(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】アレイ基板、表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20231208BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20231208BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20231208BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231208BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G02F1/1333
G02F1/1343
G09F9/00 366Z
G09F9/30 349C
G09F9/302 Z
(21)【出願番号】P 2020567224
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 CN2019110371
(87)【国際公開番号】W WO2020073954
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】201811185860.1
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】シェ ミンチエ
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-070356(JP,A)
【文献】特開2017-003849(JP,A)
【文献】特開2005-338796(JP,A)
【文献】特開2014-056564(JP,A)
【文献】特開2009-271369(JP,A)
【文献】特開2010-054980(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0098140(US,A1)
【文献】特表2018-511074(JP,A)
【文献】特開2004-134356(JP,A)
【文献】特開2003-249370(JP,A)
【文献】特開2018-085114(JP,A)
【文献】特開2018-013781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/135
G06F3/03-3/047
G09F9/00-9/46
G09G3/12-3/14
3/30-3/3291
H04M1/02-1/23
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非感応部材領域と透明な感応部材領域とを有するアレイ基板において、
第1方向に延びる複数の第1配線であって、前記複数の第1配線のうち前記感応部材領域を通過する配線は、選定第1配線であり、複数の前記選定第1配線は、少なくとも1つのグループに
分けられ、各グループは、少なくとも2つの隣接する選定第1配線を含み、各グループの各選定第1配線は、前記感応部材領域において収束して第1収束部を形成する、第1方向に延びる複数の第1配線と、
少なくとも1つの第1遮光バーであって、前記複数の第1配線の前記アレイ基板の表示面から離反する側、又は前記表示面側に近接する側に配置され、各前記第1遮光バーの表示面における正投影は、1つの前記第1収束部の前記表示面における正投影を覆う、少なくとも1つの第1遮光バーと、を備
え、
隣接する2つの前記第1収束部の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第1配線の間の間隔より大きく、
各前記第1収束部において、隣接する2本の選定第1配線の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第1配線の間の間隔より小さい、
アレイ基板。
【請求項2】
各グループの選定第1配線に含まれる前記選定第1配線の本数は同じであり、又は
隣接する2つの前記第1収束部の間の間隔は等しく、且つ
各前記第1収束部において、各隣接する2本の選定第1配線の間の間隔は等しい、請求項
1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
1つの前記第1遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第1遮光バーの間の間隔との比率は、0より大きく且つ0.5以下である、請求項1
又は2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
1つの前記第1遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第1遮光バーの間の間隔との和は、94.5μm以上且つ200μm以下である、請求項
3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第1配線は、1本以上の第1サブ配線を含む、請求項1-
4のいずれかに記載のアレイ基板。
【請求項6】
第2方向に延びる複数の第2配線であって、前記第1方向と前記第2方向とが交差し、前記複数の第2配線のうち前記感応部材領域を通過する配線は、選定第2配線であり、複数の前記選定第2配線は、少なくとも1つのグループに
分けられ、各グループは、少なくとも2本の隣接する選定第2配線を含み、各グループの各選定第2配線は、前記感応部材領域において収束する傾向を有して第2収束部を形成する、第2方向に延びる複数の第2配線と、
少なくとも1つの第2遮光バーであって、前記複数の第2配線の前記アレイ基板の表示面から離反する側、又は前記表示面に近接する側に配置され、各前記第2遮光バーの前記表示面側における正投影は、1つの前記第2収束部の前記表示面における正投影を覆う、少なくとも1つの第2遮光バーと、をさらに備える、
請求項1-
5のいずれかに記載のアレイ基板。
【請求項7】
隣接する2つの前記第2収束部の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第2配線の間の間隔より大きく、
各前記第2収束部において、隣接する2本の選定第2配線の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第2配線の間の間隔より小さい、請求項
6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
各グループの選定第2配線に含まれる前記選定第2配線の本数は同じであり、又は
隣接する2つの前記第2収束部の間の間隔は等しく、且つ
各前記第2収束部において、各隣接する2本の選定第2配線の間の間隔は等しい、請求項
6又は
7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
1つの前記第2遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第2遮光バーの間の間隔との比率は、0より大きく且つ0.5以下である、請求項
6-
8のいずれかに記載のアレイ基板。
【請求項10】
1つの前記第2遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第2遮光バーの間の間隔との和は、94.5μm以上且つ200μm以下である、請求項
9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第1遮光バーは、前記第2遮光バーと同じ膜層にあり、且つ同じ材料である、請求項
6-
10のいずれかに記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記第2配線は、1本以上の第2サブ配線を含む、請求項
6-
11のいずれかに記載のアレイ基板。
【請求項13】
請求項1~
12のいずれか1項に記載のアレイ基板を備える、表示パネル。
【請求項14】
請求項
13に記載の表示パネルと、
前記表示パネルの非表示面側に配置された少なくとも1つの感応部材と、を具備し、前記少なくとも1つの感応部材の前記アレイ基板における正投影が、前記アレイ基板の感応部材領域内にあり、且つ各前記感応部材の感応面が、前記アレイ基板に向けられている、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術の分野に関し、特にアレイ基板、表示パネル及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示パネルの画面占有率とは、表示パネルの表示面の表示領域の面積と表示パネルの表示面の総面積との比率を指す。大きな画面占有率を求めることは、表示技術分野の発展趨勢の一つである。全画面とは、表示パネルの表示面の表示領域の面積が表示パネルの表示面の総面積に等しいか、又はほぼ等しい画面を指し、その画面占有率が高い。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、非感応部材領域と透明な感応部材領域とを有するアレイ基板が提供される。前記アレイ基板は、第1方向に延びる複数の第1配線であって、前記複数の第1配線のうち前記感応部材領域を通過する配線は、選定第1配線であり、複数の前記選定第1配線は、少なくとも1つのグループに分割され、各グループは、少なくとも2本の隣接する選定第1配線を含み、各グループの各選定第1配線は、前記感応部材領域において収束して第1収束部を形成する、第1方向に延びる複数の第1配線と、少なくとも1つの第1遮光バーであって、前記複数の第1配線の前記アレイ基板の表示面側から離反する側、又は前記表示面側に近接する側に配置され、各前記第1遮光バーの前記表示面における正投影は、1つの前記第1収束部の表示面における正投影を覆う、少なくとも1つの第1遮光バーと、を備える。
【0004】
幾つかの実施例において、隣接する2つの前記第1収束部の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第1配線の間の間隔より大きい。各前記第1収束部において、隣接する2本の選定第1配線の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第1配線の間の間隔より小さい。
【0005】
