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特許7399093無線通信ネットワークに関するフロントホールシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークに関するフロントホールシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/12 20090101AFI20231208BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20231208BHJP
【FI】
H04W92/12
H04W88/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020539149
(86)(22)【出願日】2018-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 IB2018057105
(87)【国際公開番号】W WO2019064118
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】102017000109664
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520107582
【氏名又は名称】テコ テレコム エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ノータージャコモ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】ガベリ,グィリオ
(72)【発明者】
【氏名】マルケーゼ,ファブリジオ
(72)【発明者】
【氏名】パガーニ,アレッサンドロ
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-516503(JP,A)
【文献】特表2014-500635(JP,A)
【文献】“Common Public Radio Interface (CPRI); Interface Specification”,CPRI Specification V7.0 (2015-10-09),[online],2015年10月09日,p.11-13,インターネット<URL:http://www.cpri.info/downloads/CPRI_v_7_0_2015-10-09.pdf>,[検索日2022年8月26日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信フロントホールネットワーク内でアップリンクを制御するための方法(100)であって、前記方法(100)は、少なくとも、フロントホールシステム(FS)の無線機器モジュール(RE)によって実行される以下のステップ、
少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームデータを、前記無線機器モジュール(RE)の少なくとも1つの物理アンテナポート(ANT)から受信するステップと、
少なくとも1つのアップリンクアンテナキャリアストリームを、前記無線機器モジュール(RE)の少なくとも1つのマスターポート(M)から受信するステップと、
前記少なくとも1つのアップリンクアンテナキャリアストリームを前記少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームデータと同期するステップと、
アップリンクアンテナキャリアデータブロックを前記少なくとも1つのアップリンクアンテナキャリアストリームから読み出すステップと、
前記同期したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを、前記少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームデータと一緒に合体し、合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを作成するステップと、
前記合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを合体したアップリンクアンテナキャリアストリームに割り当てるステップと、
前記合体したアップリンクアンテナキャリアストリームを、前記無線機器モジュール(RE)の少なくとも1つの動的に設計したCPRIスレーブポート(S)に伝送するステップと、
を含み、
前記受信するステップは、複数のアップリンクアンテナキャリアストリームのそれぞれを、指定された複数のCPRIマスターポートを動的に選択した1つから受信することを含み、前記アップリンクアンテナキャリアストリームのそれぞれは、複数の入力A×Cコンテナを含み、前記入力A×Cコンテナのそれぞれは、CPRIフレーム内部で同一の位置にマッピングされることを含むことを特徴とする方法(100)。
