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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】固体撮像素子および映像記録装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20231208BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20231208BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20231208BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20231208BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20231208BHJP
   H01L 27/00 20060101ALI20231208BHJP
   H04N 25/76 20230101ALI20231208BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
H01L27/088 E
H01L27/092 G
H01L27/00 301B
H04N25/76
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020559857
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 JP2019044659
(87)【国際公開番号】W WO2020121725
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2018233437
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本庄 亮子
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-022561(JP,A)
【文献】国際公開第2011/077580(WO,A1)
【文献】特開2017-183636(JP,A)
【文献】国際公開第2013/094430(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0179691(US,A1)
【文献】国際公開第2014/013696(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03349250(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0155893(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02518768(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0123079(US,A1)
【文献】国際公開第2017/169884(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03439040(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0327059(US,A1)
【文献】特開2015-032687(JP,A)
【文献】特開2018-195803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 21/8234
H01L 21/8238
H01L 27/00
H01L 27/088
H01L 27/092
H04N 25/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子から出力される電気信号を一時的に保持するフローティングディフュージョンを有する第1の半導体基板と、
前記第1の半導体基板に対向する第2の半導体基板と、を備え、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第1のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、
前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記フローティングディフュージョンに接続されており、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の一方の面側から他方の面側へと到達するソース領域と、
前記第2の半導体基板の一方の面側から他方の面側へと到達するドレイン領域と、をさらに備え、
前記ソース領域は、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から前記電気信号を伝送する信号線に接続されており、
前記ドレイン領域は、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から電源電位に接続されている、
固体撮像素子。
【請求項2】
前記マルチゲートと前記フローティングディフュージョンとの対向面同士を接続するコンタクトを備える、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記第2の半導体基板は、
前記第1の半導体基板に対向する側に、前記ソース領域を含む第2のトランジスタを備え、
前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記第2のトランジスタの前記ソース領域に接続されている、
請求項1又は2に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
光電変換素子から出力される電気信号を一時的に保持するフローティングディフュージョンを有する第1の半導体基板と、
前記第1の半導体基板に対向する第2の半導体基板と、を備え、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第1のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、
前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記フローティングディフュージョンに接続されており、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第2のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、
前記第2のトランジスタの前記マルチゲートは、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から前記電気信号を伝送する信号線に接続されている、
体撮像素子。
【請求項5】
前記第1のトランジスタは、前記光電変換素子から出力される前記電気信号を増幅する増幅トランジスタであり、
前記第2のトランジスタは、前記増幅トランジスタの前記マルチゲートの電位を電源電位にリセットするリセットトランジスタである、
請求項に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記第2の半導体基板は、
前記増幅トランジスタで増幅された前記電気信号を前記信号線へ伝送するか否かを選択する選択トランジスタを備える、
請求項に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記第2の半導体基板と対向するように前記第1の半導体基板とは反対側に配置される第3の半導体基板を備え、
前記第3の半導体基板は、
前記増幅トランジスタで増幅された前記電気信号を前記信号線へ伝送するか否かを選択する選択トランジスタを備える、
請求項に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記第1の半導体基板は、
前記光電変換素子から出力される前記電気信号を前記増幅トランジスタへ転送する転送トランジスタを備える、
請求項5~7のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
固体撮像素子と、
被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、
前記固体撮像素子からの出力信号に対して処理を行う信号処理回路と、を備え、
前記固体撮像素子は、
光電変換素子から出力される電気信号を一時的に保持するフローティングディフュージョンを有する第1の半導体基板と、
第1の半導体基板に対向する第2の半導体基板と、を備え、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第1のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、
前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記フローティングディフュージョンに接続されており、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の一方の面側から他方の面側へと到達するソース領域と、
前記第2の半導体基板の一方の面側から他方の面側へと到達するドレイン領域と、をさらに備え、
前記ソース領域は、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から前記電気信号を伝送する信号線に接続されており、
前記ドレイン領域は、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から電源電位に接続されている、
映像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像素子および映像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の半導体基板を積層する3次元実装技術がある。例えば固体撮像素子においては、画素領域が形成された第1の半導体基板と、ロジック回路が形成された第2の半導体基板とが積層される構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-245506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された固体撮像素子では、画素トランジスタを配置するスペースを充分に確保することができない。そこで、例えば光電変換素子が形成される基板と、画素トランジスタが形成される基板とを更に分けて積層することが考えられる。
【0005】
しかしながら、このような構成では、光電変換素子が形成される基板と、画素トランジスタが形成される基板とを接続する配線が長くなってしまい、光電変換素子の光電変換効率が小さくなってしまうことがある。
【0006】
そこで、本開示では、積層基板間の配線長を削減して光電変換素子の光電変換効率を向上させることができる固体撮像素子および映像記録装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる固体撮像素子は、光電変換素子から出力される電気信号を一時的に保持するフローティングディフュージョンを有する第1の半導体基板と、第1の半導体基板に対向する第2の半導体基板と、を備え、前記第2の半導体基板は、前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第1のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記フローティングディフュージョンに接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の各実施形態に適用される固体撮像素子の概略構成の一例を示す図である。
図2図1のセンサ画素および読み出し回路の一例を表す図である。
図3図1のセンサ画素および読み出し回路の一例を表す図である。
図4図1のセンサ画素および読み出し回路の一例を表す図である。
図5図1のセンサ画素および読み出し回路の一例を表す図である。
図6】複数の読み出し回路と複数の垂直信号線との接続態様の一例を表す図である。
図7図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一例を表す図である。
図8図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一例を表す図である。
図9図1の固体撮像素子の水平面内での配線レイアウトの一例を表す図である。
図10図1の固体撮像素子の水平面内での配線レイアウトの一例を表す図である。
図11図1の固体撮像素子の水平面内での配線レイアウトの一例を表す図である。
図12図1の固体撮像素子の水平面内での配線レイアウトの一例を表す図である。
図13図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
図14図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
図15図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
図16図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
図17図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
図18図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
図19図1の固体撮像素子の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
図20図1の構成およびその変形例にかかる固体撮像素子の回路構成の一変形例を表す図である。
図21図20の固体撮像素子を3つの基板を積層して構成した例を表す図である。
図22】ロジック回路を、センサ画素の設けられた基板と、読み出し回路の設けられた基板とに分けて形成した例を表す図である。
図23】ロジック回路を、第3基板に形成した例を表す図である。
図24】本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子の断面の一部を示す図である。
図25】本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子の積層体の貼り合わせ位置近傍を示す模式図である。
図26】本開示の実施形態1にかかる増幅トランジスタの構成を示す模式図である。
図27】本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子の製造処理の手順の一例を示すフロー図である。
図28】本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子の製造処理の手順の一例を示すフロー図である。
図29】本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子の製造処理の手順の一例を示すフロー図である。
