFに保持するインターロック装置であって、
前記第2のレバーは、前記第1のレバーに対して前
記第2の方向に沿って並べて設けられており、
前記第2の方向に沿って往復移動可能に支持されたスライド部と、
前記スライド部に設けられて、前記スライド部が前記第2の方向に沿った一方側に位置する場合には前記第1のレバーの動作範囲に位置し、前記スライド部が前記第2の方向に沿った他方側に位置する場合には前記第1のレバーの動作範囲から外れる第1の保持部と、
前記スライド部に設けられて、前記スライド部が前記第2の方向に沿った一方側に位置する場合には前記第2のレバーの動作範囲から外れ、前記スライド部が前記第2の方向に沿った他方側に位置する場合には前記第2のレバーの動作範囲に位置する第2の保持部と、を備え、
前記第1の保持部には、前記第1のレバーの動作範囲となる位置において、
前記第1の位置
および前記第2の位置
のうちの何れか一方の位置である第3の位置にある前記第1のレバーが嵌る第1の溝が形成されており、
前記第2の保持部には、前記第2のレバーの動作範囲となる位置
であって、前記第1の溝から前記第2の方向に延びる位置に、前記第2のレバーが嵌る第2の溝が形成されており、
前記第1の保持部には、前記第2の方向に沿って貫通し、前記第1の溝に対して前記第1の方向に沿って並べて形成さ
れ、前記第1の位置および前記第2の位置のうちの何れか他方の位置である第4の位置に、前記第1のレバー孔と共に南京錠をかけるための第1の孔が設けられ
、
前記第2の保持部には、前記第2の方向に沿って貫通し、前記第2の溝に対して前記第1の方向に沿って並べて形成され、前記第1の孔から前記第2の方向に延びる位置に、前記第2のレバー孔と共に前記南京錠をかけるための第2の孔が設けられていることを特徴とするインターロック装置。
【請求項2】
前記スライド部は、前記スライド部が前記第2の方向に沿った一方側に位置する場合に、前記南京錠をかけて前記スライド部の他方側への移動を規制するための第1のロック用孔と、前記スライド部が前記第2の方向に沿った他方側に位置する場合に、前記南京錠をかけてスライド部の一方側への移動を規制するための第2のロック用孔と、を有することを特徴とする請求項1に記載のインターロック装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のインターロック装置と、
前
記第1の遮断器と、
前
記第2の遮断器と、を備え
ることを特徴とする遮断器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路遮断器のレバーを保持するインターロック装置および遮断器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
レバーの操作によってONとOFFとを切り替える回路遮断器がある。2台の回路遮断器が並べて設置される場合がある。また、並べて設置された回路遮断器のいずれか一方のレバーをONまたはOFFに機械的に保持するインターロック装置が用いられる場合がある。一方のレバーが保持されているとき、他方のレバーは操作可能となっている。このようなインターロック装置では、他方のレバーがONとOFFのいずれか一方の状態となっていなければ、第1のレバーに対する機械的な保持を解除することができないようになっている。
【0003】
特許文献1には、レバーの操作方向と垂直な方向にスライドするスライドレバーを備え、スライドレバーの一端が一方のレバーをOFFの状態に保持するインターロック装置が開示されている。また、特許文献1に開示されたインターロック装置では、スライドレバーの他端に南京錠をかけることで、他方のレバーもOFFの状態に保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたインターロック装置では、他方のレバーをOFFの状態に固定することができても、ONの状態に固定することができず、他方のレバーの保持状態の自由度が低いという問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、遮断器の一方のレバーを保持しつつ、他方のレバーの保持状態の自由度の向上を図ることができるインターロック装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、第1面と平行な第1の方向に沿って往復移動され、第1の方向に沿った第1の位置のときONとなり、第1の方向に沿った第2の位置のときOFFとなって第1の遮断器のONとOFFとを切り替えるとともに、第1面と平行かつ第1の方向と垂直な第2の方向に沿って貫通する第1のレバー孔が形成され、第1面に設けられた第1のレバーと、第2の方向に沿って貫通する第2のレバー孔が形成され、第1の方向に沿って往復移動され、第1の方向に沿った第1の位置のときONとなり、第1の方向に沿った第2の位置のときOFFとなって、第1の遮断器に対して第2の方向に沿って並べて設けられた第2の遮断器のONとOFFとを切り替える第2のレバーの一方をONまたはOFFに保持するインターロック装置である。