【請求項2】
前記方法(100)はアンテナキャリアマッピングを受信することを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記読み出すステップは、アップリンクアンテナキャリアデータブロックを前記A×Cコンテナのそれぞれから読み出すことを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記割り当てるステップは、前記合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを合体したA×Cコンテナに割り当てることを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを合体したA×Cコンテナに戻して割り当てる前記ステップは、対応するA×Cコンテナを、前記入力A×Cコンテナが入力CPRIフレームにマッピングされた同じ位置でCPRIフレーム内部にマッピングすることを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記同期したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを、前記少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームデータと一緒に合体する前記ステップは、
前記同期したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを合体し、部分的に合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを作成することと、
前記部分的に合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを、前記少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームデータと合体することと、
を含むことを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークに関するフロントホールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信の分野では、具体的には、フロントホール配備を参照して、ベースバンドユニット(BBU)が専用光ケーブルリンクを経由してリモート無線ヘッド(RRH)に接続されることが既知である。バンド及びオペレータの数に応じて、専用接続の数は、急激に増加する可能性があり、したがって、簡単な解決策は、CAPEX(資本支出)及びOPEX(営業費)の両方に関して良い選択になる場合がある。
【0003】
現在の装置の制限は、各ベンダがそれ自体の独自の方法でカスタマイズするCPRI(共通のパブリック無線インターフェース)プロトコルにあり、これにより、ダイレクトBBU-RRHインターフェースは他のベンダの機器にオープンではない。
【0004】
さらに、独自のカスタマイズされたCPRIプロトコルの使用は、デジタルデータがほんのわずかな利用可能である帯域幅だけを占有するため、専用ファイバ接続の全潜在能力を活用していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、最近考案された無線通信ネットワークに関するフロントホールシステムを提供することによって、現在の制限を克服することであり、当該フロントホールシステムは、フロントホールに必要なファイバの数を最適化することを可能にし、マルチキャストまたはブロードキャスト、冗長アーキテクチャ、及びマルチオペレータマルチバンドハードウェアシェアリング等の特徴を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
好ましくは、汎用ハードウェア上で起動するソフトウェアインスタンスによって実装される複数のベースステーションベースバンド(BBU)と、
複数の相互接続点(POI)、または、概して、無線機器(RE)と、
BBUプール及びREを接続するフロントホールデジタルネットワークと、を備える、無線通信システムから成る。
【0007】
フロントホールネットワークは、ダウンリンク(DL)アンテナキャリアストリーム及びアップリンク(UL)アンテナキャリアストリーム、制御信号、及び同期信号を移送させる。
【0008】
デジタルフロントホールネットワークは、CPRI、または例えば、オープンベースステーションアーキテクチャニシアティブ(OBSAI)等の任意の他の標準的に活用する同期伝送プロトコルのいずれかに基づいて行われることができる。
【0009】
好ましくは、本発明に従ったフロントホールネットワークは、カスタムCPRIプロトコル実装によって実施される。
【0010】
本発明に従ったフロントホールネットワークは、