幾つかの実施例において、各グループの選定第1配線に含まれる前記選定第1配線の本数は、同じである。
【0006】
幾つかの実施例において、隣接する2つの前記第1収束部の間の間隔は等しい。各前記第1収束部において、各隣接する2本の選定第1配線の間の間隔は等しい。
【0007】
幾つかの実施例において、1つの前記第1遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第1遮光バーの間の間隔との比率は、0より大きく且つ0.5以下である。
【0008】
幾つかの実施例において、1つの前記第1遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第1遮光バーの間の間隔との和は、94.5μm以上且つ200μm以下である。
【0009】
幾つかの実施例において、前記第1配線は、1本以上の第1サブ配線を含む。
【0010】
幾つかの実施例において、アレイ基板は、第2方向に延びる複数の第2配線であって、前記第1方向と前記第2方向とが交差し、前記複数の第2配線のうち前記感応部材領域を通過する配線は、選定第2配線であり、複数の前記選定第2配線は、少なくとも1つのグループに分割され、各グループは、少なくとも2つの隣接する選定第2配線を含み、各グループの各選定第2配線は、前記感応部材領域において収束する傾向を有して第2収束部を形成する、第2方向に延びる複数の第2配線と、少なくとも1つの第2遮光バーであって、前記複数の第2配線の前記アレイ基板の表示面側から離反する側、又は前記表示面に近接する側に配置され、各前記第2遮光バーの前記表示面における正投影は、1つの前記第2収束部の前記表示面における正投影を覆う、少なくとも1つの第2遮光バーと、をさらに備える。
【0011】
幾つかの実施例において、隣接する2つの前記第2収束部の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第2配線の間の間隔より大きい。各前記第2収束部において、隣接する2本の選定第2配線の間の間隔は、前記非感応部材領域における隣接する2本の第2配線の間の間隔より小さい。
【0012】
幾つかの実施例において、各グループの選定第2配線に含まれる前記選定第2配線の本数は同じである。
【0013】
幾つかの実施例において、隣接する2つの前記第2収束部の間の間隔は等しい。各前記第2収束部において、各隣接する2本の選定第2配線の間の間隔は等しい。
【0014】
幾つかの実施例において、1つの前記第2遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第2遮光バーの間の間隔との比率は、0より大きく且つ0.5以下である。
【0015】
幾つかの実施例において、1つの前記第2遮光バーの幅と、隣接する2つの前記第2遮光バーの間の間隔との和は、94.5μm以上且つ200μm以下である。
【0016】
幾つかの実施例において、前記第1遮光バーは、前記第2遮光バーと同じ膜層にあり、且つ同じ材料である。
【0017】
幾つかの実施例において、前記第2配線は、1本以上の第2サブ配線を含む。
【0018】
別の態様では、上記のいずれかの実施例に記載のアレイ基板を備える表示パネルを提供する。
【0019】
さらに別の様態では、上記の幾つかの実施例に記載の表示パネルと、前記表示パネルの非表示面側に配置された少なくとも1つの感応部材と、を備え、前記少なくとも1つの感応部材の前記アレイ基板における正投影が、前記アレイ基板の感応部材領域内にあり、各前記感応部材の感応面が、前記アレイ基板に向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の実施例における技術案、又は従来技術における技術案をより明確的に説明するため、以下、実施例又は従来技術の説明に用いる必要な図面を簡単に説明する。言うまでもなく、以下の説明における図面は、本開示の幾つかの例示であり、当業者であれば、これらの図面に基づく他の図面を得られる。
【
図1A】関連技術に係る表示装置の1つの正面構造図である。
【
図2A】関連技術に係る表示装置のもう1つの正面構造図である。
【
図3A】本開示の幾つかの実施例に係る表示装置の1つの正面構造図である。
【
図4A】本開示の幾つかの実施例に係る表示パネルの領域区画を示す図である。
【
図5A】本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板の1つの概略構造図である。
【
図5B】本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板のもう1つの概略構造図である。
【
図6A】
図5Bにおける感応部材領域C1の拡大構造図である。
【
図6B】
図6Aの断面線PP'に沿った1つの断面構造図である。
【
図6C】
図6Aの断面線PP'に沿ったもう1つの断面構造図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板のいま1つの概略構造図である。
【
図8A】本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板の更に1つの概略構造図である。
【
図8B】本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板の更に1つの概略構造図である。
【
図9A】
図8Bにおける感応部材領域C1の拡大構造図である。
【
図9B】
図9Aの断面線OO'に沿った1つの断面構造図である。
【
図9C】
図9Aの断面線OO'に沿ったもう1つの断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本開示の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。無論、ここに記載された実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではないと理解されるべきである。本開示における実施例に基づき、当業者が取得する他のすべての実施例は、本開示の権利範囲に含まれるものとする。
【0022】
本開示の実施例に係る表示装置は、携帯電話、フラットパネルディスプレイ、コンピュータ、テレビモニタなどの表示機能を有する任意の端末に適用可能であり、表示装置は、動画(例えば、ビデオ)、静止画(例えば、静止画像)や、文字、絵などの画像を表示可能ないかなる装置であり得る。
【0023】
以下、係る「表示面側」とは、表示装置又は表示パネルの画像表示を行う側を意味し、「非表示パネル側」とは、表示装置又は表示パネルの表示面側の反対側を意味する。
【0024】
幾つかの実施例において、表示装置は、感応部材を含み、表示装置が適用される端末が携帯電話である場合を例として、表示装置は、例えばフロントカメラ、光センサ、3D感知モジュールなどの感応部材を備え、これらの感応部材は、対応する機能を実現するため、表示装置の表示面側からの光線を感応する必要がある。例えば、携帯電話のフロントカメラは、画像撮影を行う時、携帯電話の正面(即ち、表示面側)に位置する被写体の光を採集する必要があり、これにより撮像を実現する。
【0025】
1つの関連技術において、
図1A及び
図1Bに示すように、表示装置100の表示パネル11は、表示領域A1と非表示領域B1とを有し、表示パネル11に孔を開け、感応部材2(例えばフロントカメラ)を開けられた孔に埋め込み、こうして、感応部材2は、表示パネル11の表示面側からの光線を感応することができる。
【0026】
他の関連技術において、
図2A及び
図2Bに示すように、表示装置200の表示パネル12は、表示領域A2と透明領域B2とを有し、感応部材2は、表示装置200の表示パネル12の非表示面側に配置され、且つ感応部材2が表示パネル12の透明領域B2に正対する、即ち、感応部材2の表示パネル12の表示面における正投影が透明領域B2内にある。こうして、表示パネル12の表示面側からの光線は、透明領域B2を透過して感応部材
2によって感応される。
【0027】
以上の2つの感応部材2の配置方式では、表示パネルの表示面には、いずれも表示できない領域が存在し、表示装置の画面占有率が低下し、表示パネルの表示領域の面積と表示パネルの総面積との比率は、100パーセントにならず、全面表示が実現できない。
【0028】
より高い画面占有率を実現するため、本開示の幾つかの実施例において、
図3A及び
図3Bに示すように、表示装置300は、表示パネル13、及び感応部材2を備える。表示パネル13は、感応部材領域C1及び非感応部材領域C2を有し、前記非感応部材領域C2は、画像表示が可能
であり;非感応部材領域C2は、例えば、透明で画像表示が可能な感応部材領域C1を囲んでもよいし、感応部材領域C1を半分囲んでもよい。感応部材2は、表示パネル13の非表示面側に配置され、且つ感応部材2が表示パネル13の感応部材領域C1に正対する、即ち、感応部材2の表示パネル13の表示面における正投影が、感応部材領域C1内にある。
【0029】
感応部材2の感応面は、表示パネル13に向けられている。感応部材領域C1は透明であるため、感応部材2は、感応部材領域C1を透過して表示パネル13の表示面側からの光線を感応して、対応する操作を実行することができる。感応部材2がフロントカメラである場合を例として、フロントカメラは、感応部材領域C1を介して表示パネル13の表示面側の被写体からの光線を取り込み、結像させ、当該被写体の画像を撮影する。
【0030】
感応部材領域C1の光透過率をより高くし、表示パネル13の非表示面側に配置された感応部材2が、感応部材領域C1を透過して表示パネル1の表示面側からの光線をより多く感応させるため、
図4A及び
図4Bに示すように、幾つかの実施例において、表示パネル13は、表示パネル13の表示領域(感応部材領域C1及び非感応部材領域C2を含む)が、例えば、アレイ状に配列された複数の画素ドット10を含むように設計される。
【0031】
本開示の技術案をより明確に説明するために、以下、表示パネル13の表示面から領域Eを区画し、領域Eにおける構成について説明し、
図4Bは領域Eを拡大した構造図である。領域Eは、非感応部材領域C2の一部と感応部材領域C1とを含む。前記「非感応部材領域C2の一部」とは、非感応部材領域C2のうちの感応部材領域C1に隣接し且つ感応部材領域C1の周囲に位置する領域である。非感応部材領域C2の領域E以外に位置する領域の構造は、非感応部材領域C2の領域E内に位置する一部領域の構造を参照すればよい。