図30】本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子の製造処理の手順の一例を示すフロー図である。
図31】本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子の製造処理の手順の一例を示すフロー図である。
図32】本開示の比較例にかかる固体撮像素子を示す模式図である。
図33】本開示の実施形態1の変形例1にかかる固体撮像素子の増幅トランジスタの構成を示す模式図である。
図34】本開示の実施形態1の変形例2にかかる固体撮像素子の断面の一部を示す図である。
図35】本開示の実施形態1の変形例3にかかる固体撮像素子の断面の一部を示す図である。
図36】本開示の実施形態2にかかる固体撮像素子の積層体の貼り合わせ位置近傍を示す模式図である。
図37】上記の固体撮像素子を備えた撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
図38図37の撮像システムにおける撮像手順の一例を表す図である。
図39】上記の固体撮像素子を備えた変形例の撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
図40】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図41】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
図42】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図43】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0010】
[固体撮像素子の概略構成例]
図1図19を用いて、固体撮像素子の概略構成例について説明する。
【0011】
(固体撮像素子の回路構成例)
図1は、本開示の各実施形態に適用される固体撮像素子1の概略構成の一例を示す図である。固体撮像素子1は、受光した光を電気信号に変換して画素信号として出力する。この例では、固体撮像素子1はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサとして構成されている。
【0012】
図1に示すように、固体撮像素子1は、第1基板10、第2基板20、及び第3基板30の3つの基板を備えている。固体撮像素子1は、これらの3つの基板を貼り合わせて構成された3次元構造の撮像装置である。第1基板10、第2基板20、及び第3基板30は、この順に積層されている。
【0013】
第1基板10は、半導体基板11に、光電変換を行う複数のセンサ画素12を有している。複数のセンサ画素12は、第1基板10における画素領域13内に行列状に設けられている。第2基板20は、半導体基板21に、センサ画素12から出力された電荷に基づく画素信号を出力する読み出し回路22を4つのセンサ画素12ごとに1つずつ有している。第2基板20は、行方向に延在する複数の画素駆動線23と、列方向に延在する複数の垂直信号線24とを有している。第3基板30は、半導体基板31に、画素信号を処理するロジック回路32を有している。ロジック回路32は、例えば、垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34、水平駆動回路35、及びシステム制御回路36を有している。ロジック回路32、より具体的には水平駆動回路35は、センサ画素12ごとの出力電圧Voutを外部に出力する。ロジック回路32では、例えば、ソース電極およびドレイン電極と接する不純物拡散領域の表面に、自己整合シリサイド(SALICIDE:Self Aligned Silicide)プロセスを用いて形成されたCoSi2やNiSi等のシリサイドからなる低抵抗領域が形成されていてもよい。
【0014】
垂直駆動回路33は、例えば、複数のセンサ画素12を行単位で順に選択する。カラム信号処理回路34は、例えば、垂直駆動回路33によって選択された行の各センサ画素12から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)処理を施す。カラム信号処理回路34は、例えば、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各センサ画素12の受光量に応じた画素データを保持する。水平駆動回路35は、例えば、カラム信号処理回路34に保持されている画素データを順次、外部に出力する。システム制御回路36は、例えば、ロジック回路32内の垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34および水平駆動回路35の各ブロックの駆動を制御する。
【0015】
図2図5は、センサ画素12および読み出し回路22の一例を表した図である。以下では、4つのセンサ画素12が1つの読み出し回路22を共有している場合について説明する。ここで、「共有」とは、4つのセンサ画素12の出力が共通の読み出し回路22に入力されることを指している。ただし、共有単位は画素数を問わない。例えば1つのセンサ画素12の出力が1つの読み出し回路22に入力されてもよい。また、本例と同様に4つのセンサ画素12の出力が1つの読み出し回路22に入力されてもよい。
【0016】
図2に示すように、各センサ画素12は、互いに共通の構成要素を有している。図2には、各センサ画素12の構成要素を互いに区別するために、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号1,2,3,4が付与されている。以下では、各センサ画素12の構成要素を互いに区別する必要のある場合には、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号を付与する。各センサ画素12の構成要素を互いに区別する必要のない場合には、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾の識別番号を省略する。
【0017】
各センサ画素12は、例えば、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDに電気的に接続された転送トランジスタTRと、転送トランジスタTRを介してフォトダイオードPDから出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンFDとを有している。フォトダイオードPDは、本開示の「光電変換素子」の一具体例に相当する。フォトダイオードPDは、光電変換を行って受光量に応じた電荷を発生する。フォトダイオードPDのカソードは転送トランジスタTRのソースに電気的に接続されており、フォトダイオードPDのアノードは接地線(GND)等の基準電位線に電気的に接続されている。転送トランジスタTRのドレインはフローティングディフュージョンFDに電気的に接続され、転送トランジスタTRのゲートは画素駆動線23(図1参照)に電気的に接続されている。転送トランジスタTRは、例えばCMOSトランジスタである。
【0018】
1つの読み出し回路22を共有する各センサ画素12のフローティングディフュージョンFDは、互いに電気的に接続されるとともに、共通の読み出し回路22の入力端に電気的に接続されている。読み出し回路22は、例えば、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、増幅トランジスタAMPとを有している。なお、選択トランジスタSELは、必要に応じて省略してもよい。読み出し回路22の入力端であるリセットトランジスタRSTのソースはフローティングディフュージョンFDに電気的に接続されており、リセットトランジスタRSTのドレインは電源線VDDおよび増幅トランジスタAMPのドレインに電気的に接続されている。リセットトランジスタRSTのゲートは画素駆動線23(図1参照)に電気的に接続されている。増幅トランジスタAMPのソースは選択トランジスタSELのドレインに電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートはリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。読み出し回路22の出力端である選択トランジスタSELのソースは垂直信号線24に電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートは画素駆動線23(図1参照)に電気的に接続されている。
【0019】
転送トランジスタTRがオン状態となると、フォトダイオードPDの電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRSTがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位が電源線VDDの電位にリセットされる。選択トランジスタSELは、読み出し回路22からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMPは、画素信号として、フローティングディフュージョンFDに保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、ソースフォロア型のアンプを構成しており、フォトダイオードPDで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、垂直信号線24を介してカラム信号処理回路34に出力する。リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP,および選択トランジスタSELは、例えばCMOSトランジスタである。
【0020】
なお、図3に示すように、選択トランジスタSELが、電源線VDDと増幅トランジスタAMPとの間に設けられていてもよい。この場合、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび選択トランジスタSELのドレインに電気的に接続されている。選択トランジスタSELのソースは増幅トランジスタAMPのドレインに電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートは画素駆動線23(図1参照)に電気的に接続されている。読み出し回路22の出力端である増幅トランジスタAMPのソースは垂直信号線24に電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートはリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。
【0021】
また、図4及び図5に示すように、FD転送トランジスタFDGが、リセットトランジスタRSTのソースと増幅トランジスタAMPのゲートとの間に設けられていてもよい。FD転送トランジスタFDGは、変換効率を切り替える際に用いられる。一般に、暗い場所での撮影時には画素信号が小さい。Q=CVに基づき、電荷電圧変換を行う際に、フローティングディフュージョンFDの容量Cが大きければ、増幅トランジスタAMPで変換した際の電圧Vが小さくなってしまう。一方、明るい場所では、画素信号が大きくなるので、FD容量Cが大きくなければ、フローティングディフュージョンFDで、フォトダイオードPDの電荷を受け切れない。さらに、増幅トランジスタAMPで変換した際の電圧Vが大きくなりすぎないように、FD容量Cが大きくなっている必要がある。これらを踏まえると、FD転送トランジスタFDGをオンにしたときには、FD転送トランジスタFDG分のゲート容量が増えるので、全体のFD容量Cが大きくなる。一方、FD転送トランジスタFDGをオフにしたときには、全体のFD容量Cが小さくなる。このように、FD転送トランジスタFDGをオン/オフ切り替えすることで、FD容量Cを可変にし、変換効率を切り替えることができる。
【0022】
図6は、複数の読み出し回路22と、複数の垂直信号線24との接続態様の一例を表す図である。複数の読み出し回路22が、垂直信号線24の延在方向である列方向に並んで配置されている場合、複数の垂直信号線24は、読み出し回路22ごとに1つずつ割り当てられていてもよい。例えば、図6に示すように、4つの読み出し回路22が、垂直信号線24の延在方向に並んで配置されている場合、4つの垂直信号線24が、読み出し回路22ごとに1つずつ割り当てられていてもよい。なお、図6では、各垂直信号線24を区別するために、各垂直信号線24の符号の末尾に識別番号1,2,3,4が付与されている。
【0023】
(固体撮像素子の物理構成例)
図7及び図8は、固体撮像素子1の水平方向の断面構成の一例を表した図である。図7及び図8の上側の図は、図1の第1基板10の水平方向における断面構成の一例を表す図である。図7及び図8の下側の図は、図1の第2基板20の水平方向における断面構成の一例を表す図である。図7には、2×2の4つのセンサ画素12を2組、第2方向Hに並べた構成が例示されており、図8には、2×2の4つのセンサ画素12を4組、第1方向Vおよび第2方向Hに並べた構成が例示されている。なお、図7及び図8の上側の断面図では、図1の第1基板10の水平方向における断面構成の一例を表す図に、半導体基板11の表面構成の一例を表す図が重ね合わされている。また、図7及び図8の下側の断面図では、図1の第2基板20の水平方向における断面構成の一例を表す図に、半導体基板21の表面構成の一例を表す図が重ね合わされている。
【0024】
図7及び図8に示すように、複数の貫通配線54、複数の貫通配線48および複数の貫通配線47は、第1基板10の面内において、図7の上下方向である第1方向V、または、図8の左右方向である第2方向Hに帯状に並んで配置されている。なお、図7及び図8には、複数の貫通配線54、複数の貫通配線48および複数の貫通配線47が第1方向Vまたは第2方向Hに2列に並んで配置されている場合が例示されている。第1方向Vまたは第2方向Hは、マトリクス状に配置された複数のセンサ画素12の2つの配列方向である行方向および列方向のうち、例えば一方の配列方向である列方向と平行となっている。読み出し回路22を共有する4つのセンサ画素12において、4つのフローティングディフュージョンFDは、例えば、画素分離部43を介して互いに近接して配置されている。読み出し回路22を共有する4つのセンサ画素12において、4つの転送トランジスタTRのゲート電極TGは、4つのフローティングディフュージョンFDを囲むように配置されており、例えば、4つのゲート電極TGによって円環形状となっている。
【0025】
上述の半導体基板21のうち複数の貫通配線54が貫通する部分に存在する絶縁層53は、第1方向Vまたは第2方向Hに延在する複数のブロックで構成されている。半導体基板21は、第1方向Vまたは第2方向Hに延在するとともに、上記絶縁層53を介して互いに直交する第1方向Vまたは第2方向Hに並んで配置された複数の島状のブロック21Aで構成されている。各ブロック21Aには、例えば、複数組のリセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、及び選択トランジスタSELが設けられている。4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、4つのセンサ画素12と対向する領域内にある、リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、及び選択トランジスタSELによって構成されている。4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、上記絶縁層53の左隣りのブロック21A内の増幅トランジスタAMPと、上記絶縁層53の右隣りのブロック21A内のリセットトランジスタRST及び選択トランジスタSELとによって構成されている。