CPRIフレームの特定の数のスロットを特定のデータストリームに確保し、これは、デジタルフレーム内の周知の位置のアンテナキャリアストリームをマッピングすることを可能にすることと、
1つ以上のDLキャリアアンテナストリームをREに動的に割り当て、実際に、フレーム内側の正確なデータ場所を把握し、REが所望のストリームだけを獲得することが可能であることと、
2重に、特定のアンテナキャリアストリームに関連するUL RF信号は、特定のREによって受信され、次に、ベースバンドへのダウン変換及びA/D変換の後に、フロントホールフレーム内のその各々のデジタルカウンタパートに追加されることができることと、
デジタルリンク内のREと全てのベースバンドキャリアアンテナストリームとの間の関連付けのランタイムを再設定することと、
例えば、その帯域幅に応じて、異なるフロントホールデータ転送速度を各キャリアに確保することと、
複数のREをカスケード接続にし、アンテナキャリアストリームを追加する/転送することと、
特定キャリアを利用する全てのREの間で同じアンテナキャリアストリームのDL伝送を同期し、これにより、明確に定義された時刻に関連する全てのデータは、正確な時間に送信し始めることと、
同じアンテナキャリアストリームを活用する連結したREのデータ転送に起因するUL遅延を補償することと、を可能にする。
【0011】
上記に言及した目的は、請求項1に記載の特徴に従った無線通信ネットワークに関する本発明のフロントホールシステムによって達成される。
【0012】
さらに、上記に言及した目的は、請求項10に記載の特徴に従った無線通信フロントホールネットワーク内のアップリンクを制御するための本発明の方法によって達成される。
【0013】
さらに、上記に言及した目的は、請求項19に記載の特徴に従った無線通信フロントホールネットワーク内のダウンリンクを制御するための本発明の方法によって達成される。
【0014】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図の例示的であるが非限定的な例によって、無線通信ネットワークに関するフロントホールシステムの好ましいが非排他的な実施形態の説明から良好に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による、フロントホールシステムの可能性のある第1の実施形態を示す。
図2】本発明による、フロントホールシステムの可能性のある第2の実施形態を示す。
図3】本発明による、無線機器モジュールのブロック図である。
図4】無線通信フロントホールネットワーク内でアップリンクを制御するための本発明に従った方法のブロック図を示す。
図5】無線通信フロントホールネットワーク内でダウンリンクを制御するための本発明に従った方法のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特に係る例証図を参照して、無線通信ネットワークに関するフロントホールシステムが、FSを参照してグローバルに示される。
【0017】
フロントホールシステムFSは、
複数のベースバンドユニットBBと、
複数のベースバンドユニットBBに結合される少なくとも1つの無線機器制御モジュールと、
複数の無線機器モジュールREであって、複数の無線機器モジュールREのそれぞれは少なくとも1つの物理アンテナポートANTに結合される、複数の無線機器モジュールREと、を備える。
【0018】
さらに、無線機器モジュールREのそれぞれは、少なくとも1つのスレーブポートS及び少なくとも1つのマスターポートMを有し、無線機器モジュールREのそれぞれのスレーブポートSは、無線機器制御モジュールRECのマスターポートMに、または別の無線機器モジュールREのマスターポートMに結合される。
【0019】
したがって、複数の無線機器モジュールREの第1のサブセットは、少なくとも1つの無線機器制御モジュールRECに直接結合され、無線機器モジュールREの第2のサブセットは、1つ以上の他の無線機器モジュールREを経由して少なくとも1つの無線機器制御モジュールRECに間接的に結合される。
【0020】
図1は、本発明による、フロントホールシステムFSの第1の可能性がある及び簡略化された実施形態を示し、本システムは、1つの無線機器制御モジュールRECと、複数の無線機器モジュールRE1、RE2、RE3、RE4とを備える。具体的には、第1の無線機器モジュールRE1は無線機器制御モジュールRECに直接接続され、第2の無線機器モジュールRE2及び第3の無線機器モジュールRE3は第1の無線機器モジュールRE1に接続され、さらなる第4の無線機器モジュールRE4は第3の無線機器モジュールRE3に接続される。
【0021】
本発明に従ったシステムFSは、複数のベースバンドユニットBBの各々に結合される複数の無線機器制御モジュールRECを備え、各無線機器制御モジュールRECは少なくとも1つの対応するダウンリンクアンテナキャリアストリームを送信するように構成される。