【0032】
感応部材領域C1のPPI(Pixels Per Inch、画素密度)を低減する方式を採用する、即ち非感応部材領域C2に対して、感応部材領域C1の画素ドット10の個数を減少させることにより、感応部材領域C1における、画素ドット10の占有空間を減少させ、空間を空けて光線を透過させて、感応部材領域C1に高い光透過率を持たせることを図る。
【0033】
しかしながら、本開示の発明者らの研究により、以下のことを発見した。
【0034】
図4Bに示すように、表示パネル13の表示領域(例えば、非感応部材領域C2の一部と感応部材領域C1とを含む領域Eを例とする)には、第1方向に延びる複数の第1配線20と、第2方向に延びる複数の第2配線30とが設けられており、複数の第1トレース20は間隔をあけて設けられ、複数の第2トレース30も間隔をあけて設けられている。第1方向と第2方向とが交差しており、例示的には、第1方向は、複数の画素ドット10が配列された列方向であり、第2方向は、複数の画素ドット10が配列された行方向である。第1方向が列方向であり、第2方向が行方向である場合、第1配線は、データ線(Data線)、初期化信号線、第1電源線(Vdd線)、第2電源線(Vss線)などを含み、第2配線は、ゲート線(Gate線)、制御線、共通電圧信号線(Com線)などを含む。非感応部材領域C2のPPIが高いため、第1配線20の配置が密であり、隣接する2本の第1配線20の間の間隔が小さい。
【0035】
感応部材領域C1における第1配線20の配置密度は、非感応部材領域C2と同一である。これは、感応部材領域C1にある複数の画素ドット10が位置する各サブ画素列について、それらのサブ画素列のうち非感応部材領域C2にあるC22領域及びC24領域のPPIと、非感応部材領域C2にあるC21領域及びC23領域のPPIとが一致するからである。このため、非感応部材領域C2にあるC22領域及びC24領域の第1配線20及び第2配線30の配置密度が、非感応部材領域C2にあるC21領域及びC23領域の第1配線20及び第2配線30の配置密度と一致するので、これらのサブ画素列は、感応部材領域C1にある配線密度がそのPPIの低下によって低下することはない。
【0036】
こうして、光線が感応部材領域C1を透過して表示パネル13の表示面側と感応部材2との間で伝搬する過程において、感応部材領域C1の複数の第1配線20が過密に配置され、隣接する2本の第1配線20の間の間隔が小さいため、光線が隣接する2本の第1配線20の間の隙間を通過して伝搬する時に、回折現象が発生し、これにより感応部材が感応した光線情報の正確性に影響を与える可能性がある。ここで、光の回折現象とは、光が伝搬過程において、障害物や小孔に当たると、光が直線伝搬する経路から障害物の後ろに回って伝搬する現象を指し、障害物間の間隔が小さいほど、また小孔が小さいほど回折現象が顕著になり、小孔の直線性が光波長に匹敵するほど小さい場合には光の回折現象が極めて激しく、光の伝搬する時に発生する回折現象が顕著になり、光線が暗くなる。
【0037】
感応部材2がフロントカメラであることを例として、フロントカメラが表示パネル13の感応部材領域C1を介して画像を取得する時、フロントカメラは、感応部材領域C1を介して表示パネル13の表示面側に位置する被写体の光線を取得する必要があるが、第1配線20が過密に配置されるため、光線が感応部材領域C1を通過する時に光回折が発生し、フロントカメラが収集した光線情報が不正確になるが故に、フロントカメラの撮像効果が低下し、例えば、画像の輝度が低く、解像度が悪いなどの問題が発生する。
【0038】
上記に鑑み、
図5A及び
図5Bに示すように、本開示の幾つかの実施例は、非感応部材領域C2と透明な感応部材領域C1とを有するアレイ基板131を提供する。感応部材領域C1及び非感応部材領域C2は、すべて表示機能を有し、非感応部材領域C2は、例えば、感応部材領域C1を囲んでもよいし、感応部材領域C1を半分囲んでもよい。
【0039】
上記アレイ基板131は、非感応部材領域C2と透明な感応部材領域C1とを有し、上記アレイ基板131が感応部材2を含む表示装置に適用される場合、光線が透明な感応部材領域C1を透過してアレイ基板131の表示面側と感応素子2との間を伝搬されることができる、即ち、表示面側からの光線が感応部材領域C1を透過して感応部材2によって感応されることができる。
【0040】
上記アレイ基板131は、第1方向に延びる複数の第1配線20を含む。前記複数の第1配線20は間隔を開けて設けられ、前記複数の第1配線20のうち、感応部材領域C1を通過する配線は選定第1配線201であり;前記複数の選定第1配線201は、少なくとも1つのグループに分割され、各グループの選定第1配線は、少なくとも2本の隣接する選定第1配線201を含み、各グループの選定第1配線の各選定第1配線201は、感応部材領域C1において収束して第1収束部50を形成する。
【0041】
例示的には、
図5Aに示すように、番号L
1~L
6の第1配線は、選定第1配線201である。複数の選定第1配線201は3つのグループに分割されてもよく、各グループの選定第1配線は、2本の隣接する選定第1配線201を含み、各グループの選定第1配線に含まれる2本の選定第1配線201は、感応部材領域C1において収束して1つの第1収束部50を形成し、これにより3つのグループの選定第1配線201は、感応部材領域C1において収束して3つの第1収束部50を形成する。
【0042】
例えば、
図5Aをさらに示すように、番号がL
1及びL
2の選定第1配線201が1つのグレープの選定第1配線として、感応部材区域C1内に収束して第1収束部50を形成し;番号がL
3及びL
4の選定第1配線201が1つのグレープの選定第1配線として、感応部材区域C1内に収束して第1収束部50を形成し;番号がL
5及びL
6の選定第1配線201が1つのグレープの選定第1配線として、感応部材区域C1内に収束して第1収束部50を形成する。ここで、番号がL
1とL
2の2本の選定第1配線201を例として、番号がL
2の選定第1配線201は、第1方向に延びる第1部分と第2方向に延びる第2部分を含み、第1部分と第2部分は、順次交互に配置され、且つ首尾接続され、この構造により、番号がL
2の選定第1配線201は、感応部材区域C1において、番号がL
1の選定第1配線201に接近するようになり、1つの第1収束部50を形成する。第1収束部50は、番号がL
1の選定第1配線201の感応部材区域C1に位置する部分、及び番号がL
2の選定第1配線201の感応部材区域C1に位置する部分を含むと理解することができる。他の2つの第1収束部50の構造は、前述した第1収束部50の構造と同様であるため、ここでその説明を省略する。
【0043】
図6A~
図6Cに示すように、上記アレイ基板131は、少なくとも1つの遮光バー40をさらに含む。前記少なくとも1つの第1遮光バー40は、前記複数の
選定第1配線20
1のアレイ基板131の表示面
側から離反する側、又は近接する側に配置され、各第1遮光バー40のアレイ基板131の表示面(即ち、アレイ基板131が表示パネルに適用される場合、表示を行う面に配置される)における正投影は、1つの第1収束部50の前記表示面における正投影を覆う。
【0044】
本開示の実施例は、各第1遮光バー40のアレイ基板131の表示面における正投影が、1つの第1収束部50の表示面における正投影を覆えば、前記少なくとも1つの第1遮光バー50の前記複数の第1配置20に対する位置を限定しない。これにより、1つの第1遮光バー40は、1つの第1収束部50の少なくとも2本の隣接する選定第1配線201の間の隙間を遮蔽し、光線が第1収束部50の選定第1配線201の間の隙間から透過することに起因する回折を回避することができる。
【0045】
例示的には、
図6Bは、前記少なくとも1つの第1遮光バー40が、前記複数の
選定第1配線20
1のアレイ基板131の表示面
側に近接する側に配置される場合を示し、前記少なくとも1つの第1遮光バー40は、前記複数の選定第1配線201のベース基板80から離反する側に配置される。
図6Cは、前記少なくとも1つの第1遮光バー40が、前記複数の
選定第1配線20
1のアレイ基板131の表示面
側から離反する側に配置される場合を示し、前記少なくとも1つの第1遮光バー40は、前記複数の選定第1配線201のベース基板80に近接する側に配置される。
【0046】
幾つかの実施例において、
図6Bに示すように、前記少なくとも1つの第1遮光バー40は、前記複数の選定第1配線201のアレイ基板131の表示面
側に近接する側に配置され、
前記少なくとも1つの第1遮光バー40は、前記複数の選定第1配線201のベース基板80から離反する側に配置され、こうして、第1遮光バー40の製造は、アレイ基板131における薄膜トランジスタの活性層を遮断するための遮光パターンの製造工程を流用することができ、第1遮光バー40を製造するための工程を別途設ける必要がなく、アレイ基板131の製造工程を簡略化することができる。
【0047】
図5Bに示すように、前記少なくとも1つの第1遮光バー40は、前記複数の
選定第1配線20
1のアレイ基板131の表示面
側から離反する側又は近接する側に配置され、各第1遮光バー50の表示面における正投影は、第1収束部50の前記表示面における正投影を覆う。これは、第1遮光バー50の数が、第1収束部50の数と同じであることを意味する。
【0048】
本開示の実施例に係るアレイ基板131において、感応部材領域C1の選定第1配線201をグループ化し、各グループの選定第1配線201は、少なくとも2本の隣接する選定第1配線201を含み、各グループの選定第1配線の各選定第1配線201は、感応部材領域C1において収束して第1収束部50を形成するようになる。これは、各グループの選定第1配線の各選定第1配線201を感応部材領域C1において互いに接近させることに相当し、こうして、各グループの選定第1配線のうち隣接する2本の選定第1配線201は、感応部材領域C1においてより近くなり、一方、隣接する2つの第1収束部50の間はより遠くなり、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔は、非感応部材領域C2における隣接する2本の第1配線20の間の間隔より大きくされる。
【0049】