【0026】
図9図12は、固体撮像素子1の水平面内での配線レイアウトの一例を表した図である。図9図12には、4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22が4つのセンサ画素12と対向する領域内に設けられている場合が例示されている。図9図12に記載の配線は、例えば、上述の画素トランジスタ上に設けられた図示しない配線層において互いに異なる層内に設けられている。配線層は、例えば複数の画素駆動線23および複数の垂直信号線24、配線層の表面に露出し、第2基板20と第3基板30との電気的な接続に用いられる図示しないパッド電極等を有している。
【0027】
互いに隣接する4つの貫通配線54は、例えば、図9に示すように、接続配線55と電気的に接続されている。互いに隣接する4つの貫通配線54は、さらに、例えば、接続配線55および接続部59を介して、絶縁層53の左隣りブロック21Aに含まれる増幅トランジスタAMPのゲートと、絶縁層53の右隣りブロック21Aに含まれるリセットトランジスタRSTのゲートとに電気的に接続されている。
【0028】
電源線VDDは、例えば、図10に示すように、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22と対向する位置に配置されている。電源線VDDは、例えば、接続部59を介して、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22の増幅トランジスタAMPのドレイン及びリセットトランジスタRSTのドレインに電気的に接続されている。2本の画素駆動線23が、例えば、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22と対向する位置に配置されている。一方の画素駆動線23は、例えば、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22のリセットトランジスタRSTのゲートに電気的に接続された配線RSTGである。他方の画素駆動線23は、例えば、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22の選択トランジスタSELのゲートに電気的に接続された配線SELGである。各読み出し回路22において、増幅トランジスタAMPのソースと、選択トランジスタSELのドレインとが、例えば、配線25を介して、互いに電気的に接続されている。
【0029】
図11に示すように、2本の電源線VSSは、例えば、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22と対向する位置に配置されている。各電源線VSSは、例えば、第2方向Hに並んで配置された各センサ画素12と対向する位置において、複数の貫通配線47に電気的に接続されている。4本の画素駆動線23が、例えば、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22と対向する位置に配置されている。4本の画素駆動線23の各々は、例えば、第2方向Hに並んで配置された各読み出し回路22に対応する4つのセンサ画素12のうちの1つのセンサ画素12の貫通配線48に電気的に接続された配線TRGである。つまり、制御線として機能する4本の画素駆動線23は、第2方向Hに並んで配置された各センサ画素12の転送トランジスタTRのゲート電極TGに電気的に接続されている。図11では、各配線TRGを区別するために、各配線TRGの末尾に識別子1,2,3,4が付与されている。
【0030】
図12に示すように、垂直信号線24は、例えば、第1方向Vに並んで配置された各読み出し回路22と対向する位置に配置されている。出力線として機能する垂直信号線24は、例えば、第1方向Vに並んで配置された各読み出し回路22の出力端である増幅トランジスタAMPのソースに電気的に接続されている。
【0031】
(変形例1)
図13及び図14は、上記の固体撮像素子1の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。図13及び図14の上側の図は、図1の第1基板10の水平方向における断面構成の一変形例であり、図13の下側の図は、図1の第2基板20の水平方向における断面構成の一変形例である。なお、図13及び図14の上側の断面図では、図1の第1基板10の水平方向における断面構成の一変形例を表す図に、図1の半導体基板11の表面構成の一変形例を表す図が重ね合わされている。また、図13及び図14の下側の断面図では、図1の第2基板20の水平方向における断面構成の一変形例を表す図に、半導体基板21の表面構成の一変形例を表す図が重ね合わされている。
【0032】
図13及び図14に示すように、図中の行列状に配置された複数のドットとして示される、複数の貫通配線54、複数の貫通配線48、および複数の貫通配線47は、第1基板10の面内において、図13及び図14の左右方向である第1方向Hに帯状に並んで配置されている。なお、図13及び図14には、複数の貫通配線54、複数の貫通配線48、および複数の貫通配線47が第2方向Hに2列に並んで配置されている場合が例示されている。読み出し回路22を共有する4つのセンサ画素12において、4つのフローティングディフュージョンFDは、例えば、画素分離部43を介して互いに近接して配置されている。読み出し回路22を共有する4つのセンサ画素12において、4つの転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4は、4つのフローティングディフュージョンFDを囲むように配置されており、例えば、4つの転送ゲートTGによって円環形状となっている。
【0033】
絶縁層53は、第2方向Hに延在する複数のブロックで構成されている。半導体基板21は、第2方向Hに延在するとともに、絶縁層53を介して第2方向Hと直交する第1方向Vに並んで配置された複数の島状のブロック21Aで構成されている。各ブロック21Aには、例えば、リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、および選択トランジスタSELが設けられている。4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、4つのセンサ画素12と正対して配置されておらず、第1方向Vにずれて配置されている。
【0034】
図13では、4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、第2基板20において、4つのセンサ画素12と対向する領域を第1方向Vにずらした領域内にある、リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、および選択トランジスタSELによって構成されている。4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、1つのブロック21A内の増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST、および選択トランジスタSELによって構成されている。
【0035】
図14では、4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、第2基板20において、4つのセンサ画素12と対向する領域を第1方向Vにずらした領域内にある、リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、およびFD転送トランジスタFDGによって構成されている。4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、1つのブロック21A内の増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST、選択トランジスタSEL、およびFD転送トランジスタFDGによって構成されている。
【0036】
本変形例では、4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、4つのセンサ画素12と正対して配置されておらず、4つのセンサ画素12と正対する位置から第1方向Vにずれて配置されている。このようにした場合には、配線25(図10参照)を短くすることができ、または、配線25を省略して、増幅トランジスタAMPのソースと、選択トランジスタSELのドレインとを共通の不純物領域で構成することもできる。その結果、読み出し回路22のサイズを小さくしたり、読み出し回路22内の他の箇所のサイズを大きくしたりすることができる。
【0037】
(変形例2)
図15は、上記の固体撮像素子1の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。図15には、図7の断面構成の一変形例が示されている。
【0038】
本変形例では、半導体基板21が、絶縁層53を介して第1方向Vおよび第2方向Hに並んで配置された複数の島状のブロック21Aで構成されている。各ブロック21Aには、例えば、一組のリセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、および選択トランジスタSELが設けられている。このようにした場合には、互いに隣接する読み出し回路22同士のクロストークを、絶縁層53によって抑制することができ、再生画像上での解像度低下や混色による画質劣化を抑制することができる。
【0039】
(変形例3)
図16は、上記の固体撮像素子1の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。図16には、図15の断面構成の一変形例が示されている。
【0040】
本変形例では、4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22が、例えば、4つのセンサ画素12と正対して配置されておらず、第1方向Vにずれて配置されている。本変形例では、さらに、変形例2と同様、半導体基板21が、絶縁層53を介して第1方向Vおよび第2方向Hに並んで配置された複数の島状のブロック21Aで構成されている。各ブロック21Aには、例えば、一組のリセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMP、および選択トランジスタSELが設けられている。本変形例では、さらに、複数の貫通配線47および複数の貫通配線54が、第2方向Hにも配列されている。具体的には、複数の貫通配線47が、ある読み出し回路22を共有する4つの貫通配線54と、その読み出し回路22の第2方向Hに隣接する他の読み出し回路22を共有する4つの貫通配線54との間に配置されている。このようにした場合には、互いに隣接する読み出し回路22同士のクロストークを、絶縁層53および貫通配線47によって抑制することができ、再生画像上での解像度低下や混色による画質劣化を抑制することができる。
【0041】
(変形例4)
図17は、上記の固体撮像素子1の水平方向の断面構成の一例を表した図である。図17には、図7の断面構成の一変形例が示されている。
【0042】
本変形例では、第1基板10は、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTRをセンサ画素12ごとに有し、フローティングディフュージョンFDを4つのセンサ画素12ごとに共有している。従って、本変形例では、4つのセンサ画素12ごとに、1つの貫通配線54が設けられている。
【0043】
マトリクス状に配置された複数のセンサ画素12において、1つのフローティングディフュージョンFDを共有する4つのセンサ画素12に対応する単位領域を、1つのセンサ画素12分だけ第1方向Vにずらすことにより得られる領域に対応する4つのセンサ画素12を、便宜的に、4つのセンサ画素12Aと称することとする。このとき、本変形例では、第1基板10は、貫通配線47を4つのセンサ画素12Aごとに共有している。従って、本変形例では、4つのセンサ画素12Aごとに、1つの貫通配線47が設けられている。
【0044】
本変形例では、第1基板10は、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTRをセンサ画素12ごとに分離する画素分離部43を有している。画素分離部43は、半導体基板11の法線方向から見て、センサ画素12を完全には囲っておらず、フローティングディフュージョンFDに接続される貫通配線54の近傍と、貫通配線47の近傍に、未形成領域である隙間を有している。そして、その隙間によって、4つのセンサ画素12による1つの貫通配線54の共有や、4つのセンサ画素12Aによる1つの貫通配線47の共有を可能にしている。本変形例では、第2基板20は、フローティングディフュージョンFDを共有する4つのセンサ画素12ごとに読み出し回路22を有している。
【0045】
図18は、本変形例にかかる固体撮像素子1の水平方向の断面構成の一例を表した図である。図18には、図15の断面構成の一変形例が示されている。本変形例では、第1基板10は、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTRをセンサ画素12ごとに有し、フローティングディフュージョンFDを4つのセンサ画素12ごとに共有している。さらに、第1基板10は、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTRをセンサ画素12ごとに分離する画素分離部43を有している。
【0046】
図19は、本変形例にかかる固体撮像素子1の水平方向の断面構成の一例を表した図である。図19には、図16の断面構成の一変形例が示されている。本変形例では、第1基板10は、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTRをセンサ画素12ごとに有し、フローティングディフュージョンFDを4つのセンサ画素12ごとに共有している。さらに、第1基板10は、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTRをセンサ画素12ごとに分離する画素分離部43を有している。
【0047】
(変形例5)
図20は、変形例にかかる固体撮像素子1の回路構成の一例を表した図である。本変形例にかかる固体撮像素子1は、列並列ADC搭載のCMOSイメージセンサである。
【0048】
図20に示すように、本変形例にかかる固体撮像素子1は、光電変換素子を含む複数のセンサ画素12が行列状に2次元配置されてなる画素領域13に加えて、垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34、参照電圧供給部38、水平駆動回路35、水平出力線37、およびシステム制御回路36を有する構成となっている。
【0049】
