(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】作業機械の表示装置
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20231208BHJP
F01M 11/10 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
E02F9/26 B
F01M11/10 B
(21)【出願番号】P 2020196526
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】乕田 雅明
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-270787(JP,A)
【文献】特開2004-027814(JP,A)
【文献】特開2007-297961(JP,A)
【文献】特開2018-162621(JP,A)
【文献】特開昭61-019951(JP,A)
【文献】特開2020-148123(JP,A)
【文献】特開2002-030913(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0023801(KR,A)
【文献】特開2017-095927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/26
F01M 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械のオイルの交換時期を告知する第1表示と前記オイルの劣化を告知する第2表示を表示する表示部と、前記作業機械の稼働時間が規定時間に達した後に前記第1表示を
前記表示部に表示させ、前記規定時間経過後、
前記第1表示を表示後、前記オイルの劣化判定の信号の入力を条件に前記第2表示を
前記表示部に表示させる制御部と、を備える作業機械の表示装置。
【請求項2】
前記表示装置が、前記第2表示の詳細な情報又は、オイルの交換を促す警告の少なくとも1つを表示させる情報表示手段を備えている
前記制御部が前記第1表示を前記第2表示に変えて前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の作業機械の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化した作業機械のオイルの交換を促す表示を行う作業機械の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の作業機械の作動油の交換時期になると、表示装置の表示部に作動油に関する表示を自動的に点灯させ、作動油の交換を促す作業機械の表示装置が知られている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような作業機械においては、作動油の交換時期の設定は、一般的に本機の使用状況や使用地域の温度環境によって、作動油の劣化の速度が異なるため、作動油の交換時期はこれらの劣化因子を考慮して余裕をもって設定されていることが一般的である。
【0005】
したがって作業機械の表示装置が作動油の交換を促しても、まだ作動油が著しく劣化してないとして、作動油の交換を怠り続け、油圧ポンプ等の油圧機器の循環性が失われていき、シールが腐食し、作動油に異物が混入し、異常音、温度上昇、速度低下、圧力異常、油漏れ等が生じるという問題が存在する。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、作動油等のオイルが交換時期に至ると表示部にオイルに関する表示を自動的に点灯させ、オイルの交換を促す作業機械の表示装置において、表示が自動的に点灯した後も、オイル交換を怠るオペレーターに対して、作業機械の健全な状態を保つためにオイルの交換をさらに促す作業機械の表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため本発明の作業機械の表示装置は、作業機械のオイルの交換時期を告知する第1表示と前記オイルの劣化を告知する第2表示を表示する表示部と、前記作業機械の稼働時間が規定時間に達した後に前記第1表示を表示部に表示させ、前記規定時間経過後、前記オイルの劣化判定信号の入力を条件に前記第2表示を表示部に表示させる制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
作業機械のオイルの交換時期の到来を認知しているオペレーターに、オイルの劣化が起こっていることを重ねて認知させることにより、作動油の交換を強く促すことができ、作業機械の健全な状態を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明が適用される表示装置を有する作業機械の代表例である油圧ショベルの側面図である。
【
図2】本発明が適用されるオイル劣化検出システムのブロック図である。
【
図3】基本画像が表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【
図4】作動油の交換時期の到来を表すアイコンが表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【
図5】作動油への水分混入を表すアイコンが表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【