そして、少なくとも1つの第1遮光バー40を設けることにより、第1収束部50における少なくとも2本の隣接する選定第1配線201の間の隙間を遮断し、これらの隙間からの光線の透過を遮断し、第1収束部50における少なくとも2本の選定第1配線201の間の隙間からの光線の透過による光の回折現象の発生を防止する。
【0050】
こうして、光線がアレイ基板131の透明な感応部材領域C1を通過する時、隣接する2つの第1遮光バー40の間の空間を通過する。隣接する2つの第1収束部50の間の間隔は、非感応部材領域C2における隣接する2本の第1配線20の間の間隔より大きい、即ち、透明な感応部材領域C1において、各グループの選定第1配線の各選定第1配線201が収束した後に形成された複数の第1収束部50の配置密度(複数の第1遮光バー40の配置密度に相当する)は、複数の第1配線20が収束していない場合の配置密度より低くなるので、光線が透明な感応部材領域C1を通過する時、回折現象が軽減され、光の回折による光線輝度への影響が低減され、感応部材2により感応される光線情報の正確度が向上される。
【0051】
感応部材2がフロントカメラであることを例として、光線が透明な感応部材領域C1を透過する時に回折現象が軽減されるため、フロントカメラの撮像効果が向上し、得られる画像の輝度と解像度が大きく改善される。
【0052】
幾つかの実施例では、
図5Aに示しように、アレイ基板131の透明な感応部材領域C1において、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔aは、非感応部材領域C2における隣接する2本の第1配線の間の間隔bより大きい。各第1収束部50において、隣接する2本の選定第1配線201の間の間隔cは、非感応部材領域C2における隣接する2本の第1配線の間の間隔bより小さい。
【0053】
上記実施例において、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔aは、非感応部材領域C2における隣接する2つの第1配線20の間の間隔bより大きく、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔aは、隣接する2つの第1収束部50の中に位置し、且つ最も近接する2本の選定第1配線201の間の距離であり、このように、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔aは、非感応部材領域C2に位置す隣接する2本の第1配線20の間の間隔bより大きくなり、これに対応して、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔は、非感応部材領域C2における隣接する2本の第1配線20の間の間隔bよりも大きくなり、その結果、光線は透明な感応部材領域C1を透過する時に、回折現象が軽減される。
【0054】
また、各第1収束部50において、隣接する2本の選定第1配線201の間の間隔cは、非感応部材領域C2における隣接する2本の第1配線20の間の間隔bより小さいことにより、各第1収束部50において、隣接する2本の選定第1配線201が互いに接近して、第1収束部50の延在方向に垂直な方向における第1収束部50の寸法(即ち、第1収束部50の幅)が小さくなり、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔を大きくすることを確保し、これにより、光の回折現象を低減すると共に、第1収束部50において、少なくとも2本の隣接する選定第1配線201の間の隙間を遮断するための第1遮光バー40の幅を狭くして、より多くの光線が感応部材領域C1を透過させることができる。
【0055】
幾つかの実施例において、各グループの選定第1配線に含まれる選定第1配線201の本数は限定されず、各グループの選定第1配線は2本の選定第1配線201を含んでもよく、この状況は
図5A、
図5B、
図6A~
図6Cに示される。又は、各グループの選定第1配線は、2本以上の選定第1配線201を含んでもよく、例えば、各グループの選定第1配線201に含まれる選定第1配線201の本数は、3本、4本、5本である。
【0056】
幾つかの実施例において、各グループの選定第1配線に含まれる選定第1配線201の本数は同じである。
【0057】
例示的には、各グループの選定第1配線に含まれる選定第1配線201の本数は、いずれも2本であり、又は、各グループの選定第1配線に含まれる選定第1配線201の本数は、いずれも3本又は4本又はその他の本数である。
図5Aは、各グループの選定第1配線がいずれも2本の選定第1配線201を含む場合を示し、これにより、複数のグループの選定第1配線に対応する複数の第1収束部50の幅がすべて等しく、又はほぼ等しく、第1遮光バー40の幅が等しく、又はほぼ等しくなることができ、こうして、感応部材領域C1の各領域において、光線に対する回折の減少程度が等しく、又はほぼ等しくなり、感応部材領域C1の各領域を透過する光線が均一となり、これにより、感応部材2により感応される光線情報の正確度がより向上される。
【0058】
幾つかの実施例において、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔は等しい。各第一収束部50において、各隣接する2本の選定第1配線201の間の隙間は等しい。
【0059】
例示的には、
図5Aに示すように、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔は、いずれもaである。各第1収束部50において、各選定第1配線が3本以上の選定第1配線201を含む場合、各隣接する2本の選定第1配線201の間の間隔は等しい。
【0060】
このような設計により、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔が等しいため、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔も等しく、又はほぼ等しい。各第1収束部50において、各隣接する2本の選定第1配線201の間の間隔が等しいので、複数の第1収束部50の幅がいずれも等しく、複数の第1遮光バー40の幅が等しく、又はほぼ等しくなり、こうして、感応部材領域C1の各領域において、光線の回折の減少程度が等しく、又はほぼ等しくなり、感応部材領域C1の各領域を透過する光線がより均一となり、これにより、感応部材2により感応される光線情報の正確度がより向上される。
【0061】
本開示の幾つかの実施例において、第1遮光バー40の幅及び隣接する2つの第1遮光バー40の間隔を適切な範囲に設定することにより、光の回折現象の低減効果をさらに高めることができる。
【0062】
なお、第1遮光バー40の幅dとは、
図6Aに示すように、第1遮光バー40の延在方向に垂直な方向における1つの第1遮光バー40の寸法を指す。隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとは、第1遮光バー40の延在方向に垂直な方向において、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔を指す。例示的には、第1遮光バー40の延在方向が第1方向である場合、第1遮光バー40の幅dとは、1つの第1遮光バー40の第1方向に垂直な方向における寸法を指す。隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとは、第1方向に垂直な方向において、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔を指す。
【0063】
さらに、第1遮光バー40の幅及び隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔の設定は、第1収束部50の幅、隣接する2つの第1収束部50の間の間隔、及び各第収束部50に対応する1つのグレープの選定第1配線のうち選定第1配線201の本数を設定することによって実現することができる。
【0064】
隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eの下限値をe1、上限値をe2と仮定する。隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eをその下限値e1以上とすることにより、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eが小さすぎるが故に光線が複数の第1遮光バー40の間の隙間を通過する時に発生可能な光の回折現象を回避することができる。隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eを上限値e2以下にすることにより、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eが大きすぎるが故に第1遮光バー40の本数が少なくなり(感応部材領域C1の面積が一定である場合、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eが大きすぎると第1遮光バー40の本数が少なくなる)、第1遮光バー40に対応する第1収束部50の個数が少なくなることを回避することができる。アレイ基板131にとって、第1配線20の本数が一定であり、感応部材領域C1を通過する選定第1配線201の本数も一定であり、こうして各第一収束部50に対応する各グループの選定第1配線201の本数が多くなり、各グループの選定第1配線の各選定第1配線201の間が互いに影響し、伝送される信号に変動や不正確が生じるおそれがある。
【0065】
また、1つの第1遮光バー40の幅dの下限値をd1、上限値をd2と仮定する。1つの第1遮光バー40の幅dをその下限値d1以上とすることにより、第1遮光バー40の幅dが小さすぎるため、第1収束部50において隣接する2本の選定第1配線201の間の隙間を効果的に遮断できない不具合を回避することができる。1つの第1遮光バー40の幅dを上限値d2以下とすることにより、第1遮光バー40の幅dが大きすぎるため、隣接する2つの第1遮光バー40の間隔eが小さすぎるが故に光の回折現象が発生したり、感応部材領域C1を通過する光線の量が低下したりする不具合を回避することができる。
【0066】