このシステム構成において、システム制御回路36は、マスタークロックMCKに基づいて、垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34、参照電圧供給部38、および水平駆動回路35などの動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成し、垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34、参照電圧供給部38、および水平駆動回路35などに対して与える。
【0050】
また、垂直駆動回路33は、画素領域13の各センサ画素12とともに、第1基板10に形成されており、さらに、読み出し回路22の形成されている第2基板20にも形成される。カラム信号処理回路34、参照電圧供給部38、水平駆動回路35、水平出力線37、及びシステム制御回路36は、第3基板30に形成される。
【0051】
センサ画素12としては、ここでは図示を省略するが、例えば、フォトダイオードPDの他に、フォトダイオードPDで光電変換して得られる電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する転送トランジスタTRを有する構成を用いることができる。また、読み出し回路22としては、ここでは図示を省略するが、例えば、フローティングディフュージョンFDの電位を制御するリセットトランジスタRSTと、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号を出力する増幅トランジスタAMPと、画素選択を行うための選択トランジスタSELとを有する3トランジスタ構成のものを用いることができる。
【0052】
画素領域13には、センサ画素12が2次元配置されるとともに、このm行n列の画素配置に対して行毎に画素駆動線23が配線され、列毎に垂直信号線24が配線されている。複数の画素駆動線23の各一端は、垂直駆動回路33の各行に対応した各出力端に接続されている。垂直駆動回路33は、シフトレジスタなどによって構成され、複数の画素駆動線23を介して画素領域13の行アドレスや行走査の制御を行う。
【0053】
カラム信号処理回路34は、例えば、画素領域13の画素列毎、すなわち、垂直信号線24毎に設けられたADC(アナログ-デジタル変換回路)34-1~34-mを有し、画素領域13の各センサ画素12から列毎に出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0054】
参照電圧供給部38は、時間が経過するにつれてレベルが傾斜状に変化する、いわゆるランプ(RAMP)波形の参照電圧Vrefを生成する手法として、例えばDAC(デジタル-アナログ変換回路)38Aを有している。なお、ランプ波形の参照電圧Vrefを生成する手法としては、DAC38Aに限られない。
【0055】
DAC38Aは、システム制御回路36から与えられる制御信号CS1による制御の下に、当該システム制御回路36から与えられるクロックCKに基づいてランプ波形の参照電圧Vrefを生成してカラム処理部15のADC34-1~34-mに対して供給する。
【0056】
なお、ADC34-1~34-mの各々は、センサ画素12全ての情報を読み出すプログレッシブ走査方式での通常フレームレートモードと、通常フレームレートモード時に比べて、センサ画素12の露光時間を1/Nに設定してフレームレートをN倍、例えば2倍に上げる高速フレームレートモードとの各動作モードに対応したAD変換動作を選択的に行い得る構成となっている。この動作モードの切り替えは、システム制御回路36から与えられる制御信号CS2,CS3による制御によって実行される。また、システム制御回路36に対しては、外部のシステムコントローラ(不図示)から、通常フレームレートモードと高速フレームレートモードの各動作モードとを切り替えるための指示情報が与えられる。
【0057】
ADC34-1~34-mは全て同じ構成となっており、ここでは、ADC34-mを例に挙げて説明する。ADC34-mは、比較器34A、計数手段である例えばアップ/ダウンカウンタ(U/DCNT)34B、転送スイッチ34Cおよびメモリ装置34Dを有する構成となっている。
【0058】
比較器34Aは、画素領域13のn列目の各センサ画素12から出力される信号に応じた垂直信号線24の信号電圧Vxと、参照電圧供給部38から供給されるランプ波形の参照電圧Vrefとを比較し、例えば、参照電圧Vrefが信号電圧Vxよりも大きくなるときに出力Vcoが“H”レベルになり、参照電圧Vrefが信号電圧Vx以下のときに出力Vcoが“L”レベルになる。
【0059】
アップ/ダウンカウンタ34Bは非同期カウンタであり、システム制御回路36から与えられる制御信号CS2による制御の下に、システム制御回路36からクロックCKがDAC18Aと同時に与えられ、当該クロックCKに同期してダウン(DOWN)カウントまたはアップ(UP)カウントを行うことにより、比較器34Aでの比較動作の開始から比較動作の終了までの比較期間を計測する。
【0060】
具体的には、通常フレームレートモードでは、1つのセンサ画素12からの信号の読み出し動作において、1回目の読み出し動作時にダウンカウントを行うことにより1回目の読み出し時の比較時間を計測し、2回目の読み出し動作時にアップカウントを行うことにより2回目の読み出し時の比較時間を計測する。
【0061】
一方、高速フレームレートモードでは、ある行のセンサ画素12についてのカウント結果をそのまま保持しておき、引き続き、次の行のセンサ画素12について、前回のカウント結果から1回目の読み出し動作時にダウンカウントを行うことで1回目の読み出し時の比較時間を計測し、2回目の読み出し動作時にアップカウントを行うことで2回目の読み出し時の比較時間を計測する。
【0062】
転送スイッチ34Cは、システム制御回路36から与えられる制御信号CS3による制御の下に、通常フレームレートモードでは、ある行のセンサ画素12についてのアップ/ダウンカウンタ34Bのカウント動作が完了した時点でオン(閉)状態となって当該アップ/ダウンカウンタ34Bのカウント結果をメモリ装置34Dに転送する。
【0063】
一方、例えばN=2の高速フレームレートでは、ある行のセンサ画素12についてのアップ/ダウンカウンタ34Bのカウント動作が完了した時点でオフ(開)状態のままであり、引き続き、次の行のセンサ画素12についてのアップ/ダウンカウンタ34Bのカウント動作が完了した時点でオン状態となって当該アップ/ダウンカウンタ34Bの垂直2画素分についてのカウント結果をメモリ装置34Dに転送する。
【0064】
このようにして、画素領域13の各センサ画素12から垂直信号線24を経由して列毎に供給されるアナログ信号が、ADC34-1~34-mにおける比較器34Aおよびアップ/ダウンカウンタ34Bの各動作により、Nビットのデジタル信号に変換されてメモリ装置34Dに格納される。
【0065】
水平駆動回路35は、シフトレジスタなどによって構成され、カラム信号処理回路34におけるADC34-1~34-mの列アドレスや列走査の制御を行う。この水平駆動回路35による制御の下に、ADC34-1~34-mの各々でAD変換されたNビットのデジタル信号は順に水平出力線37に読み出され、当該水平出力線37を経由して撮像データとして出力される。
【0066】
なお、本開示には直接関連しないため特に図示しないが、水平出力線37を経由して出力される撮像データに対して各種の信号処理を施す回路等を、上記構成要素以外に設けることも可能である。
【0067】
上記構成の本変形例にかかる列並列ADC搭載の固体撮像素子1では、アップ/ダウンカウンタ34Bのカウント結果を、転送スイッチ34Cを介して選択的にメモリ装置34Dに転送することができるため、アップ/ダウンカウンタ34Bのカウント動作と、当該アップ/ダウンカウンタ34Bのカウント結果の水平出力線37への読み出し動作とを独立して制御することが可能である。
【0068】
図21は、図20の固体撮像素子1を、第1基板10、第2基板20、第3基板30の3つの基板を積層して構成した例を表す。
【0069】
本変形例では、第1基板10において、中央部分に、複数のセンサ画素12を含む画素領域13が形成されており、画素領域13の周囲に垂直駆動回路33が形成されている。
【0070】
また、第2基板20において、中央部分に、複数の読み出し回路22を含む読み出し回路領域15が形成されており、読み出し回路領域15の周囲に垂直駆動回路33が形成されている。
【0071】
また、第3基板30において、カラム信号処理回路34、水平駆動回路35、システム制御回路36、水平出力線37、および参照電圧供給部38が形成されている。
【0072】
上記構成により、上記図1の構成およびその変形例と同様、基板同士を電気的に接続する構造に起因して、チップサイズが大きくなったり、1画素あたりの面積の微細化を阻害したりしてしまうことがない。その結果、今までと同等のチップサイズで、1画素あたりの面積の微細化を阻害することのない3層構造の固体撮像素子1を提供することができる。なお、垂直駆動回路33は、第1基板10のみに形成されても、第2基板20のみに形成されてもよい。
【0073】
(変形例6)
図22は、本変形例にかかる固体撮像素子1の断面構成の一変形例を表す。上記図1の構成およびその変形例では、固体撮像素子1は、第1基板10、第2基板20、第3基板30の3つの基板を積層して構成されていた。しかし、上記図1の構成およびその変形例において、固体撮像素子1が、第1基板10、第2基板20の2つの基板を積層して構成されていてもよい。
【0074】
このとき、ロジック回路32は、例えば、図22に示すように、第1基板10と、第2基板20とに分けて形成されている。ここで、ロジック回路32のうち、第1基板10側に設けられた回路32Aでは、高温プロセスに耐え得る材料(例えば、high-k)からなる高誘電率膜とメタルゲート電極とが積層されたゲート構造を有するトランジスタが設けられている。一方、第2基板20側に設けられた回路32Bでは、ソース電極およびドレイン電極と接する不純物拡散領域の表面に、自己整合シリサイド(SALICIDE:Self Aligned Silicide)プロセスを用いて形成されたCoSi2やNiSi等のシリサイドからなる低抵抗領域が形成されている。シリサイドからなる低抵抗領域は、このように、半導体基板の材料と金属との化合物で形成されている。
【0075】
これにより、センサ画素12を形成する際に、熱酸化などの高温プロセスを用いることができる。また、ロジック回路32のうち、第2基板20側に設けられた回路32Bにおいて、ソース電極およびドレイン電極と接する不純物拡散領域の表面に、シリサイドからなる低抵抗領域26を設けた場合には、接触抵抗を低減することができる。その結果、ロジック回路32での演算速度を高速化することができる。
【0076】
図23は、上記図1の構成およびその変形例にかかる固体撮像素子1の断面構成の一変形例を表す。上記図1の構成およびその変形例にかかる第3基板30のロジック回路32において、ソース電極およびドレイン電極と接する不純物拡散領域の表面に、自己整合シリサイド(SALICIDE:Self Aligned Silicide)プロセスを用いて形成されたCoSi2やNiSi等のシリサイドからなる低抵抗領域37が形成されていてもよい。これにより、センサ画素12を形成する際に、熱酸化などの高温プロセスを用いることができる。また、ロジック回路32において、ソース電極およびドレイン電極と接する不純物拡散領域の表面に、シリサイドからなる低抵抗領域37を設けた場合には、接触抵抗を低減することができる。その結果、ロジック回路32での演算速度を高速化することができる。
【0077】
[実施形態1]
図24図33を用いて、実施形態1の固体撮像素子について説明する。
【0078】
(固体撮像素子の全体構成例)
図24は、本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子100の断面の一部を示す図である。図24に示すように、固体撮像素子100は、積層体200と、積層体300と、積層体400と、が貼り合わされた構造を備える。図24に示す面230は、積層体200と積層体300とが貼り合わされる面を示す。また、図24に示す面340は、積層体300と積層体400とが貼り合わされる面を示す。これらの積層体200~400は互いに電気的に接続されている。
【0079】
積層体200~400の下方、つまり、積層体200の下端には、カラーフィルタ211が配置される。カラーフィルタ211の下にはオンチップレンズ212が配置される。オンチップレンズ212は、照射された光を集光する。集光された光はカラーフィルタ211を介して、積層体200が備える光電変換素子203へと導かれる。
【0080】
積層体200は、トランジスタ等を構成する複数の膜が基板201に積層された構成を有する。基板201は、例えばN型のシリコン基板等の半導体基板である。基板200には、例えばP型の半導体領域202(Pウェル)が形成される。半導体領域202内にはN型の半導体領域が形成され、これにより、PN接合を有するフォトダイオード等である光電変換素子203が構成される。光電変換素子203は、光電変換により、受光した光を受光した光量に応じた電気信号に変換する。
【0081】
光電変換素子203の上方には、P型の半導体領域であるHAD(Hole Accumulation Diode)204が形成されている。HAD204は、正孔蓄積層として機能し、N型のフォトダイオードである光電変換素子203の表面から発生する暗電流を抑制する。
【0082】
基板201上には、N型の転送トランジスタ220が配置されている。転送トランジスタ220は、N型のソース領域であるフローティングディフュージョン(FD)221を含む。転送トランジスタ220は、光電変換素子203から出力される電気信号を画素トランジスタへ転送する。FD221は、光電変換素子203から出力される電気信号を一時的に保持する。
【0083】
FD221を含む転送トランジスタ220及びHAD204は絶縁膜250で覆われている。
【0084】
積層体300は、トランジスタ等を構成する複数の膜が基板301に積層された構成を有する。基板301は、例えばP型のシリコン基板等の半導体基板である。積層体300は、上下が反転されて、積層体200の絶縁膜250上に貼り合わされる。
【0085】
基板301上、つまり、基板301の、基板201と対向する側には、N型の増幅トランジスタ310、N型のリセットトランジスタ320、及び図示しないN型の選択トランジスタ等の画素トランジスタが配置されている。画素トランジスタは、光電変換素子203で受光した光量に応じた電気信号を読み出す処理を行う。
【0086】
増幅トランジスタ310のゲート電極313には配線313dが接続される。配線313dは、リセットトランジスタ320のソース領域321に接続される。また、配線313dは、コンタクト221cを介して転送トランジスタ320のFD221に接続される。
【0087】
増幅トランジスタ310及びリセットトランジスタ320等の画素トランジスタは絶縁膜350で覆われている。つまり、積層体200と積層体300とが貼り合わされる面230において、絶縁膜250と絶縁膜350とが接合される。
【0088】
基板301の下面、つまり、画素トランジスタが配置される側とは反対側には、4層に亘って配線D1~D4が形成されている。配線D1は第1層目の最下層に形成される配線である。配線D4は第4層目の最上層に形成される配線である。なお、配線の層数は4つに限られず、設計条件等に応じて任意に変更可能である。
【0089】
配線D1~D4は絶縁膜360で覆われている。