【0022】
例として、図2は、本発明による、フロントホールシステムFSの第2の可能性がある実施形態を示し、本システムは、各々のベースバンドユニットBB1及びBB2に結合される2つの異なる無線機器制御モジュールREC1、REC2と、複数の無線機器モジュールRE1、RE2、RE3、RE4、RE5、RE6、RE7とを備える。具体的には、この可能性のある実施形態に従って、第1の無線機器モジュールRE1は第1の無線機器制御モジュールREC1に直接接続され、第2の無線機器モジュールRE2及び第3の無線機器モジュールRE3は第1の無線機器モジュールRE1に接続され、さらなる第4の無線機器モジュールRE4は第3の無線機器モジュールRE3に接続される。さらに、第5の無線機器モジュールRE5は第2の無線機器制御モジュールREC2に直接接続され、第6の無線機器モジュールRE6及び第7の無線機器モジュールRE7は第5の無線機器モジュールRE5に接続される。
【0023】
異なる数の及び異なる構成の無線機器制御モジュールREC及び無線機器モジュールREを伴うフロントホールシステムFSのさらに異なる実施形態は、除外されない。
【0024】
デジタルフロントホールシステムFSは、CPRI、または例えば、オープンベースステーションアーキテクチャニシアティブ(OBSAI)等の任意の他の標準的に活用する同期伝送プロトコルのいずれかに基づいて行われることができる。
【0025】
好ましくは、フロントホールシステムFSは、カスタムCPRIプロトコル実装によって実施される。
【0026】
具体的には、無線機器モジュールREのそれぞれは、アップリンクアンテナキャリアストリームを、その少なくとも1つの対応する物理アンテナポートANTのそれぞれから受信し、受信したアップリンクアンテナキャリアストリームをそのCPRIスレーブポートSに伝送するように構成される。
【0027】
無線機器モジュールREが少なくとも別の無線機器モジュールREに接続される少なくとも1つのマスターポートMを有する場合、当該無線機器モジュールREは、合体したアップリンクアンテナキャリアストリームを作成するために、受信したアップリンクアンテナキャリアストリームを、CPRIマスターポートMから受信した少なくとも1つのCPRIアップリンクアンテナキャリアストリームと同期及び合体するように構成され、また、合体したアップリンクアンテナキャリアストリームをそのCPRIスレーブポートSに伝送するように構成される。
【0028】
さらに、無線機器モジュールREのそれぞれは、少なくとも1つの物理アンテナポートANTに伝送するために、無線機器制御モジュールRECから、または別の無線機器モジュールREから、そのCPRIスレーブポートSまでのダウンリンクアンテナキャリアストリームを受信するように構成される。
【0029】
無線機器モジュールREが少なくとも別の無線機器モジュールREに接続される少なくとも1つのマスターポートMを有する場合、無線機器モジュールREは、ダウンリンクアンテナキャリアストリームの少なくとも一部をCPRIマスターポートMに転送するように構成される。
【0030】
好ましくは、無線機器モジュールREのスレーブポートS及びマスターポートMはCPRIポートである。しかしながら、異なる実施形態は除外されない。
【0031】
本発明に従ったシステムFSは、また、少なくとも1つの無線機器制御モジュールRECに及び複数の無線機器モジュールREのそれぞれに結合される少なくとも1つのマッピングマネージャモジュールMAPを備える。
【0032】
マッピングマネージャモジュールMAPは、アップリンクアンテナキャリアストリーム及びダウンリンクアンテナキャリアストリームを、1つ以上の無線機器制御モジュールRECに及び無線機器モジュールREに割り当てることを対処するように構成される。
【0033】
具体的には、1つのアンテナキャリアストリームのダウンリンクIQデータは、ただ1つの無線機器制御モジュールRECの内部で発生するはずであり、無線機器モジュールREの少なくとも1つによって受信されるはずであり、アップリンクIQデータは、同じ無線機器モジュールREによって発生され、同じ無線機器制御モジュールRECに送信されるはずである。
【0034】
マッピングマネージャモジュールMAPは、無線機器制御モジュールREC内部で統合されることができる。
【0035】
好ましくは、マッピングマネージャモジュールMAPは、複数のCPRI接続によって、複数の無線機器モジュール(RE)のそれぞれと通信する。
【0036】
例えば、接続は、イーサネット(登録商標)プロトコルを実装するCPRI高速C&Mリンクを介して、またはHDLCプロトコルを実装するCPRI低速C&Mリンクを介して、実現されることができる。
【0037】
代替として、マッピングマネージャは、カスタムプロトコルを実装するCPRIベンダ特定チャネルを介して、複数の無線機器モジュールREのそれぞれと通信することができる。