これに基づき、幾つかの実施例において、1つの第1遮光バー40の幅dと、隣接する2つの第1遮光バーの間の間隔eとの比率は、0より大きく且つ0.5以下である。例えば、1つの第1遮光バー40の幅dと、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの比率は、1/2又は7.5/16.125などであってもよい。
【0067】
例示的には、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの比率が0より大きく且つ0.5以下である場合、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの和fは、94.5μm以上且つ200μm以下である。例えば、1つの第1遮光バー40の幅dと、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの和fは、94.5μm、100μm、又は200μmなどであってもよい。
【0068】
なお、1つの第1遮光バー40は、第2方向において対向する両側は、その対応する第1収束部50において最も外側の2本の選定第1配線201によって規定される境界を越えてもよく、その対応する第1収束部50において最も外側の2本の選定第1配線201によって規定される境界と整列してもよい。
【0069】
本開示の上述した実施例において、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの比率を0より大きく且つ0.5以下とし、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの和を、94.5μm以上且つ200μm以下とすることにより、光線が感応部材領域C1を通過する時に、光の回折現象をより軽減して、感応部材2が感応する光線情報をより正確にすることができる。
【0070】
感応部材2がフロントカメラである場合、本開示の発明者らは、試験検証により、フロントカメラで画像を取得する時、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間のeとの比率を7.5/16.125に設定するとともに、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの和を94.5μmに設定すると、光線による回折現象が効果的に軽減され、撮影された画像の解像度が高いと確認した。
【0071】
本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板131では、第1遮光バー40の延在方向に沿って、薄膜トランジスタが配置されている箇所と、薄膜トランジスタが配置されていない箇所が存するため、第1遮光バー40を設計する時、ある実施例において、第1遮光バー40の延在方向に沿って、第1遮光バー40の幅が異なり、例えば、薄膜トランジスタが配置されている箇所では、第1遮光バー40の幅が広く、薄膜トランジスタが配置されていない箇所では、第1遮光バー40の幅が狭い。こうして、第1遮光バー40の幅が狭い位置において、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔が広くなり、より多くの光線が感応部材領域C1を透過して感応部材2によって感応されるようにすることができる。
【0072】
なお、第1遮光バー40の延在方向に沿って、第1遮光バー40の幅が異なる場合、隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとは、隣接する2つの第1遮光バー40が第1遮光バー40の延在方向に垂直な方向における同一位置の間の間隔を指す。
【0073】
他の実施形態において、第1遮光バー40の延在方向に沿って、同じ第1遮光バー40の幅は、どこにおいても同じである。こうして、第1遮光バー40の製造工程を簡略化し、製造効率を向上させることができる。幾つかの例示において、同じ第1遮光バー40の幅がどこにおいても同じである場合、第1遮光バー40の延在方向に沿って、隣接する2つの第1遮光バー40の間の隙間は、同じであってもよく、異なっていてもよい。他の幾つかの例示において、各第1遮光バー40の幅がどこにおいても同じである場合、複数の第1遮光バー40の幅がいずれも同じであり、これにより第1遮光バー40の製造を行う時、工程が簡略化され、工程の難易度を低減することができる。
【0074】
複数の第1遮光部40の幅がいずれも同じである場合、各第1収束部50に対応する複数の選定第1配線201の本数を等しく設定し、各グループの選定第1配線のうち隣接する2つの選定第1配線201の間の間隔を等しく設定することにより、各グループの選定第1配線のうち複数の選定第1配線201の間の互いに影響を与える程度を同じにすることができ、これにより感応部材領域C1内における複数のグループの選定第1配線201の透過された光線に対する影響を同じにさせ、感応部材2が収集する光線情報の精確度を向上させることができる。
【0075】
幾つかの実施例において、1本の第1配線20は、1本以上の第1サブ配線20aを含む。例示的には、
図5Aに示すように、1本の第1配線20は、1本の第1サブ配線20aを含む。
図7に示すように、1本の第1配線20は、2本の第1サブ配線20aを含む。1本の第1配線20が複数の第1サブ配線20aを含む場合、前記隣接する2本の第1サブ配線20aは、互いに離間している。選定第1配線201は、アレイ基板131の複数の第1配線20のうち感応部材領域C1を通過する配線であるので、上述の実施例は、各選定第1配線201についても同様に適用される。
【0076】
幾つかの実施例において、第1方向が列方向である場合、1本の第1配線20に含まれた第1サブ配線20aは、データ線、初期化信号線、第1電源線(Vdd線)、第2電源線(Vss線)などのうちの少なくとも1つである。幾つかの実施例において、第1方向が行方向である場合、1本の第1配線20に含まれた第1サブ配線20aは、ゲート線、制御線、共通電圧信号線などのうちの少なくとも1つである。選定第1配線201は、アレイ基板131の複数の第1配線20の感応部材領域C1を通過する配線であるので、上述の実施例は、各選定第1配線201についても同様に適用される。
【0077】
幾つかの実施例において、1本の第1配線20が複数の第1サブ配線20aを含む場合、当該第1配線20に含まれる第1サブ配線20aのタイプは、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、1本の第1配線20は、2本のデータ線を含む。例えば、1本の第1配線20は、1本のデータ線と1本のVdd線とを含む。選定第1配線201は、アレイ基板の複数の第1配線のうち感応部材領域C1を通過する配線であるので、上述の実施例は、各選定第1配線201についても同様に適用される。
【0078】
幾つかの実施例において、1列のサブ画素は、1本の第1
サブ配線20
aに結合される。この場合、1つの画素ドット10が少なくとも1つのサブ画素を含むと、1列の画素ドットが少なくとも1本の第1
サブ配線に対応する。例えば、
図5Aに示すように、1つの画素ドット10が1つのサブ画素を含むと、1列の画素ドットが1本の第1
サブ配線20
aに対応する。さらに例えば、
図7に示すように、1つの画素ドット
10が2つのサブ画素を含むと、1列の画素ドットが2本の第1
サブ配線20
aに対応する。さらに例えば、1つの画素ドット
10が3つのサブ画素を含むと、1列の画素ドットが3本の第1
サブ配線20
aに対応する。選定第1配線201は、アレイ基板の複数の第1配線
10のうち感応部材領域C1を通過する配線であるので、上述の実施例は、各選定第1配線201についても同様に適用される。
【0079】
例示的には、1列のサブ画素に1本の第1配線20が結合される場合、1つの画素ドット10に含まれるサブ画素の数は、当該画素ドット10に結合される第1配線20に含まれるデータ線の本数に関係する。例えば、1つの画素ドット10が1つのサブ画素を含むと、当該画素ドット10に結合された第1配線20は、1本のデータ線を含み;1つの画素ドット10が2つのサブ画素を含むと、当該画素ドット10に結合された第1配線20は、2本のデータ線を含み;1つの画素ドット10が3つのサブ画素を含むと、当該画素ドット10に結合された第1配線20は、3本のデータ線を含む。
【0080】
以上に鑑み、
図7に示すように、1列の画素ドットが少なくとも2本の第1
サブ配線20
aに対応する場合、感応部材領域C1を通過する各列の画素ドットにおいて、同じ列の画素ドットに対応する各第1
サブ配線20
aを同じ収束部50に収束させることができ、これにより、感応部材領域C1内の配線配置をより規則的にすることができ、当該領域を通過する光線の回折程度をさらに低減させることができる。
【0081】
図4Bをさらに示すように、アレイ基板は、第1方向と交差する第2方向に沿う複数の第2配線30をさらに含む。非感応部材領域C2において、第2方向に延在する複数の第2配線30の配置も密であり、隣接する2本の第2配線30の間の間隔が小さい。特にPPIが高い表示装置では、第2配線30の配置密度がより高い。こうして、光が感応部材領域C1を透過して表示パネル13の表示面側と感応部材2との間で伝搬する過程において、隣接する2本の第2配線30の間の間隔が小さいため、光線が隣接する2本の第1配線30の間の隙間を通過して伝搬する時に回折現象が発生し、感応部材2が感応した光線情報の正確性に影響を与える場合がある。
【0082】
これに鑑み、幾つかの実施例において、
図8A及び
図8Bに示すように、本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板131は、第2方向に延在する複数の第2配線30と、少なくとも1つの第2遮光バー60とをさらに含む。ここで、第1方向と第2方向とが交差し、例えば、第1方向と第2方向とは互いに垂直であり、また、例えば、第1方向と第2方向との間の角度は鋭角である。本開示の図面では、第1方向と第2方向とが互いに垂直であることを例としている。
【0083】
前記複数の第2配線30は間隔を設けて配置され、前記複数の第2配線30のうち、感応部材領域C1を通過する配線は選定第2配線301であり。前記複数の選定第2配線301は、少なくとも1つのグループに分割され、各グループの選定第2配線は、少なくとも2本の隣接する選定第2配線301を含み、各グループの選定第2配線の各選定第2配線301は、感応部材領域C1において収束して第2収束部70を形成する。