図6】作動油が劣化したことを表すアイコンが表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【
図7】作動油劣化の警告と共に作動油交換を促す告知が表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【
図8】作動油交換時期の到来の告知と共に作動油交換を促す告知が表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【
図9】作動油への水分混入の警告と共に作動油交換を促す告知が表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【
図10】本発明が適用されるオイル劣化検出システムの制御フロー図である。
【
図11】他の実施態様の作動油が劣化したことを表すアイコンが表示された本発明が適用される表示装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る表示装置を有する作業車両の実施形態について本発明が適用される油圧ショベル100を例に挙げ
図1を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
油圧ショベル100は、自走可能な下部走行体200と、下部走行体200上に旋回可能に支持された上部旋回体300と、上部旋回体300の前方に回動可能に支持された作業装置400と、オイル劣化検出システム500と、を備えている。
【0012】
下部走行体200は、センターフレーム(図示せず)とセンターフレームに左右対称に対をなし前後方向に延びるサイドフレーム210(右側のみ図示)を有しており、サイドフレーム210は、後方一端側には走行モータ(図示せず)により駆動する駆動輪211(右側のみ図示)が設置され、前方一端に向け複数の遊動輪212(右側のみ図示)が設置されている。そして駆動輪211と遊動輪212は、履帯213(右側のみ図示)が巻装されている。
【0013】
上部旋回体300は、旋回ベアリング(図示せず)を介し、旋回モータ(図示せず)により旋回し、上部旋回体(300)の上方には、運転室600が配置され、運転室600にはシート610及び表示装置550が配置されている。さらに上部旋回体300には、運転室600を後方から右側方に取り囲むように設置されたボンネット310とシート610を支持するシートマウント(図示せず)によって構成される機関室311が配置されている。さらに機関室311には、エンジン(図示せず)が横向きに配置され、エンジンに隣接してラジエータ(図示せず)とオイルクーラ(図示せず)とそれらの前方に作動油タンク(図示せず)と燃料タンク(図示せず)がそれぞれ配置さている。そしてエンジンの出力軸に装着された油圧ポンプ(図示せず)は、作動油タンクから作動油を圧送して油圧ショベル100に装着されたアクチュエータを駆動させ、作動油はオイルクーラを経過して作動油タンクに戻る。また作動タンクには後述するオイルセンサ(510)が内部に設置されている。
【0014】
作業装置400は、上部旋回体300の先端に設けられたスウイングポスト320に、支持されるスウイングブラケット410と、スウイングブラケット410に上下に回動可能に支持されたブーム420と、ブーム420の先端に上下に回動可能に装着されたアーム430と、アーム430の先端に回動可能に装着されたバケット440とからなり、作業装置400は、上部旋回体300の下方に設置されたスウイングシリンダ(図示せず)により水平方向に回動し、ブーム420の下方に設置された、ブーム420を動かすブームシリンダ421と、ブーム420の上方に設置され、アーム430を動かすアームシリンダー431と、アーム430の上方に設置され、バケットリンク441,442(右側のみ図示)を介してバケット440を動かすバケットシリンダ443と、を備えている。
【0015】
図2は、オイル劣化検出システム500の制御ブロック図である。
【0016】
続いて
図2に基づきオイル劣化検出システム500について説明する。オイル劣化検出システム500は、作動油の劣化の特徴量を検出するオイルセンサ510と、オイルセンサ510の検出結果を収集し、オイルの劣化を判定する外部サーバ540と、オイル劣化検出システム500を統括する統合ECU520と、外部サーバ540と通信回線によりネットワーク560を介して情報の送受信を行う通信装置530と、外部サーバ540の判定結果に基づく表示を表示部551に表示する表示装置550から構成されている。なおオイル劣化検出システム500は、作動油の劣化を判定するだけでなく、エンジンオイルの劣化を判定するのにも使用してもよい。
【0017】
オイルセンサ510は、オイル中を透過した光のR(赤)G(緑)B(青)の各色の光量を検出するカラーセンサと、オイル中の水分量を検出する水分センサから構成されている。
【0018】
カラーセンサは、白色の可視光域の光を出射する、白色LED等から構成される光源と、光源から出射する光を受光し、受光した光のR(赤)G(緑)B(青)量を検出するフォトダイオードから構成される受光部と、光源と受光部の間設置され、作動油タンク中のオイルを充填させ、光源から出射する光を通過させ、受光部まで導くパイプから形成される導光部から構成されている。
【0019】
受光部は、パイプ中のオイルを透過した透過光のR(赤)の強度を示すR値、G(緑)の強度を示すG値、B(青)の強度を示すB値(以下、「RGB値」と記載する)を統合ECU520に出力し、統合ECU520は、通信装置を介して外部サーバ540にデータを送信する。