【0090】
積層体400は、トランジスタ等を構成する複数の膜が基板401に積層された構成を有する。基板401は、例えばシリコン基板等の半導体基板である。積層体400は、上下が反転されて、積層体300の配線D4上に接合される。図24の例では、配線D4と積層体400の配線との接合点402は、画素が配置される画素領域に重畳する。
【0091】
積層体400の配線には、基板401上、つまり、基板401の、基板301と対向する側に配置された複数のロジックトランジスタTrが接続される。積層体400の配線およびロジックトランジスタTrは絶縁膜450に覆われている。積層体400の配線およびロジックトランジスタTrによりロジック回路が構成される。ロジック回路は、光電変換素子203で生成された電気信号等を処理する、固体撮像素子100の周辺回路にあたる。
【0092】
(固体撮像素子の詳細構成例)
次に、図25を用いて、実施形態1の固体撮像素子100の詳細構成例について説明する。図25は、本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子100の積層体200,300の貼り合わせ位置近傍を示す模式図である。図25(a)は積層体300の画素トランジスタが形成された側の上面図であり、(b)~(d)は積層体200,300の貼り合わせ位置近傍を示す断面図であり、(b)は(a)のA-A’線断面図であり、(c)は(a)のB-B’線断面図であり、(d)は(a)のC-C’線断面図である。なお、図25(a)において、絶縁膜350及びコンタクト221cは省略されている。また、図25(b)において、コンタクト223cの位置はずらされている。
【0093】
図25(c)に示すように、固体撮像素子100は、光電変換素子203から出力される電気信号を一時的に保持するFD221を有する第1の半導体基板としての基板201を備える。光電変換素子203上にはHAD204が配置される。HAD204には、上層配線に接続されるコンタクト204cが接続される。コンタクト204cは、上層配線を介して接地され、基板201の基板電位を0Vに固定する。FD221は、転送トランジスタ220のソース領域である。転送トランジスタ220は、基板201上に配置されるゲート絶縁膜224、及びゲート絶縁膜224上に配置されるゲート電極223を備える。ゲート電極223には、上層配線に接続されるコンタクト223cが接続される。コンタクト223cは、上層配線、積層体400の配線を介してロジックトランジスタTrを含む周辺回路へと接続される。転送トランジスタ220は、光電変換素子203から出力される電気信号を増幅トランジスタ310へ転送する。
【0094】
固体撮像素子100は、基板201に対向する第2の半導体基板としての基板301を備える。基板301は、第1のトランジスタとしての増幅トランジスタ310を、基板201に対向する側に備える。増幅トランジスタ310は、基板301の厚さ方向に延びるチャネル315と、基板301の厚さ方向に延び、チャネル315を挟み込むマルチゲートとしてのゲート電極313と、を備える。チャネル315は、基板301の一部から構成されており、ゲート電極313に電圧が印加されることで、後述するソース領域311及びドレイン領域312間の電流経路となる。チャネル315とゲート電極313との間にはゲート絶縁膜314が介在される。増幅トランジスタ310は、例えば、ゲート電極313がゲート絶縁膜314を介してチャネル315に3面で接続するトライゲートトランジスタとして構成されている。増幅トランジスタ310は、転送トランジスタ220により光電変換素子203から転送された電気信号を増幅して出力する。
【0095】
図25(d)に示すように、基板301は、基板201に対向する側に、ソース領域322を含む第2のトランジスタとしてのリセットトランジスタ320を備える。リセットトランジスタ320は、基板301の厚さ方向に延びるチャネル325と、基板301の厚さ方向に延び、チャネル325を挟み込むマルチゲートとしてのゲート電極323と、を備える。チャネル325は、基板301の一部から構成されており、ゲート電極313に電圧が印加されることで、後述するソース領域321及びドレイン領域322間の電流経路となる。チャネル325とゲート電極323との間にはゲート絶縁膜324が介在される。リセットトランジスタ320は、例えば、ゲート電極323がゲート絶縁膜324を介してチャネル325に3面で接続するトライゲートトランジスタとして構成されている。リセットトランジスタ320は、増幅トランジスタ310のゲート電極313の電位を電源電位にリセット(初期化)する。リセットトランジスタ320は、FD221の電位をリセットするトランジスタでもある。
【0096】
リセットトランジスタ320のゲート電極323は、基板301の基板201と対向する面とは反対の面側から電気信号を伝送する信号線としての配線D1~D4に接続されている。具体的には、ゲート電極323は、コンタクト323cを介して配線D1~D4に接続される。配線D1~D4は、積層体400の配線を介してロジックトランジスタTrを含む周辺回路に接続され、電気信号の授受を行う。
【0097】
図25(b)に示すように、基板301は、基板201に対向する側に選択トランジスタ330を備える。選択トランジスタ330は、基板301の厚さ方向に延びるチャネル335と、基板301の厚さ方向に延び、チャネル335を挟み込むマルチゲートとしてのゲート電極333と、を備える。チャネル335は、基板301の一部から構成されており、ゲート電極313に電圧が印加されることで、後述するソース領域331及びドレイン領域332間の電流経路となる。チャネル335とゲート電極333との間にはゲート絶縁膜334が介在される。選択トランジスタ330は、例えば、ゲート電極333がゲート絶縁膜334を介してチャネル335に3面で接続するトライゲートトランジスタとして構成されている。選択トランジスタ330は、増幅トランジスタ310で増幅された電気信号を処理するため、上層の配線D1~D4へと電気信号を伝送するか否かを選択する。
【0098】
図25(a)に示すように、増幅トランジスタ310のゲート電極313と選択トランジスタ330のゲート電極333とは並列に配置される。選択トランジスタ330のゲート電極333とリセットトランジスタ320のゲート電極323とは直交するように配置される。
【0099】
図25(c)に示すように、増幅トランジスタ310のゲート電極313はFD221に接続されている。具体的には、固体撮像素子100は、ゲート電極313とFD221との対向面同士を接続するコンタクト221cを備える。つまり、図25の例では、基板301の厚さ方向に基板201に向かって延びるゲート電極313のうちの基板201に最も近接した面と、基板201の表層に配置されるFD221のうちの基板201の最表面と、がポリシリコン等のコンタクト221cにより接続される。換言すれば、コンタクト221cは、ゲート電極313とFD221とを最短距離で接続する。
【0100】
増幅トランジスタ310のゲート電極313はリセットトランジスタ320のソース領域321に接続されている。具体的には、増幅トランジスタ310のゲート電極313は、リセットトランジスタ320の方向に延在して配線313dを構成する。増幅トランジスタ310のゲート電極313とリセットトランジスタ320のソース領域321とは、配線313dにより接続される。
【0101】
図25(b)に示すように、基板301は、基板301の一方の面側から他方の面側へと到達するソース領域311,331と、基板301の一方の面側から他方の面側へと到達するドレイン領域312,322,333とを備える。ソース領域311とドレイン領域312とは、例えば1×1018cm-3以上の不純物濃度のN型の導電型を有し、増幅トランジスタ310に含まれる。ソース領域331とドレイン領域332とは、例えば1×1018cm-3以上の不純物濃度のN型の導電型を有し、選択トランジスタ330に含まれる。選択トランジスタ330のドレイン領域332は、増幅トランジスタ310のソース領域311に接続される。ドレイン領域322は、例えば1×1018cm-3以上の不純物濃度のN型の導電型を有し、リセットトランジスタ320に含まれる。
【0102】
ここで、リセットトランジスタ320のソース領域321もN型の導電型を有する。ただし、リセットトランジスタ320のソース領域321は、基板301の基板201に対向する面側の表層部分にのみ形成され、基板301の反対側の面には達していない。FD221から、コンタクト221c、増幅トランジスタ310のゲート電極313、及び配線313dを介して、リセットトランジスタ320のソース領域321に至るまでの領域は、フローティングディフュージョンとして機能するFD領域である。ソース領域321を他より小さく形成するのは、FD容量が大きくなるのを避けるためである。
【0103】
ソース領域311,331は、基板301の基板201と対向する面とは反対の面側から電気信号を伝送する信号線としての配線D1~D4に接続されている。具体的には、ソース領域311は、コンタクト311cを介して配線D1~D4に接続される。ソース領域331は、コンタクト331cを介して配線D1~D4に接続される。配線D1~D4は、積層体400の配線を介してロジックトランジスタTrを含む周辺回路に接続され、電気信号の授受を行う。
【0104】
ドレイン領域312,322,333は、基板301の基板201と対向する面とは反対の面側から電源電位に接続されている。具体的には、ドレイン領域312は、コンタクト312cを介して配線D1~D4に接続される。ドレイン領域322は、コンタクト322cを介して配線D1~D4に接続される。ドレイン領域332は、コンタクト332cを介して配線D1~D4に接続される。配線D1~D4は電源電位に接続される。
【0105】
(ゲート電極の詳細構成例)
上述のように、基板301に配置される画素トランジスタは、例えばトライゲートトランジスタとして構成される。ここで、図26を用い、トライゲートトランジスタの構成について、増幅トランジスタ310を例に挙げて更に詳細に説明する。リセットトランジスタ320及び選択トランジスタ330も、以下に説明する増幅トランジスタ310と同様に構成される。
【0106】
図26は、本開示の実施形態1にかかる増幅トランジスタ310の構成を示す模式図である。図26(a)は、増幅トランジスタ310の分解斜視図であり、(b)は増幅トランジスタ310の斜視図である。
【0107】
図26に示すように、ソース領域311、ドレイン領域312、及びこれらに挟まれるチャネル314は、積層体300の積層方向SDに沿って直立した板状に構成される。
【0108】
ソース領域311の一部、チャネル314の全て、及びドレイン領域312の一部は、ゲート絶縁膜314により覆われている。ゲート絶縁膜314は、例えばAl、TiO、Ta、HfO、HfSiON、HfSiO、ZrO、ZrSiO、La、Y等のHigh-k材料等で構成される。
【0109】
ゲート絶縁膜314は、ゲート電極313により覆われている。ゲート電極313は、例えばポリシリコン等で構成される。増幅トランジスタ313は、ゲート電極313がTaCx、W、WNx、TiN等の金属系材料で構成されたメタルゲートトランジスタであってもよい。
【0110】
トライゲートトランジスタとして構成される増幅トランジスタ310においては、板状のチャネルの幅(板の厚さ)と高さ×2とを足し合わせた長さがゲート幅となる。
【0111】
このように、増幅トランジスタ310は、N型のソース領域311、N型のドレイン領域312、及びこれらの領域に挟まれたP型のチャネル315を有する。そして、増幅トランジスタ310の、このNPN構造のボディの直下に絶縁膜360が配置されている。つまり、増幅トランジスタ310は、完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FD-SOI)構造を有する。
【0112】
(固体撮像素子の製造処理の例)
次に、図27図31を用いて、実施形態1の固体撮像素子100の製造処理の例について説明する。図27図31は、本開示の実施形態1にかかる固体撮像素子100の製造処理の手順の一例を示すフロー図である。なお、図27図31の左図は、固体撮像素子100の製造処理における図25(a)のA-A’線断面図である。図27図31の中央図は、固体撮像素子100の製造処理における図25(a)のB-B’線断面図である。図27図31の右図は、固体撮像素子100の製造処理における図25(a)のC-C’線断面図である。
【0113】
図27(a1)(b1)(c1)に示すように、P型のシリコン基板等である基板301に、素子分離を施した後、トレンチTRを形成することでチャネル315,325を形成する。図示はされないが、このときチャネル335も形成される。
【0114】
図27(a2)(b2)(c2)に示すように、チャネル315,325,335を覆うようにゲート絶縁膜314,324,334を形成する。さらに、ゲート絶縁膜314,324,334を覆うように、ゲート電極313,323,333を形成する。
【0115】
その後、ゲート電極313,323,333の両側の基板301に、1×1018cm-3以上の不純物濃度となるよう、N型のソース領域311,321,331及びN型のドレイン領域312,322,332を形成する。ソース領域311,331及びドレイン領域312,322,332は、トレンチTR深さまで形成する。ソース領域321は、他のソース領域311,331よりも浅く形成する。
【0116】
図27(a3)(b3)(c3)に示すように、基板301上に各構成を覆う絶縁膜350を積層していきながら、ゲート電極313とソース領域321とを接続する配線313dを形成する。絶縁膜350は、配線313dを含む全体の構成が埋まるまで積層される。
【0117】
図28(a1)(b1)(c1)に示すように、N型のシリコン基板等である基板201に、P型の半導体領域202を形成し、N型のフォトダイオード等である光電変換素子203を形成し、P型の半導体領域であるHAD204を形成する。
【0118】
また、基板201上にゲート絶縁膜224を形成し、ゲート絶縁膜224上にゲート電極223を形成する。そして、ゲート電極223近傍の基板201にN型のソース領域としてのFD221を形成する。
【0119】
その後、基板201上に、各構成を覆うように絶縁膜250を形成する。各構成が形成された基板201に、上述の基板301を反転させ、画素トランジスタが形成された面を基板201に対向させて配置する。
【0120】
図28(a2)(b2)(c2)に示すように、基板201と基板301とを貼り合わせる。このとき、基板201上に形成された絶縁膜250と、基板301上に形成された絶縁膜350とが接合される。
【0121】
これにより、基板201上の転送トランジスタ220と、基板301上の画素トランジスタとが向かい合わせとなる。また、基板201上のFD221の直上に、ゲート電極313から延伸された配線313dが配置されることとなる。
【0122】
図29(a1)(b1)(c1)に示すように、基板301の、画素トランジスタが形成された側と反対側の面を研削し、基板301を薄膜化する。基板301は、例えば、バルクの基板301が消失し、チャネル315,325,335のゲート電極313,323,333等に覆われた側と反対側の端部、ゲート絶縁膜314,324,334のU字形の両端部、及びゲート電極313,323,333のU字形の両端部が露出するまで薄膜化する。ただし、バルクの基板301を残した状態としてもよい。図29(a1)(b1)(c1)に示すように、バルクの基板301を消失させた場合には、それぞれの画素トランジスタはFD-SOI構造となる。