【0084】
例示的には、
図8Aに示すように、番号がT1~T4の第2配線は、選定第2配線301である。複数の選定第2配線301は2つのグループに分割されてもよく、各グループの選定第2配線は、2本の隣接する選定第2配線301を含み、各グループの選定第2配線に含まれる2本の選定第2配線301は、感応部材領域C1において収束して1つの第2収束部70を形成し、こうして、2つのグループの選定第2配線301は、感応部材領域C1において収束して2つの第2収束部70を形成する。
【0085】
例えば、
図8Aに示すように、番号がT1及びT2の選定第2配線301は、1グループの選定第2配線として、感応部材領域C1で1つの第2収束部70を形成するように収束され、番号がT3及びT4の選定第2配線301は、1グループの選定第2配線として、感応部材領域C1で1つの第2収束部70を形成するように収束される。ここで、番号がT1及びT2の2本の選定第2配線301を例とすると、番号がT2の選定第2配線301は、第2方向に延在する第1部分と、第1方向に延在する第2部分とを含み、第1部分及び第2部分は、順次に交互配置され、且つ首尾接続する。このような構造により、番号がT2の選定第2配線301は、感応部材領域C1において番号がT1の選定第2配線301に接近し、第2収束部70を形成する。第2収束部70は、番号がT1の選定第2配線301の感応部材区域C1に位置する部分、及び番号がT2の選定第2配線301の感応部材区域C1に位置する部分を含むと理解することができる。他の1つの第2収束部70の構造は、前述した第2収束部70の構造と同様であるため、ここでその説明を省略する。
【0086】
図9A~
図9Cに示すように、少なくとも1つの第2遮光バー60は、前記複数の
選定第2配線30
1のアレイ基板131の表示面
側から離反する側、又は近接する側に配置され、各第2遮光バー60の表示面(即ち、アレイ基板131が表示パネルに適用される時に表示を行う面に配置される)における正投影は、第2収束部70の表示面における正投影を覆う。
【0087】
本開示の実施例は、各第2遮光バー60のアレイ基板131の表示面における正投影が、1つの第2収束部70の表示面における正投影を覆えば、前記少なくとも1つの第2遮光バー60の前記複数の第2配置30に対する位置が限定されない。これにより、1つの第2遮光バー60は、1つの第2収束部70の少なくとも2本の隣接する選定第2配線301の間の隙間を遮蔽し、光線が第2収束部70の選定第2配線301の間の隙間から透過することに起因する回折を回避することができる。
【0088】
例示的には、
図9Bは、前記少なくとも1つの第2遮光バー60が、前記複数の
選定第2配線30
1のアレイ基板131の表示面
側に近接する側に配置される場合を示し、少なくとも1つの第2遮光バー60は、前記複数の
選定第2配線30
1のベース基板80から離反する側に配置される。
図9Cは、前記少なくとも1つの第2遮光バー60が、前記複数の
選定第2配線30
1のアレイ基板131の表示面
側から離反する側に配置される場合を示し、前記少なくとも1つの第2遮光バー60は、前記複数の
選定第2配線30
1のベース基板80に近接する側に配置される。
【0089】
幾つかの実施例において、
図9Bに示すように、前記少なくとも1つの第2遮光バー60は、前記複数の選定第1配線201のアレイ基板131の表示面
側に近接する側に配置され
、前記少なくとも1つの第2遮光バー60は、前記複数の選定第2配線301のベース基板80から離反する側に配置される。こうして、第2遮光バー60の製造は、アレイ基板131における薄膜トランジスタの活性層を遮断するための遮光パターンの製造工程を流用することができ、第2遮光バー60を製造するための工程を別途設ける必要がなく、アレイ基板131の製造工程を簡略化することができる。
【0090】
図8Bに示すように、前記少なくとも1つの第2遮光バー60は、前記複数の第2配線301のアレイ基板131の表示面
側から離反する側、又は近接する側に配置され、各第2遮光バー60の表示面における正投影は、第2収束部70の前記表示面における正投影を覆う。これは、第2遮光バー60の数が第2収束部70の数と同じであることを意味する。
【0091】
本開示の実施例に係るアレイ基板131において、感応部材領域C1の選定第2配線301をグループ化し、各グループの選定第2配線は、少なくとも2本の隣接する選定第2配線301を含み、各グループの選定第2配線の各選定第2配線301は、感応部材領域C1において収束して第2収束部70を形成するようになる。これは、各グループの選定第2配線の各選定第2配線301を感応部材領域において互いに接近させることに相当し、こうして、各グループの選定第2配線のうち隣接する2本の選定第2配線301は、感応部材領域C1においてより近くなり、一方、隣接する2つの第2収束部70の間はより遠くなり、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔は、非感応部材領域C2における隣接する2本の第2配線30の間の間隔より大きくされる。
【0092】
また、少なくとも1つの第2遮光バー60を設けることにより、第2収束部70における少なくとも2本の隣接する選定第2配線301の間の隙間を遮断し、これらの隙間からの光線の透過を遮断し、第2収束部70における少なくとも2つの選定第2配線301の間の隙間からの光線の透過による光の回折現象の発生を防止する。
【0093】
こうして、光線がアレイ基板131の透明な感応部材領域C1を通過する時、隣接する2つの第2遮光バー60の間の空間を通過し、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔は、非感応部材領域C2における隣接する2本の第2配線30の間の間隔より大きい、即ち、透明な感応部材領域C1において、各グループの選定第2配線の各選定第2配線301が収束した後に形成された複数の第2収束部70の配置密度(複数の第2遮光バー60の配置密度に相当する)は、複数の第2配線30が収束していない場合の配置密度より低くなるので、光線が透明な感応部材領域C1を通過する時、回折現象がさらに軽減され、光の回折による光の輝度への影響が低減され、感応部材2により感応される光線情報の正確度がさらに向上される。
【0094】
感応部材2がフロントカメラであることを例として、光線が透明な感応部材領域C1を透過する時に回折現象がさらに軽減されるため、フロントカメラの撮像効果がさらに向上し、得られる画像の輝度と解像度がより良好となる。
【0095】
幾つかの実施例では、
図8Aに示しように、アレイ基板131の透明な感応部材領域C1において、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔gは、非感応部材領域C2における隣接する2本の第2配線30の間の間隔kより大きい。各第2収束部70において、隣接する2本の選定第2配線301の間の間隔hは、非感応部材領域C2における隣接する2本の第2配線30の間の間隔kより小さい。
【0096】
上記実施例において、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔gは、非感応部材領域C2における隣接する2つの第2配線30の間の間隔kより大きい。ここで、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔gは、隣接する2つの第2収束部70にそれぞれ位置し、且つ最も近接する2本の選定第2配線301の間の距離である。これにより、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔gは、非感応部材領域C2における隣接する2本の第2配線30の間の間隔kより大きくなり、相応的に、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔は、非感応部材領域C1における隣接する2本の第2配線30の間の間隔bよりも大きくなり、これにより、光線が透明な感応部材領域C1を透過する時に、回折現象が軽減される。
【0097】
また、各第2収束部70において、隣接する2本の選定第2配線301の間の間隔hは、非感応部材領域C2における隣接する2本の選定第2配線30の間の間隔kより小さい。これにより、各第2収束部70において、隣接する2本の選定第2配線301が互いに接近して、第2収束部70の延在方向に垂直な方向における第2収束部70の寸法(即ち、第2収束部70の幅)が小さくなり、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔を大きくできることを確保し、これにより、光の回折現象をさらに低減すると共に、第2収束部70において、少なくとも2本の隣接する選定第2配線301の間の隙間を遮断するための第2遮光バー60の幅を狭くして、より多くの光線を透過させることができる。
【0098】
幾つかの実施例において、各グループの選定第2配線に含まれる選定第2配線301の数は限定されず、各グループの選定第2配線は2本の選定第2配線301を含んでもよく、この状況は
図8A、
図8B、
図9A~
図9Cに示される。各グループの選定第2配線は、2本以上の選定第2配線301を含んでもよく、例示的には、各グループの選定第2配線301に含まれる選定第2配線301の本数は、3本、4本、5本である。
【0099】
幾つかの実施例において、各グループの選定第2配線に含まれる選定第2配線301の本数は同じである。
【0100】
例示的には、各グループの選定第2配線301に含まれる選定第2配線301の本数は、いずれも2本であり、又は、各グループの選定第2配線301に含まれる選定第2配線301の本数は、いずれも3本、4本、又は他の本数である。
図8Aに示すアレイ基板は、各グループの選定第2配線301がいずれも2本の選定第2配線301を含む場合を示し、これにより、複数のグループの選定第2配線301に対応する複数の第2収束部70の幅をすべて等しく、又はほぼ等しく、第2遮光バー60の幅を等しく、又はほぼ等しくすることができる。これにより、感応部材領域C1の各領域において、光線の回折の減少程度を等しく、又はほぼ等しくとし、感応部材領域C1の各領域を透過する光線が均一となり、これにより、感応部材2により感応される光線情報の正確度がより向上される。
【0101】