第2のレバーは、第1のレバーに対して第1面と平行かつ第1の方向と垂直な第2の方向に沿って並べて設けられている。第2の方向に沿って往復移動可能に支持されたスライド部と、スライド部に設けられて、スライド部が第2の方向に沿った一方側に位置する場合には第1のレバーの動作範囲に位置し、スライド部が第2の方向に沿った他方側に位置する場合には第1のレバーの動作範囲から外れる第1の保持部と、スライド部に設けられて、スライド部が第2の方向に沿った一方側に位置する場合には第2のレバーの動作範囲から外れ、スライド部が第2の方向に沿った他方側に位置する場合には第2のレバーの動作範囲に位置する第2の保持部と、を備える。第1の保持部には、第1のレバーの動作範囲となる位置において、第1の位置および第2の位置のうちの何れか一方の位置である第3の位置にある前記第1のレバーが嵌る第1の溝が形成されている。第2の保持部には、第2のレバーの動作範囲となる位置であって、第1の溝から第2の方向に延びる位置に、第2のレバーが嵌る第2の溝が形成されている。第1の保持部には、第2の方向に沿って貫通し、第1の溝に対して第1の方向に沿って並べて形成され、第1の位置および第2の位置のうちの何れか他方の位置である第4の位置に、第1のレバー孔と共に南京錠をかけるための第1の孔が設けられている。第2の保持部には、第2の方向に沿って貫通し、第2の溝に対して第1の方向に沿って並べて形成され、第1の孔から第2の方向に延びる位置に、第2のレバー孔と共に南京錠をかけるための第2の孔が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、遮断器の一方のレバーを保持しつつ、他方のレバーの保持状態の自由度の向上を図ることができるインターロック装置を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図
【
図2】実施の形態1にかかるインターロック装置の斜視図
【
図3】
図1に示す遮断器ユニットをX軸に沿った一方側から見た図
【
図4】
図1に示す遮断器ユニットをX軸に沿った他方側から見た図
【
図5】実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図であって、第1の保持部で第1のレバーを保持しつつ、第2のレバーをOFFに保持した状態を示す図
【
図6】
図5に示す遮断器ユニットをX軸に沿った他方側から見た図
【
図7】実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図であって、第2の保持部に形成された第2の溝によって第2のレバーがOFFに保持された状態を示す図
【
図8】実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図であって、第2の保持部で第2のレバーを保持しつつ、第1のレバーをOFFに保持した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかるインターロック装置および遮断器ユニットを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図である。遮断器ユニット110は、第1の回路遮断器200a、第2の回路遮断器200b、インターロック装置100を備える。なお、以下の説明において、
図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を定義する。Y軸に沿った方向を第1の方向とする。X軸に沿った方向を第2の方向とする。Z軸に沿った方向を第3の方向とする。
【0012】
第1の回路遮断器200aは、XY平面と平行な第1面204aを有する箱体である。第1面204aは、インターロック装置100が取り付けられる取付面となる。第1の回路遮断器200aには、Y軸に沿った一方側と他方側とに複数の端子203aが設けられている。
【0013】
第1の回路遮断器200aの第1面204aには第1のレバー201aが設けられている。第1のレバー201aは、Y軸に沿った方向に移動可能とされている。第1の回路遮断器200aは、第1のレバー201aがY軸に沿った正の方向側に移動した状態で、端子203a間を電気的に接続させたON状態となる。第1の回路遮断器200aは、第1のレバー201aがY軸に沿った負の方向側に移動した状態で、端子203a間の電気的な接続が遮断されたOFF状態となる。第1のレバー201aには、第1のレバー孔202aが形成されている。第1のレバー孔202aは、X軸に沿った方向に貫通する孔である。
【0014】
第2の回路遮断器200bは、XY平面と平行な第2面204bを有する箱体である。第2面204bは、インターロック装置100が取り付けられる取付面となる。第2の回路遮断器200bには、Y軸に沿った一方側と他方側とに複数の端子203bが設けられている。