【0123】
なお、それぞれの画素トランジスタの周囲には、研削された基板301の一部が分断された状態で残るが、以降の図では、これらの基板301の図示を省略する。
【0124】
図29(a2)(b2)(c2)に示すように、基板301の画素トランジスタが形成された側と反対側の面から、ソース領域311,331及びドレイン領域312,322,332に対応する位置に、1×1018cm-3以上の不純物濃度となるようイオン注入等を行う。これにより、基板301の一方の面側から他方の面側に到達するソース領域311,331及びドレイン領域312,322,332が得られる。
【0125】
図30(a1)(b1)(c1)に示すように、基板301上に各構成を覆う絶縁膜360を形成する。そして、絶縁膜360,350,250及び配線313dを貫通し、基板201のFD221まで到達する貫通孔THを形成する。
【0126】
図30(a2)(b2)(c2)に示すように、貫通孔THに配線313dの高さまでポリシリコン等の導電材を充填し、配線313dとFD221とを接続するコンタクト221cを形成する。
【0127】
図31(a1)(b1)(c1)に示すように、配線313dより上方の絶縁膜350,360をSiO等の絶縁材で埋め戻す。
【0128】
図31(a2)(b2)(c2)に示すように、ゲート電極223上にコンタクト223cを形成して上層配線に接続する。HAD204上にコンタクト204cを形成して上層配線に接続する。
【0129】
また、ゲート電極323上にコンタクト323cを形成して配線D1~D4に接続する。図示はされないが、ゲート電極333上にもコンタクト333cを形成して配線D1~D4に接続する。
【0130】
また、ソース領域311,331上にコンタクト311c,331cを形成して配線D1~D4に接続する。ドレイン領域312,322,332上にコンタクト312c,322c,332cを形成して配線D1~D4に接続する。
【0131】
その後、ロジックトランジスタTrを含む周辺回路および配線等が形成された積層体400を積層体300に貼り合わせる。このとき、積層体400の絶縁膜450と、積層体300の絶縁膜360とが接合される。また、積層体400の配線と、積層体300の配線D4とが接続される。これにより、配線D1~D4が、適宜、積層体400の周辺回路、接地線、及び電源電位等に接続されることとなる。
【0132】
以上により、実施形態1の固体撮像素子100の製造処理が終了する。
【0133】
(比較例)
次に、図32を用いて、比較例の構成と実施形態1の構成とを比較する。図32は、本開示の比較例にかかる固体撮像素子を示す模式図である。
【0134】
特許文献1の固体撮像素子においては、画素領域が形成された半導体基板と、ロジック回路が形成された半導体基板とが接合される。つまり、光電変換素子と画素トランジスタとが同一の半導体基板に形成されている。しかしながら、このような構成では、画素トランジスタを配置するスペースを充分に確保することができない。画素トランジスタのうち、例えば増幅トランジスタのサイズが小さいと、相互コンダクタンスgmを高めたり、ノイズを充分に低減したりすることが困難である。
【0135】
そこで、例えば光電変換素子が形成される基板と、画素トランジスタが形成される基板とを分け、それらを接合することが考えられる。このような構成を比較例として図32に示す。
【0136】
図32に示すように、比較例の固体撮像素子は、光電変換素子203’及びHAD204’を有する基板201’上に、FD221’を備える転送トランジスタ220’を有する。基板201’の上方には基板301’が配置される。基板301’の上面、つまり、基板201’と反対側の面には、増幅トランジスタ310’、リセットトランジスタ320’、及び選択トランジスタ330’が配置される。これらの画素トランジスタは平面トランジスタである。また、増幅トランジスタ310’のゲート電極、リセットトランジスタ320’のソース領域、及びFD221’が、コンタクト221c’及び配線D1’を介して接続される。
【0137】
しかしながら、このような構成では、コンタクト221c’を配線D1’の階層まで引き延ばさなければならず、全体の配線長が長くなってしまう。また、増幅トランジスタ310’のゲート電極、リセットトランジスタ320’のソース領域、及びFD221’を接続する構成が複雑になってしまう。このため、FD221’に関わる配線の容量が増し、FD領域全体の容量も増加してしまう。よって、光電変換素子203’の光電変換効率が低下してしまう。
【0138】
実施形態1の固体撮像素子100によれば、それぞれの画素トランジスタをトライゲートトランジスタとして構成し、基板201に対向するように配置している。これにより、増幅トランジスタ310のゲート電極313とFD221とを近接させることができる。また、リセットトランジスタ320のソース領域321とFD221とを近接させることができる。このため、FD221に関わる全体の配線、つまり、コンタクト221c及び配線313dの長さを削減して光電変換素子203の光電変換効率を向上させることができる。
【0139】
実施形態1の固体撮像素子100によれば、それぞれの画素トランジスタをトライゲートトランジスタとして構成している。このため、増幅トランジスタ310を基板201側に対向させつつ、リセットトランジスタ320のゲート電極323のU字形の両端部は配線D1~D4側へ対向させることができる。これにより、ゲート電極323の配線D1~D4への接続は、基板301の配線D1~D4に面する側から行うことができる。
【0140】
実施形態1の固体撮像素子100によれば、それぞれの画素トランジスタをトライゲートトランジスタとして構成している。これにより、基板301に対する占有面積を増大させることなく、画素トランジスタのゲート幅を基板301表面に対して垂直な方向に拡張することができ、更なる低ノイズ化および相互コンダクタンスgmの向上を図ることができる。
【0141】
実施形態1の固体撮像素子100によれば、それぞれの画素トランジスタをFD-SOI構造としている。これにより、画素トランジスタの微細化を図ることができ、また、寄生容量を抑制して高速の画素トランジスタを得ることができる。
【0142】
実施形態1の固体撮像素子100によれば、基板301の厚さ方向の全体に亘って分布するソース領域311,331及びドレイン領域312,322,332を備える。これにより、画素トランジスタを基板201側に対向させつつ、ソース領域311,331及びドレイン領域312,322,332の配線D1~D4への接続は、基板301の配線D1~D4に面する側から行うことができる。このため、ソース領域311,331及びドレイン領域312,322,332と配線D1~D4との接続形態が複雑になってしまうことが無い。また、それぞれの画素トランジスタをトライゲートトランジスタとしているので、チャネル315,325,335に対するゲート電極313,323,333の制御性が高い。よって、高不純物濃度のソース領域311,331及びドレイン領域312,322,332が基板301の下面から上面に亘って分布していても、ソース領域311,321,331及びドレイン領域312,322,332間で短絡してしまうことを抑制できる。
【0143】
以上のような構成により、実施形態1の固体撮像素子100においては、光電変換素子203と画素トランジスタとを別々の基板201,301に分けたことのメリットを充分に活かすことができる。つまり、光電変換素子と画素トランジスタとを同一基板に配置する場合よりも、光電変換素子203及び画素トランジスタのいずれの面積をも拡大することができる。また、単位面積あたりの画素数を増加させることができる。
【0144】
さらに、実施形態1の固体撮像素子100においては、基板201と基板301とをコンタクト221cを介して接続している。また、基板301と基板401とを、基板301の配線D3と基板401の配線とで接続している。これらの構成により、例えば各基板間を基板の周辺領域に設けたシリコン貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)で接続した場合に比べ、基板間接続に必要な面積が小さくて済む。よって、固体撮像素子100のチップサイズを縮小することができる。または、同じチップサイズで画素領域を拡大することができる。
【0145】
加えて、実施形態1の固体撮像素子100においては、コンタクト221c及び基板301の配線D3と基板401の配線との接合点402を、画素領域内に配置している。これにより、よりいっそうチップサイズを縮小し、または、画素領域を拡大することができる。
【0146】
(変形例1)
次に、図33を用いて、実施形態1の変形例1の固体撮像素子について説明する。図33は、本開示の実施形態1の変形例1にかかる固体撮像素子の増幅トランジスタの構成を示す模式図である。変形例1の増幅トランジスタは、実施形態1とは異なるタイプのマルチゲートトランジスタである。変形例1のリセットトランジスタ及び変形例1の選択トランジスタも、以下に説明する増幅トランジスタと同様に構成される。
【0147】
図33(a)に示すように、変形例1の増幅トランジスタ310aは、ゲート電極313aがゲート絶縁膜314aを介してチャネルに2面で接続するダブルゲートトランジスタとして構成されている。すなわち、増幅トランジスタ310aは、N型のソース領域311a、図示しないN型のドレイン領域、及びこれらに挟まれる図示しないP型のチャネルを備える。
【0148】
ソース領域311aの一部の両側面、チャネルの全ての両側面、及びドレイン領域の一部の両側面は、ゲート絶縁膜314aにより覆われている。ゲート絶縁膜314aは、実施形態1と同様、High-k材料等で構成される。図中における、ソース領域311aの一部の下端部、チャネルの全ての下端部、及びドレイン領域の一部の下端部は、絶縁膜316inで覆われている。
【0149】
ゲート絶縁膜314a及び絶縁膜316inは、ゲート電極313aにより覆われている。ゲート電極313aからは、リセットトランジスタのソース領域等に接続される配線313daが延びる。ゲート電極313a及び配線313daは、実施形態1と同様、ポリシリコンまたは金属系材料等で構成される。
【0150】
ダブルゲートトランジスタとして構成される増幅トランジスタ310aにおいては、板状のチャネルの高さの2倍分の長さがゲート幅となる。
【0151】
変形例1の増幅トランジスタ310aもまた、NPN構造のボディの直下に絶縁膜360が配置されたFD-SOI構造のトランジスタとして構成され得る。
【0152】
図33(b)に示すように、変形例1の増幅トランジスタ310bは、ゲート電極313bがゲート絶縁膜314bを介してチャネルに4面で接続するゲートオールアラウンド(GAA)構造をとる全周トランジスタとして構成されている。すなわち、増幅トランジスタ310bは、N型のソース領域311b、図示しないN型のドレイン領域、及びこれらに挟まれる図示しないP型のチャネルを備える。
【0153】
ソース領域311b、チャネル、及びドレイン領域は、絶縁膜360に対して直立した板状である。ソース領域311bは、V字形に屈曲し、絶縁膜360と接する翼部311wを備える。ドレイン領域は、V字形に屈曲し、絶縁膜360と接する翼部(不図示)を備える。
【0154】
ソース領域311bの一部の全周、チャネルの全ての全周、及びドレイン領域の一部の全周は、ゲート絶縁膜314bにより覆われている。ゲート絶縁膜314bは、実施形態1と同様、High-k材料等で構成される。
【0155】
ゲート絶縁膜314bは、ゲート電極313bにより覆われている。ゲート電極313bからは、リセットトランジスタのソース領域等に接続される配線313dbが延びる。ゲート電極313b及び配線313dbは、実施形態1と同様、ポリシリコンまたは金属系材料等で構成される。
【0156】
全周トランジスタとして構成される増幅トランジスタ310bにおいては、板状のチャネルの全周の長さがゲート幅となる。
【0157】
変形例1の増幅トランジスタ310bもまた、NPN構造のボディの直下に絶縁膜360が配置されたFD-SOI構造のトランジスタとして構成され得る。
【0158】
以上のように、画素トランジスタの例として、実施形態1ではトライゲートトランジスタを、変形例1ではダブルゲートトランジスタ及び全周トランジスタを示したが、画素トランジスタの構成はこれらに限られない。画素トランジスタは、様々なタイプのマルチゲートトランジスタの中から任意に選択され得る。
【0159】
これにより、光電変換素子が形成される基板側、及び画素トランジスタの上層配線側のいずれに対してもコンタクトを取り得る画素トランジスタを構成することができる。
【0160】
また、これにより、画素トランジスタのチャネルに対する制御性が高まる。よって、ソース領域およびドレイン領域間の短絡を抑制しつつ、光電変換素子が形成される基板側、及び画素トランジスタの上層配線側のいずれに対してもコンタクトを取り得るソース領域およびドレイン領域を構成することができる。
【0161】
(変形例2)
次に、図34を用いて、実施形態1の変形例2の固体撮像素子110について説明する。図34は、本開示の実施形態1の変形例2にかかる固体撮像素子110の断面の一部を示す図である。
【0162】
図34に示すように、変形例2の固体撮像素子110においては、転送トランジスタ220のゲート電極223xが、フォトダイオード203まで繋がっている。つまり、転送トランジスタ220が、縦型の転送ゲートとしてのゲート電極223xを有する形態であってもよい。
【0163】
(変形例3)
次に、図35を用いて、実施形態1の変形例3の固体撮像素子120について説明する。図35は、本開示の実施形態1の変形例3にかかる固体撮像素子120の断面の一部を示す図である。
【0164】
図35に示すように、変形例3の固体撮像素子120においては、積層体300と積層体400との電気的な接続が、積層体200における周辺領域14と対向する領域でなされている。周辺領域14は、積層体200の額縁領域に相当しており、画素領域13の周縁に設けられている。積層体300は、周辺領域14と対向する領域に、複数のパッド電極58を有しており、積層体400は、周辺領域14と対向する領域に、複数のパッド電極64を有している。積層体300および積層体400は、周辺領域14と対向する領域に設けられたパッド電極58,64同士の接合によって、互いに電気的に接続されている。
【0165】
このように、積層体300および積層体400がパッド電極58,64同士の接合によって接続されるので、例えば各積層体間を積層体の周辺領域に設けたTSVで接続した場合に比べ、チップサイズを縮小し、または、画素領域を拡大することができる。
【0166】
[実施形態2]
次に、図36を用いて、実施形態2の固体撮像素子について説明する。図36は、本開示の実施形態2にかかる固体撮像素子の積層体の貼り合わせ位置近傍を示す模式図である。実施形態2の固体撮像素子においては、選択トランジスタ530が、増幅トランジスタ310e等とは異なる基板501に配置される点が、上述の実施形態1とは異なる。
【0167】
なお、図36(a)は、引用する図25(a)のA-A’線断面図であり、(b)は図25(a)のB-B’線断面図であり、(c)は図25(a)のC-C’線断面図である。