【0020】
水分センサは、水分量を検出する静電容量式のセンサであり、第1電極と、第2電極と、これらの電極に電圧を印加して静電容量を検出する検出回路から構成され、第1電極と第2電極はオイル中に配置される。
【0021】
検出回路により検出された静電容量は、統合ECU520に入力され通信装置530を介して外部サーバ540にデータを送信する。
【0022】
外部サーバ540は、RGB値及び静電容量の値を蓄積し、RGB値の変化からオイルの劣化判定を行い、静電容量の値の変化からオイル中への水分の混入の判定をおこなう。
【0023】
オイルの劣化判定は、基準(新規又は交換時)となるオイルのRGB値と、サンプリング周期ごとのオイルのRGB値の色差(ΔE)を算出し、色差が基準値を超えた場合、オイルは劣化していると判定される。
【0024】
色差は、色空間におけるユークリッド距離として定義される。
【数1】
【0025】
外部サーバ540は、オイルが劣化していると判定を行った場合、通信装置530を介してオイルの劣化判定信号を統合ECU520に送信する。
【0026】
オイル中への水分の混入の判定は、測定された静電容量から算出された水分量が規定値を超えた場合オイル中に水分が混入していると判定する。
【0027】
外部サーバ540は、オイル中に水分が混入していると判定した場合、外部サーバ540は通信装置530を介してオイル中への水分混入判定信号を統合ECU520に送信する。
【0028】
またオイルセンサ510の検出結果の収集と、オイルの劣化の判定とオイル中への水分混入判定を外部サーバ540にて行っているが、統合ECU520にて行ってもよい。ここで統合ECU520は、本機に設置された12ボルト電池と接続し、統合ECU520内の各ブロックに安定した電圧を供給する電源と、デジタル入力信号をマイコンに入力できる信号レベルに変換する入力バッファーと、アナログ信号をマイコンに入力できるデジタル値に変換するADコンバータと、各種入力信号から制御量を演算し出力するマイコンと、電源から電力が供給されなくなっても、データを記憶するメモリーであるEEPROM(ELectronically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、マイコンの出力信号に従い、アクチュエータが駆動できる信号の形態に変換したり電圧を増幅したりする出力ドライバと、マイコンの出力データを通信規格に適した通信信号に変換する通信ドライバと、他のECUが送信する信号をマイコンに入力できるレベルに変換する通信レシーバから構成される。
【0029】
統合ECU520は、エンジンECU570から送信されるエンジンの稼働時間に基づき算出される作動油が最後に交換されてから経過した経過時間と統合ECU520のメモリーに記憶された作動油の交換時間を比較し、経過時間が交換時間に達すると表示装置ECU552に作動油交換信号を出力する。
【0030】
統合ECU520は、経過時間が交換時間に到達した後、統合
ECU520にオイルの劣化判定信号が入力されると、統合ECU520は、表示装置ECU552にオイルの劣化判定信号を出力する。
【0031】
統合ECU520は、経過時間が交換時間に到達する前に、統合ECU520にオイルの劣化判定信号が入力されると、統合ECU520は、表示装置ECU552にオイルの劣化判定信号を出力しない。ここで作動油は、作動油の交換時期の設定にあたり、作動油の交換時期は作動油の劣化因子を考慮して余裕をもって設定されていることから、オイルの劣化判定より作動油の交換時期の方を優先するためである。
【0032】
統合ECU520は、経過時間が交換時間に到達した後に、統合ECU520にオイルの劣化判定信号が入力されると直ちに統合ECU520は、表示装置ECU552にオイルの劣化判定信号を出力する。これにより作動油の交換時期と共に作動油の劣化が著しく進んだとして、直ちにオペレーターにオイル交換をすることを促すことができる。
【0033】
統合ECU520は、水分混入判定信号が入力されると直ちに、表示装置ECU552に水分混入判定信号を出力する。作動油への水分の混入による作動油の潤滑能力の著しい低下と発錆による機器の摩耗等の不具合を直ちに防止するためである。
【0034】
続いて
図3~
図9に基づき表示装置550について説明する。表示装置550は、表示装置ECU552と、表示部551と、操作部553から構成されている。
【0035】
表示部551は、液晶ディスプレイであるが、有機ディスプレイでもよく、表示装置ECU552から出力される情報を画像として表示されればよく、これらに限定されるものではない。表示部551は、情報表示領域551Aと、機能表示領域551Bから構成される。
【0036】
情報表示領域551Aは、冷却水温度を表示する冷却水メータ551A1と、燃料の残量を表示する燃料メータ551A2と、作動油の温度を表示する作動油メータ551A3から構成される。
【0037】
機能表示領域551Bは、アイコンを表示するアイコン表示領域551B6,551B7,551B8,551B9,551B10から構成され、モニタの有する機能を表すアイコンと、オペレーターに注意喚起を促すアイコンがそれぞれ表示される。
【0038】
モニタの有する機能を表すアイコンとしては、機能表示領域551Bの左端にあるアイコン表示領域551B6に表示されるアイコン551B1や、その隣のアイコン表示領域551B7に表示されるアイコン551B2がある。