【0015】
第2の回路遮断器200bの第2面204bには第2のレバー201bが設けられている。第2のレバー201bは、Y軸に沿った方向に移動可能とされている。第2の回路遮断器200bは、第2のレバー201bがY軸に沿った正の方向側に移動した状態で、端子203b間を電気的に接続させたON状態となる。第2の回路遮断器200bは、第2のレバー201bがY軸に沿った負の方向側に移動した状態で、端子203b間の電気的な接続が遮断されたOFF状態となる。第2のレバー201bには、第2のレバー孔202bが形成されている。第2のレバー孔202bは、X軸に沿った方向に貫通する孔である。
【0016】
第1の回路遮断器200aと第2の回路遮断器200bは、第1のレバー201aおよび第2のレバー201bの動作方向をY軸に沿った方向に揃えた状態で、X軸に沿った方向に並べて設置される。
【0017】
図2は、実施の形態1にかかるインターロック装置の斜視図である。インターロック装置100は、取付板1と、基台2と、スライドレバー3と、を備える。取付板1には、第1の回路遮断器200aおよび第2の回路遮断器200bに固定するための脚部1aが形成されている。脚部1aには、取付板1をねじ固定するための孔1bが形成されている。
図1に示すように、取付板1はねじ5を用いて第1の回路遮断器200aおよび第2の回路遮断器200bに取り付けられる。取付板1は、第1の回路遮断器200aと第2の回路遮断器200bとに跨って取付けられるが、取付けの強度が確保されるのであれば、いずれか一方の回路遮断器200a,200bのみに固定されていてもよい。
【0018】
基台2は、取付板1に固定される。基台2は、スライドレバー3をX軸に沿った方向に往復移動可能に支持する。
【0019】
スライドレバー3は、スライド部31と、第1の保持部32と、第2の保持部33とを備える。スライド部31は、X軸に沿った方向に延びて基台2に支持される部材である。スライド部31は、例えば操作ノブ3aを操作することで移動させることができる。スライド部31には、ロック用孔31a,31bが形成されている。ロック用孔31aは、スライド部31が、X軸に沿った負の方向側に移動した際に基台2に覆われず、X軸に沿った正の方向側に移動した際に基台2に覆われる位置に形成された孔である。なお、以下の説明において、X軸に沿った負の方向側をX軸に沿った一方側とも称し、X軸に沿った正の方向側をX軸に沿った他方側とも称する。スライド部31をX軸に沿った一方側に移動させた状態でロック用孔31aに南京錠をかければ、スライド部31をX軸に沿った他方側に移動させようとすると南京錠と基台2とが干渉する。そのため、ロック用孔31aに南京錠をかけることでスライド部31がX軸に沿った他方側に移動することを規制できる。
【0020】
ロック用孔31bは、スライド部31が、X軸に沿った一方側に移動した際に基台2に覆われ、X軸に沿った他方側に移動した際に基台2に覆われない位置に形成された孔である。スライド部31をX軸に沿った他方側に移動させた状態でロック用孔31bに南京錠をかければ、スライド部31をX軸に沿った一方側に移動させようとすると南京錠と基台2とが干渉する。そのため、ロック用孔31bに南京錠をかけることでスライド部31がX軸に沿った一方側に移動することを規制できる。
【0021】
第1の保持部32は、スライド部31のX軸に沿った一方側となる端部に設けられている。第1の保持部32は、スライド部31とともに移動する。第1の保持部32は、スライド部31がX軸に沿った一方側に位置する場合には第1のレバー201aの動作範囲に位置し、スライド部31がX軸に沿った他方側に位置する場合には第1のレバー201aの動作範囲から外れる。
【0022】
図3は、
図1に示す遮断器ユニットをX軸に沿った一方側から見た図である。第1の保持部32には、第1のレバー201aの動作範囲となる位置において、OFFとなる位置にある第1のレバー201aが嵌る第1の溝32dが形成されている。第1の溝32dは、X軸に沿った方向に貫通している。したがって、第1のレバー201aがOFFとなる位置にあれば、スライド部31をX軸に沿った一方側に移動させて、第1のレバー201aの動作範囲となる位置まで第1の保持部32を移動させることができる。
【0023】
第1の保持部32には、X軸に沿った方向に沿って貫通し、第1の溝32dに対してY軸に沿った方向に並べて形成された第1の孔32cが設けられている。第1の孔32cは、第1の保持部32が第1のレバー201aの動作範囲から外れた位置にある場合に、ONとなる位置にある第1のレバー201aに形成された第1のレバー孔202aと連通する位置に形成されている。第1のレバー201aがONとなる位置にあれば、第1のレバー孔202aと第1の孔32cとにツルを通して南京錠をかけることができる。