【0038】
マッピングマネージャモジュールMAPは、無線機器制御モジュールREC及び無線機器モジュールREのそれぞれを動的に再構成するように構成される。
【0039】
具体的には、マッピングマネージャモジュールMAPは、少なくとも1つの指定された物理アンテナポートANTに伝送するために、無線機器モジュールREの少なくとも1つに、指定された対応するダウンリンクアンテナキャリアストリームを指定されたCPRIスレーブポートSから選択的に読み出すことを命令するように構成される。
【0040】
さらに、マッピングマネージャモジュールMAPは、無線機器モジュールREの少なくとも1つに、指定されたダウンリンクアンテナキャリアを少なくとも1つの指定された対応するCPRIマスターポートMに転送することを命令するように構成される。
【0041】
具体的には、マッピングマネージャモジュールMAPは、入力CPRI基本フレームに使用される1つの基本フレーム内部に同じA×Cコンテナマッピングを使用して、1つ以上の無線機器モジュールREに、入力ダウンリンクアンテナキャリアを1つ以上の指定されたCPRIポート上に転送することを命令するように構成され得る。
【0042】
さらに、マッピングマネージャモジュールMAPは、動的に、指定された無線機器モジュール(RE)に、少なくとも1つの物理アンテナポートANTから受信したアップリンクキャリアアンテナストリームを指定された複数のCPRIアップリンクアンテナキャリアストリームと同期及び合体することを命令するように構成される。指定されたアップリンクアンテナキャリアストリームは、指定されたCPRIアンテナキャリア(A×C)を含む。
【0043】
システムFS内の無線機器制御モジュールREC及び無線機器モジュールREは、CPRIプロトコルの異なるコンポーネント、すなわち、制御及び管理データ(図3のCMデータ)、同期(図3の同期データ)、及び有用な情報を含有する実際のIQデータ(図3のUデータ)を管理するはずである。
【0044】
具体的には、各無線機器モジュールREは、無線機器モジュールREの各スレーブポートS及び各マスターポートMに接続され、全てのCPRIスレーブポートSから来るダウンリンク同期データフローをマージし、マージした同期データを全てのCPRIマスターポートM及び全てのエアインターフェースANTに向かって送信するように構成される、少なくとも1つの同期/調整モジュールを備える。同期/調整モジュールは、また、CPRIマスターポートMから及びエアインターフェースANTから来る同期データフローを1つの同期データフローにマージし、当該ストリームをCPRIスレーブポートSに送信するように構成される。
【0045】
さらに、各無線機器モジュールREは、無線機器モジュールREの各スレーブポートS及び各マスターポートMに接続され、CMデータフローを運ぶデータパケットを切り替えるように構成される少なくとも1つのCMスイッチを備える。
【0046】
さらに、各無線機器モジュールREは、無線機器モジュールREの各スレーブポートS及び各マスターポートMに接続され、全てのCPRIスレーブポートSから来るダウンリンクUデータフローをマージし、マージしたUデータを全てのCPRIマスターポートM及び全てのエアインターフェースANTに向かって送信するように構成される、少なくとも1つのマージ/分割モジュールを備える。マージ/分割モジュールは、さらに、CPRIマスターポートMから及びエアインターフェースANTから来る同期データフローを1つのUデータフローにマージし、当該フローをCPRIスレーブポートSに送信するように構成される。
【0047】
さらに、マッパ/デマッパ(すなわち、多重通信回路/デマルチプレクサ回路)を伴う無線機器制御モジュールREC及び無線機器モジュールREは、プログラム可能な方法で、アンテナキャリアサンプルをCPRIフレームにマッピングするように構成され得る。
【0048】
例として、図3は、IQサンプリング処理及び無線インターフェース(CPRI/ANTインターフェース)のためのそのローカル回路を含む、本発明に従った可能性がある無線機器モジュールREのブロック図を示す。
【0049】
図3を参照すると、同じノード上の全てのCPRIスレーブポートSa、Sbから来るダウンリンク同期データフローは、同期/調整モジュールによって1つの同期データフローにマージされ、全てのCPRIマスターポートMa、Mbに、サービスアクセスポイントSAPに、及びエアインターフェースANTa、ANTbに向かって送信される。
【0050】
逆に、アップリンクでは、CPRIマスターポートMa、Mbから及び同じノード上のエアインターフェースANTa、ANTbから来るサービスアクセスポイントSAPは、同期/調整モジュールによって1つのSAPにマージされ、CPRIスレーブポートSa、Sbに送信される。
【0051】