【0039】
アイコン551B1は、情報表示領域551Aに油圧ショベル100の様々な機器の詳細情報を表示する画面や油圧ショベル100の様々な機能を使用するための画面にアクセスするためのメニュー画面を表示させる機能を表すアイコンである。
【0040】
アイコン551B2は、油圧ショベル100の後方に設置されたバックカメラ(図示せず)の撮像画像を情報表示領域551Aに表示させる機能を表すアイコンである。
【0041】
オペレーターに注意喚起を促すアイコンは、作動油の交換時期の到来を表すアイコン551B3(
図4記載)、作動油への水分混入を表すアイコン551B4(
図5記載)そして作動油が劣化したことを表すアイコン551B5(
図6記載)がある。
【0042】
表示装置ECU552に作動油交換信号が入力されると、
図4のように作動油の交換時期の到来を表すアイコン551B3がアイコン表示領域551B8に表示される。これにより交換時期の到来をオペレーターに認知させることができる。
【0043】
表示装置ECU552にオイルの劣化判定信号が入力されると、
図6のように作動油が劣化したことを表すアイコン551B5がアイコン表示領域551B8に表示される。
【0044】
ここでアイコン551B5は、アイコン551B3を点滅させた表示であるが、別途アイコン551B3とは、異なる形状のアイコンを表示させてもよい。これにより作動油の交換時期の到来を認知しているオペレーターに、作動油の劣化が起こっていることを重ねて認知させることができ作動油の交換を強く促すことができるため作業機械の健全な状態を保つことができる。
【0045】
表示装置ECU552に水分混入判定信号が入力されると、
図5のように機能表示領域551Bに作動油への水分混入を表すアイコン551B4をアイコン表示領域551B10に表示する。これにより、作動油の交換時期の到来と関係なく、ただちに作動油の交換を促すことができ、作業機械の健全な状態を保つことができる。
【0046】
操作部553は、表示部551の下方で、機能表示領域551Bに隣接して列設された5つの押しボタン553A,553B,553C,553D,553Eからなりそれぞれ機能表示領域551Bに表示されるアイコンの表示されるアイコン表示領域551B6,551B7,551B8,551B9,551B10に対応するように配置されている。
【0047】
操作部553を構成する5つの押しボタン553A,553B,553C,553D,553Eは、それぞれ対応するアイコン表示領域551B6,551B7,551B8,551B9,551B10に表示されるアイコンに対応する機能が割り振られている。
【0048】
図3の状態でアイコン551B1に対応する押しボタン553Aを押下すると表示部551には、メニュー画面が表示され、アイコン551B2に対応する押しボタン553Bを押下すると表示部551には、バックカメラの撮像画像を表示させる。
【0049】
図6のようにアイコン表示領域551B8にアイコン551B5が表示されている時に押しボタン553Cを押下すると、情報表示領域551Aに表示されていた冷却水メータ551A1と、燃料メータ551A2と、作動油メータ551A3は、
図7のように作動油劣化の警告と共に作動油交換を促す、第1警告表示551A4に遷移し、アイコン表示領域551B6には、前の画面に戻る機能を表すアイコン551B11が表示され、アイコン表示領域551B7に表示されていたアイコン551B2は消える。これにより、オペレーターは、作動油が劣化しており、作動油を交換しなければならないことをさらに重ねて認識することができ作業機械の健全な状態を保つことができる。
【0050】
ここで
図7に表示されたアイコン551B11に対応する押しボタン553Aを押下すると、
図7に表示された表示部551の画像は、
図6に表示された表示部551の画像に戻る。
【0051】
図4のようにアイコン表示領域551B8にアイコン551B3が表示されている時に押しボタン553Cを押下すると、情報表示領域551Aに表示されていた冷却水メータ551A1と、燃料メータ551A2と、作動油メータ551A3は、
図8のように作動油交換時期の到来の告知と共に作動油交換を促す、第2警告表示551A5に遷移し、アイコン表示領域551B6には、前の画面に戻る機能を表すアイコン551B11が表示され、アイコン表示領域551B7に表示されていたアイコン551B2及びアイコン表示領域551B8に表示されていたアイコン551B3は消える。これにより、オペレーターは、作動油の交換時期の到来と作動油を交換しなければならないことをさらに重ねて認識することができ作業機械の健全な状態を保つことができる。
【0052】
ここで
図8に表示されたアイコン551B11に対応する押しボタン553Aを押下すると、
図8に表示された表示部551の画像は、
図4に表示された表示部551の画像に戻る。
【0053】
図5のようにアイコン表示領域551B10にアイコン551B4が表示されている時に押しボタン553Eを押下すると、情報表示領域551Aに表示されていた冷却水メータ551A1と、燃料メータ551A2と、作動油メータ551A3は、
図9のように作動油に水が混入している警告と共に作動油交換を促す、第3警告表示551A6に遷移し、アイコン表示領域551B6には、前の画面に戻る機能を表すアイコン551B11が表示され、アイコン表示領域551B7に表示されていたアイコン551B2及びアイコン表示領域551B10に表示されていたアイコン551B4は消える。これにより、オペレーターは、作動油の交換の緊急性を認識することができ作業機械の健全な状態を保つことができる。