【0024】
第2の保持部33は、スライド部31のX軸に沿った他方側となる端部に設けられている。第2の保持部33は、スライド部31とともに移動する。第2の保持部33は、スライド部31がX軸に沿った他方側に位置する場合には第2のレバー201bの動作範囲に位置し、スライド部31がX軸に沿った一方側に位置する場合には第2のレバー201bの動作範囲から外れる。
【0025】
図4は、
図1に示す遮断器ユニットをX軸に沿った他方側から見た図である。第2の保持部33には、第2のレバー201bの動作範囲となる位置において、OFFとなる位置にある第2のレバー201bが嵌る第2の溝33dが形成されている。第2の溝33dは、X軸に沿った方向に貫通している。したがって、第2のレバー201bがOFFとなる位置にあれば、スライド部31をX軸に沿った他方側に移動させて、第2のレバー201bの動作範囲となる位置まで第2の保持部33を移動させることができる。
【0026】
第2の保持部33には、X軸に沿った方向に沿って貫通し、第2の溝33dに対してY軸に沿った方向に並べて形成された第2の孔33cが設けられている。第2の孔33cは、第2の保持部33が第2のレバー201bの動作範囲から外れた位置にある場合に、ONとなる位置にある第2のレバー201bに形成された第2のレバー孔202bと連通する位置に形成されている。
図1および
図4に示すように、第2のレバー201bがONとなる位置にあれば、第2のレバー孔202bと第2の孔33cとにツル4aを通して南京錠4をかけることができる。
【0027】
以上説明した遮断器ユニット110におけるインターロック装置100の使用方法について説明する。
図1、
図3、および
図4に示すように、スライドレバー3をX軸に沿った一方側に移動させることで、第1の保持部32の第1の溝32dの内部に第1のレバー201aが嵌る。これにより、第1のレバー201aを機械的にOFFの状態に保持することができる。ここで、ロック用孔31aに南京錠をかけることで、スライドレバー3のX軸に沿った他方側への移動を規制して、第1のレバー201aを確実にOFFの状態に保持しつづけることが可能となる。
【0028】
ここで、スライドレバー3は、第2のレバー201bがOFFの状態になっていなければ第2の保持部33が第2のレバー201bに干渉してしまうため、X軸に沿った他方側に移動させることができない。したがって、第1のレバー201aが保持された状態を解除させるためには、第2のレバー201bをOFFにしなければならない。したがって、インターロック装置100を用いることで、第1のレバー201aをONに切り替える際には、必ず第2のレバー201bがOFFになっていなければならないという条件を機械的に設定することができる。
【0029】
第1のレバー201aが第1の保持部32の第1の溝32dに嵌った状態が保持された状態では、第2のレバー201bは移動が規制されておらず、ONにもOFFにも切り替え可能である。しかしながら、第1のレバー201aの保持に加えて、第2のレバー201bもONまたはOFFの状態に保持したいという要望がある場合がある。例えば、
図1および
図4に示すように、第2のレバー201bをONの状態にした上で、第2のレバー201bに形成された第2のレバー孔202bと、第2の保持部33に形成された第2の孔33cとに、ツル4aを通して南京錠4をかけることで、第2のレバー201bを機械的にONの状態に保持できる。
【0030】
図5は、実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図であって、第1の保持部で第1のレバーを保持しつつ、第2のレバーをOFFに保持した状態を示す図である。
図6は、
図5に示す遮断器ユニットをX軸に沿った他方側から見た図である。
図5および
図6に示すように、第2のレバー201bをOFFの状態にした上で、第2のレバー201bに形成された第2のレバー孔202bと、第2の保持部33に形成された第2の溝33dとに、ツル4aを通して南京錠4をかけることで、第2のレバー201bを機械的にOFFの状態に保持できる。
【0031】
このように、第1の保持部32で第1のレバー201aをOFFに保持しつつ、第2のレバー201bについてはONに保持することも、OFFに保持することも、ONにもOFFにも切り替え可能にすることも可能となる。したがって、遮断器ユニット110では、第1のレバー201aの状態を機械的に保持しつつ、第2のレバー201bの保持状態の自由度の向上を図ることができる。
【0032】
ここまでは、第1の保持部32に形成された第1の溝32dによって第1のレバー201aがOFFに保持された状態を説明してきたが、第2の保持部33に形成された第2の溝33dによって第2のレバー201bをOFFに保持することも可能である。