IQデータの場合、ダウンリンクでは、同じノード上のCPRIスレーブポートSa、Sbから来るUデータフローは、マージ/分割モジュールによって1つのUデータフローにマージされ、CPRIマスターポートMa、MbのSAPIQに及びエアインターフェースANTa、ANTbに向かって送信される。
【0052】
アップリンクでは、CPRIマスターポートMa、Mbから及び同じノード上のエアインターフェースANTa、ANTbから来るSAPIQは、1つのSAPIQにマージされ、CPRIスレーブポートSa、Sbに送信される。
【0053】
さらに、CMデータトラフィックは、無線機器モジュールREの各スレーブポートS及び各マスターポートMに接続されるCMスイッチによって、パケットを切り替えることによって管理される。
【0054】
以下では、無線通信フロントホールシステム内のアップリンクプロセスを制御するための方法100が開示される。具体的には、方法100は、アップリンクIQデータを処理するために使用される。
【0055】
方法100は、また、図4に概略的に示される。
【0056】
方法100は、本発明による、無線通信フロントホールシステムFSの無線機器モジュールREのそれぞれによって実施されることができる。
【0057】
まず、方法100は、アンテナキャリアマッピングをマッピングマネージャMAPから受信すること(ステップ101)を含む。具体的には、マッピングマネージャMAPは、CPRIフレーム内部の特定のキャリアアンテナストリームの場所に関する全ての情報を提供する。
【0058】
方法100は、
少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームデータ(IQデータ)を、少なくとも1つの物理アンテナポートANTから受信すること(ステップ102)と、
最終的に、別のリモートユニットREがマスターポートMに接続される場合、少なくとも1つのアップリンクアンテナキャリアストリームを少なくとも1つのCPRIマスターポートMから受信すること(ステップ103)と、を含む。
【0059】
したがって、無線機器モジュールREは、アンテナストリームデータをそのアンテナポートANTから受信し、同様に、任意の入力アップリンクCPRIデータを他のアップリンク無線機器モジュールREから受信する。
【0060】
具体的には、複数のマスターポートMの場合、方法100はCPRIマスターポートMの1つから、それぞれ、複数のアップリンクアンテナキャリアストリームを受信することを含み、アップリンクアンテナキャリアストリームのそれぞれは、複数の入力A×Cコンテナを含む。さらに、複数のマスターポートの場合、方法100は、指定された複数のCPRIマスターポートMを動的に選択することを含む。
【0061】
方法100は、さらに、アップリンクアンテナキャリアストリームをアップリンクサンプルストリームデータと同期させること(ステップ104)を含む。
【0062】
続いて、方法100は、アップリンクアンテナキャリアデータブロック(IQデータ)をアップリンクアンテナキャリアストリームから読み出すことと、同期したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを物理アンテナポートANTからのアップリンクサンプルストリームと一緒に合体し、合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを作成することと(ステップ105~108)を含む。
【0063】
具体的には、アップリンクアンテナキャリアデータブロックをA×Cコンテナのそれぞれから読み出すことが実行される。
【0064】
さらに、当該同期したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを物理アンテナポートANTからの当該少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームと一緒に合体するステップは、
-マッピングマネージャモジュールMAPが単一セクターに関連するとして複数のアンテナキャリアストリームを設計する場合、及び共通セクターの任意の入力アンテナキャリアストリームが存在する場合(ステップ105)、同期したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを合体し、部分的に合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを作成すること(ステップ106)と、
-少なくとも1つのアンテナポートANTからのアンテナストリームが共通セクターの一部として指定される場合(ステップ107)、部分的に合体したアップリンクアンテナキャリアデータを少なくとも1つのアップリンクサンプルストリームデータと合体すること(ステップ108)と、
を含む。
【0065】
次に、方法100は、合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロック(IQデータ)を合体したアップリンクアンテナキャリアストリームに割り当てること(ステップ109及び110)を含む。