【0054】
ここで
図9に表示されたアイコン551B11に対応する押しボタン553Aを押下すると、
図9に表示された表示部551の画像は、
図5に表示された表示部551の画像に戻る。
【0055】
続いて
図10を参照して、オイル劣化検出システムの制御フローについて説明する。
【0056】
ステップS1では、オイルセンサ510が検知した作動油の静電容量に基づき外部サーバ540によって作動油中に水分が混入していると判定すると、ステップS1は、ステップS10に進み、作動油中に水分が混入していないと判定すると、ステップS2に進む。
【0057】
ステップS10では、表示装置550の表示部551に作動油への水分混入を表すアイコン551B4(
図5記載)を表示し、ステップS10は、ステップS11に進む。
【0058】
ステップS11で、アイコン551B4(
図5記載)の下方に設置された押しボタン553Eを押下すると、ステップS11は、ステップS12に進む。
【0059】
ステップS12では、表示装置552の表示部551に作動油に水が混入している警告と共に作動油交換を促す、第3警告表示551A6(
図9記載)を表示し、ステップS12は、終了する。
【0060】
ステップS2では、オイルセンサ510が検知した作動油のRGB値に基づき外部サーバ540により作動油が劣化していると判定するとステップS2は、ステップS13に進み、作動油が劣化していないと判定するとステップS2は、ステップS3に進む。
【0061】
ステップS13では、統合ECU520が作動油の交換時期が到来したことを判定すると、ステップS13は、ステップS7に進み、作動油の交換時期が到来していないと判定するとステップS13は、ステップS1に戻る。
【0062】
ステップS7では、表示装置550の表示部551に、作動油の交換時期の到来を表すアイコン551B3(
図4記載)を点滅させた作動油が劣化したことを表すアイコン551B5(
図6記載)を表示し、ステップS7は、ステップS8に進む。
【0063】
ステップS8で、アイコン551B5(
図6記載)の下方に設置された押しボタン553Cを押下すると、ステップS8は、ステップS9に進む。
【0064】
ステップS9では、表示装置550の表示部551に、作動油劣化の警告と共に作動油の交換を促す第1警告表示551A4(
図7記載)を表示し、ステップS9は、終了する。
【0065】
ステップS3では、統合ECU520が作動油の交換時期が到来したことを判定すると、ステップS3は、ステップS4に進み、作動油の交換時期が到来していないと判定するとステップS3は、ステップS1に戻る。
【0066】
ステップS4では、表示装置550の表示部551に、作動油の交換時期の到来を表すアイコン551B3(
図4記載)を表示し、ステップS4は、ステップS5に進む。
【0067】
ステップS5では、オイルセンサ510が検知した作動油の静電容量に基づき外部サーバ540により作動油中に水分が混入していないと判定すると、ステップS5は、ステップS6に進み、作動油中に水分が混入していると判定すると、ステップS5は、ステップS10に進む。
【0068】
ステップS6では、オイルセンサ510が検知した作動油のRGB値に基づき外部サーバ540により作動油が劣化していると判定するとステップS6は、ステップS7に進み、作動油が劣化していないと判定するとステップS6は、ステップS5に戻る。
【0069】
そして本発明は、油圧ショベルに限定されるものでなく、ホイルローダ及びトラクターなどの作業機械に適用でき、本発明は、説明した上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更をすることができる。
【0070】
例えば
図2で説明したように、オイルの劣化を、オイルを透過する光のRGB値から算出される色差に基づき判断している
が、これに限定されるものでなく例えば、作動油を透過する光の透過率の変化によって判断してもよく、又粘度、密度、誘電率の変化によって判断してもよい。
【0071】
さらに
図2で説明したように、作動油の劣化や作動油への水分混入判定を外部サーバ540によって行っているが、これに限定されるものでなく例えば、統合ECU520で行ってもよく、オイルセンサ510にECUを設け判定してもよい。
【0072】
さらに例えば
図6で説明したように、表示装置ECU552にオイルの劣化判定信号が入力されると、作動油の交換時期の到来を表すアイコン551B3(
図4記載)を点滅させたアイコン551B5(
図6記載)を作動油が劣化したことを表すアイコンとして表示領域551B8に表示されるが、これに限定されるものでなく例えば、
図11のように作動油の交換時期の到来を表すアイコン551B3を表示した状態で、表示領域551B10に、作動油が劣化したことを表すアイコンを表示領域551B12表示させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、劣化した作業機械のオイルの交換を促す表示を行う作業機械の表示装置に関するものであり産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0074】
550表示装置551表示部552表示装置ECU(制御部)551B3作動油の交換時期の到来を表すアイコン(第1表示)551B5作動油が劣化したことを表すアイコン(第2表示)553C押しボタン(操作割り当て部)