図7は、実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図であって、第2の保持部に形成された第2の溝によって第2のレバーがOFFに保持された状態を示す図である。
【0033】
図7に示すように、スライドレバー3をX軸に示す他方側に移動させることで、第2の保持部33の第2の溝33dの内部に第2のレバー201bが嵌る。これにより、第2のレバー201bを機械的にOFFの状態に保持することができる。ここで、ロック用孔31bに南京錠をかけることで、スライドレバー3のX軸に沿った一方側への移動を規制して、第2のレバー201bを確実にOFFの状態に保持しつづけることが可能となる。
【0034】
ここで、スライドレバー3は、第1のレバー201aがOFFの状態になっていなければ第1の保持部32が第1のレバー201aに干渉してしまうため、X軸に沿った一方側に移動させることができない。したがって、第2のレバー201bが保持された状態を解除させるためには、第1のレバー201aをOFFにしなければならない。したがって、インターロック装置100を用いることで、第2のレバー201bをONに切り替える際には、必ず第1のレバー201aがOFFになっていなければならないという条件を機械的に設定することができる。
【0035】
第2のレバー201bが第2の保持部33の第2の溝33dに嵌った状態が保持された状態では、第1のレバー201aは移動が規制されておらず、ONにもOFFにも切り替え可能である。しかしながら、第2のレバー201bの保持に加えて、第1のレバー201aもONまたはOFFの状態に保持したいという要望がある場合がある。例えば、
図7に示すように、第1のレバー201aをONの状態にした上で、第1のレバー201aに形成された第1のレバー孔202aと、第1の保持部32に形成された第1の孔32cとに、ツル4aを通して南京錠4をかけることで、第1のレバー201aを機械的にONの状態に保持できる。
【0036】
図8は、実施の形態1にかかる遮断器ユニットの斜視図であって、第2の保持部で第2のレバーを保持しつつ、第1のレバーをOFFに保持した状態を示す図である。
図8に示すように、第1のレバー201aをOFFの状態にした上で、第1のレバー201aに形成された第1のレバー孔202aと、第1の保持部32に形成された第1の溝32dとに、ツル4aを通して南京錠4をかけることで、第1のレバー201aを機械的にOFFの状態に保持できる。
【0037】
このように、第2の保持部33で第2のレバー201bをOFFに保持しつつ、第1のレバー201aについてはONに保持することも、OFFに保持することも、ONにもOFFにも切り替え可能にすることも可能となる。したがって、遮断器ユニット110では、第2のレバー201bの状態を機械的に保持しつつ、第1のレバー201aの保持状態の自由度の向上を図ることができる。
【0038】
なお、第1のレバー201aがONに保持された状態でも第1の回路遮断器200aの過電流によるトリップ動作が妨げられることはない。また、第2のレバー201bがONに保持された状態でも、第2の回路遮断器200bの過電流によるトリップ動作が妨げられることはない。
【0039】
また、第1の保持部32に形成された第1の溝32dによって保持される第1のレバー201aの状態はOFFに限られない。第1の溝32dと第1の孔32cとの位置を逆に形成することで、第1の保持部32に形成された第1の溝32dによって第1のレバー201aを機械的にONに保持する構成とすることができる。
【0040】
また、第2の保持部33に形成された第2の溝33dによって保持される第2のレバー201bの状態はOFFに限られない。第2の溝33dと第2の孔33cとの位置を逆に形成することで、第2の保持部33に形成された第2の溝33dによって第2のレバー201bを機械的にONに保持する構成とすることができる。
【0041】
また、本実施の形態1ではインターロック装置100が第1の回路遮断器200aの第1面204aおよび第2の回路遮断器200bの第2面204bに固定された構成を例示したが、インターロック装置100が固定される場所はこれに限られない。スライドレバー3をX軸に沿った方向に往復移動可能に支持できるのであれば、インターロック装置100が固定される場所は特に限定されない。
【0042】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 取付板、2 基台、3 スライドレバー、4 南京錠、4a ツル、31 スライド部、31a,31b ロック用孔、32 第1の保持部、32c 第1の孔、32d 第1の溝、33 第2の保持部、33c 第2の孔、33d 第2の溝、100 インターロック装置、110 遮断器ユニット、200a 第1の回路遮断器、200b 第2の回路遮断器、201a 第1のレバー、201b 第2のレバー、202a 第1のレバー孔、202b 第2のレバー孔、203a,203b 端子、204a 第1面、204b 第2面。