幾つかの実施例において、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔は等しく、各第2収束部70の各隣接する2本の選定第2配線の間の隙間は等しい。
【0102】
例示的には、
図8Aに示すように、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔は、いずれもgである。各第2収束部70において、各グループの選定第2配線が3本以上の選定第2配線301を含む場合、各隣接する2本の選定第2配線301の間の間隔は等しい。
【0103】
このような設計により、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔が等しいため、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔も等しく、又はほぼ等しくなり;各第2収束部70において、各隣接する2本の選定第2配線301の間の間隔が等しくなる。こうして、複数の第2収束部70の幅がいずれも等しく、第2遮光バー60の幅が等しく、又はほぼ等しくなる。その結果、感応部材領域C1の各領域において、光線の回折の減少程度が等しく、又はほぼ等しくなり、感応部材領域C1の各領域を透過する光線がより均一となり、感応部材2によって感応される光線情報の正確度がより向上される。
【0104】
本開示の幾つかの実施例において、1つの第2遮光バー60の幅及び隣接する2つの第2遮光バー60の間隔を適切な範囲に設定することにより、光の回折現象の低減効果をさらに高めることができる。
【0105】
なお、第2遮光バー60の幅mとは、
図9Aに示すように、第2遮光バー60の延在方向に垂直な方向における1つの第2遮光バー60の寸法を指し、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pは、第2遮光バー60の延在方向に垂直な方向において、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔を指す。例示的には、第2遮光バー60の延在方向が第
2方向である場合、第2遮光バー60の幅dとは、1つの第2遮光バー60の第1方向に垂直な方向における寸法を指す。隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとは、第1方向に垂直な方向において、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔を指す。
【0106】
さらに、第2遮光バー60の幅及び隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔の設定は、第2収束部70の幅、隣接する2つの第2収束部70の間の間隔、及び各第2収束部70に対応する1つのグレープの選定第2配線のうちの、選定第1配線301の本数を設定することによって実現することができる。
【0107】
隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pの下限値をp1、上限値をp2とする。
【0108】
隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pをその下限値p1以上とすることにより、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pが小さすぎるが故に光線が複数の第2遮光バー60の間の空間を通過する時に生じる光の回折現象を回避することができる。隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pを上限値p2以下にすることにより、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pが大きすぎるが故に第2遮光バー60の本数が少なくなり(感応部材領域C1の面積が一定である場合、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pが大きすぎると第2遮光バー60の本数が少なくなる)、第2遮光バー60に対応する第2収束部70の個数が少なくなることを回避することができる。アレイ基板131の場合、第2配線30の本数が一定であると、感応部材領域C1を通過する選定第2配線301の本数も一定であり、こうして各第2収束部70に対応する各グループの選定第2配線301の本数が多くなり、よって各グループの選定第2配線の各選定第2配線301の間が互いに影響し、伝送される信号に変動や不正確が生じたりするおそれがある。
【0109】
また、1つの第2遮光バー60の幅mの下限値をm1、上限値をm2と仮定する。1つの第2遮光バー60の幅mをその下限値m1以上とすることにより、第2遮光バー60の幅mが小さすぎるため、第2収束部70の隣接する2本の選定第2配線301の間の隙間を効果的に遮断できない不具合を回避することができる。1つの第2遮光バー60の幅mを上限値m2以下とすることにより、第2遮光バー60の幅mが大きすぎるため、隣接する2つの第2遮光バー60の間隔pが小さくなりすぎて光の回折現象が発生し、且つ感応部材領域C1を通過する光線の量が低下する不具合を回避することができる。
【0110】
これに鑑み、幾つかの実施例において、1つの第2遮光バー60の幅mと、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの比率は、0より大きく且つ0.5以下である。例えば、1つの第2遮光バー60の幅mと、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの比率は、1/2又は7.5/16.125などであってもよい。
【0111】
例示的には、1つの第2遮光バー60の幅mと隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの比率が0より大きく且つ0.5以下である場合、1つの第2遮光バー60の幅mと隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの和(pitch)nは、94.5μm以上且つ200μm以下である。例えば、1つの第2遮光バー60の幅mと、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの和nは、94.5μm、100μm、200μmなどであってもよい。
【0112】
なお、1つの第2遮光バー60は、第1方向の対向する両側は、その対応する第2収束部70の最も外側の2本の選定第2配線301によって規定される境界を越えてもよく、その対応する第2収束部70の最も外側の2本の選定第2配線301によって規定される境界と整列してもよい。
【0113】
本開示の上述した実施例において、1つの第2遮光バー60の幅mと隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの比率を、0より大きく且つ0.5以下であり、1つの第2遮光バー60の幅mと隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの和を、94.5μm以上且つ200μm以下とすることにより、光線が感応部材領域C1を通過する時に、光の回折現象をより軽減することができ、感応部材2により感応される光線情報をより正確にすることができる。
【0114】
幾つかの実施例において、1つの第2遮光バー60の幅mと隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの比率と、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの比率とは、等しくてもよいし、等しくなくてもよく;1つの第2遮光バー60の幅mと隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの和nと、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの和fとは、等しくてもよいし、等しくなくてもよい。例示的には、アレイ基板131の画素領域の第1方向の寸法が第2方向の寸法より小さい場合、1つの第2遮光バー60の幅mと隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの和nは、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの和fより大きい。例えば、この場合、1つの第2遮光バー60の幅mと2つの第2遮光バー60の間の間隔pとの和nは180μmであり、1つの第1遮光バー40の幅dと隣接する2つの第1遮光バー40の間の間隔eとの和fは120μmである。
【0115】
本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板131では、第2遮光バー60の延在方向に沿って、薄膜トランジスタが配置されている箇所と、薄膜トランジスタが配置されていない箇所が存するため、第2遮光バー60を設計する時、第2遮光バー60の延在方向に沿って、第2遮光バー60の幅が異なり、例えば、薄膜トランジスタが配置されている箇所では、第2遮光バー60の幅が広く、薄膜トランジスタが配置されていない箇所では、第2遮光バー60の幅が狭い。こうして、第2遮光バー60の幅が狭い位置において、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔が広くなり、より多くの光線が感応部材領域C1を透過して感応部材2によって感応されるようにすることができる。
【0116】
なお、第2遮光バー60の延在方向に沿って、第2遮光バー60の幅が異なる場合、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔eとは、隣接する2つの第2遮光バー60が第2遮光バー60の延在方向に垂直な方向における同一位置の間の間隔を指す。
【0117】
他の実施形態において、第2遮光バー60の延在方向に沿って、同じ第2遮光バー60の幅は、どこにおいても同じである。こうして、第2遮光バー60の製造工程を簡略化し、製造効率を向上させることができる。例示的には、同じ第2遮光バー60の幅がどこにおいても同じである場合、第2遮光バー60の延在方向に沿って、隣接する2つの第2遮光バー60の間の間隔は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、各第2遮光バー60の幅がどこにおいても同じである場合、複数の第2遮光バー60の幅は全て同じである。こうして、第2遮光バー60の製造を行う時、工程が簡略化され、工程の難易度を低減することができる。