【0168】
図36に示すように、実施形態2の固体撮像素子は、積層体200、積層体200に貼り合わされた積層体300e、及び積層体300eに貼り合わされた積層体500を備える。
【0169】
積層体300eの基板301eは、選択トランジスタを有さない。すなわち、P型のシリコン基板等である基板301eは、増幅トランジスタ310e及びリセットトランジスタ320を備える。
【0170】
増幅トランジスタ310eは、例えば、N型のソース領域311e、N型のドレイン領域312e、P型のチャネル315e、ゲート絶縁膜314e、及びゲート電極313eを有するトライゲートトランジスタである。ただし、増幅トランジスタ310eは、ダブルゲートトランジスタ、全周ゲートトランジスタ等の他のマルチゲートトランジスタであってもよい。増幅トランジスタ310eは、基板301eに選択トランジスタが配置されない分、例えば、実施形態1の増幅トランジスタ310よりも大きく形成される。
【0171】
実施形態2の固体撮像素子は、第2の半導体基板としての基板301eと対向するように、第1の半導体基板としての基板201とは反対側に配置される第3の半導体基板としての基板501を備える。すなわち、積層体300eと、基板501を含む積層体500とが、基板301eを覆う絶縁膜360と基板501を覆う絶縁膜550とにおいて、面355で接合される。
【0172】
P型のシリコン基板等である基板501は、増幅トランジスタ510eで増幅された電気信号を信号線としての配線D1~D4へ伝送するか否かを選択する選択トランジスタ530を備える。選択トランジスタ530は、基板301eに対向する側とは反対側の面に配置されている。選択トランジスタ530は、例えば、基板501の表層に設けられたソース領域531、チャネル535、及びドレイン領域532を備え、基板501上のゲート絶縁膜534、ゲート絶縁膜534上のゲート電極533を備える平面トランジスタとして構成されている。
【0173】
選択トランジスタ530のドレイン領域532は、コンタクト532c、配線D2、及びコンタクト311cを介して、増幅トランジスタ510のソース領域311eと接続される。選択トランジスタ530のソース領域531は、コンタクト531cを介して上層配線と接続される。
【0174】
実施形態2の固体撮像素子によれば、選択トランジスタ530を基板301eとは別の基板501に配置する。これにより、基板301e上の増幅トランジスタ310eを更に大きく構成することができ、よりいっそうの低ノイズ化および相互コンダクタンスgm向上を図ることができる。
【0175】
なお、実施形態2の構成において、選択トランジスタ530は平面トランジスタであるとしたが、これに限られない。選択トランジスタを、実施形態1等と同様、トライゲートトランジスタ等のマルチゲートトランジスタとして構成してもよい。これにより、選択トランジスタのソース領域およびドレイン領域を、選択トランジスタが形成される基板の厚さ方向の全体に亘って分布させることができる。よって、ドレイン領域と、増幅トランジスタ310eのソース領域311eとを、対向面同士で接続することができる。また、ソース領域と上層配線とを、対向面同士で接続することができる。このとき、選択トランジスタの上下の向きは問わない。
【0176】
[実施形態3]
図37は、実施形態1,2及びそれらの変形例の固体撮像素子のいずれかを備えた撮像システム2の概略構成の一例を表した図である。つまり、撮像システム2には、上述の実施形態1,2及びそれらの変形例の固体撮像素子のいずれであっても搭載することができる。以下の説明では、実施形態1の固体撮像素子100を搭載した撮像システム2を例に挙げる。
【0177】
映像記録装置としての撮像システム2は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。撮像システム2は、例えば、実施形態1の固体撮像素子100、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144、操作部145、および電源部146を備えている。撮像システム2において、固体撮像素子100、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144、操作部145および電源部146は、バスライン147を介して相互に接続されている。
【0178】
固体撮像素子100は、入射光に応じた画像データを出力する。DSP回路141は、固体撮像素子100から出力される信号である画像データを処理する信号処理回路である。フレームメモリ142は、DSP回路141により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。表示部143は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、固体撮像素子100で撮像された動画または静止画を表示する。記憶部144は、固体撮像素子100で撮像された動画または静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部145は、ユーザによる操作に従い、撮像システム2が有する各種の機能についての操作指令を発する。電源部146は、固体撮像素子100、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144、および操作部145の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0179】
次に、撮像システム2における撮像手順について説明する。
【0180】
図38は、撮像システム2における撮像動作のフローチャートの一例を表す。ユーザによる操作部145の操作等により、撮像システム2は撮像開始を受け付ける(ステップS101)。すると、操作部145は、撮像指令を撮像素子1に送信する(ステップS102)。撮像素子100のシステム制御回路(図1のシステム制御回路36等参照)は、撮像指令を受けると、所定の撮像方式での撮像を実行する(ステップS103)。
【0181】
固体撮像素子100は、撮像により得られた画像データをDSP回路141に出力する。ここで、画像データとは、フローティングディフュージョンFDに一時的に保持された電荷に基づいて生成された画素信号の全画素分のデータである。DSP回路141は、固体撮像素子100から入力された画像データに基づいて、例えばノイズ低減処理などの所定の信号処理を行う(ステップS104)。DSP回路141は、所定の信号処理がなされた画像データをフレームメモリ142に保持させ、フレームメモリ142は、画像データを記憶部144に記憶させる(ステップS105)。このようにして、撮像システム2における撮像が行われる。
【0182】
撮像システム2には、小型化もしくは高精細化された固体撮像素子100が搭載されているので、小型もしくは高精細な撮像システム2を提供することができる。
【0183】
(変形例)
図39は、実施形態1,2及びそれらの変形例の固体撮像素子のいずれかを備えた変形例の撮像システム201の概略構成の一例を表した図である。つまり、撮像システム201は、上述の撮像システム2の変形例である。以下の説明では、実施形態1の固体撮像素子100を搭載した撮像システム201を例に挙げる。
【0184】
図39に示すように、撮像装置201は、光学系202、シャッタ装置203、固体撮像素子100、制御回路205、信号処理回路206、モニタ207、およびメモリ208を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0185】
光学系202は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を固体撮像素子100に導き、固体撮像素子100の受光面に結像させる。
【0186】
シャッタ装置203は、光学系202および固体撮像素子100の間に配置され、制御回路205の制御に従って、固体撮像素子100への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0187】
固体撮像素子100は、光学系202およびシャッタ装置203を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。固体撮像素子100に蓄積された信号電荷は、制御回路205から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
【0188】
制御回路205は、固体撮像素子100の転送動作、および、シャッタ装置203のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、固体撮像素子100およびシャッタ装置203を駆動する。
【0189】
信号処理回路206は、固体撮像素子100から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路206が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ207に供給されて表示されたり、メモリ208に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0190】
このように構成されている撮像システム201においても、固体撮像素子100を適用することにより、全画素で低ノイズによる撮像を実現させることが可能となる。
【0191】
(応用例1)
本開示にかかる技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示にかかる技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0192】
図40は、本開示にかかる技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0193】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図40に示す例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0194】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関または駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0195】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波または各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波または信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0196】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識もしくは路面上の文字等の物体検出処理、または距離検出処理を行ってもよい。
【0197】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0198】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い、または集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0199】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030または車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構または制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、または車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0200】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030または車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構または制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0201】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車または対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0202】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者または車外に対して、視覚的または聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図40の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062、及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0203】
図41は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0204】
図41では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0205】
撮像部12101~12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア、及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパまたはバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両、歩行者、障害物、信号機、交通標識、または車線等の検出に用いられる。
【0206】
なお、図41には、撮像部12101~12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパまたはバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101~12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0207】
撮像部12101~12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101~12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0208】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101~12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111~12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化、つまり、車両12100に対する相対速度を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度、例えば0km/h以上で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、追従停止制御を含む自動ブレーキ制御や、追従発進制御を含む自動加速制御等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0209】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101~12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0210】