【0066】
具体的には、割り当てるステップは、
-合体したアップリンクアンテナキャリアデータブロックを合体したA×Cコンテナに割り当てることと、
-対応するA×Cコンテナを、入力A×Cコンテナが入力CPRIフレーム内にマッピングされた同じ位置でCPRIフレーム内部にマッピングすることを含むことと、
を含む。
【0067】
さらに、方法100は、合体したアップリンクアンテナキャリアストリームを少なくとも1つのCPRIスレーブポートSに伝送すること(ステップ111)を含む。
【0068】
具体的には、方法100に従って、複数のCPRIスレーブポートSは、動的に指定されることができる。
【0069】
以下では、無線通信フロントホールシステム内のダウンリンクプロセスを制御するための方法200が開示される。方法200は、また、図5に概略的に示される。
【0070】
まず、方法200は、アンテナキャリアマッピング命令をマッピングマネージャモジュールMAPから受信すること(ステップ201)を含み、アンテナキャリアマッピング命令は、複数のアンテナストリーム識別子を含む。
【0071】
さらに、方法200は、以下のステップ、
-第1のインバウンドCPRIデータストリームを第1のCPRIスレーブポートSを介して受信するステップ(ステップ202)と、
-当該第1のインバウンドCPRIデータストリームから、第1の指定されたアンテナキャリアストリームを読み出すステップと、
-当該第1の指定されたキャリアアンテナストリームを複数の指定されたコモンキャリアアンテナストリームに割り当てるステップであって、複数の指定されたコモンキャリアアンテナストリームのそれぞれは複数のアンテナキャリア識別子の1つに対応する、割り当てるステップと、を含む。
【0072】
具体的には、指定されたキャリアアンテナストリーム及び当該指定されたコモンキャリアアンテナストリームのそれぞれはCPRIアンテナキャリア(A×C)を含む。
【0073】
方法200は、さらに、以下のステップ、
-第2のインバウンドCPRIデータストリームを第2のCPRIスレーブポートを介して受信するステップ(ステップ202)と、
-第2のインバウンドCPRIデータストリームから、第2の指定されたアンテナキャリアストリームを読み出すステップと、
-第2の指定されたアンテナキャリアストリームを当該第1の指定されたアンテナキャリアストリームにマージするステップ(ステップ204及び205)と、を含む。
【0074】
したがって、2つ以上の入力キャリアアンテナストリームが単一アンテナキャリアを対象とするフレームを有する場合、信号を合体する。
【0075】
マージステップの前に、方法200は、好ましくは、入力するフレームを同期するステップを含む(ステップ203)。
【0076】
さらに、方法200は、ローカルアンテナキャリアストリームをCPRIデータからデマッピングするステップ(ステップ206)と、同期情報を伝送するためにアンテナポートのいずれかに中継するステップ(ステップ207)とを含む。
【0077】
したがって、行き先のアンテナキャリアストリームのいずれかが特定の無線機器モジュールREに対してローカルにある場合、特定データはストリップアウトされ、特定のアンテナポートANTに中継される。
【0078】
最後に、方法200は、取得したCPRIストリームを、無線機器モジュールREの少なくとも1つのマスターポートMに伝送することを含む(ステップ208)。
【0079】
実際には、説明される本発明は、意図された目的を達成していることが観察されている。
【0080】
具体的には、本発明に従ったフロントホールシステムは、
CPRIフレーム内に、その帯域幅上で制約がないいくつかの任意のアンテナキャリアストリームを挿入することと、
CPRIシステムの動的な及びカスタムの切り替え能力を設定し、これにより、各無線機器モジュールREは、独立して、アンテナキャリアデジタルデータサンプルを、(ダウンリンクで)獲得することができる、または(アップリンクで)差し出すことができることと、
ユニキャスト、マルチキャスト、またはブロードキャストのアンテナキャリアデータフローが、CPRIフロントホールを経由することを可能にすることと、
サービス遮断がないオンザフライを再構成することと、
連結におけるいくつかのREに起因してダウンリンク及びアップリンクの全ての遅延を補償することと(カスケード接続のREの数に制限がなく、その数はシステムによって使用される技術(例えば、LTE、3G、2G等)に依存する)、
アンテナコネクタにおける同じ受信の瞬間に関連する同期したアップリンクサンプルを合体し、したがって、フロントホールトラフィックを下げることと、を可能にする。
【0081】
さらに、本発明に従ったシステムは、全ての上記の目的に到達することを可能にし、全てのデバイスの間で時間同期を維持する。
図1
図2
図3
図4
図5