【0118】
複数の第2遮光部60の幅がいずれも同じである場合、各第2収束部70に対応する複数の選定第2配線301の本数を等しく設定し、各グループの選定第2配線のうち隣接する2つの選定第2配線301の間の間隔を等しく設定することにより、各グループの選定第2配線のうち複数の選定第2配線301の間の相互の影響を同じ程度にすることができ、これにより感応部材領域C1内の複数のグループの選定第2配線301の透過された光線に対する影響を同じにさせ、感応部材2により収集される光線情報の精確度を向上させることができる。
【0119】
幾つかの実施例において、1本の第2配線30は、1本以上の第2サブ配線30aを含む。例示的には、
図8Aに示すように、1本の第2配線30は、1本の第2サブ配線30aを含む。
図7Aに示すように、1本の第2配線30は、2本の第2サブ配線30aを含む。1本の第2配線30が複数の第2サブ配線30aを含む場合、前記隣接する2本の第2サブ配線30aは、互いに離間している。第2配線301は、アレイ基板131の複数の第2配線30のうち感応部材領域C1を通過する配線であるので、上述の実施例は、各選定第2配線301についても同様に適用される。
【0120】
幾つかの実施例において、第2方向が行方向である場合、1本の第2配線30に含まれた第2サブ配線30aは、ゲート線、制御線、共通信号線(Com線)などのうちの少なくとも1つである。他の幾つかの実施例において、第2方向が列方向である場合、1本の第2配線30に含まれた第2サブ配線30aは、データ線、初期化信号線、第1電源線(Vdd線)、第2電源線(Vss線)などのうちの少なくとも1つである。第2配線301は、アレイ基板131の複数の第2配線30のうち感応部材領域C1を通過する配線であるので、上述の実施例は、各選定第2配線301についても同様に適用される。
【0121】
幾つかの実施例において、1本の第2配線30が複数の第2サブ配線30aを含む場合、当該第2配線30に含まれる第2サブ配線30aのタイプは、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、1本の第2配線30は、2本のゲート線を含む。また、例えば、1本の第2配線30は、1本のゲート線と1本のVss線を含む。第1配線201は、アレイ基板131の複数の第2配線30のうち感応部材領域C1を通過する配線であるので、上述の実施例は、各選定第2配線301についても同様に適用される。
【0122】
幾つかの実施例において、1本の第1配線20に含まれる複数の第1サブ配線20aの本数と、1本の第2配線30に含まれる複数の第2サブ配線30aの本数とは、同じである。例えば、1本の第1配線20に含まれる複数の第1サブ配線20aの本数と、1本の第2配線30に含まれる複数の第2サブ配線30aの本数とは、いずれも2本である。他の幾つかの実施例において、1本の第1配線20に含まれる複数の第1サブ配線20aの本数と、1本の第2配線30に含まれる複数の第2サブ配線30aの本数とは、異なる。
【0123】
幾つかの実施例において、アレイ基板131の少なくとも1本の第1遮光バー40は、少なくとも1本の第2遮光バー60と同じ膜層にあり、且つ同じ材料である。こうして、前記少なくとも1つの第1遮光バー40と前記少なくとも1つの第2遮光バー60は、同じ製造工程で形成することができ、製造工程を簡素化し、工程手順を節約することができる。さらに、前記少なくとも1つの第1遮光バー40と前記少なくとも1つの第2遮光バー60は、アレイ基板131における、薄膜トランジスタの活性層を遮断するための遮光パターンと同層に形成されてもよく、こうして、前記少なくとも1つの第1遮光バー40と前記少なくとも1つの第2遮光バー60の製造が当該遮光パターンの製造工程を流用することができ、これにより前記少なくとも1つの第1遮光バー40と前記少なくとも1つの第2遮光バー60を製造するための工程を別途設ける必要がなく、アレイ基板の製造工程をさらに簡略化することができる。
【0124】
本開示の実施例において、前記少なくとも1つの第1遮光バー40及び前記少なくとも1つの第2遮光バー60の材料は、遮光の役割を果たすことができる限り、限定されない。例示的には、前記少なくとも1つの第1遮光バー40及び前記少なくとも1つの第2遮光層60の材料は、いずれも、黒色インク、黒色樹脂、又は金属などの光非透過性材料のうちの1つである。前記少なくとも1つの第1遮光バー40の材料が金属のような導電材料である場合、前記少なくとも1つの第1遮光バー40とアレイ基板131の複数の選定第1配線201との間には、両者の電気的導通を回避するように絶縁層が配置される。前記少なくとも1つの第2遮光バー60の材料が金属のような導電材料である場合、前記少なくとも1つの第2遮光バー60と前記複数の選定第2配線301との間には、両者の電気的導通を回避するように絶縁層が配置されている。
【0125】
図3A及び
図3Bに示すように、本開示の幾つかの実施例は、上述の実施例のいずれかに記載のアレイ基板131を備える表示パネル13を提供する。
【0126】
本開示の実施例に係る表示パネル13は、液晶表示パネル(Liquid Crystal Display,LCDと略称する)であってもよく、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル(Organic Light-Emitting Display,OLEDと略称する)であってもよく、又は、量子ドットエレクトロルミネッセンス表示パネル(Quantum Dot Light-Emitting Display,QLEDと略称する)であってもよい。
【0127】
表示パネル300が液晶表示パネルである場合、表示パネル13は、アレイ基板131、カラーフィルタ基板及びカラーフィルタ基板とアレイ基板131との間に配置された液晶層を備える。
【0128】
表示パネル13が有機エレクトロルミネセンス表示パネル又は量子ドットエレクトロルミネセンス表示パネルである場合、表示パネル13は、アレイ基板131、及びアレイ基板131を封止する封止層を含む。アレイ基板131は、薄膜トランジスタと、アノー、発光層及びカソードを含む発光素子とを備える。封止層は、薄膜封止層であってもよく、基板封止層であってもよい。
【0129】
図4Aに示すように、本公開の実施例に係る表示パネル13は、感応部材領域C1及び非感応部材領域C2を有する。非感応部材領域C2は表示機能を有し、感応部材領域C1は透明で表示機能を有する。以上の各実施例から分かるように、表示パネル13のアレイ基板131の感応部材領域C1において、感応部材領域C1を通過する第1配線20(又は第1配線20及び第2配線30)は、隣接する2つの第一収束部50(又は隣接する2つの第1収束部50及び隣接する2つの第2収束部70)間の間隔が大きくなるように収束設計され、これにより感応部材領域C1を透過する光の回折現象が軽減され、感応部材2により感応される光線情報の正確度が向上される。
【0130】
図4Aに示すように、幾つかの実施例において、表示パネル13は、例えば外枠であり得る非表示領域Dをさらに有してもよい。
【0131】
図3A及び
図3Bに示すように、本開示の幾つかの実施例は、表示パネル13と、少なくとも1つの感応部材2とを具備する表示装置300を提供する。ここで、表示パネル13は、上記実施例で提供された表示パネル13である。
【0132】
前記少なくとも1つの感応部材2は、表示パネル13の非表示面側に配置され、且つ前記少なくとも1つの感応部材2の表示パネル13における正投影は、表示パネル13の感応部材領域C1内にある。各感応部材2の感応面は、表示パネル13に向けられている。例示的には、前記少なくとも1つの感応部材2は、フロントカメラ、光センサ、3D感知モジュールなどのうちの1つ以上を含む。
【0133】
例えば、感応部材2がフロントカメラを備える場合、フロントカメラの感光面は表示パネル13に向けられ、表示パネル13の感応部材領域C1を介して表示装置300の正面側(即ち表示面側)に位置する被写体の画像を撮像する。例えば、感応部材2が光センサを備える場合、光センサの感光面は表示パネル13に向けられ、表示パネル13の感応部材領域C1を介して表示装置300の正面(即ち表示面側)からの光線を感知する。例えば、感応部材2が3次元感知モジュールを備える場合、3次元感知モジュールの出光面及び感光面は表示パネル13に向けられ、表示パネル13の感応部材領域C1を介して表示装置300の正面(即ち、表示面側)に位置する物体に光線を出射し、物体から反射された光線を受光して物体の3次元空間構造の感知を実現する。
【0134】
上記の表示装置300において、光線が表示パネル13の感応部材領域C1を透過する時、回折されないか、又は回折の程度が比率較的軽いため、前記少なくとも1つの感応部材2により感応される光線情報の正確度が向上される。例えば、前記少なくとも一つの感応部材2がフロントカメラを含む場合、撮影された画像は、輝度が高く、解像度が良い。
【0135】
上記表示装置300において、例えばフロントカメラ等の感応部材2が正対する領域、即ち、感応部材領域C1は、比率較的高い光透過率を有し、且つ、光の回折が比率較的小さいため、この表示装置300を携帯電話、タブレット等の端末に適用する場合、端末の画面占有率を大きく向上させることができ、全画面表示を実現し、且つ、感応部材2の感光効果は、光線回折の影響を受けないか、又は光線回折の影響が軽微である。
【0136】
以上に説明したのは、本開示の具体的な実施形態のみであり、本開示の保護範囲は、これらに限定されない。当業者が本開示の技術的範囲内に容易に想到できる変更や置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本開示の保護範囲は、前記特許請求の範囲に記載された権利範囲を準拠するものとする。
【0137】
この出願は、2018年10月11日に中国特許局に出願された、出願番号が201811185860.1で、出願名称が「表示パネル及び表示装置」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本出願に組み込まれる。