撮像部12101~12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101~12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101~12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101~12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0211】
以上、本開示にかかる技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示にかかる技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上記の実施形態1,2及びそれらの変形例にかかる固体撮像素子は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示にかかる技術を適用することにより、ノイズの少ない高精細な撮影画像を得ることができるので、移動体制御システムにおいて撮影画像を利用した高精度な制御を行うことができる。
【0212】
(応用例2)
図42は、本開示にかかる技術が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0213】
図42では、医師等の術者11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、診察台11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0214】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0215】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、この光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって鏡筒11101の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡または側視鏡であってもよい。
【0216】
カメラヘッド11102の内部には光学系、および上述の実施形態1,2及びそれらの変形例の固体撮像素子のいずれかが設けられており、観察対象からの反射光、つまり、観察光は当該光学系によって当該固体撮像素子に集光される。当該固体撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち、観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0217】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0218】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0219】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0220】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による照射光の種類、倍率、及び焦点距離等の撮像条件を変更する旨の指示等を入力する。
【0221】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開または血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者11131の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らませるために、気腹チューブ11111を介して体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像またはグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0222】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源、またはこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色における各波長の出力強度および出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の固体撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該手法によれば、固体撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0223】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の固体撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0224】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光である白色光に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し、体組織からの蛍光を観察する自家蛍光観察、またはインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光および励起光の少なくともいずれかを供給可能に構成され得る。
【0225】
図43は、図42に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0226】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0227】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光されてレンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0228】
撮像部11402は、固体撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する固体撮像素子は、いわゆる単板式の1つであってもよいし、いわゆる多板式の複数であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各固体撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の固体撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各固体撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0229】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0230】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率および焦点が適宜調整され得る。
【0231】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0232】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。このような制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、撮像画像の倍率および焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0233】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能、及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0234】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0235】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0236】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0237】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0238】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0239】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具11110、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0240】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、またはこれらの複合ケーブルである。
【0241】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0242】
以上、本開示にかかる技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示にかかる技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示にかかる技術を適用することにより、撮像部11402を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な内視鏡11100を提供することができる。
【0243】
[その他の実施形態]
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0244】
また、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
光電変換素子から出力される電気信号を一時的に保持するフローティングディフュージョンを有する第1の半導体基板と、
第1の半導体基板に対向する第2の半導体基板と、を備え、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第1のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、
前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記フローティングディフュージョンに接続されている、
固体撮像素子。
(2)
前記マルチゲートと前記フローティングディフュージョンとの対向面同士を接続するコンタクトを備える、
前記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記第2の半導体基板は、
前記第1の半導体基板に対向する側に、ソース領域を含む第2のトランジスタを備え、
前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記第2のトランジスタの前記ソース領域に接続されている、
前記(1)または(2)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の一方の面側から他方の面側へと到達するソース領域と、
前記第2の半導体基板の一方の面側から他方の面側へと到達するドレイン領域と、を備え、
前記ソース領域は、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から前記電気信号を伝送する信号線に接続されており、
前記ドレイン領域は、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から電源電位に接続されている、
前記(1)~(3)のいずれか1つに記載の固体撮像素子。
(5)
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第2のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、
前記第2のトランジスタの前記マルチゲートは、
前記第2の半導体基板の前記第1の半導体基板と対向する面とは反対の面側から前記電気信号を伝送する信号線に接続されている、
前記(1)または(2)に記載の固体撮像素子。
(6)
前記第1のトランジスタは、前記光電変換素子から出力される前記電気信号を増幅する増幅トランジスタであり、
前記第2のトランジスタは、前記増幅トランジスタの前記マルチゲートの電位を電源電位にリセットするリセットトランジスタである、
前記(5)に記載の固体撮像素子。
(7)
前記第2の半導体基板は、
前記増幅トランジスタで増幅された前記電気信号を前記信号線へ伝送するか否かを選択する選択トランジスタを備える、
前記(6)に記載の固体撮像素子。
(8)
前記第2の半導体基板と対向するように前記第1の半導体基板とは反対側に配置される第3の半導体基板を備え、
前記第3の半導体基板は、
前記増幅トランジスタで増幅された前記電気信号を前記信号線へ伝送するか否かを選択する選択トランジスタを備える、
前記(6)に記載の固体撮像素子。
(9)
前記第1の半導体基板は、
前記光電変換素子から出力される前記電気信号を前記増幅トランジスタへ転送する転送トランジスタを備える、
前記(6)~(8)のいずれか1つに記載の固体撮像素子。
(10)
固体撮像素子と、
被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、
前記固体撮像素子からの出力信号に対して処理を行う信号処理回路と、を備え、
前記固体撮像素子は、
光電変換素子から出力される電気信号を一時的に保持するフローティングディフュージョンを有する第1の半導体基板と、
第1の半導体基板に対向する第2の半導体基板と、を備え、
前記第2の半導体基板は、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延びるチャネルと、
前記第2の半導体基板の厚さ方向に延び、前記チャネルを挟み込むマルチゲートと、を備える第1のトランジスタを、前記第1の半導体基板に対向する側に備え、
前記第1のトランジスタの前記マルチゲートは、前記フローティングディフュージョンに接続されている、
映像記録装置。
【符号の説明】
【0245】
100 固体撮像素子
200,300,400 積層体
201,301,401 基板
203 光電変換素子
204 HAD
220 転送トランジスタ
221 FD
221c,312c,322c,323c,331c コンタクト
310 増幅トランジスタ
311,321,331 ソース領域
312,322,332 ドレイン領域
313 ゲート電極
313d 配線
320 リセットトランジスタ
330 選択トランジスタ
図1
図2
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